JP2006313314A - 光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントおよび光ファイバー通信ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】クマゼミなどの害虫が光ファイバー通信ケーブルの内部に産卵することによる光心線の損傷を未然に防ぐことができるとともに、ケーブルの張設・接続の際には、従来のケーブルと同等の可撓性が発現される光ファイバー通信ケーブルの提供。
【解決手段】断面が長径0.2〜5mm、短径0.1〜0.5mmの扁平形状であるとともに、ヤング率が1000〜12000N/mm2の範囲にあり、光心線2およびテンションメンバー3がシース4により被覆された光ファイバー通信ケーブル1の内部および/または外表面において、光心線1の少なくとも一部を囲むように配置される光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6。
【選択図】図1
【解決手段】断面が長径0.2〜5mm、短径0.1〜0.5mmの扁平形状であるとともに、ヤング率が1000〜12000N/mm2の範囲にあり、光心線2およびテンションメンバー3がシース4により被覆された光ファイバー通信ケーブル1の内部および/または外表面において、光心線1の少なくとも一部を囲むように配置される光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントおよびこれを光ファイバー通信ケーブル内の一部に配置した光ファイバー通信ケーブルに関するものである。
近年、FTTH(fiber to the home)に使用されるケーブルには、多大な情報を瞬時に送受信することができるとの理由から、光ファイバー通信ケーブルが主に使用されている。
図4に示したように、光ファイバー通信ケーブル1は、一般に、その中心に情報伝達媒体となる光心線2と、電柱から宅内に引き込むためのテンションメンバー3(または補強線)と呼ばれるケーブル部材を有し、さらに光心線2とテンションメンバー3の周りにはシース4と呼ばれる部材が被覆された構造となっている。
また、シース4には、光ファイバー通信ケーブル1を受信機器等に接続する際にシース4を引き裂き、光心線を露出させるためのノッチ5と呼ばれる引き裂き溝が形成されており、このノッチ5がシース4の側面に形成されていることで、シース4を引き裂き、光心線2を容易に露出せしめることができるようになっている。
しかし、光ファイバー通信ケーブルが増張設される一方、近年、クマゼミなどの害虫が光ファイバー通信ケーブルに産卵管を刺し込んでその内部に産卵するという被害が増えており、産卵管が刺し込まれる際に、情報伝達に重要な役割を持つ光心線が損傷し、情報伝達に支障が生じるばかりか、産卵管により開けられた傷穴を通って、雨水が光ファイバー通信ケーブルの内部に浸水し、光心線の光伝達特性が大幅に低下するなどの問題が発生している。
特に、光心線−ノッチ間のシースの厚さは他の所に比べて薄いため、ノッチ部分から産卵された場合は、産卵管が容易に光心線に達し、大きな被害となっていた。
この問題の対策として、シースの材質を硬くし、クマゼミなどが産卵管を刺し込みにくくする方法が実際に試みられたが、光ファイバー通信ケーブルを接続するに際しては、シースが引き裂きにくくなるなどの問題が生じ、実用性に欠けることが明らかとなった。
また、クマゼミの産卵管が光心線まで到達しないように、シースを厚くするなどの方法も実際に試みられたが、シースを厚くすることにより、光ファイバー通信ケーブルが太くなるばかりか、可撓しにくくなるため、張設するに際しては、取り扱いが難しくなるなどの問題があった。
さらに、ノッチから産卵管が刺し込まれることによる被害を低減するために、ノッチを設けない方法も試みられたが、その効果は全く認められなかった。
さらにまた、ケーブルが鳥虫獣に噛み付かれないように、シースの構成素材に辛み成分を含有せしめたり、ケーブルの表面に防虫・殺虫成分を塗布せしめたりした光ファイバードロップケーブル(例えば、特許文献1参照)がすでに知られているが、実際には、クマゼミなどの産卵防止にはほとんど効果がなく、その対策がしきりに求められているのが実状であった。
特開2005−37526号公報
本発明の目的は、光心線およびテンションメンバーがシースにより被覆された光ファイバー通信ケーブルの内部および/または外表面において、光心線の少なくとも一部を囲むように配置した場合には、クマゼミなどの害虫が光ファイバー通信ケーブルの内部に産卵することによる光心線の損傷を未然に防ぐことができるとともに、光ファイバー通信ケーブルの張設・接続の際には、従来の光ファイバー通信ケーブルと同等の可撓性が得られる光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントおよびこれを使用した光ファイバー通信ケーブルを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、合成樹脂からなるモノフィラメントであって、断面が長径0.2〜5mm、短径0.1〜0.5mmの扁平形状であるとともに、JIS L1013の8.10に準じて測定したヤング率が1000〜12000N/mm2の範囲にあり、光心線およびテンションメンバーがシースにより被覆された光ファイバー通信ケーブルの内部および/または外表面において、光心線の少なくとも一部を囲むように配置されることを特徴とする光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントが提供される。
また、本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントにおいては、
JIS L1013の8.5に準じて測定した引張強力が50〜150N、JIS L1013の8.18.2に準じて測定した140℃における乾熱収縮率が0.3〜3.0%の範囲にあること、
前記合成樹脂がポリエステル系樹脂、特にポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートであること、
前記合成樹脂がポリフェニレンサルファイドであること、
前記合成樹脂がポリアミド系樹脂、特に6ナイロン、66ナイロン、610ナイロンから選ばれる少なくとも1種であることがいずれも好ましい条件として挙げられ、さらにこれらの条件を満たすことで一層優れた効果を取得することができる。
JIS L1013の8.5に準じて測定した引張強力が50〜150N、JIS L1013の8.18.2に準じて測定した140℃における乾熱収縮率が0.3〜3.0%の範囲にあること、
前記合成樹脂がポリエステル系樹脂、特にポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートであること、
前記合成樹脂がポリフェニレンサルファイドであること、
前記合成樹脂がポリアミド系樹脂、特に6ナイロン、66ナイロン、610ナイロンから選ばれる少なくとも1種であることがいずれも好ましい条件として挙げられ、さらにこれらの条件を満たすことで一層優れた効果を取得することができる。
さらに、本発明の光ファイバー通信ケーブルは、上記光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを、光心線およびテンションメンバーがシースにより被覆された光ファイバー通信ケーブルの内部および/または外表面において、光心線の少なくとも一部を囲むように配置したことを特徴とする。
本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントは、扁平断面形状であり、かつ十分な強力と柔軟性を有するモノフィラメントであるため、この光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを、光心線およびテンションメンバーがシースにより被覆された光ファイバー通信ケーブルの内部および/または外表面において、光心線の少なくとも一部を覆うように配置した場合には、クマゼミなどの害虫が光ファイバー通信ケーブルの内部に産卵することによる光心線の損傷を未然に防ぐことができるとともに、光ファイバー通信ケーブルの張設・接続の際には、従来の光ファイバー通信ケーブルと同等の可撓性を持ち、取り扱いがしやすい光ファイバー通信ケーブルが得られる。
以下、本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントおよびこれを用いた光ファイバー通信ケーブルについて説明する。
図1は、本発明の光ファイバー通信ケーブルの一例を示した断面図であり、1は光ファイバー通信ケーブル、2は光心線、3はテンションメンバー、4はシース、5はノッチ、6は光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントをそれぞれ示している。
図1の光ファイバー通信ケーブル1は、図4で上述した従来の光ファイバー通信ケーブル1とは異なり、光心線2とノッチ5との間に扁平形状の断面を有する光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6が設けられた構造になっている。
そして、この光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6は、クマゼミなどが光ファイバー通信ケーブル1の側面から産卵管を刺し込んで光ファイバー通信ケーブル1の内部に産卵することによる光心線2の損傷や、産卵管により開けられた傷穴を通って、雨水が光ファイバー通信ケーブル1の内部に浸水し、光心線2の光伝達特性に影響を及ぼすことを未然に防ぐ役割を果たしている。
ここで、本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6を構成する合成樹脂としては、例えば、6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン、ナイロン6/66共重合体、ナイロン6/12共重合体またはこれら2種類以上の共重合またはブレンドしたポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTという)、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリメチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレートまたはこれら2種類以上の共重合またはブレンドしたポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、低密度および高密度ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、シンジオタクチック、アタクチックまたはイソタクチック構造を有するポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド(以下、PPSという)、ポリスチレン・ポリブタジエン・ポリスチレンブロックコポリマー、ポリスチレン・ポリイソプレン・ポリスチレンブロックコポリマーなどのスチレン系熱可塑性エラストマー、エチレン・プロピレン・ジエチレンコポリマーなどのオレフィン系ゴムとポリプロピレンまたはエチレンなどのポリオレフィンとのブレンドなどのポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエーテルエステル、ポリウレタン、ポリカボネート、ポリアリレート、エチレンテトラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライドなどのフッ素系樹脂などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
しかし、本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6は、その断面が扁平形状であることが必要であり、さらにその扁平形状の長径Wが0.2〜5mm、短径Hが0.1〜0.5mmの範囲にあることが必要である。
つまり、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6の断面形状の長径Wが上記範囲を下回る場合は、長径W(幅)が十分ではなくなり、この光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを光ファイバー通信ケーブルに使用した場合には、光心線2を十分保護することができず、クマゼミの産卵による被害を受けやすくなるために好ましくない。逆に、長径Wが上記範囲を上回る場合は、長径W(幅)が大きいために光心線2を十分保護することができるが、長径W(幅)方向に対して曲げにくくなり、この光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを光ファイバー通信ケーブルに使用した場合には、可撓性に欠けた光ファイバー通信ケーブルとなるため好ましくない。
また、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6の断面形状の短径Hが上記範囲を下回る場合は、強力と短径H(厚み)が十分ではなくなり、この光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを光ファイバー通信ケーブルに使用した場合には、光ファイバー通信ケーブルの内部で破断しやすくなるばかりか、クマゼミなどの産卵管が容易に光心線2に達し、光心線2が損傷を受けやすいために好ましくない。逆に、短径Hが上記範囲を上回る場合は、短径Hが厚くなるためにクマゼミなどの産卵管が光心線2に達しにくくはなるものの、短径H(厚さ)方向に対して曲げにくくなり、この光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを光ファイバー通信ケーブルに使用した場合には、可撓性に欠けた光ファイバー通信ケーブルとなるため好ましくない。
したがって、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6の断面形状の長径Wおよび短径Hが、上記範囲を満たしておれば、光ファイバー通信ケーブル1の使用状況に応じて、その寸法を適宜選定することができるが、さらに優れた効果を発揮させるためには、長径Wが0.5〜3.6mm、短径Hが0.15〜0.3mmの範囲にあることがより好ましい。
なお、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6の断面形状については、上記の長径Wおよび短径Hの寸法条件を満たした扁平形状であれば特に限定はされないが、例えば、図2(a)〜(f)に示すように、長方形(a)、八角形(b)、菱形(c)のほか、楕円(d)、トラック型(e)、繭型(f)などの形状が挙げられ、光ファイバー通信ケーブル1の使用状況に応じてこれらの中から適宜選んで使用することができる。
また、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6のJIS L1013の8.10に準じて測定したヤング率が1000〜12000N/mm2の範囲にあることが必要であり、さらには2000〜8000N/mm2の範囲にあることがより好ましい。
ヤング率が上記範囲を下回る場合は、強力に欠けた光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントとなり、この光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを光ファイバー通信ケーブルに使用した場合には、光ファイバー通信ケーブル内で破断しやすくなるため好ましくない。逆に、ヤング率が上記範囲を上回る場合は、柔軟性に欠けた光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントとなり、この光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを光ファイバー通信ケーブルに使用した場合には、可撓性に欠けた光ファイバー通信ケーブルとなるために好ましくない。
以上の条件により、本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6を、光心線2およびテンションメンバー3がシース4により被覆された光ファイバー通信ケーブル1の内部および/または外表面において、光心線2の少なくとも一部を囲むように配置した場合には、クマゼミなどの害虫が光ファイバー通信ケーブル1の内部に産卵することによる光心線2の損傷を未然に防ぐことができるとともに、光ファイバー通信ケーブル1の張設・接続の際には、従来の光ファイバー通信ケーブルと同等の可撓性を持つために、取り扱いがしやすい光ファイバー通信ケーブルが得られるのである。
また、本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6は、図1に示したように、光心線2とノッチ5との間に配置する以外にも、様々な位置に配置することができ、例えば、図3の(a)〜(f)に示すように、光ファイバー通信ケーブル1の内部および/または外表面において、光心線2の少なくとも一部を囲むように配置することもできる。
なお、本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6においては、さらに次に挙げる条件を満たすことにより、光心線2およびテンションメンバー3がシース4により被覆された光ファイバー通信ケーブル1の内部および/または外表面において、光心線2の少なくとも一部を囲むように配置した場合に一層優れた効果を取得することができる。
すなわち、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6のJIS L1013の8.5に準じて測定した引張強力が50〜150N、さらには70〜130Nの範囲にあり、かつJIS L1013.8の18.2に準じて測定した140℃における乾熱収縮率が0.3〜3.0%、さらには0.5〜2.0%の範囲にあることが好ましい。
引張強力が上記範囲を下回る場合は、強力に欠けた光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントとなる傾向にあり、この光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを光ファイバー通信ケーブルに使用した場合には、光ファイバー通信ケーブル内で破断を生じることがある。
逆に、引張強力が上記範囲を上回る場合は、柔軟性に欠けた光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントとなる傾向にあり、この光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを光ファイバー通信ケーブルに使用した場合には、可撓性に欠けた光ファイバー通信ケーブルとなることがある。
また、140℃における乾熱収縮率が上記範囲を下回る場合は、引張衝撃の吸収性に欠けた光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントとなる傾向にあり、この光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを光ファイバー通信ケーブルに使用した場合には、張設時の引張衝撃に耐えきれず、光ファイバー通信ケーブル内で破断を生じることがある。
逆に、140℃における乾熱収縮率が上記範囲を上回る場合は、熱に対して収縮しやすい光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントとなる傾向にあり、この光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを光ファイバー通信ケーブルに使用した場合には、シースを溶融被覆して光ファイバー通信ケーブルを加工する際には、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントが光ファイバー通信ケーブル内で蛇行するなどの不具合が生じることがある。
さらに、本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6の構成素材は、十分な硬さを持ち、クマゼミなどの産卵管が刺し込みにくい材質であることが好ましいことから、ポリエステル系樹脂、中でもPET、PBTまたはこれらの混合物の使用、PPSの使用、ポリアミド系樹脂、中でも6ナイロン、66ナイロン、610ナイロンの中から選ばれる少なくとも1種の使用がより好ましい。
なお、本発明で使用するポリエステル系樹脂には、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、他のジカルボン酸成分およびジオール成分を含有させることができ、例えば、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、シクロヘキサンジカルボン酸およびデカリンジカルボン酸などが、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族グリコール、o−キシリレングリコール、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ジフェニルスルホンなどの芳香族グリコール、およびヒドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、レゾルシン、カテコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシジフェニルスルホンなどのジフェノール類などが挙げられ、これらの中から2種以上を選択して適宜使用することもできる。
さらにまた、本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6には、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、燐酸バリウム、燐酸リチウム、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニア、フッ化リチウム、カオリン、タルク等の無機粒子、耐熱剤、耐候剤、耐光剤、耐加水分解剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、平滑剤、ワックス類、シリコーンオイル、界面活性剤、染料、顔料などの添加剤を必要に応じて任意に含有させることもできる。
次に、本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6の製造方法について説明する。
光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6の製造方法については公知の溶融紡糸方法、例えば、メルトプレッシャー型またはエクストルダー型溶融紡糸機を使用し、冷却固化、加熱延伸、加熱弛緩処理等を施して製造することができる。
具体的に、例えば、原料となる合成樹脂をエクストルダー型溶融紡糸機に供給し、合成樹脂の融点以上の温度で溶融混練した後、扁平断面糸用の紡糸口金から合成樹脂の溶融物を押し出す。
そして、押し出された合成樹脂の溶融物は、水などの合成樹脂に対して不活性な媒体を使用して冷却固化され、引き続き巻き取ることなく1段または2段以上の加熱延伸を行い、さらに必要に応じて加熱弛緩処理が行われる。
特に、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6が、本発明の必要条件であるヤング率となるためには、適正な延伸倍率条件で延伸を行うことが必要であり、原料となる合成樹脂によってその条件は異なるが、例えば、原料にPET樹脂またはPBT樹脂を使用した場合には、延伸倍率を2.5〜6.5倍、原料にPPS樹脂を使用した場合には、延伸倍率を3.0〜6.0倍、原料にポリアミド系樹脂を使用した場合には、延伸倍率を2.5〜5.0倍にすることが必要である。
そして、得られた光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6は、クマゼミなどの害虫の産卵により受ける光心線2の損傷を未然に防ぐために、例えば図3(a)〜(f)に示したような態様で光ファイバー通信ケーブル1内に配置される。
なお、本発明の光ファイバー通信ケーブル1の製造方法については、何ら特殊な方法で製造する必要はなく、公知の方法で製造することができ、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント6の配置についても、上記のとおり、光心線2およびテンションメンバー3がシース4により被覆された光ファイバー通信ケーブル1の内部および/または外表面において、光心線2の少なくとも一部が囲まれるように配置すれば良い。
こうして得られた光ファイバー通信ケーブル1は、クマゼミなどの害虫が光ファイバー通信ケーブル1の内部に産卵することによる光心線2の破損を未然に防ぐことができるとともに、光ファイバー通信ケーブル1の張設・接続の際には、従来の光ファイバー通信ケーブルと同等の可撓性を持つために取り扱いがしやすいなどの特長を有するのである。
以下、実施例を挙げて、本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントおよび光ファイバー通信ケーブルについて、さらに詳しく説明する。
なお、本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントおよび光ファイバー通信ケーブルは、その要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
また、実施例における光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントおよび光ファイバー通信ケーブルの評価方法は、以下の方法で行ったものである。
[ヤング率]
JIS L1013の8.10に準じて測定した。
JIS L1013の8.10に準じて測定した。
[引張強力]
JIS L1013の8.5に準じて測定した。
JIS L1013の8.5に準じて測定した。
[140℃における乾熱収縮率]
JIS L1013の8.18.2に準じて測定した。
JIS L1013の8.18.2に準じて測定した。
[モノフィラメントの長径および短径]
得られた光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントをミクロトームで厚さ15μmに輪切りにし、その切片の断面の長径Wおよび短径Hを、(株)KEYENCE社製デジタルHDマイクロスコープVH−7000を使用して測定した。
得られた光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントをミクロトームで厚さ15μmに輪切りにし、その切片の断面の長径Wおよび短径Hを、(株)KEYENCE社製デジタルHDマイクロスコープVH−7000を使用して測定した。
[実用性評価]
得られた光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを、図1に示すように配置して光ファイバー通信ケーブルを作成し、以下の内容でその実用性を評価した。なお、光ファイバー通信ケーブルの光心線には直径0.3mmのものを、テンションメンバーには直径0.6mmのポリエステル系樹脂モノフィラメント、シースにはポリエチレン樹脂(ユニチカ製、9739)からなるものを使用し、光ファイバー通信ケーブルの大きさは2.0mm×3.0mmとした。
得られた光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを、図1に示すように配置して光ファイバー通信ケーブルを作成し、以下の内容でその実用性を評価した。なお、光ファイバー通信ケーブルの光心線には直径0.3mmのものを、テンションメンバーには直径0.6mmのポリエステル系樹脂モノフィラメント、シースにはポリエチレン樹脂(ユニチカ製、9739)からなるものを使用し、光ファイバー通信ケーブルの大きさは2.0mm×3.0mmとした。
A.クマゼミによる被害の程度
7月から9月までの3ヶ月間、屋外の電柱間に光ファイバー通信ケーブルを10m張設し、実際のクマゼミによる被害について調査を行い、次の内容で評価を行った。
◎・・・クマゼミの産卵による損傷が光心線に全く見たれず、至って良好であった、
○・・・クマゼミの産卵による損傷が1〜2箇所見られたが、実用上問題はなかった、
×・・・クマゼミの産卵による損傷が光心線の至るところで見られ、使えない状態となっていた。
7月から9月までの3ヶ月間、屋外の電柱間に光ファイバー通信ケーブルを10m張設し、実際のクマゼミによる被害について調査を行い、次の内容で評価を行った。
◎・・・クマゼミの産卵による損傷が光心線に全く見たれず、至って良好であった、
○・・・クマゼミの産卵による損傷が1〜2箇所見られたが、実用上問題はなかった、
×・・・クマゼミの産卵による損傷が光心線の至るところで見られ、使えない状態となっていた。
B.取り扱い易さ
実際の張設作業における光ファイバー通信ケーブルの取り扱い易さについて、次の内容で評価を行った。
◎・・・従来の光ファイバー通信ケーブルと同等の可撓性を持ち、至って取り扱いがしやすいものであった、
○・・・従来の光ファイバー通信ケーブルよりも多少可撓性に欠けるものの、取り扱いがしやすいものであった、
×・・・可撓性に欠け、取り扱いがしにくいものであった。
実際の張設作業における光ファイバー通信ケーブルの取り扱い易さについて、次の内容で評価を行った。
◎・・・従来の光ファイバー通信ケーブルと同等の可撓性を持ち、至って取り扱いがしやすいものであった、
○・・・従来の光ファイバー通信ケーブルよりも多少可撓性に欠けるものの、取り扱いがしやすいものであった、
×・・・可撓性に欠け、取り扱いがしにくいものであった。
C.強度および加工性
張設時の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントの耐久性および光ファイバー通信ケーブルの加工性について、次の内容で評価を行った。
1・・・光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントの破断や蛇行はなく、至って良好であった、
2・・・張設時、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントに破断が生じた、
3・・・加工時、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントに蛇行が生じた。
張設時の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントの耐久性および光ファイバー通信ケーブルの加工性について、次の内容で評価を行った。
1・・・光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントの破断や蛇行はなく、至って良好であった、
2・・・張設時、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントに破断が生じた、
3・・・加工時、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントに蛇行が生じた。
[実施例1〜4]
原料にPET樹脂(東レ社製 T250M)を固相重合したものを使用した。この固相重合されたPET樹脂をφ40mmのエクストルダー型溶融紡糸機に供給し、290℃の温度で溶融混練した後、表1に示すような短径および長径を有する長方形の断面となる紡糸口金からPET樹脂の溶融物を溶融押出し、直ちに冷却浴内に導いて、冷却固化した。
原料にPET樹脂(東レ社製 T250M)を固相重合したものを使用した。この固相重合されたPET樹脂をφ40mmのエクストルダー型溶融紡糸機に供給し、290℃の温度で溶融混練した後、表1に示すような短径および長径を有する長方形の断面となる紡糸口金からPET樹脂の溶融物を溶融押出し、直ちに冷却浴内に導いて、冷却固化した。
その後、冷却固化された未延伸糸は、90℃の温水浴中で3.0倍に1次延伸を行い、次いで180℃の乾熱熱風浴中で1.4倍に2次延伸を行い、さらに250℃の乾熱熱風浴中で0.85倍の弛緩熱処理を行うことにより、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを得た。
[実施例5]
表1に示すヤング率となるように延伸倍率条件を変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを得た。
表1に示すヤング率となるように延伸倍率条件を変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを得た。
[実施例6]
原料にPBT樹脂(東レ社製 1200S)を乾燥したものを使用した。この乾燥されたPET樹脂をφ40mmのエクストルダー型溶融紡糸機に供給し、270℃の温度で溶融混練した後、表1に示すような短径および長径を有する長方形の断面となる紡糸口金からPBT樹脂の溶融物を溶融押出し、直ちに冷却浴内に導いて、冷却固化した。
原料にPBT樹脂(東レ社製 1200S)を乾燥したものを使用した。この乾燥されたPET樹脂をφ40mmのエクストルダー型溶融紡糸機に供給し、270℃の温度で溶融混練した後、表1に示すような短径および長径を有する長方形の断面となる紡糸口金からPBT樹脂の溶融物を溶融押出し、直ちに冷却浴内に導いて、冷却固化した。
その後、冷却固化された未延伸糸は、60℃の温水浴中で3.8倍に1次延伸を行い、次いで140℃の乾熱熱風浴中で1.2倍に2次延伸を行い、さらに180℃の乾熱熱風浴中で0.87倍の弛緩熱処理を行うことにより、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを得た。
[実施例7]
原料にPPS樹脂(東レ社製 E2080)を乾燥させたものを使用した。この乾燥されたPPS樹脂をφ40mmのエクストルダー型溶融紡糸機に供給し、310℃の温度で溶融混練した後、表1に示すような短径および長径を有する長方形の断面となる紡糸口金からPPS樹脂の溶融物を溶融押出し、直ちに冷却浴内に導いて、冷却固化した。
原料にPPS樹脂(東レ社製 E2080)を乾燥させたものを使用した。この乾燥されたPPS樹脂をφ40mmのエクストルダー型溶融紡糸機に供給し、310℃の温度で溶融混練した後、表1に示すような短径および長径を有する長方形の断面となる紡糸口金からPPS樹脂の溶融物を溶融押出し、直ちに冷却浴内に導いて、冷却固化した。
その後、冷却固化された未延伸糸は、飽和水蒸気浴中で3.8倍に1次延伸を行い、次いで160℃の乾熱熱風浴中で1.1倍に2次延伸を行い、さらに140℃の乾熱熱風浴中で1.0倍の弛緩熱処理を行うことにより、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを得た。
[実施例8]
原料に6ナイロン樹脂(東レ社製 M1021T、以下、N6と言う)を使用した。このN6樹脂をφ40mmのエクストルダー型溶融紡糸機に供給し、260℃の温度で溶融混練した後、表1に示すような短径および長径を有する長方形の断面となる紡糸口金からN6樹脂の溶融物を溶融押出し、直ちに冷却浴内に導いて、冷却固化した。
原料に6ナイロン樹脂(東レ社製 M1021T、以下、N6と言う)を使用した。このN6樹脂をφ40mmのエクストルダー型溶融紡糸機に供給し、260℃の温度で溶融混練した後、表1に示すような短径および長径を有する長方形の断面となる紡糸口金からN6樹脂の溶融物を溶融押出し、直ちに冷却浴内に導いて、冷却固化した。
その後、冷却固化された未延伸糸は、90℃の温水浴中で3.4倍に1次延伸を行い、次いで120℃の乾熱熱風浴中で1.6倍に2次延伸を行い、さらに220℃の乾熱熱風浴中で0.8倍の弛緩熱処理を行うことにより、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを得た。
[実施例9]
長径W、短径Hの寸法とヤング率を表1に示すように延伸倍率条件と紡糸口金を変更したこと以外は、実施例8と同じ条件で光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを得た。
長径W、短径Hの寸法とヤング率を表1に示すように延伸倍率条件と紡糸口金を変更したこと以外は、実施例8と同じ条件で光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを得た。
[実施例10]
原料に66Nナイロン樹脂(東レ社製 M3001C、以下、N66と言う)を使用した。このN66樹脂をφ40mmのエクストルダー型溶融紡糸機に供給し、290℃の温度で溶融混練した後、表1に示すような短径および長径を有する長方形の断面となる紡糸口金からN66樹脂の溶融物を溶融押出し、直ちに冷却浴内に導いて、冷却固化した。
原料に66Nナイロン樹脂(東レ社製 M3001C、以下、N66と言う)を使用した。このN66樹脂をφ40mmのエクストルダー型溶融紡糸機に供給し、290℃の温度で溶融混練した後、表1に示すような短径および長径を有する長方形の断面となる紡糸口金からN66樹脂の溶融物を溶融押出し、直ちに冷却浴内に導いて、冷却固化した。
その後、冷却固化された未延伸糸は、90℃の温水浴中で3.0倍に1次延伸を行い、次いで140℃の乾熱熱風浴中で1.2倍に2次延伸を行い、さらに240℃の乾熱熱風浴中で0.9倍の弛緩熱処理を行うことにより、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを得た。
[実施例11]
原料に610Nナイロン樹脂(東レ社製 M2001、以下、N610と言う)を使用した。このN610樹脂をφ40mmのエクストルダー型溶融紡糸機に供給し、270℃の温度で溶融混練した後、表1に示すような短径および長径を有する長方形の断面となる紡糸口金からN610樹脂の溶融物を溶融押出し、直ちに冷却浴内に導いて、冷却固化した。
原料に610Nナイロン樹脂(東レ社製 M2001、以下、N610と言う)を使用した。このN610樹脂をφ40mmのエクストルダー型溶融紡糸機に供給し、270℃の温度で溶融混練した後、表1に示すような短径および長径を有する長方形の断面となる紡糸口金からN610樹脂の溶融物を溶融押出し、直ちに冷却浴内に導いて、冷却固化した。
その後、冷却固化された未延伸糸は、90℃の温水浴中で3.0倍に1次延伸を行い、次いで120℃の乾熱熱風浴中で1.5倍に2次延伸を行い、さらに200℃の乾熱熱風浴中で0.9倍の弛緩熱処理を行うことにより、光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを得た。
[比較例1〜3]
長径W、短径Hの寸法とヤング率を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを得た。
長径W、短径Hの寸法とヤング率を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを得た。
上記実施例および比較例で得られた光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを使用し、光ファイバー通信ケーブルを作成した。
光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントの物性および光ファイバー通信ケーブルの評価結果を表1に併せて示す。
表1の結果から明らかなように、本発明の条件を満足する光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを使用した光ファイバー通信ケーブル(実施例1〜11)は、クマゼミなどの害虫が光ファイバー通信ケーブルの内部に産卵することによる光心線の破損を未然に防ぐとともに、光ファイバー通信ケーブルの張設・接続の際には、従来の光ファイバー通信ケーブルと同等の可撓性を持つために取り扱いがしやすいものであることから、その実用性は極めて高いことが分かる。
これに対して、本発明の条件を満足しない光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを使用した光ファイバー通信ケーブル(比較例1〜3)は、これらの効果を全て満足することはできず、例えば、長径Wが小さい光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを使用した光ファイバー通信ケーブル(比較例1)は、クマゼミの産卵による被害を受けやすくなり、長径Wが大きく、短径Hが小さい光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを使用した光ファイバー通信ケーブル(比較例2)は、クマゼミの産卵による被害を受けやすくなるばかりか、可撓性に欠けるために取り扱いがしにくく、さらにヤング率を高くした光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを使用した光ファイバー通信ケーブル(比較例3)は、比較例2の光ファイバー通信ケーブルよりもさらに可撓性に欠け、取り扱いがしにくいものであるばかりか、光ファイバー通信ケーブルに加工する際には光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントが蛇行するため、加工しにくいものであった。
以上説明したように、本発明の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントは、扁平断面形状であり、かつ十分な強力と柔軟性を有するモノフィラメントであるため、この光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを、光心線およびテンションメンバーがシースにより被覆された光ファイバー通信ケーブルの内部および/または外表面において、光心線の少なくとも一部を囲むように配置した場合には、クマゼミなどの害虫が光ファイバー通信ケーブルの内部に産卵することによる光心線の破損を未然に防ぐことができるとともに、光ファイバー通信ケーブルの張設・接続の際には、従来の光ファイバー通信ケーブルと同等の可撓性を持ち、取り扱いがしやすい光ファイバー通信ケーブルが得られる。
1 光ファイバー通信ケーブル
2 光心線
3 テンションメンバー
4 シース
5 ノッチ
6 光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント
W 光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントの長径
H 光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント短径
2 光心線
3 テンションメンバー
4 シース
5 ノッチ
6 光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント
W 光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントの長径
H 光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント短径
Claims (8)
- 合成樹脂からなるモノフィラメントであって、断面が長径0.2〜5mm、短径0.1〜0.5mmの扁平形状であるとともに、JIS L1013の8.10に準じて測定したヤング率が1000〜12000N/mm2の範囲にあり、光心線およびテンションメンバーがシースにより被覆された光ファイバー通信ケーブルの内部および/または外表面において、光心線の少なくとも一部を囲むように配置されることを特徴とする光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント。
- JIS L1013の8.5に準じて測定した引張強力が50〜150N、JIS L1013の8.18.2に準じて測定した140℃における乾熱収縮率が0.3〜3.0%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント。
- 前記合成樹脂がポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント。
- 前記ポリエステル系樹脂がポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント。
- 前記合成樹脂がポリフェニレンサルファイドであることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント。
- 前記合成樹脂がポリアミド系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント。
- 前記ポリアミド系樹脂が6ナイロン、66ナイロン、610ナイロンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメント。
- 光心線およびテンションメンバーがシースにより被覆された光ファイバー通信ケーブルの内部および/または外表面において、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光ファイバー通信ケーブル部材用モノフィラメントを、光心線の少なくとも一部を囲むように配置したことを特徴とする光ファイバー通信ケーブル。
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