JP2006292212A - 空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 空気調和装置1は、レシーバ25を有する冷媒回路10を備えたセパレートタイプの空気調和装置であり、レシーバ25内の液面を検出する液面検知回路38、39と、運転制御手段と、冷媒量判定手段とを備えている。運転制御手段は、通常運転と、液面検知回路38、39の検出値に基づいてレシーバ25の液面が一定になるように制御する冷媒量判定運転とを切り換えて運転することが可能である。冷媒量判定手段は、冷媒量判定運転において、室内熱交換器41、51の過熱度SHiに基づいて、冷媒量の適否を判定する。
【選択図】 図1
Description
第2の発明にかかる空気調和装置は、第1の発明にかかる空気調和装置において、冷媒量判定運転モードにおけるレシーバの液面は、通常運転モードにおけるレシーバの液面よりも高い液面において一定になるように制御される。
第3の発明にかかる空気調和装置は、第1又は第2の発明にかかる空気調和装置において、熱源ユニット又は利用ユニットが、レシーバと利用側熱交換器との間に接続された膨張弁をさらに有しており、冷媒量判定運転モードにおけるレシーバの液面は、膨張弁により一定になるように制御される。
これにより、この空気調和装置では、装置内に充填されている冷媒量の適否の判定の精度を向上させることができる。
この空気調和装置では、減圧後に測定される冷媒温度に基づいてレシーバの所定位置まで液冷媒が溜まっているかどうかを判定することができるため、例えば、レシーバと圧縮機の吸入管とを接続する冷媒配管と、この冷媒配管に電磁弁、キャピラリチューブ及び温度センサ等を設けた構成で実現することができる。
第5の発明にかかる空気調和装置の冷媒量判定システムは、状態量取得手段と、液面検出手段と、運転制御手段と、状態量蓄積手段と、冷媒量判定手段とを備えている。状態量判定手段は、圧縮機と熱源側熱交換器とレシーバとを有する熱源ユニットと、利用側熱交換器とを有する利用ユニットとが、冷媒連絡配管を介して接続されることによって構成される冷媒回路と、レシーバ内の液面を検出する液面検出手段と、を備えており、熱源側熱交換器を圧縮機において圧縮される冷媒の凝縮器として機能させ、かつ、利用側熱交換器を熱源側熱交換器からレシーバを介して送られる冷媒の蒸発器として機能させる運転を少なくとも行うことが可能な空気調和装置から、運転状態量を取得する。運転制御手段は、利用ユニットの運転負荷に応じて熱源ユニット及び利用ユニットの構成機器の制御を行う通常運転モードと、液面検出手段の検出値に基づいてレシーバの液面が一定になるように制御する冷媒量判定運転モードとを切り換えて運転することが可能である。状態量蓄積手段は、冷媒量判定運転モードにおいて、状態量取得手段により取得された運転状態量を、運転状態量の基準値として蓄積する。冷媒量判定手段は、冷媒量判定運転モードにおいて、状態量取得手段が取得する運転状態量の現在値と、状態量蓄積手段に蓄積された運転状態量の基準値とに基づいて、冷媒量の適否を判定する。
第6の発明にかかる空気調和装置の冷媒量判定システムは、第5の発明にかかる空気調和装置の冷媒量判定システムにおいて、状態量取得手段は、空気調和装置を管理している。状態量蓄積手段及び冷媒量判定手段は、空気調和装置の遠隔にあり、状態量取得手段に通信回線を介して接続されている。
第1の発明では、レシーバ内に余剰冷媒が存在していても、圧縮機の安定的な運転を維持しつつ、装置内に充填されている冷媒量の適否を判定することができる。
第2の発明では、特に、冷媒量判定運転モードにおける圧縮機の吐出温度や吐出圧力の急上昇の発生を抑えることができる。
第4の発明では、低コストで確実な液面の検出を行うことができる。
第5の発明では、レシーバ内に余剰冷媒が存在していても、圧縮機の安定的な運転を維持しつつ、装置内に充填されている冷媒量の適否を判定することができる。
<第1実施形態>
(1)空気調和装置の構成
図1は、本発明の第1実施形態にかかる空気調和装置1の概略の冷媒回路図である。空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の屋内の冷暖房に使用される装置である。空気調和装置1は、主として、1台の熱源ユニットとしての室外ユニット2と、それに並列に接続された複数台(本実施形態では、2台)の利用ユニットとしての室内ユニット4、5と、室外ユニット2と室内ユニット4、5とを接続する冷媒連絡配管としての液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7とを備えている。すなわち、本実施形態の空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と、室内ユニット4、5と、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7とが接続されることによって構成されている。
室内ユニット4、5は、ビル等の屋内の天井に埋め込みや吊り下げ等により、又は、屋内の壁面に壁掛け等により設置されている。室内ユニット4、5は、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を介して室外ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
室内ユニット4は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室内側冷媒回路10a(室内ユニット5では、室内側冷媒回路10b)を備えている。この室内側冷媒回路10aは、主として、利用側膨張弁としての室内膨張弁41と、利用側熱交換器としての室内熱交換器42とを備えている。
本実施形態において、室内熱交換器42は、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して室内の空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の凝縮器として機能して室内の空気を加熱する熱交換器である。
室外ユニット2は、ビル等の屋上等に設置されており、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を介して室内ユニット4、5に接続されており、室内ユニット4、5の間で冷媒回路10を構成している。
次に、室外ユニット2の構成について説明する。室外ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室外側冷媒回路10cを備えている。この室外側冷媒回路10cは、主として、圧縮機21と、四路切換弁22と、熱源側熱交換器としての室外熱交換器23と、熱源側膨張弁としての室外膨張弁24と、レシーバ25と、液側閉鎖弁36と、ガス側閉鎖弁37とを備えている。
四路切換弁22は、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁であり、冷房運転時には、室外熱交換器23を圧縮機21において圧縮される冷媒の凝縮器として、かつ、室内熱交換器42、52を室外熱交換器23において凝縮される冷媒の蒸発器として機能させるために、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側とガス冷媒連絡配管7側とを接続し(図1の四路切換弁22の実線を参照)、暖房運転時には、室内熱交換器42、52を圧縮機21において圧縮される冷媒の凝縮器として、かつ、室外熱交換器23を室内熱交換器42、52において凝縮される冷媒の蒸発器として機能させるために、圧縮機21の吐出側とガス冷媒連絡配管7側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と室外熱交換器23のガス側とを接続することが可能である(図1の四路切換弁22の破線を参照)。
レシーバ25は、室外膨張弁24と液側閉鎖弁36との間に接続されており、室内ユニット4、5の運転負荷に応じて冷媒回路10内に発生する余剰冷媒を溜めることが可能な容器である。レシーバ25は、例えば、図2に示されるような縦型円筒形の容器が使用される。ここで、図2は、レシーバ25の概略側面断面図である。
液側閉鎖弁36及びガス側閉鎖弁37は、外部の機器・配管(具体的には、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁36は、レシーバ25に接続されている。ガス側閉鎖弁37は、四路切換弁22に接続されている。
次に、本実施形態の空気調和装置1の動作について説明する。
本実施形態の空気調和装置1の運転モードとしては、各室内ユニット4、5の運転負荷に応じて室外ユニット2及び室内ユニット4、5の各機器の制御を行う通常運転モードと、空気調和装置1の設置後に行われる試運転を行うための試運転モードと、試運転を終了し通常運転を開始した後において室内ユニット4、5を冷房運転しつつ蒸発器として機能する室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過熱度を検出して冷媒回路10内に充填されている冷媒量の適否を判断する冷媒漏洩検知モードとがある。そして、通常運転モードには、主として、冷房運転と暖房運転とが含まれている。また、試運転モードには、冷媒自動充填運転と制御変数変更運転とが含まれている。
<通常運転モード>
まず、通常運転モードにおける冷房運転について、図1〜図3を用いて説明する。
冷房運転時は、四路切換弁22が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が室外熱交換器23のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が室内熱交換器52のガス側に接続された状態となっている。また、室外膨張弁24、液側閉鎖弁36、ガス側閉鎖弁37は開にされ、電磁弁38b、38bは閉止され、室内膨張弁41、51は室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過熱度が所定値になるように開度調節されるようになっている。本実施形態において、室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過熱度は、ガス側温度センサ45、55により検出される冷媒温度値から液側温度センサ44、54により検出される冷媒温度値を差し引くことによって検出されるか、又は、吸入圧力センサ28により検出される圧縮機21の吸入圧力Psを蒸発温度Teに対応する飽和温度値に換算し、ガス側温度センサ45、55により検出される冷媒温度値からこの冷媒の飽和温度値を差し引くことによって検出される。尚、本実施形態では採用していないが、ガス側温度センサ45、55により検出される冷媒温度値から液側温度センサ44、54により検出される蒸発温度Teに対応する冷媒温度値を差し引くことによって室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過熱度を検出したり、室内熱交換器42、52内を流れる冷媒の温度を検出する温度センサを設けて、この温度センサにより検出される蒸発温度Teに対応する冷媒温度値を、ガス側温度センサ45、55により検出される冷媒温度値から差し引くことによって室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過熱度を検出するようにしてもよい。
次に、通常運転モードにおける暖房運転について説明する。
暖房運転時は、四路切換弁22が図1の破線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が室内熱交換器52のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が室外熱交換器23のガス側に接続された状態となっている。また、室外膨張弁24、液側閉鎖弁36、ガス側閉鎖弁37は開にされ、電磁弁38b、38bは閉止され、室内膨張弁41、51は室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過冷却度が所定値になるように開度調節されるようになっている。本実施形態において、室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過冷却度は、吐出圧力センサ29により検出される圧縮機21の吐出圧力Pdを凝縮温度Tcに対する飽和温度値に換算し、この冷媒の飽和温度値から液側温度センサ44、54により検出される冷媒温度値からこの冷媒の飽和温度値を差し引くことによって検出される。尚、本実施形態では採用していないが、室内熱交換器42、52内を流れる冷媒の温度を検出する温度センサを設けて、この温度センサにより検出される凝縮温度Tcに対応する冷媒温度値を、液側温度センサ44、54により検出される冷媒温度値から差し引くことによって室内熱交換器42、52の出口における冷媒の過冷却度を検出するようにしてもよい。
そして、室内ユニット4、5に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器42、52において、室内空気と熱交換を行って凝縮されて高圧の液冷媒となった後、室内膨張弁41、51によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となる。ここで、室内膨張弁41、51は、室内熱交換器42、52の出口における過冷却度が所定値になるように室内熱交換器42、52内を流れる冷媒の流量を制御しているため、室内熱交換器42、52において凝縮された高圧の液冷媒は、所定の過冷却度を有する状態となる。このように、各室内熱交換器42、52には、各室内ユニット4、5が設置された空調空間において要求される運転負荷に応じた流量の冷媒が流れている。
<試運転モード>
次に、試運転モードについて、図1〜図4を用いて説明する。ここで、図4は、試運転モードのフローチャートである。本実施形態において、試運転モードでは、まず、ステップS1の自動冷媒充填運転が行われ、続いて、ステップS2の制御変数変更運転が行われる。
<ステップS1:自動冷媒充填運転>
まず、室外ユニット2の液側閉鎖弁36及びガス側閉鎖弁37を開けて、室外ユニット2に予め充填されている冷媒を冷媒回路10内に充満させる。
<ステップS11:冷媒量判定運転>
冷媒自動充填運転の開始指令がなされると、冷媒回路10が、室外ユニット2の四路切換弁22が図1の実線で示される状態で、かつ、室内ユニット4、5の室内膨張弁41、51が開けられた状態となり、圧縮機21、室外ファン27及び室内ファン43、53が起動されて、室内ユニット4、5の全てについて強制的に冷房運転(以下、室内ユニット全数運転とする)が行われる。
まず、冷媒量判定運転の指令がなされると、電磁弁38b、39bが開にされ、レシーバ25の液面高さL1の位置及び液面高さL2の位置から圧縮機21の吸入側に向かって冷媒が流れる状態になる。ここで、冷媒の追加充填前の状態におけるレシーバ25内の液面は、液面高さL1及び液面高さL2が通常運転モードの液面高さL3よりも高い位置に設定されているため、液面高さL1よりも低い位置にある。すなわち、レシーバ25の液面高さL1の位置から圧縮機21の吸入側に向かって流れる冷媒は、ガス状態であるため、液面検知回路38のキャピラリチューブ38cによって減圧されて、いくらか温度降下が生じた後に圧縮機21の吸入側に流入することになる。しかし、このときに生じる温度降下は、ガス状態の冷媒の減圧操作であるため比較的小さく、減圧操作後の冷媒の温度は、圧縮機21の吸入温度Tsに比べて高い温度までしか降下しない。そうすると、ステップS41において、例えば、液面検知回路38の液面検知用温度センサ38dによって検出される冷媒温度が、吸入温度Tsに比べて所定温度差以上高いことをもって、レシーバ25の液面が液面高さL1未満であると判定されることになる。そして、この場合には、室内膨張弁42、52の開度を小さくする制御が行われる(ステップS42)。
尚、本実施形態と異なり、室外ユニット2に予め冷媒が充填されていない場合には、このステップS11の処理に先だって、冷凍サイクル運転を行うことが可能な程度の冷媒量になるまで冷媒充填を行う必要がある。
次に、上記の冷媒量判定運転を行いつつ、冷媒回路10内に冷媒の追加充填を実施するが、この際、ステップS12において、冷媒の追加充填時における冷媒回路10内を流れる冷媒又は構成機器の運転状態量を運転データとして取得し、制御部8のメモリに蓄積する。本実施形態においては、室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiと、外気温度Taと、室内温度Trと、吐出圧力Pdと、吸入圧力Psとが、冷媒充填時の運転データとして制御部8のメモリに蓄積される。尚、本実施形態において、室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiは、上述のように、ガス側温度センサ45、55により検出される冷媒温度値から液側温度センサ44、54により検出される冷媒温度値を差し引くことによって検出されるか、又は、吸入圧力センサ28により検出される圧縮機21の吸入圧力Psを蒸発温度Teに対応する飽和温度値に換算し、ガス側温度センサ45、55により検出される冷媒温度値からこの冷媒の飽和温度値を差し引くことによって検出されるものである。
上述のように、冷媒回路10内に冷媒の追加充填を開始すると、冷媒回路10内の冷媒量が徐々に増加するため、室外熱交換器23からレシーバ25内に流入する冷媒量が増加する傾向が現れる。しかし、レシーバ25内に溜まる冷媒量は、レシーバ液面一定制御によって一定に保たれているため、結果的に、室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiが小さくなる傾向が現れる。この傾向は、室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiと冷媒回路10内に充填されている冷媒量との間に、図7に示されるような相関関係があることを意味している。ここで、図7は、冷媒量判定運転における室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiと、室内温度Tr及び冷媒量Chとの関係を示すグラフである。この相関関係は、現地に設置され使用が開始された直後の状態の空気調和装置1を用いて上述の冷媒量判定運転を行った場合において、冷媒回路10内に冷媒を予め設定された規定冷媒量になるまで充填した場合における、室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiの値(以下、過熱度SHiの規定値とする)と室内温度Trとの関係を示している。すなわち、試運転時(具体的には、冷媒自動充填時)の室内温度Trによって室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiの規定値が決定され、この過熱度SHiの規定値と冷媒充填時に検出される過熱度SHiの現在値とを比較することによって、冷媒の追加充填により冷媒回路10内に充填される冷媒量の適否が判定できることを意味している。
すなわち、追加充填される冷媒量が少なく、冷媒回路10における冷媒量が初期冷媒量に達していない場合においては、冷媒回路10内の冷媒量が少ない状態となる。ここで、冷媒回路10内の冷媒量が少ない状態とは、室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiの現在値が、過熱度SHiの規定値よりも大きいことを意味する。このため、ステップS13において、室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiの値が規定値よりも大きく、冷媒の追加充填が完了していない場合には、過熱度SHiの現在値が規定値に達するまで、ステップS13の処理が繰り返される。また、過熱度SHiの現在値が規定値に達した場合には、冷媒の追加充填が完了し、冷媒量充填運転処理としてのステップS1が終了する。尚、この冷媒の追加充填が完了した後の冷媒量である初期冷媒量は、規定冷媒量に近い冷媒量に達していると考えられるが、規定冷媒量の値自体が現地における配管長さや構成機器の容量等から決定された冷媒量であるため、結果的に、初期冷媒量との間にばらつきが生じることもあり得る。このため、本実施形態では、冷媒の追加充填が完了した際における過熱度SHiの値やその他の運転状態量の値を、後述の冷媒漏洩検知モードにおける過熱度SHi等の運転状態量の基準値としている。
尚、本実施形態とは異なり、冷媒の追加充填が必要なく、室外ユニット2に予め充填されている冷媒量で冷媒回路10内の冷媒量として十分である場合には、実質的には、自動冷媒充填運転が、初期冷媒量における運転状態量のデータの蓄積のみを行うための運転となる。尚、現地において配管長さや構成機器の容量等から算出した規定冷媒量と、冷媒の追加充填が完了した後の初期冷媒量とが一致しない場合もあるが、本実施形態では、冷媒の追加充填が完了した際における過熱度SHiの値やその他の運転状態量の値を、後述の冷媒漏洩検知モードにおける過熱度SHi等の運転状態量の基準値としている。
上述のステップS1の自動冷媒充填運転が終了したら、ステップS2の制御変数変更運転に移行する。制御変数変更運転では、制御部8によって、図8に示されるステップS21〜ステップS23の処理が行われる。ここで、図8は、制御変数変更運転のフローチャートである。
ステップS21では、上述の冷媒自動充填運転が終了した後、冷媒回路10内に初期冷媒量が充填された状態において、ステップS11と同様の冷媒量判定運転を行う。
そして、ここでは、初期冷媒量まで充填された後の状態で冷媒量判定運転を行っている状態において、室外ファン27の風量を変更することで、この試運転時、すなわち、空気調和装置1の設置後において、室外熱交換器23の熱交換性能が変動した状態を模擬する運転を行ったり、室内ファン43、53の風量を変更することで、室内熱交換器42、52の熱交換性能が変動した状態を模擬する運転を行う(以下、このような運転を制御変数変更運転とする)。
このように、冷媒量判定運転を行いつつ室外ファン27及び室内ファン43、53の風量を変更することで室外熱交換器23や室内熱交換器42、52の熱交換性能が変動した状態を模擬する運転を含む制御変数変更運転を行う制御変数変更運転手段として機能する制御部8により、ステップS21、S23の処理が行われる。また、制御変数変更運転時に冷媒回路10内を流れる冷媒又は構成機器の運転状態量を運転データとして蓄積する状態量蓄積手段として機能する制御部8により、ステップS22の処理が行われるため、室外熱交換器23や室内熱交換器42、52の熱交換性能が変動した状態を模擬する運転を行っている場合の運転状態量を運転データとして得ることができる。
次に、冷媒漏洩検知モードについて、図1、図2及び図11を用いて説明する。ここで、図11は、冷媒漏洩検知モードのフローチャートである。
本実施形態において、通常運転モードにおける冷房運転や暖房運転時に、定期的(例えば、毎月1回、空調空間に負荷を必要としない場合等)に、不測の原因により冷媒回路10内の冷媒が外部に漏洩していないかどうかを検知する場合を例にして説明する。
まず、上記の冷房運転や暖房運転のような通常運転モードにおける運転が一定時間(毎1ヶ月等)経過したかどうかを判定し、通常運転モードにおける運転が一定時間経過した場合には、次のステップS32に移行する。
<ステップS32:冷媒量判定運転>
通常運転モードにおける運転が一定時間経過した場合には、上述の冷媒自動充填運転のステップS11と同様に、室内ユニット全数運転、圧縮機回転数一定制御、及び、レシーバ液面一定制御を含む冷媒量判定運転が行われる。ここで、圧縮機21の回転数fは、冷媒自動充填運転のステップS11の冷媒量判定運転における回転数fの所定値と同じ値が使用される。また、レシーバ25の液面高さは、冷媒自動充填運転のステップS11の冷媒量判定運転における液面高さL1と液面高さL2との間の液面高さになるように制御される。
<ステップS33〜S35:冷媒量の適否の判定、通常運転への復帰、警告表示>
冷媒回路10内の冷媒が外部に漏洩すると、冷媒回路10内の冷媒量が減少するため、室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiの現在値が増加する傾向が現れる(図7参照)。すなわち、室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiの現在値とを比較することによって冷媒回路10内に充填されている冷媒量の適否が判定できることを意味している。本実施形態においては、この冷媒漏洩検知運転時における室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiの現在値と、上述の冷媒自動充填運転完了時における冷媒回路10内に充填された初期冷媒量に対応する過熱度SHiの基準値(規定値)とを比較して、冷媒量の適否の判定、すなわち、冷媒漏洩の検知を行うものである。
一般に、熱交換器の熱交換性能は、伝熱係数K及び伝熱面積Aの乗算値(以下、係数KAとする)によって決定され、この係数KAに熱交換器の内外温度差を乗算することによって熱交換量が決定される。このため、熱交換器の熱交換性能は、係数KAが一定である限りにおいて、内外温度差(室外熱交換器23の場合には、外気温度Taと室外熱交換器23内を流れる冷媒温度としての凝縮温度Tcとの温度差、室内熱交換器42、52の場合には、室内温度Trと室内熱交換器42、52内を流れる冷媒温度としての蒸発温度Teとの温度差)によって決定されることになる。
Ch=k1×SHi+k2×Pd+k3×Ta+×k4×Ps+k5×Tr+k6
という重回帰式からなる関数として表現することができるため、上述の試運転モードの冷媒充填時及び制御変数変更運転時に制御部8のメモリに蓄積された運転データ(すなわち、室外熱交換器23の出口における過熱度SHi、外気温度Ta、室内温度Tr、吐出圧力Pd、及び、吸入圧力Psのデータ)を用いて、重回帰分析を行うことにより、各パラメータk1〜k6を演算することで、冷媒量Chの関数を決定することができる。
このように、冷媒漏洩検知モードにおける冷媒漏洩の有無の検知の際に室外熱交換器23及び室内熱交換器42、52の経年劣化や天候による過熱度SHiへの影響を補償するため関数を決定する状態量補正式演算手段として機能する制御部8により、補正式を決定する処理が行われる。
(3)空気調和装置の特徴
本実施形態の空気調和装置1には、以下のような特徴がある。
本実施形態の空気調和装置1では、冷媒量判定運転モードにおいて、液面検出手段としての液面検知回路38、39の検出値に基づいてレシーバ25の液面を一定に制御する運転(レシーバ液面一定制御)を行っているため、レシーバ25内に余剰冷媒を一定量だけ保持しつつ、冷媒漏洩の影響をレシーバ25内の冷媒量の変動ではなく、冷媒回路10を流れる冷媒又は構成機器の運転状態量(具体的には、室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHi)の変化として現れるようにすることができる。このため、従来のレシーバ25内の冷媒を空にする操作を行う場合と異なり、冷媒量判定運転モードにおける圧縮機21の吐出温度Tdや吐出圧力Pdの急上昇や圧縮機21の吸入圧力Psの急低下や湿り圧縮の発生を抑えることができる。
(B)
本実施形態の空気調和装置1では、レシーバ25から流出する冷媒の流量を直接的に室内膨張弁41、51によって制御することによってレシーバ25の液面を制御しているため、比較的高い制御性を得ることができ、装置内に充填されている冷媒量の適否の判定の精度を向上させることができる。
本実施形態の空気調和装置1では、減圧後に測定される冷媒温度に基づいて、具体的には、ガス冷媒が減圧される場合と液冷媒が減圧される場合との減圧時の温度降下の違いを利用して、レシーバ25の所定位置(具体的には、液面高さL1、L2)まで冷媒が溜まっているかどうかを判定する液面検知回路38、39を設けて、レシーバ25の液面を検出している。この液面検知回路38、39は、本実施形態のように、レシーバ25と圧縮機21の吸入側とを接続する検知管39aと、検知管39aに設けられた電磁弁39bと、電磁弁39bの下流側に設けられたキャピラリチューブ39cと、キャピラリチューブ39cの下流側の冷媒温度を検出する液面検知用温度センサ39dとからなる簡単な構成によって実現できるため、低コストで確実な液面の検出を行うことができる。
本実施形態の空気調和装置1では、室外熱交換器23及び室内熱交換器42、52(すなわち、空気調和装置1)が現地に設置され使用が開始された直後の状態からの経年劣化の程度に応じて室外熱交換器23及び室内熱交換器42、52の係数KAが変動すること、すなわち、係数KAの変動に伴って、室外熱交換器23における冷媒圧力である凝縮圧力Pcと外気温度Taとの相関関係、及び、室内熱交換器42、52における冷媒圧力である蒸発圧力Peと室内温度Trとの相関関係が変動することに着目して(図12、図13参照)、冷媒量判定手段及び状態量補正手段として機能する制御部8において、冷媒量Chの現在値を過熱度SHi、吐出圧力Pd、外気温度Ta、吸入圧力Ps、及び、室内温度Trの関数として表現し、冷媒漏洩検知運転時の過冷却度SCoの現在値及びこの時の吐出圧力Pd、外気温度Ta、吸入圧力Ps、及び、室内温度Trの現在値から冷媒量Chの現在値を演算することにより、冷媒量の基準値である初期冷媒量と比較することで、経年劣化による運転状態量としての過熱度SHiの変動の影響を排除することができる。
また、室外熱交換器23については、係数KAが変動する場合として、雨天や強風等の天候の変動による場合も考えられるが、天候の変動についても、経年劣化と同様に、係数KAの変動に伴って、室外熱交換器23における冷媒圧力である凝縮圧力Pcと外気温度Taとの相関関係が変動することになるため、結果的に、この際の過熱度SHiの変動の影響も排除することができる。
本実施形態の空気調和装置1では、空気調和装置1の設置後の試運転において、現地における冷媒充填によって初期冷媒量まで充填された後の運転状態量(具体的には、過熱度SHi、吐出圧力Pd、外気温度Ta、吸入圧力Ps、及び、室内温度Trの基準値)を状態量蓄積手段として機能する制御部8に蓄積し、この運転状態量を基準値として、冷媒漏洩検知モードにおける運転状態量の現在値と比較して、冷媒量の適否、すなわち、冷媒漏洩の有無を判定しているため、実際に装置内に充填されている冷媒量である初期冷媒量と冷媒漏洩検知時の現在の冷媒量との比較を行うことができる。
本実施形態の空気調和装置1では、初期冷媒量まで充填された後の運転状態量(具体的には、過熱度SHi、吐出圧力Pd、外気温度Ta、吸入圧力Ps、及び、室内温度Trの基準値)だけでなく、室外ファン27や室内ファン43、53のような空気調和装置1の構成機器の制御変数を変更して、試運転時とは異なる運転条件を模擬的に実現する運転を行い、この運転中の運転状態量を状態量蓄積手段として機能する制御部8に蓄積することができる。
上述の空気調和装置1では、冷媒漏洩検知モードのステップS33の冷媒量の適否の判定において、実質的には、初期冷媒量まで充填された後の過熱度SHiの基準値と、過熱度SHiの現在値とを比較することで、冷媒漏洩の有無を検知しているが、これに加えて、冷媒自動充填運転のステップS12において、冷媒の追加充填が開始してから完了するまでの間の初期冷媒量よりも少ない量の冷媒が冷媒回路10内に充填された状態の運転状態量のデータを利用して、装置内に充填されている冷媒量の適否の判定を行うようにしてもよい。
上述の空気調和装置1においては、室外熱交換器23及び室内熱交換器42、52の両方の経年劣化等を補償するため、吐出圧力Pd、外気温度Ta、吸入圧力Ps及び室内温度Trの4つの運転状態量を使用しているが、室外熱交換器23のみの経年劣化等を補償する場合には、吐出圧力Pd及び外気温度Taのみを考慮すればよい。また、室内熱交換器42、52のみの経年劣化等を補償する場合には、吸入圧力Ps及び室内温度Trのみを考慮すればよい。
(6)変形例3
上述の空気調和装置1においては、圧縮機21の吐出圧力Pdを室外熱交換器23における冷媒圧力としての凝縮圧力Pcに対応する運転状態量として、また、圧縮機21の吸入圧力Psを室内熱交換器42、52における冷媒圧力としての蒸発圧力Peに対応する運転状態量として、状態量蓄積手段として機能する制御部8に蓄積し、室外熱交換器23及び室内熱交換器42、52の経年劣化等を補償する補正式のパラメータの決定に使用したが、圧縮機21の吐出圧力Pdに変えて凝縮温度Tcを使用したり、また、圧縮機21の吸入圧力Psに代えて蒸発温度Teを使用してもよい。この場合においても、上述の空気調和装置1と同様に、経年劣化等の補償を行うことができる。
上述の空気調和装置1においては、室内ユニット全数運転、圧縮機回転数一定制御、及び、レシーバ液面一定制御を含む冷媒量判定運転を行っている際における室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiと冷媒回路10内に充填されている冷媒量との間の相関関係(図7参照)を利用して、冷媒自動充填時及び冷媒漏洩検知時における冷媒量の適否の判定を行っているが、室内熱交換器41、51の出口における過熱度SHiの変動に応じて変動する他の運転状態量と冷媒回路10内に充填されている冷媒量との間の相関関係を利用して、冷媒自動充填時及び冷媒漏洩検知時における冷媒量の適否の判定を行ってもよい。
尚、この場合において、状態量蓄積手段として機能する制御部8には、試運転モードにおいて、室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiの代わりに、又は、室内熱交換器42、52の出口における過熱度SHiとともに室内膨張弁41、51の開度のデータが基準値として蓄積されることになる。
上述の空気調和装置1においては、レシーバ25内の液面を検出する液面検知手段として設けられた液面検知回路38、39が、それぞれ、検知管38a、39aと、電磁弁38b、39bと、キャピラリチューブ38c、39cと、液面検知用温度センサ38d、39dとから構成されているが、これに限定されず、例えば、図15に示される本変形例の空気調和装置1のように、キャピラリチューブ38c、39cの下流側に検知管38a、39a内を流れる冷媒を加熱するための加熱器38e、39eを設けて、加熱器38e、39eにおいて加熱された後の冷媒の温度を液面検知用温度センサ38d、39dによって測定する構成にしてもよい。本変形例では、加熱器38e、39eは、レシーバ25と液側閉鎖弁36との間を流れる液冷媒を熱源とする配管熱交換器である。
<第2実施形態>
(1)空気調和装置の構成
図16は、本発明にかかる第2実施形態の空気調和装置101の概略の冷媒回路図である。空気調和装置101は、主として、1台の熱源ユニットとしての室外ユニット102と、1台の利用ユニットとしての室内ユニット104と、室外ユニット102と室内ユニット104とを接続する冷媒連絡配管としての液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7とを備えている。本実施形態の空気調和装置101は、第1実施形態の空気調和装置1が、室外熱交換器23において凝縮された冷媒がレシーバ25及び液冷媒連絡配管6を経由して室内ユニット4、5に送られた後に室内膨張弁41、51によって蒸発圧力Pe近くまで減圧されるように構成された冷媒回路10を備えているのに対して、室外熱交換器23において凝縮された冷媒がレシーバ25及び液冷媒連絡配管6を経由して室内ユニット104に送られる際に、レシーバ25の出口の室外膨張弁24によって蒸発圧力Pe近くまで減圧されるように構成された冷媒回路110を備えている点が異なる。ここで、図16は、本発明にかかる第2実施形態の空気調和装置101の概略の冷媒回路図である。
<室内ユニット>
室内ユニット104は、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を介して室外ユニット2に接続されており、冷媒回路110の一部である室内側冷媒回路10aを構成している。本実施形態の室内ユニット104は、第1実施形態の室内ユニット4に設けられていた利用側膨張弁としての室内膨張弁41を有していない点が異なる。
室外ユニット2は、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を介して室内ユニット104に接続されており、冷媒回路110の一部を構成する室外側冷媒回路110cを備えている。この室外側冷媒回路110cは、主として、圧縮機21と、四路切換弁22と、熱源側熱交換器としての室外熱交換器23と、熱源側膨張弁としての室外膨張弁24と、レシーバ25と、ブリッジ回路126と、液側閉鎖弁36と、ガス側閉鎖弁37とを備えている点が異なる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上述の実施形態では、冷暖切り換え可能な空気調和装置に本発明を適用した例を説明したが、これに限定されず、冷房専用の空気調和装置や冷暖同時運転可能な空気調和装置に本発明を適用してもよい。
(B)
上述の実施形態では、試運転モードにおいて、制御変数変更運転を行い、この運転によって得られた運転データから経年劣化等の補償に必要な補正式のパラメータを決定しているが、冷媒量の適否の判定における精度が許容される限りにおいて、試運転時に制御変数変更運転を行うことなく、あらかじめ設定された補正式のパラメータを使用して経年劣化等の補償を行うようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、冷媒自動充填運転の際に、冷媒の追加充填が開始してから完了するまでの間の初期冷媒量よりも少ない量の冷媒が冷媒回路10内に充填された状態の運転状態量のデータを制御部8のメモリに蓄積するようにしているが、冷媒漏洩検知モードにおいて、これらのデータを使用しない場合には、冷媒の追加充填が開始してから完了するまでの間の運転状態量のデータを蓄積することなく、初期冷媒量まで充填された後の運転状態量のデータを蓄積するだけでもよい。
上述の実施形態では、空気調和装置1、101の制御部8が、各種の運転制御手段、状態量蓄積手段、冷媒量判定手段、状態量補正手段、及び、状態量補正式演算手段のすべての機能を有する冷媒量判定システムを構成しているが、これに限定されるものではない。例えば、図17に示されるように、空気調和装置1に、空気調和装置1の各構成機器を管理する管理装置として常設されるローカルコントローラ61が接続される場合には、空気調和装置1及びローカルコントローラ61によって、上述の制御部8が備えていた各種機能を有する冷媒量判定システムを構成して、ローカルコントローラ61を空気調和装置1の運転状態量を取得する状態量取得手段として機能させるとともに、状態量蓄積手段、冷媒量判定手段、状態量補正手段、及び状態量補正式演算手段としても機能させる等の構成が考えられる。この場合には、空気調和装置1の制御部8に、状態量補正式のパラメータの決定のみに使用される大量の運転状態量のデータを蓄積したり、冷媒量判定手段、状態量補正手段、及び状態量補正式演算手段としての機能を有しておく必要がなくなる。
(E)
また、図19に示されるように、空気調和装置1に、空気調和装置1の各構成機器を管理して運転データを取得する管理装置としてのローカルコントローラ61を接続し、このローカルコントローラ61を空気調和装置1の運転データを受信する情報管理センターの遠隔サーバ64にネットワーク63を介して接続し、遠隔サーバ64に状態量蓄積手段としてのディスク装置等の記憶装置65を接続することによって、冷媒量判定システムを構成してもよい。例えば、ローカルコントローラ61を空気調和装置1の運転状態量を取得する状態量取得手段とし、記憶装置65を状態量蓄積手段とし、遠隔サーバ64を冷媒量判定手段、状態量補正手段及び状態量補正式演算手段として機能させる等の構成が考えられる。この場合にも、空気調和装置1の制御部8に、状態量補正式のパラメータの決定のみに使用される大量の運転状態量のデータを蓄積したり、冷媒量判定手段、状態量補正手段及び状態量補正式演算手段としての機能を有しておく必要がなくなる。
2、102 室外ユニット(熱源ユニット)
4、5、104 室内ユニット(利用ユニット)
6、7 冷媒連絡配管
21 圧縮機
23 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
24 室外膨張弁(膨張弁)
25 レシーバ
38、39 液面検知回路(液面検出手段)
41、51 室内膨張弁(膨張弁)
42、52 室内熱交換器(利用側熱交換器)
Claims (6)
- 圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)とレシーバ(25)とを有する熱源ユニット(2、102)と、利用側熱交換器(42、52)とを有する利用ユニット(4、5、104)とが、冷媒連絡配管(6、7)を介して接続されることによって構成される冷媒回路(10)を備えており、前記熱源側熱交換器を前記圧縮機において圧縮される冷媒の凝縮器として機能させ、かつ、前記利用側熱交換器を前記熱源側熱交換器から前記レシーバを介して送られる冷媒の蒸発器として機能させる運転を少なくとも行うことが可能な空気調和装置であって、
前記レシーバ内の液面を検出する液面検出手段(38、39)と、
前記利用ユニットの運転負荷に応じて前記熱源ユニット及び前記利用ユニットの構成機器の制御を行う通常運転モードと、前記液面検出手段の検出値に基づいて前記レシーバの液面が一定になるように制御する冷媒量判定運転モードとを切り換えて運転することが可能な運転制御手段と、
前記冷媒量判定運転モードにおいて、前記冷媒回路を流れる冷媒又は構成機器の運転状態量に基づいて、冷媒量の適否を判定する冷媒量判定手段と、
を備えた空気調和装置(1、101)。 - 前記冷媒量判定運転モードにおける前記レシーバ(25)の液面は、前記通常運転モードにおける前記レシーバの液面よりも高い液面において一定になるように制御される、請求項1に記載の空気調和装置(1、101)。
- 前記熱源ユニット(2)又は前記利用ユニット(4、5)は、前記レシーバ(25)と前記利用側熱交換器(41、51)との間に接続された膨張弁(41、51、24)をさらに有しており、
前記冷媒量判定運転モードにおける前記レシーバ(25)の液面は、前記膨張弁(41、51、24)により一定になるように制御される、請求項1又は2に記載の空気調和装置(1、101)。 - 前記液面検出手段(38、39)は、前記レシーバ(25)の所定位置から前記レシーバ内の冷媒の一部を取り出して、減圧を行い、冷媒温度を測定した後に、前記圧縮機(21)の吸入側に戻すことができる液面検知回路である、請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和装置(1、101)。
- 圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)とレシーバ(25)とを有する熱源ユニット(2、102)と、利用側熱交換器(42、52)とを有する利用ユニット(4、5、104)とが、冷媒連絡配管(6、7)を介して接続されることによって構成される冷媒回路(10)と、前記レシーバ内の液面を検出する液面検出手段(38、39)と、を備えており、前記熱源側熱交換器を前記圧縮機において圧縮される冷媒の凝縮器として機能させ、かつ、前記利用側熱交換器を前記熱源側熱交換器から前記レシーバを介して送られる冷媒の蒸発器として機能させる運転を少なくとも行うことが可能な空気調和装置(1、101)から、運転状態量を取得する状態量取得手段と、
前記利用ユニットの運転負荷に応じて前記熱源ユニット及び前記利用ユニットの構成機器の制御を行う通常運転モードと、前記液面検出手段の検出値に基づいて前記レシーバの液面が一定になるように制御する冷媒量判定運転モードとを切り換えて運転することが可能な運転制御手段と、
前記冷媒量判定運転モードにおいて、前記状態量取得手段により取得された前記運転状態量を、運転状態量の基準値として蓄積する状態量蓄積手段と、
前記冷媒量判定運転モードにおいて、前記状態量取得手段が取得する運転状態量の現在値と、前記状態量蓄積手段に蓄積された前記運転状態量の基準値とに基づいて、冷媒量の適否を判定する冷媒量判定手段と、
を備えた空気調和装置の冷媒量判定システム。 - 前記状態量取得手段は、前記空気調和装置(1、101)を管理しており、
前記状態量蓄積手段及び前記冷媒量判定手段は、前記空気調和装置の遠隔にあり、前期状態量取得手段に通信回線を介して接続されている、
請求項5に記載の空気調和装置の冷媒量判定システム。
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