JP2006327112A - 延伸フィルムの製法 - Google Patents

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忠 滝澤
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Abstract

【課題】 液晶表示装置などに用いる位相差フィルム、特に視野角改善やコントラスト改善に使用される光学補償フィルムに好適な、面内方向レターデーション及び厚み方向レターデーションの面内ばらつきが小さく、幅広の同時二軸延伸フィルムを高速で製造する方法を提供する。
【解決手段】 長尺の原反フィルムの両側端を複数の把持手段で把持し、原反フィルムを長手方向に移動させながら、原反フィルムの幅方向の把持手段間隔と原反フィルムの長手方向の把持手段間隔とを、フィルム長手方向の移動に連関させて広げることで、原反フィルムを延伸し、延伸されたフィルムの厚み方向レターデーションの分布を測定し、測定された厚み方向レターデーションの分布と目的とする厚み方向レターデーションの分布とを対比し、その対比の結果に基づいてフィルム長手方向移動速度を調整することによって延伸フィルムを得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶表示装置などに用いる位相差フィルム、特に視野角改善やコントラスト改善に使用される光学補償フィルムに好適な延伸フィルムの製法に関し、詳細には、面内レターデーション及び厚み方向レターデーションの面内ばらつきが小さく、幅広の同時二軸延伸フィルムを高速で製造する方法に関する。
パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等の種々の画面表示には複屈折性を利用した高コントラストな液晶表示装置が使用されている。かかる液晶表示装置では、光源からの光が偏光板により直線偏光となり、その入射光が液晶セルによる複屈折で楕円偏光となるが、それを偏光板を介して見た場合に黄色ないし青色に着色するために、ディスプレイの視認性が低下する問題がある。そのため、液晶セル透過後の楕円偏光を直線偏光に戻して着色を防止すべく、液晶セルの複屈折による位相差を補償する手段として、液晶セルと偏光板の間に延伸フィルムからなる位相差板(光学補償フィルム)を介在させる方式が提案されている。
例えば、VA(Vertical Alignment)型液晶の視野角特性(位相差の角度依存性)を光学補償するための位相差板としてネガティブレターダー(フィルム面内の主屈折率nx、ny、フィルム厚さ方向の主屈折率nz、フィルム厚みdとした場合にnx≧ny>nz、Re/Rth<1の関係を有するフィルム;Re=d×(nx−ny)、Rth=d×((nx+ny)/2−nz)。)が知られている。このネガティブレターダーは、正の固有複屈折性を有する樹脂フィルムを二軸方向に配向させることによって得ることができる。フィルムを二軸方向に配向させる方法として二軸延伸方法が知られている。
特許文献1には、熱可塑性樹脂フィルムを縦方向と横方向に同時二軸延伸する光学補償フィルムの製造方法が開示されている。この方法によれば、面内方向レターデーション値(Re=(nx−ny)×d)が0〜500nm、厚み方向のレターデーション値(Rth’=(nx−nz)×d)が0〜500nm、Re/Rth’<1である光学補償フィルムが得られることが記載されている。また、特許文献2には、ノルボルネン系樹脂からなる特定のダイラインを有するフィルムを縦方向と横方向共に延伸倍率1.3倍以上で二軸延伸する光学補償フィルムの製法が開示されている。二軸延伸においてはパンタグラフ式テンター延伸機(特許文献4又は特許文献5参照)、スクリュー式テンター延伸機、リニアモーター式テンター延伸機などを用いて同時二軸延伸することが開示されている。しかしながら、特許文献1又は特許文献2に記載されている技術だけでは、面内方向レターデーション及び厚み方向レターデーションの面内ばらつきが大きく、幅広の延伸フィルムを高速で得ることはできなかった
延伸フィルムの厚み、配向度を高速において均一に保つ延伸フィルムの製法が特許文献3に記載されている。特許文献3の製法は、成形材料を溶融する工程を有し、前記成形材料を未延伸フィルムに成形するダイを有する押出工程と、前記ダイにより成形した未延伸フィルムを冷却し、原反を形成する原反成形工程と、この冷却された原反を低速ロールと高速ロールとで縦方向に延伸する縦延伸工程と、縦延伸したフィルムの両端を把持して横方向に延伸する横延伸工程とを備えた延伸フィルム製造方法において、前記縦延伸工程又は前記横延伸工程後におけるフィルムの厚みをリアルタイムに測定する厚み測定工程と、前記横延伸工程後におけるフィルムの配向度をリアルタイムに測定する配向度測定工程とを有し、前記厚み測定工程により測定された厚みに相当する信号を計算工程へと出力し、前記配向度測定工程により測定された配向度に相当する信号を計算工程へと出力し、前記計算工程は、あらかじめ設定した厚みと前記測定した厚みとを比較演算するとともに、あらかじめ設定した配向度と前記測定した配向度とを比較演算し、前記各比較演算結果に基づいてあらかじめ設定した目標値に合致させるように、縦延伸を施す際の縦延伸比率又は横延伸を施す際の横延伸比率を変更する制御信号を出力し、この信号によって延伸状態を制御することを特徴とするものである。しかし、特許文献3の方法では、後に行う横延伸工程又は縦延伸工程において、先に行った縦延伸工程又は横延伸工程での配向が熱によって緩和して、後に行う延伸による配向が先に行った延伸による配向よりも強く現れるため、厚さ方向のレターデーションを大きくしてRe/Rth<1とするためには低温で延伸しなければならない。低温での延伸を安定的にまた面内でのばらつきが無く行える延伸条件範囲は非常に狭く、工業的生産においては、そのような狭い延伸条件範囲でコントロールすることは困難である。
特開2002−196134号公報 特開2005−43740号公報 特開平11−10728号公報 特開昭63−42839号公報 特開2004−195712号公報
本発明の目的は、液晶表示装置などに用いる位相差フィルム、特に視野角改善やコントラスト改善に使用される光学補償フィルムに好適な、面内方向レターデーション及び厚み方向レターデーションの面内ばらつきが小さく、幅広の同時二軸延伸フィルムを高速で製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、長尺の原反フィルムの両側端を複数の把持手段で把持し、原反フィルムを長手方向に移動させ、 前記原反フィルムの幅方向の把持手段間隔と前記原反フィルムの長手方向の把持手段間隔とを、フィルム長手方向の移動に連関させて広げることにより、前記原反フィルムを延伸して、延伸フィルムを得、 前記延伸フィルムの厚み方向レターデーションの分布を測定し、 測定された厚み方向レターデーションの分布と目的とする厚み方向レターデーションの分布とを対比し、 その対比の結果に基づいてフィルム長手方向移動速度を調整することによって、面内方向レターデーション及び厚み方向レターデーションの面内ばらつきが小さく、幅広の同時二軸延伸フィルムを高速で製造することができることを見出した。本発明者らはこの知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。なお、ここで厚み方向レターデーションは計算方法によってRthとRth’などがあるが、本発明においてはどちらを用いてもよい。
かくして本発明によれば、(1) 長尺の原反フィルムの両側端を複数の把持手段で把持し、原反フィルムを長手方向に移動させ、前記原反フィルムの幅方向の把持手段間隔と前記原反フィルムの長手方向の把持手段間隔とを、長手方向の移動に連関させて広げることにより、前記原反フィルムを延伸して、延伸フィルムとする工程、
前記延伸フィルムの厚み方向レターデーションの分布を測定する工程、
測定された厚み方向レターデーションの分布と目的とする厚み方向レターデーションの分布とを対比する工程、及び
その厚み方向レターデーションの分布の対比結果に基づいて、前記フィルム長手方向移動速度を調整する工程を有する
延伸フィルムの製法が提供される。
本発明の好適な態様として(2)さらに、前記厚み方向レターデーションの分布の対比結果に基づいて、把持手段間隔を幅方向に広げるときに左右の把持手段の広げ幅を調整する工程を有する前記の延伸フィルムの製法。
(3)さらに、前記厚み方向レターデーションの分布の対比結果に基づいて、把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔を調整する工程を有する前記の延伸フィルムの製法。
(4)さらに、延伸フィルムの面内方向レターデーションの分布を測定する工程、、
測定された面内方向レターデーションの分布と目的とする面内方向レターデーションの分布とを対比する工程、及び面内方向レターデーション分布の対比結果に基づいて、前記フィルム長手方向移動速度、把持手段間隔を幅方向に広げるときの左右把持手段の広げ幅及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔を調整する工程を有する前記の延伸フィルムの製法。
(5)さらに、延伸されたフィルムの厚み分布を測定する工程、
測定された厚み分布と目的とする厚み分布とを対比する工程、及び厚み分布の対比結果に基づいて、フィルム長手方向移動速度、把持手段間隔を幅方向に広げるときの左右把持手段の広げ幅及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔を調整する工程を有する前記の延伸フィルムの製法。
(6)さらに前記延伸時の温度分布を±0.5℃の範囲の雰囲気に調整する工程を有する前記の延伸フィルムの製法。
(7)さらに、前記フィルム長手方向移動速度の調整を三万分の1度の回転精度を持つ駆動装置で調整する工程を有する前記の延伸フィルムの製法。
(8)さらに、フィルムを把持する把持手段部分を暖める工程を有する前記の延伸フィルムの製法。
(9)長尺の原反フィルムの両側端を複数の把持手段で把持し、原反フィルムを長手方向に移動させ、前記原反フィルムの幅方向の把持手段間隔と原反フィルムの長手方向の把持手段間隔とを、フィルム長手方向の移動に連関させて広げることで、前記原反フィルムを延伸して、延伸フィルムとする工程、
前記延伸フィルムの厚み方向レターデーションの分布、厚み分布及び/又は面内方向レターデーションの分布を測定する工程、
フィルム長手方向移動速度の時系列データ、把持手段間隔を幅方向に広げるときの左右把持手段の広げ幅の時系列データ及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔の時系列データと、
測定された厚み方向レターデーションの分布の時系列データ、測定された厚み分布の時系列データ及び/又は、測定された面内方向レターデーションの分布の時系列データと、
から延伸フィルム製造時の伝達関数モデルを構築する工程、
フィルム長手方向移動速度、把持手段間隔を幅方向に広げるときの左右把持手段の広げ幅及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔を調整したことによって生じる将来の、厚み方向レターデーションの分布、厚み分布及び/又は面内方向レターデーションの分布を前記伝達関数モデルによって予測する工程、及び
その予測結果と、目的とする厚み方向レターデーションの分布、厚み分布及び/又は面内方向レターデーションの分布とを対比し、その対比結果に基づいて、フィルム長手方向移動速度、把持手段間隔を幅方向に広げるときの左右把持手段の広げ幅及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔を調整する工程を有する延伸フィルムの製法が提供される。
本発明の製造方法によれば、配向の熱緩和による、複屈折率の低下が少なく、厚み方向レターデーションの絶対値が大きいフィルムを容易に得ることができる。また、面内方向レターデーション及び厚み方向レターデーションの面内ばらつきが小さく、且つ厚みむらが小さく、幅広の同時二軸延伸フィルムを得ることができるので、両側部分のトリミング幅が少なくて済み、無駄になるフィルムが削減できる。さらに、面内方向レターデーション、厚み方向レターデーションの面内ばらつき、及び厚みむらを、製造開始から短時間で小さくでき、延伸条件の最適値を探し当てる間に浪費される原反フィルムの量が少なくて済むので、液晶表示装置などに用いる位相差フィルム、特に視野角改善やコントラスト改善に使用される光学補償フィルムの工業的生産に好適である。
本発明の延伸フィルムの製法は、長尺の原反フィルムの両側端を複数の把持手段で把持し、前記原反フィルムを長手方向に移動させ、前記原反フィルムの幅方向の把持手段間隔と原反フィルムの長手方向の把持手段間隔とを、フィルム長手方向の移動に連関させて広げることにより、前記原反フィルムを延伸して、延伸フィルムとする工程、前記延伸フィルムの厚み方向レターデーションの分布を測定する工程、測定された厚み方向レターデーションの分布と目的とする厚み方向レターデーションの分布とを対比する工程、その厚み方向レターデーションの分布の対比結果に基づいてフィルム長手方向移動速度を調整する工程を有するものである。
本発明に用いる長尺の原反フィルムは、透明樹脂からなるフィルムである。透明樹脂とは、所望の波長に対して透明な樹脂である。透明樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられるが、本発明においては、脂環構造含有重合体樹脂が好ましい。本発明に用いる脂環構造含有重合体樹脂は、主鎖及び/または側鎖に脂環構造を有する重合体である。機械的強度や耐熱性などの観点から、主鎖に脂環構造を含有する樹脂が好適である。脂環構造としては、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造などが挙げられるが、機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造が好ましい。また、脂環構造としては、単環、多環、縮合多環、橋架け環などが挙げられる。脂環構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性、及び成形性の諸特性が高度にバランスされ好適である。また、本発明で使用される脂環構造含有重合体樹脂は、通常、熱可塑性のものである。
脂環構造含有重合体樹脂は、通常、脂環構造を有するオレフィン(以下、脂環式オレフィンということがある。)由来の繰り返し単位を含有する。脂環構造含有重合体樹脂中における脂環式オレフィン由来の繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常30〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%である。脂環式オレフィン由来の繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性に劣り好ましくない。脂環式オレフィン由来の繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
また、脂環構造含有重合体樹脂は、極性基を有するものであってもよい。極性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、カルボン酸無水物残基、アミド基、イミド基などが挙げられ、特に、エステル基、カルボキシル基又はカルボン酸無水物残基が好適である。
脂環構造含有重合体樹脂は、通常、脂環式オレフィンを付加重合又は開環重合し、そして必要に応じて不飽和結合部分を水素化することによって、或いは芳香族オレフィンを付加重合し、そして該重合体の芳香環部分を水素化することによって得られる。また、極性基を有する脂環構造含有重合体樹脂は、例えば、前記脂環構造含有重合体樹脂に極性基を有する化合物を変性反応により導入することによって、あるいは極性基を含有する単量体を共重合成分として共重合することによって得られる。
脂環構造含有重合体樹脂を得るために使用される脂環式オレフィンとしては、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、テトラシクロ〔7.4.0.110、13.02、7〕トリデカ−2,4,6,11−テトラエンなどの多環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4、7−メタノ−1H−インデン、シクロヘプテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの単環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。これら環状オレフィンには置換基として極性基を有していてもよい。芳香族オレフィンとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。脂環式オレフィン及び/又は芳香族オレフィンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂環式オレフィン又は芳香族オレフィンと共重合可能な単量体を必要に応じて付加共重合させることができる。その具体例として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン等が挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂環式オレフィン又は/及び芳香族オレフィンの重合は公知の方法に従って行うことができる。
重合温度、圧力等は特に限定されないが、通常−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kgf/cmの重合圧力で重合させる。水素化反応は、公知の水素化触媒の存在下で、水素を吹き込んで行う。
脂環構造含有重合体樹脂の具体例としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素化物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物(エチレンや、α−オレフィンなど)との付加重合体、単環シクロアルケンの重合体、脂環式共役ジエン系単量体の重合体及びその水素化物、ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素化物などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素化物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物(=エチレンやα−オレフィンなど)との付加重合体、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素化物が好ましく、特にノルボルネン系単量体の開環重合体の水素化物が好ましい。なお、ノルボルネン系単量体とは、ノルボルネン環を有する化合物を指す。
前記の脂環構造含有重合体樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いる透明樹脂は、その分子量によって特に制限されない。透明樹脂の分子量は、シクロヘキサンまたはトルエンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜250,000の範囲である。透明樹脂の重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときには、耐熱性、接着性、表面平滑性などがバランスされ好適である。
透明樹脂の分子量分布は、シクロヘキサンまたはトルエンを溶媒とするGPCで測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で、通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。透明樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好ましくは70℃以上、より好ましくは120℃以上、最も好ましくは140℃以上である。本発明に用いる透明樹脂は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などを適宜配合したものであってもよい。
本発明に用いる原反フィルムは、単層フィルムであってもよいし、二種以上の樹脂を積層してなる多層フィルムであってもよい。多層フィルムの具体例としては、負の固有複屈折性を有する透明樹脂の層と、正の固有複屈折性を有する透明樹脂の層とからなる多層フィルムが挙げられる。また原反フィルムは既に延伸されたものであってもよい。
また原反フィルムは、その製法によって特に制限されず、キャスト成形法、押出成形法などの公知のフィルム成形法によって得られたものを用いることができる。
次に本発明の製造方法において上記原反フィルムをどのように延伸するか図面をもって説明する。図1は本発明製法に用いることができる同時二軸延伸機の一実施の形態を示す平面図である。
図1の同時二軸延伸機は、パンタグラフ式テンター延伸機と呼ばれるものである。その他の同時二軸延伸機としてはスクリュー式テンター延伸機、リニアモーター式テンター延伸機などがあるが、把持手段間隔を広げるための駆動方式が相違するだけである。したがって、本発明の製法には、いずれの方式の同時二軸延伸機でも適用が可能である。
例えば図1の同時二軸延伸機では、原反フィルム1の端部を把持する複数の把持手段2を原反フィルム1の両側端に具備し、折尺状に形成された複数個の等長リンク装置より構成された無端リンク装置(図中リンクの一部並びに片側の無端リンクは省略)3を設け、該無端リンク装置3を原反フィルム1の入口側スプロケット4で駆動することにより進行方向(図1では左から右へ)に末広がり状に配置されたガイドレール5、6、7および8に案内されて上記把持手段2の間隔を徐々に拡大させて前記端部が把持された原反フィルム1を縦横二方向に同時に延伸させ延伸フィルム10を得、さらに該延伸後延伸フィルム10の端部を前記把持手段2から外して上記無端リンク装置3を出口側スプロケット9により駆動して上記入口側スプロケット4に戻るように構成されている。
本発明製法に好適に用いられる同時二軸延伸機は、左右(図1中は上下)のガイドレール5及び6の間、7及び8の間にパンタグラフの各節を支持する部材がガイドレール長手方向に移動可能に挟持されている。ガイドレール5及び6の一組と、ガイドレール8及び7の一組とは独立にスライドすることができ、このスライドによってできるレールレイアウトによってMD方向(フィルム長手方向)の把持手段間隔の広がり方、TD方向(フィルム幅方向)の把持手段間隔の広がり方を調整できるようになっている。
すなわち、ガイドレール6とガイドレール8との間の距離が変わるとパンタグラフの開き幅が変化し、パンタグラフの先に付いている把持手段のMD方向間隔が調整できる。ガイドレール6とガイドレール8との間の距離が長くなるとリンク装置3のパンタグラフが閉じMD方向把持手段間隔が狭くなる。逆にガイドレール6とガイドレール8との間の距離が短くなるとリンク装置3のパンタグラフが開きMD方向把持手段間隔が長くなる。各ガイドレールは独立にスライド移動できるので、図中上側のガイドレール6とガイドレール8との間の距離と、図中下側のガイドレール6とガイドレール8との間の距離とを独立に調整し、図1中の上側のMD方向把持手段間隔の広がり方と下側のMD方向把持手段間隔の広がり方を同じにすることもできるし、異ならせることもできる。
一方、左右のガイドレール5のTD方向間の距離によって、把持手段のTD方向間隔が調整できる。各ガイドレールは独立にスライド移動できるので、図中上側のガイドレール5のTD方向上側への広がり幅(図1中におけるt1)と、下側のガイドレール5のTD方向下側への広がり幅(図1中におけるt2)とを同じにすることもできるし、異ならしめることもできる。
ガイドレール6とガイドレール8との間の距離及び上下のガイドレール5のTD方向間の距離が変化開始する場所及び変化が終了する場所は同じ場所でも良いし、異なる場所でもよい。変化開始場所又は変化終了場所が同じであれば、MD方向及びTD方向の延伸が同時期に始まり同時期に終了する。変化開始場所又は変化終了場所が異なる場合、MD方向及びTD方向の延伸開始と延伸終了の時期をずらすことができる。
把持手段2の間隔は、ガイドレールの配置によってほぼ決まるので、このガイドレール上をリンク装置3が移動する速度、すなわちフィルム長手方向移動速度を変化させることによって、把持手段間隔の広がり速度、広がり方などがフィルム長手方向の移動に連関して変化するようになっている。
上記の方法で原反フィルム1を延伸し、延伸フィルム10を得、次に延伸フィルム10の厚み方向レターデーションの分布、必要に応じて面内方向レターデーション分布及び厚み分布を測定する。測定は、延伸フィルム10の端部を把持手段2から外す前に行ってもよいが、より正確な値を求めるために、把持手段から外した後に行うことが好ましい。
厚み方向レターデーション、面内方向レターデーション及び厚みは、フィルムのMD方向に分布を有していることが多いので、MD方向の分布を測定する。そして、これら測定値と、目的とする厚み方向レターデーションの分布、必要に応じて面内方向レターデーション分布及び厚み分布とを対比し、その対比の結果に基づいてフィルム長手方向移動速度を調整する。本発明製法では入口側のフィルム長手方向移動速度と出口側のフィルム長手方向移動速度が異なる。出口側、すなわち延伸フィルムの長手方向移動速度を調整してもよいが、MD方向の延伸倍率によって出口側の長手方向移動速度は変化しやすいので、入口側、すなわち原反フィルムの長手方向移動速度で調整するのが好ましい。
本発明においては、フィルム長手方向移動速度は、通常5〜50m/分、好ましくは10〜30m/分の範囲である。フィルム長手方向移動速度は、厚み方向レターデーションの分布、必要に応じて面内方向レターデーション分布及び厚み分布を調整する重要な因子であるので、移動速度を調整する装置として、好ましくは三万分の1度の回転精度を持つ駆動装置を用いることが好ましい。
本発明の製法においては、厚み方向レターデーションの分布の対比結果、必要に応じて面内方向レターデーション分布の対比結果及び厚み分布の対比結果に基づいて、把持手段間隔を幅方向に広げるときの左右の把持手段の広げ幅(図1中のt1及びt2)を調整することが好ましい。すなわち、図1中の上側のガイドレール5及び6のTD方向上側への広がり角度を、下側のガイドレール5及び6のTD方向下側への広がり角度よりも大きくすることができ、逆に上側のガイドレール5及び6のTD方向上側への広がり角度を、下側のガイドレール5及び6のTD方向下側への広がり角度よりも小さくすることができる。面内配向方向はTD方向に対して所望の角度(たとえば平行)になることが好ましいが、いわゆるボーイング現象などによって面内配向方向が弓形になったり、斜めになったりする。把持手段間隔を幅方向に広げるときの左右の把持手段の広げ幅(図1中のt1及ぶt2)を調整することによって、上記の面内配向方向の分布を修正できる。
さらに、厚み方向レターデーションの分布の対比結果、必要に応じて面内方向レターデーション分布の対比結果及び厚み分布の対比結果に基づいて、把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔を調整することが好ましい。延伸に用いる把持手段の間隔は、TD方向(幅方向)に通常1.1〜3.0倍、好ましくは1.2〜2.0倍の範囲で広げ、MD方向(長手方向)に通常1.1〜3.0倍、このましくは1.2〜2.0倍の範囲で広げる。
なお、フィルム長手方向移動速度、左右の把持手段の広げ幅及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔の調整は、コンピュータなどを利用して自動的に行ってもよいし、手動で行ってもよい。
たとえば、状態量である、厚み方向レターデーションの分布x1、面内方向レターデーション分布x2及び厚み分布x3と、操作量である、フィルム長手方向移動速度u1、左右の把持手段の広げ幅u2及び把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔u3とは、それぞれ相互に関連しているので、x1、x2及びx3のいずれかの複数の状態量を制御するためには、u1、u2及びu3のいずれかの操作量との関係を数1のごとき行列式などによって線形化し、干渉が起きないような伝達関数を構築することが好ましい。
Figure 2006327112
数2はPID制御の一例を示す行列式である。数1によって、目標値h1、h2及びh3と状態量x1、x2及びx3との差に対し、比例成分(P)、積分成分(I)、微分成分(D)、にそれぞれゲインD、E及びFを掛けて、それらを総和したもので操作量u1、u2及びu3を調整することができる。
Figure 2006327112
数1及び数2中のi及びjは、デジタル時系列データの引数である。図2は一般的なフィードバック制御システムの一例を示したブロック図である。状態量xを観測し、それを目標値hと対比し操作量uをシステムに入力することを示している。
フィルムが通過する延伸機内は、原反フィルム2を延伸するに適した温度に加温する予熱区間(図1中のA区間)と、把持手段間隔が広がって延伸が行われる延伸区間(図1中のB区間)と、延伸されたフィルム10の延伸状態を安定化させるための固定区間(図1中のC区間)とに大きく分けられる。それぞれの区間での温度は、特に制限されないが、A区間では通常Tg−5℃〜Tg+20℃、好ましくはTg−3℃〜Tg+15℃、B区間では通常Tg−5℃〜Tg+20℃、好ましくは Tg−3℃〜Tg+15℃、C区間では通常Tg−5℃〜Tg+20℃、好ましくはTg−3℃〜Tg+15℃に調整される。各区間は恒温状態に保たれていることが好ましく、具体的には温度分布が±0.5℃の範囲にある雰囲気中であることが好ましい。
なお、C区間では、通常把持手段間隔を変化させないが、必要に応じて、把持手段間隔を微小変化させることができる。この微小変化によって、面内方向レターデーション、厚み方向レターデーションの微調整ができる。たとえば、C区間においてTD方向の把持手段間隔をわずかに末窄み状態になるようにすることで、面内配向方向の分布を調整することができる。
本発明の製造方法において、フィルムを把持手段で把持し把持手段間隔を広げると、フィルムの把持手段で把持していない部分が弓なりに括れる現象が起きる。この括れが極端に大きくなると、フィルム両端部の厚み方向レターデーションの分布、面内方向レターデーション分布及び厚み分布の調整ができなくなり、その部分を切り落として使わなければならなくなる。そこで、本発明においては、さらに、フィルムを把持する把持手段部分を暖めることが好ましい。把持手段部は他の部分と比べ熱容量が異なるので延伸機内がたとえ恒温状態になっていても、把持手段部だけがなかなか温度が高くならないことがある。把持手段部を暖めることによって、この括れ現象を抑え、切り落とさなければならない部分を少なくすることができる。
把持手段から外した後の測定値に基づいてフィードバック制御したのでは制御遅れが大きくなり、フィルム特性を目標値に安定化するのに時間を要する場合がある。一方、把持手段から外す前に測定すると把持手段2による張力がまだ残っているのでその張力分を考慮して測定値を評価する必要がある。そこで、延伸フィルムの特性伝達関数を求め、それに基づいて、把持手段から外した後の値を推測し、その推測値に基づいて暫定的に操作量を決め、その操作量でフィードバック制御を暫定的に行い、把持手段から外した後の測定値(正確であると思われる値)が得られた後で確定的操作量を決め、暫定的操作量を修正するという手法をとることができる。
また、たとえば、延伸されたフィルムの厚み方向レターデーションの分布、厚み分布及び/又は面内方向レターデーションの分布を測定し、フィルム長手方向移動速度の時系列データ、左右の把持手段の広げ幅の時系列データ及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔の時系列データと、測定された厚み方向レターデーションの分布の時系列データ、測定された厚み分布の時系列データ及び/又は測定された面内方向レターデーションの分布の時系列データと、から延伸フィルム製造時の伝達関数モデルを構築する。伝達関数モデルとしては移動平均モデルや、最小二乗モデルなどを挙げることができる。この伝達関数モデルを使って、現時点iでの操作量(フィルム長手方向移動速度、把持手段の広がり角度及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔)u0から、次時点i+1での状態量x1’(厚み方向レターデーションの分布、厚み分布及び/又は面内方向レターデーションの分布)を予測し、その予測結果と、目的とする厚み方向レターデーションの分布、厚み分布及び/又は面内方向レターデーションの分布とを対比し、その対比結果に基づいて、操作量u1(フィルム長手方向移動速度、把持手段の広がり角度及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔)を調整する。そして、次時点i+1での真の状態量(フィルムの厚み方向レターデーションの分布、厚み分布及び/又は面内方向レターデーションの分布の測定値)x1が求められた時点で、u1とx1とを加えた新しい時系列データに基づいて、新しい伝達関数モデルを構築し直し、このモデルを使って上記操作を繰り返す。図3は伝達関数モデルを使ったオブザーバーで構築された制御システムの一例を示すブロック図である。操作量uと状態量xとの関係をモデル化した伝達関数に操作量uを入力して次の状態量x’を推定し、この推定値と目標値hとを対比し、新たな操作量uをシステムに入力することを示している。そして、真の状態量xを伝達関数に反映させていることを示している。このような方法をとることによって、測定に要する時間の制御遅れを最小限に抑えることができる。また伝達関数モデルの学習度が高くなれば、真の状態量を測定することなく、制御することが可能になる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。また、部および%は、特に記載のない限り重量基準である。
実施例
図1に示すような同時二軸延伸機を用いて、厚さ200μm、幅440mm、面内方向レターデーション40nm未満の原反フィルムを厚み方向レターデーション(Rth)130nm、面内方向レターデーション(Re)50nm、Reの分布±5nm、Rthの分布±5nm、および厚みの分布±1nmを目標値にして同時二軸延伸した。
同時二軸延伸開始時の設定値(初期値)は、左右の広がり幅t1とt2は同じ、MD方向最大広がり間隔(FDR)1.5倍、TD方向最大広がり間隔(SDR)1.5倍、A区間温度148℃、B区間温度148℃、C区間温度148℃、ライン速度18m/分であった。
前記初期値で同時延伸を開始し、延伸機から出てきたフィルムの厚み方向レターデーションをオンライン測定装置「KOBRA−WIS/RT(王子計測製)」で、面内方向レターデーションをオンライン測定装置「KOBRA−WI(王子計測製)」で、厚さをオンライン測定装置「KURABO RX−100(倉敷紡績製、赤外線膜厚計)」で測定した。その測定値と目標値との差を求め、その差に基づいてPID制御で、MD方向最大広がり間隔、TD方向最大広がり間隔、A区間温度、B区間温度、C区間温度及びライン速度の調整をした。
目標値である厚み方向レターデーション130nm及び面内方向レターデーション50nmのフィルムが安定的に得られるようになったのは、同時二軸延伸の制御を開始してから35ステップ後であった。このPID制御では、MD方向最大広がり間隔は1.5倍のままで変わらず、TD方向最大広がり間隔が1.5〜1.7倍の間で調整され、倍率が増えると面内レターデーションが大きくなり、倍率が減ると面内レターデーションが小さくなる傾向を示し、安定したときには1.6倍付近になっていた。A区間温度、B区間温度、C区間温度はわずかに調整され、安定したときにはすべて149℃になっていた。ライン速度は、12〜26m/分の間で調整され、ライン速度が速くなると厚み方向レターデーションが大きくなり、ライン速度が遅くなると厚み方向レターデーションが小さくなる傾向を示し、安定したときには24m/分付近になっていた。また、この実施例ではt1及びt2はほとんど調整されなかった。
表1は、操作量uと状態量xの経時変化の一部を示したものである。状態量xが目標値に一致するように操作量uが変更され、目標値に次第に近づいていく様子がわかる。表1では14ステップまでのデータが示されているだけであるが、その後も操作量uは微調整され、同時二軸延伸機周辺の環境変動等による外乱が生じても状態量を目標値に即座に調整できた。
Figure 2006327112
本発明製法に用いることができる同時二軸延伸機の一実施の形態を示す平面図。 本発明製法に用いる制御システムの一例を示すブロック図。 本発明製法に用いる制御システムの別の一例を示すブロック図。
符号の説明
1:原反フィルム
2:把持手段
3:無端リンク装置
4:入口側スプロケット
5、6、7、8:ガイドレール
9:出口側スプロケット
10:延伸フィルム
A:予熱区間
B:延伸区間
C:固定区間
h:目標値
u:操作量
x:状態量
x’:伝達関数モデル推定状態量

Claims (9)

  1. 長尺の原反フィルムの幅方向の両側端を複数の把持手段で把持し、前記原反フィルムをその長手方向に移動させ、前記原反フィルムの幅方向の把持手段間隔と前記原反フィルムの長手方向の把持手段間隔とを、フィルム長手方向への移動に連関させて広げることにより、前記原反フィルムを延伸して、延伸フィルムとする工程、
    前記延伸フィルムの厚み方向レターデーションの分布を測定する工程、
    測定された厚み方向レターデーションの分布と目的とする厚み方向レターデーションの分布とを対比する工程、及び、
    その厚み方向レターデーションの分布の対比結果に基づいてフィルム長手方向移動速度を調整する工程を有する、
    延伸フィルムの製法。
  2. さらに、前記厚み方向レターデーションの分布の対比結果に基づいて、把持手段間隔を幅方向に広げるときに左右の把持手段の広げ幅を調整する工程を有する請求項1記載の延伸フィルムの製法。
  3. さらに、前記厚み方向レターデーションの分布の対比結果に基づいて、把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔を調整する工程を有する請求項1又は2記載の延伸フィルムの製法。
  4. さらに、延伸フィルムの面内方向レターデーションの分布を測定する工程、
    測定された面内方向レターデーションの分布と目的とする面内方向レターデーションの分布とを対比する工程、及び、面内方向レターデーションの分布の対比結果に基づいて、前記フィルム長手方向移動速度、把持手段間隔を幅方向に広げるときの左右把持手段の広げ幅及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔を調整する工程を有する請求項1〜3のいずれかに記載の延伸フィルムの製法。
  5. さらに、延伸フィルムの厚み分布を測定する工程、
    測定された厚み分布と目的とする厚み分布とを対比する工程、及び厚み分布の対比結果に基づいて、フィルム長手方向移動速度、把持手段間隔を幅方向に広げるときの左右把持手段の広げ幅及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔を調整する工程を有する請求項1〜4のいずれかに記載の延伸フィルムの製法。
  6. さらに前記延伸時の温度分布を±0.5℃の範囲の雰囲気に調整する工程を有する請求項1〜5のいずれかに記載の延伸フィルムの製法。
  7. さらに前記フィルム長手方向移動速度の調整を三万分の1度の回転精度を持つ駆動装置で調整する工程を有する請求項1〜6のいずれかに記載の延伸フィルムの製法。
  8. さらに、フィルムを把持している把持手段を暖める工程を有する請求項1〜7のいずれかに記載の延伸フィルムの製法。
  9. 長尺の原反フィルムの両側端を複数の把持手段で把持し、原反フィルムを長手方向に移動させ、前記原反フィルムの幅方向の把持手段間隔と原反フィルムの長手方向の把持手段間隔とを、フィルム長手方向の移動に連関させて広げることで、前記原反フィルムを延伸して、延伸フィルムとする工程、
    前記延伸フィルムの厚み方向レターデーションの分布、厚み分布及び/又は面内方向レターデーションの分布を測定する工程、
    フィルム長手方向移動速度の時系列データ、把持手段間隔を幅方向に広げるときの左右把持手段の広げ幅の時系列データ及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔の時系列データと、
    測定された厚み方向レターデーションの分布の時系列データ、測定された厚み分布の時系列データ及び/又は、測定された面内方向レターデーションの分布の時系列データと、
    から延伸フィルム製造時の伝達関数モデルを構築する工程、
    フィルム長手方向移動速度、把持手段間隔を幅方向に広げるときの左右把持手段の広げ幅及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔を調整したことによって生じる将来の、厚み方向レターデーションの分布、厚み分布及び/又は面内方向レターデーションの分布を前記伝達関数モデルによって予測する工程、及び
    その予測結果と、目的とする厚み方向レターデーションの分布、厚み分布及び/又は面内方向レターデーションの分布とを対比し、その対比結果に基づいて、フィルム長手方向移動速度、把持手段間隔を幅方向に広げるときの左右把持手段の広げ幅及び/又は把持手段の幅方向若しくは長手方向の最大広がり間隔を調整する工程を有する 延伸フィルムの製法。
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