JP2006304124A - 音源方向確定装置および音源方向確定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
一対のマイクロフォン21a、21bからなる第1のマイクロフォン群21の入力信号、および、第1のマイクロフォン群21に交差するように設ける一対のマイクロフォン22a、22bからなる第2のマイクロフォン群22の入力信号、それぞれを受領してそれぞれのマイクロフォン群の入力信号間の位相差を検出し、
第1のマイクロフォン群21の位相差から音源の方向を求めると共に、第2のマイクロフォン群22の位相差から音源の方向を求め、第1のマイクロフォン群21および第2のマイクロフォン群22がそれぞれ示す4つの方向のうち同一方向を示す方向を音源の方向に決定する。
【選択図】 図1
Description
このような音源からの音の方向を確定することは一般的にはステレオマイクロフォンを用いて行なわれており、ステレオマイクロフォンそれぞれへの入力信号(音圧)の大きさによって算出することが可能である。
そして、このような音圧を発生する音源の方向を確定することは、例えばテレビ会議システムや会議を撮像して中継する際に、複数の参加者から発言者を自動的に特定するのに都合が良く、発言者を特定して撮像装置の撮像方向を自動的に制御することで、発言者と他者とを区別して表示できる等の効果がある。
但し、左右一対のマイクロフォン群による計測では、マイクロフォン群の左右方向を0°から180°とした場合には、第1象限および第2象限内に音源があるか第3象限および第4象限に音源があるかまでは確定不可能であった。また、音源が0°あるいは180°に近付くほど、即ち、マイクロフォン群の設置方向に近付くほど角度変化に対する音源からの音圧の差異が少なく、方向確定の差異の確度を欠くことになった。
従来、インターネットを利用して行われるテレビ会議システムでは、インターネットを利用しての画像データおよび音声データの通信であるため、通信速度による制限等から、撮像画像の画質や画像の表示サイズに一拠点当り1人乃至3人程度で利用できるものしかなかった。従って、会議参加者の表情を捉えにくく発言者の特定が困難となり、的確な意思の伝達が行われにくかった。
そこで、発言者を特定して、該発言者の映像を大きく捉える等して、各会議参加者に対して発言者の意思が的確に伝達できるようにしたものがある。
例えば、『テレビ会議システム及びテレビ会議システムに於けるカメラの制御装置並びにカメラの制御方法』(特開2001−339703、以下、従来例1という。)である。
しかしながら、マイクロフォン100の設置数や位相差から発言者方向を特定する手法についての詳細は開示されていない。
しかし発明者は、上記のような3以上のマイクロフォンを用いる場合、一般的に普及しているパーソナルコンピュータを用いて各マイクロフォンから入力された音声を処理するに際しては、該コンピュータが標準的に備えているモノラルマイクロフォン入力およびステレオライン入力を用いて行うと、モノラルマイクロフォン入力とステレオライン入力とからの入力信号はサウンドボード上で合成処理されてしまうので、これら入力を用いて3つのマイクロフォンからの入力を独立処理することができないことを知見した。
更に発明者は、上記知見に基づき、一般的に利用されているパーソナルコンピュータに標準的に備えられているインターフェースで独立して利用可能なユニバーサルシリアルバス(以下、USBと略する)を利用することを思いつき、複数のマイクロフォンからの入力をUSB変換アダプタによって一旦USBの仕様に変換してUSBポートからパーソナルコンピュータへ入力させ処理させた。しかしながら、複数のマイクロフォンから同時に入力した音声信号をパーソナルコンピュータに入力し、位相を実測してみたところ、同時に入力されているにも拘らず、マイクロフォン間で平均780μsecの位相が生じていることを知見した。この誤差は、上記従来例のような位相差の検出によれば、話者の位置認識結果として数度から数十度のずれとして表れてしまい、正確な話者位置の検出が困難であることを知見した。これらの誤差は、パーソナルコンピュータのオペレーションシステムが各USBデバイスからの信号を処理する際に生ずる時間差や個々のUSBデバイスが持つ個体差などによるものと思われる。
また、マイクロフォン117Aおよびマイクロフォン117Bに加えてマイクロフォン117Cおよびマイクロフォン117Dを付加し、方向および距離の算出を行うことが可能であり且つより精度の高い方向の算出が可能となるが、やはり360°全周に亙って方向を決定することが出来ないという問題点を有した。
更にまた、2つのマイクロフォンの延長線上に近い角度、即ち、0°あるいは180°の近辺では、僅かな角度差では入力信号の位相差が小さくなり0°あるいは180°近辺では話者の方向に誤差が生じ、これに比し、90°近辺では角度差が僅かでも位相差が大きいので90°近辺では話者の方位が比較的正確となるので、0°から180°の範囲で均質な方位の確定が出来ないという問題点を有した。
一方発明者は、パーソナルコンピュータに標準的に装備されているステレオライン入力のそれぞれでは左右それぞれの入力信号の処理に遅延誤差を生じないことを知見した。更に、音声入力をサウンドデバイスと呼ばれるステレオタイプのサウンドカードを用いて位相差の検出を試みた時には、該サウンドカードに入力される左右各マイクロフォンからの音声信号の入力に遅延等の誤差を生じないことを知見した。従って、パーソナルコンピュータに標準的に装備されているステレオライン入力の左右それぞれのチャンネル間、および、サウンドカードの左右それぞれのチャンネル間では、入力される信号処理の遅延誤差を生じないことに注目した。
第1のマイクロフォン群に交差するように設ける一対のマイクロフォンからなる第2のマイクロフォン群と、
第1のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出すると共に、第2のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出する位相差検出手段と、
位相差検出手段から入力した第1のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求めると共に、第2のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求め、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群がそれぞれ示す4つの方向のうち同一方向を示す方向を音源の方向に決定する方向決定手段とからなり、
第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群から検出した位相差によって音源の方向を360°方向に亙って検出可能なことを特徴とする音源方向確定装置、
すると、位相差検出手段では、第1のマイクロフォン群の一対のマイクロフォンに入力された音源からの音声信号入力による位相差を検出すると共に、第2のマイクロフォン群の一対のマイクロフォンに入力された音源からの音声信号入力による位相差を検出する。
検出された位相差は、方向決定手段に入力される。方向決定手段では、第1のマイクロフォン群の位相差から第1のマイクロフォン群に対する音源の方向を決定する。この場合に決定される方向は、第1のマイクロフォン群の方向を軸とした場合、軸の両側に音源の方向が決定される。即ち、音源の方向の候補が該軸の両側に存在する。
同様に、方向決定手段では、第2のマイクロフォン群の位相差から第2のマイクロフォン群に対する音源の方向を決定する。この場合に決定される方向は、第2のマイクロフォン群の方向を軸とした場合、第1のマイクロフォン群同様に、軸の両側に音源の方向が決定される。即ち、音源の方向の候補が該軸の両側に存在する。
方向決定手段では、第1のマイクロフォン群の位相差から求める2方向と、第2のマイクロフォン群の位相差から求める2方向とから、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群の位相差から求めた同一の方向となる方向を音源の方向と決定する。従って、決定された方向に、例えばビデオカメラの位置制御装置によってビデオカメラを回動させれば、発言者が音源であればビデオカメラによって該発言者を撮像することができる。
またこの発明では、音源の方向の確度を良くするため、
第1のマイクロフォン群に交差するように設ける一対のマイクロフォンからなる第2のマイクロフォン群と、
第1のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出すると共に、第2のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出する位相差検出手段と、
位相差検出手段から入力した第1のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求めると共に、第2のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求め、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群がそれぞれ示す4つの方向のうち同一方向を示す方向を音源の方向とし、第1のマイクロフォン群の位相差および第2のマイクロフォン群の位相差のうち位相差の小さなマイクロフォン群の位相差によって求まる方向を音源の方向に決定する方向決定手段とからなり、
第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群から検出した位相差によって音源の方向を360°方向に亙って検出可能なことを特徴とする音源方向確定装置、
すると、位相差検出手段では、第1のマイクロフォン群の一対のマイクロフォンに入力された音源からの音声信号入力による位相差を検出すると共に、第2のマイクロフォン群の一対のマイクロフォンに入力された音源からの音声信号入力による位相差を検出する。
検出された位相差は、方向決定手段に入力される。方向決定手段では、第1のマイクロフォン群の位相差から第1のマイクロフォン群に対する音源の方向を決定する。この場合に決定される方向は、第1のマイクロフォン群の方向を軸とした場合、軸の両側に音源の方向が決定される。即ち、音源の方向の候補が該軸の両側に存在する。
同様に、方向決定手段では、第2のマイクロフォン群の位相差から第2のマイクロフォン群に対する音源の方向を決定する。この場合に決定される方向は、第2のマイクロフォン群の方向を軸とした場合、第1のマイクロフォン群同様に、軸の両側に音源の方向が決定される。即ち、音源の方向の候補が該軸の両側に存在する。
方向決定手段では、第1のマイクロフォン群の位相差から求める2方向と、第2のマイクロフォン群の位相差から求める2方向とから、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群の位相差から求めた同一の方向となる方向を求める。そして、一対のマイクロフォンの設置方向に近いほど、角度変化(音源の方向の変化)に対する位相差の変化が少ないので、言い換えれば、一対のマイクロフォンによる音声信号の位相差が大きいほど方向決定時に誤差が多くなるので、位相差の少なかった方のマイクロフォン群によって求めた方向を音源の方向と決定する。従って、決定された音源の方向は、より確度の高いデータに基づいた音源方向の決定が出来る。
更にこの発明では、音源の方向を決定する際に、更に確度を高くするため、
第1のマイクロフォン群に交差するように設ける一対のマイクロフォンからなる第2のマイクロフォン群と、
第1のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出すると共に、第2のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出する位相差検出手段と、
位相差検出手段から入力した第1のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求めると共に、第2のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求め、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群がそれぞれ示す4つの方向のうち同一方向を示す方向を音源の方向とし、位相差が予め定める閾値以内であれば、両マイクロフォン群の位相差を採用して音源の方向を決定し、位相差が予め定める閾値を越えている場合には、位相差が該閾値を越えていない方のマイクロフォン群から求まる方向を音源の方向に決定する方向決定手段とからなり、
第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群から検出した位相差によって音源の方向を360°方向に亙って検出可能なことを特徴とする音源方向確定装置、
そして、上記各マイクロフォン群はパーソナルコンピュータに標準的に装備されているステレオライン入力あるいは標準的に用いられているステレオタイプのサウンドカードを用いて位相差を求める処理を行うことで、各マイクロフォン群での位相差に誤差を生じずに処理可能である。
更にこの発明では、
第1のマイクロフォン群に交差するように設ける一対のマイクロフォンからなる第2のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出し、
検出した第1のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求めると共に、検出した第2のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求め、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群がそれぞれ示す4つの方向のうち同一方向を示す方向を音源の方向に決定することで、音源の方向を360°方向に亙って検出可能なことを特徴とする音源方向確定方法、
一対のマイクロフォンからなる第1のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出し、
第1のマイクロフォン群に交差するように設ける一対のマイクロフォンからなる第2のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出し、
検出した第1のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求めると共に、検出した第2のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求め、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群がそれぞれ示す4つの方向のうち同一方向を示す方向を音源の方向とし、第1のマイクロフォン群の位相差および第2のマイクロフォン群の位相差のうち位相差の小さなマイクロフォン群の位相差によって求まる方向を音源の方向に決定することで、音源の方向を360°方向に亙って検出可能なことを特徴とする音源方向確定方法、
一対のマイクロフォンからなる第1のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出し、
第1のマイクロフォン群に交差するように設ける一対のマイクロフォンからなる第2のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出し、
検出した第1のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求めると共に、検出した第2のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求め、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群がそれぞれ示す4つの方向のうち同一方向を示す方向を音源の方向とし、位相差が予め定める閾値以内であれば、両マイクロフォン群の位相差を採用して音源の方向を決定し、位相差が予め定める閾値を越えている場合には、位相差が該閾値を越えていない方のマイクロフォン群から求まる方向を音源の方向に決定することを特徴とする音源方向確定方法、
一方、パーソナルコンピュータには2枚のサウンドカードを設置し、サウンドカードからの出力信号をパーソナルコンピュータの中央演算装置(CPU、以下単にCPUと表す。)で処理可能にさせる。サウンドカードは、マイクロフォンアレイから入力する音声信号をパーソナルコンピュータで処理可能な音声データに変換可能であり、左右一対の入力を持ってそれぞれの入力信号をパーソナルコンピュータのCPUで処理させる。
パーソナルコンピュータは、サウンドカードによって変換された音声データを受領可能なインターフェースを備えると共に、パーソナルコンピュータが標準的に備えるメモリ、バッファ、CPU、キーボードやマウス等の入出力手段を備え、各手段によってサウンドカードが変換した音声データを信号処理可能である。
更に、パーソナルコンピュータでは、CPU、バッファ、メモリを初めとする各手段が、位相差検出手段が検出した第1のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求めると共に、第2のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を検出し、各マイクロフォン群から検出された4つの方向のうち、両マイクロフォン群の同一象限に表れる音源の方向を選択する方向決定手段を構成する。
そして、第1のマイクロフォン群21が入力されるマイクロフォンミキサー3では、マイクロフォン21aおよびマイクロフォン21bの音量を揃える調整が行われる。即ち、第1のマイクロフォン群21の中心(第1のマイクロフォン群21および第2のマイクロフォン群22の交点位置)に音源があり音声信号が発生した場合に、マイクロフォン21aおよびマイクロフォン21bの入力音量が同じになるように調整してある。同様に第2のマイクロフォン群22が入力されるマイクロフォンミキサー3でも、マイクロフォン22aおよびマイクロフォン22bの入力音量が同じになるように調整してある。尚、望ましくは、各マイクロフォン21a、21b、22a、22bの各マイクロフォンの入力音が同じになるように調整する。
サウンドカード41は、左右2チャンネルの音声信号を入力してパーソナルコンピュータ4でデジタル処理可能とするサウンドデバイスであり、第1のマイクロフォン群21および第2のマイクロフォン群22で使用する4本のマイクロフォン21a、21b、22a、22bからの信号を処理するので、2枚のサウンドカード41aおよび41bとから構成する。そして、第1のサウンドカード41aには、第1のマイクロフォン群21のマイクロフォン21aおよびマイクロフォン21bからの音声信号をマイクロフォンミキサー3を介して入力し、第2のサウンドカード41bには、第2のマイクロフォン群22のマイクロフォン22aおよびマイクロフォン22bからの音声信号をマイクロフォンミキサー3を介して入力する。そして、サウンドカード41でアナログ音声信号がデジタル音声信号に変換され、パーソナルコンピュータ4による音声処理が可能になる。
図4から判るとおり、音源からの距離が遠くなるほどに信号の振幅は減衰してゆく。しかしながらその波形には略相似形を成し、それぞれの波形のピーク点S3も同波形中の同じ位置に存在している。また、ピーク時の存在する箇所は、音源Sから遠いマイクロフォン21bの方がマイクロフォン21aに比べ若干遅れて検出されている。この到達時間の差が位相差である。
従って、図6に表す例では、移動サンプリング数Nが22でありサンプリング周波数が音楽データなどに採用される44.1kHzであるとすれば、その遅延時間は約0.000499秒として求められる。
そして、上記のような位相差の算出を、第2のマイクロフォン群22のマイクロフォン22aおよびマイクロフォン22bにおいても同様に行う。
このような位相差の算出を位相差検出手段42では、0.05秒毎に行いその都度位相差を求める。従って、第1のマイクロフォン群21および第2のマイクロフォン群22における位相差はそれぞれ0.05秒毎に算出されて出力する。勿論必ずしも0.05秒毎に行う必要はなく、求める位相差の品質によってサンプリング周波数やサンプリングする時間も適宜設定すれば足りる。
即ち、発明者は会議室においてマイクロフォン21a等で得られる音声波形を高速フーリエ変換等によって周波数解析を行う等して周波数の特性を考察した結果、90Hz乃至3500Hzが人間の声の周波数として取扱う周波数帯域であることを知見した。そして、このうち低域の周波数帯域では電源ノイズの存在を知見し、更に会議中にめくる紙の発生する紙ノイズは高域の周波数帯域の成分として発生している音を知見したので、位相差を求める際に使用する周波数帯域を300Hz乃至2500Hz程度にすると、良好な位相差の検出が可能であるので、該帯域以外の周波数成分を除去して行う。ただし、これら周波数成分の除去も必ずしも行わなければならないものではなく、低域の周波数帯域のみあるいは高域の周波数帯域のみ等を除去する、あるいは除去を行わない等適宜処理すれば足りる。
方向決定手段43が行う方向決定の原理は図7の原理による。
即ち、図7は第1のマイクロフォン群21のマイクロフォン21aおよびマイクロフォン21bに入力される音声信号の方向決定の原理を表しており、マイクロフォン21aおよびマイクロフォン21b間の距離をd、音源からの音波をS0とする。
そこで方向決定手段43では、位相差検出手段42から入力した第1のマイクロフォン群21の位相差である遅延時間によって方向θsを検出する。検出された音源の方向θsのは、図5に表すように、第1のマイクロフォン群21および第2のマイクロフォン群22によって区切られる領域M1乃至領域M4のうち領域M1および領域M2のいずれかの方向θ1である。これは、音源Sが領域M2に存在していたとしても、図8に表す式からは角度のみが決定できることに起因している。
そこで、方向決定手段43では、第1のマイクロフォン群21の位相差によって検出されたθ1が0°乃至90°、90°乃至180°のいずれであるかと、第2のマイクロフォン群22の位相差によって検出されたθ2が90°乃至180°、180°乃至270°のいずれであるかとにより組合わせ、同一の領域に現れた方向、図5に表す例では領域M2に現れた方向に音源があることを求める。
音源方向出力装置44は、音源の方向θsをビデオカメラ制御装置5に制御させる方向指示信号に変換して出力可能である。
更にパーソナルコンピュータ4には、音声出力装置45を備える。音声出力装置45は、サウンドカード41の入力した音声信号を増幅して出力する装置であり、パーソナルコンピュータ4に備えるインターフェース(図示せず)を介してスピーカシステム8と接続され、音声信号を出力してスピーカシステム8から発言者の音声を出力させる。
従って、ビデオカメラ制御装置5では、音源の方向θsを撮像するので、発言者の映像を撮像可能である。
更にビデオカメラ制御装置5は、撮像した映像信号を映像通信用PC6へ出力可能に接続され、撮像した映像を映像通信用PC6へ出力する。
このビデオカメラ制御装置5は、360°全域に回転させて撮像するための装置としては高価となってしまうので、ビデオカメラ制御装置5を複数のビデオカメラおよび所定角度回動可能な回転制御装置とから構成させ、予めテレビ会議室の撮像範囲を割当てて決めておき、音源方向出力装置44の出力する音源の方向θsによって撮像するカメラ映像を切替えて撮像させるように構成してもよい。また、音源の方向θsによって撮像するカメラを切替える信号を音源方向出力装置44が出力するように構成してもよい。
上記実施例では、マイクロフォンアレイ2を第1のマイクロフォン群21および第2のマイクロフォン群22の2対のマイクロフォン群から構成した例を説明したが、マイクロフォン群は必ずしも2対である必要はなく、精度を向上させる目的でその数を増やしても構わない。マイクロフォン群を3対(マイクロフォン数を6)とし、サウンドカードを3枚とした場合には、それぞれのマイクロフォン対の中心を一致させ、かつ、各マイクロフォン対がそれぞれ60度の角度をなすように配置する。そして、3対のマイクロフォン対によって得られた音声入力信号の位相差が、最も小さいマイクロフォン対の位相差を採用するように構成する。
また、上記実施例においては、0.05秒間に入力された音声信号のピーク値に着目した処理を行っているが、この音声信号分割時間は0.05秒に限らず、装置の性能等によっては更に小さく分割した時間あるいは大きく分割した時間を用いても良い。
2 マイクロフォンアレイ
21 第1のマイクロフォン群
22 第2のマイクロフォン群
3 マイクロフォンミキサー
4 パーソナルコンピュータ
41 サウンドカード
41a 第1のサウンドカード
41b 第2のサウンドカード
42 位相差検出手段
43 方向決定手段
44 音源方向出力装置
45 音声出力装置
5 ビデオカメラ制御装置
6 映像通信用PC
7 ディスプレイ装置
Claims (6)
- 一対のマイクロフォンからなる第1のマイクロフォン群と、
第1のマイクロフォン群に交差するように設ける一対のマイクロフォンからなる第2のマイクロフォン群と、
第1のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出すると共に、第2のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出する位相差検出手段と、
位相差検出手段から入力した第1のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求めると共に、第2のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求め、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群がそれぞれ示す4つの方向のうち同一方向を示す方向を音源の方向に決定する方向決定手段とからなり、
第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群から検出した位相差によって音源の方向を360°方向に亙って検出可能なことを特徴とする音源方向確定装置。 - 一対のマイクロフォンからなる第1のマイクロフォン群と、
第1のマイクロフォン群に交差するように設ける一対のマイクロフォンからなる第2のマイクロフォン群と、
第1のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出すると共に、第2のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出する位相差検出手段と、
位相差検出手段から入力した第1のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求めると共に、第2のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求め、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群がそれぞれ示す4つの方向のうち同一方向を示す方向を音源の方向とし、第1のマイクロフォン群の位相差および第2のマイクロフォン群の位相差のうち位相差の小さなマイクロフォン群の位相差によって求まる方向を音源の方向に決定する方向決定手段とからなり、
第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群から検出した位相差によって音源の方向を360°方向に亙って検出可能なことを特徴とする音源方向確定装置。 - 一対のマイクロフォンからなる第1のマイクロフォン群と、
第1のマイクロフォン群に交差するように設ける一対のマイクロフォンからなる第2のマイクロフォン群と、
第1のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出すると共に、第2のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出する位相差検出手段と、
位相差検出手段から入力した第1のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求めると共に、第2のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求め、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群がそれぞれ示す4つの方向のうち同一方向を示す方向を音源の方向とし、位相差が予め定める閾値以内であれば、両マイクロフォン群の位相差を採用して音源の方向を決定し、位相差が予め定める閾値を越えている場合には、位相差が該閾値を越えていない方のマイクロフォン群から求まる方向を音源の方向に決定する方向決定手段とからなり、
第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群から検出した位相差によって音源の方向を360°方向に亙って検出可能なことを特徴とする音源方向確定装置。 - 一対のマイクロフォンからなる第1のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出し、
第1のマイクロフォン群に交差するように設ける一対のマイクロフォンからなる第2のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出し、
検出した第1のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求めると共に、検出した第2のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求め、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群がそれぞれ示す4つの方向のうち同一方向を示す方向を音源の方向に決定することで、音源の方向を360°方向に亙って検出可能なことを特徴とする音源方向確定方法。 - 一対のマイクロフォンからなる第1のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出し、
第1のマイクロフォン群に交差するように設ける一対のマイクロフォンからなる第2のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出し、
検出した第1のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求めると共に、検出した第2のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求め、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群がそれぞれ示す4つの方向のうち同一方向を示す方向を音源の方向とし、第1のマイクロフォン群の位相差および第2のマイクロフォン群の位相差のうち位相差の小さなマイクロフォン群の位相差によって求まる方向を音源の方向に決定することで、音源の方向を360°方向に亙って検出可能なことを特徴とする音源方向確定方法。 - 一対のマイクロフォンからなる第1のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出し、
第1のマイクロフォン群に交差するように設ける一対のマイクロフォンからなる第2のマイクロフォン群の入力信号を受領してそれぞれのマイクロフォン入力信号間の位相差を検出し、
検出した第1のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求めると共に、検出した第2のマイクロフォン群の位相差から音源の方向を求め、第1のマイクロフォン群および第2のマイクロフォン群がそれぞれ示す4つの方向のうち同一方向を示す方向を音源の方向とし、位相差が予め定める閾値以内であれば、両マイクロフォン群の位相差を採用して音源の方向を決定し、位相差が予め定める閾値を越えている場合には、位相差が該閾値を越えていない方のマイクロフォン群から求まる方向を音源の方向に決定することを特徴とする音源方向確定方法。
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