JP2006283523A - 支柱構造及びガードレール付支柱 - Google Patents

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Abstract


【課題】 衝突エネルギーの吸収性能を向上させることができ、構造が簡単な支柱構造を提供すること。
【解決手段】 支柱用の外鋼管4の内側に、内鋼管5または形鋼11が前記外鋼管4と接しないように間隔をおいて設けられていることを特徴とする支柱構造。前記外鋼管4と内鋼管5もしくは形鋼11に囲まれた一部の空間または全空間にスラグあるいは土砂8が充填されている。前記内鋼管5または形鋼11は、外鋼管4内側にその軸方向の一部に又はほぼ全長に渡って設けられている。前記の支柱構造における外鋼管4に、単一の形鋼または複数の形鋼がガードレールとして前記外鋼管4と直角方向に取付けられているガードレール付支柱。
【選択図】図1

Description

本発明は、支柱やガードレール付支柱等の道路構造や鉄道構造において使用される衝突エネルギー吸収機能を備えた支柱構造およびガードレール付支柱に関する。
従来、衝突エネルギー吸収機能を備えた支柱としては、(1)支柱に砂を堅く詰めた構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、(2)地中に埋設されたさや管に昇降自在に支柱が嵌挿され、前記支柱を上昇させ、地上へ突出させた後に回動することにより、前記突出状態の固定を可能にした車止め用支柱において、前記さや管の内周面上部に係止片を設け、前記支柱の下部に設けた太径部の外周面に昇降溝と係止溝とをそれらの下端側に連通溝部を設けて形成し、係止片が昇降溝を通過するようにして支柱を上昇させた後に回動させ、係止片を係止溝に係合させて固定するようにした車止め支柱も知られている(例えば特許文献2参照。)。このような構造では、昇降操作ができるが、支柱下部と、さや管上部構造が複雑で支柱構造が複雑になるという問題がある。
また、(3)道路の中央分離帯に沿って設置されるように一方向に長くなされた合成樹脂からなるブロック本体に、アンカーボルトが挿入される取付孔と柱状の車線分離標が支持される支持孔とを穿設し、前記取付孔に挿入させたアンカーボルトを路面に埋設されたアンカーナットに螺着させてブロック本体を路面に取付けると共に、前記支持孔に車線分離標の下部を挿入させて車線分離標をブロック本体に立設支持させた中央分離帯用ブロックも知られている(例えば特許文献3参照)。
また、(4)金属製の自動車車体フレーム構造部材のうち自動車衝突時の衝突エネルギーを吸収する衝突エネルギー吸収部材において、円管の内部に挿入された一または複数の円管および角管で隔壁を形成された閉断面形状を有する衝突エネルギー吸収部材も知られている(例えば、特許文献4参照。)。
特開平9−242034号公報 特開平2003−96731号公報 特開2002−146730号公報 特開2003−137129号公報
前記(1)のように、支柱に砂を詰めたのみでは、自動車衝突時のエネルギー吸収性能に限界があるという問題があり、前記(3)のように合成樹脂による場合は衝突エネルギーの吸収性能が低いという問題があり、前記(4)のように外鋼管と内鋼管が接している場合には、これらの衝突が不可能で、衝突エネルギーの吸収性能に限界があるという問題がある。
本発明は、(A)従来の場合より、より衝突エネルギーの吸収性能を向上させることができ、(B)また構造が簡単な支柱構造およびガードレール付支柱を提供することを目的とする。
前記の課題を有利に解決するために、第1発明の支柱構造においては、衝突エネルギー吸収機能を備えた支柱において、支柱用の外鋼管の内側に、内鋼管または形鋼が前記外鋼管と接しないように間隔をおいて設けられていることを特徴とする。
また、第2発明では、第1発明の支柱構造において、前記外鋼管と内鋼管もしくは形鋼に囲まれた一部の空間または全空間に、スラグ、土砂、またはウレタン製,ゴム製,木製あるいは石製の物質の、少なくともいずれか一つの物質が充填されていることを特徴とする。
また、第3発明では、第1または第2発明の支柱構造において、前記内鋼管または形鋼は、外鋼管内側にその軸方向の一部に又はほぼ全長に渡って設けられていることを特徴とする。
また、第4発明では、第1〜3発明の支柱構造において、外力により外鋼管が変形した時に、順次内側に配置された内鋼管または形鋼により支承するようにしたことを特徴とする。
また、第5発明のガードレール付支柱においては、第1発明〜第4発明のいずれかの支柱構造における外鋼管に、単一の形鋼または複数の形鋼がガードレールとして前記外鋼管と直角方向に取付けられていることを特徴とする。
本発明によると、外鋼管とその内側に配置される内鋼管または形鋼は、初期状態において、横方向に間隔をおいて離間している支柱構造であるので、すなわち、外鋼管と内鋼管(または形鋼)が、接しないことにより、(1)外鋼管の変形,(2)外鋼管と内鋼管(または形鋼)との衝突,(3)内鋼管の変形、の3つの挙動を呈することにより、衝突エネルギーの吸収性能を高めることができる。さらにこれらの空間にスラグや土砂(特に砂)またはウレタン製,ゴム製,木製あるいは石製の物質の、少なくともいずれか一つの物質を設けることで、衝撃をスラグや土砂に伝え、スラグや土砂(例えば砂)またはウレタン製,ゴム製,木製あるいは石製の物質の、少なくともいずれか一つの物質同士が衝突,逸散することで、さらなる吸収性能の向上を図ることができる。スラグや土砂またはウレタン製,ゴム製,木製あるいは石製の物質の、少なくともいずれか一つの物質を外鋼管の内部に設けることで、外鋼管や内鋼管(または形鋼)の変形(特に座屈)を抑制することができるとともに、吸音効果も得られる。また、車両等の衝突等の外力により外鋼管が変形した時に、順次内側に配置された内鋼管または形鋼により支承するので、効率よく衝突エネルギーを吸収しながら支承できる。さらに本発明の支柱構造あるいは、単一の形鋼または複数の形鋼が外鋼管と直角方向に取付けられたガードレール付支柱では、支柱あるいは単一の形鋼または複数の形鋼等のガードレールを介して前記支柱構造により自動車等の衝突エネルギーを吸収して緩衝支承することができる。
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1,図2(a),図3および図4は本発明の一実施形態の支柱構造を示すものであって、図1(a)は上部支柱を上昇させた状態を示す縦断正面図、(b)は上部支柱を格納した状態を示す縦断正面図である。図2(a)は図1(a)のA−A線断面図である。
この形態は、格納式支柱20を示したもので、前記格納可能な格納式支柱20は、昇降されて格納可能な上部支柱1と、格納用凹部2を有する鋼製またはコンクリート製の下部鞘管3とにより構成されている。下部鞘管3の底部には底板3aが設けられている。
上部支柱1は、円形の外鋼管4と円形の内鋼管5とを備えており、前記内鋼管5はその下端部外周部が鋼製底板6に溶接により固定された状態で外鋼管4内に同心状に配置され、底板6と外鋼管4とは溶接等により固定されている。本発明においては、外鋼管4内面と内鋼管5(後記の実施形態では形鋼)外面とは間隔をおいて離れていることが重要である。
内鋼管5と外鋼管4の下部には、内鋼管5および外鋼管4の上下方向の縦軸中心に交差する横中心軸線を有する横貫通孔が設けられ、これらの横貫通孔を貫通するように鋼製筒状固定部材7が貫通配置されて、前記鋼製筒状固定部材7と外鋼管4とは溶接により固定されている。また、外鋼管4の上端部はキャップ4aをねじ嵌合して必要に応じ溶接等により固定される。
鋼製筒状固定部材7の端部は外鋼管4の外側から適宜溶接等により固定され、鋼製筒状固定部材7と内鋼管5とは、外鋼管4の上端部を前記のような着脱可能な蓋の形態とする場合には、外鋼管4の内側から溶接等により内鋼管5と鋼製筒状固定部材7とは固定される。
図示の形態では、外鋼管4内の空間の上下方向のほぼ全長に渡って内鋼管5を設けるようにしているが、内鋼管5を外鋼管4内の空間の上下方向の中央等の中間部までとしてもよく、すなわち外鋼管4内側の上下方向における一部の空間に内鋼管5を設けたり、上下方向のほぼ全空間にわたって内鋼管5を連続して設けたりしてもよい。内鋼管5の下部を底板6に固定する形態では、底板6から内鋼管5を立ち上げる形態となる。内鋼管5はその下部が、底板6または筒状固定部材7を介して外鋼管4に固定され、上部が自由端となる片持ち式とされている。
また、図示の形態では、外鋼管4内面と内鋼管5外面との間の空間、内鋼管5の内側空間に、スラグあるいは土砂またはウレタン製,ゴム製,木製あるいは石製の物質の、少なくともいずれか一つの物質8が、衝撃吸収材または緩衝伝達材あるいは外鋼管4あるいは内鋼管5(または後記の形鋼)の変形を抑制する部材さらには吸音部材として充填されている。
前記の内鋼管5としては、図2(b)に示すように角形鋼管9としてもよく、また、図2(c)に示すように、内鋼管5に代えて溝形鋼10としてもよい。前記の角形鋼管9あるいは溝形鋼10等の形鋼11の場合は、いずれも下端部は、底板6に溶接により固定されている。また、形鋼11として溝形鋼10の場合では、ウエブ11aを貫通するように横貫通孔が設けられ、ウエブ11aの横貫通孔を貫通するように前記筒状固定部材7が配置される。
中央分離分離帯等の地盤または道路帯12等に埋め込み配置される下部鞘管3に設けた格納用凹部2等の空間の内壁は、自動車衝突時に生じる衝撃力を上部支柱1および下部鞘管3を介して地盤または道路帯12に伝達し、鋼管による支圧力を伝達できるように、地盤に設けた格納用孔の内周面である格納用空間の壁を強固なものにすることが望ましい。格納用孔を形成する壁材として、外鋼管4より大きな径を有する鋼製の格納用下部鞘管3あるいはコンクリート製の支承壁であることが望ましい。また上部支柱1下部の格納用空間への差し込み長として、支圧力を確保できるように上部支柱1の全長の1/5程度以上の埋め込み長を確保できるように、筒状固定部材7ならびにこれに挿通される支持部材14を上部支柱1に設置する。
外鋼管4の上端部には、外鋼管4を格納すべく、落とした後、再度引き上げるための吊り部材15を有している。吊り部材15は、上部支柱1が格納空間内に治まり、路面上を走行する車の障害とならないように、吊り部材15の天端が道路帯12のレベルに格納可能となるようにされている。なお、吊り部材15を外鋼管4の上端部から突出しないように、外鋼管4の上端部に凹部を設けて吊り部材15の上端を外鋼管4の上面から突出しないようにしてもよい。
前記のように、筒状固定部材7は、外鋼管4に固着されるものであり、図9(a)に示すように小径の鋼管7aを使用することもでき、あるいは図9(b)に示すように角鋼管7bを使用してもよく、あるいは図9(c)および図10(a)に示すように、扁平な矩形断面形状部材7c等の筒状固定部材7を使用することができる。あるいは図10(b)に示すように、外鋼管4と内鋼管5との半径方向の両端部で、短尺の筒状固定部材7dをそれぞれ外鋼管4と内鋼管5の横貫通孔に溶接により固定してもよい。
上部支柱1における前記の筒状固定部材7を地盤レベルよりも高レベル位置とした状態で、筒状固定部材7の内部にその筒状固定部材7の内径よりも小さい断面の支持部材14を貫通配置され、上部支柱1の半径方向外側に突出した支持部材14の両端部を地盤上面に介在させた棒状部材等のころ16に載置することにより、支持部材14を介して上部支柱1を所定の上昇したレベルに支持している。前記ころ16により図3,4に矢印で示すように支持部材14の引き抜きあるいは差込みを容易にしている。
したがって、上部支柱1の自重は筒状固定部材7、支持部材14およびころ16を介して地盤に伝達される。前記の支持部材14は、自動車等の衝突時に大きく作用する部材ではないので、上部支柱の自重のみに抵抗できればよい部材であり、そのため、大きな断面形状にする必要はない。
支持部材14としては、鉄筋や丸鋼あるいは平板から構成されており、これらの部材の一端部に、差込みまたは引き抜き作動するためのリング状の掴み部17を備えている。支持部材14が筒状固定部材7に密着し、支持部材14が作動することが難しい場合、図12に示すように、筒状固定部材7ならびに支持部材14を地盤表面に対し、斜めに傾斜配置することで、上部支柱1あるいは支持部材14の自重による鉛直力を低減することができる。このような形態では、外鋼管4および内鋼管5(または形鋼等)に異なるレベルの傾斜した横貫通孔を設けてこれらに渡って筒状固定部材7を配置して溶接等により外鋼管4等に固定すればよい。
前記のころ16に代えて、図11に示すように、支持部材14自身に車輪18を有する形態でもよく、この場合には、筒状固定部材7の貫通する内部空間を前記車輪18が挿通できるように大きめな貫通孔としておく必要がある。支持部材14を傾斜配置したり、支持部材14に車輪18を設けておくと、支持部材14の差込みあるいは引き抜き動作を容易にすることができる。
なお、支柱構造の簡略化の観点および、筒状固定部材7と支持部材14との付着面積を減らし、支持部材14の差込みおよび引き抜き作動することが容易にする点で、支持部材14は鉄筋あるいは鋼棒等を材料とした棒状部材とすることが望ましい。
なお、図10(b)に示すように、筒状固定部材7を外鋼管4と内鋼管5に渡るように半径方向両側の一部に部分的に複数設けてもよく、また、上部支柱1を支持する支持部材14を複数設置していてもよい。前記の筒状固定部材7あるいは支持部材14を複数設ける場合、図示を省略するが、外鋼管4と内鋼管5の周方向に間隔をおいて設けてもよい。
図5および図6は本発明の他の実施形態の支柱構造を示すものであって、前記実施形態と相違する点は、外鋼管4または内鋼管5の内部に、スラグ、土砂、またはウレタン製,ゴム製,木製あるいは石製の物質が充填されていない点が相違するがその他の構成は前記実施形態と同様である。
この実施形態では、外鋼管4に自動車等が衝突したとき、外鋼管4の変形が内鋼管5(または形鋼11)に接するようになると、外鋼管4の内面が内鋼管5(または形鋼11)に支承され、外鋼管4または内鋼管5(または形鋼11)が共同して、変形しながら、自動車等の衝突時のエネルギーを吸収する。
図7および図8は本発明の他の実施形態の支柱構造を示すものであって、図5および図6(a)(b)と相違する点は、内鋼管5の内側にさらに外形の小さい内鋼管5を配置した点が相違するがその他の構成は前記実施形態と同様である。前記の最も内側の内鋼管5にも筒状固定部材7を貫通配置するための横貫通孔が設けられ、支持部材14が必要に応じ貫通配置できるようにされる。2つの内鋼管5の間隔が狭く、溶接が難しい場合は、筒状固定部材7は外鋼管4にのみ溶接して固着し、2つの内鋼管5には溶接せずに設けた横貫通孔に通すだけでも構わない。
この実施形態では、外鋼管4に自動車等が衝突したとき、外鋼管4の変形が内鋼管5(または形鋼11)に接するようになると、外鋼管4の内面が中間の内鋼管5(または形鋼11)に支承され、外鋼管4または中間の内鋼管5が共同して変形しながら自動車等の衝突時のエネルギーを吸収する。また、中間の内鋼管5の変形が、最も内側の内鋼管5に接するようになると、外鋼管4と、中間の内鋼管5および最も内側の内鋼管5が共同して、変形しながら、自動車等の衝突時のエネルギーを吸収する。なお、最も内側の内鋼管5に代えて形鋼を配置するようにしてもよい。このように車両等の衝突等の外力により外鋼管が変形した時に、順次内側に配置された内鋼管または形鋼により支承すると、効率よく車両等の衝突エネルギーを吸収しながら支承することができる。
なお、図示を省略するが、内鋼管5に代えて形鋼11を配置する形態では、形鋼11の溝内に、その溝よりも小さい最も内側の形鋼を配置するようにしてもよいが、外鋼管4と同心状になるように配置したほうが、横方向の全方向で方向性がないので好ましい。なお、図示を省略するが、スラグあるいは土砂8を充填しない前記各実施形態においても、スラグあるいは土砂8を上部支柱1内の一部空間または全空間に充填する変形形態としてもよい。
上部支柱1を支持する下部構造としては、前記実施形態のように下部鞘管3、コンクリート製の鞘管、あるいは、図13に示すように、ブロック状のコンクリート製基礎3b内に下部鞘管3を埋め込み配置する複合構造でもよい。
前記のように、本発明の支柱構造では、外鋼管4と内鋼管5(または形鋼11)を離間して設置する、すなわち、外鋼管4と内鋼管5(または形鋼11)が、接しないことにより、(1)外鋼管4の変形,(2)外鋼管4と内鋼管5(または形鋼)との衝突,(3)内鋼管5の変形、の3つの挙動を呈することにより、衝突エネルギーの吸収性能を高めることができる。さらにこれらの空間にスラグや土砂(特に砂、砂利)8またはウレタン製,ゴム製,木製,石製の物質(細かく砕かれた物質であることが望ましい)を設けることで、衝撃をスラグや土砂(特に砂、砂利)8等に伝え、スラグや土砂8同士が衝突,逸散することで、さらなる吸収性能の向上を図ることができる。スラグや土砂8を外鋼管4の内部に設けることで、外鋼管4や内鋼管5(または形鋼11)の変形(特に座屈)を抑制することができるとともに、吸音効果も得られる。
前記各実施形態のエネルギー吸収性能を比較すると、(1)外鋼管4の内部の一空間もしくは全空間に内鋼管5または形鋼11を外鋼管4と接しないように設け、該鋼管と内鋼管もしくは形鋼に囲まれた空間にスラグあるいは土砂を設ける構造、(2)鋼管の内部の一空間もしくは全空間に内鋼管または形鋼を該鋼管と接しないように設ける構造、の順に高い吸収性能が得られる。
外鋼管4または内鋼管5ならびに形鋼11の厚さを比較的薄く(例えば4mm以下)とすることで、自動車が衝突した際に外鋼管4または内鋼管5が変形しやすくなり、外鋼管4または内鋼管5の変形エネルギーが大きくなることにより、大きな衝突エネルギーを吸収することができる。なお外鋼管4,内鋼管5,形鋼11は、熱延加工ならびに冷間加工によるいずれの成形によるものであってもよい。また鉄鋼製品である鋼管や形鋼を使用するため、強度や変形性能が高く、部材(鋼管)の占有面積を合理化することができるため、限られたエリア内で衝突エネルギーを吸収することができる。
スラグならびに土砂8の粒径として、外鋼管4あるいは内鋼管5内部に設置し易いサイズとすることが好ましい。例えば、φ165.2mm,厚さt=3.8mmの外鋼管4の内部に、直径101.6mm,厚さt=3.2mmの内鋼管5を設置する場合、最大粒径は28mm以下とすることが設置上、望ましい。また外鋼管4と内鋼管5あるいは内鋼管5間等の間隙は、スラグや砂が動きやすくするため可能な限り大きくしておくことが望ましい。スラグとしては、石状、粒状等各種の鉄鋼スラグを使用してもよい。
次に図14を参照しながら、本発明の支柱構造を備えた格納式支柱20を、道路構造の暫定2車線等における暫定的な中央分離帯用の支柱として使用する形態について説明すると、狭巾の中央分離帯19の長手方向に間隔をおいて直列に下部鞘管(図示省略)等が埋め込み配置され、その下部鞘管から突出するように上部支柱1が立設されている。このように格納式支柱20単体を直列に配置してもよい。
図15から図19は本発明のガードレール付支柱の実施形態を示すものであって、図15は概略斜視図、図16は支柱に渡って、形鋼等のガードレールを設ける形態を示す概略側面図、図17は、支柱に渡って、形鋼等のガードレールを段状に設ける形態を示す概略側面図、図18は他の形態を示す概略側面図、図19は形鋼等のガードレールを設ける他の形態を示す概略正面図である。
図15には、格納式支柱20を間隔をおいて直列に設置し、隣り合う格納式支柱20に渡ってガードレール21を設ける構成が概念的に示されている。図16に示すように、溝形鋼21aをガードレール21として上部支柱1における外鋼管4の両側に溝形鋼21aの溝部が互いに上部支柱1側に向くように、道路長手方向に隣り合う上部支柱1に渡って、各溝形鋼21aのフランジ22が上部支柱1に当接するように、かつ平坦なウエブ23が道路側を向くように、上部支柱1の上下方向に間隔をおいて配置することにより、上下2段に配置し、ボルト24により上部支柱1に固定されている。前記のように溝形鋼21aを上下2段に配置することにより、車高の異なる各種車両の衝突に対応できるようにされている。
図17に示す形態では、上部支柱1における外鋼管4の上下に配置する2つの溝形鋼21aを、上下方向の間隔を接近させて配置し、2つの溝形鋼21aのウエブ外面に跨るように外側の溝形鋼21bのフランジ22先端を当接配置し、溝形鋼21aと溝形鋼21bのウエブに挿通したボルト24を外鋼管4の雌ねじ孔にねじ込み固定した、横方向2段構造のガイドレール21としているが、その他の構成は、前記実施形態と同様である。このような2段構造のガイドレール21とすると、ガードレール21の剛性を高めることができるため、自動車等の衝突時支承性能を高めることができる。
図18に示す形態では、上部支柱1の外鋼管4に、一組の溝形鋼21aからなるガードレール21のウエブ23相互を当接または近接するように配置すると共に、外鋼管4に一組の溝形鋼21aの一方または両方を溶接により固定し、各溝形鋼21aのウエブ23相互をボルト・ナット24により一体化している。このようにすると、上部支柱1から道路幅方向に突出する寸法が少ないので、狭巾の中央分離帯ならびに道路にも容易に対応することができる。
図19に示す形態では、溝形鋼21aの長手方向に取付け用端板25を設けておき、前記の取付け用端板25のボルト挿通孔に挿通されると共に外鋼管4の雌ねじ孔にねじ込まれたボルト24により、ガードレール21としての溝形鋼21aが取付けられている形態が示されている。前記のようにガードレール21の部材長手方向の端部に取付け用端板25を備えていると、前記端板25の部分で上部支柱1に取付けたり、外鋼管4に溝形鋼21aを溶接により固着する場合でも保持することができる。
前記各実施形態によると、車両衝突時の衝突エネルギーの吸収性能の向上を図りつつ、迅速かつ容易な撤去を可能とする簡易な支柱構造となり、このような支柱構造は、道路構造、特に図14および図15に示すような暫定2車線の高規格道路における衝突事故の防止に寄与し得る中央分離帯構造に適用すると好適である。また鉄道構造における車両の逸脱防止にも寄与し得る。
前記のような各実施形態によると、(1)暫定2車線の中央分離帯に要求される性能を満足させることが可能であり、また、(2)限られた幅員内での確実な衝突時の衝撃吸収可能で、対向車線への飛び出し防止でき、また、通常4車線で使用する公知の中央分離帯を設けるには道路の拡幅(1.5m程度が必要)が必要であり、これには莫大な費用が必要となるが、本発明の支柱構造では安価な費用で対応することができ、(3)上部支柱を下降させて格納することにより、緊急時の緊急車両等が対向車線へ侵入することも可能である。(4)また、(4)将来の4車線化時に撤去することも容易である等の効果がある。
次に、本発明の支柱構造の軽量化についての一例について説明する。
(計算前提条件)
外鋼管外径:φ165.2mm(厚さ:t=3.8mm)
内鋼管外径:φ101.6mm(厚さ:t=3.2mm)
上部支柱高さ :1.6m(内、下部鞘管に対する埋め込み長0.4m)

スラグ密度:26 kN/m(充填率 74 %)
土砂密度 :17 kN/m(空隙率 100 %)
(粒度分布は一定とし、粒径は考慮せず)
(軽量化の結果)
中実断面の鋼製支柱の質量を100%とすると、
1)2重管のみ(充填無):14%
2)スラグ100%充填 :46%
3)スラグ 80%充填 :40%
4)土砂 100%充填 :35%
5)土砂 80%充填 :31%

ここで、鋼製支柱の密度を7.85g/cmとすると、
中実断面の鋼製支柱質量:約270kg
外鋼管の支柱質量 :約24.4kg、
内鋼管の支柱質量 :約12.5kg
100%充填時のスラグ質量:約90kg
100%充填時の土砂質量 :約60kg
となり、中実断面の鋼製支柱は人力では、設置不可能であるが、本発明の2重管式の上部支柱では約37kgとなり、人力で設置可能で、設置後、スラグ等を充填できる構造とすれば、スラグを充填する場合も、重機等を使用せずに上部支柱の設置が可能となる。
本発明の一実施形態の支柱構造を示すものであって、(a)は上部支柱を上昇させた状態を示す一部切欠縦断正面図、(b)は上部支柱を格納した状態を示す縦断正面図である。 (a)は図1(a)のA−A線断面図、(b)は内鋼管を角形鋼管とした場合の図1(a)のA−A線断面に相当する図、(c)は内鋼管に代えて溝形鋼とした場合の図1(a)のA−A線断面に相当する図である。 上部支柱を格納するときの説明斜視図である。 上部支柱を格納するときの説明斜視図である。 本発明の他の実施形態の支柱構造を示すものであって、(a)は上部支柱を上昇させた状態を示す一部切欠縦断正面図、(b)は上部支柱を格納した状態を示す一部切欠縦断正面図である。 (a)は図5(a)のB−B線断面図、(b)は内鋼管を角形鋼管とした場合の図5(a)のB−B線断面に相当する図、(c)は内鋼管に代えて溝形鋼とした場合の図5(a)のB−B線断面に相当する図である。 本発明の他の実施形態の支柱構造を示すものであって、(a)は上部支柱を上昇させた状態を示す一部切欠縦断正面図、(b)は上部支柱を格納した状態を示す一部切欠縦断正面図である。 (a)は図7(a)のC−C線断面図、(b)は内鋼管を角形鋼管とした場合の図7(a)のC−C線断面に相当する図である。 外鋼管と内鋼管とを連結する各種筒状固定部材の形態を示すものであって、(a)は小径鋼管の形態を示す縦断側面図、(b)は角鋼管とした形態を示す縦断側面図、(c)は断面長方形状の角鋼管とした形態を示す縦断側面図である。 (a)は図9(c)の形態における横断平面図、(b)は外鋼管の内側の両側に短尺鋼管を使用して外鋼管と内鋼管を固定する筒状固定部材使用した形態を示す横断平面図である 走行車輪を有する板状の支持部材を示すものであって、(a)は側面図、(b)は平面図である。 支持部材の変形形態およびその支持部材を使用している状態を示す概略正面図である。 地中に設けられる支承用下部鞘管を説明するための説明図である。 本発明の支柱構造を備えた支柱を2車線の道路体の中央に間隔をおいて配置した状態を示す概略斜視図である。 本発明の支柱構造を備えた支柱に渡って、形鋼等のガードレールを設けた状態を示す概略斜視図である。 本発明の支柱構造を備えた支柱に渡って、形鋼等のガードレールを設ける形態を示す概略側面図である。 本発明の支柱構造を備えた支柱に渡って、形鋼等のガードレールを段状に設ける形態を示す概略側面図である。 本発明の支柱構造を備えた支柱に渡って、形鋼等のガードレールを設ける他の形態を示す概略側面図である。 本発明の支柱構造を備えた支柱に渡って、形鋼等のガードレールを設ける他の形態を示す概略正面図である。
符号の説明
1 上部支柱
2 格納用凹部
3 下部鞘管
3a 底板
3b コンクリート製基礎
4 外鋼管
4a キャップ
5 内鋼管
6 底板
7 筒状固定部材
7a 小径の鋼管
7b 角鋼管
7c 扁平な矩形断面形状部材
8 スラグあるいは土砂
9 角形鋼管
10 溝形鋼
11 形鋼
11a ウエブ
12 地盤または道路帯
14 支持部材
15 吊り部材
16 ころ
17 掴み部
18 車輪
19 中央分離帯
20 格納式支柱
21 ガードレール
21a 溝形鋼
22 外側の溝形鋼
23 ウエブ
24 ボルトまたはボルト・ナット
25 取付け用端板

Claims (5)

  1. 衝突エネルギー吸収機能を備えた支柱において、支柱用の外鋼管の内側に、内鋼管または形鋼が前記外鋼管と接しないように間隔をおいて設けられていることを特徴とする支柱構造。
  2. 前記外鋼管と内鋼管もしくは形鋼に囲まれた一部の空間または全空間に、スラグ、土砂、またはウレタン製,ゴム製,木製あるいは石製の物質の、少なくともいずれか一つの物質が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の支柱構造。
  3. 前記内鋼管または形鋼は、外鋼管内側にその軸方向の一部に又はほぼ全長に渡って設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の支柱構造。
  4. 外力により外鋼管が変形した時に、順次内側に配置された内鋼管または形鋼により支承するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の支柱構造。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の支柱構造における外鋼管に、単一の形鋼または複数の形鋼がガードレールとして前記外鋼管と直角方向に取付けられていることを特徴とするガードレール付支柱。
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