JP2006317751A - 写真スタジオ装置 - Google Patents

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庄一 野村
Hideki Kato
秀樹 加藤
Tomoaki Tamura
知章 田村
Takashi Igarashi
隆史 五十嵐
Katsutoshi Sawada
勝利 澤田
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Abstract

【課題】被写体を束縛せずに自由な雰囲気で撮影でき、好ましい照明効果が得られる写真スタジオ装置を実現する。
【解決手段】写真スタジオ装置1は、被写体を、出入り口用の開口部を有する正面壁2、右側壁3、左側壁4、後部壁5、天井6で囲む撮影空間により構成され、右側壁3、左側壁4、正面壁2及び天井6には、被写体を照らす照明用光源(例えば、蛍光灯)が配置され、正面壁2に配置された照明用光源の発光量は、撮影空間全体の発光量の25%以上50%以下であり、右側壁3及び左側壁4に配置された照明用光源の発光量は、正面壁以外に設けられた照明用光源全体の発光量の66%以上84%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、被写体を撮影するための写真スタジオ装置に関する。
一般に、写真スタジオ装置では、ストロボや写真用白熱電球、写真用蛍光灯等の照明用光源を用いてポートレート撮影が行われている。一般に効果的な照明効果を得る作業は、固定された被写***置にあわせて、複数のライトを組合せ、適切な照明を得る必要があり、多大な工数、労力を要する。このような撮影方法は被写体の位置、ポーズをあらかじめ決定し、被写体にポーズを強要するため、撮影に慣れていない一般の人物を撮影する場合、非常に硬い表情の写真となりやすい。
特に、被写体が乳幼児の場合、ポーズの強要そのものが困難となり、良好な撮影結果が得られない場合が多々あった。また、乳幼児を撮影する場合、形式的な、一般に「型物」と呼ばれる旧来の記念写真ではなく、より自然な、生き生きとした表情、動きを撮影するのが好まれるが、実際のところ、このような撮影は困難であった。
そこで、被写体を束縛せずに自由な雰囲気で撮影できるよう、均質な照明下で撮影する写真スタジオ装置が提案されている。特許文献1では、拡散光を発する箱状の光源部を、写真スタジオ装置の天井に複数、分散して配置し、写真スタジオ装置内のどこにいても露出の変動が少ない撮影を可能とする技術が開示されている。また、特許文献2では、壁面発光体で被写体を囲むことで影の無い良好な写真を簡単に撮影可能な技術が開示されている。
特開2004−54071号公報 特開2005−31511号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、撮影用の照明は、写真スタジオ装置内の拡散光を除き、天井からの光のみであるため、適正露出での撮影はできても、瞳に充分なキャッチライトが入らず、また、特に床面の明るさが減少する傾向があるため、被写体の生き生きとした表情を生かす照明効果が得られず、満足度の高い撮影結果が得られるものではなかった。また、特許文献2に開示された技術では、強い影の無い写真が得られるとしているが、被写体が動いた場合の照明条件の変動が大きく、必ずしも簡単な撮影ができるとは言えない状況であった。
本発明の課題は、被写体を束縛せずに自由な雰囲気で撮影でき、好ましい照明効果が得られる写真スタジオ装置を実現することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、被写体を、右側壁、左側壁、後部壁、出入り口用の開口部を有する正面壁、天井で囲む撮影空間により構成される写真スタジオ装置であって、前記右側壁、前記左側壁、前記正面壁及び前記天井には、被写体を照らす照明用光源が配置され、前記正面壁に配置された照明用光源の発光量は、前記撮影空間全体の発光量の25%以上50%以下であり、前記右側壁及び前記左側壁に配置された照明用光源の発光量は、前記正面壁以外に配置された照明用光源全体の発光量の66%以上84%以下であることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の写真スタジオ装置において、前記照明用光源は、蛍光灯、発光ダイオード、EL素子のうち、少なくとも1種類の光源ユニットにより構成され、前記照明用光源の被写体側の側面に、当該照明用光源からの光を拡散させる光源拡散部が配置されることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の写真スタジオ装置において、前記照明用光源は、撮影時の調光状態である撮影モードと、非撮影時の調光状態であるプレゼンテーションモードを有し、前記照明用光源が撮影モードであるかプレゼンテーションモードであるかに応じて、当該照明用光源の発光量を調整する調整手段を備えることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の写真スタジオ装置において、前記撮影空間内に設置され、被写体とともに撮影される撮影アクセサリ毎に、当該撮影空間内の照度に与える影響度を示す照度影響ポイントとともに、色温度及び/又はカラーバランスに与える影響度を示す光質影響ポイントを設定するポイント設定手段と、撮影アクセサリに設定された照度影響ポイント及び/又は光質影響ポイントに基づいて、被写体の撮影条件と、撮影により得られた画像に施す画像処理条件を設定する条件設定手段と、を備えることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の写真スタジオ装置において、前記条件設定手段は、前記撮影条件として、撮影に用いる撮影装置の撮影絞り、シャッタースピードによる機械的調整の条件を設定することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、開口部を有する開放的な写真スタジオ装置で、被写体が自由に動き回っても、安定した露出と良好な照明効果を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、照明用光源からの光を拡散させる光源拡散部を用いることにより、光量配置を簡潔に行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、非撮影時における照明用光源の発光量と室温上昇を抑えることができる。また、非撮影状態でも、ある程度の発光量を維持できるので、電源投入後、照明用光源が安定するまでの時間が短縮でき、撮影開始までの待ち時間が短縮される。また、調光状態を効果的に生かし、写真スタジオ装置の外に向けた広告、営業告知効果が期待できる。
請求項4に記載の発明によれば、写真スタジオ装置内に持ち込まれる各種撮影アクセサリが撮影に及ぼす影響度を事前に把握し、容易に対応することができる。
請求項5に記載の発明によれば、撮影条件に基づく大まかな調整と、画像処理条件に基づく微調整により、高画質な画像を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
まず、本実施形態における構成について説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る写真スタジオ装置1の概略構成を示す。写真スタジオ装置1は、図1に示すように、出入り口用の開口部を有する正面壁2、右側壁3、左側壁4、後部壁5及び天井6で囲まれた撮影空間により構成される。なお、以下では、正面壁2、右側壁3、左側壁4、後部壁5は、何れも写真スタジオ装置1の内壁を表すものとする。
右側壁3、左側壁4及び天井6は、それぞれ略同一の面積であり、開口部を除く正面壁2の面積は、右側壁3、左側壁4及び天井6の何れか1つの壁面の60%以下である。また、床面及び後部壁5は略白色の拡散面である。正面壁2、右側壁3、左側壁4、後部壁5、天井6及び床面は互いに隣接し、略直方体の形状を有する。このような撮影空間(写真スタジオ装置1の内側の撮影領域)として、例えば、図1に示すように、横幅が2.08m、奥行きが2.38m、高さが2.28m、出入り口用の開口部の幅が1.08mの直方体の空間を適用することができる。なお、図1では、後部壁5と右側壁3及び左側壁4との接合部、正面壁2と右側壁3及び左側壁4との接合部を90度とし、撮影空間の形状が直方体である場合を示しているが、当該接合部の角度を変えて設計してもよい。例えば、正面壁2の、開口部を挟んだ2つの壁面を、写真スタジオ装置1の中央部に向けて配置してもよい。また、各接合部にR付け(壁面接合部を曲線状に滑らかに連結する)してもよい。
正面壁2、右側壁3、左側壁4及び天井6には、被写体を照らす照明用光源が配置されている。以下、各壁面に配置される照明用光源の発光量について説明する。表1に、各壁面の照明用光源の発光量比率と、発光量比率毎に撮影品質を評価した結果(実撮影による官能評価の結果)を示す。
Figure 2006317751
発光量比率A:全光量に占める正面壁発光量の割合;
発光量比率B:正面壁発光量を除いた全光量に占める左側壁又は右側壁の発光量の割合(左側壁と右側壁の各壁面は同一光量);
◎:非常に好ましい;
○:好ましい(商品ポートレートとして通常許容);
△:やや問題あり(商品ポートレートとして不満足);
×:問題あり(商品ポートレートとして不適格).
表1は、発光量比率(発光量比率A、発光量比率B)毎に、3項目「正面」、「俯瞰」、「背景」の評価結果を表したもので、12種類の評価結果(水準1〜12)からなる。「正面」項目は、人物(被写体)を入り口側に向かせ、入り口側から撮影したときの評価結果を表し、「俯瞰」項目は、人物を寝かせ、斜め上方から撮影した時の評価結果を表し、「背景」項目は、正面撮影時の背景の明るさ(適度な飛び過ぎない白で、且つ、被写体等の影が写らないことが好ましい)の評価結果を表す。
表1によると、発光量比率Bが極端に高い水準9〜12の場合(即ち、天井光が少ない)、俯瞰撮影時の顔正面の露出がアンダー傾向となり、好ましくない。また、発光量比率Aが極端に小さい場合、正面撮影時の顔正面の露出がアンダー傾向となり、好ましくない。更に、発光量比率Aが極端に大きい場合、俯瞰撮影時の顔へのライティング状態が好ましくなく、良好な撮影結果が得られない。また、水準2、水準3は、撮影空間内の撮影位置によって適正露出が変動し、充分好ましい撮影結果が得らない。水準6、水準7のように照明用光源の発光量をコントロールすると、各々の評価項目で「好ましい」又は「非常に好ましい」という評価結果となり、特に、水準7の発光量比率を適用するのが最も好ましいことがわかる。
即ち、撮影空間の光量配分を以下のようにすることが好ましい。
(a)正面壁の照明用光源:全光量の25%以上50%以下、好ましくは33%以上50%以下;
(b)左側壁の照明用光源、右側壁の照明用光源の各々:正面壁を除く全光量の33%以上42%以下(左右合わせた光量で66%以上84%以下);
(c)天井の照明用光源:残りの光量.
写真スタジオ装置1を、表1の水準7に示すような光量配分とすることにより、非常に安定度の高い撮影露出を得ることができる。図2及び図3に、光量配分として水準7を採用した場合の、適正露出値の測定結果を示す。図2(a)は撮影空間を上から見た図、図2(b)は、撮影空間を正面(入り口)から見た図であり、図中の丸印は露出計による測定ポイントを表す。測定ポイントは、図2に示すように、正面から見て9点あり、これら9点の各々について、正面に近い側(手前)、遠い側(奥)の2箇所ある。即ち、測定ポイントの合計は18点である。
図3に、各々の測定ポイントについて、露出計測定面を正面側(被写体が起きている状態を想定)と天井側(被写体が寝ている状態を想定)で2回測定した結果を示す。図3において、測定結果は、測定代表値からの偏差を示しており、撮影で頻繁に用いられるEv値で表されている。これらの偏差は、一般に0.2Ev程度であれば非常に良好な撮影結果が得られる。図3では、全ての測定点で、良好な撮影結果を得られる条件を満たしており、被写体が起きたり、寝たり、自由に動いたりしても、安定性の高い撮影結果が得られることが分かる。
このように、写真スタジオ装置1の光量配分を表1の水準7のようにすることにより、開口部を有する開放的なスタジオで、被写体(例えば、乳幼児)が自由に動き回っても、安定した露出と良好な照明効果を得ることができる。
写真撮影用の蛍光灯を用いる場合、撮影空間の各壁面には、例えば、以下のような構成で蛍光灯が配置される。
正面壁:40W型蛍光灯、左右各7本、計14本;
右側壁、左側壁:40W型蛍光灯、各々7本;
天井:40W型蛍光灯、5本.
このような構成で、照明用光源として直管蛍光灯を配置した例を図4〜図6に示す。
図4に、正面壁2に配置された照明用光源の一例を示す。正面壁2の左右には、上部の光源ブロックに蛍光灯7a〜7c、下部の光源ブロックに蛍光灯7d〜7gが配置され、各光源ブロックの蛍光灯を覆うように、蛍光灯からの光を拡散・透過させる光源拡散部8a,8bが配置されている。蛍光灯7a〜7gは、その長手方向が鉛直方向になるように配置されている。光源拡散部8aは、蝶番等の開閉部9a,9bにより正面壁2の上部の壁面に開閉可能に結合され、光源拡散部8bは、開閉部9c,9dにより正面壁2の下部の壁面に開閉可能に結合されている。また、正面壁2の照明用光源の非発光時における発光面の壁面反射率が、マンセル表色系による表記でN7.0程度の中性色グレーに見えるように設計される。なお、壁面反射率の調整は、光源拡散部8a,8bの光拡散性の強さや、蛍光灯の背面(光源拡散部8a,8b側を正面として)の設計(鏡面、白色塗装面、グレー塗装面、背面に部材を置かない背面開放型等)を調整することで実施できる。
図5に、右側壁3及び左側壁4(以下、これらを総称して「左右壁」という。)に配置された照明用光源の一例を示す。左右壁の入り口側上部の光源ブロックには、蛍光灯7hが配置され、入り口側下部の光源ブロックには、蛍光灯7i及び7jが配置され、各光源ブロックの蛍光灯を覆うように、蛍光灯からの光を拡散・透過させる光源拡散部8c,8dが配置されている。左右壁の後部壁側上部の光源ブロックには、蛍光灯7k及び7lが配置され、後部壁側下部の光源ブロックには、蛍光灯7m及び7nが配置され、各光源ブロックの蛍光灯を覆うように、蛍光灯からの光を拡散・透過させる光源拡散部8e,8fが配置されている。蛍光灯7h〜7nは、その長手方向が鉛直方向になるように配置されている。
光源拡散部8cは、開閉部9e,9fにより、左右壁の入り口側上部の壁面に開閉可能に結合され、光源拡散部8dは、開閉部9g,9hにより、左右壁の入り口側下部の壁面に開閉可能に結合されている。光源拡散部8eは、開閉部9i,9jにより、左右壁の後部壁側上部の壁面に開閉可能に結合され、光源拡散部8fは、開閉部9k,9lにより、左右壁の後部壁側下部の壁面に開閉可能に結合されている。また、左右壁の照明用光源の非発光時における発光面の壁面反射率が、マンセル表色系による表記でN7.0程度の中性色グレーに見えるように設計される。写真スタジオ装置1が、図1に示すような寸法の場合、後部壁5から0.3mの領域を白色反射壁とすると、正面からの撮影で右側壁3や左側壁4の光源が背景に写りこむ機会が減少し、好ましい。同様に、床面から0.3mの領域を白色反射壁としてもよく、俯瞰撮影時に、右側壁3や左側壁4の光源が写真背景に写りこむ機会が減少し、好ましい場合が多い。
図4及び図5に示すように、正面壁2及び左右壁では、照明用光源が、その長手方向が鉛直方向になるように配置されることにより、被写体の背景として照明用光源が見えてしまう場合でも、背景として見苦しくなく、且つ、背丈の変化が大きい乳幼児や児童を対象とした場合でも安定した照明効果を実現できる。
被写体が右側壁3又は左側壁4の壁面に極端に近づいた場合、対応する側の正面壁2の照明用光源の発光が、撮影空間全体の照明効果に大きく寄与する。正面壁2の照明用光源の強さが比較的大きい(例えば、光量比で35%以上)の場合、すっきりとした写真が得られやすいが、正面壁2に近く、右側壁3又は左側壁4の壁面にも近い位置の露出がオーバーになりやすくなる。そこで、このような場合、図5に示すように、右側壁3、左側壁4に配置する照明用光源を、後部壁5に近づくにしたがって高い密度で配置すると好ましく、写真スタジオ装置1内の正面側、角位置まで含む、より広い範囲で、高い安定性を有する露出条件と、すっきりとした照明を両立することができる。このような場合においても、照明用光源を、その長手方向が鉛直方向となるように配置することが好ましく、配置位置を微妙に調整することで、少ない数の照明用光源でも、高い精度で配光の微調整を行うことができる。
図6に、天井6に配置された照明用光源の一例を示す。天井6には、蛍光灯71〜75が平行に配置されており、各蛍光灯の長手方向は左右壁の壁面に垂直になっている。各蛍光灯の配置位置は、後部壁5に近くなるほど隣接する蛍光灯の間隔が狭くなり、入り口側に近いほど隣接する蛍光灯の間隔が広くなっている。天井6は吹き抜け構造でよく、非発光時における発光面の壁面反射率が、マンセル表色系による表記でN7.0程度の中性色グレーに見えるように設計されることが好ましい。なお、壁面反射率の調整は、蛍光灯の背面(即ち天井)の設計(白色塗装面、グレー塗装面等)を調整することで実施できる。
図4〜図6では、照明用光源として直管蛍光灯を用いる場合を示したが、電球型蛍光灯を用いることも可能である。図7に、正面壁2の照明用光源として電球型蛍光灯76を用いた場合の配置例を示す。また、図8に、左右壁の照明用光源として丸管蛍光灯77を用いた場合の配置例を示す。更に、図9に、天井6の照明用光源として丸管蛍光灯78を用いた場合の配置例を示す。図7に示す電球型蛍光灯76は、通常の直管蛍光灯、丸管蛍光灯よりも高輝度の光が得られる。
なお、写真スタジオ装置1に使用される照明用光源は蛍光灯に限定されず、例えば、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)、EL(Electronic Luminescent)素子等を用いてもよい。近年、照明用途として注目されている白色LEDは、高出力化が進み、光源として望ましい反面、色調を好ましく再現するために必要となる多様な周波数の光を十分含まない。そこで、図10に示すように、白色LEDとともに、光質改善用のLEDとして、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色のLEDを適宜配置することが望ましい。例えば、図4〜図6に示すような直管型の照明用光源にする場合、複数のLED(赤色、緑色、青色、白色)を図10(a)のように配置し、電球光源型の照明用光源にする場合、複数のLEDを図10(b)又は(c)のように配置すればよい。また、R、G、Bの3色のLEDを光質改善用として利用する以外に、後述するプレゼンテーションモード時(図18参照)に、光源への色づけを目的として利用してもよい。
また、本実施形態における写真スタジオ装置1内の照明用光源の配置は、正面壁2を除く壁面や天井面が、正面壁2と比較して高い輝度を必要としないため、複数種類の照明用光源を併用して配置することも可能である。図11に、複数種類の照明用光源を併用した場合の、各照明用光源の配置位置を示す。図11では、正面壁2に、高い集密度で大きな光量の得られる直管蛍光灯、高輝度の光が得られる電球型蛍光灯、LEDのうち何れか一種類を用い、天井6には、拡散光が得やすい丸管蛍光灯を用い、左右壁に、低輝度でフラットな光が効果的に得られるEL素子を用いた場合を示している。
図12に、写真スタジオ装置1の制御系の構成を示す。写真スタジオ装置1の制御系は、図12に示すように、指示入力部10、表示部11、記憶部12、光源監視部13、撮影制御部14、給電制御部15、画像処理部16、撮影装置17、電流/光量測定部18により構成される。
指示入力部10は、文字入力キー、テンキー、カーソルキー及び各種機能キーを備えたキー入力装置や、マウス等のポインティングデバイス等を備え、キー入力装置やポインティングデバイスの操作による操作信号を撮影制御部14に出力する。また、指示入力部10がタッチパネルを備える構成としてもよい。この場合、指示入力部10のタッチパネルは、表示部11の表示ディスプレイを覆うように設けられ、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号として撮影制御部14に出力する。
表示部11は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等の表示ディスプレイを備え、撮影制御部14から入力される表示制御信号に従って所要の表示処理を行う。
記憶部12は、撮影制御部14により実行される各種制御プログラム、これらの制御プログラムの実行時に使用されるデータを記憶する。例えば、記憶部12は、被写体とともに撮影される撮影アクセサリ毎に、撮影空間内の照度に与える影響度を示す照度影響ポイントと、色温度及び/又はカラーバランスに与える影響度を示す光質影響ポイントを記憶する。また、記憶部12は、撮影装置17により得られた撮影画像を記憶する。
光源監視部13は、電流/光量測定部18から入力された照明用光源の最小単位毎(例えば、蛍光灯1本毎)の電流量又は発光量の測定値を監視し、監視結果を撮影制御部14に出力する。例えば、光源監視部13は、照明用光源の電流量又は発光量の測定値が測定開始時の値から所定値以上変化した場合、或いは、測定値を一定時間毎に比較し、測定回毎の測定値の変動が一定量を超えた場合を、発光状態の異常とみなし、撮影制御部14に通知する。このように、光源監視部13が照明用光源の発光状態を監視することにより、異常が発生した照明用光源を自動的に特定することができる。従って、発光状態を目視で確認する必要がなくなり、撮影時の撮影者の労力を軽減させることができる。
撮影制御部14は、写真スタジオ装置1の各部の動作を制御する。例えば、撮影制御部14は、撮影アクセサリ毎に、特定の撮影空間に対して実際に撮影アクセサリが撮影に及ぼす影響を測定した結果である照度影響ポイントと光質影響ポイントを設定し、記憶部12に記憶する。撮影アクセサリとしては、大型のソファ、じゅうたん、乳幼児の撮影で用いる小型のいす、ボール等がある。撮影アクセサリが光質に影響を及ぼすということは、撮影アクセサリの色によって、撮影空間内の色調が変化することを意味する。例えば、撮影アクセサリが真っ赤なソファである場合、撮影空間内の光が赤味を帯びることで、撮影空間内の色調が変化することを意味する。
実際に被写体を撮影する際、撮影制御部14は、撮影空間に持ち込まれた撮影アクセサリに取り付けられたID情報発信部20から得られた撮影アクセサリ情報に基づいて、当該撮影アクセサリの照度影響ポイントの合算、光質影響ポイントの合算を行い、この合算値に基づいて撮影装置17に対して撮影条件を設定し、更に、画像処理部16に対し、撮影装置17から得られた撮影画像に対する画像処理条件を設定する。
例えば、撮影アクセサリの照度影響ポイントの合算値が大きくなるほど、露出量を増やす方向に撮影装置17の設定を変えたり、同等の効果を有する画像処理条件を設定すればよい。また、撮影アクセサリの光質影響ポイントの合算値が所定値より大きくなった場合、撮影装置17のホワイトバランス(又はグレーバランス)調整を行うようにすればよい。
ID情報発信部20は、例えば、ICタグにより構成され、図13に示すように、撮影アクセサリ(図13では、ソファ)に取り付けられている。ID情報発信部20は、撮影アクセサリの識別情報を撮影制御部14に送信する。
また、撮影制御部14は、指示入力部10からの指示等により、正面壁2、右側壁3、左側壁4及び天井6に配置された照明用光源の各々のON/OFFを給電制御部15に指示する。OFF状態は、完全なOFF状態と、弱発光状態に分けられていることが好ましい。例えば、以下のように、各壁面毎に照明用光源のON/OFF状態を制御することができる。
右側壁の照明用光源:OFF;
左側壁の照明用光源:ON;
正面壁の右側壁側の照明用光源:OFF(好ましくは弱発光状態);
正面壁の左側壁側の照明用光源:ON;
天井の照明用光源:ON.
このように照明用光源のON/OFF状態を制御することによって、旧来のスタジオ記念写真でよく見られる陰影の強い写真を得ることができる。また、各壁面に配置された各証明用光源の発光量を切り替えることにより、新たな撮影空間を設けることなく、様々な撮影スタイルに対応することができる。
また、撮影制御部14は、写真スタジオ装置1が撮影状態であるか否かに応じて各照明用光源の発光量の調整を指示する制御信号を給電制御部15に出力する。具体的には、撮影時の調光状態である撮影モードと、非撮影時の調光状態であるプレゼンテーションモードがあり、撮影モードでは発光量をフルパワーとし、プレゼンテーションモードでは、発光量をゼロにはせずに、ある程度の光量を維持できるようにする。ある程度の光量とは、例えば、フルパワーでの発光に移行する際(プレゼンテーションモードから撮影モードへの移行)に、作業上問題とならない時間内で光量が安定するようなパワーである。
図14〜図16に、照明用光源の発光量の調整を行う調光部の構成を示す。
図14は、照明用光源が蛍光灯である場合の調光部の構成を示す。蛍光灯の場合、調光駆動回路21によって、高周波の蛍光灯に供給する電力が発生し、その電流量は、給電制御部15aにより設定された所定値に制御される。
図15は、照明用光源がLEDである場合の調光部の構成を示す。LEDの場合、LEDに流す電流量を制御するための定電流制御回路22を備え、この電流量は、給電制御部15bにより設定された所定値に制御される。
図16は、照明用光源がEL素子である場合の調光部の構成を示す。例えば、直流で発光する有機ELでは、EL素子に印加する電圧を制御する定電圧制御回路23を備え、この電圧は、給電制御部15cにより設定された所定値に制御される。EL素子の場合、高電圧の交流を印加する素子もあり、この場合は、交流の周波数、電圧によって発光量が制御される。
以上のような調光方式を利用することにより、発光量の調整のほか、一時的減光や非発光状態を作り出すことも可能である。
図17に、照明用光源が蛍光灯である場合の、プレゼンテーションモード及び撮影モードにおける発光強度パターンを示す。また、図18に、照明用光源がLEDである場合の、プレゼンテーションモード及び撮影モードにおける発光強度パターンを示す。
照明用光源がLEDの場合、プレゼンテーションモード時に、RGBのLEDを、色づけを目的として効果的に利用することができる。例えば、プレゼンテーションモードにおいて、RGB各々の光源の発光周期を変化させて、白色LEDの発光量を大きく抑制すれば、多彩な光色を得ることができる。
また、LEDは非常に短い時間で発光量を変化させることができるという特性を利用して、図18に示すように、撮影モード時においても、撮影時(シャッターレリーズ時)以外の発光強度を抑制し、撮影時のみLEDを最大強度で発光することで、所要電力量を抑えることができる。撮影者が被写体に対する照明状況を観察する上で最も好ましい照明状態は、撮影に適した明るさよりも暗い場合が多く、撮影モードにおいて、図18に示すような調光制御は大いに有効である。
LEDの発光強度は、発光中の発熱量に制限があるために限界がある。短時間の発光であれば発熱量が瞬間的に増加しても故障の可能性は低く、LEDの発光強度を、連続的に点灯させた場合の限界よりも高くすることができるため、より少ない個数のLEDで、照明用光源を構成することができる。
このように、非撮影時のプレゼンテーションモードにおいて、発光量をゼロにはせずに、ある程度の発光量を維持することにより、写真スタジオ装置1における時間平均消費電力が小さくなるため、撮影空間内の温度上昇が抑えられる。また、蛍光灯の場合、蛍光灯本体の温度は、連続発光状態に近い温度で維持されるため、撮影モードに短時間で移行することができる。更に、照明用光源を常にONとすることにより、顧客受け入れ姿勢を店外にアピールする広告機能を果たすことができる。特に、図17及び図18に示すように、プレゼンテーションモードにおいて発光量を時系列的に変化させることにより、光のプレゼンテーション能力を高めることができる。
図12に戻り、給電制御部15は、撮影制御部14から入力された制御信号に従って、正面壁2、右側壁3、左側壁4及び天井6に配置された各照明用光源の電源ユニットに供給する電力を制御する。
画像処理部16は、撮影制御部14により設定された画像処理条件(図20のトーンカーブ)に基づいて、撮影画像に対して画像調整処理を施し、出力する。
撮影装置17は、デジタルカメラ等であり、撮影制御部14により設定された撮影条件に基づいて被写体を撮影し、撮影により得られた画像(撮影画像)を撮影制御部14に出力する。
電流/光量測定部18は、電流計及び/又は測光センサを有する。電流計は、正面壁2、右側壁3、左側壁4及び天井6に配置された各照明用光源の最小単位毎(例えば、蛍光灯1本毎)に電流量を測定し、測定結果を光源監視部13に出力する。測光センサは、正面壁2、右側壁3、左側壁4及び天井6に配置された各照明用光源の最小単位毎(例えば、蛍光灯1本毎)に発光量を測定し、測定結果を光源監視部13に出力する。
次に、本実施形態における動作について説明する。
図19を参照して、本実施形態における動作として、写真スタジオ装置1における制御動作の流れについて説明する。
写真スタジオ装置1の電源が投入されると、まず、プレゼンテーションモードでの給電制御が開始され(ステップS1)、撮影指示の待機状態となる(ステップS2)。撮影装置17又は指示入力部10により撮影開始が指示されると(ステップS2;YES)、撮影モードでの給電制御が開始される(ステップS3)。
次いで、光源監視部13から、光源情報として、正面壁2、右側壁3、左側壁4及び天井6に配置された各照明用光源の電流量又は発光量の測定結果が入力され(ステップS4)、各照明用光源の発光状態に異常があるか否かが判定される(ステップS5)。ステップS5において、各照明用光源の発光状態が正常であると判定された場合(ステップS5;NO)、後述するステップS9に移行する。
ステップS5において、各照明用光源の発光状態に異常があると判定された場合(ステップS5;YES)、異常と判定された照明用光源への給電が遮断されるとともに(ステップS6)、当該照明用光源と配光バランス上対応する照明用光源への給電が遮断される(ステップS7)。例えば、正面壁2の1又は複数の蛍光灯が異常と判定された場合、ステップS7では、当該蛍光灯と左右対称な位置にある正面壁2の蛍光灯が消灯される。また、右側壁3の1又は複数の蛍光灯が異常と判定された場合、左側壁4の正対する蛍光灯(真向かいの蛍光灯)が消灯される。天井6の蛍光灯が異常と判定された場合、対応する蛍光灯がないため、異常と判断された蛍光灯のみが消灯される。この対応関係は、撮影空間の大きさや、撮影空間に配置される照明用光源の総数によっても変化するため、写真スタジオ装置1の設計を変更した場合、この対応関係を新たに作成し直す必要がある。
次いで、ステップS6及びS7で給電が遮断されることによって撮影空間の全体の光量が低下した分の露出量を補正するための第1の露出補正情報が生成される(ステップS8)。ステップS5において、各照明用光源の発光状態が正常であると判定された場合(ステップS5;NO)又はステップS8で第1の露出補正情報が生成されると、撮影空間に持ち込まれた撮影アクセサリに取り付けられたID情報発信部20から、撮影アクセサリ情報が取得される(ステップS9)。
次いで、ステップS9で取得された撮影アクセサリ情報の撮影への影響度として、照度影響ポイント及び光質影響ポイントが記憶部12から取得され、取得された照度影響ポイントの合算、光質影響ポイントの合算が行われる(ステップS10)。次いで、撮影空間に持ち込まれた撮影アクセサリの影響が大きいか否か、即ち、ステップS10で算出された照度影響ポイントの合算値、光質影響ポイントの合算値が予め設定された値より大きいか否かが判定される(ステップS11)。
ステップS11において、撮影アクセサリの影響が大きいと判定された場合(ステップS11;YES)、撮影空間に持ち込まれた撮影アクセサリの撮影への影響を補正する情報である第2の露出補正情報が生成される(ステップS12)。第2の露出補正情報は、具体的には、撮影アクセサリの影響によって撮影空間の光量の変化を補正するための露出補正量と、光の色調の変化を補正するための色調補正量を含む。
第1の露出補正情報及び第2の露出補正情報のうち、撮影空間全体の光量を補正するための露出補正量は、一般に写真で用いられる露光量測定単位であるEv値の変化量として表せばよく、この場合、補正量の加算(後のステップS13参照)は、単純な加算処理でよい。
色調補正量については、その色調補正量が、写真撮影時に用いる色調調整フィルタのうち、どの種類の色調調整フィルタの調整量に相当するかを予め求めておき、求められた色調調整フィルタの強度指標を第2の露出補正情報として用いればよい。色調調整フィルタには種々のものがあるが、撮影時の光質指標として用いる場合、光の相対色温度(即ち、青味、赤味の調整を行う)を補正するLB(ライト・バランシング)フィルタと、相対色温度方向と直交する(即ち、マゼンタ味、グリーン味の調整を行う)CC(カラー・コンペンセイティング)フィルタとがあり、それぞれ、補正無しが0、補正が強くなるにしたがって大きな数値が付加されるので、付加される数値を補正量として用いればよい。例えば、若干のグリーン味を補正するときには、グリーンの反対色であるマゼンタ方向に色調を調整するCC5Mフィルタを用い、より強いグリーン味を補正するときには、より強い色調調整力を有するCC10Mフィルタを用いることが考えられ、この場合の数値5や数値10が補正量となる。これらの補正量には、例えば以下のように符号が定義されており、補正量の加算処理は、それぞれの軸で独立に行われる。
LB(青味方向への調整):+の値;
LB(赤味方向への調整):−の値;
CC(マゼンタ方向への補正):+の値;
CC(グリーン方向への補正):−の値.
LBやCCの補正量の値は、撮影画像情報を元に推定してもよいが、両値を測定する測定器であるカラーメータが一般に市販されており、これらで予め測定すればよい。
ステップS11において撮影アクセサリの影響が大きくないと判定された場合(ステップS11;NO)又はステップS12で第2の露出補正情報が生成されたら、第1の露出補正情報及び/又は第2の補正露出情報に基づいて、撮影空間の露出調整及び色調調整に必要な補正情報が決定される(ステップS13)。第1の露出補正情報及び第2の露出補正情報が生成された場合、ステップS13では、第1の露出補正情報と第2の露出補正情報を加算し、加算結果が補正情報として決定される。第1の露出補正情報と第2の露出補正情報の何れか一方が生成された場合、ステップS13では、生成された露出補正情報が選択され、選択結果が補正情報として決定される。
次いで、ステップS13で決定された補正情報が、撮影装置17に対する機器調整分と、撮影画像(撮影により得られた画像)に対する画像処理調整分に分割される(ステップS14)。一般に、撮影装置のシャッタースピードや絞りは、ある程度の最小単位(例えば、スチルカメラで一般的に用いられるEv値で、1、1/2或いは1/3単位)での調整(大まかな調整)が可能である。一方、非常に微妙な調整が要求される撮影では、例えば、1/10Ev単位での露光量調整が必要となる場合がある。ステップS14では、撮影装置17のシャッタースピードや絞りによる機械的調整(大まかな調整)を表す補正情報が、機器調整分の補正情報として決定され、微小な調整を表す補正情報は、撮影画像に対する画像処理調整分の補正情報として決定される。
画像処理調整分の補正情報は、撮影画像に対する画像処理条件を選択することによって決定される。図20に、撮影画像を入力信号値としたトーンカーブを示す。カラー画像の場合、RGBの各々についてトーンカーブが定義されている。実際には、撮影画像を明るく調整するトーンカーブと、暗く調整するトーンカーブは、各々複数用意されており、それら複数のトーンカーブの中から、必要な露出補正に最も近いトーンカーブが画像処理条件として選択される。例えば、撮影画像を明るくする場合、露出補正量で1/10Ev、2/10Ev、3/10Evの各々の補正量に相当するトーンカーブ(凸のカーブ)が用意されており、これらのトーンカーブのうち、必要な露出補正に最も近いトーンカーブが、画像処理条件として選択される。また、撮影画像を暗くする場合は、明るくする場合と同様に、凹のトーンカーブが複数用意される。なお、画像処理条件としてのトーンカーブを撮影者又は画像調整処理を行うオペレータが選択するようにしてもよい。
ステップS14において、補正情報が機器調整分と画像処理調整分に分割されると、機器調整指示が表示部11に表示され、図示しないスピーカから当該機器調整指示を示す音声案内メッセージが出力される(ステップS15)。また、このとき。機器調整分の補正情報が撮影条件として撮影装置17に設定される(ステップS16)。
次いで、撮影装置17により被写体(例えば、乳幼児)の撮影が行われ、撮影画像が取得され(ステップS17)、取得された撮影画像が記憶部12に保存される(ステップS18)。ここで、撮影装置17又は指示入力部10により撮影終了が指示されると(ステップS19;YES)、次ステップに移行し、終了指示が無ければ(ステップS19;NO)、ステップS17に戻り、撮影、撮影画像取得、撮影画像保存が繰り返される。
撮影終了が指示されると(ステップS19;YES)、ステップS14で得られた画像処理調整分の補正情報に基づいて、撮影画像に対して画像調整処理が施され(ステップS20)、画像調整処理結果が出力される(ステップS21)。画像調整処理結果が出力されると、プレゼンテーションモードでの給電制御に戻り(ステップS22)、次の撮影指示まで待機状態となる。
このように、撮影空間の露光補正量及び色調補正量に基づいて、撮影装置17に対する機械的調整によって大まかな調整を行い、撮影画像に対する画像処理調整によって微調整を行うことにより、容易に画質調整ができるとともに、高画質の画像を得ることができる。
なお、図19のフローチャートでは、撮影空間に持ち込まれた撮影アクセサリの撮影への影響を補正する補正情報(撮影装置17に対する撮影条件と、撮影画像に対する画像処理条件)を決定する場合を示したが、取得された照度影響ポイント及び光質影響ポイントに応じて、撮影空間に持ち込む撮影アクセサリを加減すると、露出や色調の調整が不要となる。
例えば、撮影空間に現在置かれている撮影アクセサリによって、色温度が低い方向にシフトした場合、撮影空間に、色温度が高くなるような撮影アクセサリを新たに持ち込むことによって、色温度の影響を相殺することができる。即ち、光質影響ポイントの総和が0になるように、撮影空間に持ち込む撮影アクセサリを加減すれば、光質の調整は不要となる。
また、図19のフローチャートでは、撮影アクセサリに取り付けられたID情報発信部20から撮影アクセサリ情報を自動的に取得するようにしたが、撮影者が目視で撮影アクセサリを確認して、対応する照度影響ポイント及び光質影響ポイントを取得するようにしてもよい。
また、図19のフローチャートでは、ID情報発信部20から取得された撮影アクセサリ情報に基づいて撮影空間の露出調整を行う場合を示したが、写真スタジオ装置1に、照度センサや光質センサを設け、撮影空間の照度、光質を自動的に検知し、検知結果に基づいて露出調整を行うようにしてもよい。この場合においても、撮影空間内の照度の変動に応じて、撮影装置17のシャッタースピードや絞りを調整し、露出調整を促すメッセージを表示部11に表示したり、図示しないスピーカから該当する音声案内メッセージを出力すればよい。また、撮影空間内の光質の変動に応じて、撮影装置17のホワイトバランス(又はグレーバランス)の調整を促すメッセージを表示部11に表示したり、図示しないスピーカから該当する音声案内メッセージを出力すればよい。
以上のように、本実施形態の写真スタジオ装置1によれば、開口部を有する開放的な写真スタジオ装置で、被写体が自由に動き回っても、安定した露出と良好な照明効果を得ることができる。
また、照明用光源からの光を拡散させる光源拡散部を用いることにより、光量配置を簡潔に行うことができる。特に、乳幼児や児童など、背丈の変化が大きい被写体の露出安定化に特段の効果を発揮する。
更に、照明用光源の調光機能により、非撮影時における照明用光源の発光量と室温上昇を抑えることができる。また、非撮影状態でも、ある程度の発光量を維持できるので、電源投入後、照明用光源が安定するまでの時間が短縮でき、撮影開始までの待ち時間が短縮される。また、調光状態を効果的に生かし、写真スタジオ装置1の外に向けた広告、営業告知効果が期待できる。
また、写真スタジオ装置1内に持ち込まれる各種撮影アクセサリが撮影に及ぼす影響度を事前に把握し、容易に対応することができる。更に、照度影響ポイント及び光質影響ポイントに基づいて、撮影条件に基づく大まかな調整と、画像処理条件に基づく微調整を行うことにより、高画質な画像を得ることができる。
本発明の実施形態に係る写真スタジオ装置の概略構成図。 撮影空間内での露出計による測定位置を示す図。 撮影空間内における撮影露出値の測定結果を示す図。 出入り口用の開口部を有する正面壁における照明用光源の配置例を示す図。 左側壁及び右側壁における照明用光源の配置例を示す図。 天井における照明用光源の配置例を示す図。 出入り口用の開口部を有する正面壁における照明用光源の配置例を示す図。 左側壁及び右側壁における照明用光源の配置例を示す図。 天井における照明用光源の配置例を示す図。 照明用光源としてLEDを用いたときの配置例を示す図。 本実施形態の写真スタジオ装置において、複数種類の照明用光源を併用した場合の、各照明用光源の配置位置を示す図。 写真スタジオ装置の制御系のブロック図。 撮影アクセサリの一例とID情報発信部を示す図。 蛍光灯を照明用光源とした場合の調光部のブロック図。 LEDを照明用光源とした場合の調光部のブロック図。 EL素子を照明用光源とした場合の調光部のブロック図。 蛍光灯を照明用光源とした場合の発光強度パターンを示す図。 LEDを照明用光源とした場合の発光強度パターンを示す図。 写真スタジオ装置における制御動作の流れを示すフローチャート。 画像調整処理時に適用されるトーンカーブを示す図。
符号の説明
1 写真スタジオ装置
2 正面壁
3 右側壁
4 左側壁
5 後部壁
6 天井
7a〜7n、71〜75 直管蛍光灯
76 電球型蛍光灯
77、78 丸管蛍光灯
8a〜8f 光源拡散部
9a〜9l 開閉部
10 指示入力部
11 表示部
12 記憶部
13 光源監視部
14 撮影制御部
15、15a〜15c 給電制御部
16 画像処理部
17 撮影装置
18 電流/光量測定部
20 ID情報発信部
21 調光駆動回路
22 定電流制御回路
23 定電圧制御回路

Claims (5)

  1. 被写体を、右側壁、左側壁、後部壁、出入り口用の開口部を有する正面壁、天井で囲む撮影空間により構成される写真スタジオ装置であって、
    前記右側壁、前記左側壁、前記正面壁及び前記天井には、被写体を照らす照明用光源が配置され、
    前記正面壁に配置された照明用光源の発光量は、前記撮影空間全体の発光量の25%以上50%以下であり、
    前記右側壁及び前記左側壁に配置された照明用光源の発光量は、前記正面壁以外に配置された照明用光源全体の発光量の66%以上84%以下であることを特徴とする写真スタジオ装置。
  2. 前記照明用光源は、蛍光灯、発光ダイオード、EL素子のうち、少なくとも1種類の光源ユニットにより構成され、
    前記照明用光源の被写体側の側面に、当該照明用光源からの光を拡散させる光源拡散部が配置されることを特徴とする請求項1に記載の写真スタジオ装置。
  3. 前記照明用光源は、撮影時の調光状態である撮影モードと、非撮影時の調光状態であるプレゼンテーションモードを有し、
    前記照明用光源が撮影モードであるかプレゼンテーションモードであるかに応じて、当該照明用光源の発光量を調整する調整手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の写真スタジオ装置。
  4. 前記撮影空間内に設置され、被写体とともに撮影される撮影アクセサリ毎に、当該撮影空間内の照度に与える影響度を示す照度影響ポイントとともに、色温度及び/又はカラーバランスに与える影響度を示す光質影響ポイントを設定するポイント設定手段と、
    撮影アクセサリに設定された照度影響ポイント及び/又は光質影響ポイントに基づいて、被写体の撮影条件と、撮影により得られた画像に施す画像処理条件を設定する条件設定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の写真スタジオ装置。
  5. 前記条件設定手段は、前記撮影条件として、撮影に用いる撮影装置の撮影絞り、シャッタースピードによる機械的調整の条件を設定することを特徴とする請求項4に記載の写真スタジオ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011232629A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Furyu Kk 写真シール作成装置およびその方法、並びにプログラム
KR101819611B1 (ko) * 2008-07-14 2018-01-17 홀리컴 필름 리미티드 촬영 방법 및 시스템
KR102552204B1 (ko) * 2022-11-08 2023-07-06 박영우 Led를 이용한 기능성 수중 촬영시스템

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