JP2006304397A - 電機子のコア、電機子およびモータ - Google Patents

電機子のコア、電機子およびモータ Download PDF

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Abstract

【課題】電機子のコアに渡り線係止部を容易に形成するとともに渡り線係止部に係止された渡り線の損傷を防止する。
【解決手段】モータの電機子は、コアバック244および複数のティース243を有するコア241、各ティース243に形成されるコイル242、並びに、コイル242間を接続する渡り線2421を備える。積層された4枚のコアプレートからなるコア241では、コアバック244の第1コアプレート2411において、互いに隣接する2つのティース243間の部位の外周部に2つの切欠部2441が形成されることにより渡り線係止部2442が容易に形成され、渡り線2421が、渡り線係止部2442に引っ掛けられることによりコアバック244の外周面よりも内側にて係止される。その結果、渡り線係止部2442に係止された渡り線2421がベースプレート21との接触により損傷してしまうことを防止することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、電動式のモータおよびモータの電機子に関し、特に、電機子のコアに関する。
従来より、ハードディスク装置等の記録ディスク駆動装置は、記録ディスクを回転駆動するスピンドルモータ(以下、「モータ」という。)を備えており、このようなモータの1つとして、回転軸を中心として放射状に配列された複数のティースの内側に界磁用磁石が配置されたインナーロータ型のモータが使用されている。
インナーロータ型のモータでは、電機子のコアの複数のティースに設けられた複数のコイルが、複数のティースを外周側から支持するリング状のコアバック側で渡り線により接続されている。例えば、モータを駆動する交流電流が3相である場合、1つのコイルから伸びる渡り線は、周方向に2つのコイルを跨いで次のコイルに接続される。このため、渡り線が跨ぐべき他のコイルと接触しないように、コアバックに取り付けられた樹脂製のインシュレータの上面に突起を設け、突起の外側に渡り線を引っ掛けて係止することにより渡り線がコアバックよりも内側に位置することが防止されている。
しかしながら、渡り線の係止にインシュレータを利用すると、電機子のコアの軸方向の厚さが増大して小型化の妨げになってしまったり、インシュレータが変形したり割れたりする恐れもある。さらには、モータの部品点数が増加するため、部品コストや組み立てに係るコストが上昇してしまう。そこで、電機子のコアを利用して渡り線を係止する様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、金属薄板を複数枚積層してなるステータコアにおいて、各磁極片の間において内側に突出する矩形部が設けられた金属薄板を最上層とし、矩形部を根本から上方に折り曲げ、さらにその先端部を外側に向けて折り曲げることにより、渡り線が係止される切起片を形成する技術が開示されている。これにより、ステータコアに係る部位品点数の削減およびステータコアの小型化が実現される。
特許文献2でも同様に、積層される金属製コアプレートの最上層において、各ティースの間から内側に突出する渡り線係止用突起形成部が上方に折り曲げられた後に先端部が外側に折り曲げられて渡り線係止用突起が形成される。特許文献2のステータコアでは、折り曲げられた先端部(略水平係止部)の先端が環状コアバックの外周面を超えないようにされるため、ステータコアの水平方向の小型化が渡り線係止用突起により阻害されることが防止される。
特許文献3では、ステータコアの外周面から外側に突出する係止突起を設けることにより、隣接するティース間に充分な巻き線スペースを確保する技術が開示されている。
特開平9−322453号公報 国際公開第2004/082104号パンフレット 特許第3485810号公報
ところで、複数のコアプレートを積層して電機子のコアを形成する場合には通常、コアプレートの材料となる金属板がプレス機に供給され、金属板から金型で打ち抜かれた金属片が順送型内に保持された状態でプレス機内を順に搬送されて折り曲げられていく。
しかしながら、特許文献1および特許文献2のステータコアでは、コアプレートから内側に突出する部位を略90°折り曲げた後に、その先端部をさらに外側に折り曲げる必要があるため、順送型内における折り曲げ処理が困難であった。また、コアプレートを順送型から取りだした後に突出する部位の折り曲げを行う場合には、折り曲げ処理に係る工数が増大してしまい、さらに、コアプレートの変形が発生しやすくなって不良率も増大してしまう。
また、特許文献3のステータコアでは、渡り線がステータコアのコアバックの外周縁よりも外側にて係止されるため、電機子をベースプレートに取り付ける際に、取り付け位置のずれ等により渡り線がベースプレートと接触すると、渡り線が損傷または断線してしまう可能性がある。また、電機子の取り付けに要するスペースも水平方向に大きくなってしまう。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、電機子のコアに渡り線係止部を容易に形成するとともに渡り線係止部に係止された渡り線の損傷を防止することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、電動式モータの電機子のコアであって、先端を所定の中心軸側に向けて前記中心軸を中心に放射状に配置された複数のティースと、前記複数のティースを外側から支持するリング状のコアバックとを備え、前記コアバックの互いに隣接する2つのティース間の部位の外周部に2つの切欠部が形成されており、前記コアバックの前記2つの切欠部の間の部位が、2つのコイルを接続する渡り線が前記2つの切欠部に通されて掛けられることにより前記渡り線を前記コアバックの外周面よりも内側にて係止する渡り線係止部である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電機子のコアであって、前記渡り線係止部が、前記コアバックの渡り線が渡される側の主面から離れる方向に折り曲げられた形状とされ、前記渡り線係止部の前記主面に対する折り曲げ角度が90°以下である。
請求項3に記載の発明は、電動式モータの電機子のコアであって、先端を所定の中心軸側に向けて前記中心軸を中心に放射状に配置された複数のティースと、前記複数のティースを外側から支持するリング状のコアバックとを備え、前記コアバックの互いに隣接する2つのティース間の部位の外周部に2つの切込部が外周縁から形成されており、前記コアバックの前記2つの切込部の間の部位が、2つのコイルを接続する渡り線が前記2つの切込部に通されて掛けられることにより前記渡り線を前記コアバックの外周面よりも内側にて係止する渡り線係止部であり、前記渡り線係止部が、前記コアバックの渡り線が渡される側の主面から離れる方向に折り曲げられた形状とされ、前記渡り線係止部の前記主面に対する折り曲げ角度が90°以下である。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の電機子のコアであって、前記渡り線係止部の前記外周面側の先端が、前記コアバックの前記外周面よりも内側、または、前記外周面上に位置する。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の電機子のコアであって、前記渡り線係止部が、前記外周面側の先端部に前記中心軸を中心とする周方向の一方側に伸びる突起部を備える。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電機子のコアであって、前記渡り線係止部が、前記外周面側の前記先端部に前記中心軸を中心とする周方向の他方側に伸びるもう1つの突起部をさらに備える。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の電機子のコアであって、前記コアバックが、前記渡り線係止部の内周側に前記中心軸に向かって突出する突出部を備える。
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の電機子のコアであって、前記複数のティースおよび前記コアバックが、前記複数のティースおよび前記コアバックに対応する部位を備える薄板状の複数のコアプレートが積層されることにより形成されており、前記渡り線係止部が、前記複数のコアプレートのうち渡り線が渡される側の第1プレートのみに設けられており、前記第1プレートに当接する第2プレートに前記渡り線係止部および前記2つの切欠部に重なる凹部が前記外周面側から形成されている。
請求項9に記載の発明は、請求項2または3に記載の電機子のコアであって、前記複数のティースおよび前記コアバックが、前記複数のティースおよび前記コアバックに対応する部位を備える薄板状の複数のコアプレートが積層されることにより形成されており、前記渡り線係止部が、前記複数のコアプレートのうち渡り線が渡される側の一のプレートのみに設けられる。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の電機子のコアであって、前記一のプレートに当接する他の一のプレートに前記渡り線係止部に重なる凹部が前記外周面側から形成されている。
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の電機子のコアであって、前記コアバックの互いに隣接する2つのティース間の部位の全てに前記渡り線係止部が設けられる。
請求項12に記載の発明は、電動式モータの電機子であって、請求項1ないし11のいずれかに記載のコアと、前記コアの前記複数のティースに導線を巻回することにより形成された複数のコイルと、前記複数のコイルを接続する渡り線とを備える。
請求項13に記載の発明は、電動式のモータであって、請求項12に記載の電機子および前記電機子が取り付けられるベース部を有するステータ部と、前記電機子との間で前記中心軸を中心とするトルクを発生する界磁用磁石を有するロータ部と、前記中心軸を中心に前記ロータ部を前記ステータ部に対して回転可能に支持する軸受機構とを備える。
本発明では、渡り線係止部を容易に形成することができるとともに渡り線係止部に係止された渡り線の損傷を防止することができる。請求項4の発明では、コアの小型化を実現することができる。請求項5および6の発明では、渡り線の係止部からの脱落を確実に防止することができる。
請求項7の発明では、コアバックにおける磁力線の飽和を防止することができる。請求項2並びに請求項8ないし10の発明では、渡り線の係止を容易に行うことができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電動式のスピンドルモータ1(以下、「モータ1」という。)を備える記録ディスク駆動装置60の内部構成を示す図である。記録ディスク駆動装置60はハードディスク装置であり、情報を記録する円板状の記録ディスク62、記録ディスク62に対する情報の書き込みおよび(または)読み出しを行うアクセス部63、記録ディスク62を保持して回転する電動式のモータ1、並びに、記録ディスク62、アクセス部63およびモータ1を内部空間110に収容するハウジング61を備える。
図1に示すように、ハウジング61は、上部に開口を有するとともにモータ1およびアクセス部63が内側の底面に取り付けられる無蓋箱状の第1ハウジング部材611、並びに、第1ハウジング部材611の開口を覆うことにより内部空間110を形成する板状の第2ハウジング部材612を備える。記録ディスク駆動装置60では、第1ハウジング部材611に第2ハウジング部材612が接合されてハウジング61が形成され、内部空間110は塵や埃が極度に少ない清浄な空間とされる。
記録ディスク62は、モータ1の上側に載置されてクランパ621によりモータ1に固定される。アクセス部63は、記録ディスク62に近接して情報の書き込みおよび読み出しを磁気的に行うヘッド631、ヘッド631を支持するアーム632、並びに、アーム632を移動させることによりヘッド631と記録ディスク62との相対的位置を変更するヘッド移動機構633を有する。これらの構成により、ヘッド631は回転する記録ディスク62に近接した状態で記録ディスク62の所要の位置にアクセスし、情報の書き込みおよび読み出しを行う。
図2は、ディスク駆動用のモータ1の構成を示す縦断面図である。モータ1は、3相の交流電流により駆動される。図2では、モータ1の中心軸J1(後述の電機子24のコア241の中心軸でもある。)を含む面における断面を示すが、切断面よりも奥側に位置する構成についても、その一部を破線にて描いている。
図2に示すように、モータ1は、固定組立体であるステータ部2、および、回転組立体であるロータ部3を備えており、ロータ部3は、潤滑油による流体動圧を利用した軸受機構を介して中心軸J1を中心にステータ部2に対して回転可能に支持される。以下の説明では、便宜上、中心軸J1に沿ってロータ部3側を上側、ステータ部2側を下側として説明するが、中心軸J1は必ずしも重力方向と一致する必要はない。
ロータ部3は、ロータ部3の各部を保持するロータハブ31、および、ロータハブ31に取り付けられて中心軸J1の周囲に配置される界磁用磁石34を備える。ロータハブ31は、ステンレス等により一体的に形成されており、中心軸J1を中心とする略円筒状であって下側(すなわち、ステータ部2側)に突出するシャフト311、シャフト311の上端部から中心軸J1に対して垂直に広がる略円板状の円板部312、および、円板部312の外縁において下側に突出する略円筒状の円筒部313を備える。シャフト311の下側の先端部には、略円板状のスラストプレート314が取り付けられる。
ステータ部2は、ステータ部2の各部を保持するベース部であるベースプレート21、ロータ部3のシャフト311が挿入されるとともにロータ部3を回転可能に支持する軸受機構の一部である略円筒状のスリーブユニット22、および、スリーブユニット22の周囲にてベースプレート21に取り付けられる電機子24を備える。ベースプレート21は、第1ハウジング部材611(図1参照)の一部であり、アルミニウム、アルミニウム合金、または、磁性もしくは非磁性の鉄系金属の板状部材をプレス加工することにより第1ハウジング部材611の他の部位と一体的に形成される。電機子24は、シャフト311の周囲に配置された界磁用磁石34との間で中心軸J1を中心とする回転力(トルク)を発生する。
電機子24は、圧入または接着によりベースプレート21に上側から取り付けられており、薄板状の4枚のコアプレートを積層してなるコア241、および、コア241の所定の部位に設けられる複数のコイル242を備える。コア241を形成する4枚のコアプレートはそれぞれ、厚さ0.1〜0.35mm(より好ましくは、0.2mm)の珪素鋼板である。以下、4枚のコアプレートを区別するため、上層側から順に、「第1コアプレート2411」、「第2コアプレート2412」、「第3コアプレート2413」、「第4コアプレート2414」という。
図3は、コア241を示す平面図である。図3に示すように、コア241は、先端を中心軸J1に向けて中心軸J1を中心に放射状に配置された複数(本実施の形態では9つ)のティース243、および、複数のティース243を外側から支持する(すなわち、各ティース243の中心軸J1から遠い側の端部を連結して支持する)リング状のコアバック244を備える。複数のティース243およびコアバック244は、複数のティース243およびコアバック244のそれぞれに対応する部位を備える第1コアプレート2411ないし第4コアプレート2414(図2参照)が積層されることにより形成されており、各コアプレートでは、複数のティース243およびコアバック244のそれぞれに対応する部位が一体的に形成されているため、コア241において複数のティース243およびコアバック244は磁気的に接続されている。
図2に示すように、電機子24では、コア241の9つのティース243に導線を巻回することにより9つのコイル242が形成される。9つのコイル242のそれぞれは、ティース243に導線を2層に巻回することにより形成され、導線の径は0.05〜0.3mm(より好ましくは0.1mm)とされる。上述のようにモータ1の駆動電流は3相の交流電流であるため、電機子24では、コア241の9つのティース243に形成された9つのコイル242のうち、3つおきの3つのコイル242が渡り線2421により互いに接続される。また、モータ1では、各ティース243が中心軸J1側で上側に折り曲げられており、中心軸J1側の端部が界磁用磁石34の外周面に対向することにより、電機子24と界磁用磁石34との間に効率的にトルクを発生させることができる。
図4は、第2コアプレート2412を示す平面図である。コア241では、第3コアプレート2413および第4コアプレート2414も、図4に示す第2コアプレート2412と同じ形状を有する。図2ないし図4に示すように、コア241では、コアバック244の第1コアプレート2411において、互いに隣接する2つのティース243間の部位の外周部に2つの切欠部2441が形成されており、第1コアプレート2411の2つの切欠部2441の間の部位が、渡り線2421(図2参照)を係止する渡り線係止部2442となる。渡り線2421は、コイル242から伸びる導線であり、1つのコイル242と他のコイル242または回路基板248とを接続する。なお、図3では回路基板248を破線にて示す。
コア241では、コアバック244の互いに隣接する2つのティース243間の部位の全てにおいて、4枚のコアプレートのうち第1コアプレート2411のみに渡り線係止部2442が設けられ、第1コアプレート2411に当接する第2コアプレート2412を含めた他の3枚のコアプレートには、渡り線係止部2442および2つの切欠部2441に重なる(渡り線係止部2442に重なるのみでもよい。)凹部2443がコアバック244の外周面側から形成されている。
渡り線係止部2442は、コアバック244の上側の主面(以下、「上面」という。)から上側に離れる方向に折り曲げられた形状とされており、渡り線係止部2442のコアバック244の上面に対する折り曲げ角度θ(図2参照)は90°以下とされる。また、渡り線係止部2442の外側(すなわち、コアバック244の外周面側)の先端は、コアバック244の外周面よりも内側に位置する。換言すれば、渡り線係止部2442の外側の先端と中心軸J1との間の中心軸J1を中心とする径方向に関する距離は、コアバック244の外周面と中心軸J1との間の中心軸J1を中心とする径方向に関する距離よりも小さい。なお、渡り線係止部2442は、その先端が、コアバック244の外周面上(すなわち、コアバック244の外周面を上方に延長したと仮定した場合の仮想面上)に位置するように形成されてもよい。
また、コアバック244では、互いに隣接する2つのティース243間の部位の全てにおいて、渡り線係止部2442の内周側に、中心軸J1に向かって突出する突出部2444が形成されている。突出部2444は、第1コアプレート2411ないし第4コアプレート2414に亘って設けられる。
図5は、ベースプレート21を示す平面図である。図5に示すように、ベースプレート21は略円板状であり、ベースプレート21の上面から上側に突出する3つの電機子支持部214を備える。電機子支持部214は、中心軸J1を中心とする円周上において等間隔に配列され、ベースプレート21に取り付けられる電機子24のコアバック244(図3参照)に当接して電機子24を下側から支持する。なお、3つの電機子支持部214は、ベースプレート21のプレス加工による成形時に成形される。
ベースプレート21の中央部には、図2および図5に示すように、中心軸J1を中心としてロータ部3に向かって上向きに突出する略円筒状のスリーブ取付部216が設けられる。図2に示すように、スリーブユニット22は、シャフト311が挿入される略円筒状のスリーブ221、および、スリーブ221の外周に接着剤等により固定される略円筒状のスリーブハウジング222を備え、スリーブ取付部216に挿入されてベースプレート21に取り付けられる。
スリーブ221は、スリーブハウジング222の内周面との間に僅かな隙間をあけて挿入されており(すなわち、すきまばめされており)、接着剤を介してスリーブハウジング222に固定されている。スリーブ221は多孔質部材であり、粉末状の原材料を型に入れて押し固めることにより加圧成形した後に焼結し、焼結された部材を再度型に入れて圧縮することにより形成される。原材料としては、様々な種類の金属粉末や金属化合物粉末、非金属粉末等(例えば、鉄(Fe)および銅(Cu)の混合粉末、銅およびスズ(Sn)の混合粉末、銅、スズおよび鉛(Pb)の混合粉末、鉄および炭素(C)の混合粉末)が利用される。
スリーブハウジング222の上部には、スリーブユニット22の外周に沿って中心軸J1に対して外側に突出する突起部であるフランジ部224が一体的に形成されている。また、スリーブユニット22の下端側の開口は、略円板状のシールキャップ23により閉塞され、これにより、ベースプレート21のスリーブ取付部216の下側の開口が、スリーブハウジング222およびシールキャップ23により閉塞される。
図5に示すように、ベースプレート21では、スリーブ取付部216の周囲の複数のティース243(図2参照)に対応する領域に、ベースプレート21を上下に貫通する複数(本実施の形態では9つ)の穴部211が形成される。図2に示すように、ベースプレート21に電機子24が取り付けられた状態においては、複数のコイル242のそれぞれの下部が、ベースプレート21の下面よりも下側に突出することなく、ベースプレート21の対応する穴部211に収容される。これにより、ベースプレート21を過剰に薄くすることなく、モータ1の薄型化を実現することができる。
ステータ部2では、コイル242が挿入された穴部211に接着剤が充填されており、コイル242が固定されるとともに穴部211が封止される。また、ベースプレート21は、複数の穴部211をベースプレート21の電機子24が取り付けられる側とは反対側(すなわち、下側)から塞ぐシート状のシール部材212(例えば、フレキシブル回路基板や銘板)を備える。シール部材212は、中心軸J1を中心とする円環状であり、ベースプレート21の下側の主面に粘着剤層(または、接着剤層)を介して貼付される。
次に、モータ1のロータ部3をステータ部2に回転可能に支持する流体動圧を利用した軸受機構について説明する。図2に示すように、モータ1では、ロータハブ31の円板部312の下面とスリーブハウジング222の上側の端面との間、スリーブ221の内周面とシャフト311の外周面との間、スリーブ221の下側の端面とスラストプレート314の上面との間、スラストプレート314の下面とシールキャップ23の上面との間、および、スリーブ221のフランジ部224の外周面とロータハブ31の円筒部313の内周面との間に微小な間隙が設けられる。これらの間隙には潤滑油が連続して充填され、いわゆるフルフィル構造の軸受機構が構成される。
スリーブハウジング222のフランジ部224の外周面は、その外径が下側に向かって漸次減少する傾斜面とされ、フランジ部224の外周面に対向するロータハブ31の円筒部313の内周面の内径は一定とされる。これにより、フランジ部224と円筒部313との間の間隙における潤滑油の界面は、毛管現象および表面張力によりメニスカス状となってテーパシールが形成され、この間隙がオイルバッファとしての役割を果たして潤滑油の流出が防止される。
スリーブハウジング222の上側の端面、および、スリーブ221の下側の端面には、ロータ部3の回転時に潤滑油に対して中心軸J1側に向かう圧力を発生させるための溝(例えば、スパイラル状の溝)が形成されており、これらの端面およびこれらの端面に対向する面によりスラスト動圧軸受部が構成される。
また、シャフト311およびスリーブ221の互いに対向する面には、潤滑油に流体動圧を発生させるための溝(例えば、中心軸J1の向く方向に関して、スリーブ221の内周面の上下に設けられたヘリングボーン溝等)が形成されており、これらの面によりラジアル動圧軸受部が構成される。
モータ1では、流体動圧を利用する軸受機構によりロータ部3を潤滑油を介して非接触にて支持することにより、ロータ部3を高精度、かつ、低騒音にて回転することができる。特に、フルフィル構造の軸受機構では、軸受内部に空気が介在しないため、潤滑油内に発生した気泡に起因するシャフト311とスリーブ221との異常接触や、軸受内部の空気が膨張することによる潤滑油の漏れ等が一層抑制される。また、モータ1では、スリーブ221が粉末状の原材料を加圧成形した多孔質部材とされるため、軸受機構において高い保持力にて潤滑油を保持することができるとともに潤滑油中のパーティクル等の不純物を吸着して潤滑油を清浄に保つことができる。
このように、モータ1では、スリーブユニット22(すなわち、スリーブ221およびスリーブハウジング222)、ロータハブ31並びにシールキャップ23の間の間隙に、流体である潤滑油が充填されており、ロータ部3の回転時には、潤滑油による流体動圧を利用してロータ部3が支持される。そして、ロータ部3が中心軸J1を中心としてステータ部2に対して回転駆動されることより、ロータ部3に取り付けられる記録ディスク62(図1参照)が回転駆動される。
次に、電機子24の製造およびベースプレート21への取り付けについて説明する。電機子24が製造される際には、まず、金型により平板状の珪素鋼板(または、他の種類の電磁鋼板)が打ち抜かれ、図2ないし図4に示す第1コアプレート2411ないし第4コアプレート2414が形成される。このとき、第1コアプレート2411では、各ティース243間のそれぞれの外周部に2つの切欠部2441(図3参照)が形成され、第2コアプレート2412ないし第4コアプレート2414では、各ティース243間のそれぞれの外周部に凹部2443(図4参照)が形成される。
続いて、各コアプレートの複数のティース243に対応する部位の中心軸J1側の端部がプレス加工されて上側に折り曲げられ、また、第1コアプレート2411の2つの切欠部2441の間の部位(すなわち、渡り線係止部2442)がプレス加工されて上側に折り曲げられる。その後、4枚のコアプレートが積層されてカシメやレーザ溶接等により互いに固定され、積層されたコアプレートの表面に電着塗装や粉体塗装等により絶縁性樹脂が塗装されてコア241が形成される。
図6は、電機子24の製造途上の様子を示す平面図である。コア241が形成されると、図6に示すように、巻き線機91(ニードルのみを図示する。)により1つのティース243に導線が2層に巻回されて1つ目のコイル242が形成される。このとき、第1層の導線は各ティース243の中心軸J1側とは反対側から中心軸J1側に向かって巻回され、続けて、第2層の導線が中心軸J1側から外側に向かって巻回される。
1つ目のコイル242が形成されると、コアバック244の上面側において、コイル242からの導線(すなわち、渡り線2421)が図6中における時計回りに導かれ、1つ目のコイル242に隣接する渡り線係止部2442の手前側の切欠部2441に通される。渡り線2421は、渡り線係止部2442の下側(渡り線係止部2442の折り曲げ角度θ(図2参照)が大きい場合には外側ともいえる。)を通ってもう一方の切欠部2441に通され、コアバック244の上面側においてさらに時計回りに導かれる。図6に示すように、渡り線2421は、2つの切欠部2441に通されて渡り線係止部2442に掛けられることにより、コアバック244の外周面よりも内側、かつ、コアバック244の内周面よりも外側にて係止される。
渡り線2421は、時計回りに周方向に隣接して配列される2つの渡り線係止部2442の下側をさらに通り、1つ目のコイル242が形成されたティース243から時計回りに数えて3番目のティース243へと導かれる。そして、当該3番目のティース243に導線が再び巻回されて2つ目のコイル242が形成される。
このように、1つ目のコイル242からの渡り線2421は、コアバック244の上側(すなわち、(+Z)側)において、3つの渡り線係止部2442に係止されることにより、2つのティース243の外側を迂回して2つ目のコイル242に渡される。換言すれば、1つ目のコイル242と2つ目のコイル242とを接続する渡り線2421は、両コイルの間の3つの渡り線係止部2442に引っ掛けられて係止される。これにより、2つのコイル242を接続する渡り線2421は、2つのコイル242の間に挟まれる2つのティース243に対して後から行われる導線の巻回を妨げない。
2つ目のコイル242が形成されると、2つ目のコイル242からの渡り線2421が、3つの渡り線係止部2442に係止されつつ2つ目のコイル242から時計回りに数えて3番目のティース243へと導かれ、3つ目のコイル242が形成される。3つ目のコイル242からの渡り線2421は、必要に応じて渡り線係止部2442に係止されつつ回路基板248(図3参照)へと導かれて回路基板248上の電極に半田により接合される。
次に、まだコイル242が形成されていない6つのティース243のうち、3つおきに配列された3つのティース243に3つのコイル242が順次形成された後、回路基板248に接続される。そして、3つおきに配列された残り3つのティース243にも3つのコイル242が順次形成された後、回路基板248に接続されて電機子24の製造が終了する。このとき、1つのコイル242から次のコイル242へと渡される渡り線2421は、上記と同様に、3つの渡り線係止部2442によりコアバック244の外周面よりも内側、かつ、内周面よりも外側にて係止される。
その後、図2に示すように、コアバック244の外周面をベースプレート21に当接させつつ電機子24がベースプレート21に取り付けられる。このとき、電機子24はベースプレート21に圧入されてもよく、ベースプレート21のコアバック244と当接する部位に予め塗布された接着剤により接着されてもよい。なお、上記電機子24の製造方法およびベースプレート21への取り付け方法は、後述の第2および第3の実施の形態でもほぼ同様である。
以上に説明したように、モータ1のコア241では、コアバック244の互いに隣接する2つのティース243間の部位の外周部に2つの切欠部2441が形成され、2つのコイル242を接続する渡り線2421が、2つの切欠部2441に通されて渡り線係止部2442に引っ掛けられることにより、コアバック244の外周面よりも内側にて係止される。その結果、電機子24をベースプレート21に取り付ける際に、渡り線係止部2442に係止された渡り線2421がベースプレート21との接触等により損傷してしまうことを防止することができる。また、2つの切欠部2441は、コア241の形成工程において容易に形成することができるため、渡り線係止部2442を容易に形成することができる。
コア241の渡り線係止部2442の外側の先端は、コアバック244の外周面よりも内側、または、コアバック244の外周面上に位置するため、中心軸J1を中心とする径方向におけるコア241の小型化を実現することができる。その結果、モータ1の小型化を可能とすることができる。また、電機子24をベースプレート21に取り付ける際に、渡り線係止部2442とベースプレート21との干渉を容易に避けることができるため、ベースプレート21の形状が複雑化することを防止することができる。
コア241では、切欠部2441が形成された部位の内周側に突出部2444が設けられることにより、磁路であるコアバック244の幅が、切欠部2441が形成された部位において部分的に小さくなることが防止される。その結果、コアバック244における磁力線の飽和を防止することができる。
コア241では、渡り線係止部2442が上側に折り曲げられた状態とされることにより、渡り線係止部2442の両側における隙間(切欠部2441)が大きくなっている。そのため、渡り線2421を切欠部2441に容易に通すことができ、渡り線2421の渡り線係止部2442への係止を容易に行うことができる。さらには、渡り線係止部2442が第1コアプレート2411のみに設けられていることにより、渡り線2421を渡り線係止部2442に引っ掛ける際に(すなわち、渡り線2421を渡り線係止部2442の下側に通す際に)、渡り線2421を上下方向に僅かに移動させるだけでよいため、渡り線2421の係止をより容易に行うことができる。
また、第2コアプレート2412ないし第4コアプレート2414に、第1コアプレート2411の渡り線係止部2442(および切欠部2441)に重なる凹部2443が形成されていることにより、渡り線2421を渡り線係止部2442に引っ掛ける際に、巻き線機91を渡り線係止部2442の下側に容易に挿入することができるため、渡り線2421の係止をさらに容易に行うことができる。
コア241では、渡り線係止部2442のコアバック244の上面に対する折り曲げ角度θを90°以下とすることにより、係止された渡り線2421がずれて渡り線係止部2442から脱落することを防止することができる。また、渡り線係止部2442を90°より大きく折り曲げる必要がある場合に比べて渡り線係止部2442を容易に形成することができる。例えば、複数のコアプレートをプレス機内において順に搬送してコア241を形成する場合、順送型内における渡り線係止部2442の折り曲げ処理を容易に行うことができる。
上述のように、渡り線2421の係止を容易に行うという観点からは、渡り線係止部2442は上側に折り曲げられた状態とされることが好ましいが、コア241の更なる薄型化という観点からは、第1コアプレート2411の渡り線係止部2442が上側に折り曲げられることなく(すなわち、(折り曲げ)角度θが0°とされ)、径方向の外側に中心軸J1に対して垂直に伸びていてもよい。
この場合、渡り線2421が渡り線係止部2442の下側を通されるためには、少なくとも第2コアプレート2412に渡り線係止部2442および切欠部2441に重なる凹部2443が設けられることが必要である。そして、凹部2443が第2コアプレート2412に設けられることにより、渡り線2421を渡り線係止部2442に引っ掛ける際に、渡り線2421の係止を容易に行うことができる。このようにモータ1では、角度θは、モータ1に求められる条件に応じて0°以上90°以下とされることが好ましい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るモータについて説明する。図7は、第2の実施の形態に係るモータのコア241aの一部を拡大して示す図である。図7に示すように、コア241aは、図3に示すコア241の渡り線係止部2442とは形状が異なる渡り線係止部2442aを備える。その他の構成は図2ないし図4と同様であり、以下の説明において同符号を付す。
コア241aは、第1の実施の形態と同様に、第1コアプレート2411ないし第4コアプレート2414(図2参照)が積層されることにより形成されており、先端を中心軸J1(図3参照)に向けて中心軸J1を中心に放射状に配置された9つのティース243、および、9つのティース243を外側から支持するリング状のコアバック244を備える(図3参照)。
コア241aでは、第1コアプレート2411において、互いに隣接する2つのティース243間の部位の外周部に2つの切欠部2441が形成されており、第1コアプレート2411の2つの切欠部2441の間の部位が、第1の実施の形態と異なる形状を有する渡り線係止部2442aとなる。図7に示すように、渡り線係止部2442aは、コアバック244の外周面側の先端に中心軸J1を中心とする周方向の両側に伸びる2つの突起部2445を備える。換言すれば、渡り線係止部2442aは、平面視においてT字型である。
渡り線係止部2442aは、コアバック244の互いに隣接する2つのティース243間の部位の全てにおいて、4枚のコアプレートのうち第1コアプレート2411のみに設けられ、第1コアプレート2411に当接する第2コアプレート2412を含めた他の3枚のコアプレートには、切欠部2441(および渡り線係止部2442a)に重なる凹部2443が外周面側から形成されている(図4参照)。
渡り線係止部2442aは、第1の実施の形態と同様に、コアバック244の上面から上側に離れる方向に折り曲げられた形状とされており、渡り線係止部2442aのコアバック244の上面に対する折り曲げ角度は90°以下とされる。また、渡り線係止部2442aの外側(すなわち、コアバック244の外周面側)の先端は、コアバック244の外周面よりも内側、または、外周面上に位置する。コアバック244では、互いに隣接する2つのティース243間の部位の全てにおいて、切欠部2441が形成された部位の内周側に、中心軸J1に向かって突出する突出部2444が形成されている。突出部2444は、第1コアプレート2411ないし第4コアプレート2414に亘って設けられる。
第2の実施の形態に係るモータの電機子の製造では、第1の実施の形態と同様に、1つのコイル242からの渡り線2421(図6参照)がコアバック244の上面において図7中における時計回りに導かれ、渡り線係止部2442aの手前側の切欠部2441に通された後、渡り線係止部2442aの下側を通って反対側の切欠部2441に通されることにより、渡り線係止部2442aに掛けられる。これにより、渡り線2421が、第1の実施の形態と同様に、コアバック244の外周面よりも内側、かつ、コアバック244の内周面よりも外側にて係止される。そして、渡り線2421は、3つの渡り線係止部2442aを経由して次のコイル242が形成されるティース243へと導かれる。
以上に説明したように、第2の実施の形態に係るモータのコア241aでは、第1の実施の形態と同様に、コアバック244に切欠部2441を形成することにより渡り線係止部2442aを容易に形成することができるとともに、渡り線2421が渡り線係止部2442aに引っ掛けられる事によりコアバック244の外周面よりも内側にて係止されるため、電機子24をベースプレート21に取り付ける際に、渡り線係止部2442aに係止された渡り線2421がベースプレート21との接触等により損傷してしまうことを防止することができる。
コア241aでは、特に、渡り線係止部2442aが外側の先端部に周方向に伸びる2つの突起部2445を備えることにより、渡り線係止部2442aへの係止途上等に渡り線2421に対して中心軸J1から離れる方向に引っ張る力が加えられた場合であっても、渡り線2421が突起部2445に引っ掛かるため、渡り線2421の渡り線係止部2442aからの脱落を確実に防止することができる。
コア241aでは、第1の実施の形態と同様に、渡り線係止部2442aの外側の先端がコアバック244の外周面よりも内側、または、外周面上に位置することにより、中心軸J1を中心とする径方向におけるコア241aの小型化を実現することができる。また、突出部2444が設けられることにより、磁路であるコアバック244の幅が部分的に小さくなることが防止され、コアバック244における磁力線の飽和を防止することができる。
コア241aでは、第1の実施の形態と同様に、渡り線係止部2442aが上側に折り曲げられた状態とされることにより、渡り線2421を切欠部2441に容易に通すことができるため、渡り線2421の渡り線係止部2442aへの係止を容易に行うことができる。また、渡り線係止部2442aが第1コアプレート2411のみに設けられていることにより、渡り線2421を渡り線係止部2442aに引っ掛ける際に渡り線2421を上下方向に僅かに移動させるだけでよいため、渡り線2421の係止をより容易に行うことができる。さらには、第2コアプレート2412ないし第4コアプレート2414に形成された凹部2443(図4参照)により、巻き線機91を渡り線係止部2442aの下側に容易に挿入することができるため、渡り線2421の係止をさらに容易に行うことができる。
図8は、他の好ましい渡り線係止部の例を示す平面図である。図8に示すように、コア241bの渡り線係止部2442bは、コアバック244の外周面側の先端に中心軸J1(図3参照)を中心とする周方向の一方側(本実施の形態では、図8中における反時計回り方向)に伸びる突起部2445を備える。換言すれば、渡り線係止部2442bは、平面視においてL字型である。
コア241bにおいて渡り線2421(図6参照)が渡される際には、1つのコイル242からの渡り線2421が、コアバック244の上面において図8中における時計回りに導かれ、渡り線係止部2442bの手前側の切欠部2441に通された後、渡り線係止部2442bの下側を通って反対側の切欠部2441に通されることにより、渡り線係止部2442bに掛けられる。これにより、渡り線2421が、第1の実施の形態と同様に、コアバック244の外周面よりも内側、かつ、コアバック244の内周面よりも外側にて係止される。
コア241bでは、渡り線係止部2442bが外側の先端部に周方向の一方側に伸びる突起部2445を備えることにより、渡り線2421に対してコアバック244の外周側に引っ張られる力が加えられた場合であっても、渡り線2421の渡り線係止部2442bからの脱落を防止することができる。特に、渡り線2421が時計回りに渡される場合(すなわち、渡り線係止部2442bに対して突起部2445が設けられている側の切欠部2441から通されて掛けられる場合)、仮に、渡り線係止部2442bへの係止中に渡り線2421が中心軸J1から離れる方向に引っ張られたとしても、渡り線2421の渡り線係止部2442bからの脱落を確実に防止することができる。
また、コア241bにおいても、第1の実施の形態と同様に、渡り線係止部2442bを容易に形成することができるとともに、渡り線2421が渡り線係止部2442bに引っ掛けられることにより、電機子の取り付けの際に、渡り線係止部2442bに係止された渡り線2421がベースプレート21との接触等により損傷してしまうことを防止することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係るモータについて説明する。図9は、第3の実施の形態に係るモータのコア241cの一部を拡大して示す図である。図9に示すように、コア241cでは、図3に示す切欠部2441に代えて切込部2441aがコアバック244の外周側に設けられ、互いに隣接する2つのティース243間の部位に形成された2つの切込部2441aの間の部位が、2つのコイル242を接続する渡り線2421(図6参照)が掛けられて係止される渡り線係止部2442cとなる。その他の構成は図2ないし図4と同様であり、以下の説明において同符号を付す。
切込部2441aは、第1コアプレート2411ないし第4コアプレート2414(図2参照)が積層されてなるコア241cの第1コアプレート2411の一部を切除することなく、第1コアプレート2411の外周部を、プレス加工等により外周縁から所定の長さだけ切り込むことにより形成される。渡り線係止部2442cは、コアバック244の互いに隣接する2つのティース243間の部位の全てにおいて第1コアプレート2411に設けられる。また、第2コアプレート2412ないし第4コアプレート2414には、渡り線係止部2442cに重なる凹部2443が外周面側から形成されている(図4参照)。
コア241cでは、渡り線係止部2442cがコアバック244の上面から上側に離れる方向に折り曲げられた形状とされており、渡り線係止部2442cのコアバック244の上面に対する折り曲げ角度は90°以下とされる。また、渡り線係止部2442cの外側(すなわち、コアバック244の外周面側)の先端は、コアバック244の外周面よりも内側、または、外周面上に位置する。コアバック244では、互いに隣接する2つのティース243間の部位の全てにおいて、切込部2441aが形成された部位の内周側に、中心軸J1(図3参照)に向かって突出する突出部2444が形成されている。
コア241cにおいて渡り線2421(図6参照)が渡される際には、1つのコイル242からの渡り線2421が、コアバック244の上面において図9中における時計回りに導かれ、渡り線係止部2442cの手前側の切込部2441a(正確には、渡り線係止部2442cが上側に折り曲げられることにより拡大された切込部2441aにおける隙間)に通された後、渡り線係止部2442cの下側を通って反対側の切込部2441aに通されることにより、渡り線係止部2442cに掛けられる。これにより、渡り線2421が、第1の実施の形態と同様に、コアバック244の外周面よりも内側、かつ、コアバック244の内周面よりも外側にて係止される。
コア241cでも、第1の実施の形態と同様に、渡り線係止部2442cを容易に形成することができるとともに、渡り線係止部2442cに係止された渡り線2421がベースプレート21との接触等により損傷してしまうことを防止することができる。
なお、2つの切込部2441aの間の部位である渡り線係止部2442cでも、第2の実施の形態と同様に、コアバック244の外周面側の先端部に中心軸J1を中心とする周方向の一方側または両側に伸びる突起部2445が設けられてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
渡り線2421の外部との接触による損傷を防止するという観点のみからは、図10に示すように、外側の先端がコアバック244の外周面から外側に突出している渡り線係止部2442dが形成されてもよい。
また、図11に示すように、互いに隣接するティース243間において、2つの切欠部2441が大きく離れて第1コアプレート2411に設けられるとともに、渡り線係止部2442eの間の部位2446も渡り線係止部2442eと共に上側に折り曲げられてもよい。図11に示す例では、第2コアプレートないし第4コアプレートのコアバック244(に対応する部位)の内周縁は、第1コアプレート2411のコアバック244(に対応する部位)の内周縁に重なっている。また、第2コアプレートないし第4コアプレートのコアバック244の外周縁は、第1コアプレート2411における渡り線係止部2442eの内周側の端部(すなわち、渡り線係止部2442eの折り曲げ位置)に重なっており、渡り線係止部2442eおよび渡り線係止部2442eの間の部位2446は、第2コアプレートないし第4コアプレートの外周面から外側に突出して形成されている。このように、図11に示す例では、第1コアプレート2411ないし第4コアプレートにおいて、コアバック244の幅が全周に亘って十分に確保されているため、コアバック244における磁力線の飽和を防止するための突出部2444(図3参照)は省略されてよい。なお、渡り線係止部2442eおよび渡り線係止部2442eの間の部位2446が上側に折り曲げられる代わりに、コアバック244全体が、各ティース243の中心軸J1側とは反対側の端部にて上側に折り曲げられて逆円錐面状とされてもよい。
上記実施の形態に係る渡り線係止部は、必ずしも第1コアプレート2411のみに形成される必要はなく、例えば、第1コアプレート2411および第2コアプレート2412に形成されてもよく、第1コアプレート2411ないし第4コアプレート2414に渡って形成されてもよい。また、第2コアプレート2412ないし第4コアプレート2414のいずれか1つ、または、第2コアプレート2412ないし第4コアプレート2414の連続する複数のコアプレートに渡り線係止部が形成されてもよく、この場合、渡り線係止部が形成されたコアプレートの上側(および下側)のコアプレートには、渡り線係止部および切欠部に重なる凹部2443が形成される。
電機子24のコアは、必ずしも4枚のコアプレートが積層されて形成される必要はなく、例えば、2枚のコアプレートが積層されて形成されてもよく、また、1枚の珪素鋼板からなるものであってもよい。コイル242は、必ずしも1つのティース243に1つずつ形成される必要はなく、複数のティース243に跨って1つのコイル242が設けられてもよい(いわゆる、分布巻きにされてもよい。)。
図12に示すように、渡り線2421は、互いに隣接する渡り線係止部2442間で一旦ティース243の下側を通って渡されてもよい。これにより、渡り線2421が各渡り線係止部2442の両側においてコアバック244の内周側に向けて引っ張られるため、渡り線2421の撓みがより抑制されて渡り線係止部2442からの脱落が確実に防止される。
上記実施の形態に係るモータの軸受機構は、例えば、空気を流体とした、いわゆるエア動圧軸受を用いてもよい。また、軸受機構は、必ずしも流体動圧を利用するものである必要はなく、例えば、ボールベアリングであってもよい。
上記実施の形態に係るモータは、ハードディスク装置以外の他の装置(例えば、リムーバブルディスク装置等のディスク駆動装置)の駆動源として利用されてよい。
第1の実施の形態に係る記録ディスク駆動装置の内部構成を示す図である。 モータの構成を示す縦断面図である。 コアを示す平面図である。 第2コアプレートを示す平面図である。 ベースプレートを示す平面図である。 電機子の製造途上の様子を示す平面図である。 第2の実施の形態に係るコアの一部を拡大して示す図である。 渡り線係止部の他の例を示す平面図である。 第3の実施の形態に係るコアの一部を拡大して示す図である。 コアの一部を拡大して示す図である。 コアの一部を拡大して示す図である。 コアを示す平面図である。
符号の説明
1 モータ
2 ステータ部
3 ロータ部
21 ベースプレート
22 スリーブユニット
23 シールキャップ
24 電機子
31 ロータハブ
34 界磁用磁石
241,241a〜241c コア
242 コイル
243 ティース
244 コアバック
2411 第1コアプレート
2412 第2コアプレート
2413 第3コアプレート
2414 第4コアプレート
2421 渡り線
2441 切欠部
2441a 切込部
2442,2442a〜2442e 渡り線係止部
2443 凹部
2444 突出部
2445 突起部
J1 中心軸

Claims (13)

  1. 電動式モータの電機子のコアであって、
    先端を所定の中心軸側に向けて前記中心軸を中心に放射状に配置された複数のティースと、
    前記複数のティースを外側から支持するリング状のコアバックと、
    を備え、
    前記コアバックの互いに隣接する2つのティース間の部位の外周部に2つの切欠部が形成されており、前記コアバックの前記2つの切欠部の間の部位が、2つのコイルを接続する渡り線が前記2つの切欠部に通されて掛けられることにより前記渡り線を前記コアバックの外周面よりも内側にて係止する渡り線係止部であることを特徴とする電機子のコア。
  2. 請求項1に記載の電機子のコアであって、
    前記渡り線係止部が、前記コアバックの渡り線が渡される側の主面から離れる方向に折り曲げられた形状とされ、前記渡り線係止部の前記主面に対する折り曲げ角度が90°以下であることを特徴とする電機子のコア。
  3. 電動式モータの電機子のコアであって、
    先端を所定の中心軸側に向けて前記中心軸を中心に放射状に配置された複数のティースと、
    前記複数のティースを外側から支持するリング状のコアバックと、
    を備え、
    前記コアバックの互いに隣接する2つのティース間の部位の外周部に2つの切込部が外周縁から形成されており、前記コアバックの前記2つの切込部の間の部位が、2つのコイルを接続する渡り線が前記2つの切込部に通されて掛けられることにより前記渡り線を前記コアバックの外周面よりも内側にて係止する渡り線係止部であり、
    前記渡り線係止部が、前記コアバックの渡り線が渡される側の主面から離れる方向に折り曲げられた形状とされ、前記渡り線係止部の前記主面に対する折り曲げ角度が90°以下であることを特徴とする電機子のコア。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の電機子のコアであって、
    前記渡り線係止部の前記外周面側の先端が、前記コアバックの前記外周面よりも内側、または、前記外周面上に位置することを特徴とする電機子のコア。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の電機子のコアであって、
    前記渡り線係止部が、前記外周面側の先端部に前記中心軸を中心とする周方向の一方側に伸びる突起部を備えることを特徴とする電機子のコア。
  6. 請求項5に記載の電機子のコアであって、
    前記渡り線係止部が、前記外周面側の前記先端部に前記中心軸を中心とする周方向の他方側に伸びるもう1つの突起部をさらに備えることを特徴とする電機子のコア。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の電機子のコアであって、
    前記コアバックが、前記渡り線係止部の内周側に前記中心軸に向かって突出する突出部を備えることを特徴とする電機子のコア。
  8. 請求項1に記載の電機子のコアであって、
    前記複数のティースおよび前記コアバックが、前記複数のティースおよび前記コアバックに対応する部位を備える薄板状の複数のコアプレートが積層されることにより形成されており、
    前記渡り線係止部が、前記複数のコアプレートのうち渡り線が渡される側の第1プレートのみに設けられており、前記第1プレートに当接する第2プレートに前記渡り線係止部および前記2つの切欠部に重なる凹部が前記外周面側から形成されていることを特徴とする電機子のコア。
  9. 請求項2または3に記載の電機子のコアであって、
    前記複数のティースおよび前記コアバックが、前記複数のティースおよび前記コアバックに対応する部位を備える薄板状の複数のコアプレートが積層されることにより形成されており、
    前記渡り線係止部が、前記複数のコアプレートのうち渡り線が渡される側の一のプレートのみに設けられることを特徴とする電機子のコア。
  10. 請求項9に記載の電機子のコアであって、
    前記一のプレートに当接する他の一のプレートに前記渡り線係止部に重なる凹部が前記外周面側から形成されていることを特徴とする電機子のコア。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の電機子のコアであって、
    前記コアバックの互いに隣接する2つのティース間の部位の全てに前記渡り線係止部が設けられることを特徴とする電機子のコア。
  12. 電動式モータの電機子であって、
    請求項1ないし11のいずれかに記載のコアと、
    前記コアの前記複数のティースに導線を巻回することにより形成された複数のコイルと、
    前記複数のコイルを接続する渡り線と、
    を備えることを特徴とする電機子。
  13. 電動式のモータであって、
    請求項12に記載の電機子および前記電機子が取り付けられるベース部を有するステータ部と、
    前記電機子との間で前記中心軸を中心とするトルクを発生する界磁用磁石を有するロータ部と、
    前記中心軸を中心に前記ロータ部を前記ステータ部に対して回転可能に支持する軸受機構と、
    を備えることを特徴とするモータ。
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