JP2006315964A - 抗体安定化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗体の活性に影響を与えずにアスパラギンの脱アミド化を抑制する方法を開発することを目的とする。
【解決手段】本発明者らは、アスパラギンの置換を行う際にアスパラギンをリシンに置換すれば抗体の活性に影響を与えないことを見出し、本発明を完成した。
【選択図】なし

Description

本発明は抗体の安定性を改良する方法に関する。具体的には、抗体中の脱アミド化されるアミノ酸をリシンで置換することを特徴とする抗体の安定化方法に関する。
抗体は医学的製剤として様々な疾患に対して用いられているが、医学的製剤として用いる場合には長時間安定であることが必要とされる。しかしながら、実際には時間の経過と共に抗体の活性は低下していく。臨床的に用いる際にはそれらの活性の低下が問題となる。活性低下の原因は様々であるが、原因の一つとして抗体に含まれるアスパラギン等のアミノ酸が時間の経過と共に徐々に脱アミド化させることが挙げられる。即ち、アスパラギンの脱アミド化により抗体の活性が低下していくことが知られている。中でも、Asn-Gly配列は脱アミド化されやすい配列であることが知られている。アスパラギンの脱アミド化を抑制すれば抗体を安定化できることから、アスパラギンの脱アミド化を抑制する研究が行われている。アスパラギンの脱アミド化を防ぐには、部位特異的変異によってアスパラギンを他のアミノ酸に置換する方法が最も確実な方法として考えられるが、アスパラギンが抗体のCDRに存在する場合には、該置換が抗体の結合活性に影響を与えてしまうことが報告されている(非特許文献1参照)。そこで、抗体の活性に影響を与えずにアスパラギンの脱アミド化を抑制する方法が望まれていた。
MABLE-1抗体、及び、MABLE-2抗体は、各々、ヒトIntegrin Associated Protein(ヒトIAP)を有する有核血液細胞(骨髄系細胞及びリンパ球)にアポトーシスを誘起させる特性を有する規モノクローナル抗体を産生させるハイブリドーマ、MABL-1(FERM BP-6100)及びMABL-2(FERM BP-6101)より産生されるモノクローナル抗体である(特許文献1参照)。これら2つの抗体は、互いにアミノ酸配列が若干異なる変異体である。
WO00/53634号 Thromb.Haemost.、2001年、Vol.85、p.379-389
医学的製剤として用いることができる長時間安定な抗体が、臨床的に必要とされる。抗体の活性低下の原因の一つである、抗体に含まれるアスパラギン等のアミノ酸の経時的脱アミド化、特に、脱アミド化されやすいAsn-Gly配列中のアスパラギンの脱アミド化を抑制することが、抗体を安定化するために求められる。そこで、本発明は、抗体の活性に影響を与えずにアスパラギンの脱アミド化を抑制する方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題について鋭意研究した結果、アスパラギンの置換を行う際にアスパラギンをリシンに置換すれば抗体の活性に影響を与えないことを見出した。具体的には、CF抗体はMABLE-1とMABLE-2と呼ばれるアミノ酸配列が若干異なる2つの変異体が存在しているが、MABLE-2のCDR領域にはAsn-Gly配列があり、脱アミド化が起こっている。しかしながら、MABLE-1ではAsn-Gly配列がLys-Gly配列になっており、当然のことながら脱アミド化は起こっておらず、またMABLE-1は活性を有していた。一方、MABLE-2のAsnがAspに変化したものでは活性が低下していた。以上のことより、本発明者らは、アスパラギンをリシンに置換すれば活性を低下させることなく脱アミド化による公知の不安定化を抑制できることを見出した。より詳細には、本発明は、
〔1〕 抗体中の脱アミド化されるアミノ酸をリシンで置換することを特徴とする抗体の安定化方法、
〔2〕 脱アミド化されるアミノ酸がアスパラギンである、〔1〕に記載の抗体の安定化方法、
〔3〕 アスパラギンが相補性決定領域に存在することを特徴とする、〔1〕に記載の抗体の安定化方法、
〔4〕 アスパラギンがAsn-Gly配列中のアスパラギンである、〔1〕に記載の抗体の安定化方法、
〔5〕 抗体がヒト型化抗体である、〔1〕に記載の抗体の安定化方法、
〔6〕 〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の方法により、安定化された抗体、に関する。
以下に本明細書に規定された用語の定義を示すが、これらは、本明細書中で使用される用語を理解を容易にする目的で記載されたものであり、本発明を限定する目的で用いられるべきではないことは理解されたい。
本発明の安定化方法における「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、所望の生物学的活性を示す限り、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、抗体変異体、抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)2、及びFv)、並びに多特異性抗体(例えば、二特異性抗体)等が含まれる。抗体(Ab)及び免疫グロブリン(Ig)は同じ構造特性を有する糖蛋白質である。抗体が特定の抗原に対する特異的結合性を示すのに対して、免疫グロブリンには抗体、及び、抗原特異性を欠く他の抗体様分子が含まれる。天然の抗体及び免疫グロブリンは一般的に約150,000ダルトンのヘテロ四量体であり、2本の同じ軽(L)鎖及び2本の同じ重(H)鎖からなる。各軽鎖は、重鎖に1つの共有ジスルフィド結合により連結されているが、重鎖間のジスルフィド結合の数は、免疫グロブリンのアイソタイプの種類によって異なっている。重鎖及び軽鎖はまたそれぞれ一定間隔の鎖内ジスルフィド橋を有する。各重鎖は一つの末端に可変ドメイン(VI H)を有し、それに連結された多数の定常ドメインを有する。各軽鎖は一方の末端に可変ドメイン(VL)を有し、他方の末端に定常領域を有する。軽鎖の定常領域は、重鎖の最初の定常領域と並んでおり、軽鎖の可変ドメインは重鎖の可変領域と並んでいる。特定のアミノ酸残基が軽鎖および重鎖の可変ドメインのインタフェースを形成していると考えられている(Clothia et al., J.Mol.Biol. 186:651-666 (1985); Novotny and Haber, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:4592-4596 (1985))。
いずれの脊椎動物種由来の抗体(免疫グロブリン)の軽鎖は、カッパ(κ)とラムダ(λ)と呼ばれる2つの明らかに異なる型に、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて分類することができる。重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、「免疫グロブリン」は、異なるクラスに分類することができる。免疫グロブリンには、少なくとも5つの主要なクラスが存在する:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMが存在し、そして更に、これらのうちの幾つかはサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG-1、IgG-2、IgG-3、及びIgG-4;IgA-1及びIgA-2に分けることができる。異なるクラスの重鎖定常ドメインは、α、δ、ε、γ、及びμと各々呼ばれる。各クラスの免疫グロブリンのサブユニット構造、及び三次元構造は周知である。
本明細書中の「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体の集団、即ち、集団を構成する個々の抗体が、天然において起こり得る少量で存在する変異体を除いては均一である抗体集団から得られた抗体を指す。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、単一の抗原部位に対して作用するものである。さらに、異なる抗原決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的には含む慣用な(ポリクローナル)抗体調製物と比べて、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の抗原決定基に向けられる。その特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の免疫グロブリンにより汚染されていないハイブリドーマ培養により合成される点で有利である。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に均一な抗体の集団より得られた抗体の特性を示唆するものであって、抗体が特定の方法により製造されることを要求するものではない。例えば、本発明において用いられるモノクローナル抗体を、例えばハイブリドーマ法(Kohler and Milstein, Nature 256:495 (1975))、または、組換え方法(米国特許第4,816,567号)により製造してもよい。本発明において使用するモノクローナル抗体はまた、ファージ抗体ライブラリーから単離してもよい(Clackson et al., Nature 352:624-628 (1991) ; Marks et al., J.Mol.Biol. 222:581-597 (1991))。本明細書中のモノクローナル抗体には、特に、重鎖及び/または軽鎖の一部が特定の種、または特定の抗体クラス若しくはサブクラス由来であり、鎖の残りの部分が別の種、または別の抗体クラス若しくはサブクラス由来である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、並びに、所望の生物学的活性を有する限り、このような抗体の断片が含まれる(米国特許第4,816,567号; Morrison et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851-6855 (1984))。
「抗体変異体」という用語は、1またそれ以上のアミノ酸残基が改変された、抗体のアミノ酸配列バリアントを指す。どのように改変されたアミノ酸バリアントであれ、元となった抗体と同じ結合特異性を有すれば、本明細書中の「抗体変異体」に含まれる。このような変異体は、抗体の重鎖若しくは軽鎖の可変ドメインのアミノ酸配列と少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、そして、最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列相同性または類似性を有するアミノ酸配列と100%よりも少ない配列相同性、または類似性を有する。本発明の方法は、抗体及びその断片の両方ポリペプチドに対して等しく適用されるので、これらの用語は時々、交代して使用される。
「抗体断片」という用語は全長抗体の一部を指し、一般に、抗原結合領域または可変領域のことである。例えば、抗体断片にはFab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片が含まれる。抗体のパパイン消化により、Fab断片と呼ばれる、それぞれ1つの抗原結合部位を有する2つの同じ抗原結合断片、及び、残りの容易に結晶化するために「Fc」と呼ばれる断片が生じる。また、ペプシン消化により2つの抗原結合部位を有し、抗原を交差結合し得るF(ab’)2断片、及び、残りの別な断片(pFc’と呼ばれる)が得られる。その他の断片としては、diabody(diabodies)、線状抗体、一本鎖抗体分子、及び抗体断片より形成された多特異性抗体が含まれる。本明細書中、抗体の「機能性断片」とはFv、F(ab)、及びF(ab’)2断片を指す。
ここで、「Fv」断片は最小の抗体断片であり、完全な抗原認識部位と結合部位を含む。この領域は1つの重鎖及び軽鎖の可変ドメインが非共有結合により強く連結されたダイマーである(VH-VLダイマー)。各可変ドメインの3つのCDRが相互作用し、VH-VLダイマーの表面に抗原結合部位を形成する。6つのCDRは、抗体に抗原結合部位を付与するものである。しかしながら、1つの可変ドメイン(または、抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)であっても、全結合部位よりは低い親和性ではあるが、抗原を認識し結合する能力を有する。
また、Fab断片(F(ab)とも呼ばれる)はさらに、軽鎖の定常ドメイン、及び、重鎖の細胞の定常ドメイン(CH1)を含む。Fab’断片はFab断片と、抗体のヒンジ領域からの1またはそれ以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端由来の数個の残基を付加的に有する点で異なる。Fab’-SHとは、定常ドメインのシステイン残基(1個または複数)が遊離のチオール基を有すFab’を示すものである。F(ab’)断片は、F(ab’)2ペプシン消化物のヒンジ部のシステインにおけるジスルフィド結合の切断により製造される。化学的に結合されたその他の抗体断片も当業者には知られている。
「diabody(diabodies)」という用語は、2つの抗原結合部位を有する小さな抗体断片を指し、該断片は、同じポリペプチド鎖中で軽鎖可変ドメイン(VL)に連結された重鎖可変ドメイン(VH)(VH-VL)を含む。同じ鎖中で2つのドメインの間を結合できない位に短いリンカーを用いると、2つのドメインはもう一方の鎖の定常ドメインとペアを形成し、2つの抗原結合部位が創り出される。Diabodyはより詳細に、例えば、EP404,097号、WO93/11161号、及びHolliner et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448 (1993))に記載される。
一本鎖抗体(以下、一本鎖Fv若しくはsFvとも呼ぶ)、またはsFv抗体断片には、抗体のVH及びVLドメインが含まれ、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖中に存在する。一般に、Fvポリペプチドはさらに、VH及びVLドメインの間にポリペプチドリンカーを含み、それによりsFvは、抗原結合のために必要な構造が形成できる。sFvの総説については、Pluckthun『The Pharmacology of Monoclonal Antibodies』Vol.113(Rosenburg及びMoore編、Springer Verlag, New York, pp.269-315 (1994))参照。
多特異性抗体は、少なくとも2種類の異なる抗原に対して特異性を有する抗体である。通常このような分子は2個の抗原を結合するものであるが(即ち、二重特異性抗体)、本明細書中では「多特異性抗体」は、それ以上(例えば、3種類の)抗原に対して特異性を有する抗体を包含するものである。多特異性抗体は全長からなる抗体、またはそのような抗体の断片(例えば、F(ab’)2二特異性抗体)であり得る。
本発明の「ヒト化抗体」とは、遺伝子工学的に作製される抗体であって、具体的には、その超可変領域の相補性決定領域の一部または全部が非ヒト哺乳動物(マウス、ラット、ハムスター等)のモノクローナル抗体に由来する超可変領域の相補性決定領域であり、その可変領域の枠組領域がヒト免疫グロブリン由来の可変領域の枠組領域であり、かつその定常領域がヒト免疫グロブリン由来の定常領域であることを特徴とするヒト型モノクローナル抗体を意味する。ここで、超可変領域の相補性決定領域とは、抗体の可変領域中の超可変領域に存在し、抗原と相補的に直接結合する3つの領域(complementary-determining residue;CDR-1,CDR-2,CDR-3)を指す。また、可変領域の枠組領域とは前記3つの相補性決定領域の前後に介在する比較的保存された4領域(framework region;FR1,FR2,FR3,FR4)のことである。即ち、本発明の「ヒト化抗体」とは、非ヒト哺乳動物由来のモノクローナル抗体の超可変領域の相補性決定領域の一部または全部以外の全ての領域が、ヒト免疫グロブリンの対応領域と置換された抗体を意味する。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも導入されたCDRまたは枠組み構造配列のどちらにも見られない残基を含んでいてもよい。これらの改変は、さらに抗体の能力を正確に、至適化するために行われる。一般に、全てのヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインを実質的に含む。その中で、全て、または実質的に全てのCDR領域は、非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、全部または実質的に全部のFR領域はヒト免疫グロブリン定常配列のものである。最適には、ヒト化抗体はさらに、典型的にはヒト免疫グロブリンの免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部を含むであろう。さらなる詳細については、Jonesら(Nature 321:522-525 (1986))、Reichmannら(Nature 332:323-329 (1988))、及びPresta(Curr.Op.Struct.Biol. 2:593-596 (1992))参照のこと。
抗体の可変ドメインにおける「可変」という用語は、可変ドメイン中の或る部分が抗体間で非常に異なっており、各特定の抗体のその特定の抗原に対する結合、及び特異性において使用されていることを指す。可変な部分は、軽鎖及び重鎖の両方の可変ドメイン中の相補性決定領域(CDR)または超可変領域と呼ばれる3つの部分に集中している。CDRを決定するために、少なくとも次の2つの方法がある:(1)種間配列変異性に基づく手法(即ち、Kabatら、Sequence of Proteins of Immunological Interest (National Institute of Health, Bethesda, Md. (1987));及び、(2)抗原-抗体複合体の結晶学的研究に基づいた手法(C.Chothiaら、Nature 342:877 (1989))。可変ドメインの中でより高度に保存された部分は、枠組み構造(FR)と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、主としてβ-シート構造を持ち、3つのループ状連結を形成し、場合によりβ-シート構造の部分を形成するCDRにより連結された4つのFR領域を含む。各鎖中のCDRは、FR領域により非常にもう一方の鎖のCDRと近接して保持され、抗体の抗原結合部位の形成に一役買う(Kabatら、参照)。定常領域は、抗体の抗原への結合に直接関与していないが、抗体の抗体依存細胞毒性への参加等の種々のエフェクター機能を示す。
ヒト免疫グロブリン由来の定常領域は、IgG(IgG1,IgG2,IgG3,IgG4)、IgM、IgA、IgD及びIgE等のアイソタイプごとに固有のアミノ酸配列を有しているが、本発明において、該ヒト型化抗体の定常領域はいずれのアイソタイプに属する抗体の定常領域であってもよい。好ましくは、ヒトIgGの定常領域が用いられる。また、ヒト免疫グロブリン由来の可変領域の枠組領域についても特に限定されない。
本明細書中の「抗原」には、免疫原性を有する完全抗原と、有さない不完全抗原(ハプテンを含む)の両方が含まれる。抗原としては、蛋白質、ポリペプチド、多糖、核酸や脂質等の物質が挙げられ、特にその種類は限定されない。抗体を調製する際の免疫原としては、場合により他の分子に結合させた可溶性抗原、またはその断片を、抗体を産生するための免疫原として用いることができる。受容体等の膜貫通分子については、これらの断片(例えば、受容体の細胞外ドメイン)を免疫原として用いることができる。また、膜貫通分子を発現する細胞を免疫原として用いてもよい。このような細胞は天然(例えば、腫瘍セルライン)より、または膜貫通分子を発現するように組換技術により形質転換した細胞であり得る。その他の、当業者に公知のいずれの形態の抗原をも抗体を調製するのに使用し得る。
本発明者らは、アスパラギンの置換を行う際にアスパラギンをリシンに置換すれば抗体の活性に影響を与えないことを見出し、本発明を完成した。本発明の抗体安定化方法を抗体に対して適用することにより、活性の低下の少ない抗体を製造することができ、長時間にわたる安定性が求められる医学的製剤等においても使用できる抗体が得られる。
1.抗体の安定化のためのアミノ酸の改変
本発明は、抗体中の脱アミド化されるアミノ酸をリシンで置換することを特徴とする抗体の安定化方法を提供する。
タンパク質中の脱アミド化されるアミノ酸としては、アスパラギン以外にもグルタミンが知られている(Scotchler JW, Robinson AB: Anal Biochem 59:319-322, 1974)。5アミノ酸からなるペプチドで比較すると、アスパラギンの半減期が6〜507日であるのに対して、グルタミンの半減期は96〜3409日であり、グルタミンの脱アミド化反応速度はアスパラギンに比べて非常に遅い(Bischoff R et al: J Chromatogr B 662: 261-278, 1994)。従って本発明において、脱アミド化されるアミノ酸は、好ましくはアスパラギンである。
また、アスパラギンが相補性決定領域に存在する場合、一般に、そのアスパラギンの置換は、抗体の活性の低下をもたらすが、リシンへの置換は、抗体の活性の低下をもたらさないことが発明者らにより見出された。従って、本発明においては、相補性決定領域のアスパラギンをリジンへの置換の標的とすることが、効果的である。特に、脱アミド化されやすい「Asn-Gly」配列中のアスパラギンは、最も好適な標的である。
本発明においては、抗体の生物学的活性を低下させない限り、上記の脱アミド化されるアミノ酸に加えて、それ以外の1若しくは複数のアミノ酸を改変してもよい。ここで「抗体の生物学的活性」とは、抗原と特異的に結合する活性を指す。脱アミド化されるアミノ酸以外のアミノ酸の改変は、抗体の生物学的活性を低下させない観点から、保存的置換であることが好ましい。
抗体のアミノ酸の改変は、以下の如く行なうことができる。例えば、抗体の1または複数の超可変領域において、1または複数のアミノ酸残基が改変されたバリアント抗体または変異体を作成することができる。それに加えて、抗体配列に変異を加えることにより抗原への抗体変異体の結合親和性が改善されるように、哺乳動物抗体の枠組構造残基に、1または複数の変異(例えば、置換)を導入することができる。改変できる枠組構造領域残基の例には、抗原に直接、非共有結合により結合する部分(Amit et al., Science 233:747-753 (1986))、CDRの構造に作用する、及び/若しくは影響する部分(Chothia et al., J.Mol.Biol. 196:901-917 (1987))、並びに/または、VL-VH相互作用に関係する部分(EP239400,B1)が含まれる。或る態様では、1または複数のこのような枠組構造領域残基の改変により、抗原に対する抗体の結合親和性が増幅される。
抗体変異体を製造するための有用な方法の一つに「アラニンスキャニング突然変異誘発」(B.C.Cunningham and J.A.Wells, Science 244:1081-1085 (1989); B.C.Cunningham and J.A.Wells, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:6434-6437 (1991))がある。この方法によると、1若しくはそれ以上の超可変領域残基がアラニン、またはポリアラニン残基により置換され、抗原と該抗原と対応するアミノ酸との相互作用が変化される。置換に対して機能的に感受性を示した超可変領域残基は、その後、置換部位に対してさらに、または別の変異を導入することによってより詳細に区別する。よって、アミノ酸配列変異を導入する部位は予め決定されているが、変異の種類は予め決定しておく必要はない。この方法により製造されたala変異体を、その生物学的活性についてスクリーニングする。スキャニングする残基により与えられる所望の性質に依存して、他のアミノ酸について同様の置換を試みることもできる。また、改変するアミノ酸残基をより体系的に同定する方法もある。この方法では、第1の哺乳動物種抗原を結合するのに関与する種特異的抗体中の超可変領域残基、及び第2の哺乳動物種の相同抗原の結合に関与する超可変領域残基を同定することができる。これを達成するためには、各ala変異体について第1及び第2の哺乳動物種の抗原に対する結合を試験する種特異的抗体の超可変領域残基のアラニン検索を行い、第1の哺乳動物種(例えばヒト)の抗原の結合に関与する超可変領域残基、及び第2の哺乳動物種(例えば非ヒト)の抗原の相同体の結合に関与する部分を同定する。好ましくは、第2の哺乳動物種(例えば非ヒト哺乳動物)由来の抗原の結合に明らかに関与するが、第1の哺乳動物種(例えばヒト)由来の抗原の結合には関与しない残基は、改変のための候補となる。別の態様においては、第1及び第2の哺乳動物種由来の抗原の結合に明らかに関与する残基が改変のために選択される。このような改変には、残基の欠失、または、1若しくはそれ以上の残基を標的残基に連結させる挿入が含まれるが、通常、改変とは残基を別のアミノ酸に置換することである。
典型的には、まず、下記の表1の「好ましい置換」の欄のようなアミノ酸への保存的な置換を行い、それにより生物学的活性(例えば、結合親和性)が変化するようであれば、「実験的置換」の欄に示されるアミノ酸、または、以下のアミノ酸のクラスについての言及の記載に従ってより実質的な変化を導入し、得られた産物をスクリーニングする。
抗体の生物学的特性のより実質的な次の(a)〜(c)のような点についての改変も行われている:(a) シート構造、若しくは、らせん構造の領域におけるポリペプチドの背骨構造;(b) 標的部位における電荷若しくは疎水性、または(c)側鎖の大きさ。天然の残基は一般の側鎖の特性に基づいてグループに分類される:
(1) 疎水性: ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile;
(2) 中性親水性: cys、ser、thr、asn、gln;
(3) 酸性: asp、glu;
(4) 塩基性: his、lys、arg;
(5) 鎖の配向に影響する残基: gly、pro;及び
(6) 芳香族性: trp、tyr、phe。
非保存的な置換は、これらのクラスの一員を他のクラスのメンバーに変更することにより行う。
アミノ酸配列変異体をコードする核酸分子は、当分野において公知の種々の方法により調製される。これらの方法には、次のものに限定されるわけではないが、種特異的抗体の先に調製した変異体または非変異体バージョンのオリゴヌクレオチド媒介(または部位特異的)変異、PCR変異、及び、カセット変異が含まれる。変異体の作成において好ましい方法は、部位特異的変異(Kunkel, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:488 (1985)参照)等である。一般に、生物学的特性の改善された抗体変異体は、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、より一層好ましくは少なくとも90%、そして、最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列相同性、または類似性を元となった抗体の重鎖若しくは軽鎖の可変ドメインのアミノ酸配列と有する。配列の相同性または類似性は、本明細書中では、配列相同性が最大の値を取るよう、必要に応じ配列を整列及びギャップを導入した後の候補配列中の種特異的抗体残基と相同(即ち、同じ残基)、または類似(即ち、上述の一般的な側鎖特性に基づき同じグループのアミノ酸残基)するアミノ酸残基の割合として定義される。
代わりに、抗体の重鎖及び軽鎖のCDR領域の系統的な変異により抗体変異体を作成することもできる。このような抗体変異体を作成するための好ましい方法には、ファージディスプレイ(Hawkins et al., J.Mol.Biol. 254:889-896 (1992); Lowman et al., Biochemistry 30(45):10832-10838 (1991))を用いたアフィニティー成熟(affinity maturation)を利用した方法が含まれる。バクテリオファージコート蛋白質融合(Smith, Science 228:1315 (1985); Scott and Smith, Science 249:386 (1990); Cwirla et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8:309 (1990); Devlin et al., Science 249:404 (1990); Wells and Lowmanによる総説、Curr.Opin.Struct.Biol. 2:597 (1992); 米国特許第5,223,409号)は、ディスプレイされた蛋白質またはペプチドの表現型を、それをコードするバクテリオファージ粒子の遺伝子型につなげるのに有用な方法として知られる。また、抗体のF(ab)ドメインをファージ上にディスプレイする方法も知られる(McCafferty et al., Nature 348:552 (1990); Barbas et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7978 (1991); Garrard et al., Biotechnol. 9:1373 (1991))。一価のファージディスプレイは、蛋白質バリアントの一群をバクテリオファージのコート蛋白質との融合体として、数個のファージ粒子についてバリアントの1つのコピーのみが提示されるようにディスプレイする工程を含む(Bass et al., Proteins 8:309 (1990))。アフィニティー成熟、または、種々の蛋白質の結合親和性の平衡の改善は、以前より、ヒト成長ホルモン(Lowman and Wells, J.Mol.Biol. 234:564-578 (1993); 米国特許第5,534,617号)、及び、抗体のF(ab)ドメイン(Barbas et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:3809 (1994); Yang et al., J.Mol.Biol. 254:392 (1995))の例に見られるように突然変異生成、一価ファージディスプレイ、機能分析及び好ましい変異の付加により行われている。配列の特定部分が異なる多くの(106個)蛋白質バリアントのライブラリーを、特定の蛋白質バリアントをコードするDNAを各々含むバクテリオファージ粒子上に作成することができる。固定された抗原を用いての何サイクルかのアフィニティー精製した後、個々のバクテリオファージクローンを単離し、そのディスプレイされたアミノ酸配列をDNAから類推することができる。
2.ポリクローナル抗体の製造
ポリクローナル抗体は好ましくは、関連抗原及びアジュバントの複数の皮下(sc)または腹膜内(ip)注射により非ヒト哺乳動物で作られる。免疫化される種に対して免疫原性の蛋白質、例えば、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、仔ウシチログロブリン、または大豆トリプシンインヒビターに、例えば、マレイミドベンゾイル スルフォスクシンイミド エステル(システイン残基を介した結合)、N-ヒドロキシスクシンイミド(リシン残基を介した)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、塩化チオニル、若しくはR1N=C=CR(式中、R及びR1は異なるアルキル基である)等の二機能性の薬剤若しくは誘導剤を用いて関連抗原を結合させることもできる。
例えば、100μg若しくは5μgの蛋白質若しくはコンジュゲート(それぞれ、ウサギまたはマウスについての量)を3倍量のFreund’s完全アジュバントと合わせ、溶液を複数回、皮内注射することにより、動物を抗原、免疫原性コンジュゲートまたは誘導体に対して免疫化する。一ヶ月後、動物をもとのFreund’s完全アジュバント中のペプチドまたはコンジュゲートの1/5〜1/10量を複数の部位に皮下注射することにより追加免疫する。7〜14日後、動物から採血し、血清を抗体力価について分析する。好ましくは、動物の追加免疫の際には、同じ抗原ではあるが異なる蛋白質に、及び/または、異なる交差結合試薬を介して結合されたコンジュゲートを用いる。コンジュゲートはまた、組換え細胞培養蛋白質融合で作成することもできる。また、免疫応答を増幅するため、ミョウバン等の凝集剤が好ましくは用いられる。選択された哺乳動物抗体は通常、抗原に対して十分に強い結合親和性を有する。抗体の親和性は、飽和結合、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、及び競合分析(例えば、放射性免疫分析)により決定することができる。
所望のポリクローナル抗体のスクリーニング法としては、Antibodies, A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratoriey、Harlow and David Lane edit.(1988))に記載されるような慣用の交差結合分析を行うことができる。また、代わりに、例えば、エピトープマッピング(Champe et al., J.Biol.Chem. 270:1388-1394 (1995))を行ってもよい。ポリペプチドまたは抗体の効力の測定方法として好ましいのは、抗体結合親和性の定量化を用いた方法であるが、その他の態様では、それに加えて、または結合親和性測定に代えて抗体の1若しくはそれ以上の生物学的特性を評価する方法を含む。このような分析法は特に、抗体の治療的な有効性を示すので有用である。通常、必ずしもではないが、このような分析において改善された特性を示す抗体はまた、結合親和性も増幅されている。
3.モノクローナル抗体の製造
モノクローナル抗体は単一の抗原部位を認識する抗体であり、均一な特異性により、一般的に多数の異なる抗原部位を認識する抗体を含むポリクローナル抗体よりも有用である。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法 (Kohler et al., Nature 256:495 (1975)) または、組換えDNA法(米国特許第4,816,567号)等により製造することができる。
ハイブリドーマ法では、マウス、または、ハムスター若しくはアカゲザル等の他の適当な宿主動物を免疫化に使用した蛋白質に対して特異的に結合する抗体を産生するか、または、産生できるリンパ球を誘導するために上述と同様に免疫化する。また、in vitroにおいてリンパ球を免疫化することもできる。その後、リンパ球をポリエチレングリコール等の適当な融合剤を用いてミエローマ細胞と融合させハイブリドーマ細胞を形成させる(Goding、Monoclonal Antibodies:Principals and Practice, pp.590-103, Academic Press, (1986))。製造されたハイブリドーマ細胞を、好ましくは、未融合の親ミエローマ細胞の生育または成長を阻害する1またはそれより多くの物質を含む適当な培養培地に植え、生育する。例えば、もし親ミエローマ細胞がヒポキサンチン グアニン ホスホリボシル トランスフェラーゼ酵素(HGPRTまたはHPRT)を欠く場合、そのハイブリドーマのための培養培地には、典型的には、HGRPT欠損細胞の生育を阻止する物質ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンが含まれる(HAT培地)。好ましいミエローマ細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞において、安定で高いレベルで抗体を産生し、そして、HAT培地等の培地に対して感受性の細胞である。これらの中で好ましいミエローマセルラインは、Salk Institute Cell Distribution Center (San Diego, Calif. USA)から入手できるMOPC-21及びMPC-11マウス腫瘍由来の細胞、並びに、American Type Culture Collection(Rockville, Md. USA)から入手できるSP-2、またはX63-Ag8-653細胞等のマウスミエローマラインである。ヒトミエローマ、及び、マウス-ヒトheteromyclomaセルラインも、ヒトモノクローナル抗体の産生に用いられてきた(Kozbar, J.Immunol. 133:3001 (1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Application, pp.51-63 (Marcel Dekker, Inc., New York, 1987))。
次に、ハイブリドーマ細胞が生育する培養培地を、抗原に対するモノクローナル抗体の産生について分析する。好ましくは、ハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体の結合特異性を、免疫沈降、または、放射免疫分析(RIA)若しくは酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)等のin vitro結合分析により測定する。所望の特異性、親和性及び/または活性を有する抗体を産生するハイブリドーマ細胞を同定した後、クローンを限定的希釈法によりサブクローニングし、標準的な方法により生育する(Goding, Monoclonal Antibodies:Principals an Practice, pp.59-103, Academic Press, 1986)。この目的に適した培養培地は、例えば、D-MEMまたはRPIM-1640培地である。さらに、ハイブリドーマ細胞は、in vivoで動物中の腹水腫瘍として生育させることもできる。サブクローンにより分泌されるモノクローナル抗体は、好ましくは培養培地、腹水液、または血清から、例えば、プロテインA-セファロース、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィー等の慣用な免疫グロブリン精製方法により分離される。
モノクローナル抗体をコードするDNAは、慣用な方法(例えば、モノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いて)により容易に単離、配列決定できる。ハイブリドーマ細胞はこのようなDNAの好ましい出発材料である。一度単離したならば、DNAを発現ベクターに挿入し、E.coli細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞または形質転換されなければ免疫グロブリン蛋白を産生しないミエローマ細胞等の宿主細胞へ組換え、組換え宿主細胞からモノクローナル抗体を産生させる。また別の態様として、McCaffertyら(Nature 348:552-554 (1990))により記載された技術を用いて製造された抗体ファージライブラリーより抗体、または抗体断片は単離することができる。Clacksonら(Nature 352:624-628 (1991))、及びMarksら(J.Mol.Biol. 222:581-597 (1991))は、各々、ファージライブラリーを用いたマウス及びヒト抗体の単離について記載する。次の文献は、高親和性(nM範囲)ヒト抗体のチェーンシャッフリングによる製造(Marks et al., Bio/Technology 10:779-783 (1992))について、そして、巨大なファージライブラリーを構築するための方法としてのコンビナトリアル感染、及びin vivo組換え(Waterhouse et al., Nucleic Acids Res. 21:2265-2266 (1993))について記載する。これらの技術も、モノクローナル抗体の単離のために従来のモノクローナル抗体ハイブリドーマ技術に代えて利用し得る。
DNAはまた、例えば、ヒト重鎖、及び軽鎖の定常ドメインのコード配列をそれに対するマウス配列に代えて置換すること(米国特許第4,816,567号; Morrison et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851 (1984))、または免疫グロブリンポリペプチドを共有結合により結合させることにより改変することができる。典型的には、このような非免疫グロブリンポリペプチドは、1つの抗原に対して特異性を有する抗原結合部位、及び、異なる抗原に対して特異性を有する抗原結合部位を有するキメラ二特異性抗体を構築するため、抗体の定常ドメインで置換するか、または、抗体の抗原結合部位の可変ドメインを置換する。
4.抗体断片の製造
従来、抗体断片は天然の抗体のプロテアーゼによる消化により製造されてきた(Morimoto et al., Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107-117 (1992); Brennan et al., Science 229:81 (1985))が、現在は組換技術により製造することも可能である。例えば、上述の抗体ファージライブラリーから抗体断片を単離することもできる。また、大腸菌等の宿主より直接F(ab’)2-SH断片を回収し、F(ab’)2断片の形態に化学的結合させることもできる(Carter et al., Bio/Technology 10:163-167 (1992))。さらにまた別の方法としては、F(ab’)2断片を直接、組換宿主培養物から単離することもできる。その他、一本鎖抗体等の断片の作製方法も公知である一本鎖抗体を作成する方法は当技術分野において周知である(例えば、米国特許第4,946,778号、米国特許第5,260,203号、米国特許第5,091,513号、米国特許第5,455,030号等を参照)。
5.多特異性抗体の製造
当分野において多特異性抗体の製造法は公知である。全長の二特異性抗体の産生は、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖の共発現を含むものである(Millstein et al., Nature 305:537-539 (1983))。免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖はランダムに取り合わされるので、共発現を行う得られた複数のハイブリドーマ(クワドローマ)は、各々異なる抗体分子を発現するハイブリドーマの混合物であり、このうち正しい二特異性抗体を産生するるものを選択する必要がある。選択はアフィニティークロマトグラフィー等の方法により行うことができる。また、別な方法では所望の結合特異性を有する抗体の可変領域を免疫グロブリンの定常ドメイン配列に融合する。該定常ドメイン配列は、好ましくは免疫グロブリンの重鎖の定常領域の内、ヒンジ、CH2及びCH3領域の一部を少なくとも含むものである。好ましくは、さらに軽鎖との結合に必要な重鎖のCH1領域が含まれる。免疫グロブリン重鎖融合体をコードするDNA、及び、所望により免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAをそれぞれ別々の発現ベクターに挿入し、適当な宿主生物に形質転換する。別々の発現ベクターに各遺伝子を挿入することにより、それぞれの鎖の存在割合が同じでない方が、得られる抗体の収量が上がる場合に、各鎖の発現割合の調節が可能となり都合が良いが、当然ながら、複数の鎖をコードする遺伝子を一つのベクターに挿入して用いることも可能である。
好ましい態様においては、第一の結合特性を有する重鎖がハイブリッド免疫グロブリンの一方の腕として存在し、別の結合特性の重鎖-軽鎖複合体がもう一方の腕として存在する二重特異性抗体が望ましい。このように一方の腕のみに軽鎖を存在させることにより、二重特異性抗体の他の免疫グロブリンからの分離を容易に行うことができる。該分離方法については、WO94/04690参照。二特異性抗体の作成方法については、さらに、Sureshら(Methods in Enzymology 121:210 (1986))の方法を参照することができる。組換細胞培養物から得られる最終産物中のホモダイマーを減らしヘテロダイマーの割合を増加させる方法として、抗体の定常ドメインのCH3を含み、一方の抗体分子において、他方の分子と結合する表面の1若しくは複数の小さな側鎖のアミノ酸を大きな側鎖のアミノ酸(例えば、チロシンやトリプトファン)に変え、他方の抗体分子の対応する部分の大きさ側鎖のアミノ酸を小さなもの(例えば、アラニンやスレオニン)に変えて第一の抗体分子の大きな側鎖に対応する空洞を設ける方法も知られている(WO96/27011)。
二重特異性抗体には、例えば、一方の抗体がアビジンに結合され、他方がビオチン等に結合されたようなヘテロ共役抗体が含まれる(米国特許第4,676,980号;WO91/00360;WO92/00373;EP03089)。このようなヘテロ共役抗体の作成に利用される架橋剤は周知であり、例えば、米国特許第4,676,980号にもそのような例が記載されている。
また、抗体断片より二特異性抗体を製造する方法も報告されている。例えば、化学結合を利用して製造することができる。例えば、まずF(ab’)2断片を作成し、同一分子内でのジフルフィド形成を防ぐため断片をジチオール錯化剤アルサニルナトリウムの存在化で還元する。次にF(ab’)2断片をチオニトロ安息香酸塩(TNB)誘導体に変換する。メルカプトエチルアミンを用いて一方のF(ab’)2-TNB誘導体をFab’-チオールに再還元した後、F(ab’)2-TNB誘導体及びFab’-チオールを等量混合し二特異性抗体を製造する。
組換細胞培養物から直接、二重特異性抗体を製造し、単離する方法も種々、報告されている。例えば、ロイシンジッパーを利用した二重特異性抗体の製造方法が報告されている(Kostelny et al., J,Immunol. 148(5):1547-1553 (1992))。まず、Fos及びJunタンパク質のロイシンジッパーペプチドを、遺伝子融合により異なる抗体のFab’部分に連結させ、ホモダイマーの抗体をヒンジ領域においてモノマーを形成するように還元し、抗体へテロダイマーとなるように再酸化する。また、軽鎖可変ドメイン(VL)に重鎖可変ドメイン(VH)を、これら2つのドメイン間での対形成できない位に短いリンカーを介して連結し、相補的な別のVL及びVHドメンと対を形成させ、それにより2つの抗原結合部位を形成させる方法もある(Hollinger et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448 (1993))。また、一本鎖Fv(sFV)を用いたダイマーについても報告されている(Gruger et al., J.Immunol. 152:5368 (1994))。さらに、二重特異性ではなく三重特異性の抗体についても報告されている(Tutt et al., J.Immunol. 147:60 (1991))。
6.ヒト化抗体の製造
ヒト化抗体は、免疫原(抗原)をヒト抗体産生トランスジェニック非ヒト哺乳動物に免疫し、既存の一般的な抗体産生方法によって取得することができる。用いるヒト抗体産生非ヒト哺乳動物、特にヒト抗体産生トランスジェニックマウスの作製方法は公知である(Nature Genetics 7:13-21 (1994); Nature Genetics 15:146-156 (1997);特表平4-504365号公報;特表平7-509137号公報;日経サイエンス 6:40-50 (1995);国際出願公開WO94/25585号公報; Nature 368:856-859 (1994);特表平6-500233号公報等)。該ヒト抗体産生トランスジェニック非ヒト哺乳動物は具体的には、次のような手順により製造することができる:
(1) 非ヒト哺乳動物の内在性免疫グラブリン重鎖遺伝子座の少なくとも一部を相同組換えにより薬剤耐性マーカー遺伝子(例えば、ネオマイシン耐性遺伝子等)で置換することにより該動物内在性免疫グロブリン重鎖遺伝子が機能的に不活性化されたノックアウト非ヒト哺乳動物を作製する工程、
(2) 非ヒト哺乳動物内在性免疫グロブリン軽鎖遺伝子座の少なくとも一部を相同組換えにより薬剤耐性マーカー遺伝子(ネオマイシン等)で置換することによる該動物内在性免疫グロブリン軽鎖遺伝子(特にκ鎖遺伝子)が機能的に不活性化されたノックアウト非ヒト哺乳動物を作製する工程、
(3) 酵母人工染色体(Yeast artificial chromosome, YAC)ベクター等に代表されるような巨大遺伝子を運搬可能なベクターに用いて、ヒト免疫グロブリン重鎖遺伝子座の所望の領域がマウス染色体中に組込まれたトランスジェニック非ヒト哺乳動物を作製する工程、
(4) YAC等に代表されるような巨大遺伝子を運搬可能なベクターを用いて、ヒト免疫グロブリン軽鎖(特にκ鎖)遺伝子座の所望の領域がマウス染色体中に組込まれたトランスジェニック非ヒト哺乳動物を作製する工程、
(5) 前記(1)〜(4)のノックアウト非ヒト哺乳動物及びトランスジェニック非ヒト哺乳動物を任意の順序で交配することにより、非ヒト哺乳動物内在性免疫グロブリン重鎖遺伝子座及び非ヒト哺乳動物内在性免疫グロブリン軽鎖遺伝子座がともに機能的に不活性化され、且つヒト免疫グロブリン重鎖遺伝子座の所望の領域及びヒト免疫グロブリン軽鎖遺伝子座の所望の領域が共に非哺乳動物染色体上に組込まれたトランスジェニック非ヒト哺乳動物を作製する工程。
上述のように、非ヒト哺乳動物の内在性免疫グロブリン遺伝子座の適当な領域を外来性マーカー遺伝子(ネオマイシン耐性遺伝子等)で相同組換えにより置換することにより該遺伝子座が再構成できないように不活性化することができる。該相同組換えを用いた不活性化には、例えば、ポジティブ・ネガティブ・セレクション(PNS)と呼ばれる方法を用いることができる(日経サイエンス 5:52-62 (1994))。また、免疫グロブリン重鎖遺伝子座の機能的な不活性化には、例えば、J領域またはC領域(例えばCμ領域)の一部に障害を導入することにより達成でき、免疫グロブリン軽鎖(例えばκ鎖)の機能的不活性化には、例えば、J領域若しくはC領域の一部、またはJ領域及びC領域にまたがる領域を含む領域に障害を導入することにより達成可能である。
トランスジェニック動物は、通常の方法により製造することができる(例えば、最新動物細胞実験マニュアル、エル・アイ・シー発行、第7章、第361から408頁 (1990))。具体的には、例えば、正常な非ヒト動物胚盤胞に由来するヒポキサンチングアニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HRPT)陰性胚性幹(ES)細胞を、該ヒト免疫グロブリン重鎖遺伝子座または軽鎖遺伝子座をコードする遺伝子またはその一部並びにHRPT遺伝子が挿入されたYACベクターを含む酵母とスフェロプラスト融合法により融合する。該外来遺伝子がマウス内在性遺伝子上にインテグレートされたES細胞をHATセレクションにより選別する。次いで、選別したES細胞を別の正常非ヒト哺乳動物から取得した受精卵(胚盤胞)にマイクロインジェクションする(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77(12):7380-7384 (1980);米国特許第4,873,191号)。該胚盤胞を仮親となる別の非ヒト哺乳動物の子宮に移植することにより、キメラトランスジェニック非ヒト哺乳動物が誕生する。該キメラ動物を正常な非ヒト哺乳動物と交配させ、ヘテロトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得る。該へテロ動物同士を交配することにより、メンデルの法則に従い、ホモトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ることができる。
また、遺伝子組換え技術により、そのようなヒト化抗体の重鎖及び軽鎖の各々をコードするcDNA、好ましくは該cDNAを含むベクターにより宿主を形質転換して得られる遺伝子組換え宿主であって、遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体を産生する宿主を培養することにより培養上清中から得ることもできる。ここで、該宿主は受精卵以外の真核細胞、好ましくはCHO細胞、リンパ球やミエローマ等の哺乳動物細胞である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例によりいかなる意味でも限定されるものではない。
ヒトIntegrin Associated Peptide(CD47)に対する抗体を用いて、アミノ酸置換の結合活性への影響を測定した。
MABLE-1(重鎖アミノ酸配列:配列番号:1、軽鎖アミノ酸配列:配列番号:2)及びMABLE-2(重鎖アミノ酸配列:配列番号:3、軽鎖アミノ酸配列:配列番号:4)はヒトIAPに結合するマウスモノクローナル抗体であり(WO00/53634)、MABLE-2のCDR領域にあるNG配列(Asn-Gly配列)はMABLE-1ではKG配列(Lys-Gly配列)となっている。
MABLE-1とMABLE-2の結合活性を測定したところ、MABLE-1ではCDRのAsnがLysに置換されているため、活性がかなり低下していると予想されたが、実際には低下していなかった。
さらに、MABLE-2をヒト化した抗体を作製した。即ち、MABL-2のヒト化軽鎖huM2L2.1(アミノ酸配列:配列番号:6)、huM2L2.2(アミノ酸配列:配列番号:7)、huM2L2.3(アミノ酸配列:配列番号:8)、及びhuM2L2.4(アミノ酸配列:配列番号:9)の5つのヒト化軽鎖を作製した。なお、ヒト化重鎖にはhuM2H2.1(アミノ酸配列:配列番号:5)を用いた。
huM2L2.3、及びhuM2L2.4はKG配列を有し、huM2L2.1はNG配列を有し、huM2L2.2はDGを有していた。これらの内、AsnがAspに置換されているhuM2L2.2のみの活性が低下しており、Lysに置換されているhuM2L2.3、及びhuM2L2.4は活性が低下していなかった。
以上の結果から、AsnをLysに置換した場合には活性の低下を招くことなくAsnの脱アミド化を抑制できることが判明した。
MABLE-1、MABLE-2、huM2L2.1、huM2L2.2、huM2L2.3、huM2L2.4、huM2H2.1のアミノ酸配列を示す図である。 AsnがLysに置換されたヒト化抗体はヒトIAPに対する結合活性が維持されることを示すグラフである。 AsnがLysに置換されたヒト化抗体はヒトIAPに対する結合活性が維持されることを示すグラフである。

Claims (6)

  1. 抗体中の脱アミド化されるアミノ酸をリシンで置換することを特徴とする抗体の安定化方法。
  2. 脱アミド化されるアミノ酸がアスパラギンである、請求項1に記載の抗体の安定化方法。
  3. アスパラギンが相補性決定領域に存在することを特徴とする、請求項1に記載の抗体の安定化方法。
  4. アスパラギンがAsn-Gly配列中のアスパラギンである、請求項1に記載の抗体の安定化方法。
  5. 抗体がヒト型化抗体である、請求項1に記載の抗体の安定化方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の方法により、安定化された抗体。
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