JP2006316367A - 食品包装用耐油紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】
フッ素樹脂系薬品代替の耐油紙を目的に、アクリル樹脂主体からなる耐油層を有する紙に関し、特にブロッキング性の改善された耐油紙であり、更に高い耐油性能を兼ね備えた食品包装用耐油紙を提供することにある。
【解決手段】
基紙の上に少なくとも片面2層以上のアクリル樹脂主体の耐油層を有し、ガラス転移温度が30℃以上のアクリル樹脂を使用することにより、ブロッキング性と耐油性能を同時に満足させることができる。また、スチレン・ブタジエン系共重合体を混合することで、折り曲げ部のクラックを防ぎ、更に最外層に顔料を配合することで、製缶・加工時の擦れによる耐油性能の低下を防ぐことが可能となった。
【選択図】
なし
フッ素樹脂系薬品代替の耐油紙を目的に、アクリル樹脂主体からなる耐油層を有する紙に関し、特にブロッキング性の改善された耐油紙であり、更に高い耐油性能を兼ね備えた食品包装用耐油紙を提供することにある。
【解決手段】
基紙の上に少なくとも片面2層以上のアクリル樹脂主体の耐油層を有し、ガラス転移温度が30℃以上のアクリル樹脂を使用することにより、ブロッキング性と耐油性能を同時に満足させることができる。また、スチレン・ブタジエン系共重合体を混合することで、折り曲げ部のクラックを防ぎ、更に最外層に顔料を配合することで、製缶・加工時の擦れによる耐油性能の低下を防ぐことが可能となった。
【選択図】
なし
Description
本発明は基紙の上に少なくとも片面2層以上のアクリル樹脂主体からなる耐油層を有する紙に関し、特にブロッキング性の改善された耐油紙であり、更に高い耐油性能を兼ね備えた食品包装用耐油紙に関するものである。
フッ素系耐油剤を使用した耐油紙は熱を加えることにより不活性ガスが発生することが知られ、概薬品を使用した耐油紙が製造中止して以降、食品包装用途のユーザーを中心に代替耐油紙が熱望されている。
食品包装用耐油紙に求められる機能としては、サラダ油、チョコレートを始めとするオイル耐性はもちろんのこと、食品と直接触れるため可溶分が有る場合は安全性を、また、好みの大きさ、形状に応じて加工を行うため、罫線部の耐油性の付与、製缶時の糊付け適性、さらに紙の製造時および加工後にはリールにて巻取り、または積み重ねることにより紙の裏表が接着するブロッキングを防ぐことが必要となる。
食品包装用耐油紙に求められる機能としては、サラダ油、チョコレートを始めとするオイル耐性はもちろんのこと、食品と直接触れるため可溶分が有る場合は安全性を、また、好みの大きさ、形状に応じて加工を行うため、罫線部の耐油性の付与、製缶時の糊付け適性、さらに紙の製造時および加工後にはリールにて巻取り、または積み重ねることにより紙の裏表が接着するブロッキングを防ぐことが必要となる。
前述した熱分解するフッ素系薬品代替の耐油紙としてはアクリル系耐油剤、ポリエチレンフィルム貼合、及び概樹脂を塗布使用したもの、シリコン系、ワックス系耐油剤を使用したもの、熱を加えても不活性ガスを発生させないように製法が改良されたフッ素系樹脂を使用したもの等々の耐油紙ならびに製造技術が開示されるに至っているが、次に例を挙げるように長短所があるため一部実用化されてはいるものの依然として、使用者からの改善要望は根強い。
アクリル系の耐油剤を使用した耐油紙の場合、例えば、特許文献1にはアクリル樹脂をオフコーター若しくは印刷機を用いて基紙上に幾層にもわたり塗布する技術が開示されているが、幾層にもわたり塗布することにより耐油性は確保できるもののその手間の多さからコストが極端に高くなること、汎用のアクリル樹脂のみの塗布ではブロッキング性が明らかに劣り、加工性も劣ることが容易に類推される。
また、特許文献2においてはガラス転移温度(以下Tgという)が10〜28℃のアクリル系樹脂のエマルジョンのみを塗布する技術が開示されており、対ブロッキング性の改善についても記載されているが、エマルジョンのTgが低いが故に乾燥後の吸湿によりブロッキング性が著しく悪化することが容易に類推され、根本的な解決には至っていない。
さらに、特許文献3には顔料100重量部あたりアクリル系ディスパージョンとスチレン・ブタジエンディスパージョンの混合物を50〜200重量部配合してなる塗料を8〜25g/m2塗工する技術が開示されているが、顔料配合であるが故に耐油性を維持するため多量の塗工量が必要となることと、ガラス転移温度の低い一般的なアクリル系樹脂エマルジョンを使用した場合は、顔料配合でもブロッキング性の悪化が問題となると考えられる。
特公平8−006278号公報
特許第3055867号公報
特許第3488675号公報
上記の問題を解決すべく、本発明は基紙の上に少なくとも片面2層以上のアクリル樹脂主体からなる耐油層を有する紙に関し、ブロッキング性の改善された耐油紙およびその製造方法を提供することである。更には高い耐油性能を兼ね備えた食品包装用耐油紙を提供することである。
本発明者らは耐油性能とブロッキングについて鋭意研究を重ねた結果、2層以上にわたりガラス転移温度が30℃以上のアクリル樹脂系耐油剤を塗布することにより両性能を同時に満足させることを見出した。
また、アクリル樹脂エマルジョン100部に対してスチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョンを10〜60部混合することにより、アクリル樹脂エマルジョンならびにスチレン、ブタジエン系共重合体エマルジョンをお互い共重合させる必要のない簡便な方法で各製品ごとに任意の混合割合で配合することによりクラックを防ぎ、罫線部を始めとする耐油性を付与できることを見出した。
さらに少なくとも基紙から見て最外層にガラス転移温度の高いアクリル樹脂エマルジョンと顔料を配合した耐油層を有することにより、更に好ましくは最外層以外に顔料を含まない耐油剤比率を高めたアクリル樹脂系耐油剤主体の層を設けることにより、トータルでより少ない耐油剤で耐油性能とブロッキング性能を同時に満足させることを見出した。
本発明は以下の発明を包括する
本発明は以下の発明を包括する
(1)基紙の上に少なくとも片面2層以上の耐油層を有し、耐油層の耐油成分がアクリル樹脂を主体とするエマルジョンを塗布して得られる紙において、該アクリル樹脂のガラス転移温度が30℃以上であることを特徴とする耐油紙。
(2)アクリル樹脂のガラス転移温度が30〜80℃であることを特徴とする(1)項に記載の耐油紙。
(3)アクリル樹脂100部に対してスチレン・ブタジエン系共重合体を固形分質量比で10〜60部混合することを特徴とする(1)または(2)項に記載の耐油紙。
(4)複数の耐油層のうち少なくとも最外部耐油層に顔料を耐油剤固形分100質量部に対して、40~250質量部配合することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の耐油紙。
(5)(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の耐油紙において、複数の耐油層をオンマシンコートにより形成することを特徴とする耐油紙の製造方法。
本発明は、基紙の上に少なくとも片面2層以上のアクリル樹脂主体からなる耐油層を有し、さらにガラス転移温度が30℃以上のアクリル樹脂を使用することによりブロッキング性と耐油性を兼ね備えた耐油紙が可能である。
本発明の第一の発明では、基紙の上に少なくとも片面2層以上の耐油層を有し、耐油層の耐油性分がアクリル樹脂主体からなる紙において、アクリル樹脂のガラス転移温度が30℃以上であることが特徴である。アクリル樹脂エマルジョンを塗布し乾燥させた場合、塗布表面に直径0.1〜数μmの気泡由来と思われるクレーター状の陥没部が所々に観察されるが、耐油性能の低い紙はオイルを垂らした時にこのクレーターを介して耐油裏面でオイルスポットが発生すると考えられる。1層だけでの耐油層でこのオイルスポットを防ぐには耐油層を厚く塗る必要があるが、塗工斑が生じやすく、塗工層が薄いところでのクレーターにより希望する耐油性能が発現しない。一方、耐油層を2層以上に分けて塗布することによりクレーターが生じても、もう一方の層で補完できるため、また、1層だけでの塗布と較べて塗工斑の無い均一な耐油膜ができ、且総塗布量としてより少ない量で耐油性能が発現する。
ガラス転移温度は30℃以上となることがもう一つの特徴であるが、より好適な条件としては30〜80℃である。80℃を超えた場合においても本発明適用により問題なく使用できると考えられるが、一般的な樹脂のガラス転移温度から離れるため樹脂の入手含め必ずしも汎用性のある好適な条件とは言えない。一方、30℃を下回る場合、樹脂がやわらかいが故に紙を高温多湿下に置いた場合に、温度と吸湿により粘りが戻り、紙が積重なった状態で耐油面と裏面が擬似接着されたいわゆる、ブロッキングと称するトラブルに至る。ブロッキングが裁断後の平判製品で生じた場合は最悪の場合のこぎりで砕片化するしか方法は無く、軽い症状でも印刷や製缶時に重送、詰りの原因となり加工時に重大なトラブルを引き起こす。
ブロッキングを回避するために例えば、耐油剤に顔料を配合してブロッキングを起こす接着面を緩和する方法が考えられるが、ガラス転移温度が低いほど粘りが大きいため顔料を多配合する必要があり、顔料多配合により塗布材料中における耐油性分の比率が下がるほど耐油性能が下がり、塗布量を増やさなければならないという悪循環に陥る。言い換えれば30℃以上のガラス転移温度のアクリル樹脂エマルジョンを使用することにより、塗布後の樹脂皮膜を硬くすることができ、樹脂の粘りを減らすことにより単独の塗布においてもブロッキング性を改善でき、且顔料を配合した場合においても顔料比率を下げることが出来るが故に塗布材料中の耐油性分比率を高めることができ、結果としてブロッキングと耐油性能の両機能を始めて良好とすることが出来ることを見出した。
本発明における主要な構成の一つにアクリル樹脂を主体とするエマルジョンは、固形分質量比でアクリル樹脂100部に対してスチレン・ブタジエン系共重合体を10〜60部混合することを特徴として挙げている。スチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョンは代表的な事例としてSBRラテックスが挙げられるが、その接着能力からその使用途は広範囲に及んでいる。本発明においてアクリル樹脂のガラス転移温度は30℃以上と高いため平面部の耐油性に何ら問題は無いが、折り曲げ部のように曲線を持つところでは力のかかり方によっては微細なクラックを生じ耐油性が下がる可能性がある。これを予防若しくは、改善する目的でスチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョンを混合することが出来る。
スチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョンは乾燥後のアクリル樹脂間の接着、および顔料配合時には顔料間の接着を強化するが、そのままアクリルエマルジョンと混合することで効果が発現でき、既存技術のようにアクリル・スチレン・ブタジエンの組合せで予め共重合させる必要は無い。スチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョンの混合比はアクリル樹脂エマルジョン100質量部に対し、10〜60質量部配合することが好適条件である。10質量部を下回る場合は前述のとおり折り曲げ部でクラックを生じ、60質量部を超えると耐油剤比率が低くなるため耐油性能が低くなる。
さらに、本発明における主要な構成の一つに複数の耐油層のうち少なくとも最外部耐油層に顔料を耐油剤固形分100質量部に対して、40~250質量部配合することを特徴として含む。前述のとおりガラス転移温度30℃以上のアクリル樹脂を用いることで、それより低い転移温度のものと較べて格段にブロッキング性が改善されるが、最外層については高速で製缶される工程において紙と製缶機との接触が原因で耐油層が擦れて耐油性能が低下することがある。擦れによる耐油性能低下を防ぐ目的に耐油剤に価格の安い顔料を配合し、耐油剤の使用量を節約することができる。
最外部耐油層への顔料部数は250質量部を上回ると耐油剤比率が低いために耐油性能を維持できない。一方下限は0質量部でもブロッキングについて実用範囲であるが、より良好なブロッキング性、擦れ適性、耐油性を兼ね備えるためには40質量部以上が好適である。また、最外部耐油層以外においては顔料を含まない場合においても好適に使用が可能である。
本発明に用いられる耐油層に配合される顔料は特に限定はされないが、タルク、カオリン、焼成カオリン、二酸化チタン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、合成マイカ等の無機顔料、または有機顔料から適宜選択できる。また、平均粒径が0.3〜1.2μm程度のカオリンについては裏面との擦れ汚れも抑制できるため好適に使用できる。
塗布方法についても既知のサイズプレスコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーターから1種または2種以上の組合せで選択される塗工方法を適宜選択して使用できる。特に、これらのコーターを抄紙機の途中に設置してオンマシンコートを実施することが好ましい。
塗布量については一層について耐油剤固形分質量で0.3〜2.5g/m2、全層合わせても1.0〜4.0g/m2までが好ましい実施形態である。1.0g/m2未満だと紙への浸透により均一な耐油膜を生成することができず、逆に4.0g/m2を超えた場合は特に、オンマシンコートでの耐油層の乾燥負荷が高くなるため、好適な形態とは言えない。
本発明に用いられる基紙は複数の層から成る板紙、単層から成る洋紙、いずれの場合においても紙の構造をしたものであれば乾燥状態を問わず使用が可能である。耐油剤が塗布される面の使用パルプについては針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、草本類由来のパルプ、また紙が再離解されて成る脱墨有無のパルプ、さらには必要に応じて化学繊維を混合することができる。
紙の厚みについては罫線部への折り曲げ耐油を特に付与したい場合は折り曲げ部の原紙層および耐油塗布層の伸び縮みをより小さくするため米坪を低くする、または緊度を高める等の手段により厚みを薄くするほうがより耐油性が高くなる好適条件となる。また、基紙の製造に関し一般的な紙を製造する際に添加する紙力剤、バンド、歩留まり向上剤、サイズ剤を始めとする当業界既知の薬品が添加されていても何ら問題はない。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例および比較例中の%および部数はそれぞれ質量%、質量部を示す。また、基紙上の塗布量は絶乾質量を示す。
<実施例1>
(1) 紙構成
基紙層が5層からなり、原紙米坪240g/m2の板紙のうち片面に二酸化チタン、カオリン、軽質炭酸カルシウム等からなる顔料とSBRラテックス、澱粉等のバインダーならびに各種助剤からなる印刷適性のあるクレーコート面を設けた。続いて、この基紙の反対面に、次項からなる2層の塗布による耐油層を設けた。
(2) 下塗り耐油層
耐油層2層のうち基紙に近い側の耐油層として、ガラス転移温度31℃のアクリル樹脂系エマルジョン(ジョンソンポリマー社製、JP96−100)100部に対してスチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョン(A&L社製、PA4046、Tg12℃)50部配合した塗布液を調製し、基紙に対して絶乾質量で2.85g/m2(耐油成分1.9g/m2)塗布後直ちに200℃の熱風にて15秒乾燥し、下塗り耐油層とした。
(3) 上塗り耐油層
ついで、最外層の耐油層として、ガラス転移温度31℃のアクリル樹脂系エマルジョン(ジョンソンポリマー社製、JP96−100)100部に対してカオリンを100部とスチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョン(A&L社製、PA4046)20部配合した塗布液を調製し、下塗り耐油層の上に絶乾質量で1.76g/m2(耐油性分0.8g/m2)塗布後直ちに200℃の熱風にて15秒乾燥し、上塗り耐油層を設けて、2層の耐油層を有する耐油紙を作製した。
(1) 紙構成
基紙層が5層からなり、原紙米坪240g/m2の板紙のうち片面に二酸化チタン、カオリン、軽質炭酸カルシウム等からなる顔料とSBRラテックス、澱粉等のバインダーならびに各種助剤からなる印刷適性のあるクレーコート面を設けた。続いて、この基紙の反対面に、次項からなる2層の塗布による耐油層を設けた。
(2) 下塗り耐油層
耐油層2層のうち基紙に近い側の耐油層として、ガラス転移温度31℃のアクリル樹脂系エマルジョン(ジョンソンポリマー社製、JP96−100)100部に対してスチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョン(A&L社製、PA4046、Tg12℃)50部配合した塗布液を調製し、基紙に対して絶乾質量で2.85g/m2(耐油成分1.9g/m2)塗布後直ちに200℃の熱風にて15秒乾燥し、下塗り耐油層とした。
(3) 上塗り耐油層
ついで、最外層の耐油層として、ガラス転移温度31℃のアクリル樹脂系エマルジョン(ジョンソンポリマー社製、JP96−100)100部に対してカオリンを100部とスチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョン(A&L社製、PA4046)20部配合した塗布液を調製し、下塗り耐油層の上に絶乾質量で1.76g/m2(耐油性分0.8g/m2)塗布後直ちに200℃の熱風にて15秒乾燥し、上塗り耐油層を設けて、2層の耐油層を有する耐油紙を作製した。
<実施例2>
実施例1の(2)および(3)記載アクリル樹脂系エマルジョンのガラス転移温度を30℃(ジョンソンポリマー社製、JP96−99)にした以外は実施例1と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
実施例1の(2)および(3)記載アクリル樹脂系エマルジョンのガラス転移温度を30℃(ジョンソンポリマー社製、JP96−99)にした以外は実施例1と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
<実施例3>
実施例2中の(2)下塗り耐油層についてアクリル樹脂系エマルジョン100部に対してスチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョン(JSR社製、X400B、Tg−42/−5℃)20部配合した塗布液を調製し耐油剤成分として1.9g/m2に合わせた以外は実施例2と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
実施例2中の(2)下塗り耐油層についてアクリル樹脂系エマルジョン100部に対してスチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョン(JSR社製、X400B、Tg−42/−5℃)20部配合した塗布液を調製し耐油剤成分として1.9g/m2に合わせた以外は実施例2と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
<実施例4>
実施例3の(3)上塗り耐油層についてアクリル樹脂系エマルジョン100部に対してカオリンを230部とスチレン・ブタジエン系エマルジョン(旭化成社製、B1926、Tg23℃)20部配合した塗布液を調製した以外は実施例3と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
実施例3の(3)上塗り耐油層についてアクリル樹脂系エマルジョン100部に対してカオリンを230部とスチレン・ブタジエン系エマルジョン(旭化成社製、B1926、Tg23℃)20部配合した塗布液を調製した以外は実施例3と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
<比較例1>
実施例1の(2)下塗り耐油層および(3)上塗り耐油層記載アクリル樹脂系エマルジョンのガラス転移温度を9℃(ジョンソンポリマー社製PDX7326N)にした以外は実施例1と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
実施例1の(2)下塗り耐油層および(3)上塗り耐油層記載アクリル樹脂系エマルジョンのガラス転移温度を9℃(ジョンソンポリマー社製PDX7326N)にした以外は実施例1と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
<比較例2>
実施例3の(2)下塗り耐油層についてアクリル樹脂系エマルジョン100部に対してスチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョン100部配合した塗布液を調製した以外は比較例1と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
実施例3の(2)下塗り耐油層についてアクリル樹脂系エマルジョン100部に対してスチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョン100部配合した塗布液を調製した以外は比較例1と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
<比較例3>
実施例4(3)上塗り耐油層についてアクリル樹脂系エマルジョン100部に対してカオリンを400部とした以外は比較例1と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
実施例4(3)上塗り耐油層についてアクリル樹脂系エマルジョン100部に対してカオリンを400部とした以外は比較例1と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
<比較例4>
実施例1の(2)下塗り耐油層および(3)上塗り耐油層記載アクリル樹脂系エマルジョンのガラス転移温度を22℃(ジョンソンポリマー社製試作品)にした以外は実施例1と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
実施例1の(2)下塗り耐油層および(3)上塗り耐油層記載アクリル樹脂系エマルジョンのガラス転移温度を22℃(ジョンソンポリマー社製試作品)にした以外は実施例1と同様の処理を行い、耐油紙を作製した。
(紙品質の測定法)
1.ブロッキング評価用サンプルの作製
実施例1〜4と比較例1〜4の耐油紙を用いて、5cm×5cmに裁断したものを2枚用意し、耐油層面と耐油層面ではないクレーコート面を重ね合わせた後、40℃、湿度90%の条件下で2kg/cmの荷重をかけたまま24時間保持してブロッキング評価の供試サンプルを作製した。
1.ブロッキング評価用サンプルの作製
実施例1〜4と比較例1〜4の耐油紙を用いて、5cm×5cmに裁断したものを2枚用意し、耐油層面と耐油層面ではないクレーコート面を重ね合わせた後、40℃、湿度90%の条件下で2kg/cmの荷重をかけたまま24時間保持してブロッキング評価の供試サンプルを作製した。
ブロッキング評価(1)
ブロッキング評価用の供試サンプルを、25mm×25mmに裁断し、J−Tappi No.18の「Z軸方向引張強さによる方法」記載による方法で紙間のブロッキングの程度を10サンプル測定し平均値を「Z軸強度」として表に記載した。
Z軸方向引張強さ:N/(25mm)2
ブロッキング評価用の供試サンプルを、25mm×25mmに裁断し、J−Tappi No.18の「Z軸方向引張強さによる方法」記載による方法で紙間のブロッキングの程度を10サンプル測定し平均値を「Z軸強度」として表に記載した。
Z軸方向引張強さ:N/(25mm)2
ブロッキング評価(2)
ブロッキング評価用の供試サンプルを用い、紙−紙間を一方の角から手で剥いだときの音と触診にて優劣を評価して表に記載した。
評点 5点:音なし、紙自重で剥がれる
4点:軽い音、極わずかの力で剥げる
3点:やや軽い音、わずかの力で剥げる
2点:やや重い音、明らかに2枚の紙を剥ぐ力が必要
1点:重い音、剥がれ難い
ブロッキング評価用の供試サンプルを用い、紙−紙間を一方の角から手で剥いだときの音と触診にて優劣を評価して表に記載した。
評点 5点:音なし、紙自重で剥がれる
4点:軽い音、極わずかの力で剥げる
3点:やや軽い音、わずかの力で剥げる
2点:やや重い音、明らかに2枚の紙を剥ぐ力が必要
1点:重い音、剥がれ難い
2.耐油性評価
各水準5枚づつについて5cm角に断裁した耐油紙の耐油層面に市販のサラダオイルをそれぞれ0.5ml滴下し、40℃の条件下、3日間保持して耐油層面から裏面(クレーコート面)へのオイル抜けについて優劣を評価して表に記載した。
評点 ○:裏面へのオイルスポットなし。
×:裏面にオイルスポットが見える。
各水準5枚づつについて5cm角に断裁した耐油紙の耐油層面に市販のサラダオイルをそれぞれ0.5ml滴下し、40℃の条件下、3日間保持して耐油層面から裏面(クレーコート面)へのオイル抜けについて優劣を評価して表に記載した。
評点 ○:裏面へのオイルスポットなし。
×:裏面にオイルスポットが見える。
表1から明らかなように、本発明による実施例1はブロッキング性と耐油性を兼ね備えている。ガラス転移温度が異なるアクリル樹脂系エマルジョンを使用した実施例2、ガラス転移温度の異なるスチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョンを使用した実施例3、顔料部数を変更した実施例4のいずれも、好ブロッキング性と耐油性を兼ね備えている。
一方、ガラス転移温度の低いアクリル樹脂系エマルジョンを使用した比較例1については耐油性能はあるがブロッキング性は劣る。また、ガラス転移温度の低いアクリル樹脂系エマルジョンを使用し、スチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョンの部数を増やした比較例2では耐油性能、ブロッキング性ともに劣る。さらに、顔料部数を増加してもガラス転移温度の低いアクリル樹脂系エマルジョンを使用した比較例3ではブロッキング性が改善するものの耐油性で劣る。アクリル樹脂系エマルジョンのガラス転移温度を若干上げた比較例4ではブロッキング性が若干改善されるものの実施例より劣る。
本発明は、フッ素樹脂代替の食品包装用耐油紙に使用できる。
Claims (5)
- 基紙の上に少なくとも片面2層以上の耐油層を有し、耐油層の耐油成分がアクリル樹脂を主体とするエマルジョンを塗布して得られる紙において、該アクリル樹脂のガラス転移温度が30℃以上であることを特徴とする耐油紙。
- アクリル樹脂のガラス転移温度が30〜80℃であることを特徴とする請求項1記載の耐油紙。
- アクリル樹脂100部に対してスチレン・ブタジエン系共重合体を固形分質量比で10〜60部混合することを特徴とする請求項1または2に記載の耐油紙。
- 複数の耐油層のうち少なくとも最外部耐油層に顔料を耐油剤固形分100質量部に対して、40〜250質量部配合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐油紙。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐油紙において、複数の耐油層をオンマシンコートにより形成することを特徴とする耐油紙の製造方法。
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-
2005
- 2005-05-11 JP JP2005138293A patent/JP2006316367A/ja active Pending
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