JP2006309571A - コンピュータ演算処理方法および残存リスク判定装置 - Google Patents

コンピュータ演算処理方法および残存リスク判定装置 Download PDF

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信明 三橋
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Abstract

【課題】 所定の期間内に発生する事象の最大規模を判定することによって、将来発生するリスクに対する準備を的確に行なうこと。
【解決手段】 リスク判定処理装置201は、リスクシナリオ設定部210により多くの業務をその特性にしたがって一定のアセスメント類型に分類し、後述するように発生頻度算出部220および発生規模算出部230によってそのアセスメント類型ごとにリスク評価を行ない、ワイブル分布を生成して最終的に残存リスク算出部240により最大損失額(最大の規模)を算出する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、コンピュータ演算処理方法および残存リスク判定装置に関し、より詳細には将来発生する事象の規模について判定するコンピュータ演算処理方法および残存リスク判定装置に関する。
従来から、様々な分野で将来起こりうるリスクを評価して、事前に対策を施したり、問題が発生した場合の準備を図ったりする試みがなされている。例えば、製造工場の工程管理におけるリスク管理はその典型であり、種々のリスク管理方法が提案されている。
一般にこのようなリスクの評価は、製造不良や事故などの所定の事象が発生する確率を帰納的あるいは演繹的に算出するものである。例えば、製造不良などのリスクを評価する際は、リスクを確率、すなわち歩留まりで評価することにより、製造コストなどの定量的なデータとして反映させることができる。
「オペレーショナル・リスクのすべて」東洋経済新報社発行、三菱信託銀行オペレーショナル・リスク研究会編、2002年3月21日発行。
しかしながら、サービス業、特に金融機関等の多額の金銭、債権、証券等を扱う業務においては、一旦事故が起こると場合により極めて巨大な規模の損失が発生する。このような場合、将来のリスクを確率で評価しても、上述の製造不良の場合のような効果は得られない。すなわち、何らかの方法により将来、業務ミス等の所定の事象が発生する確率を得られても、そのとき最大でどの程度の損失が発生するかまでは見積もることはできない。このため、そのミスにより発生する損失額を高く見積もりすぎると、その準備のため多額の資金を用意することとなって現在の経済活動に支障が出る。一方、低く見積もりすぎると将来現実にミスが発生した場合、対処不能となってしまうという問題がある。
また、このようなリスクは発生すると極めて巨大な損失となる可能性があるものの、通常は常に業務が改善され続けているため発生頻度自体が低く、将来のリスク自体を見積もることも困難であるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みて為されたものであり、既に発生している業務ミス等の事象をその頻度だけでなく、規模についても情報収集し、これらの情報に基づきワイブル分布を用いて所定の期間内に発生する事象の最大規模を判定することによって、将来発生するリスクに対する準備を的確に行なうことを目的とする。
このような目的を達成するために、本出願の請求項1に記載の発明は、所定の測定可能な規模をもって所定の頻度で発生する事象について、既に発生した事象の規模と頻度との情報に基づいて将来、事象が発生した場合の最大の規模をコンピュータの所定のプログラムによって判定するコンピュータ演算処理方法であって、発生した事象の規模を示す発生事象規模およびその規模の事象が所定の期間に発生した回数を示す事象発生頻度に基づいて、所定の期間に発生した事象の規模と頻度とにより示される発生分布を近似するワイブル分布の尺度母数および位置母数を算出して記憶手段に格納するワイブル係数算出ステップと、算出された尺度母数および位置母数を記憶手段から読み出して該読み出された尺度母数および位置母数と、入力された事象発生頻度に基づいて生成された所定の単位期間あたりの平均発生頻度とにより所定の規模以下の規模の事象が発生する確率を示す累積密度関数を求め、累積密度関数により所望の期間内に所望の回数の事象が発生しない確率となる規模の最大値を算出して、最大値を所望の期間に事象が発生した場合の最大の規模と判定する最大規模判定ステップとを備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンピュータ演算処理方法において、ワイブル係数算出ステップは、発生事象規模に基づいて全事象に共通する属性を評価することによって、所定の平均発生規模を求め平均発生規模により尺度母数および位置母数を算出することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のコンピュータ演算処理方法において、最大規模判定ステップは、事象発生頻度に基づいて全事象に共通する属性を評価することによって平均発生頻度を生成することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2または3に記載のコンピュータ演算処理方法において、ワイブル分布F(x)は、
Figure 2006309571
であり、αおよびβは、それぞれ尺度母数および位置母数であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のコンピュータ演算処理方法において、最大規模判定ステップは、累積密度関数とワイブル分布であり、所望の期間を所定の単位期間の単位でN、所望の回数をm、所定の単位期間あたりの平均発生頻度をnとして、
Figure 2006309571
を満たすxを求めることにより、所望の期間内に所望の回数の事象が発生しない確率となる規模の最大値を算出することを特徴とする。
請求項6に記載のプログラムは、コンピュータに、所定の測定可能な規模をもって所定の頻度で発生する事象について、既に発生した事象の規模と頻度との情報に基づいて将来、事象が発生した場合の最大の規模をコンピュータの所定のプログラムによって判定するコンピュータ演算処理方法であって、発生した事象の規模を示す発生事象規模およびその規模の事象が所定の期間に発生した回数を示す事象発生頻度に基づいて、所定の期間に発生した事象の規模と頻度とにより示される発生分布を近似するワイブル分布の尺度母数および位置母数を算出して記憶手段に格納するワイブル係数算出ステップと、算出された尺度母数および位置母数を記憶手段から読み出して読み出された尺度母数および位置母数と、入力された事象発生頻度に基づいて生成された所定の単位期間あたりの平均発生頻度とにより所定の規模以下の規模の事象が発生する確率を示す累積密度関数を求め、累積密度関数により所望の期間内に所望の回数の事象が発生しない確率となる規模の最大値を算出して、最大値を所望の期間に事象が発生した場合の最大の規模と判定する最大規模判定ステップとを備えたコンピュータ演算処理方法を実行させる。
請求項7に記載の発明は、所定の業務ミス等により発生する損失に関し、既に発生した業務ミス等の損失規模と頻度とに関連する情報に基づいて将来発生する業務ミス等による最大の損失規模をコンピュータの所定のプログラムによって判定する残存リスク判定装置であって、発生した損失の規模を示す発生損失規模およびその規模の損失が所定の期間に発生した回数を示す損失発生頻度に基づいて、所定の期間に発生した損失の規模と頻度とにより示される発生分布を近似するワイブル分布の尺度母数および位置母数を算出して記憶手段に格納するワイブル係数算出手段と、算出された尺度母数および位置母数を記憶手段から読み出して読み出された尺度母数および位置母数と、入力された事象発生頻度に基づいて生成された所定の単位期間あたりの平均発生頻度とにより所定の規模以下の規模の事象が発生する確率を示す累積密度関数を求め、累積密度関数により所望の期間内に所望の回数の事象が発生しない確率となる規模の最大値を算出して、最大値を所望の期間に事象が発生した場合の最大の規模と判定する最大規模判定手段とを備えたことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、算出された尺度母数および位置母数を記憶手段から読み出して読み出された尺度母数および位置母数と、入力された事象発生頻度に基づいて生成された所定の単位期間あたりの平均発生頻度とにより所定の規模以下の規模の事象が発生する確率を示す累積密度関数を求め、累積密度関数により所望の期間内に所望の回数の事象が発生しない確率となる規模の最大値を算出して、最大値を所望の期間に事象が発生した場合の最大の規模と判定する最大規模判定ステップとを備えているので、ワイブル分布を用いて所定の期間内に発生する事象の最大規模を判定することによって、将来発生するリスクに対する準備を的確に行なうことが可能となる。
(本発明の原理)
本発明は、以下の原理に従って達成される。
一般に、ある一定の規模を持つ事象、例えば業務ミスのように発生すると一定の損失額(規模)が生じる事象は、所定の期間その事象の発生データ、すなわち各規模ごとの発生頻度(回数)情報を取ることによりヒストグラムを生成することができる。このとき、統計的に一定の確からしさをもってこのように発生する事象の分布が得られれば、今後どの程度の規模の事象がどの程度の確率で発生するかを見積もることができる。
この分布は、発生する事象の規模の値がパラメータとなるからPr(x)と表すことができる。本発明では、この分布を用いて後述するように、将来発生する事象の最大規模を判定する。
一方、上述の発生する事象の規模ごとの発生頻度を表すヒストグラムは、ワイブル分布で近似することができることが知られている(例えば、非特許文献1)。そこで、本発明では何らかの方法で、既に発生している事象からの情報を収集しこの情報に基づいて、ワイブル分布を生成する。ワイブル分布を生成する方法としては、例えば以下のようなものがある。
一般にワイブル分布はF(x)は、
Figure 2006309571
と表すことができる。ここで、αおよびβは、ワイブル係数であり、それぞれ尺度母数および位置母数である。
これらのワイブル係数の算出は本技術分野で知られた種々の方法で行なうことができるが、例えばグンベル分布のパラメータ推定(モーメント法)による方法によってワイブル係数を算出することもできる。すなわち、y=log(x)として、[−log(y)]の平均値および標準偏差をそれぞれμ(=mean of [−log(y)])およびσ(=stdev of [−log(y)])とすると、
Figure 2006309571
と近似することができる。ここで、γ=0.577215である。
このようにして、既に発生している事象の規模、頻度をサンプリングすることによりワイブル分布を求めることができるが、後述するように極めて頻度が低くサンプリングが困難な場合など、その事象の共通する属性などから尺度母数および位置母数を推定してワイブル分布を生成することができる。
次に、得られたワイブル分布がその事象の発生状況をほぼ表しているため、F(x)は規模xの事象の発生確率Pr(x)であると仮定することができる。このため、F(x)を用いて、ある事象について、その事象が1年にn回発生する場合、N年にm回、所定の規模X以上の事象が発生するものとし、規模Xを超えない事象の発生する確率を算出して、この規模Xの値を求める。
まず、各事象の規模をx・・・xとすると、x≦Xである事象が発生する確率である累積密度関数Pr(x,・x・,・,x)は、
Figure 2006309571
となる。このように仮定すると、確率Pr(x,・x・,・,x)は、規模Xを超えない事象が発生する確率を示しており、一方規模Xを超える確率はm/Nだから、(1−m/N)となる。したがって、X、m、Nに関する式
Figure 2006309571
を解くことによって、規模Xを求めることができる。さらに、m=1とすることにより、規模Xを超える事象はN年間に1回だけ発生することが理解できる。本発明では、この規模XをN年間に発生する可能性のある最大の規模と判定する。
しかし、逆の観点で見ると、この規模XとはN年間に発生する最大の規模の事象が取りうる最低の値を示しているということができる。一般に発生する事象の規模は、理論的にはほとんど無限大の値をとりうるため、本発明のように最大の規模を求めるといっても、想定の範囲を超えた巨大な値を算出しても意味がない場合が多い。例えば、作業ミスや事故といった事象によって損害が発生する場合を考えると、どのような作業ミスや事故であっても理論的にはそれらの業務が取り扱う金額をはるかに超える損害が発生する可能性は、極めて低い確率であっても存在しないとはいえない。しかし、そのような値を算出してもその業務を遂行する上で何の支援にもならないことは明らかである。したがって、将来発生する事象の最大の規模を求めるということは、その事象の特性を考慮して、その業務の通常の遂行の中で想定可能な規模であって、現実とかけ離れていない一定の規模を基準として示すことである。
したがって、本発明ではこの一定の基準として、上述のような値を用いるが、通常の業務においては、このような判定によっても有用なデータが得られる可能性が十分あるのである。また、このような判定によって得られた値を基準としてさらに一定の乗率を掛けた値を最大の規模とすることもできる。
(実施形態の説明)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態は、本発明を用いて、金融機関の各業務において将来予想される業務ミス等(事象)により生じる最大の損失額(規模)を算出するものである。図1は、本発明にかかる一実施形態のシステム構成を示すブロック図である。本実施形態では、システムは、本実施形態の処理を制御する制御部111、処理結果等を表示するディスプレイ115、データ等の入力を行う入力機器116、および種々の情報を格納し制御部111と接続されたデータベース117を備える。さらに、制御部111は、CPU112、CPU112上で動作するプログラムや設定データなどを記憶したROM113、およびデータやプログラムを記憶するRAM114などを備える。本実施形態では、処理結果をディスプレイ115に表示するが、これに限られずプリンタやその他の出力機器を用いることもできるし、データベースに格納したりネットワークを介して送信したりすることもできる。
本実施形態では、制御部111において必要な処理を実行させるため、種々のプログラムがデータベース117などに格納されており、それらは制御部111に読み出され、実行される。また、データベース117には図2に示すように、本実施形態で用いられる種々の情報を格納した損失シナリオデータベース211、類型別シナリオパターンデータベース212、リスクシナリオデータベース213、リスク評価項目データベース221、コントロール評価項目データベース222、アセスメント単位別評価実績データベース223、発生頻度算出評価テーブル224、パラメータ・掛目データベース231、およびアセスメント単位別取扱金額データベース232が含まれる。
図2は、本実施形態のリスク判定処理装置を構成する機能ブロックを示す図である。本実施形態のリスク判定処理装置201は、リスクシナリオ設定部210、発生頻度算出部220、発生規模算出部230および残存リスク算出部240を備える。本発明では、既に発生した事象のデータを収集してワイブル分布を求め、最大の規模を判定するが、本実施形態のような金融機関の業務では元々業務ミス等の損失発生事象の頻度が極めて低いことから、有用なデータを収集することが容易ではない。
そこで、本実施形態のリスク判定処理装置201は、リスクシナリオ設定部210により多くの業務をその特性にしたがって一定のアセスメント類型に分類し、後述するように発生頻度算出部220および発生規模算出部230によってそのアセスメント類型ごとに評価を行なって、最終的に残存リスク算出部240により最大損失額(最大の規模)を算出する。このため、まずリスクシナリオ設定部において各業務のアセスメント類型を特定する。次に、発生規模算出部において、各アセスメント類型ごとに発生規模を評価して、ワイブル分布を求める。さらに、発生頻度算出部において、発生頻度を推定し、以上により得られたデータを用いて残存リスク算出部により最大損失額を算出する。
図3を参照して、本実施形態の処理を説明する。図3は、本実施形態の残存リスク算出処理のフローを示す図である。
(リスクシナリオの導出)
まず、リスクシナリオの設定処理について説明する。リスクシナリオの設定とは、アセスメント類型ごとの特性を考慮して、損失が発生するメカニズムを特定することであり、設定されたリスクシナリオはアセスメント類型のリスクを見積もる基礎となる。
まず、事務取扱手続等のデータベースから業務に関するデータを読み込んで、業務の棚卸をして、各業務を業務名および取引形態に切り分ける(S301)。切り分けられた各業務の取引形態について事務処理フローを特定して、図4に示すように所定のアセスメント単位のいずれかに対応付けされる(S302)。
次に、アセスメント類型ごとに損失発生メカニズムを検討し、いくつかのリスクパターンに分類する(S304)。例えば、説明漏れ・相違のために契約内容等の合意が得られず取扱元本損が発生する等のリスクパターンが存在する。以上により、リスクシナリオの導出が行なわれ、これらの情報はリスクシナリオデータベース213に格納される(S305)。
一方、事務取扱手続等のデータベースからの業務に関するデータに基づいて、損失が発生する原因をいくつかの種類、例えば元本損や変動損などに分類する(S303)。以上の分類を損失シナリオデータベース211に格納する。
(発生規模の推定)
発生規模算出部230は、損失シナリオデータベース211に格納された損失区分ごとに、種々の業務情報に基づき損失額を評価するための損失ロジックを図9に示すように設定する(S311)。損失ロジックは損失区分ごとの特性を考慮して損失額を決定するファクターを抽出し、算出式、例えば価格変動損の場合(取扱金額)×(市場変動率)×(掛け目)として示したものである。ここで抽出されたファクターごとに適切なパラメータを決定すれば損失が発生する場合の平均的な損失額を求めることが可能となるため各損失区分でパラメータの設定を行なう(S312)。上述の例で計算すると、市場変動率は、その業務で所定の方法により見積もることができ、掛目については、特段配慮すべき事情がない場合は1とするが、必要に応じて所定の値を使用することもできる。なお、掛目は、パラメータ・掛目データベース231に格納されている。
次に、事務取扱手続等のデータベースからの業務に関するデータに基づいて、アセスメント単位ごとの取扱金額を抽出する(S313)。この抽出された取扱金額はアセスメント単位別取扱金額データベース232に格納される。以上の処理により、アセスメント単位ごとの平均的な取扱金額を算出することにより、平均的な損失規模を求めることができるから、この値を上記で説明したモーメント法のxの値として代入し、[−log(y)]をμとする。同様に、所定の方法により所定のアセスメント単位について損失規模の標準偏差を算出し、xの値として算出された標準偏差の値を代入し、[−log(y)]をσとする。このようにして、ワイブル係数を求めワイブル分布を定める(S314)。
以上のようにして、実際に発生した事象の規模を示す発生事象規模およびその規模の事象が所定の期間に発生した実際の回数などの具体的なデータが事象の発生頻度が低すぎて収集できない場合でも、発生事象規模に基づいて全事象に共通する属性を評価することによって、その分布を生成するワイブル係数を求めることができるのである。
(発生頻度の推定)
発生頻度算出部220は、導出されたリスクシナリオに基づいてアセスメント単位にリスクの評価を行い発生頻度を評価する。本実施形態では、先ず図5に示すようなリスク評価項目、例えば処理量の多さ、処理の集中度などの項目について各アセスメント単位ごとに損失事故の生じやすさを評価する(例えばABCの3ランクで評価する)。次に、同様に図6に示すようなコントロール評価項目、例えば手続きの整備、手続きの内容などの項目について損失事故の生じやすさを評価する(S321)。なお、求められたリスク評価項目についての評価はリスク評価項目データベース221に格納され、求められたコントロール評価項目についての評価はコントロール評価項目データベース222に格納される。
このような評価と同一基準で過去の損失実績データが評価され、アセスメント単位別評価実績データベース223に格納される(S322)。過去の損失実績データから評価された損失発生頻度の程度と、上述の理論的に求めた値とをもとに一般化線形モデルによる回帰分析を行なって、各評価項目のウェイトを決定する(S323)。以上によって求めたリスク評価項目とコントロール評価項目とを相互に勘案して図7に示すようにアセスメント単位の損失発生頻度評価テーブルを決定する(S324)。例えば、図8に示すように評価されたアセスメント単位があるとすると、図7に示す評価テーブルからこのアセスメント単位の発生頻度は×.×回/年となる。このようにして得られた発生頻度テーブルをもとにアセスメント単位ごとの平均発生頻度「n」を判定する。
ここで、平均発生頻度は、所定の単位期間について定めるが、通常は1年である。したがって、以下に説明する本実施形態の「N」はN年を示すこととなる。
以上のようにして、実際に発生した事象の規模を示す発生事象規模およびその規模の事象が所定の期間に発生した実際の回数などの具体的なデータが事象の発生頻度が低すぎて収集できない場合でも、発生事象頻度に基づいて全事象に共通する属性を評価することによって、平均発生頻度を求めることができるのである。
(残存リスクの算出)
残存リスク算出部240は、以上の処理により求められた尺度母数α、位置母数β、平均発生頻度nを用いて、所望の想定期間Nを設定することにより、上述の本発明の原理で求めた
Figure 2006309571
を解くことにより今後N年間に発生する最大損失がXと判定されるのである。実際の運用では、実際の業務の損失額等を考慮して調整パラメータpを定め、最大損失M=X×pとして今後発生する可能性のある最大損失Mを求める。
以上説明したように、本実施形態ではワイブル分布を用いて所定の期間内に発生する事象の最大規模を判定することによって、将来発生するリスクに対する準備を的確に行なうことが可能となる。
本発明にかかる一実施形態のシステム構成を示すブロック図である。 本実施形態のリスク判定処理装置を構成する機能ブロックを示す図である。 本実施形態の残存リスク算出処理のフローを示す図である。 本発明の一実施形態の切り分けられた各業務名の取引形態について事務処理フローのアセスメント単位への対応付けを示す図である。 本発明の一実施形態のリスク評価項目について各アセスメント単位の損失発生頻度の程度の評価方法を示す図である。 本発明の一実施形態のコントロール評価項目について各アセスメント単位の損失発生頻度の程度の評価方法を示す図である。 本発明の一実施形態のアセスメント単位の損失発生頻度評価テーブルの決定方法を示す図である。 本発明の一実施形態のリスク評価およびコントロール評価項目についての評価例を示す図である。 本発明の一実施形態の損失額を評価するための損失ロジックを示す図である。
符号の説明
111 制御部
112 CPU
113 ROM
114 ROM
115 ディスプレイ
116 入力部
117 データベース
201 リスク判定処理装置
210 リスクシナリオ設定部
211 損失シナリオデータベース
212 類型別シナリオパターンデータベース
213 リスクシナリオデータベース
220 発生頻度算出部
221 リスク評価項目データベース
222 コントロール評価項目データベース
223 アセスメント単位別評価実績データベース
224 発生頻度算出評価テーブル
230 発生規模算出部
231 パラメータ・掛目データベース
232 アセスメント単位別取扱金額データベース
240 残存リスク算出部

Claims (7)

  1. 所定の測定可能な規模をもって所定の頻度で発生する事象について、既に発生した事象の規模と頻度との情報に基づいて将来、前記事象が発生した場合の最大の規模をコンピュータの所定のプログラムによって判定するコンピュータ演算処理方法であって、
    発生した事象の規模を示す発生事象規模および該規模の事象が所定の期間に発生した回数を示す事象発生頻度に基づいて、前記所定の期間に発生した事象の規模と頻度とにより示される発生分布を近似するワイブル分布の尺度母数および位置母数を算出して前記記憶手段に格納するワイブル係数算出ステップと、
    前記算出された尺度母数および位置母数を前記記憶手段から読み出して該読み出された尺度母数および位置母数と、前記入力された事象発生頻度に基づいて生成された所定の単位期間あたりの平均発生頻度とにより所定の規模以下の規模の事象が発生する確率を示す累積密度関数を求め、該累積密度関数により所望の期間内に所望の回数の事象が発生しない確率となる規模の最大値を算出して、該最大値を所望の期間に前記事象が発生した場合の最大の規模と判定する最大規模判定ステップと
    を備えたことを特徴とするコンピュータ演算処理方法。
  2. 前記ワイブル係数算出ステップは、前記発生事象規模に基づいて全事象に共通する属性を評価することによって、所定の平均発生規模を求め該平均発生規模により前記尺度母数および位置母数を算出することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ演算処理方法。
  3. 前記最大規模判定ステップは、前記事象発生頻度に基づいて全事象に共通する属性を評価することによって前記平均発生頻度を生成することを特徴とする請求項1または2に記載のコンピュータ演算処理方法。
  4. 前記ワイブル分布F(x)は、
    Figure 2006309571
    であり、αおよびβは、それぞれ尺度母数および位置母数であることを特徴とする請求項1、2または3に記載のコンピュータ演算処理方法。
  5. 前記最大規模判定ステップは、前記累積密度関数と前記ワイブル分布であり、前記所望の期間を所定の単位期間の単位でN、所望の回数をm、前記所定の単位期間あたりの平均発生頻度をnとして、
    Figure 2006309571
    を満たすxを求めることにより、前記所望の期間内に所望の回数の事象が発生しない確率となる規模の最大値を算出することを特徴とする請求項4に記載のコンピュータ演算処理方法。
  6. コンピュータに、所定の測定可能な規模をもって所定の頻度で発生する事象について、既に発生した事象の規模と頻度との情報に基づいて将来、前記事象が発生した場合の最大の規模をコンピュータの所定のプログラムによって判定するコンピュータ演算処理方法であって、
    発生した事象の規模を示す発生事象規模および該規模の事象が所定の期間に発生した回数を示す事象発生頻度に基づいて、前記所定の期間に発生した事象の規模と頻度とにより示される発生分布を近似するワイブル分布の尺度母数および位置母数を算出して前記記憶手段に格納するワイブル係数算出ステップと、
    前記算出された尺度母数および位置母数を前記記憶手段から読み出して該読み出された尺度母数および位置母数と、前記入力された事象発生頻度に基づいて生成された所定の単位期間あたりの平均発生頻度とにより所定の規模以下の規模の事象が発生する確率を示す累積密度関数を求め、該累積密度関数により所望の期間内に所望の回数の事象が発生しない確率となる規模の最大値を算出して、該最大値を所望の期間に前記事象が発生した場合の最大の規模と判定する最大規模判定ステップと
    を備えたコンピュータ演算処理方法を実行させるプログラム。
  7. 所定の業務ミス等により発生する損失に関し、既に発生した業務ミス等の損失規模と頻度とに関連する情報に基づいて将来発生する業務ミス等による最大の損失規模をコンピュータの所定のプログラムによって判定する残存リスク判定装置であって、
    発生した損失の規模を示す発生損失規模および該規模の損失が所定の期間に発生した回数を示す損失発生頻度に基づいて、前記所定の期間に発生した損失の規模と頻度とにより示される発生分布を近似するワイブル分布の尺度母数および位置母数を算出して前記記憶手段に格納するワイブル係数算出手段と、
    前記算出された尺度母数および位置母数を前記記憶手段から読み出して該読み出された尺度母数および位置母数と、前記入力された事象発生頻度に基づいて生成された所定の単位期間あたりの平均発生頻度とにより所定の規模以下の規模の事象が発生する確率を示す累積密度関数を求め、該累積密度関数により所望の期間内に所望の回数の事象が発生しない確率となる規模の最大値を算出して、該最大値を所望の期間に前記事象が発生した場合の最大の規模と判定する最大規模判定手段と
    を備えたことを特徴とする残存リスク判定装置。
JP2005132498A 2005-04-28 2005-04-28 コンピュータ演算処理方法および残存リスク判定装置 Pending JP2006309571A (ja)

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