JP2006339600A - 露光方法及び装置、並びに電子デバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 照明光の波長程度以下の微細パターンを、安価に形成可能な露光技術を提供する。
【解決手段】 光源1からの照明光の光路中に、順に第1の回折格子が形成された透光性平板P1と第2の回折格子が形成された透光性平板P2とを直列に配置し、前記第2の回折格子からの回折光をウエハWに照射し、ウエハW上に干渉縞パターンを露光する露光装置であって、レーザ干渉計40及び86を用いて透光性平板P2とウエハWとの位置関係を計測し、レーザ干渉計82及び86を用いて透光性平板P1と透光性平板P2との位置関係を計測し、これらの計測値に応じて、それらの位置関係を所定の位置関係に設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体集積回路、フラットパネルディスプレイ装置、薄膜磁気ヘッド、及びマイクロマシン等の電子デバイス製造工程における微細パターンの形成工程で使用される露光技術及び該露光技術を用いる電子デバイス製造技術に関する。
半導体集積回路等の電子デバイスの製造工程における微細パターンの形成に際しては、一般的にフォトリソグラフィー技術が使用される。これは、ウエハ等の被加工基板の表面にフォトレジスト(感光性薄膜)を塗布する塗布工程、形成すべきパターンの形状に応じた光量分布を有する露光用の照明光を被加工基板に照射する露光工程、現像工程、及びエッチング工程等により、被加工基板上に所望のパターンを形成するものである。
現状で最先端の電子デバイスを製造するための露光工程においては、露光方法として、主に投影露光方法が使用されている。これは、レチクル等のマスク上に形成すべきパターンを4倍または5倍に拡大して形成しておき、これに露光用の照明光を照射し、その透過光を縮小投影光学系を用いて被加工基板上に露光することで、そのパターンを被加工基板上に転写するものである。
投影露光方法で形成可能なパターンの微細度は縮小投影光学系の解像度で決まり、これは露光波長を投影光学系の開口数(NA)で割った値にほぼ等しい。従って、より微細な回路パターンを形成するためには、露光波長の短波長化又は投影光学系の高NA化が必要である。
一方、例えば非特許文献1及び非特許文献2に開示される如く、光源と被加工基板との間に回折格子を配置し、照明光をこの回折格子に照射することによって発生する複数の回折光を被加工基板上で干渉させ、その干渉縞による明暗パターンを用いて被加工基板上に微細パターンを形成する方法(以下、干渉露光方法と呼ぶ)も提案されている。
J.M. Carter他: "Interference Lithography" http://snl.mit.edu/project_document/SNL-8.pdf Mark L. Schattenburg他: "Grating Production Methods" http://snl.mit.edu/papers/presentations/2002/MLS-Con-X-2002-07-03.pdf
上述の従来の露光方法のうち投影露光方法においては、より高解像度を得るには、より短波長の露光光源又はより高NAの投影光学系が必要になる。
しかしながら、現在最先端の露光装置では、露光波長は193nmに短波長化されており、今後の一層の短波長化は使用可能なレンズ材料の観点から困難な状況にある。また、現在最先端の投影光学系のNAは0.92程度に達しており、これ以上の高NA化は困難な状況にあるとともに、露光装置の製造コストを大幅に上昇させる原因となる。
一方、従来の露光方法のうちの干渉露光方法では、干渉縞を形成するための回折格子と被加工基板との間の位置関係を高精度に所定の関係に設定する必要がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、微細パターン、例えば照明光の波長程度以下の線幅のパターンを、安価に形成可能な露光技術を提供することを第1の目的とする。
さらに本発明は、被加工基板近傍において照明光の進行方向の広い範囲で高コントラストな干渉縞を得ることができる干渉露光方法を用いた露光技術を提供することを第2の目的とする。
また、本発明は、上記露光技術を用いた電子デバイス製造技術を提供することをも目的とする。
本発明による露光方法は、光源からの照明光の照明光路中に、その光源側から順に第1の回折格子及び第2の回折格子を直列に配置し、その第2の回折格子からの回折光を感光性の基板に照射し、その基板上に干渉縞パターンを露光する露光方法であって、その第2の回折格子とその基板との第1の位置関係を、第1の位置計測機構により計測する工程と、その第1の位置関係の計測値に応じて、その第1の位置関係を所定の位置関係に設定する工程とを有するものである。
本発明によれば、2枚の回折格子を介してその基板(被加工基板)上に干渉縞パターンを形成しているため、その照明光の空間的可干渉性がある程度低い場合でもその干渉縞パターンのコントラストを高めることができる。従って、投影光学系を用いる場合に比べて安価に、さらには空間的可干渉性の高い光源を用いる場合に比べて安価に、照明光の波長程度以下の線幅のパターンのような微細パターンを形成できる。また、その第2の回折格子とその基板とのその第1の位置関係を所定の位置関係に設定することによって、その干渉縞パターンとその基板上にそれまでの工程で形成されているパターンとの重ね合わせ露光を高精度に行うことができる。
本発明において、一例としてその第1の位置関係は、その基板の表面に平行な方向の位置関係、その基板の表面に垂直な軸の周りの回転方向の位置関係、その基板の表面に平行な軸の周りの回転方向の位置関係、及びその基板の表面に垂直な方向の位置関係のうちの少なくとも一つを含む。
また、本発明において、その第1の回折格子とその第2の回折格子との第2の位置関係を、第2の位置計測機構により計測する工程と、その第2の位置関係の計測値に応じて、その第2の位置関係を所定の位置関係に設定する工程とをさらに有してもよい。
このようにその2つの回折格子間の第2の位置関係を所定の位置関係に設定することによって、その干渉縞パターンの位置を所定位置に設定できる場合がある。この場合には、その干渉縞パターンの重ね合わせ精度がさらに向上する。
また、一例としてその第2の位置関係は、その基板の表面に平行な方向の位置関係、その基板の表面に垂直な軸の周りの回転方向の位置関係、その基板の表面に平行な軸の周りの回転方向の位置関係、及びその基板の表面に垂直な方向の位置関係のうちの少なくとも一つを含む。
また、その第2の位置関係がその基板の表面に垂直な方向の位置関係を含むときには、その第2の位置関係の計測結果に基づいて、その第1の回折格子とその第2の回折格子との間隔に対応する第1の実効距離を、その第2回折格子とその基板との間隔に対応する第2の実効距離に概ね等しく設定する工程を有してもよい。これによって、その第1の回折格子上の1点で分かれた2つの回折光をその基板上のほぼ同じ点の近傍で干渉させることが可能となる。従って、その基板近傍において照明光の進行方向の広い範囲で高コントラストな干渉縞を得ると同時に、その基板の表面の広い部分において照明光の照度分布を均一化できる。
また、一例としてその第1及び第2の位置計測機構はそれぞれレーザ干渉計を含むものである。これによって、その第1及び第2の位置関係を高精度に計測できる。
また、本発明による電子デバイス製造方法は、電子デバイスを構成する回路パターンの形成工程の少なくとも一部において、本発明の露光方法を用いるものである。
次に、本発明による露光装置は、光源からの照明光の照明光路中に、その光源側から順に第1の回折格子及び第2の回折格子を直列に配置し、その第2の回折格子からの回折光を感光性の基板に照射し、その基板上に干渉縞パターンを露光する露光装置であって、その第2の回折格子とその基板との第1の位置関係を計測する第1の位置計測機構と、その第1の位置計測機構の計測値に応じて、その第1の位置関係を所定の位置関係に設定する制御装置とを備えたものである。
本発明によれば、本発明の露光方法を使用できる。従って、その基板上に高い重ね合わせ精度で、安価に、照明光の波長程度以下の線幅のパターンのような微細パターンを形成できる。
本発明において、一例としてその第1の位置関係は、その基板の表面に平行な方向の位置関係、その基板の表面に垂直な軸の周りの回転方向の位置関係、その基板の表面に平行な軸の周りの回転方向の位置関係、及びその基板の表面に垂直な方向の位置関係のうちの少なくとも一つを含む。
また、その第1の回折格子とその第2の回折格子との第2の位置関係を計測する第2の位置計測機構をさらに備え、その制御装置は、その第2の位置計測機構の計測値に応じて、その第2の位置関係を所定の位置関係に設定してもよい。このように2つの回折格子間の第2の位置関係を所定の位置関係に設定することによって、その干渉縞パターンの重ね合わせ精度がさらに向上する場合がある。
また、一例としてその第2の位置関係は、その基板の表面に平行な方向の位置関係、その基板の表面に垂直な軸の周りの回転方向の位置関係、その基板の表面に平行な軸の周りの回転方向の位置関係、及びその基板の表面に垂直な方向の位置関係のうちの少なくとも一つを含む。
また、その制御装置は、その第2の位置計測機構の計測結果に基づいて、その第1の回折格子とその第2の回折格子との間隔に対応する第1の実効距離を、その第2回折格子とその基板との間隔に対応する第2の実効距離に概ね等しく設定してもよい。これによって、その基板近傍において照明光の進行方向の広い範囲で高コントラストな干渉縞を得ると同時に、その基板の表面の広い部分において照明光の照度分布を均一化できる。
また、一例としてその第1及び第2の位置計測機構はそれぞれレーザ干渉計を含むものである。
本発明によれば、2つの回折格子を介して形成される干渉縞パターンで基板(被加工基板)を露光することによって、照明光の波長程度以下の線幅のパターンのような微細パターンを安価に形成することができる。
また、本発明において、第1の回折格子と第2の回折格子との間隔に対応する第1の実効距離を、その第2回折格子と基板との間隔に対応する第2の実効距離に概ね等しく設定する場合には、その基板近傍において照明光の進行方向の広い範囲で高コントラストな干渉縞を得ることができる。
[第1の実施形態]
以下、本発明の好ましい第1の実施形態について図1〜図19を参照して説明する。
図1は、本例の露光装置の概略構成を示す図である。なお、図1中に示したXYZ座標系と、以降の各図で示す座標系とは同一である。図1において、光源1としては波長193nmのパルスレーザビームよりなる照明光IL1を出力するArF(アルゴン・フッ素)エキシマーレーザが使用されている。光源1としては、その他に発振波長248nmのKrF(クリプトン・フッ素)エキシマーレーザ、発振波長157nmのF2 (フッ素ダイマー)レーザ、または波長変換素子を使用する高調波レーザ等も使用できる。
光源1を発した照明光IL1は、第1の光軸AX1に沿って配置される第1のレンズ群を構成するレンズ2,3,4,6により、所定のビームサイズを有する平行光線束(平行ビーム)である照明光IL2に変換される。
照明光IL2は、偏光制御素子9により所定の偏光状態に設定された照明光IL3となり、照明光均一化手段の一部を構成する集光光学系10に入射する。集光光学系10を射出した照明光IL5は、照明光均一化手段の一部を構成するオプチカルインテグレータ(ユニフォマイザ又はホモジナイザ)としてのフライアイレンズ13に入射する。フライアイレンズ13の射出側の面の近傍には、必要に応じて開口絞り17が配置される。
なお、集光光学系10、フライアイレンズ13、開口絞り17等からなる照明光均一化手段の詳細については後述する。
フライアイレンズ13を射出した照明光IL7は、第2の光軸AX2に沿って配置される第2のレンズ群を構成するレンズ19,20,21に入射し、これらのレンズで屈折されて照明光IL8となって視野絞り22(詳細後述)に達する。
視野絞り22を透過した照明光は、さらに第2の光軸AX2に沿って配置される第3のレンズ群を構成するレンズ25,26,27により屈折されて集光点28に至る。集光点28は、フライアイレンズ13の射出側の面上の1点と、第2のレンズ群(19,20,21)及び第3のレンズ群(25,26,27)を介して共役(結像関係)となっている。
集光点28を通過した照明光IL9は、さらに第4のレンズ群を構成するレンズ29,30,32,35により屈折されて照明光IL10となって第1の透光性平板P1に入射する。
なお、以上の第1のレンズ群(2,3,4,5)から第4のレンズ群(29,30,32,35)に至るまでの照明光IL1〜IL10の光路上の光学部材を含む光学系を、以下では、照明光学系ISという。この照明光学系ISは、第1の透光性平板P1が配置される面を所定の照射面とする照明光学装置とみなすこともできる。
以下、照明光学系ISの射出側の光軸AX2に沿って光源1側が+方向となるようにZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行な方向にX軸を、図1の紙面に垂直な方向にY軸を取って説明する。本例では、X軸及びY軸を含むXY平面は水平面にほぼ平行である。
第1の透光性平板P1の下方(−Z方向)には、第2の透光性平板P2が設けられる。第2の透光性平板P2は、パターンを形成すべき加工対象である半導体ウエハ等の基板W(以降、適宜、ウエハともいう)に対向して配置される。第1の透光性平板P1には後述する第1の回折格子が形成されており、その第1の回折格子に照明光IL10が照射されることにより発生する回折光は、第2の透光性平板P2に照射される。第2の透光性平板P2には後述する第2の回折格子が形成されており、上記回折光はその第2の回折格子に照射されることになる。そして、第2の回折格子で発生した回折光はウエハWに照射され、ウエハW上に複数の回折光からなる干渉縞による明暗パターンが形成される。
ウエハWの表面には、上記明暗パターンを感光し記録するためのフォトレジスト等の感光部材PRを形成しておく。即ち、ウエハWは感光性の基板とみなすことができる。
ウエハWは、一例として直径が300mmの円板状であり、第2の透光性平板P2は一例としてウエハWの表面の全面を覆う直径の円板状とする。同様に第1の透光性平板P1も一例として第2の透光性平板P2の表面の全面を覆う直径の円板状とする。ただし、後述する様に、第2の透光性平板P2の直径は、ウエハWの直径よりも30mm程度以上大きいことが望ましい。なお、本例では透光性平板P1,P2は円板状であるが、透光性平板P1,P2をウエハWの表面を覆う程度の大きさの矩形の平板状としてもよい。
ウエハWは、ウエハベース50上をX方向及びY方向に可動な基板保持機構であるウエハステージ38上に保持され、これによりX方向及びY方向に可動となっている。ウエハステージ38及びウエハベース50を含んでウエハステージ系が構成されている。また、ウエハWのX方向及びY方向の位置はウエハステージ38上に設けられた移動鏡39の位置を介してレーザ干渉計40により計測される。即ち、レーザ干渉計40からのレーザビームはビームスプリッタ(例えば偏光ビームスプリッタ)90によって計測ビームと参照ビームとに分割され、計測ビームは移動鏡39に照射され、参照ビームはミラーを介してコラム構造体75(詳細後述)に固定された参照鏡91に照射される。そして、移動鏡39からの計測ビームと参照鏡91からの参照ビームとの干渉光をレーザ干渉計40で検出することによって、コラム構造体75を基準としてウエハステージ38のX方向、Y方向の位置を例えば1〜0.1nm程度の分解能で計測することができる。なお、レーザ干渉計40は実際にはX軸及びY軸の複数軸のレーザ干渉計から構成されており(詳細後述)、移動鏡39もX軸及びY軸の移動鏡から構成されており、ビームスプリッタ90及び参照鏡91もそれぞれレーザ干渉計の軸数に応じて複数個配置されている。
また、ウエハベース50の+X方向の上方にウエハマーク検出機構43が配置されている。ウエハマーク検出機構43は、例えば光学顕微鏡からなりウエハW上に形成されている既存の回路パターンあるいは位置合わせマークの位置を検出するものである。ウエハステージ38上に保持されたウエハWは、必要に応じて露光前にウエハマーク検出機構43の直下に移動され、ウエハW上のパターンまたはマークの位置が検出される。
なお、ウエハWの表面の高さ分布を計測するために、一例としてウエハWの表面の複数の計測点に斜めにスリット像を投影する投射光学系と、ウエハWの表面からの反射光を受光してその複数のスリット像を再結像する受光光学系とを備え、その再結像された複数のスリット像の横ずれ量からその複数の計測点の所定の基準面(以下、第1の基準面という)からのZ方向の位置ずれ量を計測する斜入射方式のウエハ表面位置検出系(不図示)が、例えばウエハマーク検出機構43の近傍に配置されている。その斜入射方式の多点のウエハ表面位置検出系の具体的な構成については、例えば特開平05−129182号公報に開示されている。また、本例ではその第1の基準面は、XY平面に平行である。
本例のウエハステージ38にはウエハWのZ方向の位置とX軸及びY軸の周りの傾斜角(回転角)とを制御するZレベリング機構も組み込まれており、そのウエハ表面位置検出系の計測結果に基づいてそのZレベリング機構は、ウエハWの露光時にウエハWの表面の平均的な面をその第1の基準面に合致させる。
また、第2の透光性平板P2は、Y方向に見たときの断面がほぼU字型で中央部に照明光を通す円形開口が形成された第2のホルダ37A上に真空吸着又は電磁吸着によって吸着保持され、ホルダ37Aを含む第2保持駆動機構によって、透光性平板P2はXY平面に平行に、かつウエハWと後述する所定の間隔をもって対向して配置される。また、第1の透光性平板P1は、Y方向に見たときの断面がほぼU字型で中央部に照明光を通す円形開口が形成された第1のホルダ36A上に真空吸着又は電磁吸着によって吸着保持され、ホルダ36Aを含む第1保持駆動機構によって、透光性平板P1はXY平面に平行に、かつ第2の透光性平板P2と後述する所定の間隔をもって対向して配置される。さらに本例では、第1のホルダ36Aの透光性平板P1を保持する部分は、X方向において、第2のホルダ37Aの透光性平板P2を保持する部分内に収納されるように配置されている。このため、例えば透光性平板P1,P2を交換する必要があるときには、ホルダ36A及び37Aを互いに独立にY方向に引き抜くことが可能となっている。
図1において、光軸AX2の+X方向側において、XY平面に平行でY軸に平行に、かつZ方向に所定間隔で1対の細長い平板状のベース部材75A及び75Bが配置され、光軸AX2に関してベース部材75A及び75Bに対称にY軸に平行に1対のベース部材75C及び75Dが配置されている。ベース部材75A〜75Dの上面はそれぞれ平面度の良好なガイド面に加工されている。
図3は、図1の透光性平板P1,P2の保持駆動機構を示す平面図であり、この図3において、ベース部材75A〜75Dの+Y方向及び−Y方向の端部はそれぞれ連結部材75E及び75Fによって固定されている。一体的に固定されたベース部材75A〜75D及び連結部材75E,75Fからコラム構造体75(位置基準となる基準フレーム)が構成されている。
図5は、図1のウエハステージ系及び透光性平板P1,P2の保持駆動機構を示す一部を切り欠いた側面図であり、図5に示すように、コラム構造体75は、ウエハステージ系を覆うようにY方向に配置され、コラム構造体75のY方向の両端部は支持部材96A及び96Bを介して床FL上に支持されている。
図1に戻り、第1の透光性平板P1を保持するホルダ36AのX方向の両端部は、平板状のスライダ36B及び36Cを介してそれぞれベース部材75A及び75C上に移動自在に載置されている。ホルダ36Aとスライダ36B及び36Cとは、ホルダ36AのZ方向の位置を制御可能な3個のZ軸アクチュエータ81Aと相対回転防止用の2個のピン(不図示)とを介して連結されている。Z軸アクチュエータ81Aとしては、例えば電動マイクロメータやラックピニオン機構等が使用できる。従って、ホルダ36A及びスライダ36B,36Cは、ベース部材75A及び75Cの上面で一体的にX方向、Y方向、及びZ軸の周りの回転方向に移動できるとともに、3箇所のZ軸アクチュエータ81Aの高さを制御することで、ベース部材75A,75Cに対するホルダ36A(第1の透光性平板P1)のZ方向の位置とX軸及びY軸の周りの回転角とを調整することができる。
また、+X方向のスライダ36BはY方向に離れた2個のX軸アクチュエータ80Aを介してスライダ77Aに連結され、スライダ77Aはベース部材75A上に固定されたY軸ガイドに沿って不図示の駆動モータによってY方向に駆動される。X軸アクチュエータ80Aとしては、例えば電動マイクロメータやラックピニオン機構等が使用できる。スライダ77Aは例えば送りねじ方式でY方向に駆動されるが、リニアモータ方式で駆動してもよい。2個のX軸アクチュエータ80Aの駆動量を制御することによって、ベース部材75Aに対するホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向の位置とZ軸の周りの回転角とを調整することができる。また、スライダ77AをY方向に駆動することで、それに連動してホルダ36A(第1の透光性平板P1)をY方向に大きく移動できるとともに、そのY方向の位置の調整を行うことができる。
この結果、コラム構造体75に対してホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角の6自由度の変位を調整できるとともに、必要に応じてホルダ36A(第1の透光性平板P1)を照明光学系ISの下方から+Y方向に引き抜いて、透光性平板P1の交換等を行うことができる。
また、ホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向、Y方向の位置、及びZ軸の周りの回転角は、ホルダ36A上に設けられた移動鏡84の位置を介してレーザ干渉計82により計測される。即ち、レーザ干渉計82からのレーザビームはビームスプリッタ(例えば偏光ビームスプリッタ)83によって計測ビームと参照ビームとに分割され、計測ビームは移動鏡84に照射され、参照ビームはミラーを介してベース75C(コラム構造体75)に固定された参照鏡85に照射される。そして、移動鏡84からの計測ビームと参照鏡85からの参照ビームとの干渉光をレーザ干渉計82で検出することによって、コラム構造体75を基準としてホルダ36AのX方向、Y方向の位置を例えば1〜0.1nm程度の分解能で計測することができ、2箇所のY方向(又はX方向でも可)の位置の差分からホルダ36AのZ軸の周りの回転角を計測できる。このため、実際にはレーザ干渉計82はX方向に1軸でY方向に2軸のレーザ干渉計から構成されており(詳細後述)、移動鏡84もX方向に1軸でY方向に2軸の移動鏡から構成されており、ビームスプリッタ83及び参照鏡85もそれぞれレーザ干渉計の軸数に応じて複数個配置されている。
また、必要に応じて、不図示のレーザ光源から透光性平板P1の上面に斜めに3本のレーザビームが照射され、その上面で反射されたレーザビームの位置を光電検出器で検出することによって、予め定められている所定の基準面(以下、第2の基準面という)に対して、透光性平板P1の上面のZ方向の位置、及びX軸、Y軸の周りの回転角が計測される。そのレーザ光源及び光電検出器よりなる第1のZ位置検出系の代わりに、上記のウエハWの焦点位置を計測するための斜入射方式の多点のウエハ表面位置検出系と同じ構成の検出系を使用することも可能である。その第2の基準面はXY平面に平行である。
この結果、ホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角の6自由度の変位が計測され、この計測値に基づいて3個のZ軸アクチュエータ81A、2個のX軸アクチュエータ80A、及びスライダ77A用のY軸の駆動モータを駆動することで、ホルダ36A(第1の透光性平板P1)の6自由度の変位が目標とする状態に制御される。
図1において、第1のホルダ36Aと同様に、第2の透光性平板P2を保持する第2のホルダ37AのX方向の両端部は、平板状のスライダ37B及び37Cを介してそれぞれベース部材75B及び75D上に移動自在に載置されている。ホルダ37Aとスライダ37B,37Cとは、ホルダ37AのZ方向の位置を制御可能な3個のZ軸アクチュエータ81Bと相対回転防止用の2個のピン(不図示)とを介して連結されている。Z軸アクチュエータ81Bとしては、例えば電動マイクロメータやラックピニオン機構等が使用できる。従って、ホルダ37A及びスライダ37B,37Cは、ベース部材75B,75Dの上面で一体的にX方向、Y方向、及びZ軸の周りの回転方向に移動できるとともに、3箇所のZ軸アクチュエータ81Bの高さを制御することで、ベース部材75B,75Dに対するホルダ37A(第2の透光性平板P2)のZ方向の位置とX軸及びY軸の周りの回転角とを調整することができる。
また、+X方向のスライダ37BはY方向に離れた2個のX軸アクチュエータ80Bを介してスライダ77Bに連結され、スライダ77Bはベース部材75B上に固定されたY軸ガイドに沿って不図示の駆動モータによってY方向に駆動される。X軸アクチュエータ80Bとしては、例えば電動マイクロメータやラックピニオン機構等が使用できる。スライダ77Bは例えば送りねじ方式でY方向に駆動されるが、リニアモータ方式で駆動してもよい。2個のX軸アクチュエータ80Bの駆動量を制御することによって、ベース部材75Bに対するホルダ37A(第2の透光性平板P2)のX方向の位置とZ軸の周りの回転角とを調整することができる。また、スライダ77BをY方向に駆動することで、それに連動してホルダ37A(第2の透光性平板P2)をY方向に大きく移動できるとともに、そのY方向の位置の調整を行うことができる。
この結果、コラム構造体75に対してホルダ37A(第2の透光性平板P2)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角の6自由度の変位を調整できるとともに、必要に応じてホルダ37A(第2の透光性平板P2)を照明光学系ISの下方から+Y方向に引き抜いて、透光性平板P2の交換等を行うことができる。
また、ホルダ37A(第2の透光性平板P2)のX方向、Y方向の位置、及びZ軸の周りの回転角は、ホルダ37A上に設けられた移動鏡88の位置を介してレーザ干渉計86により計測される。即ち、レーザ干渉計86からのレーザビームはビームスプリッタ(例えば偏光ビームスプリッタ)87によって計測ビームと参照ビームとに分割され、計測ビームは移動鏡88に照射され、参照ビームはミラーを介してベース75D(コラム構造体75)に固定された参照鏡89に照射される。そして、移動鏡88からの計測ビームと参照鏡89からの参照ビームとの干渉光をレーザ干渉計86で検出することによって、コラム構造体75を基準としてホルダ37AのX方向、Y方向の位置を例えば1〜0.1nm程度の分解能で計測することができ、2箇所のY方向(又はX方向)の位置の差分からホルダ37AのZ軸の周りの回転角を計測できる。このため、実際にはレーザ干渉計86はX方向に1軸でY方向に2軸のレーザ干渉計から構成されており(詳細後述)、移動鏡88もX方向に1軸でY方向に2軸の移動鏡から構成されており、ビームスプリッタ87及び参照鏡89もそれぞれレーザ干渉計の軸数に応じて複数個配置されている。
また、必要に応じて、不図示のレーザ光源から透光性平板P2の上面に斜めに3本のレーザビームが照射され、その上面で反射されたレーザビームの位置を光電検出器で検出することによって、予め定められている所定の基準面(以下、第3の基準面という)に対して、透光性平板P2の上面のZ方向の位置、及びX軸、Y軸の周りの回転角が計測される。そのレーザ光源及び光電検出器よりなる第2のZ位置検出系の代わりに、上記のウエハWの表面のZ位置を検出するための斜入射方式の多点のZ位置検出系(表面位置検出系)と同じ構成の検出系を使用することも可能である。その第3の基準面はXY平面に平行である。
この結果、ホルダ37A(第2の透光性平板P2)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角の6自由度の変位が計測される。そして、その計測値に基づいて3個のZ軸アクチュエータ81B、2個のX軸アクチュエータ80B、及びスライダ77B用のY軸の駆動モータを駆動することで、ホルダ37A(第2の透光性平板P2)の6自由度の変位が目標とする状態に制御される。
本例では、上記の第1、第2、及び第3の基準面はいずれもXY平面に平行であり、その第1及び第2の基準面のZ方向の間隔と、その第3及び第1の基準面のZ方向の間隔とは装置全体の動作を制御する主制御系内に予め記憶されている。本例では露光時にウエハWの表面がその第1の基準面に平行になるように制御される。従って、ウエハWの表面に平行な方向は、X方向、Y方向、又はX軸をZ軸の周りに任意の角度だけ回転した軸に平行な方向であり、ウエハWの表面に垂直な方向はZ方向であり、ウエハWの表面に垂直な軸の周りの回転方向はZ軸の周りの回転方向であり、ウエハWの表面に平行な軸の周りの回転方向は、X軸、Y軸、又はX軸をZ軸の周りに任意の角度だけ回転した軸に平行な軸の周りの回転方向である。
この場合、レーザ干渉計40、レーザ干渉計86、その第2のZ位置検出系、及びウエハ用の多点のウエハ表面位置検出系を含む第1の位置計測機構によって、コラム構造体75及び上記の第1及び第3の基準面を介して、ウエハステージ38(ウエハW)とホルダ37A(第2の回折格子が形成されている第2の透光性平板P2)とのX方向、Y方向、Z方向の相対的な位置ずれ量、及びX軸、Y軸、Z軸に平行な軸の周りの相対的な回転角のずれ量を含む第1の位置関係が計測されている。
なお、この構成の他に、レーザ干渉計40の参照鏡91をホルダ37Aに固定することによって、レーザ干渉計86を用いることなく、レーザ干渉計40によって直接ウエハステージ38とホルダ37AとのX方向、Y方向の相対的な位置関係を計測してもよい。
また、レーザ干渉計82、レーザ干渉計86、その第1及び第2のZ位置検出系を含む第2の位置計測機構によって、コラム構造体75及びその第2及び第3の基準面を介して、ホルダ36A(第1の回折格子が形成されている第1の透光性平板P1)とホルダ37A(第2の回折格子が形成されている第2の透光性平板P2)とのX方向、Y方向、Z方向の相対的な位置ずれ量、及びX軸、Y軸、Z軸に平行な軸の周りの相対的な回転角のずれ量を含む第2の位置関係が計測されている。
なお、この構成の他に、レーザ干渉計86の参照鏡89をホルダ36Aに固定することによって、レーザ干渉計82を用いることなく、レーザ干渉計86によって直接ホルダ36Aとホルダ37AとのX方向、Y方向の相対的な位置関係を計測してもよい。
次に、図2を参照して、図1のウエハステージ系の詳細な構成の一例につき説明する。図2において、図1のウエハステージ38は、ウエハテーブル38Aと3個のZ軸アクチュエータ38C,38D,38E(図2ではZ軸アクチュエータ38Eは不図示)とXYステージ38Bとから構成されている。即ち、ウエハWは、ウエハホルダ(不図示)を介してウエハテーブル38A上に吸着保持され、ウエハテーブル38AはそれぞれZ方向に変位可能な3個のZ軸アクチュエータ38C〜38Eを介してXYステージ38B上に保持されている。Z軸アクチュエータ38C〜38E(光軸方向駆動装置)は、それぞれ例えばウエハテーブル38Aに連結された支点を支持する板ばねと、その支点をZ方向に駆動するボイスコイルモータ(VCM)とを含んで構成されている。Z軸アクチュエータ38C〜38Eを独立に駆動することで、XYステージ38Bに対するウエハテーブル38A(ウエハW)のZ方向の位置、X軸に平行な軸の回りの回転角ωX、及びY軸に平行な軸の回りの回転角ωYよりなる3自由度の相対変位を制御できるように構成されている。
XYステージ38Bは、定盤よりなるウエハベース50上の平面度の高いガイド面上に、例えば真空予圧型気体静圧軸受け装置を介して非接触状態で浮上支持されている。そして、XYステージ38Bは、ウエハベース50上にX方向、Y方向に一定速度での移動及びステップ移動ができるように支持されている。具体的に、ウエハベース50のガイド面上にY軸に平行にY軸ガイド部材61が配置され、XYステージ38Bの底面の凹部がY軸ガイド部材61に沿ってY方向に移動できるように載置されている。そして、Y軸ガイド部材61の両端部は、それぞれウエハベース50をY方向に挟むようにX軸に平行に配置された1対のX軸ガイド部材65A及び65Bに沿って、X方向に移動自在に支持されている。X軸ガイド部材65A及び65Bの両端部は、それぞれウエハベース50に対して支持部材64A,63A及び支持部材64B等を介して固定されている。
また、XYステージ38Bの底面に設けられた可動子と、Y軸ガイド部材61に設けられた固定子とから、Y軸ガイド部材61に対してXYステージ38BをY方向に駆動するY軸リニアモータ62Yが構成されている。Y軸ガイド部材61の一端に設けられた可動子と、一方のX軸ガイド部材65Aに設けられた固定子とから、X軸ガイド部材65Aに対してY軸ガイド部材61をX方向に駆動する第1のX軸リニアモータ62XAが構成され、Y軸ガイド部材61の他端に設けられた可動子と、他方のX軸ガイド部材65Bに設けられた固定子とから、X軸ガイド部材65Bに対してY軸ガイド部材61をX方向に駆動する第2のX軸リニアモータ62XBが構成されている。Y軸リニアモータ62Y及び2軸のX軸リニアモータ62XA,62XBによって、ウエハベース50に対するXYステージ38BのX方向の位置、Y方向の位置、及びZ軸に平行な軸の回りの回転角ωZよりなる3自由度の相対変位を制御できる。この結果、本例のウエハテーブル38A(ウエハW)は、ウエハベース50に対して、X方向、Y方向、Z方向の位置、及び回転角ωX,ωY,ωZよりなる6自由度で駆動することができる。但し、通常は、2軸のX軸リニアモータ62XA及び62XBは、Y軸ガイド部材61がY軸に平行な状態でX方向に移動するように、即ち回転角ωZが0となるように駆動される。
XYステージ38B、Z軸アクチュエータ38C〜38E、ウエハテーブル38A、Y軸リニアモータ62Y、及びX軸リニアモータ62XA,62XB等を含んでウエハステージ系が構成されている。そして、本例の3個のZ軸アクチュエータ38C〜38E、及び3軸のリニアモータ62Y,62XA,62XBは、図3のウエハステージ駆動系71によって駆動される。ウエハステージ駆動系71の動作は、装置全体の動作を統轄制御する主制御系70によって制御される。ウエハステージ駆動系71が6軸の駆動機構の動作を制御するために、本例の露光装置には、ウエハテーブル38A(ウエハW)のウエハベース50に対する6自由度の変位(位置及び回転角の変化)を計測するための計測機構が備えられている。なお、このうちのウエハWの表面のZ方向の高さは、上述の斜入射方式の多点のウエハ表面位置検出系及びウエハステージ駆動系71内の計測情報処理部によって計測されるため、以下では残りの5自由度の変位の計測機構につき説明する。
即ち、図2において、ウエハテーブル38Aの−X方向の側面に、Y方向に細長いロッド状のX軸の移動鏡39Xが固定され、ウエハテーブル38Aの+Y方向の側面に、X方向に細長いロッド状のY軸の移動鏡39Yが固定されている。なお、ウエハテーブル38Aの側面を鏡面加工して、その鏡面を移動鏡として使用することも可能である。また、X軸の移動鏡39Xに対向するようにX軸のレーザ干渉計40X2が配置され、レーザ干渉計40X2に対してY方向に間隔δ1及びZ方向に間隔δ3となるようにそれぞれ回転角ωZ計測用のレーザ干渉計40X1、及び回転角ωY計測用のレーザ干渉計40XZが配置されている。なお、図2の説明においては、簡単のために図1のビームスプリッタ90及び参照鏡91に対応する部材は省略する。
レーザ干渉計40X1,40X2,40XZからの計測ビームはX軸に平行に移動鏡39Xに照射され、レーザ干渉計40X1,40X2,40XZはそれぞれ図1のコラム構造体75を基準として移動鏡39XのX方向の位置を計測し、計測結果を図3のウエハステージ駆動系71に供給する。ウエハステージ駆動系71内の計測情報処理部は、レーザ干渉計40X2の計測値からウエハテーブル38A(ウエハW)のX方向の位置を求め、レーザ干渉計40X2,40X1の計測値の差分を間隔δ1で割ることによってウエハテーブル38Aの回転角ωZ1を求め、レーザ干渉計40X2,40XZの計測値の差分を間隔δ3で割ることによってウエハテーブル38Aの回転角ωYを求める。
また、図2において、Y軸の移動鏡39Yに対向するように、Y軸のレーザ干渉計40Y1が配置され、レーザ干渉計40Y1に対してX方向に間隔δ1及びZ方向に間隔δ2(=δ3)となるようにそれぞれ回転角ωZ計測用のレーザ干渉計40Y2、及び回転角ωX計測用のレーザ干渉計40YZが配置されている。また、Y軸レーザ干渉計40Y1に対してX方向に所定間隔でY軸のレーザ干渉計40Y3が配置されている。本例のウエハベース50はX方向に細長い形状であり、露光中にウエハベース50上でウエハステージ38が−X方向側の領域内に位置しているときには、移動鏡39Yにレーザ干渉計40Y1,40Y2,40YZからの計測ビームが照射され、レーザ干渉計40Y1,40Y2,40YZはそれぞれ図1のコラム構造体75を基準として移動鏡39YのY方向の位置を計測し、計測結果を図3のウエハステージ駆動系71に供給する。
ウエハステージ駆動系71内の計測情報処理部は、レーザ干渉計40Y1の計測値からウエハテーブル38A(ウエハW)のY方向の位置を求め、レーザ干渉計40Y1,40Y2の計測値の差分を間隔δ1で割ることによってウエハテーブル38Aの回転角ωZ2を求め、レーザ干渉計40Y1,40YZの計測値の差分を間隔δ2で割ることによってウエハテーブル38Aの回転角ωXを求める。また、2つの回転角ωZ1及びωZ2の平均値を、ウエハテーブル38AのZ軸に平行な軸の周りの回転角ωZの計測値とする。
一方、ウエハステージ38が+X方向の端部のウエハローディング位置に移動したときには、移動鏡39Yにレーザ干渉計40Y3からの計測ビームが照射されて、レーザ干渉計40Y3によってウエハテーブル38AのY座標が計測される。この結果、例えばウエハWに対する露光時には、図2の6軸のレーザ干渉計40X1,40X2,40XZ,40Y1,40Y2,40YZによって、図1のコラム構造体75を基準として、ウエハテーブル38A(ウエハW)のX方向、Y方向の位置、及び回転角ωX,ωY,ωZよりなる5自由度の変位を計測することができる。この際に、回転角ωX,ωYについては、上記の多点のウエハ表面位置検出系で計測されるX軸及びY軸の周りの回転角が、実際の正確な回転角となる。
なお、X軸周りの回転角ωX及びY軸周りの回転角ωYについては、その計測が必ずしも必要な訳ではなく、ウエハテーブル38Aが、そのX方向及びY方向の移動に伴うピッチングあるいはローリング自体を極小に抑えるように設計製造されている場合には、その計測は不要である。そしてこの場合には、レーザ干渉計40XZ及びレーザ干渉計40YZも不要である。
ところで、図1に示した如く、本例においては、ホルダ36Aの位置を介して第1の透過性平板P1のX位置及びY位置を計測するレーザ干渉計82の計測光路は、第1の透過性平板P1とは、Z方向にずれた位置、すなわち所謂アッベ誤差を有する位置に設けられている。そこで、レーザ干渉計82を、上述のレーザ干渉計40XZ及びレーザ干渉計40X2の如く、Z方向に所定間隔だけ離れた2軸のレーザ干渉計とすることが有効な場合もある。この構成で、ホルダ36Aのピッチング、すなわちX軸を中心とする回転及びY軸を中心とする回転を計測し、これらの回転に伴って発生する上記アッベ誤差を補正することにより、より高精度に、第1の透過性平板P1のX位置及びY位置を計測することが可能となる。なお、これは、ホルダ37Aの位置を介して第2の透過性平板P2のX位置及びY位置を計測するレーザ干渉計86についても同様である。
図3のウエハステージ駆動系71内の計測情報処理部は、ウエハテーブル38A(ウエハW)の6自由度の変位の計測値を主制御系70に供給する。ウエハステージ駆動系71内の駆動部は、その計測情報処理部で求められた位置及び回転角の情報、並びに主制御系70からの制御情報に基づいて、図2のZ軸アクチュエータ38C〜38E、Y軸リニアモータ62Y、及びX軸リニアモータ62XA,62XBを駆動して、ウエハテーブル38A(ウエハW)の位置及び回転角を透光性平板P1及びP2に対して所定の位置関係に設定する。
ここで、図2を参照して透光性平板P1及びP2のZ方向の位置、及びX軸、Y軸の周りの回転角を計測するためのZ位置検出系68の一例を説明する。
図2において、第1の透光性平板P1が露光時の状態に位置決めされている状態で、3個のレーザ光源66A,66B,66Cからの細いレーザビームはそれぞれ透光性平板P1上のほぼ正三角形の頂点位置に配置された3箇所の計測点A1,A2,A3の近傍に−Y方向に斜めに照射され、透光性平板P1から斜めに反射された3個のレーザビーム(0次光)は光量分布の重心位置を検出する光電検出器67A,67B,67Cに入射する。レーザ光源66A〜66C及び光電検出器67A〜67Cから第1のZ位置検出系が構成されている。
同様に、第2の透光性平板P2が露光時の状態に位置決めされている状態で、3個のレーザ光源66D,66E,66Fからの細いレーザビームはそれぞれ透光性平板P2上のほぼ正三角形の頂点位置に配置された3箇所の計測点B1,B2,B3の近傍に−Y方向に斜めに照射され、透光性平板P2から斜めに反射された3個のレーザビーム(0次光)は光量分布の重心位置を検出する光電検出器67D,67E,67Fに入射する。レーザ光源66D〜66F及び光電検出器67D〜67Fから第2のZ位置検出系が構成されている。上記の第1及び第2のZ位置検出系からZ位置検出系68が構成されている。なお、Z位置検出系68は、前述の計測点A1〜A3、B1〜B3と同数のレーザ光源を有するものとしたが、その数は任意でよく、例えば1つのレーザ光源から発生されるレーザビームを分岐するなどして、前記各計測点に照射するようにしてもよい。
光電検出器67A〜67Fで検出される各レーザビームの2次元位置情報(Z方向に対応する1次元の位置情報でもよい)は、図3の計測情報処理系74に供給されている。計測情報処理系74には、透光性平板P1及びP2の上面(より正確には回折格子の形成面)がそれぞれ第2及び第3の基準面に合致しているときの各レーザビームの位置(基準位置)の情報が記憶されている。計測情報処理系74は、供給される6個のレーザビームの位置情報から透光性平板P1上の3個の計測点A1〜A3及び透光性平板P2上の3個の計測点B1〜B3の第1及び第2の基準面に対するZ方向の位置ずれ量を求め、これらの位置ずれ量から透光性平板P1及びP2の対応する基準面からのZ方向の位置ずれ量と、X軸及びY軸の周りの回転角のずれ量を求め、これらの位置及び回転角のずれ量を駆動系72及び主制御系70に供給する。主制御系70には、上記の第2及び第3の基準面の間隔と、第3及び第1の基準面の間隔とが記憶されている。
本例では、露光時にウエハWの表面は上記の第1の基準面に合致するように制御される。そこで、主制御系70は、駆動系72を介して、少なくとも照明光IL10の照射領域内で、透光性平板P1及びP2のそれぞれ回折格子の形成面がその第1の基準面に平行になるように、かつ透光性平板P1及びP2のそれぞれの回折格子の形成面のZ方向の間隔が所定の第1の間隔となり、透光性平板P2の回折格子の形成面とウエハWの表面とのZ方向の間隔が所定の第2の間隔となるように制御する。本例では、主制御系70、駆動系72、及びウエハステージ駆動系71を含んで、ウエハWと透光性平板P1との位置関係及び透光性平板P1と透光性平板P2との位置関係を所定の関係に設定する制御装置が構成されている。
次に、図3〜図5を参照して、図1の透光性平板P1,P2の保持駆動機構につき詳細に説明する。
図3は、図1において、第2の透光性平板P2を保持している第2のホルダ37Aを+Y方向に引き出した状態の保持駆動機構を示し、この図3において、第1の透光性平板P1を保持している第1のホルダ36Aは、ベース部材75A上のスライダ36Bに対してZ軸アクチュエータ81A1及びそれをY方向に挟む2箇所のピン81APを介して連結されるとともに、そのホルダ36Aは、ベース部材75C上のスライダ36Cに対してY方向に離れた2箇所のZ軸アクチュエータ81A2及び81A3を介して連結されている。3個のZ軸アクチュエータ81A1〜81A3が図1のZ軸アクチュエータ81Aに対応している。駆動系72が、Z軸アクチュエータ81A1〜81A3のZ方向の駆動量を制御することによって、ホルダ36A(第1の透光性平板P1)のZ方向の位置と、X軸及びY軸の周りの回転角とを制御する。
また、ベース部材75A上に駆動モータ78A及び固定部材79Aに挟まれるように、Y軸に平行にY軸ガイド76Aが設置され、Y軸ガイド76Aに沿ってY方向に移動自在にスライダ77Aが載置されている。スライダ77Aは、駆動モータ78Aによって例えば送りねじ方式で駆動される。そして、スライダ77Aに対してY方向に離れた2箇所のX軸アクチュエータ80A1及び80A2を介してスライダ36Bが連結されている。X軸アクチュエータ80A1,80A2が図1のX軸アクチュエータ80Aに対応している。この場合、駆動モータ78Aを介してスライダ77AをY方向に駆動することで、ホルダ36A(透光性平板P1)をY方向に駆動することができ、X軸アクチュエータ80A1及び80A2のX方向の駆動量を制御することで、ホルダ36AのX方向の位置、及びZ軸の周りの回転角を制御できる。Z軸アクチュエータ81A1〜81A3、X軸アクチュエータ80A1,80A2、及び駆動モータ78Aの動作は駆動系72によって制御されている。
また、ホルダ36Aの−X方向の上端部に反射面がほぼYZ面に平行で、Y方向に或る程度の幅を持つロッド状の移動鏡84Xが固定され、外部のレーザ干渉計82Xからの計測ビームが移動鏡84Xに照射され、レーザ干渉計82Xはコラム構造体75を基準としてホルダ36AのX方向の位置を計測している。なお、図3では図1のビームスプリッタ83及び参照鏡85に対応する部材は省略されている。
また、ホルダ36Aの−Y方向の両側の上端部にレトロリフレクタよりなる移動鏡84Y1及び84Y2が固定され、移動鏡84Y1及び84Y2はそれぞれ+Y方向に入射する計測ビームを−Y方向に反射する機能を有する。移動鏡84Y1及び84Y2の反射面のX方向の幅は、ホルダ36AのX方向の移動ストロークよりも広く設定されている。外部のレーザ干渉計82Y1及び82Y2からのレーザビームがそれぞれビームスプリッタ83Y1及び83Y2によって参照ビームと計測ビームとに分割され、2つの参照ビームはベース部材75A上に固定された参照鏡85Y1及びベース部材75C上に固定された参照鏡85Y2に入射し、2つの計測ビームは移動鏡84Y1及び84Y2に入射する。レーザ干渉計82Y1は参照鏡85Y1(コラム構造体75)を基準として移動鏡84Y1の部分でのホルダ36AのX方向の位置を計測し、レーザ干渉計82Y2は参照鏡85Y2(コラム構造体75)を基準として移動鏡84Y2の部分でのホルダ36AのX方向の位置を計測している。
3軸のレーザ干渉計82X,82Y1,82Y2の計測値は計測情報処理系74に供給され、計測情報処理系74は、2個のレーザ干渉計82Y1,82Y2の計測値の平均値をホルダ36A(透光性平板P1)のY方向の位置として、2個のレーザ干渉計82Y1,82Y2の計測値の差分をレーザ干渉計82Y1,82Y2からの計測ビームのX方向の間隔で割った値をホルダ36A(透光性平板P1)のZ軸の周りの回転角とする。レーザ干渉計82X,82Y1,82Y2が図1のレーザ干渉計82に対応し、移動鏡84X,84Y1,84Y2が図1の移動鏡84に対応している。
図4は、図1において、第1の透光性平板P1を保持している第1のホルダ36Aを+Y方向に引き出して、ベース部材75A及び75Cの−Y方向の部分を切り欠いた状態の保持駆動機構を示し、この図4において、第2の透光性平板P2を保持している第2のホルダ37Aは、ベース部材75B上のスライダ37Bに対してZ軸アクチュエータ81B1及びそれをY方向に挟む2箇所のピン81BPを介して連結されるとともに、そのホルダ37Aは、ベース部材75D上のスライダ37Cに対してY方向に離れた2箇所のZ軸アクチュエータ81B2及び81B3を介して連結されている。3個のZ軸アクチュエータ81B1〜81B3が図1のZ軸アクチュエータ81Bに対応している。駆動系72が、Z軸アクチュエータ81B1〜81B3のZ方向の駆動量を制御することによって、ホルダ37A(第2の透光性平板P2)のZ方向の位置と、X軸及びY軸の周りの回転角とを制御する。
また、ベース部材75B上に駆動モータ78B及び固定部材79Bに挟まれるように、Y軸に平行にY軸ガイド76Bが設置され、Y軸ガイド76Bに沿ってY方向に移動自在にスライダ77Bが載置されている。スライダ77Bは、駆動モータ78Bによって例えば送りねじ方式で駆動される。そして、スライダ77Bに対してY方向に離れた2箇所のX軸アクチュエータ80B1及び80B2を介してスライダ37Bが連結されている。X軸アクチュエータ80B1,80B2が図1のX軸アクチュエータ80Bに対応している。この場合、駆動モータ78Bを介してスライダ77BをY方向に駆動することで、ホルダ37A(透光性平板P2)をY方向に駆動することができ、X軸アクチュエータ80B1及び80B2のX方向の駆動量を制御することで、ホルダ37AのX方向の位置、及びZ軸の周りの回転角を制御できる。Z軸アクチュエータ81B1〜81B3、X軸アクチュエータ80B1,80B2、及び駆動モータ78Bの動作は駆動系72によって制御されている。
また、ホルダ37Aの−X方向の上端部に反射面がほぼYZ面に平行で、Y方向に或る程度の幅を持つロッド状の移動鏡88Xが固定され、外部のレーザ干渉計86Xからの計測ビームが移動鏡88Xに照射され、レーザ干渉計86Xはコラム構造体75を基準としてホルダ37AのX方向の位置を計測している。なお、図4では図1のビームスプリッタ83及び参照鏡85に対応する部材は省略されている。
また、ホルダ37Aの−Y方向の両側の上端部にレトロリフレクタよりなる移動鏡88Y1及び88Y2が固定され、移動鏡88Y1及び88Y2はそれぞれ+Y方向に入射する計測ビームを−Y方向に反射する機能を有する。移動鏡88Y1及び88Y2の反射面のX方向の幅は、ホルダ37AのX方向の移動ストロークよりも広く設定されている。外部のレーザ干渉計86Y1及び86Y2からのレーザビームがそれぞれビームスプリッタ87Y1及び87Y2によって参照ビームと計測ビームとに分割され、2つの参照ビームはベース部材75B上に固定された参照鏡89Y1及びベース部材75D上に固定された参照鏡89Y2に入射し、2つの計測ビームは移動鏡88Y1及び88Y2に入射する。レーザ干渉計86Y1は参照鏡89Y1(コラム構造体75)を基準として移動鏡88Y1の部分でのホルダ37AのX方向の位置を計測し、レーザ干渉計86Y2は参照鏡89Y2(コラム構造体75)を基準として移動鏡88Y2の部分でのホルダ37AのX方向の位置を計測している。
3軸のレーザ干渉計86X,86Y1,86Y2の計測値は計測情報処理系74に供給され、計測情報処理系74は、2個のレーザ干渉計86Y1,86Y2の計測値の平均値をホルダ37A(透光性平板P2)のY方向の位置として、2個のレーザ干渉計86Y1,86Y2の計測値の差分をレーザ干渉計86Y1,86Y2からの計測ビームのX方向の間隔で割った値をホルダ37A(透光性平板P2)のZ軸の周りの回転角とする。レーザ干渉計86X,86Y1,86Y2が図1のレーザ干渉計86に対応し、移動鏡88X,88Y1,88Y2が図1の移動鏡88に対応している。
なお、透光性平板P1及びP2が例えば矩形の平板状である場合には、透光性平板P1及びP2の側面を鏡面に加工し、その鏡面をレーザ干渉計用の移動鏡として用いることも可能である。
また、本例では、Y軸のレーザ干渉計82Y1,82Y2及び86Y1,86Y2を用いてホルダ36A及び37Aの回転角を計測している。その他に、X軸のレーザ干渉計82X及び86XをそれぞれY方向に所定間隔で配置された2軸のレーザ干渉計より構成し、これらの2軸のX軸のレーザ干渉計の計測値の平均値をホルダ36A及び37AのX方向の位置として、これらの2軸のX軸のレーザ干渉計の計測値の差分を用いてホルダ36A及び37AのZ軸の周りの回転角を求めてもよい。
次に、図1の露光装置で透光性平板P1及びP2のローディング等を行う場合の動作の一例につき説明する。
図5は、図3のAA線に沿う断面図であり、この図5において、ホルダ36A及び37Aの中央にはそれぞれ照明光を通過させるための開口36Aa及び37Aaが形成され、この開口36Aa及び37Aaを覆うようにそれぞれ透光性平板P1及びP2が保持される。また、コラム構造体75を支持する+Y方向の支持部材96Bとウエハベース50との間の床FL上に、上端部に透光性平板P2(又はP1)を載置できる昇降回転台97が設置されている。昇降回転台97は、図3の主制御系70の制御のもとで、その上端部を、下方の開口37Aaよりも低い位置と上方の開口36Aaよりも高い位置との間のZ方向の範囲で昇降させるとともに、その上端部を指示された任意の角度だけ回転することができる。
さらに、コラム構造体75中の+Y方向の連結部材75Eの中央部に窓部75Eaが形成され、+Y方向の支持部材96Bの上面にY方向に移動自在に搬送台98が配置され、搬送台98によって−Y方向の端部がフォーク型に分かれた搬送アーム99が搬送される。この場合、図3の主制御系70の制御のもとで、窓部75Eaを通して搬送アーム99の先端部をコラム構造体75の内部に差し込んで、回転昇降台97を上下させることで、搬送アーム99と回転昇降台97との間で透光性平板P1(又はP2)の受け渡しを行うことができる。また、搬送アーム99は、+Y方向の不図示の保管庫との間で透光性平板P1(又はP2)と別の透光性平板との交換を行うこともできる。
さらに、図3に示すように、透光性平板P1及びP2の上面にはそれぞれ照明光が照射されない領域に1対の2次元のアライメントマークPA1,PB1及びPA2,PB2が形成されている。なお、アライメントマークPA1,PB1及びPA2,PB2は必ずしも設ける必要はなく、透光性平板P1及びP2上に形成されている回折格子自体から透光性平板P1及びP2の回転角等を計測することも可能である。
本例では、透光性平板P1上の1対のアライメントマークPA1,PB1の中心を結ぶ直線は、透光性平板P1上に形成されている回折格子G11の周期方向に直交している。同様に、透光性平板P2上の1対のアライメントマークPA2,PB2の中心を結ぶ直線は、透光性平板P2上に形成されている回折格子G21の周期方向に直交している。従って、ホルダ36A(又は37A)上に透光性平板P1(又はP2)を載置する際に、アライメントマークPA1,PB1(又はPA2,PB2)の中心がY軸にほぼ平行になるようにした後、X軸アクチュエータ80A1,80A2(又は図4のアクチュエータ80B1,80B2)を介してホルダ36A(又は37A)の回転角を微調整することで、透光性平板P1上の回折格子G11(又は透光性平板P2上の回折格子G21)の周期方向を高精度にX方向に合わせることができる。
そのために、図3において、露光位置にあるホルダ36A(透光性平板P1)の中心とローディング位置にあるホルダ37A(透光性平板P2)の中心とのほぼ中間位置に、Y方向に2つの画像処理方式のアライメント顕微鏡45A及び45Bが配置されている。図1に示すように、透光性平板P1及びP2はZ方向の高さが異なるため、透光性平板P1及びP2上のマークはそれぞれ異なるアライメント顕微鏡45A及び45Bで検出するものとする。アライメント顕微鏡45A及び45Bの検出信号は図3のアライメント情報処理系73に供給され、アライメント情報処理系73は、それらの検出信号を処理して被検マークの検出中心に対するX方向、Y方向への位置ずれ量を求めるとともに、2つの被検マーク(アライメントマークPA1,PB1又はPA2,PB2)の位置ずれ量をそれらの被検マークの既知の間隔で割ることによって、透光性平板P1(又はP2)の回転角を求め、求められた回転角の情報を駆動系72及び主制御系70に供給する。駆動系72は、主制御系70からの指令に基づいて、例えばその回転角を相殺するようにX軸アクチュエータ80A1,80A2(又は80B1,80B2)を駆動してホルダ36A(又は37A)を回転する。この際に、ホルダ36A(又は37A)の回転角の計測値として、レーザ干渉計82Y1,82Y2(又は86Y1,86Y2)で計測される回転角が使用される。
具体的に例えば図3のホルダ37A上に透光性平板P2を載置する場合には、図5に示すように、ローディング位置にあるホルダ37Aの開口37Aa内を回転昇降台97が上昇し、搬送アーム99から透光性平板P2を受け取る。この後、搬送アーム99を+Y方向に引き抜いた後、回転昇降台97を−Z方向に降下させることで、透光性平板P2が回転昇降台97からホルダ37Aに受け渡される。その後、ホルダ37Aの吸着機構を作動させることで、透光性平板P2がホルダ37A上に安定に保持される。
次に、図3のスライダ77Bを介してホルダ37Aを−Y方向に駆動しながら、透光性平板P2上のアライメントマークPA2及びPB2を順次、アライメント顕微鏡45Bの観察視野内に追い込んで、それぞれアライメントマークPA2及びPB2のX方向、Y方向の位置ずれ量を計測して、透光性平板P2の回転角を求める。この回転角が図4のX軸アクチュエータ80B1,80B2で補正できる範囲を超えている場合には、図3のスライダ77Bを介してホルダ37Aを+Y方向に戻して、図5のように回転昇降台97に再び透光性平板P2を受け渡す。そして、その計測された回転角を相殺するように回転昇降台97を回転した後、回転昇降台97を降下させてホルダ37Aに透光性平板P2を受け渡す。
その後、再び図3のスライダ77Bを介してホルダ37Aを−Y方向に駆動しながら、透光性平板P2上のアライメントマークPA2及びPB2を順次、アライメント顕微鏡45Bの観察視野内に追い込んで、それぞれアライメントマークPA2及びPB2の位置ずれ量を計測して、透光性平板P2の回転角を求める。そして、図4に示すように、ホルダ37A(透光性平板P2)の中心が光軸AX2にほぼ一致する露光位置に達した後、その回転角を相殺するようにX軸アクチュエータ80B1,80B2を駆動することで、透光性平板P2上の回折格子の周期方向が正確にX方向に設定される。
同様に、図4に示すようにホルダ36Aをローディング位置に移動した状態で図5の搬送アーム99及び回転昇降台97を動作させることで、ホルダ36A上に透光性平板P1をロードすることができる。その後、ホルダ36Aを−Y方向に駆動する際に、図3のアライメント顕微鏡45Aで透光性平板P1上のアライメントマークPA1,PB1の位置ずれ量を計測して、透光性平板P1の回転角を求めた後、X軸アクチュエータ80A1及び80A2を駆動してその回転角を補正することで、透光性平板P1上の回折格子の周期方向を正確にX方向に設定できる。
次に、図1において、照明光IL10が透光性平板P1及びP2を透過することによってウエハW上に照射されるX方向を周期方向とする干渉縞パターンと、ウエハW上の各ショット領域にそれまでの工程で形成されている回路パターンとのアライメントを行う方法の一例につき図6を参照して説明する。この際に、上記の透光性平板P1及びP2のアライメント動作によって、図1の2枚の透光性平板P1及びP2の中心がそれぞれ実質的に光軸AX2に合致するように位置決めが行われるとともに、透光性平板P1及びP2のそれぞれの回折格子の周期方向が正確にX方向となるように回転角が調整されているものとする。
図6は、図2のウエハステージ38を示す平面図であり、この図6において、通常はウエハWの上面はX方向、Y方向にそれぞれ所定幅の多数のショット領域SA(区画領域)に区分され、各ショット領域SAにはそれまでのデバイス製造工程によって、所定の回路パターンが形成されているとともに、X方向、Y方向の位置を示すアライメントマーク(位置合わせマーク)としてのウエハマークWMx及びWMyも形成されている。その各ショット領域SA内にその所定の回路パターンを形成する際には、例えばレチクルのパターンを投影光学系を介してウエハ上に縮小投影する一括露光型又はスキャニングステッパ型等の投影露光装置が使用される。なお、ウエハマークの代わりに各ショット領域SA内に形成されている所定の回路パターンを使用してアライメントを行ってもよい。
そして、本例の露光装置を用いる露光時には、ウエハW上のほぼ全面にX方向に所定ピッチの干渉縞パターン92が露光される。この際に、干渉縞パターン92と、ウエハW上の各ショット領域SA内の回路パターンとは特にX方向に対して所定の位置関係を満たす必要がある。なお、干渉縞パターン92がX方向及びY方向に所定ピッチの2次元の格子状パターンである場合には、その格子状パターンと各ショット領域SA内の回路パターンとはX方向、Y方向に所定の位置関係を満たす必要がある。
その干渉縞パターンとウエハW上のショット領域とのアライメントを行うために、ウエハステージ38のウエハテーブル38A(図2参照)上には、基準マーク部材41が固定され、基準マーク部材41の上面はウエハWの表面と同じ高さに設定されている。
図6において、基準マーク部材41の上面には、Y方向に所定間隔で2つの二次元の基準マーク93A及び93Bが形成され、これらの基準マーク93A及び93Bの間に検出板94が埋め込まれている。一例として、基準マーク93A及び93Bの中心を通る直線がY軸に平行となるように、ウエハステージ38のZ軸の周りの回転角が設定されている。検出板94の表面には、一例としてX方向に互いに異なる第1及び第2のピッチで遮光パターンと透過パターンとを周期的に配列してなる第1のライン・アンド・スペースパターン(以下、L&Sパターンという)95A及び第2のL&Sパターン95Bが形成され、検出板94の底面のウエハテーブル38Aの内部には、L&Sパターン95A及び95Bを透過した照明光をそれぞれ集光する集光レンズと、集光された光を光電変換する第1及び第2の光電検出器とが設置され、これらの光電検出器の検出信号が図3のアライメント情報処理系73に供給されている。この場合、照明光が図1の透光性平板P1及びP2を透過して形成される干渉縞パターンのピッチがその第1又は第2のピッチであるときに、それぞれその第1又は第2の光電検出器の検出信号が選択される。ウエハテーブル38Aには、実際には検出対象の干渉縞パターンの異なるピッチの個数分だけ、L&Sパターン、集光レンズ、及び光電検出器が配置されている。また、アライメント情報処理系73内の記憶部には、基準マーク93A,93Bと検出板94上の各L&Sパターンとの位置関係(例えば基準マーク93A,93Bの中心を通る直線に対するL&Sパターン95A,95B中の所定の透過パターンの中心のX方向への位置ずれ量)の情報が記憶されている。
アライメント情報処理系73には、図1のレーザ干渉計40によって計測されるウエハステージ38のX方向、Y方向の位置の情報も供給されている。図6の検出板94上にX方向に所定ピッチQで形成される干渉縞パターンのX方向の位置を検出する場合には、図3の主制御系70の制御のもとで、図6のウエハステージ38を検出板94の中心が図1の光軸AX2にほぼ合致するように移動する。その後、図1の視野絞り22を駆動して照明光がウエハWに照射されないように照明領域を制限して、照明光IL10の照射を開始して、ウエハステージ38を微小範囲(例えばそのピッチQの数倍以下)でX方向に移動しながら、アライメント情報処理系73において、その干渉縞パターンに対応する光電検出器の検出信号をウエハステージ38のX方向の位置に対応させて取り込む。次に、その検出信号がピークとなるときのX方向の位置を求めることで、その干渉縞パターンの明部の基準マーク93A,93Bに対するX方向の相対位置(例えばQ/2以上でQ/2より小さいX方向への位置ずれ量Δq)を求めることができる。
さらに、基準マーク部材41上にはピンホール93Cが形成され、このピンホール93Cを透過した照明光は、ウエハテーブル38Aの内部で集光レンズを介して光電検出器で検出され、この検出信号も図3のアライメント情報処理系73に供給されている。ピンホール93C、集光レンズ、及び光電検出器より照度分布センサが構成されている。基準マーク93A,93Bに対するピンホール93Cの位置関係も予めアライメント情報処理系73内の記憶部に記憶されている。例えば露光工程の開始前でウエハステージ38上にウエハがロードされていない状態において、図1の視野絞り22を露光時の状態に開いて照明光IL10を照射して、ウエハステージ38(ピンホール93C)をX方向、Y方向に駆動しながらその照度分布センサの検出信号を取り込むことによって、アライメント情報処理系73は、照明光が図1の透光性平板P1及びP2を透過して形成される干渉縞パターンの全体(照明領域)の形状と、基準マーク93A,93Bとの位置関係、ひいてはウエハWとの位置関係を求めることができる。その位置関係の情報は主制御系70に供給される。
図6において、通常はウエハWの上面はX方向、Y方向にそれぞれ所定幅の多数のショット領域SA(区画領域)に区分され、各ショット領域SAにはそれまでのデバイス製造工程によって、所定の回路パターンと、X方向、Y方向の位置を示すアライメントマーク(位置合わせマーク)としてのウエハマークWMx及びWMyとが形成されている。ウエハマークWMx,WMyの位置は、ウエハマーク検出機構43によってその検出中心44からのX方向、Y方向への位置ずれ量として検出されて、図3のアライメント情報処理系73に供給される。なお、ウエハマークの代わりに各ショット領域SA内に形成されている所定の回路パターンを検出してもよい。アライメント情報処理系73では、その位置ずれ量にそのときのウエハステージ38のX方向、Y方向の位置を加算することによって、そのウエハマークWMx,WMyのX座標、Y座標を求める。この際に、一例として、予めウエハマーク検出機構43で2つの基準マーク93A及び93Bの位置を順次計測しておくことによって、ウエハマークWMx,WMyのX座標、Y座標は、基準マーク93A,93Bの中心を基準とした座標系(例えばその中心が検出中心44に合致しているときにX座標、Y座標がそれぞれ所定値となる座標系)上で計測される。
アライメント情報処理系73では、ウエハW上から選択された所定個数のショット領域SAのウエハマークのX座標、Y座標の計測値に基づいて、例えば特公平4−47968号公報で開示されているエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)方式でウエハW上の全部のショット領域の配列座標を計算するための、ショット配列の回転角(ローテーション)Θ、X方向へのオフセットXoff、及びY方向へのオフセットYoff等のショット配列のパラメータを求める。なお、本例では、一例として、ショット領域SAのX方向の配列ピッチは、その上に露光される干渉縞パターン92のX方向のピッチQの整数倍であるとする。さらに、アライメント情報処理系73では、ウエハWの中心(露光時には光軸AX2にほぼ一致する)でのショット領域SA内の回路パターンと干渉縞パターン92とのX方向への位置ずれ量Δqx(例えばQ/2以上でQ/2より小さい値)を求め、そのショット配列のパラメータ及びその位置ずれ量Δqxの情報を主制御系70に供給する。
主制御系70は、ウエハWへの露光開始前に先ず、ウエハステージ駆動系71を介してウエハステージ38をX方向、Y方向に駆動して、図1の透光性平板P1及びP2を介して形成される干渉縞パターン92の全体(照明領域)がウエハWに対する露光開始位置に来るように、ウエハステージ38を位置決めする。次に、主制御系70は、上記のショット配列のパラメータ中の回転角Θに合わせてその干渉縞パターン92を回転するために、駆動系72を介して図4のX軸アクチュエータ80A1,80A2を互いに逆方向に駆動して透光性平板P1を回転角Θだけ回転するとともに、X軸アクチュエータ80B1,80B2を互いに逆方向に駆動して透光性平板P2を回転角Θだけ回転する。
次に、主制御系70は、上記のウエハWのショット領域SA内の回路パターンと干渉縞パターン92とのX方向への位置ずれ量Δqxを補正するために、例えばウエハステージ駆動系71を介してウエハステージ38のX方向の位置をΔqxだけ移動する。なお、この動作の代わりに、駆動系72を介して、透光性平板P1及びP2のX方向の位置をΔqxだけ移動してもよい。その後、図1において照明光IL10の照射を開始することで、ウエハW上の各ショット領域に形成されている回路パターンに対して所定の位置関係で干渉縞パターンを露光することができる。
あるいは、ウエハステージ38を回転角−θだけ回転しても良い。このとき、例えばウエハテーブル38Aの回転などにより、ウエハWを回転角−Θだけ回転しても良い。
本例の露光装置では、レーザ干渉計86X,86Y1,86Y2により、コラム構造体75を基準とする第2の透過性平板P2のX位置、Y位置及びZ軸を中心とする回転関係等の位置関係が計測される。そして、レーザ干渉計40X1,40X2,40XZ、及びレーザ干渉計40Y1,40Y2,40YZにより、コラム構造体75を基準とするウエハWのX位置、Y位置及びZ軸を中心とする回転関係等の位置関係が計測される。従って、上記の両位置関係から、第2の透過性平板P2とウエハWとの位置関係を計測することができる。すなわち、上記レーザ干渉計86X,86Y1,86Y2、レーザ干渉計40X1,40X2,40XZ、レーザ干渉計40Y1,40Y2,40YZ、及びコラム構造体75は、上記の第2の透過性平板P2とウエハWとの位置関係を計測するための第1の位置計測機構とみなすこともできる。
また、レーザ干渉計87X,87Y1,87Y2により、コラム構造体75を基準とする第1の透光性平板P1のX位置、Y位置及びZ軸を中心とする回転関係等の位置関係が計測される。そして、この位置関係と、コラム構造体75を基準とする第2の透光性平板P2の位置関係とから、第1の透光性平板P1と第2の透光性平板P2との位置関係を計測することができる。すなわち、上記レーザ干渉計86X,86Y1,86Y2、レーザ干渉計87X,87Y1,87Y2、及びコラム構造体75は、上記の第1の透光性平板P1と第2の透光性平板P2との位置関係を計測するための第2の位置計測機構とみなすこともできる。
なお、上記の第1の位置計測機構及び第2の位置計測機構は、いずれも例示に過ぎず、
本発明の第1の位置計測機構及び第2の位置計測機構の実施形態は、上記形態に限定され
るものではない。例えば、第1の位置計測装置として、ウエハテーブル38上に設けた移動鏡39とホルダ37Aに設けた移動鏡88との位置関係を、直接レーザ干渉計で計測する構成とすることもできる。同様に、第2の位置計測装置としても、ホルダ36A上に設けた移動鏡84とホルダ37Aに設けた移動鏡88との位置関係を、直接レーザ干渉計で計測する構成とすることもできる。また、第1の位置計測装置として、レーザ干渉計の代わりに、例えば光学式又は磁気式のリニアエンコーダを用いることもできる。
なお、本例では図2の斜入射方式のZ位置検出系68を用いて透光性平板P1及びP2のZ方向の位置等を直接計測しているが、その代わりに透光性平板P1及びP2をそれぞれ保持するホルダ36A及び37AのZ方向の位置等を計測してもよい。
また、透光性平板P2(又はホルダ37A)とウエハステージ38(ウエハテーブル38A)とのZ方向の間隔(相対位置)を3箇所で同様にレーザ干渉計にて計測してもよい。
図7は、透光性平板P1,P2を保持するホルダ36A,37AのZ方向の位置を計測するレーザ干渉計の一例を示し、この図1に対応する部分に同一符号を付した図7において、第1の透光性平板P1を保持するホルダ36AのZ方向の位置は、コラム構造体75のベース部材75C上に設けられた移動鏡84Z2とホルダ36AとのZ方向の間隔の変化としてレーザ干渉計82Zにより計測される。
即ち、レーザ干渉計82Zからのレーザビームはビームスプリッタ83によって計測ビームと参照ビームとに分割され、計測ビームはホルダ36Aに固定されて光路を直角に折り曲げるプリズム型ミラー84Z1(通常のミラー等でもよい)を介して移動鏡84Z2に照射され、参照ビームはミラーを介してベース75Cに固定された参照鏡85に照射される。そして、移動鏡84Z2からの計測ビームと参照鏡85からの参照ビームとの干渉光をレーザ干渉計82Zで検出することによって、コラム構造体75を基準としてホルダ36AのZ方向の位置を例えば1〜0.1nm程度の分解能で計測することができる。実際にはレーザ干渉計82Z、ミラー84Z1、及び移動鏡84Z2は3組設けられており、3箇所のZ方向の位置に基づいて、ホルダ36AのZ方向の位置と、X軸、Y軸の周りの回転角とが計測できる。この計測値に基づいて3個のZ軸アクチュエータ81Aを駆動することで、ホルダ36A(第1の透光性平板P1)の3自由度の変位が目標とする状態に制御される。
なお、透光性平板P1の上面又は下面を移動鏡として用いて、その上面又は下面の3箇所にレーザ干渉計からの計測ビームを直接照射して、その3箇所のZ方向の位置をレーザ干渉計で直接計測してもよい。これは以下の透光性平板P2についても同様である。
同様に、第2の透光性平板P2を保持するホルダ37AのZ方向の位置は、コラム構造体75のベース部材75D上に設けられた移動鏡88Z2とホルダ37AとのZ方向の間隔の変化としてレーザ干渉計86Zにより計測される。即ち、レーザ干渉計86Zからのレーザビームはビームスプリッタ87によって計測ビームと参照ビームとに分割され、計測ビームはホルダ37Aに固定されて光路を直角に折り曲げるプリズム型ミラー88Z1を介して移動鏡88Z2に照射され、参照ビームはミラーを介してベース75D(コラム構造体75)に固定された参照鏡89に照射される。そして、移動鏡88Z2からの計測ビームと参照鏡89からの参照ビームとの干渉光をレーザ干渉計86Zで検出することによって、コラム構造体75を基準としてホルダ37AのZ方向の位置を例えば1〜0.1nm程度の分解能で計測することができる。実際にはレーザ干渉計86Z、ミラー88Z1、及び移動鏡88Z2は3組設けられており、3箇所のZ方向の位置に基づいて、ホルダ37AのZ方向の位置と、X軸、Y軸の周りの回転角とが計測できる。この計測値に基づいて3個のZ軸アクチュエータ81Bを駆動することで、ホルダ37A(第2の透光性平板P2)の3自由度の変位が目標とする状態に制御される。
なお、ホルダ37Aの変位は、Z方向の並進方向のみ調整可能であってもよく、X軸を中心とする回転の調整、及びY軸を中心とする回転の調整機構は、必ずしも必要ではない。
次に、本例の露光装置によってウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンについて、図8、図9及び図10を用いて説明する。
図1の第1の透光性平板P1の+Z側、即ち光源1側の表面には、X方向に周期性を有する1次元の位相変調型の回折格子G11が形成されている。ここでX方向は、第1の方向とみなすことができる。そして、第2の透光性平板P2の+Z側即ち第1の透光性平板P1側の表面にも、X方向に周期性を有する1次元の位相変調型の回折格子G21が形成されている。
まず、これらの回折格子G11,G21について図8を用いて説明する。
図8(A)は、図1の第1の透光性平板P1を+Z側から見た図であり、その表面にはY方向に長手方向を有し、それと直交するX方向に1次元的な周期T1を有する、位相変調型の第1の回折格子G11が形成されている。ここでY方向は、第2の方向とみなすことができる。
第1の回折格子G11は、いわゆるクロムレス位相シフトレチクルの様に第1の透光性平板P1の表面部分と、当該平板表面をエッチング等により掘り込んだ掘り込み部分(図8(A)中の斜線部)からなる。掘り込み部分の深さは、その表面部を透過する照明光と掘り込み部を透過する照明光との間に概ね180度の位相差が形成されるように設定される。両照明光に180度の位相差を形成する場合には、露光光の波長λ、第1の透光性平板P1の屈折率n、任意の自然数mに対し、その掘り込み深さを、
(2m−1)λ/(2(n−1)) …(1)
とすればよい。
また、表面部分と掘り込み部分との幅の比率(デューティ比)は、概ね1:1とすることが好ましい。
ただし、上記位相差及びデューティ比のいずれについても、上記180度及び1:1から異なる値を採用することもできる。
図8(B)は、図1の第2の透光性平板P2を+Z側から見た図であり、その表面(第1の透光性平板P1側の面)には、Y方向に長手方向を有し、X方向に1次元的な周期T2を有する第2の回折格子G21が形成されている。第2の回折格子G21も、その構造は上述の第1の回折格子G11と同様である。
第1の透光性平板P1、第2の透光性平板P2は合成石英等の、紫外線に対する透過性が高く、熱膨張係数(線膨張係数)が小さく、従って露光光の吸収に伴う熱変形の小さな材料で形成する。その厚さは、自重変形等の変形を防止するために、例えば5mm以上とすることが好ましい。ただし、自重変形等をより一層防止するために、10mm以上の厚さとすることもできる。また、特に光源1としてF2 レーザを使用する場合には、フッ素の添加された合成石英を使用することが好ましい。
なお、図8(A),(B)中では、説明の便宜上周期T1を第1の透光性平板P1の直径(一例として300mm以上)の1割程度と表わしているが、実際には周期T1は例えば240nm程度、周期T2は例えば120nm程度であり、第1の透光性平板P1の直径に比して圧倒的に小さい。これは、図8(A),(B)以外の各図においても同様である。
以下、図9を用いて、照明光IL10の第1の回折格子G11及び第2の回折格子G21への照射により、ウエハW上に干渉縞の明暗パターンが形成される原理について説明する。
図9は、相互に対向して配置された第1の透光性平板P1、第2の透光性平板P2及びウエハWの断面図であり、図9において、照明光IL10が照射されると、第1の回折格子G11からはその周期T1に応じた回折光が発生する。第1の回折格子G11が、デューティ比1:1で位相差180度の位相変調型格子であれば、発生する回折光は主に+1次回折光LPと−1次回折光LMとなる。ただし、それ以外の次数の回折光が発生する可能性もある。
±1次回折光LP,LMの回折角θは、露光光(照明光IL10)の波長λに対して、
sinθ= λ/T1 …(2)
により表わされる角である。
ただし、これは、±1次回折光LP,LMが第1の透光性平板P1を透過して空気(その代わりの窒素及び希ガス等であってもよい。以下も同様である。)中に射出した後の回折角である。即ち、±1次回折光LP,LMの第1の透光性平板P1中の回折角θ’は、第1の透光性平板P1の屈折率nを用いて、
sinθ’= λ/(n×T1) …(3)
により表わされる角となる。
続いて、±1次回折光LP,LMは第2の透光性平板P2上の第2の回折格子G21に入射する。ここで、上述の如く第2の回折格子G21も位相変調型の回折格子であるから、第2の回折格子G21からも主に±1次回折光が発生する。
本例においては、第2の回折格子G21の周期T2が第1の回折格子G11の周期T1の半分、即ちT1=2×T2の条件を満たす。この場合、+1次回折光LPの第2の回折格子G21への照射により発生する−1次回折光LP1は、Z方向に対し傾き角θをもって−X方向に傾いて発生する。また、−1次回折光LMの第2の回折格子G21への照射により発生する+1次回折光LM1は、Z方向に対し傾き角θをもって+X方向に傾いて発生する。なお、第2の回折格子G21によって発生する2次回折光を使用することを前提に、T2=T1である第2の回折格子を使用することもできる。
図10に示す如く、上記2本の回折光は、ウエハWの鉛直方向(法線方向)VWに対して上記傾き角θを保ってウエハW上に照射され、ウエハWに干渉縞としての明暗パターンIFを形成する。このとき、ウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンIFの周期(強度分布の周期)T3は、
T3 = λ/(2×sinθ) …(4)
となる。これは第1の回折格子G11の周期T1の半分であり、第2の回折格子G21の周期T2に等しい。
この明暗パターンIFが、その明暗に応じてウエハWの表面に形成されているフォトレジストPR等の感光部材を感光し、明暗パターンIFがウエハW上に露光転写される。
従って、ウエハW上には、その全面にX方向に周期T3を有するY方向に平行な明暗パターンが形成される。そして、ウエハW上に形成されたフォトレジストPRには、この明暗パターンが照射され露光される。
ところで、第2の回折格子G21の周期T2が所定の値より大きい場合には、+1次回折光LPの第2の回折格子G21への照射により不図示の+1次回折光が発生し、−1次回折光LMの第2の回折格子G21への照射により不図示の−1次回折光が発生することになる。そしてこのような回折光は、不要な回折光として明暗パターンIFのコントラストを低下させることとなる。
しかし、周期T1及び周期T2が照明光の波長λ程度またはそれより小さい場合には、+1次回折光LPの+1次回折光及び−1次回折光LPの−1次回折光の第2の回折格子G21からの射出角の正弦(sin)は、式2より形式的には1を超えることとなり、即ちそのような回折光は発生し得ない。
このような周期T2の上限値は、
T2 = 3λ/2 …(5)
である。また、T1=2×T2より、周期T1の上限値は3λとなる。
従って、第1の回折格子G11の周期が3λ以下であれば、上記不要な回折光のウエハWへの照射を防止することができる。
ただしこれは、第1の回折格子G11からウエハWまでの光路空間の少なくとも一部が空気によって全面的に満たされている場合の条件であり、後述する様に上記光路空間の全てが実効的に1より大きな屈折率を有する誘電体等の媒質で覆われている場合には、その条件も異なってくる。式3のとおり、媒質の屈折率の増大により回折角が減少するためである。
この場合には、第1の回折格子G11からウエハWに至る照明光路上に存在する媒質のうち、最低の屈折率neを有する媒質中における照明光の波長を実効波長λe(=λ/ne)として、周期T2の上限値は3λe/2、周期T1の上限値は3λeとなる。
一方、±1次回折光LP,LMが発生するためには、第1の回折格子G11の周期T1はλe以上でなければならない。この条件を満たさないと、上述の最低の屈折率neを有する媒質中における±1次回折光LP,LMの回折角の正弦が1を超え、±1次回折光LP,LMがウエハWに到達し得なくなるからである。また、T1=2×T2より、第2の回折格子G21の周期T2はλe/2よりも大きくなければならない。
続いて、本例における第1の回折格子G11と第2の回折格子G21との実効距離L1、及び第2の回折格子G21とウエハWとの実効距離L2について図11を用いて説明する。
上述の如く、±1次回折光LP,LMの進行方向即ち回折角は、±1次回折光LP,LMが透過する媒質の屈折率により変動する。そして、第1の回折格子G11と第2の回折格子G21との光学的に有効な距離や、第2の回折格子G21とウエハWとの光学的に有効な距離も、これらの間の媒質の屈折率により変動することになる。
従って、これらを実際の物理的距離で定義したのでは曖昧であるため、本例においては、第1の回折格子G11と第2の回折格子G21との間隔、及び第2の回折格子G21とウエハWとの間隔について、媒質の屈折率による変動を受けないよう、以下の実効距離を用いて表わすものとする。
以下、図11を用いて実効距離について説明する。
図11は、第1の回折格子G11が形成された第1の透光性平板P1と、第2の回折格子G21が形成された第2の透光性平板P2とを表わす断面図である。なお、図11中には、上記±1次回折光LP,LMと等価な+1次回折光LPA,LPG及び−1次回折光LMA,LMGも示した。
ここで、第1の透光性平板P1の厚さはD1であり、第1の透光性平板P1と第2の透光性平板P2との間隔はD2であるので、第1の回折格子G11と第2の回折格子G21との物理的な距離はD1+D2である。
しかし、第1の回折格子G11と第2の回折格子G21との第1の実効距離L1は、第1の透光性平板P1の厚さD1の空気中換算距離D3と、空気で満たされた第1の透光性平板P1と第2の透光性平板P2との間隔D2との和として定義する。
はじめに、空気中換算距離とは以下の距離をいう。第1の回折格子G11上の所定の任意の点である第1の基準点BPから発生した+1次回折光LPGは、屈折率nの第1の透光性平板P1中では、第1の基準点BPを通る第1の回折格子G11の法線である第1の基準線BLに対し、式3より求まる回折角θ’だけ傾いて進行する。しかし、第1の回折格子G11から射出し、屈折率1の空気中に射出した+1次回折光LPAは、第1の基準線BLに対し式2より求まる回折角θだけ傾いて進行することとなる。
ここで、もし透光性平板P1の屈折率が1であるとして+1次回折光LPAの光路を逆に辿った場合の仮想光路LPVを想定すると、仮想光路LPVは透光性平板P1の下面から距離D3だけ上方で第1の基準線BLと交差することになる。
従って、厚さD1の屈折率nの透光性平板P1は、空気中で回折角θの方向に進行する回折光に対して、空気中換算でD3の厚さ(距離)を有することと等価であると考えられる。そこで、D3を透光性平板P1の空気中換算距離と定義する。
ここでD1とD3の関係を考察すると、+1次回折光LPGが透光性平板P1を射出する点と第1の基準線BLとの距離をD4として、
D4 = D1×tanθ’ …(6)
D4 = D3×tanθ …(7)
が成り立つ。
これより、
D3 = D1×tanθ’/tanθ …(8)
が得られ、式2、式3を考慮して、
D3 = D1×cosθ/(n×cosθ’) …(9)
が得られる。
なお、空気(n=1)で満たされた空間である第1の透光性平板P1と第2の透光性平板P2との間隔D2の空気中換算距離は、D2に他ならない。従って、第1の回折格子G11と第2の回折格子G21との第1の実効距離L1は、上記D3とD2との和となる。
また、第2の回折格子G21とウエハWとの第2の実効距離L2についても、上記と同様に実効距離L2を求めることが出来る。この場合、第2の透光性基板P2の空気中換算距離D7は、第1の基準点BPを射出した第1の回折格子G11からの+1次回折光LPAが第2の回折格子G21に入射する点を第2の基準点PPとし、第2の基準点PPを通る第2の回折格子G21に対する法線を第2の基準線PLとした場合に、第2の回折格子G21の屈折率を1であると仮定して空気中における−1次回折光LP1Aを遡った場合の光路LP1Vと、上記第2の基準線PLとが交差する点と、第2の透光性平板P2の下面との距離である。
そして、第2の透光性平板P2とウエハWとの(正確にはフォトレジストPRとの)間の空間は空気(n=1)で満たされており、その空気中換算距離はD6そのものである。従って、第2の回折格子G21とウエハWとの第2の実効距離L2は、上記D7とD6との和として求められる。
以上、透光性平板P1,P2の空気間隔がD2,D6である場合の実効距離の算出方法について説明したが、屈折率が1より大きな媒質を複数個有する場合における実効距離も同様に求めることが出来る。即ち、各媒質に対してそれぞれ上記の空気中換算距離を求め、その和を求めれれば良い。
本例においては、第1の回折格子G11と第2の回折格子G21との間の第1の実効距離L1と、第2の回折格子G21とウエハWとの間の第2の実効距離L2とを、概ね等しく設定する。
これにより、図11に示した如く、第1の回折格子G11上の任意の一点BP上を発した±1次回折光LP(LPG),LM(LMG)を、ウエハWにおいて、第1の基準線BL上の点であるBWに照射させることが可能となる。即ち、ウエハW上の一点(例えばBW)に照射される回折光は、第1の回折格子G11上の同一の点(例えばBP)から発した±1次回折光LP,LMであるから、それらの回折光は必ず干渉し、良好なコントラストをもって干渉縞を形成することが可能となる。
ただし、第1の実効距離L1及び第2の実効距離L2は必ずしも正確に一致する必要は無く、ある程度の範囲で一致していれば良い。
この第1の実効距離L1と第2の実効距離L2とに要求される一致の程度は、第1の透光性平板P1に照射される照明光IL10の入射角度範囲との関係で定まるものである。
以下、これについて図12を用いて説明する。
図12(A)は、図9及び図11と同様に、第1の透光性平板P1、第2の透光性平板P2及びウエハWの断面図である。また、図12(B)は、図10と同様にウエハW上に形成された干渉縞の明暗パターン分布を表わす図であるが、ウエハWのZ位置が第2の実効距離L2が第1の実効距離L1と等しくなるように設定された場合(Z=Z0)の明暗パターン分布IFa0と、第2の実効距離L2が第1の実効距離L1よりΔZだけ短くなるように設定された場合(Z=ZP)の明暗パターン分布IFapと、第2の実効距離L2が第1の実効距離L1よりΔZだけ長くなるように設定された場合(Z=ZM)の明暗パターン分布IFamの、3つの明暗パターン分布を示している。
第1の透光性平板P1上の第1の回折格子G11に照射される照明光IL10aが完全に平行な照明光であって、その入射角が0である場合即ち垂直入射の場合には、ウエハW上に形成される明暗パターン分布IFap,IFa0,IFamの図12(B)中でX方向の位置は、ウエハWのZ方向によらず、即ち第1の実効距離L1と第2の実効距離L2との差によらず、変化しない。従って、明暗パターン分布IFap,IFa0,IFamの強度分布のピーク位置は、X=X0で一定である。
一方、図12(C)は、第1の透光性平板P1上の第1の回折格子G11に照射される完全に平行な照明光IL10bが、回折格子G11の法線方向からX方向に角度φだけ傾いて入射する場合を表わす図である。
この場合、各1次回折光LPb,LMb,LP1b,LM1bも照明光IL10bの傾斜に対応して、図12(A)中の対応する各1次回折光LPa,LMa,LP1a,LM1aに対してそれぞれ傾いた方向に進行することになる。
そして、図12(D)に示すごとく、ウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターン分布のX方向の位置も、照射される1次回折光LP1b,LM1bの上記傾斜に対応して、ウエハWのZ位置に対応して変化することとなる。
このとき、ウエハWのZ位置が第2の実効距離L2が第1の実効距離L1と等しくなるように設定された場合(Z=Z0)の明暗パターン分布IFb0の強度分布のピーク位置は、照明光IL10が第1の回折格子G11に垂直入射した場合と同様にX=X0である。
しかし、第2の実効距離L2が第1の実効距離L1よりΔZだけ短くなるように設定された場合(Z=ZP)の明暗パターン分布IFbpの強度分布のピーク位置は、X=X0からδpだけ−X方向にシフトした位置となる。
また、第2の実効距離L2が第1の実効距離L1よりΔZだけ長くなるように設定された場合(Z=ZM)の明暗パターン分布IFbmの強度分布のピーク位置は、X=X0からδmだけ+X方向にシフトした位置となる。
なお、このとき、
δp = δm = ΔZ×tanφ …(10)
の関係が成り立つ。
ところで、第1の回折格子G11に入射する照明光が、上述のX方向に傾いた照明光IL10bだけであるなら、ウエハW上に形成される干渉縞の位置はX方向にずれるものの、そのコントラストが低下することは無い。
しかし、第1の回折格子G11,G12に入射する照明光が、それぞれX方向への傾斜角(入射角)が異なる複数の進行方向を有する照明光である場合には、それらの照明光により形成される干渉縞の位置も、式9よりそれぞれ異なるものとなり、それらの強度的な重ね合わせにより最終的に形成される干渉縞のコントラストは低下する。従って、このような条件下では、十分なZ方向の余裕度をもってウエハW上に良好なパターンを露光することが難しくなる場合もある。
そこで、第1の実効距離L1と第2の実効距離との差(以下、Z位置差という)を所定の値以下とする、即ちウエハWをZ方向の所定の範囲内に設定するとともに、第1の回折格子G11に照射する照明光IL10のX方向の入射角度範囲を所定の値以下とすることにより、所定のZ方向の範囲内に設定されたウエハW上に対し良好なパターンを露光することを可能とした。
上記Z位置差は、一例として30[μm]以下とする。そして、上記X方向の入射角度範囲は、一例として2[mrad]以下とする。
このとき、照明光IL10のうち+X方向に最大、即ち+1[mrad]傾斜して第1の回折格子G11に入射する照明光により、Z=Z0から+30[μm]離れた位置に設定されるウエハW上に生じる干渉縞の明暗パターンIFbpの強度分布のピーク位置δpは、式9より30[nm]となる。
一方、照明光IL10のうち−X方向に最大、即ち−1[mrad]傾斜して第1の回折格子G11に入射する照明光により、上記Z位置に設定されるウエハW上に生じる干渉縞の明暗パターンIFbpの強度分布のピーク位置δpは、式9より−30[nm]となる。
照明光IL10の中には、X方向に概ね垂直に第1の回折格子G11に入射する照明光も含まれるため、上記入射角度範囲及びZ位置差の条件を満たす場合には、これらの照明光により形成される干渉縞の明暗パターンIFの総和(強度加算)は、その周期T3が150[nm]程度以上の明暗パターンについて、良好なコントラストを保ってウエハW上のフォトレジストPRに露光することが可能となる。
なお、より微細な周期T3の明暗パターンIFを露光する必要がある場合には、上記入射角度範囲及びZ位置差の条件をより厳しく設定する必要がある。また、形成される明暗パターンIFのコントラストの低下は、式10より、入射角度範囲及びZ位置差の積で決まるものであるから、その積を所定の値以下に設定することが望ましい。
この積は、上記条件では、2[mrad]×30[μm]= 60[mrad・μm]=60[nm]であったが、例えばその半分程度に設定すれば、その周期T3が75[nm]程度以上の明暗パターンについて、良好なコントラストを保ってウエハW上のフォトレジストPRに露光することが可能となる。
これは、一例として、上記X方向の入射角度範囲を1[mrad]以下とし、Z位置差を30[μm]以下とすることで達成できる。
あるいは、上記X方向の入射角度範囲をさらに小さな値とすることにより、Z位置差を100[μm]程度にまで緩和することもできる。
ところで、照明光IL10の入射角のY方向へ傾斜によっては、ウエハW上における干渉縞IFのY方向位置は変化するものの、第1の回折格子G11及び第2の回折格子G21のXY面内の形状に応じて、干渉縞の明暗パターンIFはY方向に概ね一様な干渉縞であるから、そのY方向位置変化は、全く問題となるものではない。
即ち、照明光IL10の入射角のY方向へ傾斜によって、干渉縞IFの実質的な位置ずれが生じることも無く、照明光IL10がそれぞれY方向への傾斜角が異なる複数の進行方向を有する照明光である場合であっても干渉縞IFのコントラストの低下は生じない。
従って、第1の回折格子G11上の任意の一点に照射される照明光IL10はX方向の入射角度については、上述の通り所定の範囲内であることが必要であるが、Y方向については広範な入射角度範囲を有してよいことになる。
これは、換言すれば、第1の回折格子G11の任意の一点上に照射される照明光IL10は、Y方向を含みかつその一点を含む平面(以降、特定平面という)内にそれぞれ異なる進行方向を有する複数の照明光であっても良いことになる。
また、X方向の入射角度範囲即ち進行方向の角度範囲も、上述の通り±1[mrad]程度以内であれば、即ち角度範囲としては2[mrad]程度以内であれば、上記特定平面からずれていても良い。
照明光IL10のY方向の入射角度範囲の上限については特段の制限はないが、第1の回折格子G11の照明光IL10の照度の均一性を向上するためには、Y方向の入射角度範囲を広範に設定することが望ましい。
そこで一例として、照明光IL10のY方向の入射角度範囲は2[mrad]より大きいことが望ましい。また、上述の如く照明光IL10のX方向の入射角度範囲を1[mrad]程度以下に制限する場合、第1の回折格子G11の照明光IL10の照度の均一性を確保するために、Y方向の入射角度範囲は5[mrad]より大きく設定することが望ましい。
以下、図13を用いて、このような条件を満たす照明光IL10を実現する照明光均一
化手段の実施例を説明する。
図13(A)は、フライアイレンズ13、照明系後群の総括レンズ35a、第1の透光性平板P1、第2の透光性平板P2を+X方向から見た図であり、図13(B)はこれを−Y方向から見た図である。なお、簡略化のために照明系のレンズ群を1枚の総括レンズ35aで表わしているが、その実際の構成は図1中の照明光学系の第2のレンズ群19,20,21,第3のレンズ群25,26,27及び第4のレンズ群29,30,32,35を総括して表わしたものである。
フライアイレンズ13は、Y方向に沿って一列に配置された複数のレンズエレメントF
1〜F8からなるものである。そして、これには、例えばシリンドリカルレンズ等を含む
集光光学系10を介して、照明光IL5が照射される。そして、フライアイレンズ13を
射出した照明光IL7は、図13(A)及び図13(B)に示す如く総括レンズ35aに入射する。そして総括レンズ35aで屈折され照明光IL10となって第1の透光性平板P1に入射する。
ただし、フライアイレンズ13がY方向に沿って一列に配置された複数のレンズエレメ
ントF1〜F8からなるものであるため、照明光IL10の第1の透光性平板P1への入
射角度特性は、X方向とY方向とで異なったものとなる。総括レンズ35aは、その入射側焦点面がフライアイレンズ13の射出面と一致し、その射出側焦点面が第1の透光性平板P1の上面(+Z)と一致する様に配置される。従って、総括レンズ35aは、いわゆるフーリエ変換レンズを構成する。
フライアイレンズ13の各レンズエレメントを射出した照明光IL7は、総括レンズ
35aにより屈折され、照明光IL10となって第1の透光性平板P1上に重畳して照射
される。従って、第1の透光性平板P1上の照明光の強度分布は、当該重畳による平均化
効果により均一化される。第1の透光性平板P1上に任意の一点IPへの照明光IL10のY方向についての入射角度範囲φは、フライアイレンズ13のY方向への配列に応じて図13(A)に示す如き所定の値となる。
一方、フライアイレンズ13がX方向については1列しかないことから、X方向につい
ての入射角度範囲を、所定の値以下に設定できる。従って、一点IPへの照明光IL10の入射角度の範囲を、Y方向については所定の角度範囲以上に設定し、X方向については所定の角度範囲以下に設定することが可能となる。
また、必要に応じて、フライアイレンズ13の射出面に、図13(C)に示す如くY方
向に長くX方向に狭いスリット状の開口部18を有する開口絞り17を設け、照明光IL
10のX方向への進行方向を、特定平面IPPと平行な面内に、より一層限定することも
できる。また、この開口絞り17は、フライアイレンズ13の射出面と共役な、図1中の
集光点28の位置に設けることもできる。なお、上記の開口絞り17、フライアイレンズ13、集光光学系10は、第1の透光性平板P1への照明光IL10の入射角度範囲を規定する照明光制御手段とみなすこともできる。
ところで、第1の透光性平板P1上の所定の一点上に照射される照明光には、一般に、
いわゆるフレアのような迷光も含まれたものとなる。そこで、上記入射角度範囲とは、これらの迷光を含まない照明光の入射角度範囲であり、具体的には所定の一点上に照射される照明光のエネルギーのうちの90%以上を包含することとなる実効入射角度範囲について規定するものである。
ところで、第1の回折格子G11の第1の実効距離L1及び第2の回折格子G21とウエハWとの第2の実効距離L2自体の長さについては、原理的な制約は無いが、これらの実効距離L1,L2が長いと光路における空気揺らぎ,媒質の熱変動に伴う屈折率変動の影響により、ウエハW上に形成される干渉縞の位置安定性あるいはコントラストが低下する恐れがある。
一方、第1の回折格子G11を形成する第1の透光性基板P1及び第2の回折格子G21を形成する第2の透光性基板P1をあまりに薄くすると、撓み等が生じて良好な干渉縞を得ることができなくなる。そこで、本例においては、第1の実効距離L1及び第2の実効距離L2は、一例として共に1mm以上かつ15mm以下であるものとする。
ただし、より高精度に干渉縞の明暗パターンIFを形成するために、第1の実効距離L1及び第2の実効距離L2は、共に2mm以上かつ10mm以下とすることもできる。そして、さらに高精度に干渉縞の明暗パターンIFを形成するために、第1の実効距離L1及び第2の実効距離L2は、共に3mm以上かつ7mm以下とすることもできる。
第1の実効距離L1及び第2の実効距離L2の長さは、上記安定性と干渉縞の明暗パターンIFに要求される安定性とから定めることができる。
ところで、1次元的な周期を有する干渉縞の明暗パターンIFを形成する場合、その形成に用いる照明光IL10は、その偏光方向(電場方向)が明暗パターンIFの長手方向に平行、即ち第1の回折格子G11及び第2の回折格子G21の長手方向に平行な直線偏光光であることが好ましい。この場合に、干渉縞IFのコントラストを最高にすることができるからである。
ただし、照明光IL10は、完全な直線偏光光でなくとも、第1の回折格子G11の長手方向(Y方向)の電場成分が、周期方向(X方向)の電場成分よりも大きな照明光であれば、上述のコントラスト向上効果を得ることができる。
照明光IL10のこのような偏光特性は、図1の照明光学系中に設けた偏光制御素子9により実現される。偏光制御素子9は、例えば光軸AX1を回転軸方向として回転可能に設けられた偏光フィルター(ポラロイド板)や偏光ビームスプリッターであり、その回転により照明光IL3の偏光方向を所定の直線偏光とすることができる。
光源1がレーザ等の概ね直線偏光に偏光した照明光IL1を放射する光源である場合には、偏光制御素子9として、同じく回転可能に設けられた1/2波長板を用いることもできる。また、それぞれ独自に回転可能に直列に設けられた2枚の1/4波長板を採用することもできる。この場合には、照明光IL3〜IL10の偏光状態を、概ね直線偏光光とするのみでなく、円偏光及び楕円偏光の偏光光とすることもできる。
なお、上記いずれの照明光学系においても、照明光IL10の照射される範囲は、第1の透光性平板P1の全面を包含しなくても良いことはいうまでもない。即ち、第1の透光性平板P1上に形成された第1の回折格子G11の中心部を含み、それを透過する照明光がウエハWに達する所定の領域において、照明光IL10の強度分布が均一になるように照明されていれば良い。
また、照明光IL10の照射される範囲は、ウエハW上の全面を包含するものでなくても良い。
以下、図14、図15を用いて、本発明の別の実施形態について説明する。
図14は、本発明の別の実施形態による露光装置の概要を表わす図である。ただし、図1の光源1、照明光学系IS、第1の透光性平板P1、及び第2の透光性平板P2については同様であるが、図14では図示を省略し、コンデンサーレンズ35のみ破線で示した。
本例においては、図1の第1の透光性平板P1に照射される照明光IL10の領域は、ウエハWよりも小さな図14の照明領域42に制限される。ただし、照明領域42のX方向の幅はウエハWの直径より大きい。
そして、ウエハWへの露光は、図1の光源1、照明光学系IS、第1の透光性平板P1、及び第2の透光性平板P2に対して、図14に示すように、ウエハWをウエハステージ38によりY方向に走査して行なうものとする。上述の通り、ウエハW上には照明光IL10、第1の透光性平板P1上の第1の回折格子G11、及び第2の透光性平板P2上の第2の回折格子G21によりX方向に周期方向を有し、Y方向に長手方向を有する干渉縞の明暗パターンIFが形成されているから、当該Y方向への走査は干渉縞の明暗パターンIFの長手方向に沿って行なわれることになる。
上記走査露光に際しては、ウエハWのX方向及びY方向の位置や回転は、ウエハステージ38に設けられたX軸の移動鏡39X及びY軸の移動鏡39Yを介して、X軸のレーザ干渉計40X1及び40X2と、Y軸のレーザ干渉計40Y1及び40Y2とを用いて計測し、不図示のステージ制御機構により制御される。
このような走査露光により、ウエハWには第1の回折格子G11及び第2の回折格子G21により形成される明暗パターンIFがY方向に積算されて露光されることになるため、これらの回折格子の欠陥や異物の影響が緩和され、ウエハW上には、欠陥のない良好なパターンが露光される。
また、照明領域42内に残存する恐れのある照度の不均一性についても、その誤差がY方向に積算され平均化されるため、実質的により高い均一性を実現することができる。
さらに、照明領域42の形状を、X方向の位置によってY方向の幅が変化するものであるとすることもできる。これにより、照明領域42の形状自体を変化させることにより、照明領域42内の照明光照度分布のY方向積算値を一層均一化することができるからである。
このような照明領域42の形状は、図1の照明光学系IS中の視野絞り22に設ける開口の形状により決定することができる。なお、視野絞り22は、第1の透光性基板P1の光源側の近傍に配置しても良い。
図15(A)に、視野絞り22及び開口23の形状の一例を示す。開口23のY方向の両端を規定する辺23a,23bは曲線であって、その間隔(Y方向の幅)はX方向の位置に応じて変化するものとなっている。
また、視野絞り22には、図15(B)に示すように、Y方向の間隔がX方向にわたって変化するとともに、X方向の端部24a及び24bが傾斜した開口24を設けてもよい。このような開口24は、例えば走査露光時に端部を重ねて露光する際に、露光量を均一化するための使用される。
また、照明領域42は、そのX方向の長さがウエハWの直径よりも小さなものであっても良い。この場合にも、ウエハWをX方向にステップ移動しつつ上記Y方向への走査露光を繰り返し行なうことで、ウエハWの全面への干渉縞の明暗パターンIFの露光を行なうことが可能となる。
なお、上記走査露光中に、あるいはX方向へのステップ移動に際し、ウエハステージ38をZ軸を中心として微小回転し、あるいは、第1の透光性基板P1及び第2の透光性
基板P2を微小回転することもできる。これにより、ウエハW上の既存のパターンの方向
性が、ウエハWの面内位置に応じて変化している場合においても、その既存のパターンに
対して良好な位置整合性を保って干渉縞によるパターンを露光することが可能となる。
以下、このような露光方法について、図16を用いて説明する。
図16は、本発明のさらに別の実施形態による露光装置の概要を表わす図である。ただし、図1の光源1、照明光学系IS、第1の透光性平板P1、及び第2の透光性平板P2は、同様に備えられているが、図16ではそれらの図示を省略し、コンデンサーレンズ35のみ破線で示した。また、X軸のレーザ干渉計40X1,40X2、Y軸のレーザ干渉計40Y1,40Y2等も図14に示した露光装置と同様であるため図示を省略している。
本例の露光装置では、照明領域42aは、そのX方向の長さがウエハWの直径よりも小さい。そこで、ウエハWへの露光は、上記と同様なウエハステージ38によるウエハWのY方向への走査に併せて、ウエハWをX方向にステップ移動して行なうものとする。
具体的には、照明領域42aとウエハWとの相対位置関係を、破線経路45及び実線経路46の如く移動し、Y方向への走査露光とその走査露光の各間におけるX方向へのステップ移動とを組み合わせて行なうものとする。
上記Y方向の走査露光を行なう回数は2回以上の何度であってもよく、照明領域42aのX方向の長さは、ウエハWの直径を走査露光の回数で割った長さより大きな長さとしておく。
なお、ウエハW上の、照明領域42aのX方向の境界に位置する部分では、隣接する上記Y方向への走査露光により形成されるパターンが位置ずれすることなく繋ぎ合わされるために、また、照明領域42aの境界における半影ボケの影響を低減するために、両走査露光の照明領域42aがある程度重畳して露光されることが望ましい。
そこで、照明領域42aの形状を、Y方向の位置によってX方向の幅が変化するものであるとすることもできる。このような照明領域42aは、照明光学系IS中の視野絞り22に設ける開口24の形状を図15(B)に示す如くすることにより形成できる。
即ち、開口24のX方向の両端を規定する辺24a,24bはY方向に平行でない直線あるいは曲線であって、その間隔(X方向の幅)はY方向の位置に応じて変化するものとなっている。
このような開口24で規定される照明領域42aを用いることで、ウエハW上でY方向への走査露光の繋ぎ合わせによりパターンが形成される領域においても、パターンが位置ずれすることなく、また半影ボケの影響を低減した露光が可能となる。
また、上記のような走査露光ではなく、Y方向へ及びX方向へのステップ移動を行いつつ複数回の多重露光を行なうこともできる。この場合、各露光間のY方向へ相対移動は任意の長さでよいが、X方向へ相対移動はウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンの周期T3の整数倍に限定される。
なお、露光装置で露光すべきウエハW上には、以前の露光工程(フォトリソグラフィー工程)のおいて既にパターンが形成されており、新たな露光工程においては、そのパターンの所定の位置関係を保ってパターンを形成する必要があるのが一般的である。
そして、ウエハW上の既存のパターンは、ウエハWへの成膜工程,エッチング工程に伴う熱変形や応力変形により、設計地に比べある程度の伸縮が生じている場合が多い。そこで、露光装置には、このようなウエハWの伸縮に適用して、新たなパターンをある程度伸縮補正してウエハW上に形成することが求められる。
本例の露光装置では、ウエハWを設定するZ位置または照明光IL10の収束発散状態のいずれか一方または両方を変更することにより、ウエハW上に形成する明暗パターンの伸縮補正を行なうことができる。
始めに、照明光IL10の収束発散状態について図17を用いて説明する。
図17(A)は、照明光IL10が平行な光線束である場合、即ち収束も発散もしない状態を表わす図である。このとき照明光IL10の照明領域42等のX方向の外縁LEa,LEbは第1の透光性平板P1に対して垂直であり、照明光IL10c,照明光IL10d,照明光IL10eは、第1の透光性平板P1内の場所によらず第1の透光性平板P1に垂直に入射する。
一方、図17(B)は、照明光IL10が発散する光線束である場合を表わす図であり、外縁LEa1,LEb1で規定される照明光IL10は全体として発散光路となる。このとき外縁LEa1,LEb1は、鉛直方向LEa,LEbからそれぞれψe傾いて(発散して)いる。従って、照明光IL10の第1の透光性平板P1への入射角は、その位置に応じて変化することとなる。
即ち、外縁LEa1に近い光路部分を通って照射される照明光IL10fは、やや外向きに傾斜して第1の透光性平板P1に入射することになる。そして傾斜角をψfとすると、照明光IL10fによってウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンの位置は、式10に従ってΔZ×tanψfだけ−X方向にずれた位置に形成される。
ここでΔZとは、上記と同様にウエハWと第2の回折格子G21との第2の実効距離L2の、第1の回折格子G11と第2の回折格子G21との第1の実効距離L1からの差である。また、上記におけるX方向の基準位置は、ψf=0において上記干渉縞の明暗パターンが形成される位置である。
一方、外縁LEb1に近い光路部分を通って照射される照明光IL10hがウエハW上に形成する干渉縞の明暗パターンの位置は、照明光IL10hの外向きの傾斜角ψhにより、式10に従ってΔZ×tanψhだけ+X方向にずれた位置に形成される。
また、中心に近い光路部分を通って照射される照明光IL10gがウエハW上に形成する干渉縞の明暗パターンの位置は、照明光IL10gがほぼ垂直入射することから位置ずれは生じない。
従って、ウエハWに露光される干渉縞パターンIFの第1の回折格子G11に対する大きさの関係は、ΔZが正の場合には、照明光IL10が発散光束とすることにより拡大されたものとすることができ、収束光束とすることにより縮小されたものとすることができ、従ってウエハWに露光される干渉縞パターンIFの伸縮補正を行なうことができる。
そして、本例の露光装置においては、図1に示した通り、照明光学系中の第4のレンズ群を構成するレンズ29,30,32,35のうち、負レンズ30にはレンズ駆動機構31a,31bが取り付けられ、正レンズ32にはレンズ駆動機構33a,33bが取り付けられている。そして、これらのレンズ駆動機構31a,31b,33a,33bは、固定軸34a,34b上をZ方向に可動であり、これによりレンズ30及びレンズ32もそれぞれ独立してZ方向に可動である。
即ち、第4のレンズ群29,30,32,35は、全体としていわゆるインナーフォーカスレンズを構成することとなり、その焦点距離または焦点位置が可変となる。これにより、照明光IL10の収束発散状態を可変とすることができる。なお、これに併せて、照明光学系ISの第1のレンズ群2,3,4,6についてもZ位置調整機構を設け、上記第4のレンズ群29,30,32,35と併せて、照明光IL10の収束発散状態を可変とすることもできる。
これは、図1に示した通り、第1のレンズ群2,3,4,6中の負レンズ4にはレンズ駆動機構5a,5bが取り付けられ、正レンズ6にはレンズ駆動機構7a,7bが取り付けられている。そして、これらのレンズ駆動機構5a,5b,7a,7bは、固定軸8a,8b上をZ方向に可動であり、これによりレンズ4及びレンズ6もそれぞれ独立してZ方向に可動とすることができる。
また、式10より、照明光IL10の収束発散状態は上記のように可変とすることなく所定の収束状態または発散状態に固定しておき、ウエハWを配置するZ位置を変更すること、即ち第2の実効距離L2を第1の実効距離L1に対して変更することにより上記伸縮補正を行なうこともできる。
これらの伸縮補正は、ウエハWの露光に先立ち、ウエハマーク検出機構43によりウエハW上の複数箇所に形成されている既存の回路パターンあるいは位置合せマークの位置を検出することにより予め計測したウエハWの伸縮量に基いて行なうことが望ましい。
なお、ウエハWの伸縮量等の計測に先立って、ウエハマーク検出機構43の検出基準44の位置をウエハステージ上の基準マーク部材41上の所定の基準マーク41を用いて計測しておくことが望ましい。また、露光装置には、ウエハマーク検出機構43による上記位置計測精度を向上するために、ウエハマーク検出機構43の位置でウエハステージ38の位置計測を可能とする検出機構であるY軸のレーザ干渉計40Y3等を設けておくことが望ましい。
なお、ウエハマーク検出機構43には、ウエハWの表面の凹凸形状を含めたZ位置を計測可能なZ位置センサーも備えることが好ましい。これにより、ウエハWの表面のZ位置を計測し、その値に基いてウエハステージ38をZ方向に駆動して、あるいはさらにウエハステージ38のチルト制御を行ない、上記第2の実効距離を設定することができる。
勿論、上記Z位置センサーは、ウエハマーク検出機構43とは別に、例えば図1のコラム構造体75等に設けても良い。
ところで、第1の回折格子G11からは上述の所望の回折光である±1次回折光LM,LPのみでなく、0次回折光(直進光)も僅かながら発生する。そしてこの0次回折光はさらに第2の回折格子G21をも透過してウエハWに達する恐れがある。そして、このような0次回折光は、迷光として、ウエハW上に形成される所望の干渉縞の明暗パターンIFのコントラストを低下させことになる。
そこで本例においては、この0次回折光を遮蔽(吸収または反射)するために、第1の回折格子G11と第2の回折格子G21との間に、多層膜干渉フィルター等からなる回折光選択部材を設けることもできる。
なお、以上の例においては、第1の回折格子G11,G12は位相変調型回折格子であり、第2の回折格子G21は強度変調型回折格子であるとしたが、両回折格子の構成は、これに限るものではない。例えば、いずれの回折格子も、ハーフトーン位相シフトレチクル(Attenuated Phase Shift Mask)の如く、透過光の位相及び強度の双方を変調する回折格子を用いることもできる。
なお、上記いずれの例においても、第1の回折格子G11及び第2の回折格子G21は、ウエハW上に露光すべき干渉縞の明暗パターンの周期T3に応じて、交換する必要がある。
また、図18に示すように、第1の透光性平板P1の周縁部P1E及び第2の透光性平板P2の周縁部P2Eを、それらの中心部に対して薄くなるように段付け加工してもよい。この場合、第1のホルダ36Aに設けられた真空又は静電方式の吸着部P1V及び第2のホルダ37Aに設けられた真空又は静電方式の吸着部P2Vは、これらの段付け加工された周縁部P1E及びPE2を介して透光性平板P1及びP2を保持することができる。
ところで、以上の例においては、第2の透光性平板P2とウエハWとの間には、空気が存在するものとしていたが、これに代わり、所定の誘電体を満たすこととしても良い。これにより、ウエハWに照射される照明光(回折光)の実質的な波長を、上記誘電体の屈折率分だけ縮小することができ、ウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンの周期T3を一層縮小することが可能となる。なお、そのためには、第2の回折格子G21の周期T2及び第1の回折格子G11の周期T1も、それに比例して縮小する必要があることは言うまでも無い。
図19(A)は、これに適したウエハステージ38a等の例を示す図である。ウエハステージ38aの周囲には、連続的な側壁38b,38cが設けられ、側壁38b,38cで囲まれた部分には水等の液体56を保持可能となっている。これにより、ウエハWとホルダ37Aに保持された第2の透光性平板P2との間は水に満たされ、照明光の波長は、水の屈折率(波長193nmの光に対して1.46)だけ縮小される。
なお、給水機構54及び排水機構55も併設され、これにより側壁38b,38cで囲まれた部分には汚染の無い清浄な液体が供給されかつ排出される。
また、図19(B)に示す如く、ウエハステージ38aの側壁38d,38eの最上面を第1の透光性平板P1の下面より高くし、ホルダ36Aに保持された第1の透光性平板P1とホルダ37Aに保持された第2の透光性平板P2との間の空間にも液体を満たすこともできる。給液機構54a及び排液機構55bの機能は上述と同様である。
これにより、第1の回折格子G11からウエハWに至る全光路を、空気以外の誘電体で覆うことが可能となり、上述の照明光の実効波長λを、液体の屈折分だけ縮小することが可能となる。そしてこれにより、一層微細な周期を有するパターンの露光が可能となる。
なお、上述の如く、本例においては図1に示した如く、ホルダ36Aの位置を介して第
1の透光性平板P1のX位置及びY位置を計測するレーザ干渉計82の計測光路は、第1
の透光性平板P1とは+Z方向にずれた位置に設けられている。また、ホルダ37Aの位
置を介して第2の透光性平板P2のX位置及びY位置を計測するレーザ干渉計86の計測
光路は、第2の透光性平板P2とは+Z方向にずれた位置に設けられている。このため、図19(A)及び図19(B)に示す構成を採用した場合であっても、上記レーザ干渉計82,86の光路が水等の液体56中に没することがなく、従って高精度な位置計測が行なえるという利点がある。
なお、第2の透光性平板P2とウエハWの間に満たす誘電体は水に限らず、他の誘電性液体であっても良いことは言うまでも無い。その場合、その誘電性液体の屈折率は、1.2以上であることが、干渉縞の明暗パターンの周期の縮小の点から好ましい。
なお、本例の露光装置では、各種透光性平板を光路に沿って近接して配置することになるため、その各表面での表面反射に伴う多重干渉による悪影響のおそれがある。そこで、本例においては、図1の光源1からの照明光IL1〜IL10として、その時間的な可干渉距離(光の進行方向についての可干渉距離)が、100[μm]以下の光を使用することが好ましい。これにより多重干渉に伴う不要な干渉縞の発生を避けることができる。
光の時間的な可干渉距離は、その光の波長をλ、その光の波長分布における波長半値幅をΔλとしたとき、概ねλ2/Δλ で表わされる距離である。従って、露光波長λがArFレーザからの193nmの場合には、その波長半値幅Δλが370pm以上程度である照明光IL1〜IL10を使用することが望ましい。また、照明光IL1〜IL10の波長としても、より微細な干渉縞パターンIFを得るために200[nm]以下の照明光を使用する事が望ましい。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について図20〜図27を参照して説明する。図20〜図27において、図1〜図19に対応する部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図20は、本例の露光装置の概略構成を示す図である。本例の露光用の光源は第1の実施形態である図1の光源1と同じであり、照明光学系も図1の照明光学系ISと同じ構成であるため、図20においては、照明光学系ISの最下端のレンズ35のみを図示している。また、説明の便宜上、図1のレンズ35を通過した照明光IL10を図20では照明光IL8で表している。
図20において、照明光学系ISのレンズ35を射出した照明光IL8は、第1の透光性平板P1に入射する。第1の透光性平板P1の下方(−Z方向)には、第2の透光性平板P2が設けられる。第2の透光性平板P2は、パターンを形成すべき加工対象である半導体ウエハ等の基板であるウエハWに、近接して対向して配置される。
第1の透光性平板P1には後述する第1の回折格子が形成されており、その第1の回折格子に照明光IL8が照射されることにより発生する回折光は、第2の透光性平板P2に照射される。第2の透光性平板P2には後述する第2の回折格子が形成されており、上記回折光はその第2の回折格子に照射されることになる。そして、第2の回折格子で発生した回折光はウエハWに照射され、ウエハW上に複数の回折光からなる干渉縞による明暗パターンが形成される。
そして、第1の実施形態と同様に、ウエハWは、ウエハベース50上をX方向及びY方向に可動なウエハステージ38上に保持されている。また、第2の透光性平板P2は、第2のホルダ37A上に吸着保持され、ホルダ37Aを含む第2保持駆動機構によって、透光性平板P2はXY平面に平行に、かつウエハWと後述する所定の間隔をもって対向して配置される。また、第1の透光性平板P1は、第1のホルダ36A上に吸着保持され、ホルダ36Aを含む第1保持駆動機構によって、透光性平板P1はXY平面に平行に、かつ第2の透光性平板P2と後述する所定の間隔をもって対向して配置される。
本例の位置計測機構及び保持駆動機構は、図1の第1の実施形態の構成から第1のホルダ36A(第1の透光性平板P1)の位置及び回転角を計測するためのレーザ干渉計82及びこれに関連する移動鏡や参照鏡を除去した以外は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。このように本例では、ホルダ36A(第1の透光性平板P1)のX方向、Y方向の位置、及びZ軸の周りの回転角を計測するためのレーザ干渉計は設けられていない。しかしながら、例えばホルダ36AのY方向の位置を比較的粗い精度で計測するためのリニアエンコーダのような計測装置を設けても良い。
次に、本例の露光装置によってウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンについて、図21〜図24を用いて説明する。
第1の透光性平板P1の+Z方向側、即ち光源1側の表面には、X方向に周期性を有する1次元の位相変調型の回折格子G11,G12が形成されている。一方、第2の透光性平板P2の−Z方向側、即ちウエハW側の表面には、X方向に周期性を有する1次元の強度変調型の回折格子G21Aが形成されている。
まず、図21を参照して、これらの回折格子G11,G12,G21Aについて説明する。
図21(A)は、第1の透光性平板P1を+Z方向側から見た図であり、その表面にはY方向に長手方向を有し、それと直交するX方向に1次元的な周期T1を有する、位相変調型の第1の回折格子G11,G12が形成されている。第1の回折格子G11,G12は、いわゆるクロムレス位相シフトレチクルの様に第1の透光性平板P1の表面部分G12と、当該平板表面をエッチング等により掘り込んだ掘り込み部分G11からなる。掘り込み部分G11の深さは、その表面部G12を透過する照明光と掘り込み部G12を透過する照明光との間に180度の位相差が形成されるように設定される。その掘り込み深さは、露光光(照明光IL8)の波長λ0,第1の透光性平板P1の屈折率n、任意の自然数mに対し、(2m−1)λ0/(2(n−1))である。
また、表面部分G12と掘り込み部分G11との幅の比率(デューティ比)は、1:1とすることが好ましい。
図21(B)は、第2の透光性平板P2を+Z方向側から見た図であり、その裏面(ウエハW側の面)には、Y方向に長手方向を有し、X方向に1次元的な周期T2を有する第2の回折格子G21Aが形成されている。第2の回折格子G21Aは、クロム,モリブデン,タングステン,タンタル等の金属あるいはそれらの酸化物、フッ化物、又は珪素化物や他の遮光性・減光性の材料の膜からなるものである。
第1の透光性平板P1、第2の透光性平板P2は合成石英等の、紫外線に対する透過性が高く、熱膨張係数(線膨張係数)が小さく、従って露光光の吸収に伴う熱変形の小さな材料で形成する。特に光源1としてF2 レーザを使用する場合には、フッ素の添加された合成石英を使用することが好ましい。
なお、図21(A),(B)中では、説明の便宜上周期T1を第1の透光性平板P1の直径(一例として300mm以上)の1割程度と表わしているが、実際には周期T1は例えば240nm程度、周期T2は例えば120nm程度であり、第1の透光性平板P1の直径に比して圧倒的に小さい。これは、図21(A),(B)以外の各図においても同様である。
以下、図22を用いて、照明光IL8の第1の回折格子G11,G12及び第2の回折格子G21Aへの照射により、ウエハW上に干渉縞の明暗パターンが形成される原理について説明する。
図22は、相互に対向して配置された第1の透光性平板P1、第2の透光性平板P2及びウエハWの断面図である。
照明光IL8が照射されると、第1の回折格子G11,G12からはその周期T1に応じた回折光が発生する。第1の回折格子G11,G12が、デューティ比1:1で位相差180度の位相変調型格子であれば、0次回折光は消失し発生しない。この場合、主に±1次光の2本の回折光が発生するが、±2次光等の高次回折光も発生する可能性もある。
しかしながら、周期T1が照明光の実効波長λの3倍より短い場合には、3次以上の高次回折光は発生し得ない。また、上記の如くデューティ比1:1で位相差180度の位相変調型格子であれば2次回折光も発生し得ない。従って、この場合には、第1の回折格子G11,G12からは、+1次回折光LPと−1次回折光LMとの2本のみが発生し、第1の透光性平板P1を透過して第2の透光性平板P2に入射する。
ここで照明光の実効波長λとは、第1の回折格子G11,G12からウエハWに至る照明光路上に存在する透光性媒質のうち、最低屈折率を有する媒質中における照明光の波長をいう。本例では、透光性平板P1と透光性平板P2とウエハWとの各間に空気(または窒素・希ガスでも良い)が存在するため、実効波長λ0は照明光の波長λ0を空気の屈折率(=1)で除した値となる。
続いて、+1次回折光LPと−1次回折光LMとは、第2の透光性平板P2のウエハW側の表面に設けられた第2の回折格子G21Aに照射される。両回折光は対称であるため、以下+1次回折光LPについてのみ説明する。
+1次回折光LPは、第1の回折格子G11,G12の周期T1により、第2の回折格子G21Aに対して鉛直な方向(法線方向)から所定の角度だけ傾いて第2の回折格子G21Aへ入射する。
その傾き角θ0は、第2の回折格子G21Aが空気中に配置されていると仮定すると、
sinθ0=λ/T1 …(11)
により表わされる角である。
+1次回折光LPが第2の回折格子G21Aに照射されると、第2の回折格子G21Aからも回折光が発生する。第2の回折格子G21Aが強度変調型の回折格子であることから、当該回折光は0次光を含む回折光となる。
ここで、当該各回折光の発生する角度方向は、照射される照明光(+1次回折光LP)の入射角の傾斜に応じて傾いたものとなる。即ち、第2の回折格子G21Aからは、照射された+1次回折光LPに平行な方向に進行する0次回折光LP0と、第2の回折格子G21AのX方向の周期T2に応じて回折される−1次回折光LP1とが発生する。
なお、第2の回折格子G21Aの周期T2が、上記周期T1及び実効波長との関係で決まる所定の値より大きい場合には、不図示の+1次回折光も発生する可能性がある。しかし、周期T2を、照明光の実効波長以下とすることで、実質的に不図示の+1次回折光の発生を防止することができる。ここで、照明光の実効波長λとは上記と同様である。
この結果、ウエハW上には、0次回折光LP0と−1次回折光LP1との2本の回折光が照射されることとなり、これらの回折光の干渉により干渉縞の明暗パターンが形成される。
以下、図23を用いて、この干渉縞の明暗パターンについて説明する。図23は、0次回折光LP0と−1次回折光LP1との2本の回折光がウエハW上に形成する干渉縞の明暗分布を示す断面図である。
上述の通り、0次回折光LP0は第2の回折格子G21Aへ照射される+1次回折光LPと平行な方向に発生するから、0次回折光LP0はウエハWの鉛直方向(法線方向)VWに対して上述のθ0だけ傾いた入射角で照射される。
一方、−1次回折光LP1は、X方向の周期T2によりX方向に回折し、入射角θ1でウエハWに照射される。このとき、ウエハW上に形成される干渉縞IFの明暗パターンの周期(強度分布の周期)T3は、
T3 = λ/(sinθ0+sinθ1) …(12)
となる。これは干渉縞IFの振幅分布の周期の半分に対応している。
従って、ウエハW上には、その全面にX方向に周期T3を有するY方向に平行な明暗パターンが形成される。そして、ウエハW上に形成されたフォトレジストPRには、この明暗パターンが照射され露光される。
一般に、干渉縞IFの如く2本の光線束により形成される干渉縞は、ウエハWがZ方向に位置変動しても、そのコントラストの低下が極めて少なく、即ち焦点深度の大きな明暗パターンとなる。
しかしながら、0次回折光LP0の入射角θ0と、−1次回折光LP1の入射角θ1とが等しく無い場合(法線方向VWに対して対称でない場合)には、ウエハWのZ方向の位置ずれに応じて、干渉縞IFのX方向位置が変動してしまう。
そこで、干渉縞IFのX方向位置を正確に制御したい場合には、ウエハWに照射する0次回折光LP0の入射角θ0と、−1次回折光LP1の入射角θ1とが等しくなるようにするとよい。このような条件は、第1の回折格子G11,G12に対して照明光IL8が垂直に入射することを前提として、第1の回折格子G11,G12の周期T1が第2の回折格子G21Aの周期T2の概ね2倍であるときに実現される。そして、このときには、
T2=T3 …(13)
の関係を満たす。
なお、上述の通り、照明光IL8は、第1の回折格子G11,G12に対して、例えば垂直に入射することが必要である。以下この理由、及び入射角度に関するより正確な条件について、図24を用いて説明する。
図24は、図22及び図23と同様に、第1の透光性平板P1、第2の透光性平板P2及びウエハWと、ウエハW上に形成された干渉縞IFa,IFbの断面を示す図である。ここで第1の回折格子G11,G12の周期T1は、第2の回折格子G21Aの周期T2の2倍であるとする。
図24中の左側に示した干渉縞IFaは、第1の回折格子G11,G12に対して垂直に入射する照明光IL8aに起因して形成される干渉縞を示す。このときには、図22及び図23に示した場合と同様に、第1の回折格子G11,G12からは+1次回折光LPa及び−1次回折光LMaが対称に発生し、それが第2の回折格子G21Aに入射する。このうち+1次回折光LPaに着目すると、第2の回折格子G21Aにより発生する0次回折光LPa0と−1次回折光LPa1とは等しい入射角で(対称に傾斜して)ウエハWに入射する。
従って、ウエハW上には、X方向に明暗の(強度の)周期T2を持つ干渉縞IFaが、所定の位置に形成される。そしてその明部のピークのX方向位置は、第2の回折格子G21Aの透過部の位置と正確に対応している。
一方、図24中の右側に示した干渉縞IFbは、第1の回折格子G11,G12に対してX方向に角度φだけ傾いて入射する照明光IL8bに起因して形成される干渉縞を表わす。このときにも、第1の回折格子G11,G12からは+1次回折光LPb及び−1次回折光LMbが発生するが、その角度的な対称性は、照明光IL8bの入射角の傾斜に応じて崩れている。
その結果、このうち+1次回折光LPbの照射により、第2の回折格子G21Aから発生する0次回折光LPb0と−1次回折光LPb1とのウエハWへの入射角度の対称性も崩れる。
この場合でも、ウエハW上には、X方向に明暗の(強度の)周期T2を持つ干渉縞IFbが形成されるが、その明部のピークのX方向位置は、第2の回折格子G21Aの透過部の位置とは、ずれたものとなる。
そのずれ量をδとすると、
δ = D2×tanφ …(15)
の関係となる。ここで、D2は第2の回折格子G21AとウエハWの表面との間隔である。
第1の回折格子G11,G12に入射する照明光が、上述のX方向に傾いたIL8bだけであるなら、ウエハW上に形成される干渉縞はその位置はX方向にずれるものの、そのコントラストが低下することは無い。
しかし、第1の回折格子G11,G12に入射する照明光が、それぞれX方向への傾斜角(入射角)が異なる複数の進行方向を有する照明光である場合には、それらの照明光により形成される干渉縞の位置も、式15よりそれぞれ異なるものとなり、それらの強度的な重ね合わせにより最終的に形成される干渉縞のコントラストは低下する。
従って、上記コントラストの低下を避けるために、第1の回折格子G11,G12上の少なくとも一点に入射する照明光IL8は、そのX方向の入射角が所定の一定値である必要がある。
例えば、ウエハW上に露光する干渉縞パターンの周期T3(=T2)が120nmである場合、即ち一般に60nmラインアンドスペースと呼ばれるパターンである場合には、照明光IL8のX方向の傾斜角のばらつきにより生じるX方向位置のばらつきが、±15nm程度以内であれば、干渉縞パターン全体としてのコントラスト低下の影響を十分に小さく抑えられる。
従って、第2の回折格子G21AとウエハWの表面との間隔D2を50[μm]として、式15より、照明光IL8のX方向の傾斜角のばらつきの角度範囲φ0は一例として、
φ0 = arctan(15/50000)=0.3[mrad] …(16)
以内であれば良いこととなる。もっとも、この条件は露光すべきパターンの周期T3及び上記間隔D2により変動するものであることは言うまでもない。
一方、照明光IL8の入射角のY方向へ傾斜によって、ウエハW上における干渉縞IFのY方向位置は変化するものの、第1の回折格子G11,G12及び第2の回折格子G21AのXY面内の形状に応じて、干渉縞IFはY方向に概ね一様な干渉縞であるから、そのY方向位置変化は、全く問題となるものではない。
即ち、照明光IL8の入射角のY方向への傾斜によって、干渉縞IFの実質的な位置ずれが生じることも無く、照明光IL8がそれぞれY方向への傾斜角が異なる複数の進行方向を有する照明光である場合であっても干渉縞IFのコントラストの低下は生じない。
従って、第1の回折格子G11,G12上の任意の一点に照射される照明光IL8の入射角度範囲は、Y方向については例えば2[mrad]以上程度の入射角度範囲を有してよいが、X方向については所定の、例えば2[mrad]以下程度の入射角度範囲に制限されることが必要である。
なお、本例の露光装置においても、上述の如く、第1の回折格子G11,G12に照射
する照明光IL8のX方向への傾きによって、ウエハW上に形成される干渉縞IFのX方向位置が変動する。従って、本例の露光装置においても、照明光IL8の収束,発散状態を変更することにより、ウエハW上に形成される干渉縞IFのX方向の倍率を変更することができる。それに際し、照明光IL8の収束,発散状態を変更する具体的な方法は、前述の第1の実施形態で述べた方法と同様であるので、説明は省略する。
ここで、本例における上記の第2の回折格子G21AとウエハWの表面との間隔D2の最適値について説明する。上述の通り、照明光IL8の傾斜に際してのウエハW上での干渉縞パターンの位置ずれは、間隔D2に比例して発生するから、単純に検討するなら間隔D2は短ければ短いほど良い。それにより、照明光の傾斜に関する規格を緩めることができるためである。
しかしながら、間隔D2をあまりに短くすると、第2の回折格子G21AとウエハWとの接触が発生し、それらの損傷を生じることとなる。そこで、接触回避のためには間隔D2の数値は、ウエハWの平面度や第2の回折格子G21Aを形成する第2の透光性平板P2の平面度を考慮して、最低限1μm以上は確保すべきである。
また、上記接触を確実に防止するために、間隔D2は5μm以上であることが望ましい。一方、間隔D2をあまりに長距離化すると、照明光の傾斜等に関する規格が厳しくなるのも勿論だが、ウエハW1上の1点に集光する複数の回折光が第2の回折格子G21Aを発する位置の間隔も増大し、これらの複数の回折光間の空間的コヒーレンスに起因する可干渉性が低下してしまうという問題も生じるため、間隔D2は500μm以下に設定することが望ましい。
また、間隔D2が短ければ照明光の傾斜等に関する規格を緩和でき、その分だけ製造装置を安価に提供できるため、間隔D2は100μm以下に設定することが、さらに望ましい。
なお、第1の回折格子G11,G12は、±1次回折光LP,LMを所定の方向に発生させ、それを第2の回折格子G21A上に照射するためのものであり、第2の回折格子G21A上の所定の位置に±1次回折光LP,LMによる干渉縞を形成することを目的とするものではない。
従って、第1の回折格子G11,G12と第2の回折格子G21Aとの、XY方向の位置関係は、周期T1及びT2のオーダで(数10nmのオーダで)厳密に位置整合される必要はない。
従って、本例の露光装置では、第1の透光性平板P1上に形成される第1の回折格子G11,G12のX位置,Y位置,及びZ軸を中心とする回転を、第1の透光性平板P1を保持するホルダ36のX位置,Y位置,及びZ軸を中心とする回転を介して計測するための干渉計を備える必要がないのである。
一方、本例の露光装置においても、第2の透光性平板P2上に形成された第2の回折格
子G21AのX位置,Y位置,及びZ軸を中心とする回転は、ウエハW上に形成される干
渉縞の位置及び回転に直接的に影響する。従って、本例の露光装置においても、第2の回
折格子G21AとウエハWとの位置関係を計測する第1の位置計測機構が必要であること
に代わりはない。
そして、本実施例においても、レーザ干渉計86X,86Y1,86Y2、レーザ干渉
計40X1,40X2,40XZ、レーザ干渉計40Y1,40Y2,40YZ、及びコ
ラム構造体75を、上記の第1の位置計測機構とみなすこともできる。
なお、第2の回折格子G21AのうちウエハWに対向する所定の領域には、第1の回折格子G11,G12から発した±1次回折光LP,LMが照射される必要があるので、第1の回折格子G11,G12と第2の回折格子G21Aとは、XY方向に例えば数mm程度の位置関係をもって整合して配置される必要がある。
また、第1の回折格子G11,G12の周期T1の方向も、第2の回折格子G21Aの周期T2の方向(X方向)と一致していなくても良い。ただし、この場合には、ウエハWのZ方向位置の変動に伴う干渉縞IFの明暗パターンの移動等を防止するために、周期T1に代わり、第1の回折格子G11,G12の周期T1をZX面内に投影した長さが、式14の条件を満たすことが望ましい。
ところで、本例の露光装置は、上述の通り、X方向については極小照明NAの照明光を使用するものではあるが、ウエハW上の1点に到達する照明光(回折光)は複数であるから、第2の回折格子G21A及び第1の回折格子G11,G12上の複数の領域から照射されることになる。また、ウエハW上で干渉縞を形成する光線束は、あくまでも第2の回折格子等からの回折光であるから、第2の回折格子G21A等の上に異物等が存在した場合でも、その異物がそのままの形状を保って、ウエハW上に露光転写されることはない。
なお、以上の例においては、第1の回折格子G11,G12は位相変調型回折格子であり、第2の回折格子G21Aは強度変調型回折格子であるとしたが、両回折格子の構成は、これに限るものではない。例えば、いずれの回折格子も、ハーフトーン位相シフトレチクル(Attenuated Phase Shift Mask)の如く、透過光の位相及び強度の双方を変調する回折格子を用いることもできる。また、ウエハW上に形成する干渉縞にそれ程の高コントラスト性が要求されない場合には、第1の回折格子からの不要な回折光の発生も許容されるため、第1の回折格子として強度変調型の回折格子を使用することもできる。
なお、以上の例においては、第1の回折格子G11,G12と第2の回折格子G21Aとはそれぞれ別の透光性平板上に形成されるものとしたが、両回折格子を同一の透光性平板上に形成することもできる。
図25は、第1の回折格子G15,G16と第2の回折格子G23Aとを、それぞれ一つの透光性平板P3の光源側及びウエハW側に形成した例を示す図である。なお、本例においても、各回折格子の構造や製法は上述の例と同様である。また、レンズ35及びその上流の照明光学系も、上述の例と同様である。その透光性平板P3は、例えば図20のホルダ37Aで保持することによって、その上のホルダ36Aとその保持駆動機構とを省略できる。
また、本発明の一つの形態においては、単一の回折格子のみを、ウエハWに近接して対向配置することにより、ウエハW上に干渉縞の明暗パターンを露光することも可能である。
図26は、ウエハW側の近傍に、透光性平板P4のウエハW側に形成された回折格子G17,G18を、間隔D3で近接して対向配置させた例である。本例においても、回折格子G17,G18の構造や製法は上述の例と同様である。また、レンズ35及びその上流の照明光学系も、上述の例と同様である。さらに間隔D3の値についても上述の例における間隔D2と同様の条件を満たすことが好ましい。その透光性平板P4は、例えば図20のホルダ37Aで保持することによって、その上のホルダ36Aとその保持駆動機構とを省略できる。
なお、本例においては、実効波長λは回折格子G17,G18からウエハWに至る照明光路上に存在する透光性媒質のうち、最低屈折率を有する媒質中における照明光の波長をいう。本例においては、回折格子G17,G18で発生した回折光(1次回折光)が、ウエハW上に照射されウエハW上で干渉することにより、ウエハW上に干渉縞の明暗パターンが形成されることになる。
なお、上記いずれの例においても、第1の回折格子G11,G12及び第2の回折格子G21Aは、ウエハW上に露光すべき干渉縞の明暗パターンの周期T3に応じて、交換する必要がある。その交換は、図20のホルダ36A又は37AをY方向に引き抜いて行うことができる。
なお、図18の例と同様に、本例の図20の第1の透光性平板P1の周縁部及び第2の透光性平板P2の周縁部は、それらの中心部に対して薄くなるように段付け加工されている。そして、図20のホルダ36A及び37A等に設けられた真空吸着部又は静電吸着部等の吸着部は、これらの段付け加工された周縁部を介して透光性平板P1及びP2を保持するものとしている。
ところで、以上の例においては、第2の回折格子G21AとウエハWとの間には、空気(窒素または希ガスでも良い)が存在するものとしていたが、これに代わり、図19の例と同様に、所定の液体(例えば水)等の誘電体を満たすこととしても良い。これにより、ウエハWに照射される照明光(回折光)の実質的な波長を、上記誘電体の屈折率分だけ縮小することができ、ウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンの周期T3を一層縮小することが可能となる。なお、そのためには、第2の回折格子G21Aの周期T2及び第1の回折格子G11,G12の周期T1も、それに比例して縮小する必要があることは言うまでも無い。
なお、第1の透光性平板P1と第2の透光性平板P2との間にのみ水等の誘電体を満たすことが効果的である場合には、図27に示す如き構成を採用することもできる。これは、第1の透光性平板P1の周囲に連続的な側壁47を設け、これによって第1の透光性平板P1と第2の透光性平板P2の間に水を貯めるものである。給水機構44c及び排水機構45cの機能は上述と同様である。
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態について図28〜図34を参照して説明する。図28及び図29において、図1〜図19に対応する部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図28(A)は、本例の露光装置の照明光学系の前段部を示す正面図、図28(B)は、その露光装置の照明光学系の後段部以降の構成を示す一部を切り欠いた正面図である。図29は、本例の露光装置の照明光学系を示す平面図である。以下、図28(B)において、その照明光学系の射出側の光軸に沿って光源側が+方向となるようにZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図28(B)の紙面に平行な方向にX軸を、図28(B)の紙面に垂直な方向にY軸を取って説明する。本例では、X軸及びY軸を含むXY平面は水平面にほぼ平行である。図29においては、そのX軸及びY軸はその紙面に平行な面内に設定される。
図28(A)において、例えば波長193nmのArF(アルゴン・フッ素)エキシマーレーザよりなる光源1から出力された照明光IL1は、コリメーターレンズ群2,3,105,107により、所定のビームサイズを有する平行光線束(平行ビーム)である照明光IL2に変換される。照明光IL2は、偏光制御素子9により所定の偏光状態に設定され照明光IL3となり、偏向ミラー111で反射され折り曲げられて照明光IL4となる。
図29において、偏向ミラー111で反射された照明光IL4は、−Y方向に進行しY可動ミラー112に至る。Y可動ミラー112を保持するYミラー保持機構113は、ボールネジ等のY伝達部材122を介してY駆動機構121によって、定盤116上をY方向ガイド123a,123bに沿ってY方向に移動可能である。Y可動ミラー112で反射した照明光IL5は、図中−X方向に進行し、X可動ミラー114に至る。
X可動ミラー114を保持するXミラー保持機構115は、ボールネジ等のX伝達部材118を介してX駆動機構118によって、定盤116上をX方向ガイド120a,120bに沿ってX方向に移動可能である。なお、Xミラー保持機構115及びYミラー保持機構113は、リニアモーター等により駆動させることもできる。X可動ミラー114で反射された照明光IL6は、定盤116上に設けられた開口部117を通り、図28(B)の照明系前群レンズ124,25,26,27に入射し、これらのレンズで屈折され照明光IL7となって集光点28上に集光する。
図28(B)において、集光点28を経た照明光IL7は、照明系後群レンズ29,30,32,35に入射し、これらのレンズで屈折され、再度平行な照明光IL8となって第1の透光性平板P1に入射する。以上のコリメーターレンズ群2,3,105,107から照明系後群レンズ29,30,32,35に至るまでの照明光IL1〜IL8の光路上の光学部材よりなる光学系を以下、照明光学系ISBという。この照明光学系ISBは、第1の透光性平板P1が配置される面を所定の照射平面とする照明光学装置とみなすこともできる。
なお、照明系前群レンズの最先のレンズ124と定盤16との間には、視野絞りFSが設けられる。この視野絞りFSは、Xミラー保持機構115及びYミラー保持機構113によりXY方向に可変となる照明光IL7が、XY面内の所定の領域以外に分布する場合にそれを遮光するものである。従って、視野絞りFSにより、照明光IL7及び照明光IL8が通り得る光路の外縁LEa,LEbが決定される。
第1の透光性平板P1の下方(−Z方向)には、第2の透光性平板P2が設けられる。第2の透光性平板P2は、パターンを形成すべき加工対象である半導体ウエハ等の基板であるウエハWに、近接して対向して配置される。
第1の透光性平板P1には後述する第1の回折格子が形成されており、その第1の回折格子に照明光IL8が照射されることにより発生する回折光は、第2の透光性平板P2に照射される。第2の透光性平板P2には後述する第2の回折格子が形成されており、上記回折光はその第2の回折格子に照射されることになる。そして、第2の回折格子で発生した回折光はウエハWに照射され、ウエハW上に複数の回折光からなる干渉縞による明暗パターンが形成される。
そして、第1の実施形態と同様に、ウエハWは、ウエハベース50上をX方向及びY方向に可動なウエハステージ38上に保持されている。また、第2の透光性平板P2は、第2のホルダ37A上に吸着保持され、ホルダ37Aを含む第2保持駆動機構によって、透光性平板P2はXY平面に平行に、かつウエハWと後述する所定の間隔をもって対向して配置される。また、第1の透光性平板P1は、第1のホルダ36A上に吸着保持され、ホルダ36Aを含む第1保持駆動機構によって、透光性平板P1はXY平面に平行に、かつ第2の透光性平板P2と後述する所定の間隔をもって対向して配置される。
本例の位置計測機構及び保持駆動機構は、図1の第1の実施形態の構成から第1のホルダ36A(第1の透光性平板P1)の位置及び回転角を計測するためのレーザ干渉計82及びこれに関連する移動鏡や参照鏡を除去した以外は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
次に、本例の第1の透光性平板P1の上面には、第2の実施形態の図21(A)と同様の位相変調型のX方向に周期T1の第1の回折格子G11,12が形成され、第2の透光性平板P2の下面には、図21(B)と同様の強度変調型のX方向に周期T2の第2の回折格子G21Aが形成されている。従って、本例の露光装置によってウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンは、図21〜図23を参照して説明した第2の実施形態での干渉縞の形成原理と同様であるため、その説明を省略する。
なお、本例の露光装置においても、通常の照明光IL8の状態が、図17(A)に対応する図30(A)の種々の位置における照明光IL8c,IL8d,IL8e及び外縁LEa,LEbのように垂直入射であるとして、図28(B)のレンズ30及びレンズ32の位置を調整することで、図30(B)に示すように、外縁LEa1,LEb1(角度ψe傾斜している)で規定される照明光路を、全体として発散光路または収束光路とすることができる。そして、これにより、ウエハW上に形成される干渉縞の周期T3を、微少量だけ拡大または縮小することができる。その原理は、上述の第2の実施形態の露光装置で説明したものと同様である。
これにより、本例の露光装置においても、以前の製造工程における熱変形等により露光
すべきウエハWに想定外の伸縮が発生していた場合に、その伸縮に合わせて、ウエハW上
に所定量だけ縮小または拡大されたパターンを形成することが可能となる。
次に、図28(A)中のコリメーターレンズ2,3,105,107に設けられた平行度微調整機構について説明する。コリメーターレンズ中の負レンズ105にはレンズ駆動機構106が取り付けられ、正レンズ107にはレンズ駆動機構108が取り付けられている。そして、これらのレンズ駆動機構106,108は、固定軸109上をX方向に可動であり、これによりレンズ105及びレンズ107もそれぞれ独立してX方向に可動である。
これによりコリメーターレンズの後群を構成するレンズ105,107は、全体としていわゆるインナーフォーカスレンズを構成することとなり、その焦点距離または焦点位置が可変となる。従って、光源1の変動や照明光学系ISBの製造誤差等により、照明光IL8が平行光線束にならない場合であっても、レンズ駆動機構106,108の駆動により照明光IL8を完全な平行光に変換することが可能となる。
図31に示す通り、レンズ駆動機構106,108の駆動により、照明光IL8の平行度の状態(収束または発散)を変化ささえることができる。第1の透光性平板P1への照明光は、図31の中央に示す照明光IL8jの如く平行光線束であることが望ましい。従って、照明光が図31中の左側に示す照明光IL8iの如き収束光束となっている場合や、照明光が図31中の右側に示す照明光IL8kの如き発散光束となっている場合には、レンズ駆動機構106,108の駆動により、所望の平行光線束とすることが望ましい。
以上の説明において、照明光の収束性及び発散性に関する課題とその解決策を述べた。しかし、本例においては、第1の透光性平板P1の1点を照明する照明光の入射角度に所定の幅(角度範囲)が存在する場合にも、その角度範囲がウエハW上に形成される干渉縞のコントラスト低下の原因となりうる。ここで、照明光の入射角度の角度範囲とは、即ち照明光の開口数を意味する。例えば図28(A)の光源1等の空間的コヒーレンスが低い場合には、照明光学系中の集光点104及び図28(B)の集光点28での照明光の集光度が弱く、集光点が広がって形成されることになる。これは、第1の透光性平板P1に照射される照明光線束の開口数の増大を意味する。
本例においては、照明光の入射角度のズレはウエハW上の干渉縞の位置ずれを生じさせるものであるから、照明光の入射角度範囲の存在は、ウエハW上の干渉縞を相互に位置ずれを生じさせて加算するのに等しく、干渉縞のコントラストを減殺するものとなる。
そこで、照明光の開口数に相当する入射角度範囲についても、上記と同様の考察から±0.3[mrad]程度以下であることが望ましい。即ち照明光学系の照明光の開口数(NA)を0.0003以下とすることが望ましい。このような低NAの照明光は、空間的コヒーレンスの高いレーザ光源の採用や、集光点104,28に照明光線束を機械的に制限する絞りを設けることで実現できる。
ここで、本例における上記の第2の回折格子G21AとウエハWの表面との間隔D2の最適値について説明する。上述の通り、照明光IL8の傾斜に際してのウエハW上での干渉縞パターンの位置ずれは、間隔D2に比例して発生するから、単純に検討するなら間隔D2は短ければ短いほど良い。それにより、照明光の傾斜に関する規格を緩めることができるためである。
しかしながら、間隔D2をあまりに短くすると、第2の回折格子G21AとウエハWとの接触が発生し、それらの損傷を生じることとなる。そこで、接触回避のためには間隔D2の数値は、ウエハWの平面度や第2の回折格子G21Aを形成する第2の透光性平板P2の平面度を考慮して、最低限1μm以上は確保すべきである。また、上記接触を確実に防止するために、間隔D2は5μm以上であることが望ましい。
一方、間隔D2をあまりに長距離化すると、照明光の傾斜等に関する規格が厳しくなるのも勿論であるが、ウエハW1上の1点に集光する複数の回折光が第2の回折格子G21Aを発するときの位置の間隔も増大し、これらの複数の回折光間の空間的コヒーレンスに起因する可干渉性が低下してしまうという問題も生じる。従って、間隔D2は500μm以下に設定することが望ましい。
なお、上述の如く1次元的な周期を有する干渉縞IFを形成する場合、その形成に用いる照明光IL8は、その偏光方向(電場方向)が干渉縞IFの長手方向(周期方向に直交する方向)に平行、即ち周期方向に直交する方向に直線偏光光であることが好ましい。この場合に、干渉縞IFのコントラストを最高にすることができるからである。
なお、照明光IL8は、上記の如く完全な直線偏光光でなくとも、干渉縞IFの長手方向(Y方向)の電場成分が、周期方向(X方向の)の電場成分よりも大きな照明光であれば、上述のコントラスト向上効果を得ることができる。
また、干渉縞IFの周期方向とは、即ち第2の回折格子G21Aの周期T2の方向と一致するものであるから、照明光IL8の好ましい偏光状態とは、要するに第2の回折格子G21Aの周期T2の方向に直交する方向(Y方向)の電場成分が、周期T2の方向(X方向)の電場成分よりも大きな照明光であれば良い。照明光IL8のこのような偏光特性は、図28(A)の照明光学系中に設けた偏光制御素子9により実現される。
なお、第1の回折格子G11,G12は、±1次回折光LP,LMを所定の方向に発生させ、それを第2の回折格子G21A上に照射するためのものであり、第2の回折格子G21A上の所定の位置に±1次回折光LP,LMによる干渉縞を形成することを目的とするものではない。
従って、第1の回折格子G11,G12と第2の回折格子G21Aとの、XY方向の位置関係は、周期T1及びT2のオーダで(数10nmのオーダで)厳密に位置整合される必要は無い。ただし、第2の回折格子G21AのうちウエハWに対向する所定の領域には、第1の回折格子G11,G12から発した±1次回折光LP,LMが照射される必要があるので、第1の回折格子G11,G12と第2の回折格子G21Aとは、XY方向に例えば数mm程度の位置関係をもって整合して配置される必要がある。
また、第1の回折格子G11,G12の周期T1の方向も、第2の回折格子G21Aの周期T2の方向(X方向)と一致していなくても良い。ただし、この場合には、ウエハWのZ方向位置の変動に伴う干渉縞IFの明暗パターンの移動等を防止するために、周期T1に代わり、第1の回折格子G11,G12の周期T1をZX面内に投影した長さが、式34の条件を満たすことが望ましい。
ところで、本発明の露光装置においてウエハW上に露光可能なパターンは、上記の1次元の干渉縞パターンに限定されるわけではない。そこで、次に本例の露光装置により2次元のパターンを露光する方法について、図32及び図33を用いて説明する。
図32(A)は、図21(A)と同様に、第1の透光性平板P1aの平面図を示すが、その表面に形成された第1の回折格子G13,G14は、X方向に周期T11、Y方向に周期T12の2次元的な周期を有している。なお、そのZ方向の構造は図21(A)に示した第1の透光性平板P1と同様であり、基板表面部G14に対して、X方向の幅が0.71×T11、Y方向の幅が0.71×T12の掘り込み部G13が形成された位相変調型の回折格子を構成している。
図33(A)に、このような2次元的な周期を有する回折格子G13,G14から発生する回折光の回折角度分布を示す。ここで、FX軸とは、発生する回折光の直進方向(−Z軸方向)からの+X方向への回折角のsin(正弦)を表わし、FY軸とは、発生する回折光の直進方向からの+Y方向への回折角のsinを示す。
回折格子G13,G14に+Z方向から平行な照明光が照射されると、FX=±λ/T11,FY=±λ/T12で表示される4方向に、1次回折光LPP,LMP,LMM,LPMが発生する。なお、基板表面部G14と掘り込み部G13との面積がほぼ等しく、両部の透過光の位相差が180度であることから、原点Oの方向に発生すべき0次回折光は消失する。また、周期T11及び周期T12が、照明光の実効波長λの2倍より短い場合には、2次以上の高次の回折光は発生し得ない。
これらの4本の回折光は、FX軸及びFY軸に対称であることから、以下回折光LPPによりウエハW上に形成される干渉縞についてのみ説明をする。回折光LPPは、図32(B)に示す第2の透光性平板P2aに入射する。図32(B)は、図21(B)と同様に、第2の透光性平板P2aの平面図を示すが、その裏面に形成された第2の回折格子G22Aは、X方向に周期T21、Y方向に周期T22の2次元的な周期を有している。第2の回折格子G22Aを構成する材料は、図21(B)に示す例で説明したのと同様である。
回折光LPPの照射により第2の透光性平板P2aからは図33(B)に示すように、0次回折光K00、X方向の−1次回折光KM0、Y方向の−1次回折光K0M、そしてX方向に−1次でY方向に−1次の回折光KMMの4本の回折光が発生し、これらがウエハW上に照射される。
ウエハW上には、これらの4本の回折光K00,KM0,K0M,KMMによる干渉縞の明暗分布が形成されるが、その形状は、所定の閾値の下において、第2の回折格子G22Aの明暗分布と概ね等しくなる。従って、ウエハW上のフォトレジストに第2の回折格子G22Aに概ね等価な2次元の明暗パターンを露光し転写することが可能となる。
また、このときも、
T21×2=T11 …(37)
T22×2=T12 …(38)
の関係を満たす場合には、これら4本の回折光K00,KM0,K0M,KMMは、ウエハWに対して等しい入射角をもって照射されることとなり、ウエハWのZ方向位置が変動しても、その上に形成される干渉縞の明暗分布の位置を不変とすることができる。
なお、2次元的な周期を有するパターンの露光に際しても、ウエハWのZ方向位置を所定の位置に厳格に制御可能であるなら、必ずしも、上記式37及び式38に示される条件を満たさなくても良い。
また、2次元的な周期を有するパターンの露光に際しても、上述の照明光IL8の平行度や入射角の垂直性及び開口数の条件、第2の回折格子とウエハWとの間隔D2及びXY位置の整合性、回転関係の整合性等の条件、並びに第1の回折格子と第2の回折格子との間隔D1の条件等は、上述の1次元的な周期からなるパターンを露光する場合と同様である。
なお、2次元的な周期を有するパターンの露光に際しても、照明光IL8の偏光状態により干渉縞の明暗パターンのコントラストが変化する。なお、微細な周期を有するパターン程、フォトレジスト等の解像に際し、高コントラストの明暗パターンが要求される。そこで、2次元的な周期を有するパターンでは、その周期のうち極小となる周期の方向についての干渉縞の明暗パターンのコントラストを増大させるべく、照明光IL8の偏光状態を設定することが好ましい。
なお、2次元的な周期性を有するパターンの場合にも、上述の1次元的な周期性を有するパターンの場合と同様に、干渉縞の周期の方向は第2の回折格子の周期の方向と一致する。従って、照明光IL8として、第2の回折格子において周期が極小となる第1の方向に直交する方向の電場成分が、その第1の方向の電場成分よりも大きい照明光を用いることが好ましい。
ただし、パターンの種類や使用目的によっては、明暗パターンのコントラストよりを向上するよりも、形状の忠実度が重要となる場合もある。その場合には、照明光IL8として、第2の回折格子において周期が極小となる第1の方向に直交する方向の電場成分と、その第1の方向の電場成分とが、±20%程度の範囲内でほぼ等しい照明光を用いることが好ましい。このような偏光状態は、例えば上述の偏光制御素子9として、直列に配置されそれぞれ回転可能な2枚の1/4波長板を使用することで実現できる。
次に、図34を参照して、本例の露光装置における図29のY可動ミラー112、X可動ミラー114の作用について説明する。上述の通り、本例の露光装置では、照明光のNA(開口数)が、0.0003程度以下であることが必要である。本例の露光装置が露光すべきパターンは、例えば線幅が50nm程度のパターンであり、露光領域内の照明光の強度(積算強度)の高度の均一性が要求される。
通常の投影露光装置等では、露光領域内の照明光の強度の均一化手段として、フライアイレンズやロッドが使用されるが、これらの手段は照明光の開口数のある程度の増大を前提として、実効的な2次光源の形状を拡大し平均化効果により被照射領域上の照明光強度の均一化を図るものである。従って、このような均一化手段は、極小NAの照明光を必要とする場合には適用困難である。その結果、本例においては、第1の透光性平板P1上に照射される照明光IL8の照明光量分布自体が、ある程度不均一であることは回避困難である。
そこで、本例においては、ウエハWへの露光動作に際し、照明光IL8を第1の透光性平板P1上で走査し、当該走査による平均化により、照明光IL8による積算強度分布を平均化する方法を採用する。
図34は、その具体例を示す図であり、等高線で示される強度分布を有する照明光IL8の中心位置IL80は、ある時点において第1の透光性平板P1上の所定の位置に照射されている。この照明光IL8の強度分布は、その後、経路SP1に沿って第1の透光性平板P1上を反復走査する。また、上記ある時点以前にも、経路SP0に沿って第1の透光性平板P1上を反復走査している。
このような照明光IL8の強度分布と第1の透光性平板P1との相対走査は、露光動作中に図29のY可動ミラー112及びX可動ミラー114を移動させることにより照明光IL8の中心位置IL80を反復移動することにより行なうことができる。なお、照明光IL8の積算強度分布は、第1の透光性平板P1上の全面に亘って均一化される必要は無い。即ち、第1の透光性平板P1上であって第1の回折格子G11,G12が形成された領域であって、その第1の回折格子G11,G12により発生する回折光が最終的にウエハWに到達する領域において、照明光IL8の積算強度分布が均一化されていればよい。当該領域は、図34に示す如く、第1の透光性平板P1上の中心部を含む所定の領域P1Cの如き領域となる。
また、領域P1C内での積算強度の均一性は、その領域P1C内の積算強度の平均値に対して、±2%程度以内であることが必要である。ただし、ウエハW上に露光し形成すべきパターンの線幅制御要求が厳しい場合には、当該均一性として、±0.5%程度以内であることが望ましい。
あるいは、照明光IL8の中心位置IL80は固定しておき、第1の透光性平板P1、第2の透光性平板P2及びウエハWを一体的に移動することによっても当該相対走査を実現することができる。なお、照明光IL8の照明光量分布自体が、ある程度不均一でも良い場合には、このような走査を行なう必要が無いことは言うまでもない。
ところで、本例の露光装置は、上述の通り極小照明NAの照明光を使用するものではあるが、ウエハW上の1点に到達する照明光(回折光)は複数であるから、第2の回折格子G21A等及び第1の回折格子G11,G12等の上の複数の領域から照射されることになる。また、ウエハW上で干渉縞を形成する光線束は、あくまでも第2の回折格子等からの回折光であるから、第2の回折格子G21A等の上に異物等が存在した場合でも、その異物がそのままの形状を保って、ウエハW上に露光転写されることはない。
また、第2の回折格子G21A上の異物・欠陥のウエハWに露光されるパターンへの悪影響をさらに低減するために、本例においては、ウエハWへの露光を以下に示す複数回露光による多重露光とすることもできる。
即ち、第2の回折格子G21A,G22AとウエハWとのXY方向の位置関係を所定の関係として最初の露光を行なったのち、その相対関係を第2の回折格子G21A,G22Aの周期の整数倍だけ移動して2回目の露光を行ない、さらに同様の移動をしつつ、複数回の多重露光を行なうこともできる。
これにより、ウエハW上の一点には、第2の回折格子G21A,G22A上のより多くの部分から発生した回折光による干渉縞の明暗パターンが重畳して露光されることとなり、第2の回折格子G21A,G22A上に存在する異物や欠陥の悪影響が、平均化効果により、いっそう低減されることとなる。
なお、1次元的な周期を有する第2の回折格子G21Aを用いる場合には、その周期方向と直交する方向への上記相対関係の移動は、任意の距離であっても良いことは言うまでも無い。
なお、本例においては、第1の回折格子G11,12,G13,14は位相変調型回折格子であり、第2の回折格子G21A,G22Aは強度変調型回折格子であるとしたが、両回折格子の構成は、これに限るものではない。
例えば、いずれの回折格子も、ハーフトーン位相シフトレチクル(Attenuated Phase Shift Mask)の如く、透過光の位相及び強度の双方を変調する回折格子を用いることもできる。また、ウエハW上に形成する干渉縞にそれ程の高コントラストラスト性が要求されない場合には、第1の回折格子からの不要な回折光の発生も許容されるため、第1の回折格子として強度変調型の回折格子を使用することもできる。
なお、以上の例においては、第1の回折格子G11,12と第2の回折格子G21Aはそれぞれ別の透光性平板上に形成されるものとしたが、第2の実施形態(図25)と同様に、両回折格子を同一の透光性平板上に形成することもできる。
また、本例においては、第2の実施形態(図26)と同様に、単一の回折格子のみを、ウエハWに近接して対向配置することにより、ウエハW上に干渉縞の明暗パターンを露光することも可能である。
なお、第1の実施形態(図18)と同様に、本例の図28(B)の第1の透光性平板P1の周縁部及び第2の透光性平板P2の周縁部は、それらの中心部に対して薄くなるように段付け加工されている。そして、図28(B)のホルダ36A及び37A等に設けられた真空吸着部又は静電吸着部等の吸着部は、これらの段付け加工された周縁部を介して透光性平板P1及びP2を保持するものとしている。
ところで、以上の例においては、第2の回折格子G21AとウエハWとの間には、空気(窒素または希ガスでも良い)が存在するものとしていたが、これに代わり、図19の例と同様に、所定の液体(例えば水)等の誘電体を満たすこととしても良い。これにより、ウエハWに照射される照明光(回折光)の実質的な波長を、上記誘電体の屈折率分だけ縮小することができ、ウエハW上に形成される干渉縞の明暗パターンの周期T3を一層縮小することが可能となる。なお、そのためには、第2の回折格子G21Aの周期T2及び第1の回折格子G11,G12の周期T1も、それに比例して縮小する必要があることは言うまでも無い。
なお、第1の透光性平板P1と第2の透光性平板P2との間にのみ水等の誘電体を満たすことが効果的である場合には、第2の実施形態の図27に示す如き構成を採用することもできる。
上記の如くして干渉縞による明暗パターンの露光されたウエハWは、不図示のウエハローダーにより露光装置外に搬送され、現像装置に搬送させる。現像により、ウエハW上のフォトレジストには、露光された明暗パターンに応じたレジストパターンが形成される。そして、エッチング装置において、このレジストパターンをエッチングマスクとして、ウエハWまたはウエハW上に形成された所定の膜をエッチングすることにより、ウエハWに所定のパターンが形成される。
また、半導体集積回路、フラットパネルディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等の電子デバイスの製造工程は、上記の如き微細パターンを多数層に亘って形成する工程を含む。本発明の露光装置による上記露光方法を、そのような多数回のパターン形成工程の中の少なくとも1つの工程に使用して、電子デバイスを製造することができる。
また、上記少なくとも1つの工程において、本発明の露光装置による上記露光方法を用いて干渉縞による明暗パターンを露光したウエハW上のフォトレジストPRに対し、一般的な投影露光装置により所定形状のパターンを合成露光して、合成露光されたフォトレジストPRを現像し、上記パターン形成を行なうこともできる。
なお、上記の実施形態において、例えば図1のレーザ干渉計40,86,82等の移動鏡39,89,84は独立の部材としてウエハステージ38やホルダ36A,37Aに固定されているが、それらの移動鏡を用いることなく、ウエハステージ38の上端部の側面自体、及びホルダ36A,37Aの側面自体を鏡面加工して、これらの鏡面加工された面を移動鏡として使用しても良い。これは参照鏡91,89,85についても同様である。
また、上記各実施形態では、図5のウエハベース50、及びコラム構造体(75又は75A)の支持部材96A,96Bはそれぞれ直接床FLに設置されているものとしたが、これらは同一あるいは異なる防振装置を介して床上に設置することが望ましい。このとき、図1の照明光学系ISの少なくとも一部(例えば透光性平板P1側に配置される光学素子を含む)を、例えばコラム構造体が設置される、防振機構で支持されるベース上に配置してもよい。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明の露光方法及び装置は、半導体集積回路、フラットパネルディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等の電子デバイスの製造工程において使用することができる。
本発明の第1の実施形態の露光装置の概略構成を示す一部を切り欠いた図である。 図1の露光装置のウエハステージ系及び透光性平板用のZ位置検出系を示す斜視図である。 図1中の透光性平板P1及びP2用の保持駆動機構を示す平面図である。 図1中の透光性平板P1及びP2用の保持駆動機構を示す一部を切り欠いた平面図である。 図1中の透光性平板P1及びP2用の保持駆動機構及び交換機構を示す一部を切り欠いた側面図である。 図1中のウエハステージ38を示す平面図である。 図1中のホルダ36A及び37AのZ方向の位置を計測するレーザ干渉計の一例を示す一部を切り欠いた図である。 (A)は第1の透光性平板P1上に形成した第1の回折格子G11を示す図、(B)は第2の透光性平板P2上に形成した第2の回折格子G21を示す図である。 第1の回折格子G11と第2の回折格子G21とウエハWの位置関係、及び回折光LP,LM,LP0,LP1を示す断面図である。 ウエハW上に形成される干渉縞の強度分布を示す断面図である。 第1の実効距離L1及び第2の実効距離L2を示す図である。 照明光の入射角度ずれが、ウエハW上に形成される干渉縞の強度分布の位置ずれに与える影響を説明する図であり、(A)及び(B)は照明光の入射角度ずれが無い場合を示す図、(C)及び(D)は照明光の入射角度ずれがある場合を示す図である。 (A)は第1の透光性平板への照明光の入射角度範囲を+X方向から見た側面図、(B)はそれを−Y方向から見た側面図、(C)は開口絞り28を示す図である。 本発明の露光装置の別の実施形態を示す図である。 視野絞り22の例を示す断面図である。 本発明の露光装置のさらに別の実施形態を示す図である。 第1の透光性平板への照明光の収束発散状態を説明する図である。 透光性平板P1及びP2の吸着保持部の構造の一例を示す一部を切り欠いた拡大図である。 (A)はウエハWと第2の透光性平板P2の間にのみ液体を満たす機構の説明図、(B)はさらに透光性平板P2と透光性平板P1との間にも液体を満たす機構の説明図である。 本発明の第2の実施形態の露光装置の概略を示す図である。 (A)は第1の透光性平板P1上に形成した第1の回折格子G11,G12を示す図、(B)は第2の透光性平板P2上に形成した第2の回折格子G21Aを示す図である。 第1の回折格子G11,G12と第2の回折格子G21AとウエハWの位置関係、及び回折光LP,LM,LP0,LP1を示す断面図である。 ウエハW上に形成される干渉縞の強度分布を示す断面図である。 照明光の入射角度ずれが、ウエハW上に形成される干渉縞の強度分布の位置ずれに与える影響を説明する図である。 第1の回折格子G15,G16と第2の回折格子G23Aを、第1の透光性平板P3の両面のそれぞれに設けた状態を示す図である。 回折格子G17,G18を、透光性平板P4のウエハW側に設けた状態を示す図である。 透光性平板P2と透光性平板P1との間に液体を満たす機構の説明図である。 (A)は本発明の第3の実施形態の露光装置の照明光学系の一部を示す平面図、(B)はその露光装置の概略構成を示す一部を切り欠いた図である。 図28の露光装置の照明光学系を示す平面図である。 第1の透光性平板への照明光の入射角度の面内変化を説明する図である。 第1の透光性平板への照明光の発散/収束について説明する図である。 (A)は第1の透光性平板P1a上に形成した第1の回折格子G13,G14を示す図、(B)は第2の透光性平板P2a上に形成した第2の回折格子G22Aを示す図である。 (A)は第1の透光性平板P1a上に形成した第1の回折格子G13,G14から発生する回折光の角度分布について説明する図、(B)は第2の透光性平板P2a上に形成した第2の回折格子G22Aから発生する回折光の角度分布を示す図である。 照明光IL8の強度分布と第1の透光性平板P1との相対位置関係の変化について説明する図である。
符号の説明
1…光源、2,3,4,6…第1のレンズ群レンズ、10…集光光学系、13…フライアイレンズ、17…照明開口絞り、29,30,32,35…第4のレンズ群レンズ、P1…第1の透光性平板、P2…第2の透光性平板、36a,36b…第1保持機構、37a,37b…第2保持機構、W…基板(ウエハ),38…ウエハステージ,40…レーザ干渉計、G11,G13…第1の回折格子、G21,G14,G16…第2の回折格子、IL1〜IL10…照明光

Claims (24)

  1. 光源からの照明光の照明光路中に、前記光源側から順に第1の回折格子及び第2の回折格子を直列に配置し、前記第2の回折格子からの回折光を感光性の基板に照射し、前記基板上に干渉縞パターンを露光する露光方法であって、
    前記第2の回折格子と前記基板との第1の位置関係を、第1の位置計測機構により計測する工程と、
    前記第1の位置関係の計測値に応じて、前記第1の位置関係を所定の位置関係に設定する工程と
    を有することを特徴とする露光方法。
  2. 前記第1の位置関係は、前記基板の表面に平行な方向の位置関係を含むことを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記第1の位置関係は、前記基板の表面に垂直な軸の周りの回転方向の位置関係を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光方法。
  4. 前記第1の位置関係は、前記基板の表面に平行な軸の周りの回転方向の位置関係を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の露光方法。
  5. 前記第1の位置関係は、前記基板の表面に垂直な方向の位置関係を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の露光方法。
  6. 前記第1の回折格子と前記第2の回折格子との第2の位置関係を、第2の位置計測機構により計測する工程と、
    前記第2の位置関係の計測値に応じて、前記第2の位置関係を所定の位置関係に設定する工程とを
    さらに有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の露光方法。
  7. 前記第2の位置関係は、前記基板の表面に平行な方向の位置関係を含むことを特徴とする請求項6に記載の露光方法。
  8. 前記第2の位置関係は、前記基板の表面に垂直な軸の周りの回転方向の位置関係を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の露光方法。
  9. 前記第2の位置関係は、前記基板の表面に平行な軸の周りの回転方向の位置関係を含むことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の露光方法。
  10. 前記第2の位置関係は、前記基板の表面に垂直な方向の位置関係を含むことを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載の露光方法。
  11. 前記第2の位置関係の計測結果に基づいて、前記第1の回折格子と前記第2の回折格子との間隔に対応する第1の実効距離を、前記第2回折格子と前記基板との間隔に対応する第2の実効距離に概ね等しく設定する工程を有することを特徴とする請求項10に記載の露光方法。
  12. 前記第1の位置計測機構はレーザ干渉計を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の露光方法。
  13. 前記第2の位置計測機構はレーザ干渉計を含むことを特徴とする請求項6から12のいずれか一項に記載の露光方法。
  14. 前記第1の回折格子に照射される前記照明光の入射角度範囲は、第1の方向については2[mrad]以下であり、前記第1の方向と直交する第2の方向については2[mrad]以上であることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の露光方法。
  15. 電子デバイスを構成する回路パターンの形成工程の少なくとも一部において、
    請求項1から14のいずれか一項に記載の露光方法を用いることを特徴とする電子デバイス製造方法。
  16. 光源からの照明光の照明光路中に、前記光源側から順に第1の回折格子及び第2の回折格子を直列に配置し、前記第2の回折格子からの回折光を感光性の基板に照射し、前記基板上に干渉縞パターンを露光する露光装置であって、
    前記第2の回折格子と前記基板との第1の位置関係を計測する第1の位置計測機構と、
    前記第1の位置計測機構の計測値に応じて、前記第1の位置関係を所定の位置関係に設定する制御装置と
    を備えたことを特徴とする露光装置。
  17. 前記第1の位置関係は、前記基板の表面に平行な方向及び垂直な方向のうちの少なくとも一方の位置関係を含むことを特徴とする請求項16に記載の露光装置。
  18. 前記第1の位置関係は、前記基板の表面に垂直な軸及び平行な軸のうちの少なくとも一方の軸の周りの回転方向の位置関係を含むことを特徴とする請求項16又は17に記載の露光装置。
  19. 前記第1の回折格子と前記第2の回折格子との第2の位置関係を計測する第2の位置計測機構をさらに備え、
    前記制御装置は、前記第2の位置計測機構の計測値に応じて、前記第2の位置関係を所定の位置関係に設定することを特徴とする請求項16から18のいずれか一項に記載の露光装置。
  20. 前記第2の位置関係は、前記基板の表面に平行な方向及び垂直な方向のうちの少なくとも一方の位置関係を含むことを特徴とする請求項19に記載の露光装置。
  21. 前記第2の位置関係は、前記基板の表面に垂直な軸及び平行な軸のうちの少なくとも一方の軸の周りの回転方向の位置関係を含むことを特徴とする請求項19又は20に記載の露光装置。
  22. 前記制御装置は、
    前記第2の位置計測機構の計測結果に基づいて、前記第1の回折格子と前記第2の回折格子との間隔に対応する第1の実効距離を、前記第2回折格子と前記基板との間隔に対応する第2の実効距離に概ね等しく設定することを特徴とする請求項20に記載の露光装置。
  23. 前記第1及び第2の位置計測機構はそれぞれレーザ干渉計を含むことを特徴とする請求項19から22のいずれか一項に記載の露光装置。
  24. 前記第1の回折格子に照射される前記照明光の入射角度範囲を、第1の方向については2[mrad]以下であり、前記第1の方向と直交する第2の方向については2[mrad]以上とする照明光制御手段を備えることを特徴とする請求項16から23のいずれか一項に記載の露光装置。
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