JP2006327948A - 食後低血圧の改善剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】食後低血圧の改善、または食後低血圧により誘発され得る疾患または状態の予防に有用な薬物の提供。
【解決手段】α−グルコシダーゼインヒビターを含む、正常な血糖値を有する被験体、神経疾患または心疾患等の疾患患者、あるいは高齢者または健常者において食後に生じる血圧降下(例えば、食後低血圧)の改善剤、並びにα−グルコシダーゼインヒビターを含む、食後低血圧により誘発される疾患又は状態(例えば、めまい、失神、心筋梗塞、脳梗塞)の予防剤。
【選択図】なし
【解決手段】α−グルコシダーゼインヒビターを含む、正常な血糖値を有する被験体、神経疾患または心疾患等の疾患患者、あるいは高齢者または健常者において食後に生じる血圧降下(例えば、食後低血圧)の改善剤、並びにα−グルコシダーゼインヒビターを含む、食後低血圧により誘発される疾患又は状態(例えば、めまい、失神、心筋梗塞、脳梗塞)の予防剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、食後に生じる血圧降下(例えば、食後低血圧)の改善剤、並びに該血圧降下により誘発され得る疾患および状態の予防剤などを提供する。
食後の血圧低下は、パーキンソン病(Parkinson's disease,PD)、多系統萎縮症(mutiple system atrophy,MSA)等の自律神経機能障害を伴う疾患患者や心疾患患者のほか、高齢者でも高率に見られることが知られている。なかでも、食事開始から2時間以内に収縮期血圧が20mmHg以上低下するものは、食後低血圧(postprandial hypotension,PPH)と定義され、めまい、失神、心筋梗塞、脳梗塞等の各種状態・疾患を誘発する病的状態と考えられている。
現在、低血圧改善剤としては、主に、血圧上昇のために使用される交感神経刺激剤、血圧降下を防止するために使用されるソマトスタチン製剤が用いられている。しかしながら、交感神経刺激剤は、食前高血圧や便秘、排尿障害などの自律神経不全を誘発することから、PPHの治療には不向きである。また、ソマトスタチン製剤もインスリン分泌抑制のため高血糖や糖尿病を誘発することから、やはりPPHの治療には望ましいものではない。従って、上記問題点を解決し得るPPHの改善剤の開発が切望されている。
近年、糖尿病の治療薬として用いられているα−グルコシダーゼインヒビターによって、PPHの改善した糖尿病症例が報告された(非特許文献1〜3)。非特許文献1には、I型糖尿病に罹患している50才の女性にアカルボースを投与したところ、PPHの改善がみられたことが記載されている。非特許文献2には、II型糖尿病に罹患している58才の男性にアカルボースを投与したところ、PPHの改善がみられたことが記載されている。非特許文献3には、II型糖尿病に罹患している76才の男性にボグリボースを投与したところ、PPHの改善がみられたことが記載されている。しかしながら、糖尿病以外の疾患の患者あるいは高齢者のPPHに対するα−グルコシダーゼインヒビターの効果を調べた報告はない。
Simona et al., Clinical Autonomic Research 14: 405-407 (2004)
Sasaki et al., Journal of Diabetes and Its Complication 15: 158-161 (2001)
伊佐ら,臨床神経学(Clinica Neurol)42巻10号959−962頁(2002年)
本発明は、食後に生じる血圧降下(例えば、食後低血圧)の改善剤、並びに該血圧降下により誘発され得る疾患および状態の予防剤などを提供することなどを目的とする。
本発明者らは、α−グルコシダーゼインヒビターのPPH改善作用について鋭意検討した結果、α−グルコシダーゼインヒビターが、糖尿病患者のみならず、正常な血糖値を有する被験体において見受けられる、あるいは自律神経疾患又は神経変性疾患等の神経疾患の患者あるいは高齢者等において見受けられる食後に生じる血圧降下を改善し得ることなどを見出し、以って本発明の開発に成功した。
即ち、本発明は下記の通りである:
〔1〕α−グルコシダーゼインヒビターを含む、正常な血糖値を有する被験体において食後に生じる血圧降下の改善剤;
〔2〕食後に生じる血圧降下が食後低血圧である、上記〔1〕の剤;
〔3〕食後低血圧が神経疾患又は心疾患の患者における食後低血圧である、上記〔1〕の剤;
〔4〕神経疾患が自律神経疾患又は神経変性疾患である、上記〔3〕の剤;
〔5〕食後に生じる血圧降下が高齢者において食後に生じる血圧降下である、上記〔1〕の剤;
〔6〕食後に生じる血圧降下が健常者において食後に生じる血圧降下である、上記〔1〕又は〔5〕の剤;
〔7〕α−グルコシダーゼインヒビターがボグリボースである、上記〔1〕〜〔6〕のいずれかの剤;
〔8〕α−グルコシダーゼインヒビターを含む、神経変性疾患の患者において食後に生じる血圧降下の改善剤;
〔9〕神経変性疾患がパーキンソン病又は多系統萎縮症である、上記〔8〕の剤;
〔10〕α−グルコシダーゼインヒビターを含む、食後低血圧により誘発される疾患又は状態の予防剤;
〔11〕食後低血圧により誘発される疾患が、心筋梗塞、脳梗塞、狭心症、虚血性腸疾患、末梢循環不全症、めまい症、不眠症、頭痛症および不整脈からなる群より選択される、上記〔10〕の剤;
〔12〕食後低血圧により誘発される疾患又は状態が、正常な血糖値を有する被験体又は神経変性疾患の患者において食後低血圧により誘発される疾患又は状態である、上記〔10〕の剤。
〔1〕α−グルコシダーゼインヒビターを含む、正常な血糖値を有する被験体において食後に生じる血圧降下の改善剤;
〔2〕食後に生じる血圧降下が食後低血圧である、上記〔1〕の剤;
〔3〕食後低血圧が神経疾患又は心疾患の患者における食後低血圧である、上記〔1〕の剤;
〔4〕神経疾患が自律神経疾患又は神経変性疾患である、上記〔3〕の剤;
〔5〕食後に生じる血圧降下が高齢者において食後に生じる血圧降下である、上記〔1〕の剤;
〔6〕食後に生じる血圧降下が健常者において食後に生じる血圧降下である、上記〔1〕又は〔5〕の剤;
〔7〕α−グルコシダーゼインヒビターがボグリボースである、上記〔1〕〜〔6〕のいずれかの剤;
〔8〕α−グルコシダーゼインヒビターを含む、神経変性疾患の患者において食後に生じる血圧降下の改善剤;
〔9〕神経変性疾患がパーキンソン病又は多系統萎縮症である、上記〔8〕の剤;
〔10〕α−グルコシダーゼインヒビターを含む、食後低血圧により誘発される疾患又は状態の予防剤;
〔11〕食後低血圧により誘発される疾患が、心筋梗塞、脳梗塞、狭心症、虚血性腸疾患、末梢循環不全症、めまい症、不眠症、頭痛症および不整脈からなる群より選択される、上記〔10〕の剤;
〔12〕食後低血圧により誘発される疾患又は状態が、正常な血糖値を有する被験体又は神経変性疾患の患者において食後低血圧により誘発される疾患又は状態である、上記〔10〕の剤。
本発明は、正常な血糖値を有する被験体、神経疾患または心疾患等の疾患患者、あるいは高齢者または健常者等において食後に生じる血圧降下(例えば、食後低血圧)の改善に有用である。また、本発明は、食後低血圧により誘発される疾患又は状態(例えば、めまい、失神、心筋梗塞、脳梗塞)の予防に有用であり得る。
本発明は、α−グルコシダーゼインヒビターを含む、食後に生じる血圧降下の改善剤を提供する。
「食後に生じる血圧降下」とは、所定の被験体において、食事に起因して、食後の収縮期血圧が低下することをいう。食事に起因して生じる血圧降下における上記収縮期血圧の低下の程度は特に限定されるものではないが、例えば、約15mmHg以上の低下であり得る。本発明の改善剤は、食後に生じる血圧降下の改善のために広く用いられ得るが、なかでも食後低血圧(PPH)の改善剤としての使用が好ましい。
「食後低血圧(PPH)」とは、所定の被験体において、食事に起因して、食事開始時(0分)から2時間以内に収縮期血圧が20mmHg以上低下する病的状態をいう。従って、本発明の改善剤は、例えば、医薬として食後低血圧の予防又は治療に用いられ得る。
「α−グルコシダーゼインヒビター(α−glucosidase inhibitor)」とは、α−グルコシダーゼの作用を妨げ、糖質の消化及びその後の吸収を遅延させる薬物をいう。α−グルコシダーゼとしては、例えばアミラーゼ、マルターゼ、スクラーゼ、α−デキストリナーゼが挙げられる。α−グルコシダーゼインヒビターとしては、例えばボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテートが挙げられるが、ボグリボース、アカルボースが好ましく、ボグリボースがより好ましい。
一実施形態では、本発明の改善剤は、正常な血糖値を有する被験体において食後に生じる血圧降下の改善に有用であり得る。ここで、「正常な血糖値」とは、糖尿病(I型およびII型糖尿病を含む)の診断基準により糖尿病型あるいは境界型に分類されるような高血糖値ではなく、正常型に分類される血糖値をいう。詳細には、例えば、日本の糖尿病の診断基準では、正常型は、空腹時血糖(fasting plasma glucose, FPG)が110mg/dL未満、且つ75g経口糖負荷試験(oral glucose tolerance test)2時間値が140mg/dL未満と定義されているため、正常な血糖値は、このような血糖値であり得る。
別の実施形態では、本発明の改善剤は、非糖尿病疾患の患者、例えば、自律神経疾患又は神経変性疾患等の神経疾患、心疾患、血管抵抗性の減弱(例えば、敗血症、加齢(健常高齢者を含む)、薬剤に起因するもの)、薬剤性自律神経不全、循環血漿量減少(例えば、血液透析、熱中症、発熱、脱水、失血、食欲不振に起因するもの)、あるいは自律神経失調症等の患者において食後に生じる血圧降下(例えば、食後低血圧)の改善に有用であり得る。自律神経疾患又は神経変性疾患としては、例えば、パーキンソン病、多系統萎縮症(例、シャイ・ドレーガー症候群(Shy-Drager syndrome)、線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症)、純粋自律神経不全、急性汎自律神経不全症、筋無力症候群、無汗症、末梢神経障害、脊椎症(例えば、頚椎症)、脊髄症、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、脳炎、多発性硬化症、脳症、アルツハイマー病、大脳基底核変性症、進行性核上麻痺、脊髄小脳変性症、痙性対麻痺が挙げられる。心疾患としては、例えば、心不全、心筋症、弁膜症、心筋梗塞、狭心症、不整脈、心膜炎、先天性心血管異常が挙げられる。なお、自律神経疾患又は神経変性疾患は、中枢神経系疾患であり得る。
別の実施形態では、本発明の改善剤は、高齢患者(例えば上記疾患の患者)、高齢健常者等の高齢者において食後に生じる血圧降下の改善に有用であり得る。ここで、「高齢」とは、年齢が60才以上であることをいう。本発明の改善剤は、上記高齢者のなかでも、例えば60−80才、好ましくは60−75才の高齢者に用いられ得る。
別の実施形態では、本発明の改善剤は、若年健常者、高齢健常者等の健常者において食後に生じる血圧降下の改善に有用であり得る。ここで、「健常」とは、食後に生じる血圧降下(例えば、食後低血圧)以外の状態又は疾患に罹患していないことをいう。また、若年とは、年齢が60才未満であることをいい、例えば、年齢は20−59才、好ましくは25−49才、より好ましくは30−45才であり得る。
本発明の改善剤は、少なくとも1種のα−グルコシダーゼインヒビターを有効成分として含むものである限り特に限定されず、1種のα−グルコシダーゼインヒビターに加え、他の有効成分が配合された併用剤であってもよい。例えば、本発明の改善剤は、所定の疾患に対する予防又は治療薬をさらに含んでいてもよく、また、2種以上のα−グルコシダーゼインヒビターを含んでいてもよい。本発明の改善剤がさらに含み得る予防又は治療薬の種類は特に限定されないが、例えば上述した疾患に対する予防又は治療薬が挙げられる。
本発明の改善剤はまた、任意の担体、例えば医薬上許容され得る担体を含み得る。医薬上許容され得る担体としては、例えば、ショ糖、デンプン、マンニット、ソルビット、乳糖、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の賦形剤、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、ショ糖、デンプン等の結合剤、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ナトリウム−グリコール−スターチ、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、エアロジル、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム等の滑剤、クエン酸、メントール、グリシルリシン・アンモニウム塩、グリシン、オレンジ粉等の芳香剤、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン等の保存剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸等の安定剤、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸アルミニウム等の懸濁剤、界面活性剤等の分散剤、水、生理食塩水、オレンジジュース等の希釈剤、カカオ脂、ポリエチレングリコール、白灯油等のベースワックスなどが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
本発明の改善剤は、好ましくはヒトに投与され得るが、ヒト以外の哺乳動物に投与してもよい。このような哺乳動物としては、例えばマウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、ウシ、ヤギ、ブタ、サルが挙げられる。投与は、好ましくは経口投与である。
経口投与に好適な製剤は、水、生理食塩水のような希釈液に有効量の物質を溶解させた液剤、有効量の物質を固体や顆粒として含んでいるカプセル剤、サッシェ剤または錠剤、適当な分散媒中に有効量の物質を懸濁させた懸濁液剤、有効量の物質を溶解させた溶液を適当な分散媒中に分散させ乳化させた乳剤、あるいは顆粒剤、散剤等である。
本発明の改善剤の投与量は、有効成分の活性や種類、病気の重篤度、投与対象となる動物種、投与対象の薬物受容性、体重、年齢等によって異なり一概に云えないが、通常、成人一回あたりの有効成分量(1日あたり毎食毎に3回服用)として、例えば約0.01−約1000mg、好ましくは約0.05−約40mg、より好ましくは約0.1−5mg、さらにより好ましくは約0.15−約0.25mg、最も好ましくは約0.2mgである。
本発明の改善剤は、食前の服用が推奨されるが、食事中、あるいはα−グルコシダーゼインヒビターの薬理効果が期待できる時間設定の範囲内であれば食後に使用することもできる。食前の服用としては、α−グルコシダーゼインヒビターの薬理効果が持続可能である限り特に限定されるものではないが、例えば食事開始時(0分)から約120分前までの、好ましくは0分から約60分前までの、より好ましくは0分から約30分前までの、最も好ましくは約20分前の服用が挙げられる。
本発明はまた、α−グルコシダーゼインヒビターを含む、食後低血圧により誘発される疾患又は状態の予防剤を提供する。
「食後低血圧により誘発される疾患又は状態」とは、食後低血圧により直接的又は間接的(即ち、二次的)に引き起こされ得る任意の疾患又は状態をいう。食後低血圧により誘発される疾患としては、例えば心筋梗塞、脳梗塞、狭心症、虚血性腸疾患、末梢循環不全症、めまい症、不眠症、頭痛症、不整脈が挙げられる。食後低血圧により誘発される状態としては、例えばめまい、失神、立ちくらみ、意識障害、ふらつき、睡眠障害、不眠、朝起き不良、頭痛、頭重、全身倦怠、慢性疲労、だるさ、乗り物酔、集中力低下、気分不良、イライラ感、疲れ目、肩こり、発汗、冷え、しびれ、脈の乱れ、動機、息切れ、胸痛、悪心、嘔吐、胃部不快感、食欲不振、下痢、便秘、腹痛が挙げられる。食後低血圧により誘発される疾患又は状態については、例えば、Imai C, Muratani H, Kimura Y, Kanzato N, Takishita S, Fukiyama K. Effects of meal ingenstion and active standing on blood pressure in patients ≧ 60 years of age. Am J Cardiol 81; 1310-1314 (1998)、またはJansen RWMM, Lipsitz LA. Postprandial hypotension: epidemiology, pathophysiology, and clinical management. Ann Intern Med 122; 286-295 (1995)を参照のこと。
本発明の予防剤は、少なくとも1種のα−グルコシダーゼインヒビターを有効成分として含むものである限り特に限定されず、1種のα−グルコシダーゼインヒビターに加え、他の有効成分が配合された併用剤であってもよい。例えば、本発明の予防剤は、所定の疾患に対する予防又は治療薬をさらに含んでいてもよく、また、2種以上のα−グルコシダーゼインヒビターを含んでいてもよい。本発明の予防剤がさらに含み得る予防又は治療薬の種類は特に限定されないが、例えば、上述の非糖尿病疾患、あるいは食後低血圧により誘発される上述の疾患又は状態に対する予防又は治療薬が挙げられる。
本発明の予防剤は、上述した改善剤と同様に使用され得、また同様の剤形であり得る。例えば、同様の被験体(例えば、正常な血糖値を有する被験体、上述の疾患の患者、高齢者、健常者)に適用され得る。また、医薬上許容され得る担体等の任意の担体を含み得、哺乳動物全般に適用され得、同様の有効成分量が投与され得、服用様式も同様であり得る。
本明細書中で挙げられた特許および特許出願明細書を含む全ての刊行物に記載された内容は、本明細書での引用により、その全てが明示されたと同程度に本明細書に組み込まれるものである。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例等に何ら制約されるものではない。
実施例1:
(1)試験対象
本試験では、以下の48名を対象とした。
パーキンソン病(PD) 11名(男性4名、年齢61−86才)
多系統萎縮症(MSA) 6名(男性4名、年齢53−76才)
糖尿病(DM) 11名(男性8名、年齢62−85才)
高齢対照(ES) 13名(男性5名、年齢62−80才)
若年対照(YS) 7名(男性4名、年齢34−59才)
(1)試験対象
本試験では、以下の48名を対象とした。
パーキンソン病(PD) 11名(男性4名、年齢61−86才)
多系統萎縮症(MSA) 6名(男性4名、年齢53−76才)
糖尿病(DM) 11名(男性8名、年齢62−85才)
高齢対照(ES) 13名(男性5名、年齢62−80才)
若年対照(YS) 7名(男性4名、年齢34−59才)
(2)試験方法
(a)糖負荷テスト
早朝空腹時にブドウ糖75gを経口摂取した。経口摂取の30分前から120分後までは、安静臥位を保ち、自動血圧計を用いて5分ごとに血圧を測定した。PPHは収縮期血圧が観察時間内に20mmHg異常低下するものとした。
(b)ボグリボース負荷テスト
11名のPPH例(PD4例、MSA5例、DM1例、ES1例)ではブドウ糖負荷の10分前に200μgのボグリボースを経口摂取した上で、糖負荷テストを行った。ボグリボースの効果については、paired t-testを用いて検討した。
(3)結果
PD8名(72.7%)、MSA6名(100%)、DM3名(23.0%)にPPHがみられた。YSにはPPHを認めなかった(図1)。この血圧低下はボグリボースの経口摂取で有意な改善を認めた(p<0.01)(図2)。
以上より、ボグリボースを含むα−グルコシダーゼインヒビターが、PPHの改善に非常に有効であることが見出された。
(a)糖負荷テスト
早朝空腹時にブドウ糖75gを経口摂取した。経口摂取の30分前から120分後までは、安静臥位を保ち、自動血圧計を用いて5分ごとに血圧を測定した。PPHは収縮期血圧が観察時間内に20mmHg異常低下するものとした。
(b)ボグリボース負荷テスト
11名のPPH例(PD4例、MSA5例、DM1例、ES1例)ではブドウ糖負荷の10分前に200μgのボグリボースを経口摂取した上で、糖負荷テストを行った。ボグリボースの効果については、paired t-testを用いて検討した。
(3)結果
PD8名(72.7%)、MSA6名(100%)、DM3名(23.0%)にPPHがみられた。YSにはPPHを認めなかった(図1)。この血圧低下はボグリボースの経口摂取で有意な改善を認めた(p<0.01)(図2)。
以上より、ボグリボースを含むα−グルコシダーゼインヒビターが、PPHの改善に非常に有効であることが見出された。
PPHは自律神経疾患で高率に観察されるのみでなく、健常高齢者の30%あまりに見られることが知られている。しかも、PPHは、めまい、失神等の生体にとって所望されない状態のみでなく、日本人3大死因の内の2つである心筋梗塞、脳梗塞を含む各種疾患を誘発する場合があり、有効な対処が必要である。本発明者らは、背景とする病態にかかわらず、α−グルコシダーゼインヒビターが有意にPPHを改善することを見出した。本発明は、例えば、高齢化社会に突入した日本、あるいは今後高齢化社会に突入するであろう外国におけるヒトの健康維持のため、多いに貢献するものである。
Claims (12)
- α−グルコシダーゼインヒビターを含む、正常な血糖値を有する被験体において食後に生じる血圧降下の改善剤。
- 食後に生じる血圧降下が食後低血圧である、請求項1記載の剤。
- 食後低血圧が神経疾患又は心疾患の患者における食後低血圧である、請求項1記載の剤。
- 神経疾患が自律神経疾患又は神経変性疾患である、請求項3記載の剤。
- 食後に生じる血圧降下が高齢者において食後に生じる血圧降下である、請求項1記載の剤。
- 食後に生じる血圧降下が健常者において食後に生じる血圧降下である、請求項1又は5記載の剤。
- α−グルコシダーゼインヒビターがボグリボースである、請求項1〜6のいずれか1項記載の剤。
- α−グルコシダーゼインヒビターを含む、神経変性疾患の患者において食後に生じる血圧降下の改善剤。
- 神経変性疾患がパーキンソン病又は多系統萎縮症である、請求項8記載の剤。
- α−グルコシダーゼインヒビターを含む、食後低血圧により誘発される疾患又は状態の予防剤。
- 食後低血圧により誘発される疾患が、心筋梗塞、脳梗塞、狭心症、虚血性腸疾患、末梢循環不全症、めまい症、不眠症、頭痛症および不整脈からなる群より選択される、請求項10記載の剤。
- 食後低血圧により誘発される疾患又は状態が、正常な血糖値を有する被験体又は神経変性疾患の患者において食後低血圧により誘発される疾患又は状態である、請求項10記載の剤。
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Title |
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JPN6010074577, 日本老年医学会雑誌, 2004, Vol.41, pp.351−2 * |
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