JP2006323593A - コンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法及び温室効果ガス排出権活用システム - Google Patents

コンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法及び温室効果ガス排出権活用システム Download PDF

Info

Publication number
JP2006323593A
JP2006323593A JP2005145628A JP2005145628A JP2006323593A JP 2006323593 A JP2006323593 A JP 2006323593A JP 2005145628 A JP2005145628 A JP 2005145628A JP 2005145628 A JP2005145628 A JP 2005145628A JP 2006323593 A JP2006323593 A JP 2006323593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concrete
amount
greenhouse gas
gas
greenhouse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005145628A
Other languages
English (en)
Inventor
Tateo Mitsui
健郎 三井
Yasumasa Tsuji
泰正 辻
Hidehiko Ota
秀彦 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Komuten Co Ltd filed Critical Takenaka Komuten Co Ltd
Priority to JP2005145628A priority Critical patent/JP2006323593A/ja
Publication of JP2006323593A publication Critical patent/JP2006323593A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/80Management or planning
    • Y02P90/84Greenhouse gas [GHG] management systems
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/80Management or planning
    • Y02P90/84Greenhouse gas [GHG] management systems
    • Y02P90/845Inventory and reporting systems for greenhouse gases [GHG]

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

【課題】コンクリート全般に関して、その二酸化炭素吸収能力をさまざまな条件の下で客観的に確実に鑑定するための方法、及び、この鑑定方法を用いて二酸化炭素排出権を有効に活用できるシステムを提案することを目的とする。
【解決手段】コンクリート製の製品・構造物・廃材などのガス吸収素材が中性化反応により二酸化炭素などの温室効果ガスを吸収する能力を鑑定する方法であって、そのコンクリート製ガス吸収素材の属性に応じて、当該素材の製造当初のコンクリート含有量より、鑑定時Tから解体時乃至中性化反応完了時などの目標時Tまでの間に吸収する温室効果ガスの量を推測する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、コンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法及び温室効果ガス排出権活用システムに関する。
近年、二酸化炭素などの温室効果ガスが自然に与える影響が大きな問題としてクローズアップされている。即ち、地球温暖化防止京都会議で環境の温暖化を防止するため、国際規模で温室効果ガスの排出量の削減目標が定められ、又、この目標を達成する手段として二酸化炭素の排出権という概念が導入されている。この排出権とは、目標値以上の二酸化炭素排出削減を達成した企業に対して、その削減量に応じて与えられ、目標を達成できなかった企業に対して譲渡することが可能な権利である。
こうした状況の中で、産業全般に関して、特定の企業における二酸化炭素削減量を計測してこの計測値に基づく二酸化炭素排出権をインターネットなどのホームページに公開し、顧客端末機から購入可能としたシステム(特許文献1)や、管理サーバーのもとで二酸化炭素排出権取引市場を監視して最適な条件で排出権を売買し、清算をするシステム(特許文献2)が提案されている。
又、建築に関しては、二酸化炭素排出削減の前提として、特定の施設の建設、運営、及び廃棄の各段階において二酸化炭素の排出量を算出するシステムも提案されている(特許文献3)。
特開2004−362212号 特開2003−331088号 特開2004−126843号 特公平6−25010号 特公平6−78185号 岸谷孝一 「鉄筋コンクリートの耐久性」 鹿島建設技術研究所出版部 1963年
上記特許文献1乃至3に示すように二酸化炭素排出量の測定や排出権の取引に関しては既にさまざまなアイディアが提案されているが、肝心の二酸化炭素排出量の削減に関しては十分な成果が挙がっているとは言い難い。その原因は、どの企業も従来の二酸化炭素を排出するプロセスの中で排出量を減らそうとしているに過ぎず、この方法では他の企業に排出権を譲渡する程に二酸化炭素の排出量を削減することが難しいからである。国家全体で二酸化炭素の排出量を減らすためには、単純に個々の技術での排出量を低減するだけではなく、大気中の二酸化炭素を吸収し固定化することが有効であるが、こうしたプロセスに関しては主として森林による二酸化炭素の吸収などに頼っているのが現実である。
本出願人は、こうした状況に関して、コンクリート組成物からなる二酸化炭素固定化成形体、具体的には高い二酸化炭素吸収能力を有するコンクリートに係る発明の出願を行った(特願2005−84982号)。従来からコンクリート中の水酸化カルシウムが大気中の二酸化炭素と結合して(Ca(OH)+CO→CaCO3+HO)、二酸化炭素を固定することは良く知られている。この反応は「炭酸化」あるいは慣例的に「中性化」と呼ばれているが、以降は「炭酸化」と呼ぶことにする。この反応が進行すると、コンクリート中のアルカリ環境が炭酸化し、コンクリート中の鉄筋を腐食させるため、従来の時術者は専ら炭酸化反応を阻止することに努力していた。しかしながら、鉄筋の腐食に関しては予め防錆などの処理を施しておけば良く、又、本出願人の実験ではコンクリート自体の圧縮強度は炭酸化により失われないことが判っている。
こうした知見に基づき、本出願人は高二酸化炭素固定コンクリートを開発した。この発明の骨子は、当該コンクリートの表層部に、この表層部に対する総容積が所定%であって所定の大きさの複数空隙を形成して、大気中の二酸化炭素のコンクリート内部への拡散を促すことである。このアイディアにより、通常のコンクリートに比べて炭酸化速度係数が5〜20倍程度大きいコンクリートを製造することができており、しかも今後の改良によりその二酸化炭素吸収能力は更に高まるものと期待されている。しかしこうした二酸化炭素吸収素材を二酸化炭素排出規制ビジネスにつなげるためには、どのような条件で所定期間内にどの程度の二酸化炭素が吸収できるのかを客観的に評価し、その二酸化炭素吸収能力に即したビジネス形態を提案する必要がある。
そこで本発明は、コンクリート全般に関して、その二酸化炭素吸収能力をさまざまな条件の下で客観的に確実に鑑定するための方法、及び、この鑑定方法を用いて二酸化炭素排出権を有効に活用できるシステムを提案することを目的とする。
第1の手段は、コンクリート製の製品32・構造物34・廃材36などのガス吸収素材が炭酸化反応により二酸化炭素などの温室効果ガスを吸収する能力を鑑定する方法であって、そのコンクリート製ガス吸収素材の属性に応じて、当該素材の製造当初のコンクリート含有量より、鑑定時Tから解体時乃至炭酸化反応完了時などの目標時Tまでの間に吸収する温室効果ガスの量を推測することを特徴としている。
本手段は、コンクリートの炭酸化反応がコンクリートの属性に関係することに着目して、温暖化効果ガスの吸収量を推測しようとするものである。
「コンクリートの属性」としては、一般に水セメント比で表されるセメント含有量、より正確には炭酸化反応の反応物質である水酸化カルシウムの量が特に重要である。これにより理論上コンクリートが吸収し得る温室効果ガスの最大値が決まるからである。
しかしながら、コンクリートを温室効果ガス吸収素材として使用する場合に、温室効果ガスの排出量は年間何トンという形で規制されるため、当該コンクリートがどれくらいの速度で温室効果ガスを固定・吸収する能力があるかということが重要になる。当然の事ながら、温室効果ガスの固定化する速度は、セメント水和物中の温室効果ガスと反応する物質、例えば水酸化カルシウムに対して温室効果ガスが供給される量が多い程に大きくなるので、コンクリート中を温室効果ガスが拡散する速度の因子に左右される。拡散速度因子としては、コンクリートの物理的構造(例えば表層部における空隙の大きさと容積%など)の他、コンクリートの表面に使用される仕上げ材の種類(温室効果ガスの透過速度係数など)、コンクリートの表面面積(特に空気に接する表面部分の面積)などを挙げることができる。尚、「コンクリートの属性に応じて」とは、例えば炭酸化方程式に基づいて、鑑定対象期間内での炭酸化深さを算出する際に、上記炭酸化方程式にコンクリート属性因子を代入して計算を行うことをいう。
「ガス吸収素材」とは、少なくともコンクリートを主成分として温室効果ガスを吸収する能力を有する全ての素材をいうが、特に鑑定の対象として重要となるのは、生コンクリートを硬化させた2次製品、コンクリート構造物、コンクリート廃材などである。
「温室効果ガス」としては、二酸化炭素に限るものではなく、一般に温室効果を有しており、かつコンクリート中のセメント水和物と反応可能な酸性のガスであれば良い。例えば、亜硫酸ガスなどである。
本手段に係る発明では、鑑定時から目標時までの間に温室効果ガスを吸収する能力を鑑定する。例えばコンクリート製品では製造時から廃棄時まで、又、コンクリート構造物では建設時から解体時まで、更にコンクリート廃材にあっては、この廃材の発生時(或いは2次利用の用途に使われ出したとき)から炭酸化反応終了時までという如く期間を限定して温室効果ガスを吸収する量を推定することが効果的である。何故ならば、たとえ同じ種類のコンクリートであっても、構造物の一部として地中に埋められた状態と、コンクリート廃材として小塊に粉砕され、常に外気に晒される状態とでは炭酸化し易さが異なるため、製品・構造物・廃材の如く形状や用途が一定である期間を対象として鑑定を行った方が信頼性の高い鑑定結果が得られるからである。
第2の手段は、上記第1の手段を有し、かつ上記コンクリート製ガス吸収素材の発生時Tから目標時Tまでの間に温室効果ガスを吸収し得る量と、発生時Tから鑑定時Tまでの間に既に温室効果ガスを吸収した量とをそれぞれ推定し、これら両推定量の差分として、上述の鑑定時Tから目標時Tまでの間に吸収する温室効果ガスの量を推定することを特徴としている。
本手段は、例えば既存のコンクリート製造物の残余のコンクリート吸収能力を鑑定できるようにしたものである。
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ発生時Tからの経過時間tにおけるコンクリート製ガス吸収素材の炭酸化深度cを、炭酸化速度方程式c=f(t)で表し、更にガス吸収素材のうち既に炭酸化した部分38と未炭酸化部分40との境界面sの面積をSとして、炭酸化がdcだけ進行したときの体積部分に含まれる炭素の密度をaとして、炭酸化深度cに達したときのガス吸収量WをW(c)=∫(a×S)dcと表して、これら両式から所定時間内での温室効果ガス吸収量を推定することを特徴としている。
コンクリートの炭酸化反応は一般に中性化反応とも呼ばれるが、その炭酸化(中性化)速度式としては、ルート則と呼ばれるc=A×tを用いることができる。ここでcは反応量、Aは炭酸化速度係数、tは経過時間である。また、nは実験的に決定される定数で一般的にはn=0.5である。
炭酸化速度式c=A×t0.5中の炭酸化速度係数Aは、従来様々な研究が行われているが、簡単には水セメント比(W/C)に依存するAと、それ以外の要因に依存する定数Rとで、A=A×Rで表すことができる。Rは、炭酸化率と呼ばれる定数であり、コンクリートの属性による係数をA、仕上げ材による係数をA、環境(温湿度、二酸化炭素濃度)の区分による係数をAとすると、R=A×A×Aとなる。
に関しては、例えば実験的にW/C≧0.6であるときに次の数式1が知られており、又、W/C≦0.6であるときに数式2が知られている(非特許文献1)。
[数式1]
={(W/C)−0.25}/[0.3×{1.15+3(W/C)}]0.5
[数式2]
={4.6×(W/C)−1.76}/√(7.2)
尚、上述のW(c)=∫(a×S)dcを用いれば任意の形状のコンクリート構造物の温室効果ガスの吸収量を計測することができるが、平板状のコンクリート板に関しては、W/S=∫adcとすることで単位表面積当りの吸収量を求めることもできる。もっとも、Aは他の研究文献によるものを採用しても良い。
第4の手段は、第3の手段を有し、かつ炭酸化速度係数をAとして、上記炭酸化速度方程式をc=At0.5で表し、更に、炭酸化速度係数Aを、少なくとも水セメント比等のセメント含有量に依存する量的係数Aと、セメントの種類などのコンクリートの属性に依存する物性係数Aとで決定し、これら両係数よりコンクリート製ガス吸収素材を評価して温室効果ガス吸収量を推定することを特徴としている。
本手段は、炭酸化速度係数Aを決定する、4つの係数、即ちセメント量の係数Aとコンクリートの物性係数Aと表面係数Aと環境係数Aとのうち、AとAとで温室効果ガスの吸収量を推定するものである。コンクリートの物性としては、一般にはセメントの種類を問題とするが、本発明では、コンクリート中の空隙の有無など構造的な因子も評価の対象とする。
第5の手段は、第4の手段を有し、上記炭酸化速度係数Aを、上記量的係数Aと物性係数Aとの他、コンクリートの周囲の環境に依存する環境係数Aによって決定するものとして、そのコンクリート製ガス吸収素材を特定場所に設置されたコンクリート製の製品32又構造物34として、これら製品乃至構造物が置かれた環境の影響を含めて、鑑定時から構造物などの解体時までの間の温室効果ガス吸収量を推定することを特徴としている。
環境係数Aとしては、例えば大気中の温室効果ガスの濃度や温湿度が重要な役割を果たす。即ち、炭酸化反応の反応速度は、温室効果ガスの濃度が大きくなるほど、又気温が高くなるほど増加する。他方、空気中の湿度が高くなると、コンクリート表面の空隙に水滴が付着して温室効果ガスの拡散を妨げるため、反応速度が低下する。例えば空調設備のあるオフィスビルでは建物の内外に湿度差があるため、建物内部の方が炭酸化が進み易いといわれている。
第6の手段は、第1の手段乃至第5の手段の何れかを有し、かつ上記製品及び構造物のうち外気に触れている部分のみに関して上記鑑定を行うことを特徴としている。
製品や構造物を大きく分類するときには、構造物などを、地中に埋設された部分と地上に露出している部分とに分けて、後者について鑑定を行うことができる。
第7の手段は、第1の手段乃至第6の手段の何れかを有し、かつ上記製品及び構造物を解体してコンクリート廃材とするときに解体時までに外気に触れていた部分と触れていなかった部分とに分けて、これら各部分のそれぞれについて鑑定時から炭酸化反応終了時までの間での温室効果ガスの吸収量を推測することを特徴としている。
即ち、本手段は、構造物などに使用されているコンクリートのうち、未だガス吸収素材として活用されておらず吸収能力の高い部分を、それ以外の部分と分けて的確に鑑定しようとするものである。
第8の手段は、温室効果ガス排出権を活用するためのシステムであって、
コンクリート製ガス吸収素材が一定期間内に温室効果ガスを吸収する量を、第1の手段1乃至第7の手段の何れかに記載した方法で鑑定する鑑定部6と、
この温室効果ガス吸収量又は額に相当する温室効果ガス排出権を、当該排出権の権利者の温室効果ガス排出枠と相殺するため或いは商取引のために管理する管理部10と、を備えたことを特徴としている。
本手段は、上述の手段で鑑定したガス吸収素材に関する温室効果ガス排出権を管理部により長期的に管理するようにしている。上述の通りガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力は、当該素材が置かれた環境や素材の形状によって変化するために、こうした変化に対応してガス吸収能力を再評価できるようにするためである。
上記鑑定部と管理部とは、それら鑑定処理、管理処理を行うためのコンピュータその他の装置とすることができる。
又、上記鑑定部は、少なくともコンクリートの種類(属性)と鑑定対象期間(鑑定時から目標時までの期間)とを代入することで単位表面面積当りの温室効果ガスの吸収量を求めることができる換算テーブルを有するものとすることができる。
第9の手段は、第8の手段を有し、更に上記鑑定部6で鑑定した温室効果ガス吸収量を温室効果ガス排出権の対価相当額に換算する換算部8とを具備し、上記温室効果ガス排出権の取引者を通信手段を介して公募することができるように構成している。
換算の方法としては、ガス吸収素材が一定期間内(例えば1年毎)に吸収した温室効果ガスの量に応じて当該期間ごとに換算しても良く、又、構造物等の平均的な耐用年数に基づいて当該期間内に構造物等が吸収し得る温室効果ガスの量を計算して、構造物等の全寿命に亘って温室効果ガス排出権を換算をしても良い。この点については技術的にはどちらでも可能なので、将来の法規制の仕組みに応じて都合の良い方法を採用すれば良い。もっとも後者の方法では、将来耐用年数以前に構造物を建て替えたりする場合も考えられるので、こうしたケースに備えて換算額を調整できるように対応することが望ましい。
第10の手段は、上記第8の手段又は第9の手段を有し、かつ上記管理部10は、鑑定後にガス吸収素材に対して行う炭酸化試験の結果、或いはこの結果から推定される温室効果ガス吸収実績を記録し、この実績吸収量又は実績から計算した温室効果ガス排出権の対価相当額の増減分を排出権者に報告するように構成したことを特徴としている。
実績報告には、鑑定の際に予測された炭酸化深度と実際に測定された炭酸化深度からそれぞれ計測された温室効果ガスの吸収量とをそれぞれ記載することができる。
第11の手段は、第8の手段乃至第10の手段の何れかを有し、かつ上記鑑定部6は、ガス吸収素材が製品32又は構造物34であるときには解体予定のときまでの間の温室効果ガス吸収量を鑑定するものとし、更に上記製品32乃至構造物34が解体予定時の先後で解体された場合に、その解体予定時と解体時との間で上記鑑定部6が温室効果ガス吸収量を修正し、この修正量に応じて換算部8が温室効果ガス排出権の対価相当額の増減分を算出することが可能に構成したことを特徴としている。
第12の手段は、上記第8の手段乃至第11の手段の何れかを有し、かつ 上記管理部10は、本システムに登録された利用者に対して、所定期間内に割り当てられたガス排出枠Qと排出権購入により取得したガス排出枠Qとの合計量と、当該期間内に利用者が現実に排出した温室効果ガスの量Qとを常時把握しており、上記合計量から現実の排出量Qを差し引いた計算値がマイナス又は目標量以下となったときにその利用者に対して警告するように構成している。
上記利用者はこのシステムに参加している一般事業者でもよく、又、本システムの運営者自身であっても良い。
上記基準値としては、不意の事情により温室効果ガスを排出せざるを得ない量(危険量)を予測しておき、これを基準値とすればよく、これにより不意のアクシデントがあっても二酸化炭素排出削減目標をクリアすることができる。
第1の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○社会基盤の普遍的な構成材料であるコンクリートを温室効果ガスの排出権の対象として評価することが可能としたから、環境温暖化防止の手段としてのコンクリートの利用を促し、社会全体で広く薄く温室効果ガスを固定化し、除去することができる。
○コンクリート中の炭酸化反応の進行に伴い、所定期間における温室効果ガスの吸収量を推測するようにしたから、炭酸化方程式を用いて客観的に温室効果ガス吸収能力を鑑定することができる。
○上記ガス吸収素材の属性に応じて温室効果ガス吸収能力を鑑定するから、より信頼性の高い鑑定結果が得られる。
第2の手段に係る発明によれば、炭酸化反応が進行中の既存の構造物等に関しても温室効果ガス吸収能力を鑑定することができ、適用範囲が広い。
第3の手段に係る発明によれば、数式c=f(t)及びW(c)=∫(a×S)dcを用いて、より的確で客観的な鑑定結果が得られる。
第4の手段に係る発明によれば、炭酸化速度係数Aを、コンクリートの量的係数及び質的係数(物性係数)の双方で特定したから、簡易な手順で的確な評価が得られる。
第5の手段に係る発明によれば、上記炭酸化速度係数を、コンクリートの量及び質の他、コンクリートが置かれた環境で判断するから、コンクリートの用途に対応した極めの細かい鑑定を行うことができる。
第6の手段に係る発明によれば、構造物等のうち地中に埋もれた基礎部分を除いて温室ガス吸収に関与する部分のみを評価の対象とすることができる。
第7の手段に係る発明によれば、解体された構造物のうち、外気に触れていない温室効果ガス吸収能力の高い部分に対して、適切な評価をすることができる。
第8の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○温室効果ガス排出権の鑑定部及び管理部を設けたから、用途の変動等により不確定な部分が多いコンクリートの温室効果ガス吸収能力を柔軟に評価することができる。
○目標値に対して実態把握が明らかとなる。
第9の手段に係る発明によれば、通信手段を介して取引者を公募するから、コンクリート製の建物を所有する様々な事業体に本システムへの参加を促すことができ、二酸化炭素排出権のビジネスが取引として有効に成立する。
第10の手段に係る発明によれば、温室効果ガスの吸収実績を記録し、権利者に報告するから、システムの透明性を高めることができる。
第11の手段に係る発明によれば、二酸化炭素排出権の取引鑑定対象であるコンクリート構造物の解体時が解体予定時からずれたときに温室効果ガスの吸収量を再評価するので、将来の不確実な変化に対して安心して本システムに参加することができる。
第12の手段に係る発明によれば、低減数値目標が明確になり、低減効果をもたらす。
図1から図3は、本発明に係るコンクリート製ガス吸収素材の二酸化炭素吸収能力の鑑定方法を説明するための図面である。
図1は、本鑑定方法であるコンクリート製ガス吸収素材が流通し、かつ使用される様子を示している。同図中の32は、工場でコンクリート製品として製造された鉄筋コンクリートパネルであり、このパネルは構造物34の壁材として利用される。そして構造物が耐用年数を経過して解体される際には、コンクリートパネルも破砕されて、コンクリート廃材36となり、例えば道路の路盤材として再利用される。以上の過程において、上記コンクリートパネルとして製造されたガス吸収素材は、最初に構造物34の一部として、又、次に路盤材の一部としてそれぞれ二酸化炭素を吸収するが、板状物からコンクリート塊へ全く形態が変わるため、ガス吸収素材としての能力は全く別々に評価する必要がある。
尚、図示の例では、製品単独で二酸化炭素を吸収する時期はごく短いが、製品によっては長く製品単独で大気中に露出した状態で設置され、二酸化炭素を吸収する場合もある。
こうした対象物に対する鑑定は次の過程により行われる。
炭酸化反応は大気中の二酸化炭素などがコンクリート中に拡散して起こるから、構造物の表面のうち空気にさらされる部分のみが鑑定の対象となる。図示した構造物の壁体の外表面が外気に、又、壁体の内表面が室内空気にさらされているときには、それら内外両表面が鑑定の対象となる。他方、建物のうち地中に埋設された基礎部分外面は鑑定対象とならない。
又、コンクリート廃材の場合には、コンクリート舗装の路盤材の如く大気と連通可能な状態でその廃材が付設されているエリアが鑑定対象である。
(b)鑑定対象であるコンクリートの炭酸化速度係数Aの決定
炭酸化速度を計算するためには、炭酸化速度係数Aが必要であり、この炭酸化速度係数は炭酸化率Rを用いてA=A×Rと表される(Aは量的係数)。又、炭酸化率は、物性係数A、表面係数A、環境係数Aを用いて、 R=A×A×Aと表される。
量的係数Aは、鑑定対象のコンクリートの水セメント比(W/C)から既述の数式1又は数式2で決定することができる。
物性係数Aは、セメントの種類に依存する因子γと、コンクリート内での二酸化炭素の拡散速度と固定容易性に起因するDとの積で表される。γは炭酸化速度の計算に一般に用いられている因子であり、セメントの材料などに依存する。予めどの種類のセメントを用いたときにどの程度のγとなるのかを換算表としてデータベース化しておくことが好ましい。又、Dは、主として二酸化炭素の拡散速度に依存するもので、本出願人の先願に係るコンクリートの如く、特に表層部に所定の大きさ(10μm〜200μm)及び所定の容積%(0.05〜10容積%)の空隙を形成したときには、炭酸化は加速され、Dは大となる。他方、コンクリートの構造を緻密に形成することでDは小となる。尚、上記の空隙のサイズや密度は例えば紫外線の照射などにより調整されるものである。更に二酸化炭素の固定を促すために化学混和剤を混入したときもコンクリートのDは大となる。これに対して、従来、特殊な耐久性改善剤を使用してコンクリート内部の気泡や空隙を減らす炭酸化遅延措置を施し、100〜500年の耐久期間を有するようにした超高耐久性コンクリートも知られている(特許文献4及び特許文献5参照)。因子Dは、上記の如く炭酸化速度をコントロールするための処理の有無によるコンクリートの種類に依存するものである。因子Dを決定するためには、実験的に決定すればよいが、市販のコンクリートに関して、そのような実験を予め行い、実験結果をデータベース化しておくことが望ましい。
表面係数Aは主として仕上げ材の種類に依存する。これも市販の仕上げ材に関して実験的に定め、データベース化しておくと良い。
環境係数Aは、コンクリートの表面が置かれた環境での温湿度や二酸化炭素濃度やに依存するものであり、これらも実験的に決定することができる。もっとも鑑定対象毎にこうした実験を行うとコストがかかるため、温湿度に関しては、例えば空調のきいた室内環境と外部の自然環境とを、又、二酸化炭素濃度に関しては、二酸化炭素排出源の多い市街地と、それ以外の地域とを、それぞれ区別できる程度に、予め実験データをとり、その実験値を基準値として用いれば良い。
(c) 炭酸化深度の予測
(b)において決定した炭酸化速度係数Aを炭酸化速度方程式c=A×t0.5に代入すると、鑑定箇所における炭酸化速度の経時的変化が決まる。例えば図2の壁材での二酸化炭素の吸収量を求める場合には、壁材の外表面と内表面とについてそれぞれc=A×t0.5、c=A×t0.5が得られる。
(d)二酸化炭素吸収量の計測
又、一般に炭酸化が深さdcだけ進行したときの二酸化炭素の吸収量は微分式dW=a×S×dc(但しaは炭酸カルシウムの濃度)で表される。但しSは、図2に示す如くコンクリート成形体のうち炭酸化が進行した部分38と未炭酸化部分40との境界面sの面積である。
もっとも図2の壁材のような平板形の形状では、Sはcに対して一定であるから、単位面積当りの二酸化炭素吸収量に関して、dw=a×dcとすることができる。更に壁材の全体に亘って水酸化カルシウムの濃度が均一であるとすれば、構造物の建設当初からの二酸化炭素の吸収量Δwは、上記微分式を積分してΔW=a×Δcとなる。但し、コンクリート板の製造時から構造物に組み込まれる迄の間の二酸化炭素吸収量は僅かであるために省略できるものとした。この式に上記炭酸化方程式を代入すると、Δw=a×A×T 0.5、Δw=a×A×T 0.5が得られる。
次に既存の構造物の鑑定時Tから目標時Tまでの二酸化炭素の吸収量を求めるときには、図3に示すようにコンクリート製造時Tから目標時Tまでの二酸化炭素吸収量から、コンクリート製造時Tから鑑定時Tまでの二酸化炭素吸収量を差し引けば良い。
又、図示の路盤材を鑑定する場合には、道路の廃棄時又は炭酸化反応終了時のうち何れか早く終了するものを目標時Tとして、鑑定時Tから目標時Tまでの間で二酸化炭素の排出量を推測する。
(e) 二酸化炭素吸収量のガス排出権への換算
二酸化炭素吸収量の計測値より、単位当たりの環境税の税率をかけて、ガス排出権の対価相当額を計算する。
次の表1は、上記の鑑定方法の変形例であり、縦欄にコンクリートの種類、横欄に、経過時間tに応じた炭酸化深さcを、指定した炭酸化係数Aの下で試算したものである。市販の計算表アプリケーションを利用して、諸係数を代入したときのcを計算することができる。又、この炭酸化深さに単位面積当りの二酸化炭素吸収量、或いは単位面積当りのガス排出権相当額が表示されるように構成しても良い。
Figure 2006323593
図4から図6は、上記鑑定方法を利用した、二酸化炭素排出権の活用システムを示している。
図4は、本システムの構成全体を示すもので、システム本体2とデータベース18と端末機20とを備えている。本実施形態のシステムは、二酸化炭素排出権の買い手・売り手からは独立した仲介業者に運営されている。
システム本体2は、インターネットなどのネットワーク網との接続用のサーバ装置を兼ねており、このサーバ機能により、ネットワーク上で二酸化炭素排出権売買用のホームページを運営している。このホームページには、二酸化炭素排出権を販売しようとする者、及び購入しようとする者が各自の端末機(図示せず)を通じて自由に接続することができ、二酸化炭素排出権の売買希望者を募集している。
上記システム本体2は、顧客登録部4、鑑定部6、換算部8、管理部10、売買部12、報告部14、及び経理部16を有している。
上記顧客登録部4は、売買希望者の住所・名称を登録してためのものである。
上記鑑定部6は、入力した鑑定対象のデータを代入して、所定期間内の二酸化炭素吸収量を予想するものである。入力データは、顧客が提出した情報でも良く、又、データの正確を期すためにシステム運用者が実験で得た情報としても良い。
上記換算部8は、鑑定部6が予想した二酸化炭素吸収量を二酸化炭素排出権対価相当額に換算するものである。換算率としては、例えば環境税の税率を用いる。
上記管理部10は、上記鑑定部6及び換算部8により評価された二酸化炭素排出権を、鑑定対象物のデータ(数量、所在など)、権利の保有者のデータなどとともにまとめて管理するための手段である。
又管理部8は、顧客の希望により、顧客が所定期間内で既に排出した二酸化炭素の量Q、顧客が二酸化炭素排出権を購入して得た二酸化炭素の排出枠Qを顧客に好ましくは定期的に通知するように構成する。更にこの排出枠Qとその顧客に割り当てられた二酸化炭素排出限度枠Qとの和から現実の排出量Qを差し引いたものを余剰排出枠ΔQ(=Q+Q−Q)として計算し、この余剰排出枠がマイナス或いは目標値以下となったときには、随時顧客に対して警告を発するように設けると良い。顧客はこの警告を受けて二酸化炭素排出権を購入するよう申し込みをすることができる。
上記売買部12は、二酸化炭素排出権のうち保有者が現在販売した希望のものをリストにして公開し、購入の申し込みがあったときに販売希望者に伝える機能を有する。売買契約の内容は、法律に基づき当事者間で定めれば良いが、例えば特定の構造物に関しては、当該構造物の標準的な耐用年数を前提として構造物が吸収する二酸化炭素の量、及び、コンクリート廃材として2次利用されている間に吸収する二酸化炭素の量について、それぞれ二酸化炭素排出権相当額を計算して取引することができる。コンクリート廃材としての二酸化炭素吸収量は、2次利用の用途が確定した段階で計算し、代金を決済するようにしても良い。売買が完了したときには、管理部10へ通知され、保有者データが更新される。
上記報告部14では、期間毎に排出権の実績を集計し、取引者に排出権に関する実績報告を行う。
上記経理部16は、排出権売買に伴う経理処理を代行する。
これらシステム本体2は、コンピュータとして構成することができる。
データベース18は、鑑定に必要な各種データ、顧客データ、二酸化炭素排出権に関するデータを記憶している。
端末機20は、システム本体2に接続されたコンピュータ端末機とすることができる。
図5は、上述のシステム本体2の機能の流れを示している。
図6は、上記本システムの適応例であって、構造物34を施工業者に発注した所有者は二酸化炭素排出権を保有しており、この排出権を自己の事業活動に伴って排出する二酸化炭素と相殺したり、或いは他人に譲渡することもできる。
又、施工者自ら構造物の所有者となって、その二酸化炭素排出権を活用することもできる。
[実施例1]
図4の例では、独立した仲介者が本システムを運営していたが、事業者が自らの排出権獲得乃至譲渡のため、こうしたシステムを運営することもできる。
[実施例2]
図4のシステムのサーバー装置(システム本体)をネットワークを介して連動させ、ネットワーク型で管理することもできる。この形態によれば各システムの運営者の間での排出権の売買・転用も可能となる。
[実施例3]
市、都道府県、国というようにピラミッド型に管理する場合は、図4のシステムの運営者のサーバー装置をネットワークを介して連動し、各サーバー装置を統括する中央サーバー装置を設置し、統括管理することもできる。
[実施例4]
コンクリートの二酸化炭素排出権について説明したが、その他の排出権なども同様に管理することが可能であり、コンクリートの二酸化炭素排出権の管理に限定するものではない。例えば、電力、ガスなど、更に温室効果ガスとしては、メタン、亜酸化窒素、HFC,PFC,SFなどである。
[実施例5]
管理方法の指標としては、低減数値目標、契約保有量、契約販売量、余剰排出量により管理することが可能であり、目標値達成度合や削減促進の目安として利用することができる。
[実施例6]
次の表2は、本システムの利用者ごとに二酸化炭素排出目標達成のために削除すべきガスの排出量、実際に削除したガスの排出量、実際の削減のために費やした費用、排出削減量の不足を埋めるために排出権を購入するのに必要となった費用、及びトータルでの目標達成のための費用をまとめてデータベース化したものである。このようにすることで目標達成までの実績を把握することができる。又、過去の削減コストを参考にして排出権を購入するか否か、購入するとすればどの程度の価格までならば合理的な価格であるかを判断する資料となるなど、さまざまな使い道がある。
Figure 2006323593
本発明に係る鑑定方法の適用例を示す概念説明図である。 図1の要部拡大図である。 温室効果ガスの吸収量の例を示す図である。 本システムに係る二酸化炭素排出権の構成例を示す説明図である。 図4のシステムの機能を示すフローチャートである。 図4のシステムの一実施例を示す図である。
符号の説明
2…システム本体 4…顧客登録部 6…鑑定部 8…換算部 10…管理部
12…売買部 14…報告部 16…経理部 18…データベース 20…端末機
32…製品 34…構造物 36…廃材 38…炭酸化部分 40…未炭酸化部分

Claims (12)

  1. コンクリート製の製品32・構造物34・廃材36などのガス吸収素材が炭酸化反応により二酸化炭素などの温室効果ガスを吸収する能力を鑑定する方法であって、そのコンクリート製ガス吸収素材の属性に応じて、当該素材の製造当初のコンクリート含有量より、鑑定時Tから解体時乃至炭酸化反応完了時などの目標時Tまでの間に吸収する温室効果ガスの量を推測することを特徴とする、コンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法。
  2. 上記コンクリート製ガス吸収素材の発生時Tから目標時Tまでの間に温室効果ガスを吸収し得る量と、発生時Tから鑑定時Tまでの間に既に温室効果ガスを吸収した量とをそれぞれ推定し、これら両推定量の差分として、上述の鑑定時Tから目標時Tまでの間に吸収する温室効果ガスの量を推定することを特徴とする、請求項1記載のコンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法。
  3. 発生時Tからの経過時間tにおけるコンクリート製ガス吸収素材の炭酸化深度cを、炭酸化速度方程式c=f(t)で表し、更にガス吸収素材のうち既に炭酸化した部分38と未炭酸化部分40との境界面sの面積をSとして、炭酸化がdcだけ進行したときの体積部分に含まれる炭素の密度をaとして、炭酸化深度cに達したときのガス吸収量WをW(c)=∫(a×S)dcと表して、これら両式から所定時間内での温室効果ガス吸収量を推定することを特徴とする、請求項1乃至請求項2の何れかに記載のコンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法。
  4. 炭酸化速度係数をAとして、上記炭酸化速度方程式をc=At0.5で表し、更に、炭酸化速度係数Aを、少なくとも水セメント比等のセメント含有量に依存する量的係数Aと、セメントの種類などのコンクリートの属性に依存する物性係数Aとで決定し、これら両係数よりコンクリート製ガス吸収素材を評価して温室効果ガス吸収量を推定することを特徴とする、請求項3記載のコンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法。
  5. 上記炭酸化速度係数Aを、上記量的係数Aと物性係数Aとの他、コンクリートの周囲の環境に依存する環境係数Aによって決定するものとして、そのコンクリート製ガス吸収素材を特定場所に設置されたコンクリート製の製品32又構造物34として、これら製品乃至構造物が置かれた環境の影響を含めて、鑑定時から構造物などの解体時までの間の温室効果ガス吸収量を推定することを特徴とする、請求項4記載のコンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法。
  6. 上記製品及び構造物のうち外気に触れている部分のみに関して上記鑑定を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のコンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法。
  7. 上記製品及び構造物を解体してコンクリート廃材とするときに解体時までに外気に触れていた部分と触れていなかった部分とに分けて、これら各部分のそれぞれについて鑑定時から炭酸化反応終了時までの間での温室効果ガスの吸収量を推測することを特徴とする、請求項1乃至請求項6の何れかに記載のコンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法。
  8. 温室効果ガス排出権を活用するためのシステムであって、
    コンクリート製ガス吸収素材が一定期間内に温室効果ガスを吸収する量を、請求項1乃至請求項7の何れかに記載した方法で鑑定する鑑定部6と、
    この温室効果ガス吸収量又は額に相当する温室効果ガス排出権を、当該排出権の権利者の温室効果ガス排出枠と相殺するため或いは商取引のために管理する管理部10と、を備えたことを特徴とする、温室効果ガス排出権活用システム。
  9. 更に上記鑑定部6で鑑定した温室効果ガス吸収量を温室効果ガス排出権の対価相当額に換算する換算部8とを具備し、上記温室効果ガス排出権の取引者を通信手段を介して公募することができるように構成することを特徴とする、請求項8記載の温室効果ガス排出権活用システム。
  10. 上記管理部10は、鑑定後にガス吸収素材に対して行う炭酸化試験の結果、或いはこの結果から推定される温室効果ガス吸収実績を記録し、この実績吸収量又は実績から計算した温室効果ガス排出権の対価相当額の増減分を排出権者に報告するように構成したことを特徴とする、請求項8又は請求項9記載の温室効果ガス排出権活用システム。
  11. 上記鑑定部6は、ガス吸収素材が製品32又は構造物34であるときには解体予定のときまでの間の温室効果ガス吸収量を鑑定するものとし、更に上記製品32乃至構造物34が解体予定時の先後で解体された場合に、その解体予定時と解体時との間で上記鑑定部6が温室効果ガス吸収量を修正し、この修正量に応じて換算部8が温室効果ガス排出権の対価相当額の増減分を算出することが可能に構成したことを特徴とする、請求項8乃至請求項10の何れかに記載の温室効果ガス排出権活用システム。
  12. 上記管理部10は、本システムに登録された利用者に対して、所定期間内に割り当てられたガス排出枠Qと排出権購入により取得したガス排出枠Qとの合計量と、当該期間内に利用者が現実に排出した温室効果ガスの量Qとを常時把握しており、上記合計量から現実の排出量Qを差し引いた計算値がマイナス又は目標量以下となったときにその利用者に対して警告するように構成したことを特徴とする、請求項8乃至請求項11の何れかに記載の温室効果ガス排出権活用システム。
JP2005145628A 2005-05-18 2005-05-18 コンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法及び温室効果ガス排出権活用システム Pending JP2006323593A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005145628A JP2006323593A (ja) 2005-05-18 2005-05-18 コンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法及び温室効果ガス排出権活用システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005145628A JP2006323593A (ja) 2005-05-18 2005-05-18 コンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法及び温室効果ガス排出権活用システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006323593A true JP2006323593A (ja) 2006-11-30

Family

ID=37543230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005145628A Pending JP2006323593A (ja) 2005-05-18 2005-05-18 コンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法及び温室効果ガス排出権活用システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006323593A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200046641A (ko) * 2018-10-25 2020-05-07 성신양회 주식회사 시멘트 생산 공정에서의 온실가스 관리 시스템 및 이를 활용한 시멘트 생산 공정 통합 관리 시스템
JP2020165276A (ja) * 2019-03-31 2020-10-08 太平洋セメント株式会社 二酸化炭素の吸収方法
CN114183695A (zh) * 2021-12-14 2022-03-15 特斯联科技集团有限公司 一种水泥碳吸收核算方法
WO2022264283A1 (ja) * 2021-06-15 2022-12-22 日本電信電話株式会社 未来予測装置、未来予測方法、及びプログラム
WO2024048776A1 (ja) * 2022-09-01 2024-03-07 一般社団法人生コン・残コンソリューション技術研究会 情報処理装置、及びプログラム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000197810A (ja) * 1998-10-29 2000-07-18 Nkk Corp 排出炭酸ガスの削減方法
JP2002255547A (ja) * 2001-03-01 2002-09-11 Akira Oguri 工場排煙の浄化技法。
JP2004362212A (ja) * 2003-06-04 2004-12-24 Idemitsu Kosan Co Ltd 二酸化炭素排出削減量の計測方法、及び二酸化炭素排出権の取引システム
JP2005017157A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 Taisei Corp 鉄筋コンクリート構造物の劣化予測方法
JP2005049235A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Takenaka Komuten Co Ltd 補修されたコンクリート躯体の余寿命の予測方法、及び該予測に用いる中性化速度係数を算出するための方法及びコンピュータプログラム
JP2005074310A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Research Institute Of Innovative Technology For The Earth アルカリ土類金属の回収方法および炭酸ガスの固定化方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000197810A (ja) * 1998-10-29 2000-07-18 Nkk Corp 排出炭酸ガスの削減方法
JP2002255547A (ja) * 2001-03-01 2002-09-11 Akira Oguri 工場排煙の浄化技法。
JP2004362212A (ja) * 2003-06-04 2004-12-24 Idemitsu Kosan Co Ltd 二酸化炭素排出削減量の計測方法、及び二酸化炭素排出権の取引システム
JP2005017157A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 Taisei Corp 鉄筋コンクリート構造物の劣化予測方法
JP2005049235A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Takenaka Komuten Co Ltd 補修されたコンクリート躯体の余寿命の予測方法、及び該予測に用いる中性化速度係数を算出するための方法及びコンピュータプログラム
JP2005074310A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Research Institute Of Innovative Technology For The Earth アルカリ土類金属の回収方法および炭酸ガスの固定化方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200046641A (ko) * 2018-10-25 2020-05-07 성신양회 주식회사 시멘트 생산 공정에서의 온실가스 관리 시스템 및 이를 활용한 시멘트 생산 공정 통합 관리 시스템
KR102149208B1 (ko) 2018-10-25 2020-08-31 성신양회(주) 시멘트 생산 공정에서의 온실가스 관리 시스템 및 이를 활용한 시멘트 생산 공정 통합 관리 시스템
JP2020165276A (ja) * 2019-03-31 2020-10-08 太平洋セメント株式会社 二酸化炭素の吸収方法
JP7369539B2 (ja) 2019-03-31 2023-10-26 太平洋セメント株式会社 二酸化炭素の吸収方法
WO2022264283A1 (ja) * 2021-06-15 2022-12-22 日本電信電話株式会社 未来予測装置、未来予測方法、及びプログラム
CN114183695A (zh) * 2021-12-14 2022-03-15 特斯联科技集团有限公司 一种水泥碳吸收核算方法
WO2024048776A1 (ja) * 2022-09-01 2024-03-07 一般社団法人生コン・残コンソリューション技術研究会 情報処理装置、及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cao et al. A comparative study of environmental performance between prefabricated and traditional residential buildings in China
Chen et al. An application of bar-code system for reducing construction wastes
Fenner et al. Embodied, operation, and commuting emissions: A case study comparing the carbon hotspots of an educational building
Abdi et al. A model to control environmental performance of project execution process based on greenhouse gas emissions using earned value management
Marmur et al. Optimization-based source apportionment of PM2. 5 incorporating gas-to-particle ratios
Zhou et al. Quantitative study on external benefits of prefabricated buildings: From perspectives of economy, environment, and society
Zhou et al. A hybrid model of external environmental benefits compensation to practitioners for the application of prefabricated construction
JP2006323593A (ja) コンクリート製ガス吸収素材の温室効果ガス吸収能力鑑定方法及び温室効果ガス排出権活用システム
Sweis et al. Understanding the Causes of Material Wastage in the Construction Industry.
Peng et al. If invisible carbon waste can be traded, why not visible construction waste? Establishing the construction waste trading ‘missing market’
Renne et al. Sustainable assessment of concrete repairs through life cycle assessment (LCA) and life cycle cost analysis (LCCA)
Anderson et al. Embodied Energy Consumption in the Residential Sector: A Case Study of Affordable Housing
Glanz et al. Comparative environmental footprint analysis of ultra-high-performance concrete using Portland cement and alkali-activated materials
Kolaventi et al. Construction waste process flow modeling: a road map for marketing construction and demolition waste in India
Yepes et al. Sustainable Construction
Garrido-Torres et al. Impact of concrete cracking on building projects: case study in Santiago, chile
Valbø Investigating the Reuse of Cast-inPlace Reinforced Concrete in Load Bearing Structures in Norway
Gross et al. Performance-Engineered Concrete Paving Mixtures
Chhatwani et al. Model-driven management a of construction carbon footprint: Case study
Alhozaimy et al. Introducing and managing quality scheme for RMC industry in Saudi Arabia
Graves Embodied Carbon Strategies and Metrics
Dong et al. Comparing the Standards of Life Cycle Carbon Assessment of Buildings: An Analysis of the Pros and Cons
Mendis Contractual obligations analysis for construction waste management
Trauner et al. Productivity in Construction Projects
Politi Buildings embodied impacts over the life cycle: an essential assessment framework for the early design phase

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110105

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110427