JP2006329319A - 転がり摺動部品、転がり軸受、カムフォロア及び転がり摺動部品の表面改質方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ピーリングが起こり難くしかも相手部材にピッチングを生じさせる虞の少ない、より低コストの転がり摺動部品及びそれを利用したカムフォロア等を得る。
【解決手段】 対向するカムと転がり接触する状態で使用される外輪5を備えたカムフォロアであって、外輪5は、表面〜表面下少なくとも3μmまでの表層部の硬度がHv780〜900とされ、表面からの深さが10μm以上の内層部の硬度が表層部の硬度より低くかつHv780以下の硬度を有するようにされている。そのような硬度は、外輪5となる基材の表層部にソフトなショットブラスト加工または流動バレル加工を施して得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】 対向するカムと転がり接触する状態で使用される外輪5を備えたカムフォロアであって、外輪5は、表面〜表面下少なくとも3μmまでの表層部の硬度がHv780〜900とされ、表面からの深さが10μm以上の内層部の硬度が表層部の硬度より低くかつHv780以下の硬度を有するようにされている。そのような硬度は、外輪5となる基材の表層部にソフトなショットブラスト加工または流動バレル加工を施して得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は対向する他の部品と転がり接触または滑り接触する状態で使用される部品(以下、これを転がり摺動部品と称する)、転がり軸受及びカムフォロア等に関する。
軸受を構成する軌道輪及び転動体やカムフォロアを構成する外輪においては、それらの表面にピーリング(ピーリング損傷ともいう)が発生することがある。これを防止するため、それら部品の表層部の硬度を高めたり、該表層部に残留圧縮応力を付与することが既に知られている(例えば、特許文献1〜5)。
しかしながら、部品の表面から50μm程度までの表層部の硬度を高めるためには、かなりの衝突エネルギーで表面にショットピーニング等の処理を行わなくてはならない。これらのハードな処理は部品の表面を荒らして、接触する相手部材に早期のピッチングを生じさせる要因となるため、表面改質後に粗さ除去の超仕上げ等が必要となっている。また、ハードなショットピーニング処理は極表層部に微小なクラックを発生させる可能性もある。このためにも表面改質後に粗さ除去の超仕上げ等が必要となり、それらがコストアップにつながっていた。
本発明は上記課題に対応してなされたもので、ピーリングが起こり難くしかも相手部材にピッチングを生じさせる虞の少ない、より低コストの転がり摺動部品を得ることを目的とする。また、そのような転がり摺動部品を利用した転がり軸受並びにカムフォロアを得ることを目的とする。
本発明の転がり摺動部品は、対向する他の部品と転がり接触または滑り接触する状態で使用される転がり摺動部品であって、表面〜表面下少なくとも3μmまで(ただし最大でも5μm程度まで)の表層部の硬度がHv780〜900であり、表面からの深さが10μm以上の内層部の硬度が前記表層部の硬度より低くかつHv780以下の硬度を有するものである。なお、表面からの深さが10μm以上の内層部の硬度が、前記表層部の硬度よりHv60以上低いことが好ましい。
また、表層部表面の最大圧縮残留応力が800Mpa以上、表面からの深さが10μm以上の内層部の最大圧縮残留応力が300Mpa以下であることが好ましい。
また、前記表層部表面の面粗さRaが0.15以下であることが好ましい。
また、表層部表面の最大圧縮残留応力が800Mpa以上、表面からの深さが10μm以上の内層部の最大圧縮残留応力が300Mpa以下であることが好ましい。
また、前記表層部表面の面粗さRaが0.15以下であることが好ましい。
本発明の転がり軸受は、軌道輪及び転動体を有してなる軸受において、前記軌道輪及び前記転動体の両方を上記いずれかに記載の転がり摺動部品から構成したものである。
また、本発明のカムフォロアは、カムに対して転がり接触する回転自在の外輪を有したカムフォロアにおいて、前記外輪を上記いずれかに記載の転がり摺動部品から構成したものである。
また、本発明のカムフォロアは、カムに対して転がり接触する回転自在の外輪を有したカムフォロアにおいて、前記外輪を上記いずれかに記載の転がり摺動部品から構成したものである。
本発明の転がり摺動部品の表面改質方法は、対向する他の部品と転がり接触または滑り接触する状態で使用される転がり摺動部品の表面改質方法であって、転がり摺動部品となる基材の表面からの深さが最大でも10μmまでの表層部のみの硬度に影響を及ぼすショットブラスト加工またはバレル加工を行い、その加工後の基材に対してビッカース硬度計測を行って0.1Nの荷重で測定した硬度AがHv780〜900となり、1Nの荷重で測定した硬度Bが硬度Aより低くかつHv780以下となることを確認するまで、上記加工を繰り返すものである。
本発明の転がり摺動部品によれば、表面剥離であるピーリングのほとんどが防止できる。しかも、本発明の転がり摺動部品は、表面からの深さが3μmまで(最大5μm程度まで)の表層部のみ硬度を向上させればよいので、ソフトなショットブラスト加工または流動バレル加工による処理で済み、自身のクラック発生や接触相手部材に対する攻撃性を弱め早期のピッチング発生の防止が図れる。さらに、超仕上げ加工などの粗さ除去の処理も不要となり、低コスト化にも寄与する。
本発明の転がり摺動部品の表面改質方法により、改質面の硬度測定が容易になり、転がり摺動部品を製造する際の表面改質の処理効率を上げることができる。
次に、本発明に係る転がり摺動部品の具体例を以下の実施形態により説明する。
実施形態1
図1は本発明の実施形態1に係るカムフォロアの断面図である。このカムフォロアは、図示していないカムと対向するロッカーアーム1の端部に互いに間隔をあけて設けた1対の支持部壁2,2に、軸3の両端部を支持固定し、この軸3の周囲に、ころ4,4を介して短円筒状の外輪5を設け、外輪5の外径面とカムの外径面とを互いに当接させて、カムの回転に伴い、外輪5が軸3を中心として回転するようになっているものである。従って、この外輪5は本発明の転がり摺動部品に相当するものである。
実施形態1
図1は本発明の実施形態1に係るカムフォロアの断面図である。このカムフォロアは、図示していないカムと対向するロッカーアーム1の端部に互いに間隔をあけて設けた1対の支持部壁2,2に、軸3の両端部を支持固定し、この軸3の周囲に、ころ4,4を介して短円筒状の外輪5を設け、外輪5の外径面とカムの外径面とを互いに当接させて、カムの回転に伴い、外輪5が軸3を中心として回転するようになっているものである。従って、この外輪5は本発明の転がり摺動部品に相当するものである。
今回、発明者らは、外輪5の外径面に生じるピーリングが表層から5μm程度までの表層部で発生する表面剥離であることを考慮して、表面からの深さが少なくとも3μmで最大でも5μm程度までの表層部のみの硬度を向上させることに注目した。そして、軸受鋼SUJ2を素材とした外輪5に対して、表面からの深さが3μm以上で5μm程度までの表層部のみの硬度を向上させるようなソフトなショットブラスト加工または流動バレル加工を行って、そのプレッシング硬化による外輪5の表面改質を実施した。
次に、表面改質を行っていない外輪5(従来品1)と、上記の加工方法によって表面改質を行った3種類の外輪5(本発明に係る改質品1〜3)とを用意し、それらについて耐ピーリング性評価と相手部材に対するピッチング評価(相手部材損傷確認評価)を行った。それら評価条件と評価結果を表1と表2、表3と表4にそれぞれ示す。
表2に示すように、従来品1(表層部(表面下3μm)の硬度Hv750、表面下10μmの硬度Hv750、表面下50μmの内部硬度Hv750、表面粗さRa0.15)には、ピーリングが発生した。しかし改質品1〜3の場合には問題となるようなピーリングは発生しなかった。これは、外輪5の表層部における硬度上昇の有無によるものと考えられる。表2よれば、表面下3μmにおける表層部の硬度が810Hv〜880Hv(表面下5μmにおける表層部の硬度は780Hv〜840Hv)で、表面下10μmにおける硬度が750Hv〜780Hvとなっている本発明に係る改質品1〜3は、耐ピーリング性を有することが分かる。
また、表4よれば、従来品及び本発明に係る改質品1〜3とも、相手部材(カム)にピッチングを発生させなかった。この結果、本発明に係る改質品1〜3は、耐ピーリング性に加えて、相手部材に対する攻撃性が少ない点でも好ましいものであることが判明した。
さらに、表1と同じ条件で、従来品2と、改質品1〜3と同じ方法で表面改質を実施したる改質品4〜7について、ピーリングの発生の有無を試験した。その結果は、表5に示したとおりである。すなわち、ソフトなショットブラスト加工または流動バレル加工を行って、そのプレッシング硬化により外輪5の表層部を改質させた本発明に係る改質品4〜7(表面下3μmでの硬度Hv780〜Hv890)の場合には、ピーリングの発生が認められなかったのに対し、表面改質処理を行わなかった従来品2では、外周面にピーリングの発生及び進展が見られた。
次に、外輪5の表面粗さについての評価を行った。表面からの深さが少なくとも3μmまでの表層部の硬度がHv780〜Hv900であり、表面からの深さが10μm以上の層部の硬度が前記表層部の硬度より低くかつHv780以下の硬度の外輪5において、その表面粗さを変えた試料を利用して、相手部材に対する攻撃性を試験した。なお、表面粗さ測定には、小坂研究所製の「SE−3400K粗さ測定器」を用いた。その結果は表6に示す通りである。これによれば、表層部表面の面粗さRaが0.16以上のものは相手部材に対してピッチングを生じさせる虞が高いのに対して、面粗さRaが0.15以下のものは相手部材に対してピッチングを生じさせる虞がほとんどないと判断できる。
また、ピーリングの発生及び相手部材への攻撃性の両方に対して好ましい結果が得られた表2及び表4の改質品1〜3によれば、表面からの深さが10μm以上の内層部の硬度は、表面〜表面下少なくとも3μmまでの表層部の硬度よりHv60以上低いことが好ましいと考えられる。これを裏付けるために、表面にハードなショット加工を施した従来品3、4と、表面にソフトなショット加工を施した本発明に係る改質品8とに対して、耐ピーリング性評価と相手部材に対するピッチング評価を行った。その結果は表7に示す通りである。すなわち、表面からの深さが10μm以上の内層部の硬度と表面〜表面下3μmまでの表層部の硬度差が、Hv25とHv41の従来品3、4では、相手部材に対するピッチングの点で問題が生じた。これに対して、上記硬度差がHv74の本発明に係る改質品8の場合には、耐ピーリング性及び相手部材に対するピッチングの両方の点で好ましい結果が得られた。
ソフトなショットブラスト加工または流動バレル加工を行って、そのプレッシング硬化により外輪5の表層部を改質させ、表面〜表面下少なくとも3μmまでの表層部の硬度がHv780〜900であり、表面からの深さが10μm以上の内層部の硬度が前記表層部の硬度より低くかつHv780以下の硬度を有する本発明に係る改質品について、その表層部表面と、表面からの深さが10μmの層での最大圧縮残留応力を調べた。
その結果は表8〜表10に示すようになった。すなわち、外輪5の表層部表面での最大圧縮残留応力値と、表面からの深さが10μmの層での最大圧縮残留応力値の組合わせが、977Mpaと259Mpa(改質品10)、803Mpaと166Mpa(改質品11)、1100Mpaと300Mpa(改質品12)、の組合わせが得られた。これから判断すると、外輪5の表層部表面の最大圧縮残留応力は800Mpa以上とするのが良いと判断できる。さらに、表面からの深さが10μm以上の内層部の最大圧縮残留応力が300Mpa以下とするのが好ましいと判断される。
その結果は表8〜表10に示すようになった。すなわち、外輪5の表層部表面での最大圧縮残留応力値と、表面からの深さが10μmの層での最大圧縮残留応力値の組合わせが、977Mpaと259Mpa(改質品10)、803Mpaと166Mpa(改質品11)、1100Mpaと300Mpa(改質品12)、の組合わせが得られた。これから判断すると、外輪5の表層部表面の最大圧縮残留応力は800Mpa以上とするのが良いと判断できる。さらに、表面からの深さが10μm以上の内層部の最大圧縮残留応力が300Mpa以下とするのが好ましいと判断される。
ところで、実施形態1では、図1に示した転がり軸受けが組み込まれカムフォロアを例に挙げたが、外輪5と軸3とが直接接触するすべり軸受けが組み込まれたカムフォロアにも本発明が適用できる。
実施形態2
実施形態1では、対向する他の部品と転がり接触または滑り接触する状態で使用される表面が改質された転がり摺動部品として、カムフォロアの外輪5を例にあげたが、本発明は転がり軸受にも適用できる。図2は本発明の実施形態2に係るころ軸受の部分断面図である。このころ軸受けは、軌道輪である内輪11と外輪12との間に多数の円筒ころである転動体13が配されたものである。このような円筒ころ軸受において、内輪11と転動体13とに実施形態1で説明したような表面改質を施すことで、ピーリングの発生及び相手部材へのピッチングの発生が防止できるころ軸受が得られる。
実施形態1では、対向する他の部品と転がり接触または滑り接触する状態で使用される表面が改質された転がり摺動部品として、カムフォロアの外輪5を例にあげたが、本発明は転がり軸受にも適用できる。図2は本発明の実施形態2に係るころ軸受の部分断面図である。このころ軸受けは、軌道輪である内輪11と外輪12との間に多数の円筒ころである転動体13が配されたものである。このような円筒ころ軸受において、内輪11と転動体13とに実施形態1で説明したような表面改質を施すことで、ピーリングの発生及び相手部材へのピッチングの発生が防止できるころ軸受が得られる。
実施形態3
上記のような表面改質特性を有した外輪5、内輪11、転動体13などは、転がり摺動部品となる基材の表層部に対して、表面改質を施して得られる。具体的には、その基材の表面からの深さが最大でも10μmまで(好ましくは5μm程度まで)の表層部のみの硬度に影響を及ぼすソフトなショットブラスト加工または流動バレル加工を基材に対して行い、その加工後の基材に対してビッカース硬度計測を行って0.1Nの荷重で測定した硬度AがHv780〜900となり、1Nの荷重で測定した硬度Bが硬度Aより低くかつHv780以下となることを確認するまで、上記加工を繰り返すことで、実施形態1の表面改質特性を有した摺動部材を得ることができる。
上記のような表面改質特性を有した外輪5、内輪11、転動体13などは、転がり摺動部品となる基材の表層部に対して、表面改質を施して得られる。具体的には、その基材の表面からの深さが最大でも10μmまで(好ましくは5μm程度まで)の表層部のみの硬度に影響を及ぼすソフトなショットブラスト加工または流動バレル加工を基材に対して行い、その加工後の基材に対してビッカース硬度計測を行って0.1Nの荷重で測定した硬度AがHv780〜900となり、1Nの荷重で測定した硬度Bが硬度Aより低くかつHv780以下となることを確認するまで、上記加工を繰り返すことで、実施形態1の表面改質特性を有した摺動部材を得ることができる。
ビッカース硬さ試験の場合、硬さHvと試験荷重F(N)を用いて、ダイヤモンド四角すい押し込み時の深さtを計算できる。すなわち、図3のビッカース硬さ計測方法の説明図に示すように、
TanX=t/(d/2)、 ただし、X=(90−(136/2))°
の関係がある。この関係から、表10に示す関係を得ることができる。
TanX=t/(d/2)、 ただし、X=(90−(136/2))°
の関係がある。この関係から、表10に示す関係を得ることができる。
表11の関係に基づけば、ビッカース硬度Hv780〜900のレベルでは荷重0.98Nで測定したHvは、表面から深さ3μm(0.003mm)の位置でのHvを表し、ビッカース硬度Hv750〜900レベルでは荷重9.8Nで測定したHvは表面から深さ10μm(0.01mm)の位置でのHvを表しているとみなして良い。上記の表面改質方法では、この関係を利用している。
以上の表面改質方法によれば、ソフトな表面改質処理を転がり摺動部品となる基材の極表層部のみに対して施しているため、その処理後に粗さ除去の追加加工が不要で、かつ相手部材へのピッチングも回避できる転がり摺動部品が得られる。
1 ロッカーアーム
2 支持部壁
3 軸
4 ころ
5 外輪
11 内輪
12 外輪
13 転動体
2 支持部壁
3 軸
4 ころ
5 外輪
11 内輪
12 外輪
13 転動体
Claims (7)
- 対向する他の部品と転がり接触または滑り接触する状態で使用される転がり摺動部品であって、表面〜表面下少なくとも3μmまでの表層部の硬度がHv780〜900であり、表面からの深さが10μm以上の内層部の硬度が前記表層部の硬度より低くかつHv780以下の硬度を有することを特徴とする転がり摺動部品。
- 表面からの深さが10μm以上の内層部の硬度が前記表層部の硬度よりHv60以上低いことを特徴とする請求項1記載の転がり摺動部品。
- 前記表層部表面の最大圧縮残留応力が800Mpa以上、表面からの深さが10μm以上の内層部の最大圧縮残留応力が300Mpa以下であることを特徴とする請求項1または2記載の転がり摺動部品。
- 前記表層部表面の面粗さRaが0.15以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の転がり摺動部品。
- 軌道輪に転動体が接触してなる軸受において、前記軌道輪及び前記転動体の両方を請求項1ないし4のいずれかに記載の転がり摺動部品から構成したことを特徴とする転がり軸受。
- カムに対して転がり接触する回転自在の外輪を有したカムフォロアにおいて、前記外輪を請求項1ないし4のいずれかに記載の転がり摺動部品から構成したことを特徴とするカムフォロア。
- 対向する他の部品と転がり接触または滑り接触する状態で使用される転がり摺動部品の表面改質方法であって、転がり摺動部品となる基材の表面からの深さが最大でも10μmまでの表層部のみの硬度に影響を及ぼすショットブラスト加工またはバレル加工を行い、その加工後の基材に対してビッカース硬度計測を行って0.1Nの荷重で測定した硬度AがHv780〜900となり、1Nの荷重で測定した硬度Bが硬度Aより低くかつHv780以下となることを確認するまで、上記加工を繰り返すことを特徴とする転がり摺動部品の表面改質方法。
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