JP2006323312A - 位相差光学素子およびこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

位相差光学素子およびこれを用いた液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、液晶セルと偏光板との間に位相差光学素子を配置した場合でも、表示画像に明暗模様を発生させることがなく、表示品位が低下してしまうことを効果的に抑制することができる位相差光学素子を提供することを主目的とする。
【解決手段】 本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、非イオン性セルロース誘導体からなる配向膜と、上記配向膜上に形成された位相差層と、を有する位相差光学素子であって、上記位相差層が、コレステリック構造の螺旋ピッチが1ピッチ以上である範囲で固定化した負のCプレートとして機能する位相差層であって、上記コレステリック構造を有する微小単位(ドメイン)が複数存在してなることを特徴とする位相差光学素子を提供することにより上記課題を解決するものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液晶表示装置等に組み込まれて用いられる位相差光学素子に係り、とりわけ、コレステリック規則性からなる負のCプレートとして作用する位相差層を備え、液晶セルの法線から傾斜した方向の光の偏光状態を補償する位相差光学素子に関するものである。
従来の一般的な液晶表示装置としては、図13に示すように、入射側の偏光板102Aと、出射側の偏光板102Bと、液晶セル104とを有するものを挙げることができる。偏光板102Aおよび102Bは、所定の振動方向の振動面を有する直線偏光(図中、矢印で模式的に図示)のみを選択的に透過させるように構成されたものであり、それぞれの振動方向が相互に直角の関係になるようにクロスニコル状態で対向して配置されている。また、液晶セル104は画素に対応する多数のセルを含むものであり、偏光板102Aと102Bとの間に配置されている。
ここで、このような液晶表示装置100において、液晶セル104が、負の誘電異方性を有するネマチック液晶が封止されたVA(Vertical Alignment)方式(図中、液晶のダイレクターを点線で模式的に図示)を採用している場合を例に挙げると、入射側の偏光板102Aを透過した直線偏光は、液晶セル104のうち非駆動状態のセルの部分を透過する際に、位相シフトされずに透過し、出射側の偏光板102Bで遮断される。これに対し、液晶セル104のうち駆動状態のセルの部分を透過する際には、直線偏光が位相シフトされ、この位相シフト量に応じた量の光が出射側の偏光板102Bを透過して出射される。これにより、液晶セル104の駆動電圧を各セル毎に適宜制御することにより、出射側の偏光板102B側に所望の画像を表示することができる。なお、液晶表示装置100としては、上述したような光の透過および遮断の態様をとるものに限らず、液晶セル104のうち非駆動状態のセルの部分から出射された光が出射側の偏光板102Bを透過して出射される一方で、駆動状態のセルの部分から出射された光が出射側の偏光板102Bで遮断されるように構成された液晶表示装置も考案されている。
ところで、上述したようなVA方式の液晶セル104のうち非駆動状態のセルの部分を直線偏光が透過する場合を考えると、液晶セル104は複屈折性を有しており、厚さ方向の屈折率と面方向の屈折率とが異なるので、入射側の偏光板102Aを透過した直線偏光のうち液晶セル104の法線に沿って入射した光は位相シフトされずに透過するものの、入射側の偏光板102Aを透過した直線偏光のうち液晶セル104の法線から傾斜した方向に入射した光は液晶セル104を透過する際に位相差が生じて楕円偏光となる。この現象は、液晶セル104内で垂直方向に配向した液晶分子が、正のCプレートとして作用することに起因したものである。なお、液晶セル104を透過する光(透過光)に対して生じる位相差の大きさは、液晶セル104内に封入された液晶分子の複屈折値や、液晶セル104の厚さ、透過光の波長等にも影響される。
以上の現象により、液晶セル104内のあるセルが非駆動状態であり、本来的には直線偏光がそのまま透過され、出射側の偏光板102Bで遮断されるべき場合であっても、液晶セル104の法線から傾斜した方向に出射された光の一部が出射側の偏光板102Bから洩れてしまうことになる。
このため、上述したような従来の液晶表示装置100においては、正面から観察される画像に比べて、液晶セル104の法線から傾斜した方向から観察される画像の表示品位が主にコントラストが低下することが原因で悪化するという問題(視角依存性の問題)があった。
上述したような従来の液晶表示装置100における視角依存性の問題を改善するため、現在までに様々な技術が開発されており、その一つとして、例えば特許文献1または特許文献2に開示されているように、コレステリック規則性の分子構造を有する位相差層(複屈折性を示す位相差層)を用い、このような位相差層を液晶セルと偏光板との間に配置することにより光学補償を行うようにした液晶表示装置が知られている。
ここで、コレステリック規則性の分子構造を有する位相差光学素子では、λ=nav・p(p:液晶分子の螺旋構造における螺旋(ヘリカル)ピッチ、nav:螺旋軸に直交する平面内での平均屈折率)で表される選択反射波長が、例えば特許文献1または特許文献2に開示されているように、透過光の波長よりも小さくなる、または大きくなるように調整している。
上述したような位相差光学素子においては、上述した液晶セルの場合と同様に、位相差層の法線から傾斜した方向に入射する直線偏光は、位相差層を透過する際に位相差が生じて楕円偏光となる。この現象は、コレステリック規則性の分子構造が、負のCプレートとして作用することに起因したものである。なお、位相差層を透過する光(透過光)に対して生じる位相差の大きさは、位相差層内の液晶分子の複屈折値や、位相差層の厚さ、透過光の波長等にも影響される。
したがって、上述したような位相差光学素子を用いれば、正のCプレートとして作用するVA方式の液晶セルで生じる位相差と、負のCプレートとして作用する位相差層で生じる位相差とが相殺するように、位相差層を適宜設計することにより、液晶表示装置の視角依存性の問題を大幅に改善することが可能である。
一方、特許文献3には、TN(Twisted Nematic)方式の液晶セルとして、径数μm〜数十μm程度の固定化されていない多数のミクロドメインからなる液晶表示素子が開示されている。TN液晶として用いられているカイラルネマチック液晶層は、旋光層として作用し、位相差層として作用しないように設定されている。そのために、上記TN液晶のツイスト角は0度〜約270度(カイラルピッチに換算すると0〜0.75ピッチ)の範囲で上記多数のミクロドメインのツイスト角が一致するように設定されている。なお、TN液晶のカイラルピッチを1ピッチ以上と仮定した場合のTN液晶の選択反射波長は、入射する可視光の波長より長い。
非特許文献1には、同じくTN方式の液晶セル形成方法として、固定化されていないアモルファス状態の液晶層からなる液晶表示素子が開示されている。TN液晶として用いられているカイラルネマチック液晶層は、旋光層として作用し、位相差層として作用しないように設定されている。そのために、上記TN液晶のツイスト角は90度(カイラルピッチに換算すると0.5ピッチ)になるように設定されている。TN方式には、2枚の偏光板の吸収軸を平行にした間にTNセルを挟み込むノーマリーブラックモードと、偏光板クロスニコルの間にTNセルを挟み込むノーマリーホワイトモードとがあるが、非特許文献1では固定化されていないアモルファス状態の液晶層からなるTN液晶表示素子をノーマリーブラックモードにした場合の透過率は3%もあり、コントラスト低下を招いている。なお、TN液晶のカイラルピッチを1ピッチ以上と仮定した場合のTN液晶の選択反射波長は、入射する可視光の波長より長い。
非特許文献2にも、同じくTN方式の液晶セル形成方法として、アモルファス状態の液晶層からなる液晶表示素子が開示されている。上記アモルファス状態の液晶層は、ブラッシュ幅が10〜100μmでその間にいくつかのドメインが存在しており、隣接したドメインのダイレクターは殆ど連続している。TN液晶として用いられているカイラルネマチック液晶層は、旋光層として作用し、位相差層として作用しないように設定されている。そのために、上記TN液晶のツイスト角は90度(カイラルピッチに換算すると0.5ピッチ)になるように設定されている。なお、TN液晶のカイラルピッチを1ピッチ以上と仮定した場合のTN液晶の選択反射波長は、入射する可視光の波長より長い。
また、特許文献4には、コレステリック規則性を有する液晶層表面の全範囲における液晶分子のダイレクターを一致させモノドメインとした円偏光抽出光学素子が開示されている。そうすることによって、偏光板をクロスニコル状態にしてコレステリック液晶を挟み込んだときに観測される明暗模様を解消している。
しかしながら、上述したような位相差光学素子(コレステリック規則性の分子構造を有する位相差層)を液晶セルと偏光板との間に配置した場合には、視角依存性の問題を改善することはできるものの、特許文献4の場合を除いて、表示画像に明暗模様が発生して、表示品位を著しく低下させるという問題があった。
特開平3−67219号公報 特開平4−322223号公報 特開平7−175065号公報 特開2002−258053号公報 R. Holding et al., SID '93 Digest, 622 (1993) Y. Iimura et al., SID '94 Digest, 915 (1994)
本発明はこのような問題点を考慮してなされたものであり、液晶セルと偏光板との間に配置した場合でも、表示画像に明暗模様を発生させることがなく、表示品位が低下してしまうことを効果的に抑制することができる位相差光学素子を提供することを主目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、透明基板と、上記透明基板上に形成され、非イオン性セルロース誘導体からなる配向膜と、上記配向膜上に形成された位相差層と、を有する位相差光学素子であって、上記位相差層が、コレステリック構造の螺旋ピッチが1ピッチ以上である範囲で固定化した負のCプレートとして機能する位相差層であって、前記コレステリック構造を有する微小単位(ドメイン)が複数存在してなることを特徴とする位相差光学素子を提供する。
本発明によれば、上記位相差層に上記コレステリック構造を有する微小単位(ドメイン)が複数存在することにより、例えば製造上の理由で膜厚分布が±5%となった位相差層を有する位相差光学素子を、液晶セルと偏光板との間に配置した場合でも、ドメインは微小であるため、表示画像に明暗模様を発生させることがなく、表示品位の低下を効果的に抑制することができる。
本発明においては、上記非イオン性セルロース誘導体が、平衡水分(25℃、80%RH)が20%以下であるものが好ましい。上記配向膜がこのような非イオン性セルロース誘導体からなることにより、より効果的に上記微小単位(ドメイン)間の配向欠陥(ディスクリネーション)の距離が、入射光の波長以下である位相差層を形成することができるからである。
本発明においては、上記透明基板と上記位相差層との間にカラーフィルター層が形成されていることが好ましい。これにより、透明基板、カラーフィルター層、および位相差層間の表面反射を防いでより透過率を高くすることができるからである。
本発明は、上述した位相差光学素子の透明基板における、位相差層が形成されていない側の表面に、偏光層が配置されていることを特徴とする偏光素子を提供する。
本発明によれば、位相差光学素子の少なくとも片面に偏光層が設けられているため、位相差光学素子の表面での反射が極端に少なくなり、明暗模様の発生を効果的に抑制するとともにコントラストを向上させることができ、表示品位の低下を効果的に抑制することができる。
本発明は、液晶セルと、上記液晶セルを挟むように配置された一対の偏光板と、上記液晶セルと上記一対の偏光板の少なくとも一方との間に配置された、上述した位相差光学素子とを有することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
本発明によれば、液晶表示装置における明暗模様の発生を抑制するとともにコントラストを向上させることができ、表示品位の低下を抑制することができる。
本発明は、透明基板上に配向膜を形成する配向膜形成工程と、上記配向膜上に、コレステリック液晶構造を形成するコレステリック規則性を有する液晶材料を含む位相差層形成用塗工液を、上記配向膜に対してラビング処理を施さない状態で塗布する塗布工程と、上記塗布工程により配向膜上に形成された位相差層に配向処理を施す配向処理工程と、上記配向処理で配向させた位相差層に固化処理を施し固化させ、上記位相差層内における液晶相の状態で発現したコレステリック液晶構造を固定化する固定化工程とを有することを特徴とする位相差光学素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、ラビング処理を施さない状態の配向膜上に位相差層が形成されるものであるので、微小単位(ドメイン)の小さな位相差層とすることが可能となり、液晶表示装置等に用いた場合に表示品位の良好な位相差光学素子を製造することができる。
本発明の位相差光学素子は、液晶セルと偏光板との間に配置した場合でも、表示画像に明暗模様を発生させることがなく、表示品位が低下してしまうことを効果的に抑制することができるという効果を奏する。
本発明は、位相差光学素子、偏光素子、液晶表示装置、および位相差光学素子の製造方法を含むものである。以下、それぞれについて詳述する。
A.位相差光学素子
まず、本発明の位相差光学素子について説明する。本発明の位相差光学素子は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、非イオン性セルロース誘導体からなる配向膜と、上記配向膜上に形成された位相差層とを有するものである。
次に本発明の位相差光学素子について、図を参照しながら説明する。図1は本発明の位相差光学素子の一例を示す概略断面図である。図1に示すように本発明の位相差光学素子20は、透明基板14と、上記透明基板14上に形成され、非イオン性セルロース誘導体からなる配向膜16と、上記配向膜16上に形成された位相差層10とを有するものである。
本発明によれば、上記位相差層に上記コレステリック構造を有する微小単位(ドメイン)が複数存在することにより、例えば製造上の理由で膜厚分布が±5%となった位相差層を有する位相差光学素子を、液晶セルと偏光板との間に配置した場合でも、ドメインは微小であるため、表示画像に明暗模様を発生させることがなく、表示品位の低下を効果的に抑制することができる。
また、本発明の液晶表示素子は、上記は配向膜が非イオン性セルロース誘導体からなることにより、微小単位(ドメイン)間の配向欠陥(ディスクリネーション)の距離が、入射光の波長以下である位相差層を容易に形成することができ、表示品質に優れた位相差光学素子を得ることができる。
以下、本発明の位相差光学素子の各構成について詳細に説明する。
1.位相差層
まず、本発明における位相差層について説明する。本発明における位相差層は、コレステリック構造の螺旋ピッチが1ピッチ以上である範囲で固定化した負のCプレートとして機能する位相差層であって、上記コレステリック構造を有する微小単位(ドメイン)が複数存在してなることを特徴とするものである。また、上記コレステリック構造の選択反射光の選択反射波長が主要な入射光の波長より短いものであればなおよいものである。
上記位相差層には上記コレステリック構造を有する微小単位(ドメイン)が複数存在することから、例えば製造上の理由で膜厚分布が±5%となった位相差層を有する位相差光学素子を、液晶セルと偏光板との間に配置した場合でも、ドメインは微小であるため、表示画像に明暗模様を発生させることがなく、表示品位の低下を効果的に抑制することができる。その理由は、選択反射光の選択反射波長が入射光の波長より短くなるように設定すると、微小単位(ドメイン)は選択反射光の選択反射波長が入射光の波長より長くなるように設定されている場合よりもかなり小さくなり、例えば上述したY. Iimura et al., SID '94 Digest, 915 (1994) の図2で見られる様な凹凸模様が観察されなくなり、明暗模様が生じることがなくなるからである。
上述した現象が何故起こるかについては、明白な証拠は現在のところないが、以下のように考えることができる。すなわち、コレステリック構造の選択反射波長が長波長側に設定されている場合、ラビング処理を施さない配向膜上で形成される微小単位(ドメイン)の大きさは比較的大きく、目視可能な大きさであり、散乱現象による白濁が生じてしまう。一方、コレステリック構造の選択反射波長が短波長側に設定されている場合は、ラビング処理を施さない配向膜上で形成される微小単位(ドメイン)の大きさは比較的小さく、目視不可能な大きさであり、散乱現象も起きない。
以下、本発明の位相差層について図面を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明の位相差層の一例の断面を示す模式図である。図2に示すように、本発明の位相差層10は、コレステリック規則性の分子構造(螺旋構造)を有する多数の微小単位(ドメイン)12からなるものである。
ここで、コレステリック規則性の分子構造を有する微小単位(ドメイン)は、液晶分子の物理的な分子配列(プレーナ配列)に基づいて、一方向の旋光成分(円偏光成分)と、これと逆回りの旋光成分とを分離する旋光選択特性(偏光分離特性)を有している。このような現象は、円偏光二色性として知られ、液晶分子の螺旋構造における旋回方向を適宜選択すると、この旋回方向と同一の旋光方向を有する円偏光成分が選択的に反射される。
この場合の最大旋光偏光光散乱(選択反射のピーク)は、次式(1)の波長λで生じる。
λ=nav・p … (1)
ここで、pは液晶分子の螺旋構造における螺旋ピッチ、navは螺旋軸に直交する平面内の平均屈折率である。
一方、このときの選択反射光の波長バンド幅Δλは、次式(2)で表される。
Δλ=Δn・p … (2)
ここで、Δnは常光に対する屈折率と異常光に対する屈折率との差として表される複屈折値である。
すなわち、このようなコレステリック規則性の分子構造を有する微小単位(ドメイン)において、入射した無偏光は、上述したような偏光分離特性に従って、選択反射波長λを中心とした波長バンド幅Δλの範囲の光の右旋または左旋の円偏光成分の一方が反射され、他方の円偏光成分および選択反射波長以外の他の波長領域の光(無偏光)が透過される。なお、反射された右旋または左旋の円偏光成分は、通常の反射とは異なり、旋回方向が反転されることなく反射される。
また、本発明においては、微小単位(ドメイン)は、分子構造に起因した選択反射光の選択反射波長が、微小単位(ドメイン)に入射する入射光の波長より短くなるように分子構造の螺旋ピッチが調整されている。
本発明においては、上記選択反射光の選択反射波長が入射光の波長より短いことが好ましい。また、入射光が可視光である場合が一般的であるので、上記選択反射波長は、可視光の波長より短いことが好ましく、具体的には380nm以下であることが好ましく、特に280nm以下であることが好ましい。なお、下限に関しては、特に限定されるものではないが、通常は150nm以上とされる。
このように、選択反射光の選択反射波長が入射光、特に可視光の波長よりも小さくなるように調整するのには、以下の3つの理由がある。
1つ目の理由は、コレステリック規則性の分子構造による選択反射によって入射光が反射されてしまうことを防止するために、選択反射波長が入射光の波長よりも小さくなる、または大きくなるようにする必要があるからである。したがって、微小単位(ドメイン)に入射する入射光が可視光(波長バンド幅:380nm〜780nm)である場合には、上記範囲のバンド幅をはずすことが好ましく、選択反射波長は380nmより小さいまたは780nmより大きいことが好ましい。
2つ目の理由は、微小単位(ドメイン)に負のCプレートとしての作用(位相差層としての作用)を発現させ、TN液晶のような旋光作用を発現させないために、選択反射波長が入射光の波長よりも小さくなるようにすることが好ましいからである。微小単位(ドメイン)に入射する入射光が可視光である場合には、上述したように選択反射波長は380nm以下にすることが好ましい。
3つ目の理由は、選択反射波長が入射光の波長より短くなるように設定すれば、微小単位(ドメイン)は選択反射光の選択反射波長が入射光の波長より長くなるように設定した場合よりもかなり小さくなり、明暗模様が観察されなくなるからである。上述した現象が何故起こるかについては、明白な証拠は現在のところないが、以下のように考えることができる。
すなわち、コレステリック構造の選択反射波長が長波長側に設定されている場合、ラビング処理を施さない配向膜上で形成される微小単位(ドメイン)の大きさは比較的大きく、目視可能な大きさになり、散乱現象による白濁が生じてしまう。一方、コレステリック構造の選択反射波長が短波長側に設定されている場合は、ラビング処理を施さない配向膜上で形成される微小単位(ドメイン)の大きさは比較的小さく、目視不可能な大きさになり、散乱現象が起きない。
また、本発明においては、図2に示すように、位相差層10に存在する複数の微小単位(ドメイン)12は、TN液晶のような旋光作用を用いていないので、それぞれ、螺旋ピッチが1ピッチ以上、好ましくは5ピッチ以上となるように膜厚が調整されているものである。具体的なピッチ数は、所望する膜厚から計算することができる(K. Kashima et al., IDW '02, 413(2002) 参照)。
本発明においては、位相差層に存在する複数の微小単位(ドメイン)同士のコレステリック構造におけるツイスト角は実質的には一致しなくてもよい。
例えば図3に示すように、位相差層10に膜厚分布がある場合には、微小単位(ドメイン)12同士のツイスト角は一致しない。このような状況は、旋光作用を利用するTNモードの液晶の場合には致命的な欠陥となるが、本発明においては、旋光作用を利用するのではなく、偏光の位相をシフトさせることが目的であるため、位相シフト量がごくわずかにずれるだけで大きな問題は生じないからである。
また、図2に示すように、位相差層10は、厚さ方向に直交するように配置された互いに対向する2つの主たる表面(広い方の表面)12Aおよび12Bを有するものである。本発明においては、位相差層10の2つの主たる表面12Aおよび12Bのうち、一方の表面12Aの複数の微小単位(ドメイン)12の液晶分子のダイレクターDaの方向は実質的に一致していないことが好ましく、さらに、他方の表面12Bの微小単位(ドメイン)12の液晶分子のダイレクターDbの方向も実質的に一致していないことが好ましい。また、本発明においては、それぞれの微小単位(ドメイン)12表面の液晶分子のダイレクターは実質的にランダムであることが好ましい。
上記位相差層に膜厚分布がある場合、位相差層表面の全ての液晶分子のダイレクターを一致させてモノドメインを作ろうとすると、モノドメインになりきれない複数の大きな島状ドメイン(ドメイン表面の内接楕円の最大長径が、5〜100mm)が、明暗模様として視認されてしまうという不具合が生じる。一方、本発明においては、位相差層に複数の微小単位(ドメイン)が存在し、これらの複数の微小単位(ドメイン)表面の液晶分子のダイレクターが一致していないことにより、位相差層に膜厚分布がある場合でも、明暗模様が発生することなく、表示品位の低下を抑制することができるという利点を有する。
なお、モノドメインを作りたい場合は、ラビング処理を施した配向膜を用いればよく、複数の微小単位(ドメイン)を作りたい場合は、ラビング処理を施さない配向膜を用いればよい。これらに関しては、特開平7−175065号公報、R. Holding et al., SID '93 Digest, 622 (1993)、Y. Iimura et al., SID '94 Digest, 915 (1994)に開示されているので、ここでの説明は省略するが、一言で言えば、ラビング処理を施さない配向膜は液晶分子に対する水平方向の配向規制力を有しているが、その力の方向は面内でランダムになっていることに起因している。
ここで、微小単位(ドメイン)の表面における、液晶分子のダイレクターの方向が実質的に一致しているか否かは、位相差層の断面を透過型電子顕微鏡で観察することによって判別することができる。詳細には、例えば図4に示すように、透過型電子顕微鏡により、コレステリック規則性の分子構造のまま固化された位相差層10の断面を観察すると、コレステリック規則性の分子構造特有の、分子螺旋のピッチに相当する明暗模様が観察される。したがって、このとき、各表面(例えば表面12A)において、面に沿って明暗の濃度にばらつきがあれば、この面内の液晶分子のダイレクターが実質的に一致していないものと判断することができる。
なお、「液晶分子」という用語は、一般的には液体の流動性と結晶の異方性とを兼ね備えた分子という意味で用いられるが、本明細書においては、流動性を有する状態で有していた異方性を保持しつつ固化された分子についても便宜上、「液晶分子」という用語を用いることとする。分子が流動性を有する状態で有していた異方性を保持しつつ固化させる方法としては、例えば、重合可能な基を有する液晶性分子(重合性モノマー分子または重合性オリゴマー分子)を架橋させる方法や、高分子液晶(液晶ポリマー)をガラス転移温度以下に冷却する方法等がある。
また、本発明のコレステリック規則性の分子構造を有する位相差層は、異方性、すなわち複屈折性を有しており、厚さ方向の屈折率と面方向の屈折率とが異なるので、負のCプレートとして作用する。
ここで、位相差層は、光学軸の向きと、光学軸に直交する方向の屈折率に対する光学軸方向の屈折率の大きさとにより分類されるものである。光学軸の方向が位相差層の平面に沿っているものをAプレート、光学軸の方向が位相差層に垂直な法線方向に向いているものをCプレート、光学軸の方向が法線方向から傾いているものをOプレートと呼ぶ。また、光学軸方向の屈折率が光学軸に直交する方向の屈折率より大きいものを正のプレート、光学軸方向の屈折率が光学軸に直交する方向の屈折率より小さいものを負のプレートという。したがって、正のAプレート、負のAプレート、正のCプレート、負のCプレート、正のOプレート、負のOプレートの区別がある。本発明においては、位相差層は負のCプレートとして機能しているものである。負のCプレートとは、光学軸の方向が位相差層に垂直な法線方向に向いており、光学軸方向の屈折率が光学軸に直交する方向の屈折率より小さいものである。
すなわち、3次元直交座標系で、位相差層の面方向の屈折率をNx、Ny、厚さ方向の屈折率をNzとすると、Nz<Nx=Nyの関係となっている。このため、例えば図2に示すように、位相差層10に直線偏光が入射する場合には、位相差層10の法線12Cの方向に入射した直線偏光は位相シフトされずに透過されるものの、位相差層12の法線12Cから傾斜した方向に入射した直線偏光は位相差層10を透過する際に位相差が生じて楕円偏光となる。なお逆に、位相差層10の法線12Cから傾斜した方向に楕円偏光が入射した場合には、入射した楕円偏光を直線偏光にすることも可能である。
なお、位相差層10の各々の微小単位(ドメイン)12内においては、主たる表面12Aおよび12Bの全範囲における液晶分子のダイレクターDaおよびDbの方向が実質的に一致している。
ここで、図2中12Dは各微小単位(ドメイン)12間の境界を示し、図2中12Eは各微小単位(ドメイン)12のヘリカル軸を示している。
本発明においては、微小単位(ドメイン)表面の大きさが、目視で判別できない程度であることが好ましい。具体的には、内接楕円の最大長径が40μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、特に5μm以下であることが好ましい。微小単位(ドメイン)表面の大きさが、上記範囲であることにより、微小単位(ドメイン)を目視により判別することが不可能となり、目視により明暗模様を捕らえることができないことから、実質的に明暗模様に起因する不具合を抑制することができるからである。
さらに、上記微小単位(ドメイン)表面の大きさが、入射波長以下であることが好ましく、特に可視光の波長以下、すなわち380nm以下であるであることが好ましい。この場合も同様に、微小単位(ドメイン)表面の大きさが、上記範囲であることにより、実際に明暗模様が発生することを抑制することができるからである。
このように、微小単位(ドメイン)表面の大きさをより小さくしたい場合は、選択反射波長をより短くすればよいことは上述した通りであるが、具体的には選択反射波長を380nm以下、好ましくは280nm以下にすればよいものである。
本発明における微小単位(ドメイン)表面の大きさは、偏光顕微鏡による実測値を用いることができる。微小単位(ドメイン)表面の大きさが、偏光顕微鏡では識別できない場合は、AFM、SEM、またはTEMといった光ではなく電子等を用いた分析手法が用いられる。
また、本発明においては、複数の微小単位(ドメイン)それぞれのヘリカル軸と位相差層表面に立てた法線とが実質的に一致しないことが好ましい。例えば図2に示すように、複数の微小単位(ドメイン)12のヘリカル軸12Eと位相差層表面に立てた法線12Cとが実質的に一致していないようにすれば、複数の微小単位をさらに小さくすることができるからである。その理由は、隣り合った複数の微小単位(ドメイン)が合体して、より大きなドメインになることを防止することができるからである。
このように、複数の微小単位(ドメイン)のヘリカル軸と位相差層表面に立てた法線とが実質的に一致していないようにするためには、位相差層を製造する際に、位相差層表面に風を当てる等の方法を用いればよいものである。
さらに、コレステリック構造を有する上記複数の微小単位(ドメイン)それぞれのヘリカル軸と上記位相差層表面に立てた法線とのなす角度の平均値が実質的に0度であることが好ましい。コレステリック構造を有する上記複数の微小単位(ドメイン)それぞれのヘリカル軸と上記位相差層表面に立てた法線とのなす角度の平均値が実質的に0度であれば、液晶セルと偏光板との間に本発明の位相差光学素子を配置した場合でも、表示画像に明暗模様を発生させることがなく、表示品位が低下してしまうことをさらに効果的に抑制することができるからである。
また、本発明においては、微小単位(ドメイン)間の配向欠陥(ディスクリネーション)の距離が、入射光の波長以下であることが好ましい。具体的には、可視光の波長以下、すなわち380nm以下、中でも280nm以下であることが好ましい。微小単位(ドメイン)間の配向欠陥(ディスクリネーション)の距離が上記範囲であることにより、ディスクリネーションによる散乱が起こらなくなるからである。
このように、微小単位(ドメイン)間の配向欠陥(ディスクリネーション)の距離をより小さくしたい場合は、選択反射波長をより短くすればよいことは上述した通りであるが、具体的には選択反射波長を380nm以下、好ましくは280nm以下にすればよいものである。
また、上記位相差層をJIS−K7105に準拠して測定した際のヘーズ値が、10%以下であることが好ましく、中でも2%以下、特に1%以下であることが好ましい。上記ヘーズ値が上述した範囲であることにより、微小単位(ドメイン)間のディスクリネーションによる散乱が起こらなくなり、液晶セルと偏光板との間に本発明の位相差光学素子を配置した場合でも、コントラストの低下を効果的に抑制することができるからである。
上記微小単位(ドメイン)間のディスクリネーションによる散乱を抑えることにより、JIS−K7105に準拠して測定した際のヘーズ値を10%以下、中でも2%以下、さらには1%以下に抑えることができるものであるが、そのためには、選択反射波長をより短くすればよいことは上述した通りであり、具体的には選択反射波長を380nm以下、好ましくは280nm以下にすればよいものである。
本発明においては、偏光板をクロスニコル状態にして法線方向から測定した際の漏れ光を0%、偏光板パラレル状態で法線方向から測定した際の漏れ光を100%としたとき、上記位相差層をクロスニコル状態の偏光板間に挟んで測定した際の380nm〜700nmの範囲で測定した漏れ光の最大値が1%以下であることが好ましく、中でも0.1%以下であることが好ましい。上記漏れ光の最大値が上述した範囲であることにより、液晶セルと偏光板との間に本発明の位相差光学素子を配置した場合でも、コントラストの低下を効果的に抑制することができるからである。
上記ヘーズ値を小さくすることにより、上記漏れ光の最大値を1%以下、さらには0.1%以下に抑えることができるが、そのためには、選択反射波長をより短くすればよいことは上述した通りであり、具体的には選択反射波長を380nm以下、好ましくは280nm以下にすればよいものである。
また、上記位相差層に用いられる材料としては、コレステリック液晶相を呈する液晶材料を用いることができる。このような液晶材料としては、コレステリック規則性を有するものであれば特に限定されるものではないが、重合性の液晶材料(重合性モノマーまたは重合性オリゴマー)または液晶ポリマーを使用することができる。
本発明においては、上記材料の中でも、3次元架橋可能な重合性モノマーまたは重合性オリゴマーを用いることが好ましい。液晶分子をコレステリック液晶の状態のままで光学的に固定化することができ、光学膜としての取り扱いが容易な、常温で安定したフィルム状の膜とすることができるからである。なお、「3次元架橋」とは、重合性モノマー分子又は重合性オリゴマー分子を互いに3次元的に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることを意味する。
また、冷却によりガラス状態に固化することが可能な液晶ポリマー(高分子コレステリック液晶)を用いることもできる。この場合も同様に、液晶分子をコレステリック液晶の状態のままで光学的に固定化することができ、光学膜としての取り扱いが容易な、常温で安定したフィルム状の膜とすることができるからである。
上記3次元架橋可能な重合性モノマーとしては、特開平7−258638号公報、特表平11−513019号公報や特表平9−506088号公報、特表平10−508882号公報に開示されているような、液晶性モノマーおよびキラル化合物の混合物を用いることができる。例えば、ネマチック液晶相を呈する液晶性モノマーにカイラル剤を添加することによりカイラルネマチック液晶(コレステリック液晶)が得られるものである。コレステリック薄膜の製造法に関しては、特開2001−5684号公報や特開2001−10045号公報にも記載されている。このような液晶性モノマーとしては、例えば一般式(1)〜(11)に示す化合物を用いることができる。ここで、一般式(11)で示される液晶性モノマーの場合には、Xは2〜5(整数)であることが好ましい。
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また、上記カイラル剤としては、例えば一般式(12)〜(14)に示す化合物を用いることが好ましい。なお、一般式(12)および(13)で示されるカイラル剤の場合、Xは2〜12(整数)であることが好ましく、また、一般式(14)で示されるカイラル剤の場合、Xは2〜5(整数)であることが好ましい。ここで、一般化式(12)において、Rは水素またはメチル基を示す。
Figure 2006323312
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また、上記3次元架橋可能な重合性オリゴマーとしては、特開昭57−165480号公報に開示されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物等を用いることができる。
さらに、上記液晶ポリマーとしては、液晶を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、あるいは主鎖および側鎖の両方の位置に導入した高分子、コレステリル基を側鎖に導入した高分子コレステリック液晶、特開平9−133810号公報に開示されているような液晶性高分子、特開平11−293252号公報に開示されているような液晶性高分子等を用いることができる。
本発明の位相差層は、1層であることに限定されるものではなく、位相差層の主たる表面上に第2の位相差層、必要であればさらに複数の位相差層を積層して形成された積層位相差層であってもよい。
このように位相差層を複数の位相差層の積層体とすることにより、各位相差層として、複屈折値や螺旋ピッチ等が異なるものを用いることにより、多様な光学補償を実現することもできる。
なお、このような多層構成の積層位相差層においては、各位相差層の最外面に位置する互いに対向する2つの主たる表面はそれぞれ、各微小単位(ドメイン)内の液晶分子のダイレクターは実質的に一致しているが、各微小単位(ドメイン)同士のダイレクターは実質的に一致していない。
また、上記位相差層および上記第2の位相差層の選択反射光がいずれも、実質的に同一な選択反射波長を有することが好ましく、さらに各位相差層を形成するために用いる液晶性材料は、実質的に同一成分であることが好ましい。これにより、上記位相差層と上記第2の位相差層との間での物質移動を殆どなくすことができ、さらに均一な位相差層の積層体としての積層位相差層を製造することができる。
2.配向膜
次に、本発明に用いられる配向膜について説明する。本発明に用いられる配向膜は非イオン性セルロース誘導体からなるものである。本発明の位相差光学素子は、上記配向膜が非イオン性セルロース誘導体からなることにより、より効果的に上記微小単位(ドメイン)間の配向欠陥(ディスクリネーション)の距離が、上記入射光の波長以下である位相差層を形成することができる。
上記非イオン性セルロース誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等を挙げることができる。
上記非イオン性セルロース誘導体としては、温度25℃、湿度80%RHにおける平衡水分が20%以下であることが好ましい。ここで、上記「温度25℃、湿度80%RHにおける平衡水分」とは、温度25℃、湿度80%RHの雰囲気下における平衡状態での含水量をいう。
本発明においては、上記配向膜の構成材料としてヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いることが最も好ましい。
本発明における配向膜の厚みは、配向膜の構成材料に応じて、液晶分子に対する配向能を発現することができる範囲内であれば特に限られないが、通常、0.01μm〜50μmの範囲内が好ましく、特に0.05μm〜10μmの範囲内が好ましい。配向膜の厚みが上記範囲よりも薄いと、液晶分子に対する十分な配向能を得ることができない場合があり、また、上記範囲よりも厚みが厚いとコスト的に不利になる可能性があるからである。
本発明においては、特にラビング処理がなされていない配向膜が好適に用いられる。これにより位相差層中の微小単位(ドメイン)を小さくすることができ、明暗模様の発生を抑えることができるからである。
3.透明基板
次に本発明に用いられる透明基板の透明度は、上記配向膜および上記位相差層を構成する材料の種類等に応じて、所望の光学的性質を達成できるものを任意に用いることができるが、中でも、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が低いと、上記配向膜や上記位相差層の構成材料の選択幅が狭くなってしまう場合があるからである。ここで、透明基板の透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
本発明に用いられる透明基板は、光学的等方性を有するものが好ましい。上記透明基板が、光学的等方性を有することにより本発明の位相差光学素子を光学特性に優れたものにできるからである。
本発明に用いられる透明基板の光学的等方性は、本発明の位相差光学素子の用途や上記配向膜および上記位相差層を構成する材料の種類等に応じて、所望の光学特的性質を達成できるものを任意に採用できるが、中でも、レターデーション値(Re)が0nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、0nm〜50nmの範囲内がより好ましく、0nm〜10nmの範囲内がさらに好ましい。このような透明基板を用いることにより、本発明の位相差光学素子の用途や上記配向膜および上記位相差層の構成材料の選択の幅を広げることができるからである。ここで、レターデーション値(Re)とは、透明基板の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率をnx、透明基板の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率をny、透明基板の厚みをd(nm)とした場合に、Re=(nx−ny)×dで表される値をいう。
本発明に用いられる透明基板の厚みは、本発明の位相差光学素子の用途に応じて、必要な自己支持性を有するものであれば特に限定されないが、通常、5μm〜500μmの範囲内が好ましい。厚みが上記の範囲よりも薄いと、本発明の位相差光学素子に必要な自己支持性が得られない場合があるからである。また、厚みが上記の範囲よりも厚いと、例えば、本発明の位相差光学素子を裁断加工する際に、加工屑が増加したり、裁断刃の磨耗が早くなってしまう場合があるからである。
また、本発明に用いられる透明基板は、上記光学的特性を具備するものであれば、可撓性を有するリジッド材でも、可撓性のないフレキシブル材を用いることもできるが、フレキシブル材を用いることが好ましい。フレキシブル材を用いることにより、本発明の位相差光学素子の製造工程をロールトゥロールプロセスとすることができ、生産性に優れた位相差光学素子を得ることができるからである。
上記フレキシブル材としては、セルロース誘導体、ノルボルネン系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類などを例示することができるが、中でもセルロース誘導体を用いることが好ましい。セルロース誘導体は特に光学的等方性に優れるため、光学的特性に優れた位相差光学素子を得ることができるからである。
上記セルロース誘導体は、セルロースエステルを用いることが好ましく、さらに、セルロースエステル類の中では、セルロースアシレート類を用いることが好ましい。セルロースアシレート類は工業的に広く用いられていることから、入手容易性の点において有利だからである。
上記セルロースアシレート類としては、炭素数2〜4の低級脂肪酸エステルが好ましい。低級脂肪酸エステルとしては、例えばセルロースアセテートのように、単一の低級脂肪酸エステルのみを含むものでもよく、また、例えばセルロースアセテートブチレートやセルロースアセテートプロピオネートのような複数の脂肪酸エステルを含むものであっても良い。
本発明においては、上記低級脂肪酸エステルの中でもセルロースアセテートを特に好適に用いることができる。セルロースアセテートとしては、平均酢化度が57.5〜62.5%(置換度:2.6〜3.0)のトリアセチルセルロースを用いることが最も好ましい。このようなトリアセチルセルロースは数多くの種類が工業的に用いられていることから、本発明の位相差光学素子の用途に適したトリアセチルセルロースを選択することが可能だからである。ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算により求めることができる。
4.その他
本発明においては、上記透明基板と、上記位相差層との間に、カラーフィルター層が形成されているものであってもよい。これにより、透明基板、カラーフィルター層、および位相差層間の表面反射を防いでより透過率を高くすることができるからである。上記カラーフィルター層を構成するカラーフィルターとしては、一般に液晶表示装置に用いられるカラーフィルターを用いることができる。
B.位相差光学素子の製造方法
次に、本発明の位相差光学素子の製造方法について説明する。
本発明の位相差光学素子の製造方法は、透明基板上に配向膜を形成する配向膜形成工程と、上記配向膜上に、コレステリック液晶構造を形成するコレステリック規則性を有する液晶材料を含む位相差層形成用塗工液を、上記配向膜に対してラビング処理を施さない状態で塗布する塗布工程と、上記塗布工程により配向膜上に形成された位相差層に配向処理を施す配向処理工程と、上記配向処理で配向させた位相差層に固化処理を施し固化させ、上記位相差層内における液晶相の状態で発現したコレステリック液晶構造を固定化する固定化工程とを有することを特徴とするものである。
このような、本発明の位相差光学素子の製造方法は、位相差層に用いられる液晶材料の種類および位相差層の層数等によって態様が異なるものである。以下、本発明の位相差光学素子の製造方法を各態様に分けて説明する。
1.第1の態様
本発明の位相差光学素子の製造方法の第1の態様は、重合性モノマーまたは重合性オリゴマーを用いて一層の位相差層を形成する態様である。
図5は、本態様の位相差光学素子の製造方法の一例を示す工程図である。まず、透明基板14上に配向膜16を形成し(図5(A):配向膜形成工程)、ラビング等の配向処理を行っていない上記配向膜16上に重合性モノマーまたは重合性オリゴマー18をコーティングし(塗布工程)、上記配向膜16の配向規制力によって配向させる(図5(B):配向処理工程)。このとき、コーティングされた重合性モノマーまたは重合性オリゴマー18は液晶層を構成している。次に、この配向状態のままで、重合性モノマーまたは重合性オリゴマー18を、予め添加しておいた光重合開始剤と外部から照射した紫外線110とによって重合を開始させるか、または電子線110で直接重合を開始させることにより、3次元架橋(ポリマー化)して固化すれば、上述したような負のCプレートとして作用する一層の位相差層10が形成される(図5(C):固定化工程)。
本態様においては、配向膜の配向規制力の方向をラビングせずにランダムな状態のままにしておけば、これと接触する液晶分子のダイレクターの方向を、その接触面内で実質的にランダムにし、複数の微小単位(ドメイン)を作ることができる。
また、本態様に用いられる重合性モノマーまたは重合性オリゴマーは、コーティングし易いように粘度を低下させるため、溶媒に溶かしてコーティング液としてもよいものである。この場合には、紫外線や電子線の照射により3次元架橋する前に溶媒を蒸発させるための乾燥工程が必要となる。好ましくは、コーティング液をコーティングするコーティング工程を行った後、溶媒を蒸発させる乾燥工程を行い、次いで、液晶を配向させる配向工程を行うようにするとよい。なお、本態様に用いられる重合性モノマーまたは重合性オリゴマーは、上記「A.位相差光学素子 1.位相差層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
さらに、上記重合性モノマーまたは重合性オリゴマーを所定の温度で液晶層にした場合には、これがネマチック状態になるが、ここに任意のカイラル剤を添加すれば、カイラルネマチック液晶相(コレステリック液晶相)となる。具体的には、重合性モノマーまたは重合性オリゴマーに、カイラル剤を数%〜20%程度入れるとよい。また、カイラル剤の種類を変えてカイラルパワーを変えるか、あるいは、カイラル剤の濃度を変化させることにより、重合性モノマーまたは重合性オリゴマーの分子構造に起因する選択反射波長を制御することができる。本態様においては、選択反射波長を380nm以下、好ましくは280nm以下にすることが好ましい。なお、本態様に用いられるカイラル剤は、上記「A.位相差光学素子 1.位相差層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本態様に用いられる配向膜は、従来から知られている方法で形成することができる。例えば、透明基板上に配向膜として用いることが可能な膜を成膜してラビングしない方法等を用いることができる。なお、本態様に用いることができる配向膜の構成材料は、上記「A.位相差光学素子 2.配向膜」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記透明基板として、TACフィルム等の高分子フィルムを用いる場合には、重合性モノマーまたは重合性オリゴマーを溶かしたコーティング液中の溶媒で透明基板が侵されないように、透明基板上にバリア層を設けることが好ましい。この場合、上記配向膜がバリア層を兼ねるようにしても良く、例えば、PVA等の水溶性物質を配向膜として用いればよいものである。
2.第2の態様
次に、本発明の位相差光学素子の製造方法の第2の態様について説明する。本発明の位相差光学素子の製造方法の第2の態様は、液晶ポリマーを用いて一層の位相差層を形成する態様である。
図6は、本態様の位相差光学素子の製造方法の一例を示す工程図である。まず、透明基板14上に配向膜16を形成し(図6(A):配向膜形成工程)、次に、配向膜16上に、コレステリック規則性を有する液晶ポリマー34をコーティングし(塗布工程)、配向膜16の配向規制力によって配向させる(図6(B):配向処理工程)。このとき、コーティングされた液晶ポリマー34は液晶層を構成している。その後、液晶ポリマー34をガラス転移温度(Tg)以下に冷却してガラス状態にすれば、一層の位相差層10が形成される(図6(C):固定化工程)。
本態様に用いられる液晶ポリマーは、コーティングし易いように粘度を低下させるため、溶媒に溶かしてコーティング液としてもよいものである。この場合には、冷却する前に溶媒を蒸発させるための乾燥工程が必要となる。好ましくは、コーティング液をコーティングするコーティング工程を行った後、溶媒を蒸発させる乾燥工程を行い、次いで、液晶を配向させる配向工程を行うようにするとよい。なお、本態様に用いられる液晶ポリマーは、上記「A.位相差光学素子 1.位相差層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本態様に用いられる透明基板としてTACフィルム等の高分子フィルムを用いる場合には、液晶ポリマーを溶かしたコーティング液中の溶媒で透明基板が侵されないように、透明基板上にバリア層を設けて、その上に液晶をコーティングするようにすることが好ましい。この場合、上記配向膜がバリア層を兼ねるようにしても良く、例えば、PVA等の水溶性物質を配向膜として用いればよい。
本態様に用いられる液晶ポリマーとしては、液晶ポリマーそれ自体にカイラル能を有しているコレステリック液晶ポリマーそのものを用いてもよく、ネマチック系液晶ポリマーとコレステリック系液晶ポリマーの混合物を用いてもよいものである。
このような液晶ポリマーは、温度によって状態が変わり、例えばガラス転移温度が90℃、アイソトロピック転移温度が200℃である場合は、90℃〜200℃の間でコレステリック液晶の状態を呈し、これを室温まで冷却すればコレステリック構造を有したままでガラス状態に固化させることができる。
また、上記液晶ポリマーのコレステリック規則性の分子構造に起因する、入射光の選択反射波長を調整する方法としては、コレステリック液晶ポリマーを用いる場合には、公知の方法で液晶分子中のカイラルパワーを調整すればよいものである。また、ネマチック系液晶ポリマーとコレステリック系液晶ポリマーの混合物を用いる場合は、その混合比を調整すればよいものである。本態様においては、選択反射波長を380nm以下、好ましくは280nm以下にする。
また、本態様に用いられる配向膜の配向規制力の方向を配向膜上の全範囲でランダムにしておけば、これと接触する位相差層の一方の表面における液晶分子のダイレクターを、その接触面内で実質的にランダムにし、複数の微小単位(ドメイン)を形成させることができる。なお、本態様に用いられる配向膜の構成材料は、上記「A.位相差光学素子 2.配向層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.第3の態様
次に、本発明の位相差光学素子の製造方法の第3の態様について説明する。本発明の位相差光学素子の製造方法の第3の態様は、重合性モノマーまたは重合性オリゴマーを用いて多層の積層位相差層を形成するものである。
上述した第1および第2の態様における位相差光学素子はいずれも、一層の位相差層からなる単層構成の位相差光学素子の製造方法であったが、本発明はこれに限定されるものでなく、多層の積層位相差層を有する位相差光学素子の製造方法をも含むものである。
具体的には、後述する図7(E)に示されるように、プレーナー配向されたコレステリック規則性の分子構造を有する複数の位相差層42、44が順次直接積層されていてもよい。なお、このような多層構成の積層位相差層40においては、各位相差層42、44として、複屈折値や螺旋ピッチ等が異なるものを用いることにより、多様な光学補償を実現することもできる。
このような多層構成の位相差層40においては、位相差層42、44の最外面に位置する互いに対向する2つの主たる表面はそれぞれ、各微小単位(ドメイン)内の液晶分子のダイレクターは実質的に一致しているが、各微小単位(ドメイン)同士のダイレクターは実質的に一致していない。
図7は、本態様の位相差光学素子の製造方法の一例を示す工程図である。まず、透明基板14上に配向膜16を形成し(図7(A):配向膜形成工程)、配向膜16上に液晶分子としての重合性モノマーまたは重合性オリゴマーを含有する塗工液18をコーティングし(塗布工程)、配向膜16の配向規制力によって配向させる(図7(B):配向処理工程)。次に、この配向状態のままで、光重合開始剤を用いての紫外線110の照射または電子線110の単独照射により、重合性モノマーまたは重合性オリゴマー18を3次元架橋して固化すれば、第1の位相差層42が形成される(図7(C):固定化工程)。さらに、3次元架橋された第1の位相差層42上に別途用意しておいた他の重合性モノマー分子または重合性オリゴマー分子を含有する第2塗工液19を直接コーティングする(図7(D))。このとき、図8に示すように、3次元架橋された位相差層42の各微小単位(ドメイン)表面の配向規制力によって配向させ、この状態で、光重合開始剤を用いての紫外線の照射110または電子線110の単独照射により3次元架橋して固化すれば、第2の位相差層44が形成される(図7(E))。
また、3層以上の多層構成とする場合には、上述したのと同様の工程(図7(D)〜(E))を繰り返し、必要な数だけ順次位相差層を重ねていけばよいものである。
本態様に用いられる重合性モノマーまたは重合性オリゴマーは、コーティングし易いように粘度を低下させるため、溶媒に溶かしてコーティング液としてもよく、この場合には、紫外線や電子線の照射により3次元架橋する前に溶媒を蒸発させるための乾燥工程が必要となる。好ましくは、コーティング液をコーティングするコーティング工程を行った後、溶媒を蒸発させる乾燥工程を行い、次いで、液晶を配向させる配向工程を行うようにするとよい。なお、本態様に用いられる重合性モノマーまたは重合性オリゴマーは、上記「A.位相差光学素子 1.位相差層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本態様に用いられる配向膜の配向規制力の方向を配向膜上の全範囲で実質的にランダムにしておけば、これと接触する液晶分子のダイレクターを、その接触面内で実質的にランダムにすることができる。
また、位相差層および第2の位相差層を形成するために用いる液晶性材料は、実質的に同一成分であることが好ましい。これにより、位相差層42と第2の位相差層44との間での物質移動を殆どなくすことができ、さらに均一な位相差層の積層体としての位相差光学素子を製造することができる。
4.第4の態様
次に、本発明の位相差光学素子の製造方法の第4の態様について説明する。本発明の位相差光学素子の製造方法の第3の態様は、液晶ポリマーを用いて多層の積層位相差層を形成するものである。
図9は、本態様の位相差光学素子の製造方法の一例を示す工程図である。まず、透明基板14上に配向膜16を形成し(図9(A):配向膜形成工程)、次に配向膜16上にコレステリック規則性を有する液晶ポリマー32をコーティングし(塗布工程)、配向膜16の配向規制力によって配向させ(図9(B):配向処理工程)、液晶ポリマー32をガラス転移温度(Tg)以下に冷却してガラス状態にすることにより、第1の位相差層42´を形成する(図9(C):固定化工程)。その後、第1の位相差層42´上に、別途用意しておいたコレステリック規則性を有する他の液晶ポリマー34を直接コーティングし、ガラス状態にした第1の液晶層42´の表面の配向規制力によって配向させ(図9(D))、液晶ポリマー34をガラス転移温度(Tg)以下に冷却してガラス状態にすることにより、第2の位相差層44´が形成される(図9(E))。
また、上記位相差層を3層以上の多層構成とする場合には、上述したのと同様の工程(図9(D)〜(E))を繰り返せばよいものである。
本態様に用いられる配向膜の配向規制力の方向を配向膜上の全範囲で実質的にランダムにしておけば、これと接触する液晶分子のダイレクターを、その接触面内で実質的にランダムにすることができる。
なお、本態様に用いられる液晶ポリマーおよび配向膜の構成材料等については、上記「A.位相差光学素子」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
C.偏光素子
次に、本発明の偏光素子について説明する。
本発明の偏光素子は、上記「A.位相差光学素子」の欄で説明した位相差光学素子の透明基板における、位相差層が形成されていない側の表面に、偏光層が配置されていることを特徴とするものである。
このような偏光素子は、上記位相差光学素子の少なくとも片面に偏光層が設けられたものであるので、位相差光学素子の表面での反射が極端に少なくなり、明暗模様の発生を効果的に抑制するとともにコントラストを向上させることができ、表示品位の低下を効果的に抑制することができる。
図10は、本発明の偏光素子の一例を示す概略斜視図である。図10に示すように、本発明の偏光素子50は、偏光層51Aと、偏光層51Aの入光側の表面に配置された位相差光学素子20とを有するものである。なお、図10において、位相差光学素子20と偏光層51Aとは互いに離間して描かれているが、これらは互いに貼り合わされた状態で構成されているものとする。
このようにして、位相差光学素子20の透明基板における、位相差層が形成されていない側の表面に偏光層51Aを貼り合わせるようにすれば、位相差光学素子20の表面での反射が極端に少なくなり、明暗模様の発生を効果的に抑制すると共にコントラストを向上させることができ、表示品位の低下を効果的に抑制することができる。
なお、この際用いられる偏光層は、通常液晶表示装置において用いられているものを用いることができる。また、本発明に用いられる位相差光学素子に関しては、上述した「A.位相差光学素子」に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
D.液晶表示装置
最後に、本発明の液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、上記液晶セルを挟むように配置された一対の偏光板と、上記液晶セルと上記一対の偏光板の少なくとも一方との間に配置された、上記記載の位相差光学素子とを有する液晶表示装置であって、上記位相差光学素子は、上記液晶セルの法線から傾斜した方向の光の偏光状態を補償することを特徴とするものである。これにより、液晶表示装置における明暗模様の発生を抑制するとともにコントラストを向上させることができ、表示品位の低下を抑制することができる。
図11は、本発明の液晶表示装置の一例を示す斜面図である。図11に示すように、本発明の液晶表示装置60は、入射側の偏光板102Aと、出射側の偏光板102Bと、液晶セル104とを有するものである。偏光板102A、102Bは、所定の振動方向の振動面を有する直線偏光のみを選択的に透過させるように構成されたものであり、それぞれの振動方向が相互に直角の関係になるようにクロスニコル状態で対向して配置されている。また、液晶セル104は画素に対応する多数のセルを含むものであり、偏光板102A、102Bの間に配置されている。
ここで、液晶表示装置60において、液晶セル104は、負の誘電異方性を有するネマチック液晶が封止されたVA方式を採用しており、入射側の偏光板102Aを透過した直線偏光は、液晶セル104のうち非駆動状態のセルの部分を透過する際には、位相シフトされずに透過し、出射側の偏光板102Bで遮断される。これに対し、液晶セル104のうち駆動状態のセルの部分を透過する際には、直線偏光が位相シフトされ、この位相シフト量に応じた量の光が出射側の偏光板102Bを透過して出射される。これにより、液晶セル104の駆動電圧を各セル毎に適宜制御することにより、出射側の偏光板102B側に所望の画像を表示することができる。
このような構成からなる液晶表示装置60において、液晶セル104と出射側の偏光板102B(液晶セル104から出射された所定の偏光状態の光を選択的に透過させる偏光板)との間に、上述した実施の形態に係る位相差光学素子20が配置されており、位相差光学素子20により、液晶セル104から出射された所定の偏光状態の光のうち液晶セル104の法線から傾斜した方向に出射される光の偏光状態を補償することができるようになっている。
以上のとおり、上述した構成からなる液晶表示装置60によれば、液晶表示装置60の液晶セル104と出射側の偏光板102Bとの間に、上述した実施の形態に係る位相差光学素子20を配置し、液晶セル104から出射された光のうち液晶セル104の法線から傾斜した方向に出射される光の偏光状態を補償するので、視角依存性の問題を効果的に改善しながら、液晶表示装置60における明暗模様の発生を抑制するとともにコントラストを向上させることができ、表示品位の低下を抑制することができる。
なお、図11に示す液晶表示装置60は、光が厚さ方向の一方の側から他方の側へ透過する透過型であるが、本実施の形態はこれに限定されるものではなく、上述した実施の形態に係る位相差光学素子20は反射型の液晶表示装置にも同様に組み込んで用いることができる。
また、図11に示す液晶表示装置60では、上述した実施の形態に係る位相差光学素子20を液晶セル104と出射側の偏光板102Bとの間に配置しているが、光学補償の態様によっては、位相差光学素子20を液晶セル104と入射側の偏光板102Aとの間に配置してもよい。また、位相差光学素子20を液晶セル104の両側(液晶セル104と入射側の偏光板102Aとの間、及び液晶セル104と出射側の偏光板102Bとの間)に配置してもよい。なお、液晶セル104と入射側の偏光板102Aとの間、又は液晶セル104と出射側の偏光板102Bとの間に配置される位相差光学素子は一つに限らず、複数配置されていてもよい。
本発明においては、特に上記液晶セル104が、VA(Vertical Alignment)方式の液晶層で形成されていることが好ましい。液晶表示装置における明暗模様の発生を抑制するとともにコントラストを向上させることができ、表示品位の低下をさらに抑制することができるからである。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
次に、本発明について実施例および比較例を参照しながら述べる。
(実施例1)
実施例1では、単層の位相差層をガラス基板上に形成した。両末端に重合可能なアクリレートを有するとともに中央部のメソゲンと上記アクリレートとの間にスペーサーを有する、ネマチック−アイソトロピック転移温度が110℃であるモノマー分子(上記化学式(11)で示されるような分子構造を有するもの)90重量部と、両末端に重合可能なアクリレートを有するカイラル剤分子(上記化学式(14)で示されるような分子構造を有するもの)10重量部とを溶解させたトルエン溶液を準備した。なお、上記トルエン溶液には、上記モノマー分子に対して5重量%の光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、イルガキュア(登録商標)907)を添加した。一方、透明なガラス基板上に、溶媒に溶かしたHEC(ヒドロキシエチルセルロース:平衡水分20%(25℃、80%RH))をスピンコーターによりスピンコーティングし、乾燥して0.1μmの配向膜としたが、ラビングしなかった。
そして、このような配向膜付きのガラス基板をスピンコーターにセットし、上記モノマー分子等を溶解させたトルエン溶液をできるだけ膜厚が一定になるような条件でスピンコーティングした。次に、80℃で上記トルエン溶液中のトルエンを蒸発させた。
そして、上記塗膜に紫外線を照射し、塗膜中の光重合開始剤から発生するラジカルによってモノマー分子のアクリレートを3次元架橋してポリマー化し、単層の位相差層を有する位相差光学素子を作製した。
(実施例2)
実施例2では、平衡水分(25℃、80%RH)が20%であるMC(メチルセルロース)を、配向膜として機能するようにした以外は、実施例1と同様にして位相差光学素子を作製した。
(実施例3)
実施例3では、平衡水分(25℃、80%RH)が15%であるHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を、配向膜として機能するようにした以外は、実施例1と同様にして位相差光学素子を作製した。
(比較例1)
比較例1では、平衡水分(25℃、80%RH)が21%であるCMC−Na(カルボキシメチルセルロース―ナトリウム塩)を、配向膜として機能するようにした以外は、実施例1と同様にして位相差光学素子を作製した。
(比較例2)
比較例2では、平衡水分(25℃、80%RH)が21%であるCMC−NH(カルボキシメチルセルロース―アンモニウム塩)を、配向膜として機能するようにした以外は、実施例1と同様にして位相差光学素子を作製した。
(評価)
上記実施例および比較例において作製した位相差光学素子について以下の評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
(透明性評価)
透明性は、目視観察により評価した。目視にて白濁が視認される場合は「白濁」と評価し、白濁が視認できない場合は「透明」と評価した。
(ヘーズ評価)
ヘーズは、JIS−K7105に準拠して測定したヘーズ値により評価した。
(光抜け評価)
光抜けは、図12に示されているように、直線偏光板70A、70Bをクロスニコル状態にして、その間に、作製した位相差光学素子20を挟んで偏光顕微鏡で観察することにより評価した。偏光顕微鏡で光抜けが視認される場合は「光抜け有り」と評価し、光抜けが視認されない場合は「光抜け無し」と評価した。
(漏れ光評価)
漏れ光評価は、波長範囲380nm〜700nmを対象として、位相差光学素子を偏光板クロスニコル状態の間に挟んだ測定した透過率により評価した。透過率の基準としては、位相差光学素子を間に挟まない状態で、2枚の偏光板をクロスニコル状態にして法線方向から測定した際の透過率を0%、偏光板をパラレル状態で法線方向から測定した際の透過率を100%とした。
Figure 2006323312
表1に示すように、本発明の位相差光学素子によれば、偏光板の間に配置した場合でも、明暗模様を発生させることがなく、表示品位が低下してしまうことを効果的に抑制することができる位相差光学素子を提供することができる。
本発明の位相差光学素子の一例を示す模式的断面図である。 本発明の一例としての位相差層の一部を拡大した模式的断面図である。 本発明の他の例としての位相差層の一部を拡大した模式的断面図である。 本発明の位相差層の断面の一例を示す透過型電子顕微鏡写真である。 本発明の位相差光学素子の製造方法の一例を説明するための工程図である。 本発明の位相差光学素子の製造方法の他の例を説明するための工程図である。 本発明の位相差光学素子の製造方法の他の例を説明するための工程図である。 本発明の一例に係る位相差層のうち多層構成の位相差層における層間の隣接表面での液晶分子のダイレクターを示す模式図である。 本発明の位相差光学素子の製造方法の他の例を説明するための工程図である。 本発明の位相差層を備えた偏光素子の一例を示す概略分解斜視図である。 本発明の位相差層を備えた液晶表示装置の一例を示す概略分解斜視図である。 位相差光学素子を偏光板により挟んで観察する場合の構成を示す概略分解斜視図である。 従来の液晶表示装置を示す概略分解斜視図である。
符号の説明
10、40 … 位相差層
20 … 位相差光学素子
14 … 透明基板
16 … 配向膜
42、42´ … 位相差層
44、44´ … 第2の位相差層
50 … 偏光素子
60、100 … 液晶表示装置
70A、70B、102A、102B … 偏光板

Claims (6)

  1. 透明基板と、前記透明基板上に形成され、非イオン性セルロース誘導体からなる配向膜と、前記配向膜上に形成された位相差層と、を有する位相差光学素子であって、
    前記位相差層が、コレステリック構造の螺旋ピッチが1ピッチ以上である範囲で固定化した負のCプレートとして機能する位相差層であって、前記コレステリック構造を有する微小単位(ドメイン)が複数存在してなることを特徴とする位相差光学素子。
  2. 前記非イオン性セルロース誘導体の平衡水分(25℃、80%RH)が、20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の位相差光学素子。
  3. 前記透明基板と、前記位相差層との間に、カラーフィルター層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の位相差光学素子。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の位相差光学素子の透明基板における、前記位相差層が形成されていない側の表面に、偏光層が配置されていることを特徴とする偏光素子。
  5. 液晶セルと、前記液晶セルを挟むように配置された一対の偏光板と、前記液晶セルと前記一対の偏光板の少なくとも一方との間に配置された、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の位相差光学素子とを有することを特徴とする液晶表示装置。
  6. 透明基板上に配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記配向膜上に、コレステリック液晶構造を形成するコレステリック規則性を有する液晶材料を含む位相差層形成用塗工液を、前記配向膜に対してラビング処理を施さない状態で塗布する塗布工程と、前記塗布工程により配向膜上に形成された位相差層に配向処理を施す配向処理工程と、前記配向処理で配向させた位相差層に固化処理を施し固化させ、前記位相差層内における液晶相の状態で発現したコレステリック液晶構造を固定化する固定化工程とを有することを特徴とする位相差光学素子の製造方法。
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