JP2006334554A - ミルベースの分散方法、ペーストの製造方法および分散機 - Google Patents

ミルベースの分散方法、ペーストの製造方法および分散機 Download PDF

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誠 金ケ崎
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Abstract


【課題】
コロを有する分散機を用いたミルベースの分散方法において、分散性能が高く、コロの摩耗や焼き付き、割れ、欠け、破損による問題発生の少ないミルベースの分散方法およびそれを用いたペースト製造方法を提供する。
【解決手段】
筒状容器1内に、前記中心軸方向に複数個配置された、前記中心軸を中心に回転可能で、かつ外周部に前記中心軸と平行な溝4を複数個有するローター2、および前記溝に配置され、前記筒状容器内の内壁に当接して自転しながら前記筒状容器内を公転可能に構成されたコロ5を有する分散機を用いたミルベースの分散方法であって、前記供給口側から数えて1番目のローターRの周速V(m/分)を下記式(1)の範囲とし、前記供給口から数えて2番目以降のいずれか1つのローターをVより大きな周速で回転させることを特徴とするミルベースの分散方法。20<V<250 (1)
【選択図】 図1

Description

本発明は、塗料、印刷インキ、ペースト、磁性塗料等の高粘度材料(ミルベース)中の粒子等を微細に分散させるのに好適な分散方法およびペーストの製造方法、前記分散方法およびペーストの製造方法を実施するための分散機に関するものである。
回路材料やディスプレイにおいて、ペーストを用いたパターン加工技術が多く用いられている。近年、前記分野では小型化・高精細化が進んでおり、それに対応することができるペースト分散技術が求められている。特に、プラズマディスプレイにおいては、高精度のパターン加工が要求される。高精度のパターン加工を実施するためには、これらに用いられるペースト成分中に含まれる無機粒子や導電性粉末等の粒子がその要求される粒子径や表面特性などを維持しつつ、かつ充分に分散されていることが必要となる。
これらのペーストを処理する分散機として、3本ロールミルやサンドミル、ボールミル、ビーズミル等の媒体型分散装置が提案されている。
このうち、3本ロールミル装置は開放形であるために溶媒が蒸発することによる作業環境の悪化、作業環境からの異物の混入等の問題があり、それら問題に起因するロスが多く発生する。機械操作(ロール間隙調整)にも熟練を必要とし、ロールの間隙の不均一性に起因する分散不良の問題もある。一方、サンドミルは密封構造とすることができ、連続処理も可能であるが、粉砕媒体の摩耗や破壊による交換頻度が高く、高粘度ペーストでは出口部分に配置されているスクリーンやギャップセパレータに粉砕媒体が集中し、運転ができなくなる問題がある。粉砕媒体としてボールやビーズ等を充填したボールミルやビーズミルは粉砕媒体によりせん断、圧縮による力を付与して被分散処理ペースト中の無機微粒子等を分散させるもので、高分散性が得られる半面、媒体の衝突や衝撃による力が大きすぎて被分散粒子の粒子径の低下や比表面積の増大などの変化を招き、所定の特性を有するペーストを得ることが困難であった。
これらに代わるものとして、コロを用いた分散機が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特許文献1記載の分散機においては、筒状容器と同軸上に配置した回転駆動軸に、半径方向外方に移動可能で、かつ自転可能なようにコロを支持し、このコロを遠心力で容器内壁面に押し付けて自転させながら筒状容器内を公転させることにより分散を行う。しかしながら、ペーストの通過部分が大きいため、コロが自転しながら容器内を公転することにより容器内壁の分散領域で捕捉分散される量よりもペーストが未処理のまま通過してしまう量の方が多く、充分に処理されないまま通過してしまうショートパスの問題が生じる。
特許文献2、3、4は筒状容器と同軸状に回転可能で、中心軸と平行な溝を複数形成したローターを筒状容器内に配置し、前記溝内にコロを配置し、ローターの回転による遠心力でコロを筒状容器の内壁に当接させ、コロが自転しながら筒状容器内を公転する分散機が記載されている。この分散機においては、ローターが回転することによりペーストがコロと筒状容器の内壁面、及びコロとローターの溝内で圧縮、剪断作用を受ける。また、筒状容器、ローターおよびコロの間の隙間を小さくすることにより、ショートパスを解消させることができる。
しかしながら、これらの装置を用いて分散を行った場合、ペースト中に含まれる粒子の凝集物、いわゆるダマが存在する場合、ダマがコロと筒状容器内壁との間に噛み込み、コロが自転することができない状態で筒状容器内壁に押さえつけられたままローターが回転する、いわゆるロックされた状態になる場合がある。この状態でローターを長時間回転させた場合、コロがローター溝内で自転していないため、溝とコロ、あるいはコロと筒状容器の間の摩擦力が極端に大きくなる。このため、筒状容器とコロ、溝とコロ、あるいはコロとローターとの間の摩擦熱により、コロ、ローター、筒状容器の表面温度が急激に上昇し、コロが摩耗しやすくなり、コロの焼き付き、内部と表面の熱膨張差によるコロの割れ、欠け、破損が起こる問題があった。また、それが引き金となってローターが破損する場合があり、長期運転が不可能であったり、コロ、ローターの交換に時間を要するといった問題があった。
また、破損により生じた異物がペースト中に混入する事による品質の低下を引き起こすという問題があった。
特開平5−96197号公報(請求項1等) 特開平11−197479号公報(請求項1等) 特開2004−905号公報(請求項1等) 特開2004−306027号公報(請求項1等)
本発明は、コロを有する分散機を用いたミルベースの分散方法において、分散性能が高く、コロの摩耗や焼き付き、割れ、欠け、破損による問題発生の少ないミルベースの分散方法およびそれを用いたペースト製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明では中心軸に垂直な方向の断面が円形となる内面を有する筒状容器、前記筒状容器の前記中心軸方向の一方の端部近傍に配置されたミルベース供給口、前記筒状容器の前記中心軸方向の他方の端部近傍に配置されたミルベース吐出口、前記筒状容器内に、前記中心軸方向に複数個配置された、前記中心軸を中心に回転可能で、かつ外周部に前記中心軸と平行な溝を複数個有するローター、および前記溝に配置され、前記筒状容器内の内壁に当接して自転しながら前記筒状容器内を公転可能に構成されたコロを有する分散機を用いたミルベースの分散方法であって、前記供給口側から数えて1番目のローター周速V(m/分)を下記式(1)の範囲とし、前記供給口から数えて2番目以降のいずれか1つのローターをV1より大きな周速で回転させることを特徴とするミルベースの分散方法とする。
20<V<250 (1)
本発明により、供給口直近において、ミルベース中の粒子の凝集物(いわゆるダマ)を荒粉砕することができるため、分散性能を低下させることなく、コロの耐摩耗性を向上させ、コロの焼き付き、割れ、欠け、破損を引き起こすことがない分散方法を提供することができる。また、異物混入がなく高度に分散されたペーストを長時間連続で行うペーストの製造方法を提供することができる。
本発明に用いる分散機の構成を、図面に基づいて詳細に説明する。本発明に用いる分散機の全体図を図1、筒状容器の中心軸に垂直な方向の断面図を図2に示す。中心軸に垂直な方向の断面が円形である内面を有する筒状容器1の前記中心軸方向の一方の端部近傍にミルベース供給口を、他方の端部近傍にミルベース吐出口を設ける。前記筒状容器1内に、前記中心軸を中心に回転可能な複数のローター2を、前記中心軸方向に配置する。複数のローター2はn個(は2以上の自然数)のローター(iをn以下の自然数とした時、供給口側から数えてi番目のローターをローターRとする)からなり、筒状容器の中心軸方向に配置される。ローターRの最外周には前記中心軸と平行な溝4が複数個あり、その溝にコロ5が配置されている。
本発明に用いる分散機は、複数のローター2を設けること、さらには前記複数のローター2のうち少なくとも1つが他のローターと異なる速度で回転可能なように構成されていることを特徴とする。
図3は図2の点線部分付近を拡大し、ローターRとコロ5の回転状態を示した模式図である。図3において、筒状容器1の内壁面とローターRの外周面との間には隙間7を形成する。ローターRは図1に図示している動力源により、その回転軸3をローター回転方向14に回転させる。このローターRの外周部にその前記中心軸と平行な溝4を複数個形成し、前記溝4内にコロ5を配置する。コロ5は前記ローターRの回転に伴い公転し、遠心力で前記筒状容器1の内壁面に当接して自転しながら筒状容器1内を公転する。なお、コロ5が溝4から脱落しないように、筒状容器1の中心軸方向両端を円盤状の覆板16で閉じておく。さらにローター周速の異なるローター間にも円盤状の覆板16を設け、ローター周速差によるコロ同士の破損を防止する。このようにローターRおよびコロ5を配置することによって、ミルベースはコロ5と筒状容器1の内面の間のわずかな隙間6、およびコロ5とローターRの間において、圧縮、せん断を受け、その結果ミルベース中で粒子が分散される。
本発明においては、供給口側から数えて1番目のローター(ローターR)の速度を上記式(1)の範囲内とすることが必要である。本発明において、ローターの周速とはローターの最外周における線速度を指す。図4は、本発明のミルベースの分散方法において、図5は従来のミルベースの分散方法において、ダマ(粒子の凝集物)が存在する場合のローターおよびコロの状態を示す模式図である。ローターRの位置ではミルベース中の粒子の分散があまり進んでいないために、ペースト中に粒子の大きな凝集物、いわゆるダマが多く含まれる。ここでローターRの周速Vが非常に速い場合、具体的には250m/分以上の時、ローターRの高速回転によって生じる遠心力が非常に大きいため、粒子の凝集物(ダマ)8を噛み込んだ場合、コロ5はローター溝4内に収納することができない(図5)。この状態でローターRが高速回転を続けた場合、噛み込んでいる凝集物(ダマ)8によってコロ5は自転することが出来ず、筒状容器内壁に片当たりする、いわゆるロックしている状態となる。その結果、コロが大幅に摩耗したり、焼き付いたり、コロの内部と表面の熱膨張差により割れ、欠け、破損が生じる。さらにはこれが原因となって、ローターRが破損することもある。一方、ローターRの周速Vが250m/分より遅い場合、ローターRに働く遠心力は小さく、粒子の凝集物(ダマ)8が噛み込んだ場合でもコロ5はローターRの溝内に移動することができ、筒状容器内壁に片当たりしながら擦れることがない(図4)。このため、コロ5の焼き付き、割れ、欠け、破損やローターRの焼き付き、割れ、欠け、破損を引き起こすことがない。さらに、回転を継続していると、粒子の凝集物(ダマ)8は筒状容器1の内壁とローターR最外周との隙間7との間のズリ応力、およびわずかな隙間6におけるコロ5の比較的弱い遠心力によって徐々に荒粉砕され、やがて消滅する。粒子の凝集物(ダマ)8が荒粉砕された場合、再びコロ5は遠心力により、図3のように筒状容器内壁1に当接しながら自転を始める。この状態ではコロ5は自転しているため、コロの焼き付き、割れ、欠け、引いてはローターおよび筒状容器内壁の焼き付き、割れ、欠け、破損を生じることがない。
逆にローターRの周速Vが遅すぎる場合、具体的には20m/分以下の時は、ローターRにおけるペースト中の粒子の凝集物(ダマ)8の荒粉砕が不充分になり、今度はローターRにおいてダマが噛み込み、コロがロックし、コロの焼き付き、割れ、欠け、破損が生じる(図5)。このような理由から、ローターRでの周速Vは上記式(1)の範囲にする必要がある。
また、本発明においては、前記供給口から数えて2番目以降のいずれか1つのローターをV1より大きな周速で回転させることが必要である。前記供給口から数えて2番目以降のローターの周速が全てV以下である場合は、ミルベース中の粒子を十分に分散することができなくなる。十分な分散性能を得るためには、前記供給口から数えて2番目以降のいずれか一つのローターの周速を、V1の1.5倍以上、好ましくは3.0倍以上、さらに好ましくは4.0倍以上とすることが好ましい。
前記供給口から数えて2番目以降のローターの周速の上限については特に限定しないが、装置の耐久性、摩耗性の観点から500m/分以下であることが好ましい。
また、複数のローター2の個数nが3以上の場合、前記供給口から数えて2番目以降のローターであって、最も周速の大きなローター以外のローターの周速については特に限定されない。Vより大きな周速で回転するローターが少なくとも1つあれば、その他のローターの周速はV以下でも構わないが、十分な分散を得るためには、前記供給口から数えて2番目以降のローターの周速が全てVより大きいことが好ましい。
本発明においては、複数のローターの軸方向の合計長さL(mm)、ミルベース供給口から数えて1番目のローターの軸方向の長さL(mm)を、下記式(2)を満たす分散機を用いることが好ましい。
≦0.3×L (2)
>0.3×Lの場合、十分な分散性能が得られない場合がある。
良好なペースト分散性能を得るためには下式(3)を満足することが好ましく、下式(4)を満足することがより好ましく、下式(5)を満足することがさらに好ましい。
≦0.3×L (3)
≦0.2×L (4)
≦0.1×L (5)
ローターの個数が2個の場合、例えば図1に示したように両端の動力源13で、ローターR、ローターRをそれぞれ回転させることが好ましい。なぜならば、吐出口のペーストの分散度を測定し、状況に応じて作業者がローターR、ローターRの周速を任意に設定できるからである。
また、3個以上のローターを有する場合は、ローターRからローターRを異なる周速で回転させる方法としては回転軸3内にギアを組み合わせ、ギア比を変えることによりそれぞれのローター周速を変えることができる。
コロの大きさについては、円筒形のコロを用いる場合は、直径5〜50mm、長さが10〜100mmの範囲が好ましく、より好ましくは直径が6〜30mm、長さが15〜80mmの範囲である。コロは円筒形でも良いが、先端が細くなっているテーパー形状でもかまわない。また、球体でもかまわない。コロ5は1つの溝4に対して各々1つ装入されている形でも良いが、中心軸方向に複数個装填されていてもかまわない。
また、溝4は複数形成されていれば良いが、図3に示すように4個以上形成されているのが好ましい。コロとローターの直径の比率にもよるが、例えばコロの直径10mm、ローター直径200mmの時、ローター1個あたりの溝数は40個程度形成することができる。また、溝4の断面形状は図2に示すようなコ字形や∪字形、円弧形としても良いが、C字型、台形、L字形としても構わない。要するに通常状態ではコロがローターの遠心力で筒状容器内壁に押しつけられるが、ダマなどがコロと筒状容器内壁との間に噛み込んだときに、コロが収納できるスペースが確保できる溝形状であればどのような形状でも構わない。中でも、コロの割れ、欠けなどの問題が発生しにくく、高い分散性能を得るためには、コ字形、∪字形または円弧形とすることが好ましい。
本発明に用いる分散機は、少なくとも筒状容器内壁およびローター、コロがジルコニア、サイアロンなどのセラミック材で作製されていることが、耐摩耗性を向上できるため好ましい。本発明で好適に用いられるセラミック材の具体例としては、ジルコニア、アルミナ、炭化珪素、窒化アルミ、サイアロンおよびジルコニア/アルミナ混合物などが挙げられる。特に、耐摩耗性、低熱伝導率および熱膨張性の観点から、ジルコニアやサイアロン、ジルコニア/アルミナ混合物が好ましく用いられる。セラミック材のコーティング方法の具体例としては、皮膜材料に熱を与えて溶融し、数十〜数百μmの大きさの液状微粒子として素材表面に噴霧させ、衝突・扁平化させて積み重ねていく溶射方式が好ましく用いられる。溶射の熱源としては、プラズマ、レーザー、アークおよびガスなどが挙げられる。
また、セラミック材でコーティングされる部材の材質の具体例として、ステンレス鋼材やNi−Cr、Ni−Alなどの金属合金が挙げられる。
ミルベース供給口9およびミルベース吐出口10は例えば図1に示したように、それぞれ筒状容器の両端部近傍に設置すればよい。
また、図1に示す通り、冷温媒導入口11および冷温媒排出口12を設け、分散機の筒状容器の内壁付近に冷温媒を導入できる構造とし、冷温媒を導入することによりミルベース温度を制御しながらミルベースを分散することが好ましい。
ミルベースが反応性ペーストである場合は冷媒を導入すると、分散時に発生する熱によってペースト温度が一定温度より高くなり、その結果反応が進行しペースト品質が低下するのを防ぐことができる。また、ミルベースが高粘度で分散が困難な場合は、温媒を導入することによりミルベース粘度を低下させ、分散を容易にすることができる。
これらの条件を満たす範囲で適正な剪断力が得られるミルベースの粘度は、5〜100Pa・sの範囲であることが好ましい。本発明の分散機においては、分散機のミルベース供給口9からミルベースを連続的に供給して連続分散処理を行うことが好ましい。
連続処理の方法としては、ミルベース供給口9に定量ポンプを用いてミルベースを供給する方法が好ましい。定量ポンプの具体例としては、単段渦巻ポンプ、多段渦巻ポンプ、単段タービンポンプ、ボアーホールポンプなどの遠心ポンプ、軸流ポンプ、斜流ポンプなどのプロペラポンプ、単段渦流ポンプ、多段渦流ポンプなどの粘性ポンプ、横ピストンポンプ、堅ピストンポンプ、横型ブランヂャーポンプ、堅型ブランヂャーポンプ、ダイヤフラムポンプ、チューブポンプ、ウイングポンプなどの往復動ポンプ、エクスターナルギアーポンプ、インターナルギアーポンプ、偏心ネジポンプ、ベーンポンプ、ローラーポンプなどの回転ポンプなどが挙げられる。粘度の高いミルベースを供給するのには、ダイヤフラムポンプ、偏心ネジポンプが好ましい。定量ポンプを用いることで、分散性の安定したミルベースを得ることができる。また、これらのポンプの接液部は、アルミナ、ジルコニア、アルミナ/ジルコニア混合物、炭化珪素、サイアロンなどのセラミックス材で作製されていることが、耐摩耗性を向上できるため好ましい。
また、本発明は、上記の分散方法を用いて分散を行うことを特徴とするペースト製造方法を提供する。
本発明のペーストの製造方法によって得られるペーストの用途例としては例えば、印刷インキ、塗料、電子材料用ペーストなどを挙げることができる。
電子材料用のペーストの内、特にプラズマディスプレイ部材形成用ペーストにおいては、ペースト中にガラス粉末、蛍光体粉末、金属粉末、顔料等の無機粒子を高濃度に含有し、1次粒子径や表面特性などを維持しつつ、かつ十分に分散されていることが必要であるため、本発明のペースト製造方法が好ましく用いられる。

以下、プラズマディスプレイ部材形成用途(以下、PDP用途とする)のペーストを例にとって説明する。
PDP用途のペーストとは、塗布、乾燥後に少なくとも焼成を行うことによって、PDP部材上に設けられる電極パターン、誘電体層、隔壁、蛍光体層を形成するために用いるペーストを言う。なかでも電極パターン、隔壁等のパターンを得る場合は、感光性ペーストとし、露光、現像することによってパターンを形成する方法を用いることが好ましい。
PDP用途のペーストを構成する成分は、無機粉末と有機成分とに大別することができる。
無機粉末としては、ガラス粉末、蛍光体粉末、金属粉末、顔料などが挙げられる。また、耐火物フィラーを添加することも好ましい。
ガラス粉末は、PDP用途の内、誘電体層形成用や隔壁形成用途において主成分として好適に用いられる。また、電極形成用途において副成分として用いられる。
ガラス粉末としては、主として低融点ガラスからなるものが好ましい。低融点ガラスのガラス転移温度としては430〜500℃が好ましく、ガラス軟化点としては470〜620℃が好ましい。ガラス転移温度とガラス軟化点がこの範囲にあると、焼成時に基板の歪みが小さく、また、緻密な隔壁層が得られる。また、ガラスは、50〜400℃の熱膨張係数が50×10-7〜100×10-7-1であることが好ましい。また、ガラス中に酸化珪素を3〜60重量%、酸化硼素を5〜50重量%の範囲で配合することによって、電気絶縁性、強度、熱膨張係数、絶縁層の緻密性などの隔壁として要求される電気、機械および熱的特性を向上することができる。
また、ガラス粉末の粒子のサイズは、所望の隔壁の線幅や高さを考慮して選べばよいが、体積基準分布の中心径(Dv)としては1〜6μm、最大粒子サイズとしては30μm以下、比表面積としては1.5〜4cm2/gが好ましい。
蛍光体粉末は、PDP用途の内、蛍光体層形成用途に好適に用いられる。
蛍光体粉末としては例えば、赤色では、Y23:Eu、YVO4:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、Y23S:Eu、γ−Zn3(PO42:Mn、(ZnCd)S:Ag+In23などが挙げられる。緑色では、Zn2GeO2:M、BaAl1219:Mn、Zn2SiO4:Mn、LaPO4:Tb、ZnS:(Cu,Al)、ZnS:(Au,Cu,Al)、(ZnCd)S:(Cu,Al)、Zn2SiO4:(Mn,As)、Y3Al512:Ce、CeMgAl1119:Tb、Gd22S:Tb、Y3Al512:Tb、ZnO:Znなどが挙げられる。青色では、Sr5(PO43Cl:Eu、BaMgAl1423:Eu、BaMgAl1627:Eu、BaMg2Al1424:Eu、ZnS:Ag+赤色顔料、Y2SiO3:Ceなどが挙げられる。
また、蛍光体粉末のサイズは、面積平均径(Ds)としては1.0〜2.5μmが好ましく、1.2〜2.3μmがより好ましく、体積基準分布の中心径(Dv)としては1.8〜4.5μmが好ましく、2.0〜4.2μmがより好ましく、Ds/Dvとしては1.2〜2.5が好ましく、1.3〜2.3がより好ましい。Ds、DvおよびDs/Dvがこれらの範囲内にあることで、ペーストの濾過性が向上する。
金属粉末は、PDP用途の内、電極形成用途に好適に用いられる。
金属粉末としては、Ag、Au、Pd、Ni、Cu、AlおよびPtの群から選ばれる少なくとも1種を含むものが使用できる。これらは、それぞれを単独で用いてもよいし、合金として用いてもよいし、粉末を混合して用いてもよい。
金属粉末のサイズとしては、体積基準分布の中心径(Dv)としては0.7〜6μmが好ましく、より好ましくは1.3〜4μmである。体積基準分布の中心径(Dv)がこの範囲内にあることで、緻密な微細パターンの形成が可能となる。
耐火物フィラーは、焼成時の形状を安定させるために好ましく添加される。
耐火物フィラーとしては、500〜650℃程度の焼成温度で軟化しないものが広く使用でき、高融点ガラスやアルミナ、マグネシア、カルシア、コーディエライト、シリカ、ムライト、ジルコン、ジルコニア等のセラミックス粉末が例示できる。
顔料は、PDPの背面板における隔壁の光反射特性を調整する上で、好ましく採用される。例えば、Co−Cr−Fe系、Co−Mn−Fe系、Co−Fe−Mn−Al系、Co−Ni−Cr−Fe系、Co−Ni−Mn−Cr−Fe系、Co−Ni−Al−Cr−Fe系、Co−Mn−AL−Cr−Fe−Ni系等の黒色顔料を用いると、外光反射を低減し、表示画像のコントラストを上げることができる。また、例えば、チタニアなどの白色顔料を用いると、蛍光体の発光を有効にパネル前面に導くことができ、より鮮やかな色彩を表示することができる。
ペースト中の全固形分に対する無機粉末の含有量としては、35〜95重量%が好ましく、40〜90重量%がより好ましい。この範囲内とすることで、焼成時の収縮や、形状変化を抑えることができる。有機成分としては、バインダー樹脂、有機溶剤、可塑剤、酸化防止剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤などを挙げることができる。
バインダー樹脂としては、焼成時に酸化、および/または分解および/または気化し、炭化物が無機物中に残存しないものが好ましく、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等のセルロース系樹脂、または、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート等の重合体もしくはこれらの共重合体からなるアクリル樹脂、ポリ−α−メチルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリブテン等が好ましく用いられる。
バインダー樹脂のペーストに対する含有量としては、5〜65重量%が好ましく、10〜60重量%がより好ましい。
有機溶剤は、ペーストの粘度の調整のために使用される。
有機溶剤としては例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、テルピネオール、ベンジルアルコール、1−ブトキシ−2−プロパン、1,2−ジアセトキシプロパン、1−メトキシ−2−プロパノール、2−アセトキシ−1−エトキシプロパン、(1,2−メトキシプロポキシ)−2−プロパノール、(1,2−エトキシプロポキシ)−2−プロパノール、2−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、2−フェノキシエタノール、2−(ベンジルオキシ)エタノール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、テトラフルフリルアルコール、2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルアセテート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、シクロヘキサンノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、1−メチルペンチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトンなどが挙げられる。
また、有機溶剤は、その揮発性と使用するバインダー樹脂の溶解性を主に考慮して選定することができる。有機溶剤は、用いるバインダー樹脂に対して良溶媒であることが好ましい。バインダー樹脂の溶解性が高い有機溶剤を採用することにより、ペーストの粘度の調整が容易となり、良好な塗布特性を得ることができる。
有機溶剤のペーストに対する含有率としては、35〜65重量%が好ましく、より好ましくは40〜60重量%である。35重量%以上とすることにより、粘度が高すぎず脱泡処理を容易に行うことができる。また65重量%以下とすることによって、安定な分散状態を得ることができ、またペーストを塗布した後に行う乾燥に要するエネルギーと時間を節約できる。
また、ペーストを感光性ペーストとして用いる場合には、有機成分として、感光性ポリマー、感光性オリゴマー、感光性モノマーといった感光性成分や光重合開始剤、増感剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤などの添加物成分を前記バインダー樹脂に代えて、もしくは前記バインダー樹脂と併用して用いるることができる。
感光性モノマーとしては、活性な炭素−炭素不飽和二重結合を有する官能基を有する化合物を好ましく採用することができる。活性な炭素−炭素不飽和二重結合を有する官能基としては、例えば、ビニル基、アリル基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基が利用できる。感光性モノマーとしては例えば、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。
感光性ポリマーおよび/または感光性オリゴマーは、感光性ペーストのバインダー樹脂として兼用することもできる。
感光性ポリマーおよび感光性オリゴマーは、上記のような感光性モノマーの重合または共重合により得られる。
上記のような感光性モノマーと共重合する他の共重合成分として、不飽和カルボン酸などの不飽和酸は、感光後のアルカリ水溶液による現像性を向上することができるので好ましい。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸およびこれらの酸無水物などが挙げられる。 光重合開始剤の感光性ペーストに対する添加量としては、0.005〜5重量%が感光特性上好ましい。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例ではミルベースとして後述のプラズマディスプレイパネル用部材の製造に使用する隔壁ペーストを用いた。
[分散機]図1,2に示したもの。筒状容器内面直径:220mm、筒状容器内面の全長:600mm、ローター最外周径:217mm、ローター1個当たりの溝形成本数:18本、溝深さ:9.5mm、コロ直径:10mm、コロ長さ:50mm。筒状容器の中心軸方向両端の円盤状の覆板の直径:206mm、筒状容器の中心軸方向両端の円盤状の覆板の厚さ25mm、ローターRとRの間の円盤状の覆板の直径:206mm、ローターRとRの間の円盤状の覆板の厚さ:25mm。
筒状容器材質:ジルコニア/アルミナ=20/80の組成からなるセラミックで被覆した金属容器。
ローター材質:ジルコニア/アルミナ=20/80の組成からなるセラミック。
コロ材質:ジルコニア/アルミナ=20/80の組成からなるセラミック。
円盤状の覆板の材質:ジルコニア/アルミナ=20/80の組成からなるセラミック。
[評価方法]
(1)コロの長さ
最も供給口側に配置されたコロ(18個)の直径、長さをノギスで測定し、その平均値を用いた。
(2)コロの径(最小値および最大値)
最も供給口側に配置されたコロ(18個)の径をノギスで測定し、同一コロにおいて、その最小値および最大値を求め、最小値/最大値が一番小さくなるコロの値を用いた。
(3)コロの割れ
ペースト分散後、それぞれのローターに配置されたコロを全数目視で観察し、コロが2つ以上に割れたコロのうち、その破断面のうちの少なくとも一つがコロの中心軸との交点を有するものを割れが発生したコロとし、その本数を求めた。
(4)コロの欠け
ペースト分散後、それぞれのローターに配置されたコロを全数目視で観察し、コロが2つ以上に割れたコロのうち、その破断面が全てコロの中心軸との交点を有しないものを欠けが発生したコロとし、その本数を求めた。
(5)コロの焼き付き
ペースト分散後、それぞれのローターに配置されたコロを全数目視で観察し、表面が黒く変色したコロ本数を数えた。
(6)コロの耐摩耗性
ペースト分散後、それぞれのローターで各溝(18本)に供えられたコロのうち、最も供給口側にある18個のコロをクリーン容器に入れ、特級アセトン(和光純薬)で浸し、超音波洗浄機を用いて30分間洗浄した。洗浄後、コロをクラス10,000のクリーンベンチを用いて23℃で24時間乾燥させた。コロの重量を精密天秤で測定し、分散前のコロ重量と比較した。割れ、欠け、焼き付いたコロを除いて、重量減少の最も大きかったコロの減少量を求め、下記の基準でコロの耐摩耗性を判定した)。
0〜30mg:○
31〜100mg:△
101mg以上 :×
(7)分散度
装置:グラインドゲージ(エリクセン製、0〜50μm)
評価:ペースト中の粒子の凝集物の分布密度を観察し、密集した凝集物が現れた箇所の目盛りを読みとった。ただし、密集した凝集物の境界線が目盛りと目盛りの中間に現れたとき、または2本の溝の数値が異なるときは、数値の大きい方の目盛りを読みとり、3回の測定値の中央をペーストの分散度とした。PDP隔壁形成用のペーストにおいては、分散度が15μm以上の場合、パターン加工・焼成後の隔壁表面の表面粗さが大きくなるため、前面板との密着性が悪くなり、充填している希ガスが抜けたり、あるいは前面板との接触による隔壁の欠けという問題が発生する場合がある。サンプリングは1バッチ当たりの仕込量250kgとして10バッチ目(最終バッチ)の分散開始直後のペーストで行った。
(8)粘度
装置:フィールド型の粘度計(ブルックフィールド社製、モデルDV−II)
測定:回転数3rpm、測定温度25.0℃
サンプリング:仕込量250kg/バッチで10バッチ目(最終バッチ)分散開始直後のペーストで行った。

[ペーストの製造] PDPの隔壁形成用ペーストとして、酸化鉛、酸化ホウ素、酸化亜鉛、酸化シリコン、および酸化バリウムを主成分とするガラスを粉砕して得た平均粒径2μmのガラス粉末52重量%、メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(重量組成比60/40、重量平均分子量32,000)12重量%、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート12重量%、ベンゾフェノン1.94重量%、1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.05重量%、有機染料(ベーシックブルー7)0.01重量%、有機溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)22重量%の組成のものを用いた。
この組成のペーストを1バッチ当たり250kgの計量を行い、プラネタリーミキサー(井上製作所製)にて60rpmで60分間攪拌し、粗分散ペーストを作製した。この粗分散ペースト10バッチ分(合計2,500kg)をそれぞれ連続してコロを用いた分散機に通した。

[実施例1] 筒状容器中に、前記筒状容器の中心軸を中心に回転可能なローターRとローターRの2個(ローターRの軸方向長さL:50mm、ローターRの軸方向長さL:450mm)を供え、ローターの外周部に配した溝部内に自公転可能なコロを配し、該ローターおよび該コロが中心軸方向に複数に分割されているコロ式分散機を用いた。前記分散機を、ローターRの周速V:75m/分、ローターRの周速V:300m/分で運転し、前記粗分散ペーストを定量ポンプを介して、供給速度10kg/hrで供給し、250時間の分散処理を行い分散したペーストを得た。尚、冷温媒導入路には15℃の冷却水を循環させた。
[実施例2]
筒状容器中に、前記筒状容器の中心軸を中心に回転可能なローターRとローターRの2個(ローターRの軸方向長さL:50mm、ローターRの軸方向長さL:450mm)を供え、ローターの外周部に配した溝部内に自公転可能なコロを配し、該ローターおよび該コロが中心軸方向に複数に分割されているコロ式分散機を用いた。前記分散機をローターRの周速V:200m/分、ローターRの周速V:300m/分で運転し、前記粗分散ペーストを定量ポンプを介して、供給速度10kg/hrで供給し、250時間の分散処理を行い分散したペーストを得た。尚、冷温媒導入路には15℃の冷却水を循環させた。
[実施例3]
筒状容器中に、前記筒状容器の中心軸を中心に回転可能なローターRとローターRの2個(ローターRの軸方向長さL:150mm、ローターRの軸方向長さL:350mm)を供え、ローターの外周部に配した溝部内に自公転可能なコロを配し、該ローターおよび該コロが長さ方向に複数に分割されているコロ式分散機を用いた。前記分散機をローターRの周速V:75m/分、ローターRの周速V:300m/分で運転し、前記粗分散ペーストを定量ポンプを介して、供給速度10kg/hrで供給し、250時間の分散処理を行い分散したペーストを得た。尚、冷温媒導入路には15℃の冷却水を循環させた。
[実施例4]
筒状容器中に、前記筒状容器の中心軸を中心に回転可能なローターRとローターRの2個(ローターRの軸方向長さL:250mm、ローターRの軸方向長さL:250mm)を供え、ローターの外周部に配した溝部内に自公転可能なコロを配し、該ローターおよび該コロが長さ方向に複数に分割されているコロ式分散機を用いた。前記分散機をローターRの周速V:75m/分、ローターRの周速V:300m/分で運転し、前記粗分散ペーストを定量ポンプを介して、供給速度10kg/hrで供給し、250時間の分散処理を行い分散したペーストを得た。尚、冷温媒導入路には15℃の冷却水を循環させた。
[比較例1]
筒状容器中に、前記筒状容器の中心軸を中心に回転可能なローターRとローターRの2個(ローターRの軸方向長さL:50mm、ローターRの軸方向長さL:450mm)を供え、ローターの外周部に配した溝部内に自公転可能なコロを配し、該ローターおよび該コロが長さ方向に複数に分割されているコロ式分散機を用いた。前記分散機をローターRの周速V:15m/分、ローターRの周速V:300m/分で運転し、粗分散ペーストを定量ポンプを介して、供給速度10kg/hrで供給し、250時間の分散処理を行い分散したペーストを得た。尚、冷温媒導入路には15℃の冷却水を循環させた。
[比較例2]
筒状容器中に、前記筒状容器の中心軸を中心に回転可能なローターRとローターRの2個(ローターRの軸方向長さL:50mm、ローターRの軸方向長さL:450mm)を供え、ローターの外周部に配した溝部内に自公転可能なコロを配し、該ローターおよび該コロが長さ方向に複数に分割されているコロ式分散機を用いた。前記分散機をローターRの周速V:270m/分、ローターRの周速V:300m/分で運転し、粗分散ペーストを定量ポンプを介して、供給速度10kg/hrで供給し、250時間の分散処理を行い分散したペーストを得た。尚、冷温媒導入路には15℃の冷却水を循環させた。
[比較例3]
筒状容器中に、前記筒状容器の中心軸を中心に回転可能なローターRとローターRの2個(ローターRの軸方向長さL:50mm、ローターRの軸方向長さL:450mm)を供え、ローターの外周部に配した溝部内に自公転可能なコロを配し、該ローターおよび該コロが長さ方向に複数に分割されているコロ式分散機を用いた。前記分散機をローターRの周速V:200m/分、ローターRの周速V:80m/分で運転し、粗分散ペーストを定量ポンプを介して、供給速度10kg/hrで供給し、250時間の分散処理を行い分散したペーストを得た。尚、冷温媒導入路には15℃の冷却水を循環させた。
ここで、実施例1〜4、比較例1〜3に使用したペースト分散機の構成、運転条件、評価結果を表1、表2に示した
Figure 2006334554
Figure 2006334554
実施例1は、優れたペースト分散性、耐摩耗性を有するものであった。実施例2はローターRの位置において、コロの耐摩耗性がやや劣るものであった。実施例3、4では分散性がやや劣っていたがコロの耐摩耗性は優れていた。一方、比較例1では分散性は問題なかっが、ローターRにおいて、コロの摩耗性が非常に悪く、かつコロの割れ、欠け、焼き付きが見られた。比較例2についてはローターRにおいて、コロの摩耗性が非常に悪く、かつコロの割れ、欠け、焼き付きが見られた。比較例3ではコロの摩耗性が若干悪く、分散性については非常に悪かった。
本発明に用いる分散機の概略を示した横面図である。 本発明に用いる分散機の最良の形態を示す断面図である。 本発明の分散方法において、定常状態におけるローターおよびコロの回転状態を示す模式図である。 本発明の分散方法において、粒子の凝集物(ダマ)が存在する場合のローターおよびコロの状態を示す模式図である。 従来の分散方法において、粒子の凝集物(ダマ)が存在する場合のローターおよびコロの状態を示す模式図である。
符号の説明
1 筒状容器
2 複数のローター
供給口側から数えて1番目のローター
供給口側から数えてn番目のローター
供給口側から数えてi番目のローター
3 回転軸
4 溝
5 コロ
6 わずかな隙間
7 隙間、
8 粒子の凝集物(ダマ)
9 ミルベース供給口
10 ミルベース吐出口
11 冷温媒導入口
12 冷温媒排出口
13 動力源
14 ローター回転方向
15 コロ回転方向
16 円盤状の覆板

Claims (5)

  1. 中心軸に垂直な方向の断面が円形となる内面を有する筒状容器、前記筒状容器の前記中心軸方向の一方の端部近傍に配置されたミルベース供給口、前記筒状容器の前記中心軸方向の他方の端部近傍に配置されたミルベース吐出口、前記筒状容器内に、前記中心軸方向に複数個配置された、前記中心軸を中心に回転可能で、かつ外周部に前記中心軸と平行な溝を複数個有するローター、および前記溝に配置され、前記筒状容器内の内壁に当接して自転しながら前記筒状容器内を公転可能に構成されたコロを有する分散機を用いたミルベースの分散方法であって、前記供給口側から数えて1番目のローター周速V(m/分)を下記式(1)の範囲とし、前記供給口から数えて2番目以降のいずれか1つのローターをVより大きな周速で回転させることを特徴とするミルベースの分散方法。
    20<V<250 (1)
  2. 前記複数のローターの軸方向の合計長さL(mm)、ミルベース供給口から数えて1番目のローターの軸方向の長さL(mm)が下記式(2)を満たす分散機を用いることを特徴とする請求項1に記載のミルベースの分散方法。
    ≦0.3×L (2)
  3. 請求項1または2に記載のミルベースの分散方法を用いて分散を行うことを特徴とするペーストの製造方法。
  4. ペーストがプラズマディスプレイ部材形成用ペーストであることを特徴とする請求項3に記載のペーストの製造方法。
  5. 中心軸に垂直な方向の断面が円形となる内面を有する筒状容器、前記筒状容器の前記中心軸方向の一方の端部近傍に配置されたミルベース供給口、前記筒状容器の前記中心軸方向の他方の端部近傍に配置されたミルベース吐出口、前記筒状容器内に、前記中心軸方向に複数個配置された、前記中心軸を中心に回転可能で、かつ外周部に前記中心軸と平行な溝を複数個有するローター、および前記溝に配置され、前記筒状容器内の内壁に当接して自転しながら前記筒状容器内を公転可能に構成されたコロを有する分散機であって、前記複数のローターのうち少なくとも1つが他のローターと異なる速度で回転可能なように構成されていることを特徴とする分散機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106076172A (zh) * 2016-08-16 2016-11-09 上海磐彩环保科技股份有限公司 一种用于分散粘稠物料的全自动搅拌***

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