JP2006301177A - トナー用樹脂組成物およびトナー - Google Patents

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純也 中村
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秀幸 藤井
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Abstract

【課題】 低温定着性、耐高温オフセット性、粉砕性、およびワックス分散性の全ての要求性能を満足するトナーを提供する。
【解決手段】 分岐構造を持つ脂肪酸エステルを含有するビニル重合体組成物(A)とポリエステル重合体(B)とを含有するトナー用樹脂組成物、およびこのトナー用樹脂組成物を含有するトナー。特に、ビニル重合体組成物(A)が、分岐構造を持つ脂肪酸エステルの存在下でビニル系単量体を懸濁重合して得られたものであることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において、静電荷像または磁気潜像の現像に用いられるトナー用樹脂組成物およびそれを用いたトナーに関するものである。
電子写真法とは、例えば、現像工程において、感光体上に静電荷像を形成し、トナーを現像剤として付着させ、さらにトナーを紙等のシートへ転移させ、定着させる方法等である。
トナーをシート等へ定着させる方法としては、例えば、加熱されたローラーまたはフィルム等を用いた加熱圧着方式があり、トナーが付着したシートを回転しているローラーに接触、通過させて、熱、圧力によりトナーをシートに融着させることができる。この加熱圧着方式による定着方法では、トナーに用いた結着樹脂に応じて定着ローラー温度を適切に設定する必要がある。定着ローラー温度が低過ぎるまたは高過ぎると、トナーがシートから剥離しローラー面に転移するようになり、汚染されたローラー面は次に接触するシートを汚染することがあり、この現象をオフセットという。
近年、複写機、プリンターの要求性能は高度化しており、特に、消費電力低減、カラー化、高速印刷化、高画質化、ランニングコスト低減が重要である。
消費電力低減のため定着ローラー温度を低くする場合、トナーにはより低温での定着性が必要になる。またカラー化する場合、シート上のトナー層が多重になるので、定着ローラー近傍のトナー層とシート近傍のトナー層との間で温度差が生じ易くなるため、トナーにはより広い定着温度幅が必要になる。印刷速度を高速化する場合もまた、シートの定着ユニット通過時間が短くなりトナー層内の温度分布が大きくなるため、トナーにはより広い定着温度幅が必要になる。すなわち、低温定着性と同時に耐高温オフセット性が必要になる。
高画質化のためトナーを小粒径化する場合、トナー製造時の粉砕工程時間が長くなり生産性が低下するため、トナーには粉砕性の向上が必要になる。
またランニングコスト低減のためには、例えばトナー中のワックス成分の分散性を向上させることによりトナーカートリッジ内でのトナーのブレードおよびキャリアへの付着を低減させることが有効であることが知られている。
このように、複写機、プリンターの消費電力低減、カラー化、高速印刷化、ランニングコスト低減の要求に対応するため、トナーの低温定着性、耐高温オフセット性、粉砕性、ワックス分散性の向上が必要である。
トナー用結着樹脂としては、従来、ポリエステル重合体またはビニル重合体(スチレン−アクリル重合体)等が用いられている。一般に、ポリエステル重合体は低温定着性に優れるが、耐高温オフセット性に劣る。耐高温オフセット性を改良するためポリエステル重合体の分子量を高くすると、低温定着性および粉砕性が低下してしまう。そこで、ポリエステル重合体の欠点を補うため、ポリエステル重合体とスチレン−アクリル重合体等のビニル重合体とを混合して用いる試みがなされている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、ポリエステル重合体を結着樹脂とするトナーにおいて、結着樹脂として、2種以上のポリエステル樹脂を含有することによって、低温定着性と耐高温オフセット性を発現させ、さらに結着樹脂中の30〜20%をスチレン−アクリル重合体とすることによって、良好な粉砕性を有するトナーを得ることができることが記載されている。しかしながら、ここに記載されているトナーは、低温定着性、耐高温オフセット性、粉砕性に優れるものの、ワックス分散性は不良であり、トナー組成によっては、トナー中に、大きさ10μm以上のワックスの凝集物がみられる場合があり、ワックス分散性には改良の余地があった。
特開2000−356865号公報
本発明の目的は、低温定着性、耐高温オフセット性、粉砕性、およびワックス分散性の全ての要求性能を満たすことにある。
本発明は、分岐構造を持つ脂肪酸エステルを含有するビニル重合体組成物(A)とポリエステル重合体(B)とを含有するトナー用樹脂組成物、およびこのトナー用樹脂組成物を含有するトナーに関するものである。
本発明のトナーは、低温定着性、耐高温オフセット性、粉砕性、ワックス分散性の全ての要求性能を満たすことができる。
この明細書において、「重合体」には、単独重合体のほか、共重合体も含まれる。また、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートもしくはアクリレートを意味する。
本発明のトナー用樹脂組成物は、分岐構造を持つ脂肪酸エステルを含有するビニル重合体組成物(A)とポリエステル重合体(B)とを含有する。ポリエステル重合体(B)とビニル重合体組成物(A)とを含有することによって、トナーの粉砕性および耐高温オフセット性が向上する。
ビニル重合体組成物(A)は、ビニル重合体と分岐構造を持つ脂肪酸エステルとからなる。ビニル重合体組成物(A)が、分岐構造を持つ脂肪酸エステルを含有することによって、トナーの低温定着性およびワックス分散性が発現する。ここでいうワックス分散性とは、分岐構造を持つ脂肪酸エステル自身がワックスとしての作用を奏するため、分岐構造を持つ脂肪酸エステルの分散性のことであり、また、トナー製造時に、ワックスを外添した場合には、分岐構造を持つ脂肪酸エステルワックスおよび外添したワックスの分散性のことである。
分岐構造を持つ脂肪酸エステルとは、1価の脂肪酸と3価以上の多価アルコールとを反応させて得られるエステルのことである。
1価の脂肪酸としては、特に制限されないが、炭素数が12〜24の脂肪酸が好ましい。この炭素数の下限値は18以上がより好ましく、20以上が特に好ましい。また、この炭素数の上限値は22以下が特に好ましい。これは、炭素数が12以下の場合、脂肪酸エステルの融点が低くなり、得られるトナーの耐久性が不足する傾向となるためであり、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸が挙げられる。
3価以上の多価アルコールとしては、特に制限されないが、炭素数が3〜10の多価アルコールが好ましい。この炭素数の下限値は、4以上が特に好ましい。また、この炭素数の上限値は、8以下が好ましく、6以下が特に好ましい。例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールが挙げられる。
これら分岐構造を持つ脂肪酸エステルの中では、トリメチロールプロパン脂肪酸モノエステル、トリメチロールプロパン脂肪酸ジエステル、トリメチロールプロパン脂肪酸フルエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸モノエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸ジエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸フルエステルが、融点の点から好ましい。中でも、ペンタエリスリトール脂肪酸モノエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸ジエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸フルエステルがより好ましく、ペンタエリスリトール脂肪酸フルエステルが特に好ましい。
分岐構造を持つ脂肪酸エステルの融点は、70〜90℃の範囲が好ましい。
この融点が70℃以上の場合に、トナー同士が融着せず、保存安定性が良好となる傾向にあり、また、90℃以下の場合に低温定着性が発現する傾向にある。この融点の下限値は、75℃以上であることが好ましく、80℃以上であることが特に好ましい。
ビニル重合体組成物(A)に含まれる分岐構造を持つ脂肪酸エステルの含有量は、特に限定されないが、ビニル重合体100質量部に対して、5〜100質量部の範囲が好ましい。この含有量が5質量部以上の場合に、トナー粉砕性と耐高温オフセット性が良好となる傾向にあり、また、100質量部以下の場合に、トナー用樹脂組成物の製造安定性が向上する傾向にある。この含有量の下限値は10質量部以上がより好ましく、20質量部以上が特に好ましい。また、この含有量の上限値は90質量部以下がより好ましく、80重量部以下が特に好ましい。
ビニル重合体と分岐構造を持つ脂肪酸エステルとからなるビニル重合体組成物(A)を製造する方法については、特に制限されず、一旦、ビニル重合体を重合した後に、分岐構造を持つ脂肪酸エステルを混合することによって製造することもできるし、分岐構造を持つ脂肪酸エステルの存在下でビニル系単量体を重合することによって製造することもできる。
一旦、ビニル重合体を重合した後に、分岐構造を持つ脂肪酸エステルを混合する方法としては、例えば、ビニル重合体と分岐構造を持つ脂肪酸エステルとを溶融混練してビニル重合体組成物(A)を製造する方法や、ビニル重合体を溶剤に溶解させた溶液または溶液重合によって得られたビニル重合体の溶液に分岐構造を持つ脂肪酸エステルを添加して均一溶液とした後、脱溶剤して、ビニル重合体組成物(A)を製造する方法等が挙げられる。
また、分岐構造を持つ脂肪酸エステルの存在下でビニル系単量体を重合する方法としては、分岐構造を持つ脂肪酸エステルの存在下で、塊状重合、溶液重合、乳化重合、または懸濁重合する方法等が挙げられる。
上述のビニル重合体組成物(A)を製造する方法の中でも、分岐構造を持つ脂肪酸エステルの分散性の観点から、特に、分岐構造を持つ脂肪酸エステルの存在下でビニル系単量体を重合する方法が好ましい。
ビニル重合体組成物(A)中のビニル重合体の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法により製造することができる。得られるビニル重合体に残存するモノマー、溶剤の臭気の観点から、乳化重合法、懸濁重合法により製造することが好ましい。
また、ビニル重合体組成物(A)と荷電制御剤や色材等の他のトナー成分やポリエステル重合体(B)との混合性が良好となるために、ビニル重合体組成物(A)は球状であることが好ましい。溶液重合後脱溶剤して得られる樹脂を粉砕した場合は、樹脂が不定形となり、荷電制御剤や色材等の他のトナー成分やポリエステル重合体との混合性が悪くなる傾向にあるため、球状のビニル重合体を得るためには、分岐構造を持つ脂肪酸エステルの存在下で乳化重合または懸濁重合する方法が好ましい。
また、懸濁重合法と乳化重合法とでは、乳化重合法は、得られる樹脂組成物中に乳化剤が残存し、これをバインダー樹脂組成物として用いるとトナーの帯電性が低下する傾向にあるため、これらの問題が生じない懸濁重合法の方が好ましい。
懸濁重合法としては、特に制限されないが、モノマーと水の質量比が1対1〜1対3の範囲で重合することが好ましい。この比が、1対1以上の場合に安定な分散系を形成することができる傾向にあり、また、1対3以下の場合に、高収率で樹脂を得ることができる傾向にある。
また、ビニル重合体組成物(A)の粒子径は、特に制限されないが、50μm以上であることが好ましい。ビニル重合体組成物(A)の粒子径が50μm以上である場合に、懸濁液からのビニル重合体組成物(A)粒子の分離が容易となる傾向にあるからである。
懸濁重合に用いるビニル系単量体は、特に制限されず、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、その他のビニル系単量体等を使用することができる。
スチレン系単量体としては、特に制限されないが、例えば、スチレン,o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−テンシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレン、3,4−ジシクロシルスチレン等が挙げられ、中でも、スチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の不飽和ジカルボン酸エステル等が挙げられる。
その他のビニル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、ケイヒ酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル等の不飽和モノカルボン酸モノエステル等のカルボン酸含基ビニル単量体が挙げられる。
ビニル重合体組成物(A)中のビニル重合体の共重合成分としては、特に制限されないが、メチルメタクリレート成分を含有することが好ましい。メチルメタクリレートを共重合成分として含有する場合に、トナーの粉砕性が向上する傾向にある。メチルメタクリレート成分の共重合量としては、1〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がさらに好ましい。
また、ビニル重合体組成物(A)中のビニル重合体の共重合成分として、炭素数9〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリレート成分を含有することが好ましい。炭素数9〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリレート成分を共重合成分として含有する場合に、ポリエステル重合体(B)との分散性、相溶性が向上する傾向にある。炭素数9〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリレート成分の共重合量としては、1〜40質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましい。
ビニル重合体組成物(A)の質量平均分子量は、特に制限されないが、3000〜20万が好ましい。ビニル重合体組成物(A)の質量平均分子量がこの範囲である場合に、トナーの耐高温オフセット性および粉砕性が向上する傾向にある。この質量平均分子量の下限値は5000以上がより好ましく、2万以上が特に好ましい。また、この質量平均分子量の上限値は、10万以下がより好ましく、8万以下が特に好ましい。
ビニル重合体組成物(A)の軟化温度は、特に制限されないが、110〜170℃が好ましい。ビニル重合体組成物(A)の軟化温度が、110℃以上の場合にトナーの耐高温オフセット性が向上する傾向にあり、170℃以下の場合にトナーの低温定着性が向上する傾向にある。ビニル重合体組成物(A)の軟化温度の下限値は130℃以上がより好ましく、上限値は160℃以下がより好ましい。
ビニル重合体組成物(A)の酸価は、特に制限されないが、0.1〜20mgKOH/gが好ましい。ビニル重合体組成物(A)の酸価がこの範囲である場合に、トナーの耐湿性が良好となる傾向にある。ビニル重合体組成物(A)の酸価の下限値は、0.3mgKOH/g以上がより好ましく、また上限値は15mgKOH/g以下がより好ましい。
ビニル重合体組成物(A)中のビニル重合体は、単独で用いていてもよいし、共重合組成および/または質量平均分子量の異なる2種以上のビニル重合体を併用してもよい。
ビニル重合体組成物(A)中のビニル重合体の重合に使用する開始剤としては、ラジカル重合開始剤であれば特に制限されず、有機過酸化物、アゾ系開始剤を用いることができる。中でも、開始剤効率が高く、シアン化合物副生成物を生成しないことから、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては、特に制限されないが、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、アセチルパーオキシド、イソブチリルパーオキシド、オクタニノルパーオキシド、デカノリルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、m−トルオイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンソエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が挙げられる。中でも、モノマーに対する重合活性の持続性や比較的短時間で重合を完了させることができる点から、オクタノニルパーオキシド、デカニノニルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、m−トルオイルパーオキシド、2,2−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンが好ましい。
また、重合温度は、特に制限されないが、85〜140℃の範囲が好ましい。重合温度が85℃以上である場合に、生産性が良好となる傾向にある為である。
次に、本発明のトナー用樹脂組成物に用いられるポリエステル重合体(B)について説明する。
ポリエステル重合体(B)としては、特に制限されず、公知のものを用いることができ、例えば、酸成分と、アルコール成分とからなる縮重合体を挙げることができる。
酸成分の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、メタコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、リノレイン酸、およびこれらの酸無水物等を挙げることができ、これらは単独または2種以上の混合物として使用することができる。
アルコール成分の例としては、芳香族ジオール、脂肪族ジオール等を挙げることができる。芳香族ジオールの例としては、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールA型芳香族ジオールを挙げることができる。脂肪族ジオールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。その他のアルコール成分として、3価以上の多価アルコールを用いることができ、例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールブタン、グリセリン、テトタメチロールプロパン、テトラメチロールエタン、ペンタエリスリトール等を挙げることができる。これらアルコール成分は単独または2種以上の混合物として用いることができる。
ポリエステル重合体(B)のガラス転移温度は、特に制限されないが、50〜70℃が好ましい。ポリエステル重合体(B)のガラス転移温度が50℃以上の場合にトナーの耐ブロッキング性が向上する傾向にあり、70℃以下の場合にトナーの低温定着性が向上する傾向にある。
ポリエステル重合体(B)の軟化温度は、特に制限されないが、90〜160℃が好ましい。ポリエステル重合体(B)の軟化温度が90℃以上の場合にトナーの高温オフセット性が向上する傾向にあり、軟化温度が160℃以上の場合にトナーの低温定着性が向上するする傾向にある。
ポリエステル重合体(B)の酸価は、特に制限されないが、0.1〜20mgKOH/gが好ましい。ポリエステル重合体(B)の酸価がこの範囲である場合に、トナーの耐湿性が良好となる傾向にある。ポリエステル重合体(B)の酸価の下限値は0.3mgKOH/g以上がより好ましく、また、上限値は15mgKOH/g以下がより好ましい。
ポリエステル重合体(B)は、単独で用いていてもよいし、共重合組成および/または軟化温度の異なる2種以上のビニル重合体を併用してもよい。
ポリエステル重合体(B)の製造方法は、特に制限されず、公知の方法で行うことができ、例えば、酸成分とアルコール成分とのモル比を考慮して、直接エステル化法あるいはエステル交換法を行った後に縮合を行う方法を挙げることができる。その際重合触媒として、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等を用いることができる。
本発明に係るトナー組成物は、前記のビニル重合体組成物(A)およびポリエステル重合体(B)を含有する。ビニル重合体組成物(A)およびポリエステル重合体(B)の含有量としては、特に限定されるものではないが、ビニル重合体組成物(A)とポリエステル重合体(B)の質量比が10/90〜60/40の範囲が好ましく、さらに好ましくは20/80〜40/60の範囲である。
次に、本発明のトナーについて説明する。
本発明のトナーは、前記のトナー用樹脂組成物を含有するものである。前記のトナー用樹脂組成物の含有量は、特に制限されないが、トナー全量中、40〜98質量%の範囲が好ましい。トナー用樹脂組成物の含有量が40質量%以上の場合に紙との定着強度が強くなる傾向にあり、また98質量%以下の場合に色調と帯電および耐オフセット性のバランスが良好となる傾向にある。トナー用樹脂組成物の含有量の下限値は50質量%以上がより好ましく、また上限値は95質量%以下がより好ましい。
また、本発明のトナーは、前記のトナー用樹脂組成物以外にも、ワックス、着色剤、流動性向上剤、荷電制御剤、磁性体等の添加剤を配合することができる。
本発明のトナーに用いることができるワックス(外添ワックス)としては、特に制限されないが、ライスワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、蜜蝋、ポリプロピレン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、合成エステル系ワックス、パラフィンワックス、脂肪酸アミド、シリコーン系ワックス等を挙げることができ、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、分岐構造を持つ脂肪酸エステルワックスを外添ワックスとして添加してもよい。
ワックスの融点としては、特に制限されないが、60〜100℃が好ましい。ワックスの融点が、60℃以上の場合にトナーの耐ブロッキング性が向上する傾向にあり、100℃以下の場合にトナーの低温定着性が向上する傾向にある。ワックスの融点の下限値は65℃以上がより好ましく、また上限値は95℃以下がより好ましい。
融点が60〜100℃のワックスとしては、例えば、ライスワックス(融点79℃)、カルナバワックス(融点83℃)、パラフィンワックス(融点60〜90℃)、蜜蝋(融点64℃)等を挙げることができる。
また、ワックスの25℃における針入度(JIS K−2235)は、特に制限されないが、3以下であることが好ましい。25℃における針入度が3以下であるワックスを使用する場合に、トナーの画像安定性が良好となる傾向にある。また、ワックスはアルコール成分を含有するものが好ましい。
25℃における針入度が3以下であり、アルコール成分を含有するワックスの例としては、ライスワックス、カルナバワックス等を挙げることができる。
外添するワックスの含有量は、特に制限されないが、トナー全量中、0.1〜20質量%が好ましい。ワックスの使用量が、0.1質量%以上の場合にトナーの耐高温オフセット性が向上する傾向にあり、20重量%以下の場合にトナー中のワックス成分がブレードやキャリア粒子に付着しない傾向にある。ワックスの使用量の下限値は1質量%以上がより好ましく、また、上限値は15質量%以下がより好ましい。
本発明のトナーに用いることができる着色剤としては、特に制限されず、一般に使用されているカーボンブラック、有彩色の顔料および染料が使用できる。カラートナーの場合には、例えば、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ソルベントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド128、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド13、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド48・2、C.I.ディスパースレッド11、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー94、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー15・3等が挙げられる。
着色剤の含有量は、特に制限されないが、トナーの色調や画像濃度、熱特性の点から、トナー全量中2〜10質量%の範囲が好ましい。この含有量の下限値は3質量%以上であることがより好ましく、また、上限値は8質量%以下であることがより好ましい。
本発明のトナーに用いることができる流動性向上剤としては、特に制限されないが、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウムチタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ藻土、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
流動性向上剤の含有量は、特に制限されないが、トナー全量中0.1〜5質量%の範囲が好ましい。流動性向上剤の含有量が、0.1質量%以上の場合にフィルミングが改良される傾向にあり、5質量%以下の場合に定着性が良好となる傾向にある。この含有量の下限値は0.2質量%以上がより好ましく、また上限値は3質量%以下がより好ましい。
本発明のトナーに用いることができる、荷電制御剤としては、特に制限されないが、従来電子写真用に用いられている荷電制御剤を使用することができる。負帯電性の荷電制御剤としては、例えば、オリエント化学社製のボントロンS−31、ボントロンS−32、ボントロンS−34、ボントロンS−36等、保土ヶ谷化学社製のアイゼンスピロンブラックTVH等の含金属アゾ染料;ヘキスト社製のCopy Charge NX VP434等の四級アンモニウム塩;銅フタロシアニン染料等が挙げられる。また、正帯電性の荷電制御剤としては、例えば、四国化成社製のPLZ−2001、PLZ−8001等のイミダゾール誘導体;ヘキスト社製のCopy Charge BLUE PR等のトリフェニルメタン誘導体;オリエント化学社製のボントロンP−51、ヘキスト社製のCopy Charge PXVP435、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド等の四級アンモニウム塩;オリエント化学社製のAFP−B等のポリアミン樹脂等が挙げられる。本発明では、荷電制御剤の1種または2種以上を使用することができる。また、主荷電制御剤と逆極性の荷電制御剤との併用も可能である。
荷電制御剤の含有量は、特に制限されないが、トナー全量中0.1〜5質量%の範囲が好ましい。荷電制御剤の含有量が0.1質量%以上の場合、トナーの帯電量が充分なレベルとなる傾向にあり、5質量%以下の場合に凝集による帯電量の低下が抑制される傾向にある。
本発明のトナーは、磁性1成分現像剤、非磁性1成分現像剤、磁性2成分現像剤、非磁性2成分現像剤の何れの現像剤としても使用できる。
本発明のトナーを磁性1成分現像剤として用いる場合には、トナーは磁性体を含有する。磁性体としては、例えば、フェライト、マグネタイト等をはじめとする、鉄、コバルト、ニッケル等を含む強磁性の合金;マンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−スズ等のマンガンと銅とを含む所謂ホイスラー合金等のように、化合物や強磁性元素を含まないが適当に熱処理することによって強磁性を表すようになる合金;二酸化クロム等が挙げられる。
磁性体の含有量は、特に制限されないが、トナー全量中30〜70質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、40〜60質量%の範囲である。磁性体の含有量が30質量%以上の場合にトナーの帯電量が充分なレベルとなる傾向にあり、70質量%以下の場合にトナーの定着性が良好となる傾向となる。この磁性体の含有量の下限値は40質量%以上であることがより好ましく、上限値は60質量%以下であることがより好ましい。
また、本発明のトナーを磁性2成分現像剤または非磁性2成分現像剤として用いる場合には、キャリアと併用して用いられる。キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉などの磁性物質、それらの表面に樹脂コーティングを施したもの、磁性キャリア等の公知のものを使用することができる。樹脂コーティングキャリアのための被覆樹脂としては、一般に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、それらの樹脂の混合物などを使用することができる。併用するキャリアの量としては、特に制限されないが、トナー100質量部に対して900質量部以上の場合にトナーの帯電量が充分なレベルとなる傾向にあり好ましい。
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーの製造方法は、特に制限されず、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、前述の分岐構造を持つ脂肪酸エステルを含有するビニル共重合体組成物(A)とポリエステル重合体(B)とを含有するトナー用樹脂組成物、および所望により、着色剤、荷電制御剤、および磁性体等を混合した後、二軸押出機などで溶融混練、粗粉砕、微粉砕、分級を行い、必要に応じて無機粒子をトナー表面に付着させて製造することができる。また、上記工程において、微粉砕〜分級後にトナー粒子を球形にするなどの処理を行ってもよい。
本実施例において示される物性、性能の測定、評価の方法は次の通りである。
(1)軟化温度
(株)島津製作所製フローテスターCFT−500を用いて、ノズル:D=1.0mm、L=10mm、荷重30kgf、昇温速度3℃/分で測定し、バレルに試料1gを投入し、試料量の1/2が押出された時の温度を軟化温度とした。
(2)酸価
KOH溶液を用いた滴定法により測定した。
(3)光沢
定着器を取外した市販のプリンターを用いて、紙上にベタ画像を現像した後、定着ローラーの回転速度および温度を変更できる定着装置を用いて、紙が定着ローラーを通過する速度を100mm/秒、定着ローラーの温度を175℃として、現像紙の定着を行った。印刷部分の光沢を、日本電色工業株式会社製のグロスメーターPG−1を用いて、入射角75度の条件で測定した。光沢7以上が、使用可能レベルである。
(4)定着率
定着器を取外した市販のプリンターを用いて、紙上にベタ画像を現像した後、定着ローラーの回転速度および温度を変更できる定着装置を用いて、紙が定着ローラーを通過する速度を100mm/秒、定着ローラーの温度を175℃として、現像紙の定着を行った。印刷部分を折り曲げて加重5kg/cmをかけた後、ニチバン社製セロテープ(登録商標)「品番:CT405A−24」を貼って剥がした。この操作の前後における印刷部分の光量をマクベス光量計を用いて測定し(セロテープ(登録商標)剥離試験後の光量)/(試験前の光量)×100%を定着率とした。定着率80%以上が使用可能レベルである。
(5)低温定着性
定着器を取外した市販のプリンターを用いて、紙上にベタ画像を現像した後、定着ローラーによる紙の送り速度を100mm/秒に設定し、定着ローラーの温度を変えながら、現像紙の定着を行って、トナーが紙に定着し始める下限の温度を測定した。下限温度150℃以下が使用可能レベルである。
(6)耐高温オフセット性
定着器を取外した市販のプリンターを用いて、紙上にベタ画像を現像した後、定着ローラーによる紙の送り速度を100mm/秒に設定し、定着ローラーの温度を変えながら、現像紙の定着を行い定着紙の光沢を測定した。光沢が低下しない上限の定着温度を測定した。上限温度180℃以上が使用可能レベルである。
(7)粉砕効率
トナー組成物を、日本ニューマティック工業(株)製ラボジェットを用いて、平均粒径13〜17μmに粉砕する際、10分間で原料100gを供給したときの供給量に対する粉砕量の割合を粉砕効率とした。粉砕効率75%以上が使用可能レベルである。
(8)トナー中のワックス分散性
トナー用樹脂組成物およびその他の成分を二軸押出機を用いて120℃で溶融混練し、得られた塊状のトナーを、180℃で9.8MPaの荷重を2分間印加し、板状に成形した。得られた成形品を光学顕微鏡を用いて観察し、トナー中のワックス成分の分散性を評価した。大きさ10μm以上の凝集物がみられなければ分散性良好で、使用可能レベルである。
(参考例1)分散剤Aの製造
攪拌機、温度計、ガス導入管をつけた反応容器に、脱イオン水2300質量部、メタクリル酸メチル25質量部、メタクリル酸3−ナトリウムスルホプロピル75質量部を仕込み、窒素ガスを約30分流通させた。内容物を攪拌しながら60℃に昇温した後、過硫酸アンモニウム0.5質量部を添加し、3時間攪拌した後冷却した。青白色の外観を呈する粘度340mPa・s(25℃)の重合体分散液(固形分3.3%)を得た。
(合成例1)ビニル重合体組成物(A−1)の製造
撹拌機および温度計を備えた反応容器に、脱イオン水170質量部、ポリアクリル酸ソーダ水溶液(固形分3.3%)0.04質量部、参考例1で製造した分散剤A 0.01質量部、硫酸ナトリウム0.4質量部を仕込み、次いで単量体成分としてスチレン80質量部、n−ブチルアクリレート15質量部、分岐構造を持つ脂肪酸エステル(ペンタエリスリトールと脂肪酸のフルエステル、融点82℃:日本油脂社製「WEP−5」)5質量部、並びに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド1質量部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート0.5質量部を添加した。内容物を攪拌しながら40℃から130℃まで65分間で昇温し、130℃に到達した後、さらに2時間攪拌した。さらに、130℃の釜内に0.5質量部の水酸化ナトリウムを投入し、15分間保持した後、冷却し、重合体粒子の懸濁液を得た。この懸濁液から重合体を分離、洗浄、乾燥し、ビニル重合体組成物(A−1)を得た。得られた重合体の物性を表1に示す。
(合成例2〜8)ビニル重合体組成物(A−2)ないし(A−7)、並びにビニル重合体(A’−8)
各重合体(A)の単量体成分の種類、使用量を、表1に示すように変更した以外は、製造例1と同様の操作を行って、ビニル重合体組成物(A−2)ないし(A−7)、並びにビニル重合体(A’−8)を得た。
(合成例9)
各重合体(A)の単量体成分の種類、使用量を、表1に示すように変更した以外は、製造例1と同様の操作を行って、ビニル重合体組成物(A−9)を得ようとしたが、重合反応中に固化したため、得ることができなかった。なお、ここで用いている分岐構造を持たない脂肪酸エステルとは、カルナバワックス(融点83℃、東洋ペトロライト社製「カルナバ2号」)である。
(合成例10)ポリエステル重合体(B−1)
蒸留塔を備えた反応容器にテレフタル酸80mol部、イソフタル酸10mol部、トリメリット酸10mol部、エチレングリコール67mol部、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン50mol部を投入した。さらに、触媒であるジブチルスズオキシドを全酸成分に対して0.03質量部添加し、内温を260℃、撹拌回転数200rpmに保ち、常圧下で5時間エステル化反応させた。その後、反応系内を30分かけて1.0mmHgまで減圧し、内温を240℃に保持してエチレングリコールを留出せしめながら縮合反応を2時間行って、ポリエステル重合体(B−1)を得た。得られたポリエステル重合体(B−1)の軟化温度は127℃であり、ガラス転移温度は62℃であり、酸価は4mgKOH/gであった。
実施例1〜7並びに比較例2
ビニル重合体組成物(A)およびポリエステル重合体(B)を表2に示す割合で混合した樹脂組成物94.5質量部、キナクリドン顔料4.5質量部、荷電制御剤(日本カーリット社製LR147)1質量部を混合し、二軸押出機を用いて溶融混練した。得られた塊状物を日本ニューマティック工業(株)製チョッパーミルを用いて粉砕した後、日本ニューマティック工業(株)製ラボジェットを用いて、平均粒径13〜17μmに粉砕し、5μm以下の粒子を除去した。得られたトナー粒子を用いて、印刷性能を評価した。結果を表3に示す。
実施例8並びに比較例1、3、および4
ビニル重合体組成物(A)およびポリエステル重合体(B)を表2に示す割合で混合した樹脂組成物91.5質量部、ポリエチレンワックス(三洋化成社製「ビスコース550P」)3質量部、キナクリドン顔料4.5質量部、荷電制御剤(日本カーリット社製LR147)1質量部を混合し、二軸押出機を用いて溶融混練した。得られた塊状物を日本ニューマティック工業(株)製チョッパーミルを用いて粉砕した後、日本ニューマティック工業(株)製ラボジェットを用いて、平均粒径13〜17μmに粉砕し、5μm以下の粒子を除去した。得られたトナー粒子を用いて、印刷性能を評価した。結果を表3に示す。
実施例、比較例より、以下のことが明らかになった。
(1)実施例1〜8のトナーは、いずれも良好な定着率、低温定着性、耐高温オフセット性および粉砕効率を有する。
(2)特にメチルメタクリレートを含む、実施例2〜8は、高度な粉砕効率を有する。
(3)また、炭素数9〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリレート成分を含有する実施例6〜7の樹脂組成物を含むトナーは、ビニル重合体組成物(A)とポリエステル重合体(B)との相溶性が良好であるため、耐高温オフセット性が極めて良好であった。
(4)一方、比較例1および比較例2のトナーは、ポリエステル重合体(B)を含まないため、定着率および低温定着性が不良であった。
(5)比較例3のトナーは、ビニル重合体組成物(A)を含まないため、トナー中のワックスに大きさ10μm以上の凝集物がみられ、ワックスの分散性が不良であった。また、耐高温オフセット性および粉砕性が不良であった。
(6)また、比較例4のトナーは、分岐構造を持つ脂肪酸エステルを含有しないビニル重合体(A’−8)とポリエステル重合体(B−1)からなる樹脂組成物を用いているため、トナー中のワックスに大きさ10μm以上の凝集物がみられ、ワックスの分散性が不良であった。また、低温定着性および耐高温オフセットが不良であった。
Figure 2006301177
Figure 2006301177
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Claims (3)

  1. 分岐構造を持つ脂肪酸エステルを含有するビニル重合体組成物(A)とポリエステル重合体(B)とを含有するトナー用樹脂組成物。
  2. ビニル重合体組成物(A)が、分岐構造を持つ脂肪酸エステルの存在下でビニル系単量体を懸濁重合して得られたものであることを特徴とする請求項1記載のトナー用樹脂組成物。
  3. 請求項1記載のトナー用樹脂組成物を含有するトナー。
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