JP2006291090A - 中空樹脂微粒子、中空樹脂微粒子の製造方法、及び、複合材 - Google Patents

中空樹脂微粒子、中空樹脂微粒子の製造方法、及び、複合材 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い空隙率を有するとともに、高い強度を有するものであり、かつ、耐熱性及び耐溶剤性に優れた中空樹脂微粒子、該中空樹脂微粒子の製造方法、多孔質セラミックフィルタ製造用造孔材、該多孔質セラミックフィルタ製造用造孔材を用いてなる多孔質セラミックフィルタ、及び、複合材を提供する。
【解決手段】 単孔構造を有し、空隙率が70%以上のエポキシ樹脂からなる中空樹脂微粒子であって、耐圧縮強度が5.0MPa以上である中空樹脂微粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、空隙率が高く、高強度かつ耐熱性及び耐溶剤性に優れた中空樹脂微粒子、該中空樹脂微粒子の製造方法、及び、複合材に関する。
粒子内部に空隙を有する中空粒子は、軽量化、造孔化、断熱性付与、遮音性付与、低誘電性、耐衝撃性付与、剛性改善、風合改良、ひけ防止、塗り性改善等の目的で射出成形物、射出圧縮成形物、押し出し成形物、中空成形物、圧縮成形物、シート成形物、真空成形物、フィルム成形物、回転成形物等の各種成形体、壁紙、塗料、シーリング剤、粘着剤、靴底、合成皮革、タイヤ、紙、セメント、タイル、建材、人工木材、FRP、多孔質セラミックフィルタ等極めて広範な分野で利用されている。
こうした中空粒子としては、従来、ガラスバルーン、シラスバルーン等の無機マイクロバルーン、ニトリル系ポリマーや塩化ビニリデン等のガスバリア性を有する熱可塑性ポリマーを主成分とする発泡樹脂微粒子や、特許文献1等に記載の熱可塑性中空樹脂粒子等が知られている。
しかしながら、ガラスバルーン、シラスバルーン、セラミックバルーン等の無機マイクロバルーンは、耐熱性及び耐溶剤性には優れるものの脆く粒子強度に劣り、各種用途への配合時に加えられる弱冠の剪断力により容易に破壊を起こすという問題があった。また、これら無機バルーンは耐アルカリ性が悪いという問題もあった。
また、熱可塑性ポリマーを主成分とする発泡樹脂微粒子は、熱可塑性ポリマーを用いて、該熱可塑性ポリマーの軟化点温度以下でガス状になる揮発性膨張剤をマイクロカプセル化して得られるものであるが、こうした熱可塑性ポリマーを主成分とする発泡性樹脂微粒子は、耐熱性、耐溶剤性及び粒子強度のいずれも不充分であり、上述した各種の用途の殆どに使用できないものであった。
更に、特許文献1に開示された熱可塑性中空樹脂微粒子は、熱膨張性でないため、熱可塑性ポリマーを主成分とする発泡樹脂微粒子に比べて強度は優れるものの、これは主として中空度が低いことに起因するものであり、高中空度化した場合、ある程度の強度の低下は避けがたいものであり、また耐熱性も不充分であり、上述した各種用途に用いることは困難な場合がある。
これに対して、高強度、耐熱性、耐溶剤性に優れた中空樹脂微粒子の開発が検討されている。
例えば、特許文献2や特許文献3には、熱膨張性マイクロカプセルのシェルとしてニトリル系モノマーを一定量以上用いることで耐溶剤性や耐熱性に優れた熱膨張性マイクロカプセルが得られることが開示されている。
しかしながら、これらの方法により得られる熱膨張性マイクロカプセルは、従来の熱膨張性カプセルに比較して弱冠の耐熱、耐溶剤性に優れるものの依然満足のいくレベルではなかった。また、熱膨張後のマイクロカプセル強度の改善はなされていなかった。
特開2001−213727号公報 特開昭60−21770号公報 特許第2894990号公報
本発明は、上記の現状に鑑み、空隙率が高く、高強度かつ耐熱性及び耐溶剤性に優れた中空樹脂微粒子、該中空樹脂微粒子の製造方法、及び、複合材を提供することを目的とする。
本発明は、単孔構造を有し、空隙率が70%以上のエポキシ樹脂からなる中空樹脂微粒子であって、耐圧縮強度が5.0MPa以上である中空樹脂微粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の中空樹脂微粒子は、単孔構造を有する。
上記単孔構造を有することにより、本発明の中空樹脂微粒子の内部に形成された空隙は密閉性に優れたものとなり、各種用途に本発明の中空樹脂微粒子を用いた際に、空隙内にバインダー成分や他の成分が侵入して中空率が低下するといった不具合を防止することができる。
なお、本明細書において、「単孔構造」とは、多孔質状等のように複数の空隙を有する場合は含まず、ただ1つの閉じた空隙を有する構造のことをいう。また、以下、本発明の中空樹脂微粒子の空隙以外のエポキシ樹脂で構成された部分を「シェル部」ともいうこととする。
本発明の中空樹脂微粒子内部の空隙には気体が存在しており、該気体としては空気が好ましいが、その他の気体であってもよい。
本発明の中空樹脂微粒子は、空隙率の下限が70%である。空隙率が70%未満であると、本発明の中空樹脂微粒子を用いてなる成形体等に軽量化、造孔化、断熱性付与、遮音性付与、クッション性等を充分に付与することができない。空隙率の上限は特に限定されないが、形状の維持及び強度を確保する必要があることから、好ましい上限は99%、より好ましい上限は95%である。
本発明の中空樹脂微粒子は、耐圧縮強度の下限が5.0MPaである。5.0MPa未満であると、本発明の中空樹脂微粒子を溶融樹脂や無機物等と混練して複合材とする場合の剪断力や、該複合材を用いて成形体を加圧成形する際に加えられる圧力等により破壊されることがある。好ましい下限は10MPaであり、より好ましい下限は50MPaである。なお、本明細書において、上記耐圧縮強度は、ASTM−D3102(グリセロール使用)による10重量%破壊耐圧強度である。
また、本発明の中空樹脂微粒子の平均粒子径としては特に限定されないが、好ましい下限は100nm、好ましい上限は500μmである。100nm未満であると、本発明の中空樹脂微粒子同士の凝集が発生して取扱い性に劣ることがあり、500μmを超えると、後述する方法により本発明の中空樹脂微粒子を製造する際に、安定した液滴の形成が困難になる。より好ましい下限は500nm、より好ましい上限は100μmである。
また、本発明の中空樹脂微粒子の真比重としては特に限定されないが、好ましい下限は0.01g/cm、好ましい上限は1.0g/cmである。0.01g/cm未満であると、本発明の中空樹脂微粒子のシェル部が薄くなりすぎて粒子強度が著しく低下することがあり、1.0g/cmを超えると、シェル部が厚くなりすぎて中空粒子としての特性が発揮されないことがある。より好ましい上限は0.4g/cmである。
また、本発明の中空樹脂微粒子は、エポキシ樹脂からなるものである。
上記エポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、脂肪族型、脂環式型、ノボラック型、アミノフェノール型、ヒダトイン型、イソシアヌレート型、ビフェノール型、ナフタレン型及びこれらの水添化物、フッ素化物等いずれのエポキシ樹脂であってもよい。
このような本発明の中空樹脂微粒子は、所定のエポキシ当量を有するエポキシモノマーを含有する熱硬化性モノマーと、親水性硬化剤とを界面重合法により反応させることにより容易に製造することができる。
即ち、本発明の中空樹脂微粒子は、エポキシ当量が500以下のエポキシモノマーを60重量%以上含有する熱硬化性モノマーからなる親油性反応性分を、親水性硬化剤を含む極性媒体中に重合性液滴として分散させた分散液を調製する工程、上記重合性液滴界面において上記親油性反応成分と、上記親水性硬化剤とを反応させる工程を有する方法により製造することができる。このような本発明の中空樹脂微粒子の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明の中空樹脂微粒子の製造方法は、エポキシ当量が500以下のエポキシモノマーを60重量%以上含有する熱硬化性モノマーからなる親油性反応性分を、親水性硬化剤を含む極性媒体中に重合性液滴として分散させた分散液を調製する工程を有する。
上記熱硬化性モノマーは、エポキシ当量が500以下のエポキシモノマーを含有し、その含有量の下限は60重量%である。60重量%未満であると、製造する中空樹脂微粒子のシェル部の架橋が不充分となり、強度、耐熱性及び耐溶剤性が不充分となり、また、空隙率の下限を70%とすることが困難となる。上記ポキシ当量が500以下のエポキシモノマーの含有量の好ましい下限は80重量%であり、より好ましい下限は90重量%である。
上記エポキシ当量500以下のエポキシモノマーは、エポキシ当量200以下のエポキシモノマーを含有することが好ましく、その配合量の好ましい下限は10重量%である。このような熱硬化性モノマーを用いて製造する本発明の中空樹脂微粒子は、シェル部の架橋密度が高いものとなり、強度、耐溶剤性及び耐熱性により優れたものとなる。上記エポキシ当量500以下のエポキシモノマーに占める上記エポキシ当量200以下のエポキシモノマーのより好ましい下限は30重量%であり、更に好ましい下限は50重量%である。
上記エポキシ当量が500以下のエポキシモノマーや、エポキシ当量が200以下のエポキシモノマーは、親油性を有し、アミン、チオール、ポリカルボン酸、酸無水物と反応して樹脂を与えるものであり、例えば、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、脂肪族型、脂環式型、ノボラック型、アミノフェノール型、ヒダトイン型、イソシアヌレート型、ビフェノール型、ナフタレン型及びこれらの水添化物、フッ素化物等のいずれも用いることができる。
上記エポキシ当量が200以下のエポキシモノマーとしては特に限定はされず、例えば、エポトートYD115、エポトートYD127、エポトートYD128(商品名 東都化成社製)、エピコート825、エピコート827、エピコート828(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON 840、EPICLON 850(商品名 大日本インキ化学社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;エポトートYDF−170、エポトートYDF175S(商品名 東都化成社製)、エピコート806、エピコート807(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON 830、EPICLON 835(商品名 大日本インキ化学社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;エポトートYDPN―638、エポトートYDCN―701、エポトートYDCN―702、エポトートYDCN−703、エポトートYDCN―704、エポトートYDCN−500(商品名 東都化成社製)、エピコート152、エピコート154(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON N−655、EPICLON N−740、EPICLONN−770、EPICLON N−775、EPICLON N−865(商品名 大日本インキ化学社製)等のノボラック型エポキシ樹脂;エポトートYH−434、エポトートYH434−L(商品名 東都化成社製)、エピコート1031S、エピコート1032H60、エピコート604、エピコート630(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON 430(商品名 大日本インキ化学社製)、TETRAD−X、TETRAD−C(商品名 三菱ガス化学社製)等の特殊多官能タイプ;エピコートYX4000、エピコートYL6121H、エピコートYL6640、エピコートYL6677(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)等のビフェニル型エポキシ樹脂;エポトートYH−300、エポトートYH301、エポトートYH−315、エポトートYH−324、エポトートYH−325(商品名 東都化成社製)等の脂肪族ポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;エポトートYDC−1312、エポトートYSLV−80XY(商品名 東都化成社製)等の結晶性エポキシ樹脂;EPICLON HP−4032、EPICLON EXA−4700(商品名 大日本インキ化学社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂;エピコート191P、エピコートYX310(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON HP−820(商品名 大日本インキ化学社製)等の特殊機能型エポキシ樹脂;EPICLON 725(商品名 大日本インキ化学社製)等の反応性希釈剤等が挙げられる。
これらのエポキシ当量が200以下のエポキシモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、エポキシ当量が200を超え500以下のエポキシモノマーとしては、エポトートYD134、エポトートYD011(商品名 東都化成社製)、エピコート801、エピコート1001(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1055(商品名 大日本インキ化学社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;エポトートYDF−2001(商品名 東都化成社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−695(商品名 大日本インキ化学社製)等のノボラック型エポキシ樹脂;エピコート157S70(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON5500(商品名 大日本インキ化学社製)等の特殊多官能タイプ;エポトートYDB−360、エポトートYDB−400、エポトートYDB405(商品名 東都化成社製)、EPICLON152、EPICLON153(商品名 大日本インキ化学社製)等の臭素化エポキシ樹脂;エポトートYD−171(商品名 東都化成社製)、エピコート871(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLONTSR−960、EPICLON TSR−601(商品名 大日本インキ化学社製)等の可とう性エポキシ樹脂;エポトートST−3000(商品名 東都化成社製)、エピコートYX8000、エピコートYX8034(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)等の水添型エポキシ樹脂;EPICLON HP−7200(商品名 大日本インキ化学社製)等のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのエポキシ当量が200を超え500以下のエポキシモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、エポキシ当量が500を超えるエポキシモノマーとしては、例えば、エポトートYD−012、エポトートYD−013、エポトートYD―014、エポトートYD−017、エポトートYD−019(商品名 東都化成社製)、エピコート1002、エピコート1003、エピコート1055、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009、エピコート1010(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON 3050、EPICLON 4050、EPICLON AM−020−P、EPICLON AM−030−P、EPICLON AM−040−P、EPICLON 7050、EPICLON HM−091、EPICLON HM−101(商品名 大日本インキ化学社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;エポトートYDF−2004(商品名 東都化成社製)、エピコート4004P、エピコート4007P、エピコート4010P、エピコート4110、エピコート4210(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;エポトートYDB−405(商品名 東都化成社製)、EPICLON 1123P−75M(商品名 大日本インキ化学社製)等の臭素化エポキシ樹脂;エポトートYD−172(商品名 東都化成社製)、エピコート872(商品名 ジャパンエポキシレジン社製)、EPICLON 1600−75X(商品名 大日本インキ化学社製)等の可とう性エポキシ樹脂;エポトートST−4000D(商品名 東都化成社製)等の水添型エポキシ樹脂;EPICLON 5800(商品名 大日本インキ化学社製)等の多官能型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのエポキシ当量が500を超えるエポキシモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ当量が500以下のエポキシモノマー、エポキシ当量が200以下のエポキシモノマー、及び、エポキシ当量が500を超えるエポキシモノマーとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、可とう性エポキシ樹脂、及び、それらの水添化物を1種類以上含有してもよい。これらのエポキシモノマーを含有することで、得られる中空樹脂微粒子を構成するエポキシ樹脂は、靭性の高さを兼ね備えたものとなる。
上記親水性硬化剤としては特に限定されず、例えば、アミン系硬化剤、チオール系硬化剤、ポリカルボン酸、酸無水物等が挙げられる。なかでも、反応温度、硬化物性の点においてアミン系硬化剤が好適である。
上記アミン系硬化剤としては特に限定はされず、例えば、エチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノヘプタン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、テトラメチレンジアミン、ビスヘキサメチレントリアミン、フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミン、ノルボルナンジアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン等のポリアミン;2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物等のイミダゾール;ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン等のピペラジン系化合物;エポキシ樹脂のアミノ付加物等のアミノ基含有プレポリマー等が挙げられる。
また、上記アミン系硬化剤としては、活性水素当量が50以下のものが好ましい。活性水素当量が50以下のアミン系硬化剤を用いることで、製造する本発明の中空樹脂微粒子は、シェル部の架橋密度がより高いものとなり、強度、耐熱性及び耐溶剤性により優れたものになる。
上記活性水素当量が50以下のアミン系硬化剤は、炭素数の下限が4、上限が10のアルキレンジアミンを含有することが好ましい。このようなアミン系硬化剤を用いることで、製造する本発明の中空樹脂微粒子は、架橋密度と靭性とを両立した極めて強度の高いものとなる。
上記チオール系硬化剤としては特に限定されず、例えば、1,2−エチルジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール等が挙げられる。
上記ポリカルボン酸としては特に限定されず、例えば、シュウ酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マロン酸、コハク酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、(o−、m−、p−)ベンゼンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、及び、メチルメタクリル酸等からなる群より選択されるいずれか一種を10重量%以上含有するポリマー共重合体等が好適である。
上記酸無水物としては特に限定されず、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸等が挙げられる。
上記親水性硬化剤の配合量としては特に限定されず、該親水性硬化剤の活性水素当量、及び、上記熱硬化性モノマーに占めるエポキシモノマーの割合やエポキシ当量等に合わせて適宜決定される。
また、本発明の中空樹脂微粒子の製造方法では、上記親油性反応成分に非重合性化合物を配合してもよい。上記非重合性化合物は、極性媒体中で安定した重合性液滴を形成させたり、親油性エポキシモノマーと親水性硬化剤との反応速度を制御したりする役割に加え、製造する中空樹脂微粒子の空隙率を高くする役割を有する。
上記非重合性化合物としては、上記熱硬化性モノマー中のエポキシモノマーと上記親水性硬化剤との反応温度において液状であり、他の親油性成分と混合でき、上記エポキシモノマー及び親水性硬化剤のいずれとも反応せず、かつ、加熱等により容易に蒸散させることができるものであれば特に限定されず、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の有機溶剤等が挙げられる。
また、上記非重合性化合物として炭素数8〜20程度の高級アルカンや長鎖状の疎水性化合物を配合してもよい。このような化合物は、極性媒体中で重合性液滴が合一することを効果的に抑制する役割を有する。特に、粒子径が1μm以下の液滴は合一しやすい性質を有するため、このような液滴を安定して形成する際には、上記高級アルカンや長鎖状の疎水性化合物が配合されていることが好ましい。
上記炭素数8〜20程度の高級アルカンや長鎖状の疎水性化合物としては特に限定されず、例えば、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ヘプタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサンやステアリルメタクリレート等が挙げられる。
上記非重合性化合物の配合量としては特に限定されないが、上記親油性反応成分30重量部に対して好ましい下限は70重量部、好ましい上限は1000重量部である。30重量部未満であると、製造する中空樹脂微粒子の空隙率が低くなることがあり、1000重量部を超えると、非重合性化合物を除いたときに粒子形状が保てず中空樹脂微粒子が得られなかったり、得られた中空樹脂微粒子の強度が極端に劣ったりすることがある。
上記炭素数8〜20の高級アルカンや長鎖状の疎水性化合物を用いる場合、上記親油性反応成分に対する配合量としては特に限定されないが、好ましい下限は0.1重量%である。0.1重量%未満であると、重合性液滴の合一を効果的に抑制できないことがある。
上記極性媒体としては上記親油性成分と混じり合わず、上記親油性成分の分散液を調製可能なものであれば特に限定されず、例えば、水やグリシン−HCl緩衝液、クエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝液、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液、リン酸緩衝液、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等の通常の極性媒体の中から任意に用いることができる。
上記親油性反応成分、親水性硬化剤及び分散安定剤等を上記極性媒体中に重合性液滴として分散させた分散液を調製する方法としては特に限定されず、例えば、ホモミキサー、バイオミキサー、オムニミキサー、超音波ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー等を用いる従来公知の方法が挙げられる。
また、上記分散液を調製する際には、上記極性媒体中に各種添加剤を添加してもよく、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸カリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート等のノニオン性乳化剤、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性乳化剤、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性乳化剤、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、マリアリム、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルアルコール等の高分子分散剤や、セチルアルコール等の分散助剤が挙げられる。これらを添加する場合の配合量としては特に限定されないが、上記極性媒体に対する好ましい下限が0.01重量%であり、好ましい上限が10重量%である。
本発明の中空樹脂微粒子の製造方法は、上記重合性液滴界面において上記親水性反応成分と、親水性硬化剤とを反応させる工程を有する。
例えば、上記分散液を加熱して上記親油性反応成分中のエポキシモノマーと親水性硬化剤との反応温度にすることにより、親油性反応成分中のエポキシモノマーと親水性硬化剤とが反応してエポキシ樹脂を生じる。このとき、親油性反応成分を含む重合性液滴と親水性硬化剤を含む極性媒体とは相分離していることから、反応は上記重合性液滴と極性媒体との界面付近においてのみ起こり、生成したエポキシ樹脂からなるシェル部を有し、未反応の親油性成分(及び、上記非重合性化合物)を内包する樹脂微粒子が形成される。
本発明の中空樹脂微粒子の製造方法では、得られた上記樹脂微粒子の内包する未反応の親油性成分を除去することで、高空隙率の中空樹脂微粒子を製造することができる。
上記得られた樹脂微粒子の内包する未反応の親油性成分を除去する方法としては特に限定されず、例えば、得られた樹脂微粒子の分散液に窒素、空気等の気体を吹き込む方法;系全体を減圧する方法;内包する親油性成分と混合可能な溶媒中において上記親油性成分を抽出除去する等が挙げられる。
更に、温度条件を樹脂微粒子内部の未反応の親油性成分の沸点以上とすることで、内包する未反応の親油性成分を樹脂微粒子から除くこともできる。
このような界面重合法による本発明の中空樹脂微粒子の製造方法によると、単孔構造を有し、空隙率が70%以上の本発明の中空樹脂微粒子を製造することができる。
また、製造する本発明の中空樹脂微粒子のシェル部は、エポキシ当量が500以下のエポキシモノマーを60重量%以上含有する熱硬化性モノマー、好ましくは、エポキシ当量200以下のエポキシモノマーを10重量%以上含有するエポキシ当量500以下のエポキシモノマーを60重量%以上含有する熱硬化性モノマーからなる親油性反応成分と、親水性硬化剤、好ましくは、炭素数が4〜10のアルキレンジアミンを含有する活性水素当量が50以下のアミン系硬化剤とを反応させてなるものであるため、高い架橋密度を有するものとなり、耐圧縮強度の下限が5.0MPaと高い強度を有し、耐熱性及び耐溶剤性に優れたものとなる。そのため、本発明の中空樹脂微粒子の製造方法により得られた本発明の中空樹脂微粒子は、有機溶剤や可塑剤を含む塗工物や、高温溶融樹脂中に添加することによる成形物、無機物との混練を要する成形物等、従来の中空粒子では使用が困難であった用途において好適に使用することができる。
本発明の中空樹脂微粒子の用途としては特に限定されず、例えば、多孔質セラミックフィルタを製造する際に使用する造孔材や、内部に本発明の中空樹脂粒子による空隙を導入することを目的とする種々の有機及び無機の複合材に用いることができる。
本発明の中空樹脂微粒子は、多孔質セラミックフィルタを製造する際に使用する多孔質セラミックフィルタ製造用造孔材として好適に用いることができる。本発明の中空樹脂微粒子は、高強度であるため、本発明の中空樹脂微粒子を多孔質セラミックフィルタ製造用造孔材として用いると、多孔質セラミックフィルタ成形時におけるセラミック材料との混練時の剪断力や、押出し成形時の圧力によって圧潰することなく、効果的に造孔効果を発現することができる。
また、本発明の中空樹脂微粒子は、空隙率が70%以上と高いため、本発明の中空樹脂微粒子を多孔質セラミックフィルタ製造用造孔材として用いると、多孔質セラミックフィルタ製造時の有機成分を除去する脱脂工程において、分解熱及び有機ガスの発生が少なく、脱脂工程における負担を軽減することができる。本発明の中空樹脂微粒子からなる多孔質セラミックフィルタ製造用造孔材もまた、本発明の1つである。
本発明の多孔質セラミックフィルタ製造用造孔材を用いた多孔質セラミックフィルタの製造方法としては、例えば、本発明の多孔質セラミックフィルタ製造用造孔材とセラミック材料とを所定のバインダー成分等と混練してセラミックスラリーを調製する工程、該セラミックスラリーを従来公知の押出し成形法等により押出し成形して多孔質セラミックフィルタと略同形状の成形体を作製する工程、作製した成形体を脱脂する工程、及び、脱脂後の成形体を焼成する工程を有する方法が挙げられる。本発明の多孔質セラミックフィルタ製造用造孔材を用いてなる多孔質セラミックフィルタもまた、本発明の1つである。
上記セラミック材料としては特に限定されず、例えば、コージェライト組成物、炭化ケイ素組成物、窒化ケイ素組成物等が挙げられる。
また、本発明の中空樹脂微粒子は、内部に本発明の中空樹脂粒子による空隙を導入することを目的とする種々の有機及び無機の複合材に好適に用いることができる
本発明の中空樹脂微粒子と、マトリックス樹脂とを有する複合材もまた、本発明の1つである。
このような本発明の複合材は、本発明の中空樹脂微粒子によりマトリックス樹脂内部に空隙が導入されることにより、軽量性、造孔性、断熱性、遮音性、低誘電性、耐衝撃性、剛性、風合、ひけ防止性に優れたものとなる。
このような本発明の複合材としては特に限定されず、例えば、軽量射出成形体、艶消し射出成形体、高強度射出成形体、軽量粘土、軽量壁紙、軽量靴底、軽量車底塗料、軽量絶縁材料樹脂組成物、軽量ゴム弾性体、軽量タイヤ、軽量シーリング剤、軽量接着剤、軽量FRP、軽量合成皮革、軽量合成木材、軽量建築骨材、軽量セラミック組成物、軽量タイル、軽量人造大理石、感圧紙、感圧接着剤、粘着剤の弾性付与・塗り性改善用途、耐熱性断熱材、断熱塗料、吸音樹脂組成物、振動減衰組成物、低誘電材料、セメントモルタル組成物、硬化収縮低減接着剤、硬化収縮低減シーリング剤、艶消しシーリング剤、多孔質セラミックフィルタ用組成物等種々のものが挙げられる。
特に、本発明の複合材は、各種塗料、パテ、シーリング剤、及び、射出成形体として好適に用いることができる。なお、本発明の複合材からなる射出成形体もまた、本発明の1つである。
本発明の射出成形体は、軽量化、耐衝撃性改善、剛性改善、ひけ防止、艶消し、断熱化等の機能を有するものであり、上述した本発明の複合材を従来公知の射出成形法により成形することで製造することができる。
本発明の射出成形体は、上述した本発明の中空樹脂微粒子と射出成形材料とを従来公知の射出成形法により成形したものである。
上記射出成形材料としては、溶融可能な熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、各種ポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリブチレンテレフタラート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、各種液晶樹脂、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体樹脂、エチレン/トリクロロフルオロエチレン共重合体樹脂、及びこれらの共重合体等が挙げられる。
本発明によれば、空隙率が高く、高強度かつ耐熱性及び耐溶剤性に優れた中空樹脂微粒子を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)中空樹脂微粒子の調製
エポキシモノマー成分としてエピコート828(エポキシ当量184〜194、ジャパンエポキシレジン社製)20重量部とエピコート630(エポキシ当量90〜105、ジャパンエポキシレジン社製)10重量部と非重合性化合物としてトルエン70重量部を混合・撹拌した混合溶液の全量を、硬化剤成分としてジエチレントリアミン5重量部及びヘキサメチレンジアミン5重量部と、ポリビニルアルコール2重量部とを含有するイオン交換水400重量部に添加し、ホモジナイザーにて攪拌乳化して、平均粒子径50μmの重合性液滴が分散した分散液を調製した。
撹拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計を備えた20L容の重合器を用い、重合器内を減圧して容器内の脱酸素を行った後、窒素置換して内部を窒素雰囲気とした後、得られた分散液を投入し、重合器を80℃まで昇温して重合を開始させた。4時間重合させ、その後1時間の熟成期間をおいた後、重合器を室温まで冷却してエポキシモノマー成分等を内包する樹脂微粒子を含有するスラリーを得た。
得られたスラリーをセントルにて脱水し、その後真空乾燥により樹脂微粒子内部に残存するエポキシモノマー等を除去し中空樹脂粒子を得た。
(2)軽量射出成形体の作製
密度0.9082g/cm、MFRが30g/10分、共重合部が12重量%のポリプロピレン・エチレンブロック共重合体100重量部に対し、得られた中空樹脂微粒子25重量部を220℃の温度条件において高速ミキサーにおいて充分溶融混練造粒し、射出成形用のペレットを作製した。その後、作製したペレットを射出圧縮成形機を用いて成形圧力10MPa(100kg/cm)の条件で成形した。
得られた成形体の断面を電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、「S−3500N」)を用いて観察し中空樹脂微粒子の破壊状態を観察した。結果を表1に示す。
(3)多孔質セラミックフィルタ用成形体の作製
炭化ケイ素40重量部、窒化ケイ素50重量部、カーボン粉末10重量部からなるセラミック組成物を混合したものを100体積部とし、それに対し造孔材として得られた中空樹脂微粒子30体積部を添加した。そして、メチルセルロース8重量部及び水を加えて混練後、押出成形可能な坏土とした。
次いで、それぞれのバッチの坏土を、公知の押出成形法により、外形寸法100mm、セル寸法2.0mm、壁厚0.4mmのハニカム構造体を作製した。
作製したハニカム構造体の断面を電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、「S−3500N」)を用いて観察し中空樹脂微粒子の破壊状態を観察した。結果を表1に示す。
(実施例2)
エポキシモノマー成分としてエポトートYH−434L(エポキシ当量110〜130、東都化成社製)20重量部と、非重合性化合物としてトルエン80重量部とを混合・撹拌した混合溶液の全量を、硬化剤成分としてエチレンジアミン3重量部及びヘキサメチレンジアミン3重量部と、ポリビニルアルコール2重量部とを含有するイオン交換水400重量部に添加し、ホモジナイザーにて攪拌乳化して、平均粒子径46μmの液滴が分散した分散液を調製した。その後、得られた分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして中空樹脂微粒子を調製し、得られた中空樹脂微粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして射出成形体及びハニカム構造体を作製した。
(実施例3)
エポキシプレポリマー成分としてエポトートYDCN−704(エポキシ当量195〜220、東都化成社製)10重量部と、非重合性有機溶剤としてトルエン90重量部とを混合・撹拌した混合溶液の全量を、硬化剤のアミン成分としてジエチレントリアミン2重量部及びヘキサメチレンジアミン2重量部と、ポリビニルアルコール2重量部とを含有するイオン交換水400重量部に添加し、ホモジナイザーにて攪拌乳化して、平均粒径64μmの液滴が分散した分散液を調製した。その後、得られた分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして中空樹脂微粒子を調製し、得られた中空樹脂微粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして射出成形体及びハニカム構造体を作製した。
(比較例1)
中空樹脂微粒子に代えて、熱可塑性の熱膨張性マイクロカプセルである松本油脂製薬社製「熱膨張性マイクロカプセルF−85D」を170℃で1分間加熱したものを用いた以外は、実施例1と同様の方法により射出成形体及びハニカム構造体を作製した。
(比較例2)
中空樹脂微粒子に代えて、真密度が0.13g/cm、体積平均粒子径が62μm、10重量%破壊耐圧強度が3.0MPa(30kg/cm)のガラスバルーンを用いた以外は、実施例1と同様の方法により射出成形体及びハニカム構造体を作製した。
(評価)
実施例1〜3及び比較例1、2で得た、中空樹脂微粒子、マイクロバルーン、ガラスバルーン、射出成形体、及び、ハニカム構造体について、以下の方法により評価を行った。結果を表1に示した。
(1)中空樹脂微粒子等の平均粒子径
レーザー回折粒度分布計(堀場製作所社製、「LA−910」)を用いて体積平均粒子径を測定した。粉末の任意の場所から3カ所サンプリングし、その平均値を用いた。
(2)中空樹脂微粒子等の真比重及び空隙率の測定
密度計(島津製作所社製、「アキュピック1330」)を用いて、微粒子内部の空隙を含む微粒子の真比重を測定し、更に空隙率を計算した。
(3)10重量%破壊耐圧強度の測定
ASTM−D3102(グリセロール使用)に準拠し、10重量%破壊耐圧強度を測定した。
(4)成形テスト
実施例1〜3及び比較例1、2で得た射出成形体、及び、ハニカム構造体の各断面を電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、「S−3500N」)を用いて観察し、粒子の破壊状態を下記の基準で判定した。
○:潰れなし
△:一部に潰れあり
×:殆ど潰れあり
Figure 2006291090
本発明によれば、空隙率が高く、高強度かつ耐熱性及び耐溶剤性に優れた中空樹脂微粒子を提供することができる。

Claims (8)

  1. 単孔構造を有し、空隙率が70%以上のエポキシ樹脂からなる中空樹脂微粒子であって、耐圧縮強度が5.0MPa以上であることを特徴とする中空樹脂微粒子。
  2. 請求項1記載の中空樹脂微粒子の製造方法であって、
    エポキシ当量が500以下のエポキシモノマーを60重量%以上含有する熱硬化性モノマーからなる親油性反応性分を、親水性硬化剤を含む極性媒体中に重合性液滴として分散させた分散液を調製する工程、
    前記重合性液滴界面において前記親油性反応と、前記親水性硬化剤とを反応させる工程を有する
    ことを特徴とする中空樹脂微粒子の製造方法。
  3. エポキシ当量が500以下のエポキシモノマーは、エポキシ当量が200以下のエポキシモノマーを10重量%以上含有することを特徴とする請求項2記載の中空樹脂微粒子の製造方法。
  4. 親水性熱硬化剤は、活性水素当量が50以下のアミン系硬化剤であることを特徴とする請求項2又は3記載の中空樹脂微粒子の製造方法。
  5. 活性水素当量が50以下のアミン系硬化剤は、炭素数が4〜10のアルキレンジアミンを含有することを特徴とする請求項4記載の中空樹脂微粒子の製造方法。
  6. 請求項1記載の中空樹脂微粒子からなることを特徴とする多孔質セラミックフィルタ製造用造孔材。
  7. 請求項6記載の多孔質セラミックフィルタ製造用造孔材を用いてなることを特徴とする多孔質セラミックフィルタ。
  8. 請求項1記載の中空樹脂微粒子とマトリックス樹脂とを有することを特徴とする複合材。
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