JP2006318357A - 部品保守支援装置、部品保守支援システム及び部品保守支援プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 部品保守支援装置30は、取得手段32と計測累積値計算手段33と関係式予測手段34と支援情報生成手段35とを備え、空気調和機10を構成する部品51,53,61,63,71,72,77の保守を支援する。取得手段32は、使用開始時刻より後の計測開始時刻から現在時刻までに計測された部品の稼働情報を取得し、計測累積値計算手段33は、稼働情報に基づいて計測開始時刻から現在時刻までの部品の稼働時間又は回数の累積値を計算し、関係式予測手段34は、累積値に基づいて使用開始時刻からの経過時間と累積値との関係式を予測し、支援情報生成手段35は、関係式に基づいて部品の保守を支援するための情報を生成する。
【選択図】 図1
Description
この部品保守支援装置は、計測開始時刻から現在時刻までの部品の稼働時間又は稼働回数の累積値である計測累積値、及び使用開始時刻から計測開始時刻までの部品の稼働時間又は稼働回数の累積値である初期累積値を出力する。これにより、この部品保守支援装置は、計測開始時刻以後の稼働情報だけでなく計測開始時刻より前の稼働情報も考慮することができる。また特に、この部品保守支援装置では、実測値である計測累積値と予測値である初期累積値とが別々に出力されることにより、出力結果を見て保守についての意思決定を行う利用者は、部品の保守について納得のいく意思決定を行うことができる。
この部品保守支援装置は、部品の耐用時間又は耐用回数である耐用限界値に基づいて生成された部品保守支援情報を出力する。これにより、この部品保守支援装置は、部品の寿命を考慮し、部品の保守をより適切に支援することができる。
この部品保守支援装置は、部品の交換時期の予測値を出力する。これにより、この部品保守支援装置は、部品の交換時期を予測し、部品の保守をより適切に支援することができる。
この部品保守支援装置は、部品の稼働時間又は稼働回数の累積値が使用開始時刻からの経過時間に比例すると仮定する。これにより、この部品保守支援装置は、使用開始時刻からの経過時間と部品の稼働時間又は稼働回数の累積値との関係式を容易に予測することができる。
一般的に、部品の稼働情報の計測期間が所定の下限値よりも短い場合には、関係式の予測において一定水準の精度を確保できない可能性が高い。従って、この部品保守支援装置は、部品の稼働情報の計測期間が所定の下限値よりも短い場合には、部品保守支援情報の出力を禁止することにより、部品の保守にマイナスの影響を与え得る情報の出力を回避することができる。
一般的に、関係式の予測の精度は、部品の稼働情報の計測期間が長ければ長い程向上するが、所定の上限値を超えると頭打ちする。従って、この部品保守支援装置は、部品の稼働情報の計測期間が所定の上限値を超えた場合には、計測期間が所定の上限値に等しいときに予測された関係式に基づいて生成される部品保守支援情報を出力することにより、不必要な処理を回避して装置全体の処理を低減することができる。
第4発明に記載の部品保守支援装置は、部品の交換時期の予測値を出力する。これにより、この部品保守支援装置は、部品の交換時期を予測し、部品の保守をより適切に支援することができる。
第6発明に記載の部品保守支援装置は、部品の稼働情報の計測期間が所定の下限値よりも短い場合には、部品保守支援情報の出力を禁止することにより、部品の保守にマイナスの影響を与え得る情報の出力を回避することができる。
第8発明に記載の部品保守支援システムは、部品の使用開始時刻より後の計測開始時刻から部品の稼働情報を連続的に計測し、部品の使用開始時刻と計測された稼働情報とに基づいて部品の使用開始時刻からの経過時間と部品の稼働時間又は稼働回数の累積値との関係式を予測する。これにより、この部品保守支援システムは、部品の稼働情報の計測が部品の使用開始時刻より後の計測開始時刻から開始され計測開始時刻より前の稼働情報が計測されていない場合にも、計測開始時刻以後の稼働情報だけでなく計測開始時刻より前の稼働情報も考慮し、部品の保守を適切に支援することができる。
(部品保守支援システム)
図1に、第1実施形態に係る空気調和機10を構成する部品51,53,61,63,71,72,77(図2)の保守を支援する部品保守支援システム1を示す。
部品保守支援システム1は、空気調和機10に接続され空気調和機10を構成する部品51,53,61,63,71,72,77の稼働情報を計測する計測装置20と、計測装置20に接続され計測装置20から取得した稼働情報に基づいて部品51,53,61,63,71,72,77の保守を支援する部品保守支援装置30と、部品保守支援装置30に接続され部品保守支援装置30の処理に供するデータを格納するデータベース40とを備える。
図2を参照して、空気調和機10の構成を説明する。
空気調和機10は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことにより、空気調和機10の室内機5,6が設置された室内の空気を冷却又は加熱する。空気調和機10は、室外機7と、室外機7に並列に接続された複数台の室内機5,6と(本実施形態では2台)、室外機7と室内機5,6とを接続する液冷媒連絡配管8及びガス冷媒連絡配管9とを備える。
室内機5は、液冷媒連絡配管8及びガス冷媒連絡配管9を介して室外機7に接続される。室内機5は、室内膨張弁51と、室内熱交換器52と、室内ファン53と、室内側制御部54とを備える。
室内膨張弁51は、電動膨張弁であり、室内熱交換器52の液管側に接続される。室内熱交換器52は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して室内の空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の凝縮器として機能して室内の空気を加熱する。室内ファン53は、室内熱交換器52に供給する空気の流量を調整しつつ、室内機5内に室内の空気を吸入し、熱交換後の空気を室内へ供給する。室内側制御部54は、マイクロコンピュータやメモリ等を有しており、室内機5の運転を制御する。具体的には、室内側制御部54は、室内機5を操作するためのリモコン(図示せず)との間や室外機7との間で制御信号を送受信し、室内機5の運転に伴い稼働する室内膨張弁51及び室内ファン53の動作を制御する。さらに、室内側制御部54は、室内膨張弁51及び室内ファン53の稼働情報を連続的に計測する。
室外機7は、室内機5,6が設置された建物の屋上等に設置され、液冷媒連絡配管8及びガス冷媒連絡配管9を介して室内機5,6に接続されている。室外機7は、圧縮機71と、四路切換弁72と、室外熱交換器73と、アキュムレータ74と、液管側閉鎖弁75と、ガス管側閉鎖弁76と、室外ファン77と、室外側制御部78とを備える。
圧縮機71は、インバータ回路により制御されるモータ71aにより駆動される可変容量型の圧縮機である。四路切換弁72は、冷媒の流れる方向を切り換えるための弁である。四路切換弁72は、冷房運転時には実線で示される状態になり、暖房運転時には破線で示される状態になる。室外熱交換器73は、冷房運転時には冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する。室外熱交換器73は、そのガス管側が四路切換弁72に接続され、その液管側が液冷媒連絡配管8に接続される。室外ファン77は、室外熱交換器73に供給する空気の流量を調整しつつ、室外機7内に室外の空気を吸入し、熱交換後の空気を室外へと排出する。アキュムレータ74は、四路切換弁72と圧縮機71との間に接続され、室内機5,6の運転負荷に応じて冷媒回路内に発生する余剰冷媒を溜めることが可能な容器である。液管側閉鎖弁75、ガス管側閉鎖弁76は、それぞれ液冷媒連絡配管8、ガス冷媒連絡配管9と室外機7との接続口に設けられた弁である。液管側閉鎖弁75は、室外熱交換器73に接続されている。ガス管側閉鎖弁76は、四路切換弁72に接続されている。室外側制御部78は、マイクロコンピュータ、メモリ、モータ71aを制御するインバータ回路等を有しており、室外機7の運転を制御する。具体的には、室外側制御部78は、室内機5,6の室内側制御部54,64との間で制御信号を送受信し、室外機7の運転に伴い稼働する圧縮機71,四路切換弁72及び室外ファン77の動作を制御する。さらに、室外側制御部78は、圧縮機71,四路切換弁72及び室外ファン77の稼働情報を連続的に計測する。
このように、空気調和機10は、空気調和機10の運転に伴い稼働する部品51,53,61,63,71,72,77を含む、部品8,9,51〜54,61〜64,71,71a,72〜78等から構成される。
計測装置20は、空気調和機10の室内側制御部54,64及び室外側制御部78に接続され、空気調和機10を構成する部品51,53,61,63,71,72,77の稼働情報を計測する。具体的には、計測装置20は、室内側制御部54,64が連続的に計測した部品51,53,61,63の稼働情報及び室外側制御部78が連続的に計測した部品71,72,77の稼働情報を連続的に収集することにより、部品51,53,61,63,71,72,77の稼働情報を連続的に計測する。さらに、計測装置20は、1日1回、1日分の部品51,53,61,63,71,72,77の稼働情報を含む日報データを部品保守支援装置30に送る。
再び図1を参照して、部品保守支援装置30の構成を説明する。
部品保守支援装置30は、計測装置20及びデータベース40に接続され、空気調和機10を構成する部品51,53,61,63,71,72,77の保守を支援する。部品保守支援装置30は、データベース管理手段31と、取得手段32と、計測累積値計算手段33と、関係式予測手段34と、支援情報生成手段35と、出力手段36とを有する。
データベース管理手段31は、データベース40内の稼働情報テーブル41及び部品情報管理テーブル42を管理する。取得手段32は、1日1回、計測装置20を介して1日分の部品51,53,61,63,71,72,77の稼働情報を含む日報データを取得する。計測累積値計算手段33、関係式予測手段34及び支援情報生成手段35は、互いに協同し、取得手段32が取得した稼働情報等に基づいて部品51,53,61,63,71,72,77の保守を支援するための部品保守支援情報を生成する。出力手段36は、部品保守支援情報を出力する。データベース管理手段31、取得手段32、計測累積値計算手段33、関係式予測手段34、支援情報生成手段35及び出力手段36の動作の詳細は後述する。
(データベース)
データベース40は、リレーショナルデータベースであり、稼働情報テーブル41及び部品情報管理テーブル42を有する。データベース40は、部品保守支援装置30に接続されており、部品保守支援装置30が取得した部品51,53,61,63,71,72,77の稼働情報を稼働情報テーブル41に、部品51,53,61,63,71,72,77の稼働情報等に基づいて部品保守支援装置30が加工した部品51,53,61,63,71,72,77に関する情報を部品情報管理テーブル42に格納する。
図3を参照して、稼働情報テーブル41の構成を説明する。
稼働情報テーブル41は、部品保守支援装置30の動作開始時にデータベース管理手段31によりデータベース40内に作成され、取得手段32が日報データを取得する度にデータベース管理手段31により更新される。稼働情報テーブル41は、部品ID、計測時刻及びイベントフィールドを有しており、部品保守支援装置30が取得した部品51,53,61,63,71,72,77の稼働情報に基づいて、どの部品が、いつ、どのようなイベントを行ったのかを表す情報を1つのレコードとして格納する。
計測時刻フィールドには、部品IDフィールドに格納されたIDにより特定される部品の稼働情報が計測された計測時刻が格納される。
従って、例えば、図3のレコード1により、室内ファン53が2004年8月23日の8時30分00秒に電源がオンになり動作を開始したことがわかる。
図4を参照して、部品情報管理テーブル42の構成を説明する。
部品情報管理テーブル42は、部品保守支援装置30の動作開始時にデータベース管理手段31によりデータベース40内に作成され、取得手段32が日報データを取得する度にデータベース管理手段31により更新される。部品情報管理テーブル42は、部品ID、使用開始時刻、計測開始時刻、最終計測時刻、再計算、初期累積回数、計測累積回数、耐用回数、初期累積時間、計測累積時間、耐用時間及び交換時期フィールドを有しており、空気調和機10を構成する各部品51,53,61,63,71,72,77に関する情報を1つのレコードとして格納する。
使用開始時刻フィールドには、部品IDフィールドに格納されたIDにより特定される部品の使用が開始した使用開始時刻が格納される。
最終計測時刻フィールドには、部品IDフィールドに格納されたIDにより特定される部品の稼働情報が最後に計測された最終計測時刻が格納される。
初期累積回数フィールドには、使用開始時刻フィールドに格納された使用開始時刻から計測開始時刻フィールドに格納された計測開始時刻までの、部品IDフィールドに格納されたIDにより特定される部品の稼働回数の累積値の予測値である初期累積回数が格納される。尚、稼働回数の累積値とは、部品の電源がオンになった回数の累積値である。
計測累積回数フィールドには、計測開始時刻フィールドに格納された計測開始時刻から最終計測時刻フィールドに格納された最終計測時刻までに計測された、部品IDフィールドに格納されたIDにより特定される部品の稼働回数の累積値である計測累積回数が格納される。
耐用回数フィールドには、部品IDフィールドに格納されたIDにより特定される部品の耐用回数が格納される。耐用回数は、例えば、部品の製造業者により提供された予め設定された値である。
交換時期フィールドには、部品IDフィールドに格納されたIDにより特定される部品の望ましい交換時期の予測値が格納される。
〔部品保守支援装置の初期動作〕
図5を参照して、部品保守支援装置30の動作開始時の初期動作を説明する。図5に示される初期動作は、図6及び図7に示される日報データの処理動作を実行する前に実行される準備動作である。
ステップS51において、部品保守支援装置30のデータベース管理手段31は、データベース40内に、図3の部品ID、計測時刻及びイベントフィールドを有する稼働情報テーブル41と、図4の部品ID、使用開始時刻、計測開始時刻、最終計測時刻、再計算、初期累積回数、計測累積回数、耐用回数、初期累積時間、初期累積時間、耐用時間及び交換時期フィールドを有する部品情報管理テーブル42とを作成する。
〔部品保守支援装置の日報データ受信時の動作〕
図6及び図7を参照して、部品保守支援装置30の日報データ受信時の動作を説明する。
次に、ステップS62において、部品保守支援装置30のデータベース管理手段31は、ステップS61において取得手段32により取得された日報データに含まれる部品の稼働情報を稼働情報テーブル41に格納する。具体的には、稼働情報テーブル41には、図3に示すような部品ID、計測時刻及びイベントフィールドに適切な値が格納されたレコードが追加される。
次に、ステップS64において、部品保守支援装置30のデータベース管理手段31は、ステップS62において稼働情報テーブル41に格納されたレコードのうち、部品IDフィールドに更新対象部品IDが格納されたレコードを検査対象レコードとして選択する。
次に、ステップS67において、部品保守支援装置30の計測累積値計算手段33は、更新対象レコードの計測累積回数フィールドの値を更新する。具体的には、計測累積値計算手段33は、検査対象レコードのうちイベントフィールドに「電源オン」が格納されたレコード数を集計する。次に、計測累積値計算手段33は、更新対象レコードの計測累積回数フィールドに「NULL」が格納されていた場合には、集計値を更新対象レコードの計測累積回数フィールドに格納し、更新対象レコードの計測累積回数フィールドに「NULL」以外の値が格納されていた場合には、格納されていた値に集計値を加算した値を更新対象レコードの計測累積回数フィールドに格納する。
a1=計測累積回数/(最終計測時刻−計測開始時刻)、
a2=計測累積時間/(最終計測時刻−計測開始時刻)
により計算される。但し、「・」は乗算を意味する。
初期累積回数の予測値=a1・(計測開始時刻−使用開始時刻)
初期累積時間の予測値=a2・(計測開始時刻−使用開始時刻)
により計算される。このとき、計算された初期累積回数及び初期累積時間は、データベース管理手段31により、更新対象レコードの初期累積回数及び初期累積時間フィールドに格納される。
交換時期の予測値=min{使用開始時刻+耐用回数/a1,使用開始時刻+耐用時間/a2}
により計算される。但し、min{値の集合}とは、{}内の「,」で区切られる値の集合の最小値である。このとき、計算された交換時期の予測値は、データベース管理手段31により、更新対象レコードの交換時期フィールドに格納される。
次に、ステップS74において、部品保守支援装置30の支援情報生成手段35は、必要に応じて、部品保守支援情報を生成する。具体的には、支援情報生成手段35は、更新対象レコードの最終計測時刻フィールドに格納された最終計測時刻から所定の期間(本実施形態では、半年)以内に交換時期フィールドに格納された交換時期を迎える場合は、更新対象レコードを参照して部品保守支援情報を生成する。そうでない場合、ステップS75をスキップする。尚、交換時期フィールドに「NULL」が格納されている場合、所定の期間以内に交換時期を迎えると判定することができないので、ステップS75をスキップする。
次に、ステップS75において、部品保守支援装置30の出力手段36は、ステップS73で生成された部品保守支援情報を出力する。
次に、部品保守支援装置30は、部品情報管理テーブル42に格納された全てのレコードについて、上記ステップS63〜S75を繰り返す。
以上により、計測期間が200日よりも短い場合には、部品保守支援情報が出力されず、計測期間が3年を超えた場合には、計測期間が3年となる日に予測された関係式に基づいて生成された部品保守支援情報が出力されることになる。
(1)
部品保守支援システム1は、空気調和機10を構成する部品51,53,61,63,71,72,77の使用開始時刻からの経過時間と稼働時間又は稼働回数の累積値との関係式y1=a1t及びy2=a2tを予測する。これにより、部品保守支援システム1は、部品51,53,61,63,71,72,77の稼働情報の計測が部品の使用開始時刻より後の計測開始時刻から開始され計測開始時刻より前の稼働情報が計測されていない場合にも、計測開始時刻以後の稼働情報だけでなく計測開始時刻より前の稼働情報も考慮し、部品51,53,61,63,71,72,77の保守を適切に支援することができる。
(2)
部品保守支援システム1は、計測開始時刻から現在時刻までの部品51,53,61,63,71,72,77の稼働時間又は稼働回数の累積値である計測累積値と、部品51,53,61,63,71,72,77の使用開始時刻から計測開始時刻までの稼働時間及び稼働回数の累積値である初期累積値とを別々に出力する。これにより、保守についての意思決定を行う利用者は、計測累積値と初期累積値とを区別することができ、部品51,53,61,63,71,72,77の保守について納得のいく意思決定を行うことができる。
(3)
部品保守支援システム1は、部品51,53,61,63,71,72,77の稼働情報の計測期間が所定の下限値よりも短い場合には関係式y1=a1t及びy2=a2tの一定水準の予測精度を確保できない可能性が高いことから、計測期間が所定の下限値よりも短い場合には、部品保守支援情報を禁止する。これにより、この部品保守支援システム1は、部品51,53,61,63,71,72,77の保守にマイナスの影響を与え得る情報の出力を回避することができる。
また、部品保守支援システム1は、部品51,53,61,63,71,72,77の稼働情報の計測期間が所定の上限値を超えると関係式y1=a1t及びy2=a2tの予測の精度が頭打ちすることから、計測期間が所定の上限値を超えた場合には、計測期間が所定の上限値に等しいときに予測された関係式y1=a1t及びy2=a2tに基づいて生成される部品保守支援情報を出力する。これにより、部品保守支援システム1は、不必要な処理を回避してシステム全体の処理を低減することができる。
(4)
部品保守支援システム1は、部品51,53,61,63,71,72,77の耐用時間又は耐用回数に基づいて部品51,53,61,63,71,72,77の交換時期を予測し、その予測値を出力する。これにより、保守についての意思決定を行う利用者は、交換時期を考慮することができ、部品51,53,61,63,71,72,77の保守について納得のいく意思決定を行うことができる。
(部品保守支援システム)
第2実施形態に係る部品保守支援システムは、第1実施形態に係る部品保守支援システム1と部品保守支援装置30の構成を除き同様である。
(部品保守支援装置)
図9に、第2実施形態に係る部品保守支援装置100を示す。
HD105には、図5、図6及び図7にされるフローチャートに従う動作をCPU101に順次実行させる部品保守支援装置プログラムが記憶されている。第2実施形態における図5、図6及び図7のフローチャートに従う動作は、第1実施形態における図5、図6及び図7のフローチャートの説明におけるデータベース管理手段31をCPU101に、取得手段32を通信部106に、計測累積値計算手段33をCPU101に、関係式予測手段34をCPU101に、支援情報生成手段35をCPU101に、出力手段36を出力装置104に読み替えることにより説明されるため、第2実施形態の説明においては省略する。
以上により、第2実施形態におけるコンピュータは、全体として部品保守支援装置100として機能する。
(1)
上記各実施形態において、部品保守支援システム1は、空気調和機10を構成する部品51,53,61,63,71,72,77の保守を支援しているが、空気調和機10以外の設備機器を構成する部品に適用されてもよい。
(2)
上記各実施形態において、部品保守支援装置30,100がインターネット回線、専用回線、又は電話回線等を介して計測装置20に接続され、部品保守支援装置30,100が空気調和機10及び計測装置20の遠隔にある遠隔管理センター内に存在してもよい。この場合、空気調和機10が設置された物件内に部品保守支援装置30,100を設置する必要がなく、空気調和機10が設置された物件内で活動する末端利用者は、設置スペース等の部品保守支援システム1の導入コストを軽減することができる。
また、最近では、空気調和機が設置された物件内にローカルコントローラが設置されていることが多い。こうしたローカルコントローラは、空気調和機の運転を管理するとともに、空気調和機の稼働情報を取得し定期的に遠隔管理センターの遠隔管理用コンピュータに送信する機能を備えている。この場合、既設のローカルコントローラが計測装置20の役割を担うため、部品保守支援システム1の導入に際して新たに設置される機器を最小化することができる。また、この部品保守支援システム1では、部品保守支援装置30、100の操作のためにサービス提供者側のサービスマンがわざわざ現地に赴く必要がない。このように、この部品保守支援システム1では、利用者の導入コスト等の負担を軽減することができる。
上記各実施形態では、部品保守支援装置30,100の出力手段36は、日報データの受信時に一定の条件が満たされた場合にステップS74における形式の部品保守支援情報を生成するが、この他、特に末端利用者に対して、空気調和機10に設けられたディスプレイに交換時期が近いことを知らせる文字を表示する、所定の液晶ランプを所定の色に点灯させる等、任意の形式の部品保守支援情報を出力することができる。
(4)
上記各実施形態では、部品情報管理テーブル42の計測累積回数及び計測累積時間フィールドに、1日1回それぞれ自動的に1日分の稼働回数及び稼働時間が積算されるが、さらなる変形例として、稼働回数又は稼働時間の1日当たりの限界値を設定しておき、その限界値を超えている場合には、部品保守支援システム1のいずれかに異常が発生していると見なし、その日の稼働回数又は稼働時間を積算しないように設定することができる。この場合、異常発生時の情報であると見なされる稼働情報は、部品51,53,61,63,71,72,77の保守を考慮する際に排除されることになる。従って、この変形例では、計測開始時刻以後の不正確な稼働情報を排除して、部品51,53,61,63,71,72,77の保守をより適切に支援することができる。
(5)
上記各実施形態において、空気調和機10の構成情報は、室内側制御部54,64及び室外側制御部78のメモリ等から取得されたが、部品保守支援システム1の利用者が任意の方法により入手した空気調和機10の構成情報をデータベース40に直接入力してもよい。部品保守支援システム1の利用者が空気調和機10の構成情報を入手する方法としては、空気調和機10又は各部品51,53,61,63,71,72,77を製造した製造業者からの提供等が考えられる。
10 空気調和機
20 計測装置
30,100 部品保守支援装置
32 取得手段
33 計測累積値計算手段
34 関係式予測手段
35 支援情報生成手段
36 出力手段
51,53,61,63,71,72,77 部品
Claims (9)
- 設備機器(10)を構成する部品(51,53,61,63,71,72,77)の保守を支援する部品保守支援装置(30,100)であって、
前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の使用開始時刻、及び前記使用開始時刻より後の計測開始時刻から現在時刻までに計測された前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の稼働情報を取得する取得手段(32)と、
前記稼働情報に基づいて、前記計測開始時刻から前記現在時刻までの前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の稼働時間又は稼働回数の累積値である計測累積値を計算する計測累積値計算手段(33)と、
前記使用開始時刻及び前記計測累積値に基づいて、前記使用開始時刻からの経過時間と前記稼働時間又は前記稼働回数の累積値との関係式を予測する関係式予測手段(34)と、
前記関係式に基づいて、前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の保守を支援するための情報である部品保守支援情報を生成する支援情報生成手段(35)と、
前記部品保守支援情報を出力する出力手段(36)と、
を備える、部品保守支援装置(30,100)。 - 前記部品保守支援情報は、前記計測累積値、及び前記使用開始時刻から前記計測開始時刻までの前記稼働時間又は前記稼働回数の累積値である初期累積値を含む、
請求項1に記載の部品保守支援装置(30,100)。 - 前記取得手段(32)は、前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の耐用時間又は耐用回数である耐用限界値をさらに取得し、
前記支援情報生成手段(35)は、前記耐用限界値に基づいて、前記部品保守支援情報を生成する、
請求項1又は2に記載の部品保守支援装置(30,100)。 - 前記部品保守支援情報は、前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の交換時期の予測値を含む、
請求項3に記載の部品保守支援装置(30,100)。 - 前記関係式予測手段(34)は、前記稼働時間又は前記稼働回数の累積値が前記使用開始時刻からの経過時間に比例すると仮定して前記関係式を予測する、
請求項1から4のいずれかに記載の部品保守支援装置(30,100)。 - 前記出力手段(36)は、前記計測開始時刻から前記現在時刻までの期間が所定の下限値よりも短い場合には、前記部品保守支援情報を出力しない、
請求項1から5のいずれかに記載の部品保守支援装置(30,100)。 - 前記出力手段(36)は、前記計測開始時刻から前記現在時刻までの期間が所定の上限値を超えた場合には、前記期間が所定の上限値に等しいときに予測された前記関係式に基づいて生成される前記部品保守支援情報を出力する、
請求項1から6のいずれかに記載の部品保守支援装置(30,100)。 - 設備機器(10)を構成する部品(51,53,61,63,71,72,77)の保守を支援する部品保守支援システム(1)であって、
前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の使用開始時刻より後の計測開始時刻から現在時刻まで連続的に前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の稼働情報を計測する計測装置(20)と、
前記計測装置(20)に接続された部品保守支援装置(30,100)と、
を備え、
前記部品保守支援装置(30,100)は、
前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の使用開始時刻及び前記稼働情報を取得する取得手段(32)と、
前記稼働情報に基づいて、前記計測開始時刻から前記現在時刻までの前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の稼働時間又は稼働回数の累積値である計測累積値を計算する計測累積値計算手段(33)と、
前記使用開始時刻及び前記計測累積値に基づいて、前記使用開始時刻からの経過時間と前記稼働時間又は前記稼働回数の累積値との関係式を予測する関係式予測手段(34)と、
前記関係式に基づいて、前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の保守を支援するための情報である部品保守支援情報を生成する支援情報生成手段(35)と、
前記部品保守支援情報を出力する出力手段(36)と、
を有する、部品保守支援システム(1)。 - 設備機器(10)を構成する部品(51,53,61,63,71,72,77)の保守を支援する部品保守支援プログラムであって、
前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の使用開始時刻、及び前記使用開始時刻より後の計測開始時刻から現在時刻までに計測された前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の稼働情報を取得する取得ステップ(S52,S61)と、
前記稼働情報に基づいて、前記計測開始時刻から前記現在時刻までの前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の稼働時間又は稼働回数の累積値である計測累積値を計算する計測累積値計算ステップ(S67,S68)と、
前記使用開始時刻及び前記計測累積値に基づいて、前記使用開始時刻からの経過時間と前記稼働時間又は前記稼働回数の累積値との関係式を予測する関係式予測ステップ(S69,70)と、
前記関係式に基づいて、前記部品(51,53,61,63,71,72,77)の保守を支援するための情報である部品保守支援情報を生成する支援情報生成ステップ(S71〜S73)と、
前記部品保守支援情報を出力する出力ステップ(S75)と、
をコンピュータ(100)に実行させる、部品保守支援プログラム。
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