JP2006341493A - 光学素子の成形用型および光学素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 紫外線硬化型樹脂を微細形状の有する型に充填し,硬化させることによって型の有する微細形状を成形品に転写させることを特徴とする複合型光学素子の製造方法において,基材となる光学素子の表面に構成される樹脂光学素子の形成時における樹脂の硬化収縮による成形品の変形を防ぐ成形用型および,製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る光学素子成形用型は,光学素子の形状を構成するための転写形状が形成された型表面を備えており,型表面に,特定の波長の光を入射すると入射した波長の1/n(n=2,3,4・・・)の波長の光を返すことを特徴とする非線形光学効果を有する薄膜が形成されていること。
【選択図】 図1

Description

本発明は基材となる光学素子の表面に樹脂の光学素子を形成して,例えば非球面光学素子,回折光学素子を構成する複合型光学素子の成形用型およびその成形用型を用いた複合型光学素子の成形方法に関する。
近年,一眼レフカメラや交換レンズ,およびデジタルスチルカメラ,さらにはデジタルビデオカメラをはじめとした光学電子機器において,小型化および高画質化のために非球面の光学素子や,微細形状を有した回折光学素子などが多く利用されるようになってきた。
ガラス製光学素子は、レンズ一品一品を直接研磨して形成する方法,あるいは材料をガラス転移点以上に加熱し、所望の形状を有する金型で成形する「ガラスモールド法」によって製造される。いずれの製造方法でも、非球面光学素子,回折光学素子は球面レンズに比べてかなりのコスト高となる。特にガラス製回折光学素子は高精度なガラス微細加工が困難であるため製造が行われていないという現実がある。
一方、樹脂製光学素子は、樹脂を熱可塑成形する「射出成形法」,または成形用金型にエネルギー硬化型樹脂を充填し成形面を転写することで所望の光学面形状を得る所謂「レプリカ成形法」により製作される。
そこで、ガラス製光学素子と樹脂製光学素子との両方の利点を合わせもつ複合型光学素子が考えられている。複合型光学素子は、容易に加工できるガラス製の球面あるいは非球面光学素子の表面に、樹脂製の非球面あるいは回折光学素子を形成した光学素子レンズである。
この複合型光学素子を製作する場合、あらかじめ光学形状を有した金型に、紫外硬化性樹脂を塗布し、その上から所望の形状を有する基材となるガラス材を用いて,樹脂に所望の形状に転写し,紫外光を照射させて樹脂を硬化させた状態で,金型を剥離(離型)する。
又、従来例としては、例えば特許文献1をあげることが出来る。
特開平05−220763号公報
しかしながら,このようなガラスレンズと樹脂製光学素子からなる複合型光学素子の製造においては,樹脂を成形型に充填しガラスレンズを樹脂に接液し,樹脂を硬化させる際,紫外光はガラスレンズ後方より照射するため,樹脂の硬化はガラスレンズ側より始まることから,樹脂の硬化による硬化収縮は,成形型側のまだ未硬化の樹脂がすでに硬化した樹脂の収縮応力で引き付けられるために起こるため,回折光学素子などを始めとする微細形状を樹脂面に転写しようとする際に,樹脂の硬化収縮により所望の光学面形状が得られないという問題がある。
そのため,樹脂の硬化収縮による光学面の不良を改善するために,紫外線照射時にガラスレンズに荷重をかけることで,硬化収縮による変形を抑制するような手法や,照射エネルギーの異なる紫外光を段階的に照射して,徐々に硬化させることで効果収縮による変形を抑制するような手法がとられている。
しかしながら,前記対応策では,ガラスレンズに荷重をかける手法だと,成形の際の樹脂厚の精密な制御が困難であるという問題があり,段階的に紫外光を照射する手法でも,樹脂の硬化がガラス側から始まることには変わらず,成形後の光学面となる樹脂型側での硬化収縮を完全に抑制することが出来ないという問題が生じる。
本発明は,このような課題を解決するために成されたものである。すなわち,本発明は、基材となるガラスレンズの表面に樹脂レンズを形成するための複合型光学素子の成形用型において,型本体に,樹脂レンズの転写形状が形成された型表面が設けられているとともに,少なくともこの型表面に,非線形光学効果を発現する材料による膜が形成されているものである。
本発明では,樹脂レンズを構成する成形型表面に非線形光学効果を発現する材料による膜が形成されているため,可視から近赤外域の波長領域を持つレーザーをガラスレンズ,さらには樹脂を透過し,成形型に照射することで,前記非線形光学効果により,前記成形型より発生する紫外光により,型側の樹脂から硬化し始めることで,型側の樹脂光学面の硬化収縮による変形を完全に抑制することが出来るようになる。
また,基材となるガラスレンズの表面に,成形用型を用いて樹脂レンズを形成する複合型光学素子の成形方法において,予め,樹脂レンズの転写形状が形成された成形用型の少なくとも型表面に非線形光学効果を発現する材料による膜を形成しておき,次に,成形型表面と基材となるガラスレンズの間に紫外線硬化型樹脂を介在させて配置する。その後,可視から近赤外領域の間で特定の波長を有するレーザーを,ガラスレンズと樹脂を透過させ,成形型に照射することで,成形型が有する非線形光学効果により,成形型から発生する紫外光で紫外線硬化樹脂を半硬化状態とし,成形型が有する微細形状を転写した樹脂が硬化収縮による変形を抑制した後,ガラスレンズ後方より紫外線を照射することで,前記半硬化状態である紫外線硬化樹脂を完全に硬化せしめ,樹脂レンズを形成し,成形型から離型する複合型光学素子の成形方法である。
本発明では,予め成形型表面に非線形光学効果を発現する材料による膜が形成されているため,成形型表面と基材となるガラスレンズとの間に紫外線硬化型樹脂を介在させた状態で,可視から近赤外領域の間で特定の波長を有するレーザーを,ガラスレンズと樹脂を透過させて,成形型に照射することで,成形型が有する非線形光学効果により,成形型から発生する紫外光で紫外線硬化樹脂を半硬化状態とし,成形型が有する微細形状を転写した樹脂が硬化収縮による変形を抑制した後,ガラスレンズ後方より紫外線を照射することで,前記半硬化状態である紫外線硬化樹脂を完全に硬化せしめることで,成形時における型側の樹脂光学面の硬化収縮による変形を完全に抑制することが出来るようになる。
以上,説明したように,本発明によれば,紫外線硬化樹脂をガラスレンズ側からではなく,成形用型側から硬化させることによって,従来問題とされていた,樹脂の硬化収縮による樹脂レンズ光学面での変形不良を低減し,高品質で安定した複合型光学素子を得ることが可能となる。
次に,本発明の製造方法を図面を参照して具体的に説明する。なお,ここで対象とする光学素子は,回折光学素子であるが,その他微細形状を有する光学素子,さらには球面あるいは非球面などの種々の光学素子にも適用可能である。また,ここで対象としている光学素子は凸型レンズであるが,凹型レンズにも適用可能であることを明記しておく。図1は,本実施形態に係る複合型光学素子の成形用型を説明する模式断面図である。すなわちこの成形用型1の金型本体11は金属製であり,基材となるガラスレンズ等の表面に回折格子形状を有する樹脂レンズを成形するものである。
金型本体11の樹脂レンズの光学面を転写させる面には,樹脂レンズに所望の形状(例えば,回折格子形状)を転写するための型表面11aが設けられている。この型表面11aは,ダイアモンドバイト切削などにより回折格子形状等の所望の転写形状に加工され,その加工面には非線形光学効果を有する非線形光学材料膜12が形成されている。
この非線形光学材料膜12は,非線形光学効果を有する材料による膜であるが,ここで対象とする非線形光学効果とは,入射波長に対し,1/2波長の光が一部変換されて出てくることを特徴とする光第二高調波発生(SHG)を主とするが,前記光第二高調波発生(SHG)のみならず,光第三高調波発生(THG),光第四高調波発生(FHG)など,周波数ωをもつ光を入射することにより,入射した光のn倍(n=2,3,4・・・)の周波数nωをもつ光が発生することを特徴とした,その他の非線形光学効果にも適用可能である。
この非線形光学材料膜12は,真空蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法,イオンアシスト法,CVD法,自己組織化法,光ポーリング法,などの各種製法により形成することが出来る。また,非線形光学効果材料膜12の厚さとしては,型表面11aの回折格子形状を樹脂レンズに正確に転写することを最優先として,非線形光学効果を十分に得ることが出来る値にする。
図2(a)は,本実施系に係る複合型光学素子の使用状態を説明する模式断面図である。回折格子形状のような所望の形状を有する樹脂レンズ21を成形するために,本実施形態の回折格子形状を有する成形用型1に,紫外線硬化型樹脂20を設け,基材となるガラスレンズ22で紫外線硬化型樹脂20を覆うような形で,成形用型1とガラスレンズ22との間に紫外線硬化型樹脂20を介在させる。その後,ガラスレンズ22後方に位置する可視から近赤外域波長を有するレーザ光源23より,可視から近赤外域波長を有するレーザを成形用型1に向けて照射することにより,成形用型1において発現する非線形光学効果により,成形用型1から発生する入射波長の1/2波長の光(ここでは紫外領域の波長を指す)によって,紫外線硬化型樹脂20が図2(b)に示すような回折格子形状の平面部25,および溝部26より硬化する。成形用型1と紫外線硬化型樹脂20との界面部位が硬化した後,図2(c)に示すように,光源をレーザ光源23から紫外光源24へ切り替え,ガラスレンズ後方より紫外光を紫外線硬化型樹脂20に向けて照射し,紫外線硬化型樹脂20を硬化させ,成形型が有する回折光学形状を転写した樹脂レンズ21を形成する。
本実施形態の成形用型1の型表面11aには,非線形光学材料膜12が形成されているために,ガラスレンズ22を介し照射される可視から近赤外域の波長を有するレーザによって非線形光学効果を発揮し,成形用型1と紫外線硬化型樹脂20との界面部位を優先的に硬化させるので,樹脂レンズ21が形成される際の樹脂硬化過程において,微細形状を転写する際に懸念となる微細形状での樹脂の硬化収縮による変形を,防ぐことができるようになる。
つまり,本実施形態の成形用型1を用いることで,微細形状を有する樹脂レンズ21を成形する際に,加工が極めて困難でコストもかかる透明型を用いて樹脂の硬化収縮による変形を防ぐような手法も必要とせず,また,ガラスレンズ22を介して紫外光を照射する際に,その照射エネルギーを段階的に変化させて,樹脂の硬化収縮による変形を防ぐような手法も必要とせずに,樹脂の硬化収縮による微細形状を有する光学面での変形を防ぐことが出来るようになる。
次に,この成形用型を用いた複合型光学素子の成形方法を説明する。
まず,図3(a)に示すように,本実施形態の成形用型1の型表面11a(非線形工学効果膜12が形成されている面)に,柔らかい状態の紫外線硬化型樹脂20を所定量,滴下もしくは塗布する。
次に,図3(b)に示すように,成形用型1を,紫外線照射硬化性樹脂20の上に基材となるガラスレンズ22を載置する。これにより,ガラスレンズ22の表面と型表面11aとの間の所定の隙間が紫外線硬化型樹脂20で埋め込まれる状態となる。
次いで,図3(c)に示すように,紫外線光源4からガラスレンズ22に向けてレーザ光を照射する。このレーザ光は可視から金赤外域の波長を有しており,ガラスレンズ22及び,紫外線硬化型樹脂20は透過するものである。ガラスレンズ22,紫外線硬化型樹脂20を透過したレーザ光は成形型表面11aの非線形光学効果膜12に達する。
このレーザ光により非線形光学効果膜12より発生する紫外線により,成形型表面11aの形状に沿って,紫外線硬化型樹脂20が成形型表面11a側より硬化し始める。
図3(d)に示すように,成形型表面11a側の紫外線硬化型樹脂20が硬化した状態で,光源をレーザ光源23から紫外光源24に切り替え,ガラスレンズを介して,半硬化状態である紫外線硬化型樹脂20に向けて,紫外線を照射し,樹脂レンズ21を成形する。
次に,図3(e)に示すように,表面に樹脂レンズ21が形成されたガラスレンズ22,すなわち複合型光学素子32を金型本体11の型表面11aから剥離(離型)する。
この成形方法では,成形型1の有する微細形状を転写した樹脂レンズ21の光学面31において硬化収縮による樹脂の変形による不良が発生せず,精度の高い複合型光学素子32を成形出来るようになる。
上述した本実施形態により,色分解効果をもつ回折格子や,色収差を補正するバイナリーレンズや,微細フレネルレンズなどのように,表面に微細なパターンが形成されることで特有の効果を発揮する光学素子など,従来,パターン形状の不均一や光学面の変形など樹脂硬化における成形に問題のあった光学素子に効果がある。
次に本実施系の具体例を説明する。この具体例では,CCDを撮像系としたレンズ系において,光線が通過する面の少なくとも1面に複合型回折光学素子の樹脂を形成する場合を説明する。
まず,図1に示す成形用型1の作成方法について説明する。成形型1は直径30mmの大きさで,その表面には,回折格子形状を樹脂に転写させるために,回折格子形状の反転形状の微細加工が施されている。成形型1はステンレス系合金の表面に銅メッキ処理を施す。この銅メッキ層に対してダイヤモンドバイトを用いて切削加工することにより,回折格子形状を成形用型1に形成する。ここで,回折格子形状の回折格子の高さは15μm以下が望ましい。そのため,切削層となる銅メッキ層の厚みは20μm以上が適当であるが,成形型の大きな形状を損なわない値が望ましい。
次に銅メッキ層に切削加工を施した成形用型1の加工面に無電解ニッケル−リンメッキを0.3μmの厚みで施し,仕上げとする。しかしながら,前述のステンレス系合金に,直接,無電解ニッケル−リンメッキを20μm以上施し,直接切削することで,成形型1を得てもよい。
ついで,このように作成した成形用型1の型表面11aに非線形光学効果を発現する材料の成膜処理を施す。ここで非線形光学効果を発現する材料として,光第二高調波発生を主としたボレート系非線形光学結晶であるCLBO結晶を用いた。ここでは真空蒸着法を用いて,約100nm程の膜厚で,CLBO膜を形成する。
また非線形光学材料膜12を形成する方法としては,真空蒸着法以外に,スパッタリング法,イオンプレーティング法,イオンアシスト法,CVD法,自己組織化法,光ポーリング法,などいずれの各種製法を用いるようにしてもよい。
次に,以上のように作成された成形用型1を用いて,複合型光学素子の形成方法を説明する。
まず,屈折率nd=1.43425のガラス基材(例えばガラスの種類:K−CaFK95)を所望の面精度でレンズ形状に加工して基材となるガラスレンズ22を成形する。なお,ガラスレンズ22において,樹脂レンズ21と接する面について,予め,樹脂レンズとの密着力を上げるため,ビニル系シランカップリング剤(例えばKBE−1003)を塗布しておくとよい。
次に,この成形用型1の樹脂レンズ21を成形しようとする型表面11aに,紫外線硬化型樹脂20(nd=1.62)を定量滴下する。ここでの対象となる紫外線硬化型樹脂は,主に波長365nmの紫外光で硬化活性となるアクリレート系紫外線硬化型樹脂,メタクリレート系紫外線硬化型樹脂であるが,紫外線によって硬化するその他の樹脂でも構わない。また紫外線のみならず,その他の光で硬化するような材料でも構わない。
このときの,成形用型1の型表面11aに滴下する紫外線硬化型樹脂20の量としては,樹脂レンズ21成形後にレンズ面からはみ出さない程度に設定する。また,樹脂がよく伸びるように,つまり整形用型1の型表面11aにおいて樹脂の濡れ性が良くなるように,樹脂の温度を上げて粘性を下げるようにしてもよい。樹脂を滴下した後,前記ガラスレンズ22により,樹脂厚が中心厚で100μmとなるように樹脂を成形する。このとき,紫外線硬化型樹脂20とガラスレンズ22,及び,紫外線硬化型樹脂20と成形型1の型表面11aとの間に,気泡が入らないように細心の注意を払うとよい。
このような状態で,成形用型1とガラスレンズ22を固定したまま,発振波長730nmのNd:YAGレーザーを用いて,ガラスレンズ22と紫外線硬化型樹脂20とを介して,成形用型1の表面に形成された非線形光学材料膜12に照射する。また,前記レーザーの照射する箇所としては,回折格子形状において,平面部よりも回折格子特有の溝部を優先的に照射した方が良い。また球面あるいは非球面形状の場合では,中心部から硬化させた方がよい。このとき,非線形光学効果の発現により,非線形光学材料膜12において前記発振波長730nmのレーザー光は,一部波長365nmの光と変換され,非線形光学材料膜12より発生する。変換された波長365nmの光によって,紫外線硬化型樹脂20は,非線形光学材料膜12に面している部分から硬化する。
樹脂レンズ21の光学面(紫外線硬化型樹脂20と成形型1の型表面11aとの界面)が,硬化開始によって固着した後に,光源を前記Nd:YAGレーザーより紫外線照射光源に切り替え,紫外光を十分照射させる。このとき,成形される樹脂レンズ21が薄層であるならば,紫外線照射光源に切り替えずに,Nd:YAGレーザーによって紫外線硬化樹脂を全硬化させてもよい。紫外線照射後,形成された複合型光学素子32を成形用型1から離型させ,治具から取り出す。
このようなプロセスと,従来の非線形光学材料膜を有しない成形用型を用いたプロセスとで,樹脂レンズ光学面の成形時における硬化収縮変形不良について比較した。比較例として,(1)金型表面処理を行わないもの,(2)硬化収縮を抑制するために,ガラスレンズに荷重をかけながら成形するもの,(3)硬化収縮を抑制するために,紫外光を段階的に照射する手法で成形したもの,(4)非線形光学材料膜の代わりに,硬化収縮を抑制するために,成形型1と紫外線硬化樹脂20との密着力を上げるシランカップリング剤を塗布したもの,(5)型表面11aに,一般に樹脂成形において用いられている離型剤を塗布したもの,を準備し,同一条件で,100回,連続成形を行った。
その結果を図4に示す。図4から分かるように,本実施形態により複合型光学素子を連続成形しても,成形型の有する形状を緻密に転写し,離型性を損なうことなく,金型への樹脂残りもなく,外観も綺麗に成形できることから,安定した複合型光学素子を継続的に提供できる。
これに対し,比較例(1)では,離型力は実用に耐えうる範囲ではあったものの,金型への樹脂残りがあり,外観不良が多く確認された。
また,比較例(2)では,ガラスレンズに荷重をかけることにより,微細形状への転写性は比較例(1)に比べ若干向上してはいるものの,離型力が高くなってしまい,またそれに伴う,形状の変化(歪み)による不良が確認された。
さらに,比較例(3)では,段階的に紫外光を照射することで,微細形状への転写性は比較例(1)に比べ若干向上し,樹脂への型残りも比較例(2)に比べ向上してはいるものの,樹脂カケなどの不良がまだまだ発生している様子が確認された。
比較例(4)では,ビニル系シランカップリング剤を成形型1に塗布することで,樹脂との密着力をあげ,硬化収縮による変形を抑制してはいるものの,離型性が悪化してしまい,樹脂レンズが割れてしまうといった不良が確認された。
比較例(5)では,樹脂成形において,一般的に用いられているフッ素系離型剤を塗布したもので,離型性や,金型への樹脂残りについては比較例(1)〜(4)に比べ大幅に向上しているものの,微細形状への転写性は良くなく,成形後の光学面には変形による不良が確認された。
このように,本実施形態では,光学面への転写性,金型への樹脂残り,外観,離型性のいずれについても良好な結果を得られることが分かる。
なお,本実施形態では,複合型光学素子の基材となるレンズについて,ガラス製のレンズを例としたが,本発明はこれには限定されず,樹脂製のレンズであったり,他の材質のレンズであっても適用可能である。
本実施形態を説明する模式断面図である。 本実施形態を説明する模式断面図である。 (a)レーザ照射 (b)回折格子形状 (c)紫外照射 本実施形態における成形過程を説明する模式断面図である。 (a):型に樹脂を塗布 (b):ガラスを接液 (c):レーザ照射 (d):紫外照射 (e):離型 本実施形態と比較例を説明する図である。
符号の説明
1 成形用型
11 金型本体
11a 型表面
12 非線形光学材料膜
20 紫外線硬化型樹脂
21 樹脂レンズ
22 ガラスレンズ
23 レーザ光源
24 紫外光源
25 回折光学形状平面部
26 回折光学形状溝部
31 樹脂レンズ光学面
32 複合型光学素子

Claims (5)

  1. 基材となるガラスレンズの表面に樹脂製光学素子を形成するための前記ガラスレンズと前記樹脂製光学素子からなる複合型光学素子の成形用型において、型本体に樹脂光学素子の転写形状が形成された型表面が設けられているとともに、少なくとも型表面に非線形光学効果を発現する材料が形成されていることを特徴とする光学素子の成形用型。
  2. 前記非線形光学効果を発現する材料は,周波数wをもつ光を入射することにより,入射した光のn倍(n=2,3,4・・・)の周波数nwをもつ光が発生することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の成形用型。
  3. 紫外線硬化型樹脂を微細形状の有する型に充填し,硬化させることによって型の有する微細形状を成形品に転写させることを特徴とする複合型光学素子の製造方法において,微細形状を有する成形型自体が紫外光を発生することで樹脂を硬化させることを特徴とする光学素子の製造方法。
  4. 前記光学素子の製造法において,可視から近赤外域波長のレーザーを前記成形型に照射することによって成形型側から紫外光を発生させることを特徴とする請求項3に記載の光学素子の製造方法。
  5. 非線形光学効果の発現により成形型側から発生する前記紫外光により紫外線硬化型樹脂を半硬化状態にせしめた後,ガラスレンズ後方より所定の強度を有する紫外光を照射することにより,前記紫外線硬化樹脂を全硬化せしめることを特徴とする請求項4に記載の光学素子の製造法。
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