JP2006301588A - 反射スクリーン、及び、反射スクリーンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】裏面側における幅より映像源側における幅が広い略楔形状であってスクリーン面に沿って多数並べて形成された単位プリズム形状12と、裏面側に形成され、単位プリズム形状12を通過した映像光を反射する反射層13と、単位プリズム形状12の間に形成された光吸収部とを設ける。
【選択図】図1
Description
さらに、上述した従来の反射スクリーンでは、その製造工程が複雑になり、結果として製造コストが高くなるという問題があった。
しかし、特許文献4に記載の反射スクリーンでは、断面が鋸歯状のスクリーン面に反射面と光吸収面とを明確に分けて製造する必要があるが、鋸歯状の山の一方を反射面とし、他方を光吸収面として作り分けることは、困難であって、製造単価が高くなってしまうという問題があった。
請求項1の発明は、映像源(L)から投影された映像光を反射させて観察可能にする反射スクリーンであって、スクリーン面に対して直交する断面において、光を透過可能な光透過部(12,22)と、光を吸収する光吸収部(14,24)と、を備え、前記光透過部と前記光吸収部とが、スクリーン面に沿って交互に形成されており、少なくとも前記光透過部の裏面側には、前記光透過部を通過した前記映像光を反射する反射層(13,23)を備える反射スクリーンである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、前記光吸収部(14,24)は、前記単位プリズム形状(12,22)を形成する材料の屈折率よりも屈折率が低いこと、を特徴とする反射スクリーン(10,20)である。
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、前記光吸収部(14,24)は、光を吸収する微小ビーズを含むこと、を特徴とする反射スクリーン(10,20)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の反射スクリーンにおいて、前記光吸収部は、前記単位プリズム形状を形成する材料の屈折率よりも屈折率が低い樹脂に前記微小ビーズを混練することにより形成されていること、を特徴とする反射スクリーンである。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射層(13,23)は、前記光透過部又は前記単位プリズム形状(12,22)の略楔形状の頂部に対応する部分にのみに形成されていること、を特徴とする反射スクリーン(10,20)である。
請求項7の発明は、請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記単位プリズム形状(22)は、その並ぶ方向において非対称な第1のプリズム面(22a)及び第2のプリズム面(22b)を有していること、を特徴とする反射スクリーン(20)である。
請求項8の発明は、請求項7に記載の反射スクリーンにおいて、前記第1のプリズム面(22a)は、1種類の面により形成されており、前記第2のプリズム面(22b)は、少なくとも2種類の面(22b−1,22b−2)により形成されていること、を特徴とする反射スクリーンである。
請求項9の発明は、請求項7又は請求項8に記載の反射スクリーンにおいて、前記第1のプリズム面(22a)は、1つの平面により形成されており、前記第2のプリズム面(22b)は、裏面に近い位置に形成された第1の平面(22b−1)と、前記第1の平面よりも映像源側に形成された第2の平面(22b−2)との2種類の平面を有しており、前記第1の平面は、前記第1のプリズム面と対称な平面により形成されており、前記第2の平面がスクリーン面の法線と成す角度(15°)は、前記第1の平面がスクリーン面の法線と成す角度(5°)よりも大きいこと、を特徴とする反射スクリーン(20)である。
請求項10の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記光透過部(82)と前記光吸収部(84)との境界面がスクリーン面に対する法線となす角度をθとすると、5°≦θ≦15°の関係を満たすこと、を特徴とする反射スクリーン(80)である。
請求項11の発明は、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、映像源側の表面には、アンチグレア処理、反射防止処理(15,25)、帯電防止処理、ハードコート処理、防汚処理の少なくとも一つの処理が施されていること、を特徴とする反射スクリーン(10,20)である。
請求項13の発明は、請求項12に記載の反射スクリーンにおいて、前記正反射防止層(35,45,55,65)によるヘイズ値は、25%以上、かつ、90%以下の範囲内にあること、を特徴とする反射スクリーン(30,40,50,60)である。
請求項14の発明は、請求項12又は請求項13に記載の反射スクリーンにおいて、前記正反射防止層(35,45,55,65)は、表面に微細凹凸形状が形成されており、前記微細凹凸形状により正反射する成分を低減させること、を特徴とする反射スクリーン(30,40,50,60)である。
請求項15の発明は、請求項14に記載の反射スクリーンにおいて、前記正反射防止層は、多数の微小ビーズと、前記微小ビーズを固着するバインダと、を有しており、前記微小ビーズが固着されている部分は、前記微小ビーズが固着されずに前記バインダのみとなっている部分よりも映像源側へ突出して前記微細凹凸形状が形成されていること、を特徴とする反射スクリーンである。
請求項16の発明は、請求項14又は請求項15に記載の反射スクリーンにおいて、前記微細凹凸形状には、スクリーン面と平行となる平坦面が実質的に形成されていないこと、を特徴とする反射スクリーン(30,40,50,60)である。
請求項17の発明は、請求項12又は請求項13に記載の反射スクリーンにおいて、前記正反射防止層は、微小な単位レンズ形状を一次元、又は、2次元方向に配列したレンズアレイが形成されており、前記レンズアレイにより正反射する成分を低減させること、を特徴とする反射スクリーンである。
請求項18の発明は、請求項17に記載の反射スクリーンにおいて、前記レンズアレイは、単位レンズ形状を一次元方向に配列して形成されたレンチキュラーレンズアレイであって、前記単位レンズ形状が同一断面形状で延在する方向は、前記光透過部及び前記光吸収部が同一断面形状で延在する方向と略直交していること、を特徴とする反射スクリーンである。
請求項19の発明は、請求項17に記載の反射スクリーンにおいて、前記レンズアレイは、単位レンズ形状を二次元方向に配列して形成されたマイクロレンズアレイであって、前記単位レンズ形状をスクリーンの法線方向から観察したときの長手方向は、前記光透過部及び前記光吸収部が同一断面形状で延在する方向と略直交していること、を特徴とする反射スクリーンである。
請求項20の発明は、請求項12から請求項19までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記正反射防止層のさらに映像源側には、帯電防止処理、ハードコート処理、防汚処理の少なくとも一つの処理が前記正反射防止層の表面形状に沿って施されており、前記正反射防止層の正反射する成分を低減させる機能を保ったまま帯電防止、ハードコート、防汚の機能を有していること、を特徴とする反射スクリーンである。
請求項21の発明は、請求項1から請求項20までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射層(13,23,33,43,53,63)は、反射率が40%以上であること、を特徴とする反射スクリーン(10,20,30,40,50,60)である。
請求項22の発明は、請求項1から請求項21までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射層(13,23,33,43,53,63)は、拡散反射率Rdが10%以上、かつ、70%以下の範囲内であること、を特徴とする反射スクリーンである。
請求項23の発明は、請求項22に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射層(53,63)は、その表面に表面拡散処理が施されていることにより前記拡散反射率Rdを前記所定の範囲内としていること、を特徴とする反射スクリーン(50,60)である。
請求項24の発明は、請求項23に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射層(53,63)は、方向により拡散作用の強度が異なること、を特徴とする反射スクリーン(50,60)である。
請求項25の発明は、請求項24に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射層(53,63)は、スクリーンの使用状態における垂直方向よりも水平方向の拡散作用が強いこと、を特徴とする反射スクリーン(50,60)である。
請求項26の発明は、請求項1から請求項25までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射層は、拡散反射率Rdの異なる複数の領域(73a,73b)を組み合わせて形成されていること、を特徴とする反射スクリーン(70)である。
請求項27の発明は、請求項1から請求項26までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、透過する光を特定の方向についてのみ強く拡散させる異形拡散層(48)を設けたこと、を特徴とする反射スクリーン(40)である。
請求項28の発明は、請求項27に記載の反射スクリーンにおいて、前記異形拡散層(48)が透過した光を強く拡散させる方向は、前記光透過部(42)及び前記光吸収部(44)が同一断面形状で延在する方向と一致していること、を特徴とする反射スクリーン(40)である。
請求項29の発明は、請求項1から請求項28までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射層(33,43)は、高反射率の反射フィルム、又は、反射板(33,43)により形成されており、前記反射フィルム、又は、前記反射板は、前記光透過部(32,42)及び前記光吸収部(34,44)に対して接着層(37,47)、又は、粘着層を用いて積層されていること、を特徴とする反射スクリーン(30,40)である。
請求項30の発明は、請求項29に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射フィルム又は前記反射板(33,43)と前記光透過部(32,42)及び前記光吸収部(34,44)との間隔(t)は、前記光透過部の前記反射層側の幅(A)の1/2以下であること、を特徴とする反射スクリーン(30,40)である。
請求項31の発明は、請求項29又は請求項30に記載の反射スクリーンにおいて、前記接着層、又は、前記粘着層には、光拡散材が混入されていること、を特徴とする反射スクリーンである。
請求項33の発明は、請求項1から請求項32までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、映像源側の表面には、紫外線吸収作用を有した紫外線吸収層(85)が設けられていること、を特徴とする反射スクリーン(80)である。
請求項35の発明は、請求項2から請求項34までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記単位プリズム形状が並ぶ方向と直交する方向に並ぶ第2の単位プリズム形状が前記単位プリズム形状よりもさらに映像源側に形成されていること、を特徴とする反射スクリーンである。
請求項37の発明は、請求項2から請求項34までのいずれか1項に記載の反射スクリーンの製造方法であって、前記単位プリズム形状(12,22)を樹脂により賦型する単位プリズム形状賦型工程と、形成された前記単位プリズム形状の間に前記光吸収部(14,24)を形成する光吸収部形成工程と、前記光吸収部を形成した後に前記反射層(13,23)を形成する反射層形成工程と、を備える反射スクリーンの製造方法である。
請求項38の発明は、請求項36又は請求項37に記載の反射スクリーンの製造方法において、前記光吸収部形成工程は、ワイピングにより前記光吸収部(14,24)を形成する材料を前記単位プリズム形状(12,22)の間に充填すること、を特徴とする反射スクリーンの製造方法である。
(1)光を透過可能な光透過部と、光を吸収する光吸収部と、を備え、前記光透過部と前記光吸収部とが、スクリーン面に沿って交互に形成されており、前記光透過部を通過した前記映像光を反射する反射層を備えるので、不要な外光を吸収し、コントラストの高い映像を表示することができる。
本実施例における反射スクリーン10は、映像光を投影するプロジェクター光学エンジン部(映像源)Lをスクリーン10の中心に対して下方に設置し、映像光を上方斜めに投射させる配置とし、環境光の殆どがスクリーンの上方からスクリーンに入射することを考慮して開発されたスクリーンである。そして、下方からの映像光は、効率よく観察者側へ反射し、上方からの不要光は、選択的に後述の光吸収部により吸収させることで、非常にコントラストの高いフロントプロジェクタ用反射スクリーンとしたものである。
図1には、スクリーンの使用状態における垂直方向断面を示している。反射スクリーン10は、ベース部11,単位プリズム形状12,反射層13,光吸収部14,前面処理層15,裏面保護層16等を備えている。
本実施例における反射層13は、単位プリズム形状12の頂部に高反射のシルバー色塗料を塗布して形成されており、使用塗料としての反射率は、全光線反射率としてRt=約62.7%、拡散反射率Rd=39.1%である。
なお、反射層13を形成するシルバー色塗料としては、上述の他に、例えば、Rt=約68.9%、Rd=56.8%の塗料等、各種反射率の塗料を選択して使用すればよい。
(単位プリズム形状賦型工程)
まず、電離放射線硬化性樹脂をベース部11上に塗布して、型を当てつけた状態において電離放射線を照射して硬化させることにより単位プリズム形状12を賦型する。この単位プリズム形状賦型工程に使用する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線、及び、電子線硬化性の樹脂、アクリレート、エポキシアクリレート、シリコンアクリレート、シロキサン等の多官能単量体を主成分とする光架橋型のものを用いるのがよい。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエネルギ量子を有するものを意味し、通常、紫外線、電子線が用いられる。
なお、単位プリズム形状12の形成は、電離放射線硬化による形成ではなく、アクリル樹脂、ペット(ポリエチレンテレフタレート)樹脂などを用いた熱溶融押出し成型により行ってもよい。
単位プリズム形状12を形成した後、単位プリズム形状12の楔形状の頂部に反射層13をグラビアリバースコートにより形成した。本実施例における反射層13のシルバー色塗料の膜厚は約20μmとして塗装した。この厚みに塗装することにより、上述した反射率を得ることができる。
単位プリズム形状12の頂部が突出しているので、光吸収部14を形成する予定の谷部分にシルバー色塗料が付着することを防ぎながら、反射層13をこの頂部のみに形成することが容易に行える。
なお、反射層13の形成方法としては、この他に、スプレー塗装、スクリーン印刷、コンマコート、インクジェットによる塗布、蒸着(アルミニウム、銀、クロムなど、反射率の高い金属を用いることが望ましい)等を用いることができる。
また、反射層13の形成に用いる塗料としては、シルバー色塗料以外にも、塗装後の表面がマット状となるつや消しの白色系の塗料、塗装後の表面の写りこみの大きい(テカリの強い)グロス白系の塗料、銀色系(メタリック)の塗料、パール系塗料、マイカ(雲母)やビーズを適宜混入させた塗料を使用してもよい。これらを適宜使い分けることにより、観察領域や輝度、光源の映り込み防止効果等を制御することができる。
反射層形成工程に続いて、黒色ビーズを反射層13の形成された裏面側の全面に散布した。そして、単位プリズム形状12の間に満遍なく充填させるために、スキージング(ワイピング)を行った。なお、黒色ビーズの直径は、1〜10μm程度が望ましい。それよりも小さいとスキージングによるかきとりが難しくなり、10μmを越えると単位プリズム形状12の隙間への充填が困難となり、充填不足となるからである。この光吸収部形成工程により外光を十分に遮断することができる光吸収部14が得られた。
反射層13を既に必要な部分である単位プリズム形状12の頂部のみに形成しているので、光吸収部14は、裏面全体に付着してしまっていてもよく、この光吸収部形成工程を簡単に行うことができる。
なお、本実施例では、スキージングを行ったので、図1に示すように黒色ビーズは、単位プリズム形状12の間の谷部分にのみ形成されている形態となっているが、反射層13の上(裏面側表面)が黒色ビーズにより覆われていてもよい。
光吸収部14を形成した後に、この裏面の全面を覆う形で、紫外線硬化樹脂を滴下して覆い、紫外線を照射して硬化させて裏面保護層16を形成した。
(前面処理層形成工程)
最後に、前面側の最表面に前面処理層15を形成した。本実施例では、反射防止処理の施されている反射防止シートをラミネート加工することにより、前面処理層15とした。
以上の各工程を行うことにより、反射スクリーン10を得た。
そして、単位プリズム形状12と光吸収部14との境界面で全反射した映像光は、反射層13に到達して反射され、その後さらに全反射するなどして観察可能な光線として観察者方向へ戻される。
反射スクリーン10に実際に映像光を投影すると、投影画像については高い反射率を有し、外光については十分に吸収することができた。
このように、本実施例によれば、コントラストが高く、高輝度であって映り込みのない画像を得ることができ、また、この反射スクリーン10は、上述したように容易に製造することができる。
実施例2は、実施例1における単位プリズム形状12の形状を改良して単位プリズム形状22とした例である。したがって、前述した実施例1と同様の機能を果たす部分には、末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図3は、単位プリズム形状22の具体的な形状を示す図である。
単位プリズム形状22は、その並ぶ方向(使用状態における上下方向)において非対称な形状となっており、上方に位置する第1のプリズム面22aと、下方に位置する第2のプリズム面22bを有している。
第2のプリズム面22bは、裏面に近い位置に形成された第1の平面22b−1と、第1の平面22b−1よりも映像源側に形成された第2の平面22b−2との2種類の平面を有している。
第1の平面22b−1は、第1のプリズム面22aと対称な平面の一部により形成されており、スクリーン面に対する法線との成す角度が5°である。
第2の平面22b−2がスクリーン面の法線と成す角度は、15°であり、第1の平面22b−1がスクリーン面の法線と成す角度よりも大きくなっている。
また、単位プリズム形状22は、頂部の幅が40μmであり、谷底から頂部までの高さが200μm、前面側の幅が100μmとなっている。
図5は、実施例2における反射スクリーン20に対して入射角度10度で下方から映像光が投影された場合を示す図である。
図6は、実施例2における反射スクリーン20に対して入射角度30度で上方から外光が到達した場合を示す図である。
なお、図4〜図6では、簡単のためにベース部21は別層として示さず、また、前面処理層25を省略している。
下方からの映像光は、適度に拡散されながら観察方向へ反射されている(図4,5)のに対して、上方からの外光については、その大部分が吸収されて出射しないことが分かる(図6)。
図7は、実施例2における反射スクリーン20の反射率の角度依存性の評価結果である。
図7において、横軸の+側は、スクリーン上方からの入射光に対する反射率を示し、−側は、スクリーン下方からの入射光に対する反射率を示している。通常のフロント投影プロジェクターの投影角度は、スクリーン下端付近で入射角度0°近傍であり、上端において入射角度−30°程度である。図7のグラフにおいて、この映像光の入射角度範囲に相当するのは、横軸の−30°〜0°の範囲であり、その範囲で高反射率を維持していることが明らかである。一方、主に上方から差し込む外光は、図7のグラフにおいて、横軸中+側が相当する。この外光の入射角度に相当する範囲では、およそ上方からの20°を越える角度の光に対しては、反射率10%未満であり、外光遮断の特性が十分発揮されている。
図9は、実施例3における反射スクリーン30を示した断面図である。
反射スクリーン30は、ベース部31,単位プリズム形状32,反射層33,光吸収部34,正反射防止層35,接着層37等を備えている。
ベース部31,単位プリズム形状32,光吸収部34については、実施例2におけるベース部21,単位プリズム形状22と同様であるので、詳細な説明は省略する。
反射層33は、高反射率(Rt=70.6%,Rd=60.8%)のアルミニウム板であって、紫外線硬化型の接着剤により形成された接着層37により単位プリズム形状32及び光吸収部34の裏面側に接着固定されている。このような構成とするために、あらかじめ単位プリズム形状32の間に光吸収部34を形成しておき、その後に反射層33を透過性の高い接着層37により接着する。なお、接着層37の代わりに粘着層を用いることもできる。
また、反射層33となるアルミニウム板と単位プリズム形状32及び光吸収部34との間隔、すなわち、接着層37の厚さtは、単位プリズム形状32の反射層33側(裏面側)の幅(図9中の幅A)の1/2以下であることが望ましい。間隔がこれ以上離れてしまうと、反射層33により反射した後に再び単位プリズム形状32へ入射させるべき反射光の多くが光吸収部34へ入射してしまい、スクリーンとしての反射効率が著しく低下してしまうからである。
(1)プロジェクター光源エンジン部が反射スクリーン最表面に映り込んで観察されてしまうことを防止する。
(2)反射スクリーンに投影された画像の観察可能な角度を広げる。
ここで、上記(1)の機能については、層内部に拡散材を混入させたタイプの拡散層(拡散フィルム)を用いたのでは、達成することができない。この機能を達成するためには、表面に微細な凹凸形状を有していることが必要である。そして、この微細凹凸形状による光の拡散度に応じて映像源の映り込み防止効果の程度を調節することができる。拡散の度合いが少なすぎると映り込みを抑えきれないが、かといって拡散度合いを強くしすぎるとスクリーンが白みがかって観察されてしまう。そこで、拡散度の異なる多数の拡散フィルムを評価したところ、正反射防止層35のヘイズ値としては、ヘイズ値25%以上、90%以下の範囲とすると、白みがかってしまうことなく映り込みを効果的に防止することができることが判った。
ただし、ヘイズ値が上記範囲にあったとしても、表面の形状によっては、上記(1)の機能を達成できない場合があった。
図10(a)のようにスクリーン面と平行となる平坦面が多数存在していると、その平坦面において正反射する成分が多数存在することから、映像源の映り込みが発生してしまう。一方、仮に、図10(a)と図10(b)とがヘイズ値としては同じ値を示すとしても、図10(b)のように、スクリーン面と平行となる平坦面が実質的に形成されておらず、全面が凹凸形状に覆われていることが上記(1)の映像源の映り込みを防止するために望ましい。なお、スクリーン面と並行ではないとしても、同一の方向を向いた平坦面が多数存在していても、特定の方向から観察すると映像源の映り込みが生じる恐れがあるので、平坦面ができる限りすくないことがより望ましい。
図12は、実施例4における反射スクリーン40を示した断面図である。
反射スクリーン40は、ベース部41,単位プリズム形状42,反射層43,光吸収部44,正反射防止層45,接着層47,異形拡散層48等を備えている。
ベース部41,単位プリズム形状42,反射層43,光吸収部44,正反射防止層45,接着層47については、実施例3における単位プリズム形状32,反射層33,光吸収部34,正反射防止層35,接着層37と同様であるので、詳細な説明は省略する。
異形拡散層48は、ベース部41と正反射防止層45との間に不図示の接着剤により貼り付けられており、略5μmの干渉縞パターンが凹凸形状として記録されているホログラフィックディフューザであり、透過する光を特定の方向についてのみ強く拡散する作用を有している。本実施例の異形拡散層48は、水平方向のヘイズ値≒70%、垂直方向のヘイズ値≒35%となるようにして配置されている。
本実施例によれば、異形拡散層48を設けたので、単位プリズム形状42による垂直方法の制御に加えて、水平方向についても光の拡散を適度に制御することができ、視域をより広くすることができる。
図14は、実施例5における反射スクリーン50を示した断面図である。
反射スクリーン50は、ベース部51,単位プリズム形状52,反射層53,光吸収部54,正反射防止層45等を備えている。
ベース部51,単位プリズム形状52,光吸収部54,正反射防止層55については、実施例3における単位プリズム形状32,光吸収部34,正反射防止層35と同様であるので、詳細な説明は省略する。
本実施例によれば、水平方向の視域を広げ、どのような位置からも観やすい反射スクリーンとすることができる。
図16は、実施例6における反射スクリーン60を示した断面図である。
反射スクリーン60は、ベース部61,単位プリズム形状62,反射層63,光吸収部64,正反射防止層65,レンチキュラーレンズ層69等を備えている。
ベース部61,単位プリズム形状62,反射層63,光吸収部64,正反射防止層65については、実施例5における単位プリズム形状52,反射層53,光吸収部54,正反射防止層55と同様であるので、詳細な説明は省略する。
レンチキュラーレンズ層69を形成した後に、実施例5と同様にして反射層63を形成した。
本実施例によれば、レンチキュラーレンズ形状とすることにより、水平方向の拡散作用をより細かく制御することができる。
実施例7における反射スクリーン70は、実施例1における反射層13を改良した反射層73を用いている他は、実施例1と同様な形態である。従って、前述した実施例1と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
反射層73は、正反射層73aと拡散反射層73bとを組み合わせて形成されている。
正反射層73aは、拡散反射率Rd(73a)が拡散反射層73bの拡散反射率Rd(73b)よりも小さな反射層であり、反射層を形成する前に光吸収部14を形成し、その後に、スクリーン印刷で、部分的に(例えば、図17に示すようなドット状、又は、網目状)に印刷して形成された層である。
拡散反射層73bは、上述のように、拡散反射率Rd(73b)が正反射層73aの拡散反射率Rd(73a)よりも高い層であり、正反射層73aを形成した後に全面に印刷形成される層である。
このように拡散反射率Rdの異なる複数の領域を組み合わせて反射層を形成したので、これら各領域の占める面積比率を変更することにより、正反射の強い反射光と拡散反射の強い反射光との割合を適宜設定することができる。よって、正面のピーク輝度と、観察角度分布の割合を任意に制御することができる。
実施例8は、実施例1における単位プリズム形状12を改良して単位プリズム形状82とし、また、反射層の形態を変更した例である。したがって、前述した実施例1と同様の機能を果たす部分には、末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
なお、単位プリズム形状82の裏面を形成している台形の頂部である上底面82cの幅をwtとする。
本実施例では、屈折率1.56である紫外線硬化型樹脂をベース基材部81に滴下して金型を当て、紫外線を照射して硬化させることにより形成されている。
なお、単位プリズム形状82は、紫外線硬化による形成ではなく、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等を用いた熱溶融押し出し成型により行ってもよい。
なお、光吸収部84の裏面を形成している略二等辺三角形の底辺部84aの幅をwaとする。
なお、反射層83の形成方法としては、スプレー塗装、グラビアリバースコート、スクリーン印刷、インクジェット方式による塗布、蒸着(アルミニウム、銀、クロム等、反射率の高い金属を用いることが望ましい)等の形成方法を用いることができる。
1/4≦wt/wa≦2・・・式(1)
また、単位プリズム形状82と光吸収部84との境界面である斜面82a,82bがスクリーン面に対する法線となす角度θについて、以下の関係式を満足する形状となるように、単位プリズム形状82及び光吸収部84が形成されている。
5°≦θ≦15°・・・式(2)
具体例1の反射スクリーンは、wt=13μm,wa=52μm(wt/wa=1/4),θ=9°となるように、単位プリズム形状82及び光吸収部84が形成されている。
具体例2の反射スクリーンは、wt=22μm,wa=43μm(wt/wa≒1/2),θ=9°となるように、単位プリズム形状82及び光吸収部84が形成されている。
具体例3の反射スクリーンは、wt=32.5μm,wa=32.5μm(wt/wa=1),θ=9°となるように、単位プリズム形状82及び光吸収部84が形成されている。
具体例4の反射スクリーンは、wt=43.3μm,wa=21.7μm(wt/wa≒2),θ=9°となるように、単位プリズム形状82及び光吸収部84が形成されている。
具体例5の反射スクリーンは、wt=26μm,wa=39μm(wt/wa=2/3),θ=5°となるように、単位プリズム形状82及び光吸収部84が形成されている。
具体例6の反射スクリーンは、wt=26μm,wa=39μm(wt/wa=2/3),θ=12°となるように、単位プリズム形状82及び光吸収部84が形成されている。
具体例7の反射スクリーンは、wt=26μm,wa=39μm(wt/wa=2/3),θ=15°となるように、単位プリズム形状82及び光吸収部84が形成されている。
比較例1の反射スクリーンは、wt=26μm,wa=156μm(wt/wa=1/6),θ=9°となるように、単位プリズム形状82及び光吸収部84が形成されている。
比較例2の反射スクリーンは、wt=57μm,wa=8μm(wt/wa=57/8),θ=9°となるように、単位プリズム形状82及び光吸収部84が形成されている。
比較例3の反射スクリーンは、wt=26μm,wa=39μm(wt/wa=2/3),θ=3°となるように、単位プリズム形状82及び光吸収部84が形成されている。
比較例4の反射スクリーンは、wt=26μm,wa=39μm(wt/wa=2/3),θ=20°となるように、単位プリズム形状82及び光吸収部84が形成されている。
コントラストの評価は、各反射スクリーンに映像源Lから光を投射し、輝度計を用いて各反射スクリーンの輝度を測定した。
ここで、コントラストとは、映像源Lが白を再現する光を投射したときの反射スクリーンの輝度と、映像源Lが黒を再現する光を投射したときの反射スクリーンの輝度との比である。この比が大きいほど、コントラストは高く、鮮明な画像となり、この比が低いほど、コントラストは低く、画像は白っぽくなり、不鮮明なものとなる。
映像源Lは、具体例1〜具体例4、比較例1,比較例2の反射スクリーンのスクリーン面から、水平方向に230cm離れた位置に固定され、光束は、各反射スクリーンの中央より15cm下方となる位置(位置Pとする)に対して水平に投射される。なお、本測定に使用した映像源Lは、EMPTW200H(セイコーエプソン株式会社製)であり、投射する光束は、1500lmである。
測定は、床面からの高さが100cmでの照明(外光源)による明るさ(照度)が1000lxである明室環境下で行われ、床面から天井までの距離は300cmである。
ここで、ゲインとは、完全拡散面を有した反射拡散板と比較したときの各反射スクリーンの相対輝度であり、このゲインが高いほど、明るい映像を観察可能となる。
ゲインの測定条件は、上述したコントラストの測定条件と略等しい条件で行った。ただし、コントラストの測定は、明室環境下(1200lx)で行ったのに対して、ゲインの測定は、暗室環境下(1lx)で行った。この条件で、各反射スクリーンに加えて、完全拡散面を有した反射拡散板の輝度を測定し、ゲインを算出した。
なお、コントラスト及びゲインについては、コントラストが9以上、ゲインが1.5以上であれば、十分に高品位な映像を得ることができる。また、ゲインが1.7以上あれば、さらに明るく高品位な映像とできる。
そして、より高いコントラスト及びゲインを得るためには、wt/waは、以下の関係式を満足するとよいことが具体例2,具体例3の結果から分かる。
1/2≦wt/wa≦1・・・式(3)
そして、より高いコントラストを得るためには、θは、以下の関係式を満足するとよいことが具体例3,具体例5,具体例6の結果から分かる。
5°≦θ≦12°・・・式(4)
また、本実施例によれば、紫外線吸収層85を形成したので、紫外線の影響による反射スクリーンの黄変を防止できる。
単位プリズム形状及び光吸収部を備えた本発明の反射スクリーンは、先にも述べたように、外光の影響を排除し、明室環境下においても、高いコントラストで明るい映像を表示可能である。したがって、明るい環境下で使用される場合も多くなり、明るい環境下に常設される場合も想定される。そのような場合であっても、紫外線吸収層85を形成したことにより、黄変が生じることなく、長期間にわたって製造当初の外観を維持できる。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)各実施例において、単位プリズム形状は、平面を組み合わせた形状である例を示したが、これに限らず、例えば、その一部又は全てが曲面を組み合わせた形状となっていてもよい。また、単位プリズム形状とせずに、裏面側及び映像源側の幅が等しい単なる光透過部であってもよい。
また、この場合において、単位レンズ形状を一次元方向に配列して形成されたレンチキュラーレンズアレイを用いて、単位レンズ形状が同一断面形状で延在する方向を光透過部及び光吸収部が同一断面形状で延在する方向と略直交するようにして、視域の制御も合わせて行うようにしてもよい。
さらに、上記場合において、単位レンズ形状を二次元方向に配列して形成されたマイクロレンズアレイを用いたときには、単位レンズ形状をスクリーンの法線方向から観察したときの長手方向が光透過部及び光吸収部が同一断面形状で延在する方向と略直交するようにして、視域の制御も合わせて行うようにしてもよい。
また、紫外線吸収作用を有したフィルム等をベース部等に貼り合わせるときに使用する接着剤にも紫外線吸収剤を含めてもよい。
11,21,31,41,51,61 ベース部
12,22,32,42,52,62 単位プリズム形状
22a,32a,42a,52a,62a 第1のプリズム面
22b,32b,42b,52b,62b 第2のプリズム面
22b−1 第1の平面
22b−2 第2の平面
13,23,33,43,53,63 反射層
14,24,34,44,54,64 光吸収部
15,25 前面処理層
35,45,55,65 正反射防止層
16,26 裏面保護層
37,47 接着層
48 異形拡散層
69 レンチキュラーレンズ層
Claims (38)
- 映像源から投影された映像光を反射させて観察可能にする反射スクリーンであって、
スクリーン面に対して直交する断面において、
光を透過可能な光透過部と、
光を吸収する光吸収部と、
を備え、
前記光透過部と前記光吸収部とが、スクリーン面に沿って交互に形成されており、
少なくとも前記光透過部の裏面側には、前記光透過部を通過した前記映像光を反射する反射層を備える反射スクリーン。 - 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
前記光透過部は、スクリーン面に対して直交する断面において、裏面側における幅より前記映像源側における幅が広い略楔形状であってスクリーン面に沿って多数並べて形成された単位プリズム形状であること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
前記光吸収部は、前記単位プリズム形状を形成する材料の屈折率よりも屈折率が低いこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
前記光吸収部は、光を吸収する微小ビーズを含むこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項4に記載の反射スクリーンにおいて、
前記光吸収部は、前記単位プリズム形状を形成する材料の屈折率よりも屈折率が低い樹脂に前記微小ビーズを混練することにより形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、前記光透過部又は前記単位プリズム形状の略楔形状の頂部に対応する部分にのみに形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記単位プリズム形状は、その並ぶ方向において非対称な第1のプリズム面及び第2のプリズム面を有していること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項7に記載の反射スクリーンにおいて、
前記第1のプリズム面は、1種類の面により形成されており、
前記第2のプリズム面は、少なくとも2種類の面により形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項7又は請求項8に記載の反射スクリーンにおいて、
前記第1のプリズム面は、1つの平面により形成されており、
前記第2のプリズム面は、裏面に近い位置に形成された第1の平面と、前記第1の平面よりも映像源側に形成された第2の平面との2種類の平面を有しており、
前記第1の平面は、前記第1のプリズム面と対称な平面により形成されており、
前記第2の平面がスクリーン面の法線と成す角度は、前記第1の平面がスクリーン面の法線と成す角度よりも大きいこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記光透過部と前記光吸収部との境界面がスクリーン面に対する法線となす角度をθとすると、
5°≦θ≦15°
の関係を満たすこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
映像源側の表面には、アンチグレア処理、反射防止処理、帯電防止処理、ハードコート処理、防汚処理の少なくとも一つの処理が施されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
映像源側の表面には、正反射する成分を低減させる正反射防止層が形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項12に記載の反射スクリーンにおいて、
前記正反射防止層によるヘイズ値は、25%以上、かつ、90%以下の範囲内にあること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項12又は請求項13に記載の反射スクリーンにおいて、
前記正反射防止層は、表面に微細凹凸形状が形成されており、前記微細凹凸形状により正反射する成分を低減させること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項14に記載の反射スクリーンにおいて、
前記正反射防止層は、多数の微小ビーズと、前記微小ビーズを固着するバインダと、を有しており、
前記微小ビーズが固着されている部分は、前記微小ビーズが固着されずに前記バインダのみとなっている部分よりも映像源側へ突出して前記微細凹凸形状が形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項14又は請求項15に記載の反射スクリーンにおいて、
前記微細凹凸形状には、スクリーン面と平行となる平坦面が実質的に形成されていないこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項12又は請求項13に記載の反射スクリーンにおいて、
前記正反射防止層は、微小な単位レンズ形状を一次元、又は、2次元方向に配列したレンズアレイが形成されており、前記レンズアレイにより正反射する成分を低減させること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項17に記載の反射スクリーンにおいて、
前記レンズアレイは、単位レンズ形状を一次元方向に配列して形成されたレンチキュラーレンズアレイであって、
前記単位レンズ形状が同一断面形状で延在する方向は、前記光透過部及び前記光吸収部が同一断面形状で延在する方向と略直交していること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項17に記載の反射スクリーンにおいて、
前記レンズアレイは、単位レンズ形状を二次元方向に配列して形成されたマイクロレンズアレイであって、
前記単位レンズ形状をスクリーンの法線方向から観察したときの長手方向は、前記光透過部及び前記光吸収部が同一断面形状で延在する方向と略直交していること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項12から請求項19までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記正反射防止層のさらに映像源側には、帯電防止処理、ハードコート処理、防汚処理の少なくとも一つの処理が前記正反射防止層の表面形状に沿って施されており、
前記正反射防止層の正反射する成分を低減させる機能を保ったまま帯電防止、ハードコート、防汚の機能を有していること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項20までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、反射率が40%以上であること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項21までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、拡散反射率Rdが10%以上、かつ、70%以下の範囲内であること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項22に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、その表面に表面拡散処理が施されていることにより前記拡散反射率Rdを前記所定の範囲内としていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項23に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、方向により拡散作用の強度が異なること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項24に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、スクリーンの使用状態における垂直方向よりも水平方向の拡散作用が強いこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項25までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、拡散反射率Rdの異なる複数の領域を組み合わせて形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項26までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
透過する光を特定の方向についてのみ強く拡散させる異形拡散層を設けたこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項27に記載の反射スクリーンにおいて、
前記異形拡散層が透過した光を強く拡散させる方向は、前記光透過部及び前記光吸収部が同一断面形状で延在する方向と一致していること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項28までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、高反射率の反射フィルム、又は、反射板により形成されており、
前記反射フィルム、又は、前記反射板は、前記光透過部及び前記光吸収部に対して接着層、又は、粘着層を用いて積層されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項29に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射フィルム又は前記反射板と前記光透過部及び前記光吸収部との間隔は、前記光透過部の前記反射層側の幅の1/2以下であること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項29又は請求項30に記載の反射スクリーンにおいて、
前記接着層、又は、前記粘着層には、光拡散材が混入されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項31までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
スクリーン面に対して直交する断面での前記光透過部の裏面側の幅をwtとし、前記光吸収部の裏面側の幅をwaとすると、
1/4≦wt/wa≦2
の関係を満たすこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項32までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
映像源側の表面には、紫外線吸収作用を有した紫外線吸収層が設けられていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項33までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
不使用時には、巻き上げることが可能であること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項2から請求項34までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記単位プリズム形状が並ぶ方向と直交する方向に並ぶ第2の単位プリズム形状が前記単位プリズム形状よりもさらに映像源側に形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項2から請求項34までのいずれか1項に記載の反射スクリーンの製造方法であって、
前記単位プリズム形状を樹脂により賦型する単位プリズム形状賦型工程と、
形成された前記単位プリズム形状の略楔形状の頂部に対応する部分にのみ前記反射層を形成する反射層形成工程と、
前記反射層を形成した後に、前記光吸収部を形成する光吸収部形成工程と、
を備える反射スクリーンの製造方法。 - 請求項2から請求項34までのいずれか1項に記載の反射スクリーンの製造方法であって、
前記単位プリズム形状を樹脂により賦型する単位プリズム形状賦型工程と、
形成された前記単位プリズム形状の間に前記光吸収部を形成する光吸収部形成工程と、
前記光吸収部を形成した後に前記反射層を形成する反射層形成工程と、
を備える反射スクリーンの製造方法。 - 請求項36又は請求項37に記載の反射スクリーンの製造方法において、
前記光吸収部形成工程は、ワイピングにより前記光吸収部を形成する材料を前記単位プリズム形状の間に充填すること、
を特徴とする反射スクリーンの製造方法。
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