JP2006283181A - 耐摩耗性銅合金トロリ線およびその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性銅合金トロリ線およびその製造方法 Download PDF

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照一 本田
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Abstract

【課題】高い強度および高い導電性を有し、かつ耐摩耗性が著しく向上したトロリ線を提供すること。
【解決手段】銅合金よりなるトロリ線であって、該銅合金が、0.03〜0.3重量%の鉄、0.01〜0.1重量%のリン、0.05〜0.5重量%のスズおよび不可避不純物を含有し、残部が銅である、トロリ線。
【選択図】 なし

Description

本発明は、トロリ線およびその製造方法に関し、より詳細には、耐摩耗性が著しく向上した銅合金トロリ線およびその製造方法に関する。
トロリ線は、電車の架線の最下部に配置され、パンタグラフと接触して電車に電力を送るための電線である。トロリ線に要求される特性としては、一般に、強度、導電率、耐摩耗性などが挙げられる。従来のトロリ線の代表例としては、以下の(1)〜(6)が挙げられる。
(1)硬銅トロリ線:導電性は高いが、強度は低く、耐摩耗性に劣るという欠点がある(非特許文献1参照)。
(2)Cu−0.3%Sn合金トロリ線:導電性、強度、耐摩耗性とも比較的良好である(特許文献1参照)。
(3)PHCトロリ線:Cr、Zrなどの析出物の効果によって強度と導電性とを両立したトロリ線である。Cu−0.3%Sn合金トロリ線の約2倍の耐摩耗性を有している。しかし、連続鋳造圧延法の適用が困難であること、熱処理が複数回必要であること等により、Cu−Sn合金トロリ線と比較して高価となる(特許文献2および3参照)。
(4)鋼芯入りトロリ線:純銅の中心に鋼芯を配した構造を有するトロリ線である。該トロリ線は、鋼芯を有することから引張強度は高いが、外周が純銅であるため、初期の耐摩耗性は硬銅トロリ線と同等であり、劣る(特許文献4参照)。
(5)Cu−0.4%Sn合金トロリ線:Sn添加量を0.4%程度まで増加させ、さらに冷間加工度を上げることによって、高強度化を可能にしたトロリ線である(特許文献5参照)。
(6)その他:Cu−Ni−Si−Ag合金トロリ線(特許文献6参照)、Cu−P−(CoまたはMnまたはNi)合金トロリ線(特許文献7参照)などがある。
上記のように、従来からトロリ線として種々の組成、構造のものが提案されているが、その中でもCu−0.3%Sn合金トロリ線は、導電性、強度、耐摩耗性とも比較的良好であり、加えて比較的安価であるために、新幹線・在来線のトロリ線として広く使用されている。しかし、近年、トロリ線の張替作業回数の低減(張替作業コストの低減)、製品寿命の長寿命化による環境保全等の観点から、Cu−0.3%Sn合金トロリ線の代替となり得る、Cu−0.3%Sn合金トロリ線よりも摩耗寿命に優れたトロリ線が求められている。
日本国特許第1269644号公報 日本国特許第2677874号公報 日本国特許第2677875号公報 日本国特許第2633570号公報 日本国特許第2883495号公報 特開2000−239766号公報 特開平11−189834号公報 JIS E 2102
本発明は、上記の事情を鑑みて、高い強度および高い導電性を有し、かつ耐摩耗性が著しく向上したトロリ線、特にこのような優れた特性(性能)を有しながらも比較的安価なトロリ線、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、銅合金からなるトロリ線において、高い強度、高い導電性および優れた耐摩耗性を有するトロリ線を得ることができ、また、連続鋳造圧延法を適用することができる特定の銅合金組成、ならびにこのようなトロリ線の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)銅合金よりなるトロリ線であって、該銅合金が、0.03〜0.3重量%の鉄、0.01〜0.1重量%のリン、0.05〜0.5重量%のスズおよび不可避不純物を含有し、残部が銅である、トロリ線。
(2)不可避不純物の含有量が0.01重量%以下である、上記(1)に記載のトロリ線。
(3)銅合金の溶湯を溶製し、該溶湯を連続的に鋳造・熱間圧延して荒引線を作製し、該荒引線を冷間加工することによって得られる、上記(1)または(2)に記載のトロリ線。
(4)冷間加工する前に、さらに荒引線を300〜600℃の温度で0.5〜4時間熱処理することによって得られる、上記(3)に記載のトロリ線。
(5)荒引線からトロリ線までの冷間加工度が40〜90%である、上記(3)または(4)に記載のトロリ線。
(6)トロリ線に析出した鉄−リン化合物の大きさが外径100nm以下である、上記(3)〜(5)のいずれか1つに記載のトロリ線。
本発明によれば、連続鋳造圧延法を用いて製造することができ、トロリ線として好適な高い強度および高い導電性を有し、かつ、耐摩耗性が著しく向上した(従来のCu−0.3%Sn合金トロリ線の約1.5倍の摩耗寿命を有する)トロリ線を得ることができる。本発明のトロリ線は、従来のCu−0.3%Sn合金トロリ線の代替品として好適に使用することができる。製品コストは、Cu−0.3%Sn合金トロリ線よりも若干高くなる可能性があるが、摩耗寿命が大きく伸びるために張替作業回数を低減することができ、従って、かかる張替作業コストを含めた、トロリ線架線のためのトータルコストを低く抑えることができる。さらに、製品寿命の長寿命化によって、トロリ線製造時に必要な資源を含めて環境保全に大きな効果がある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のトロリ線は、銅合金よりなり、該銅合金は、0.03〜0.3重量%の鉄(Fe)、0.01〜0.1重量%のリン(P)、0.05〜0.5重量%のスズ(Sn)および不可避不純物を含有し、残部は銅である。
銅合金中の鉄の含有量は、好ましくは0.05〜0.3重量%、より好ましくは0.05〜0.2重量%である。鉄の含有量が0.03重量%よりも少ないと、所望の強度および耐摩耗性を有するトロリ線を得ることができず、0.3重量%を超えると、後述する連続鋳造圧延法を適用することができなくなり、従ってトロリ線を安価に製造することができなくなる。上記範囲の量の鉄を銅合金中に含有することによって、得られるトロリ線の強度および耐熱性が向上する。
銅合金中のリンの含有量は、好ましくは0.01〜0.04重量%、より好ましくは0.02〜0.04重量%である。リンの含有量が0.01重量%よりも少ないと、所望の強度および耐摩耗性を有するトロリ線を得ることができず、0.1重量%を超えると、所望の導電性を有するトロリ線を得ることができない。上記範囲の量のリンを銅合金中に含有することによって、得られるトロリ線の強度、耐熱性および耐摩耗性が向上する。
銅合金中のスズの含有量は、好ましくは0.05〜0.3重量%、より好ましくは0.05〜0.25重量%である。スズの含有量が0.05重量%よりも少ないと、所望の強度および耐摩耗性を有するトロリ線を得ることができず、0.5重量%を超えると、所望の導電性を有するトロリ線を得ることができない。上記範囲の量のスズを銅合金中に含有することによって、得られるトロリ線の強度がスズの固溶効果の結果として向上し、また、耐熱性および耐摩耗性が向上する。
本発明において、銅合金は、理想的には、合金元素(銅、鉄、リン、スズ)以外の成分を含まないことが好ましいが、実際には、不可避不純物を含む。銅合金に含まれる不可避不純物は、1種のみ、または2種以上であり得る。不可避不純物としては、例えば、鉛、砒素、ビスマス、酸素などが挙げられる。不可避不純物の含有量(2種以上の場合はそれらの合計含有量)は、得られるトロリ線の導電性の低下を防止する、表面における傷の発生を防止する等の観点から、好ましくは0.01重量%以下、より好ましくは0.005重量%以下である。また、不可避不純物が酸素である場合、後述する銅の溶解中、銅合金溶湯の圧延中に、鉄、リン、スズに悪影響を及ぼす(具体的には、例えば、鉄、リン、スズを酸化してこれらの酸化物を形成する等)可能性があるため、酸素の含有量は0.002重量%以下であることが望ましい。
本発明のトロリ線において、銅合金が上記組成を有することによって、トロリ線として好適な高い強度および高い導電性を確保しつつ(トロリ線に要求される強度と導電性とを良好なバランスで確保しつつ)、優れた耐摩耗性を発現することが可能となり、さらに、後述する連続鋳造圧延法を用いて製造することが可能となる。
本発明のトロリ線は、その製造方法に特に限定はなく、上記組成を有するものであれば如何なる製造方法で得られたものであってもよいが、本発明においてはさらに、上記トロリ線の好適な製造方法を提案する。
本発明のトロリ線の製造方法は、連続鋳造圧延法を採用し、具体的には、上記組成を有する銅合金の溶湯を溶製する工程(第1工程)と、該溶湯を連続的に鋳造・熱間圧延して荒引線を作製する工程(第2工程)と、該荒引線を冷間加工してトロリ線を作製する工程(第3工程)とを有する。以下、第1工程〜第3工程を詳細に説明する。
(第1工程)
まず、シャフト炉などを用いて電気銅を溶解して銅溶湯を溶製し、この銅溶湯を保持炉内に流し込み(転湯し)、次いで、所定の合金元素(鉄、リン、スズ)を上記組成の範囲内(すなわち、鉄:0.03〜0.3重量%、リン:0.01〜0.1重量%、スズ:0.05〜0.5重量%)で添加して、銅合金溶湯を溶製する。
(第2工程)
上記第1工程で得られる銅合金溶湯を、連続鋳造圧延法を用いて、連続的に鋳造・熱間圧延し、荒引線を作製する。連続鋳造圧延法としては、例えば、ホイルベルト式連続鋳造圧延法、ツインベルト式連続鋳造圧延法、アップワード式連続鋳造圧延法などが挙げられる。荒引線の外径は、特に限定されるものではなく、最終製品であるトロリ線の所望の外径に応じて適宜決定すればよく、通常10〜30mmである。
なお、上記第1工程で得られる銅合金溶湯を水冷鋳造法によって鋳造し、次いで熱間押出・熱間圧延することによっても荒引線を作製することはできるが、このような方法では、工程数が増加するために製造コストが高くなり、従ってトロリ線の価格が上昇する。
(第3工程)
上記第2工程で得られる荒引線を冷間加工して、所望の形状のトロリ線を作製する。冷間加工の方法としては、例えば、ダイス(引抜きダイス、カセットローラダイスなど)による伸線加工、圧延加工、スウェージング加工などが挙げられる。得られるトロリ線の形状は、特に限定されるものではなく、トロリ線の具体的な使用形態などに応じて適宜決定することができ、例えば、JIS E 2102に示されるようなみぞ付き硬銅トロリ線の形状、JIS E 2102に示されるような円形硬銅トロリ線の形状などが代表例として挙げられる。このような冷間加工によって、加工効果の結果としてトロリ線の強度が向上する。
なお、冷間加工とは、室温(JIS Z 0050によれば、5〜35℃)まで温度が下がった荒引線に、上記のダイスによる伸線加工、圧延加工、スウェージング加工などを行うことをいう。
また、上記冷間加工において、荒引線からトロリ線までの冷間加工度は、好ましくは40〜90%であり、より好ましくは50〜85%である。冷間加工度が40%よりも小さいと、所望の強度が得られなくなり、90%よりも大きいと、所望の導電性が得られなくなる。なお、冷間加工度は、加工前後の断面積減少率で表され、下式によって求めることができる。
冷間加工度(%)=(荒引線の断面積−トロリ線の断面積)÷荒引線の断面積×100
本発明のトロリ線の製造方法においては、得られるトロリ線の引張強さと導電性とのバランスを調整し(トロリ線に要求される強度と導電性とを良好なバランスで確保し)、また耐摩耗性を向上させることを目的として、上記冷間加工の工程(第3工程)前に、荒引線を熱処理する工程をさらに有していてもよい。熱処理の温度は、好ましくは300〜600℃であり、より好ましくは450〜550℃である。熱処理の温度が300℃よりも低いと、得られるトロリ線の導電性が低くなり、600℃よりも高いと、得られるトロリ線の引張強さが低くなる。熱処理の時間は、好ましくは0.5〜4時間であり、より好ましくは1〜3時間である。熱処理の時間が0.5時間よりも短いと、得られるトロリ線の導電性が低くなり、4時間よりも長いと、得られるトロリ線の引張強さが低くなる。次いで、上記熱処理の終了後、室温(JIS Z 0050によれば、5〜35℃)まで冷却することによって、鉄−リン化合物(例えば、FeP、FeP)を析出させ、これによって、得られるトロリ線の強度を上昇させることができる。鉄−リン化合物の大きさは、好ましくは外径100nm以下であり、より好ましくは50nm以下である。鉄−リン化合物の大きさが外径100nmを超えると、上記目的を達成することが困難となる傾向にあり、また得られるトロリ線の耐熱性が低下する傾向にある。鉄−リン化合物の大きさは、例えば、室温までの冷却速度を制御する(例えば、冷却速度を好ましくは50℃/分以上、より好ましくは100℃/分以上に設定する)こと等によって、上記範囲内に調整することができる。なお、本明細書中において、鉄−リン化合物の外径とは、透過型電子顕微鏡を用いてトロリ線の任意の断面を観察し、その断面の任意の観察視野内に存在する鉄−リン化合物の断面の外径を測定し、それらの値の平均をとったものである。
なお、上記冷間加工の工程(第3工程)の途中に荒引線に対して、あるいは冷間加工の工程(第3工程)後に得られたトロリ線に対して、それぞれの場合に適した熱処理を適宜行うことも可能であるが、工程が煩雑になるために製造時間が長くなり、また製造コストも高くなる。
上記製造方法によって、本発明のトロリ線を得ることができ、とりわけ、連続鋳造圧延法を用いることによって、製品コストを低く抑えることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜7)
以下の表1に示す組成を有する銅合金からなるトロリ線(断面積170mm)を、次に示す工程に従って製造した。なお、それぞれの合金元素の組成は、JIS H 3250(銅および銅合金棒)に規定された分析方法に従って決定した。
まず、シャフト炉を用いて電気銅を溶解して銅溶湯を溶製し、この銅溶湯を保持炉内に流し込み(転湯し)、次いで、合金元素(鉄、リン、スズ)を表1に示す所定の割合で添加して、銅合金溶湯を溶製した。次に、得られた銅合金溶湯を、ホイルベルト式連続鋳造圧延法を用いて、連続的に鋳造・熱間圧延し、荒引線(外径22mm)を得た。
得られた荒引線に対して、450℃の温度で2.5時間の熱処理を施した。熱処理終了後、50℃/分の速度で室温まで冷却した。続いて、引抜きダイスによる伸線加工によって冷間加工を行い、JIS E 2102に示されるみぞ付き硬銅トロリ線を得た。
(比較例1、2および5)
以下の表1に示す合金組成を用いて、実施例1〜7と同様にしてみぞ付き硬銅トロリ線を製造した。
なお、実施例1〜7ならびに比較例1、2および5において、冷間加工度は、(荒引線の断面積−トロリ線の断面積)÷荒引線の断面積×100=(380−170)÷380×100=55(%)であった。
(比較例3、4および6)
以下の表1に示す合金組成を用いて、実施例1〜7と同様にしてみぞ付き硬銅トロリ線を製造しようとしたが、銅合金溶湯を熱間圧延することができず、従ってトロリ線を得ることができなかった。これは、銅合金の変形抵抗が高すぎて、圧延機の能力を超えたものと思われる。このように、比較例3、4および6の組成を有する銅合金、すなわち、合金元素を本発明で規定した含有量を超えて添加した銅合金には、連続鋳造圧延法を適用することができなかった。
(比較例7)
従来品のみぞ付き硬銅トロリ線(三菱電線工業(株)製、みぞ付き錫入り硬銅トロリ線)を用いた。
Figure 2006283181
実施例1〜7ならびに比較例1、2、5および7で得られたトロリ線について、以下に示す方法に従って、引張強さ、導電率、耐摩耗性および鉄−リン化合物の大きさを評価した。その結果を以下の表2に示す。
(引張強さ)
JIS Z 2241(金属材料引張試験方法)に従って測定した。
(導電率)
JIS H 0505(非鉄金属材料の体積抵抗率および導電率測定方法)に従って測定した。
(耐摩耗性)
長さ2mのトロリ線試料を回転円盤に取り付け、銅系焼結合金擦り板を押付け荷重5kgfでトロリ線試料に押し付けた。トロリ線試料に通電電流AC180アンペアを流した状態で、65km/hの速度で回転円盤を回転させ、35時間経過後の摩耗量をマイクロメーターにて測定した。
(鉄−リン化合物の大きさ)
得られたトロリ線から任意に試料を切り出し、透過型電子顕微鏡を用いてその断面を観察し、その断面の任意の観察視野内に存在する鉄−リン化合物の断面の外径を測定し、それらの値を平均した。
Figure 2006283181
表2から、実施例1〜7のトロリ線は、引張強さと導電性とのバランスに優れ、かつ耐摩耗性が良好であったことが分かる。
一方、組成が本願で規定した範囲外である銅合金からなる比較例1、2、5および7のトロリ線は、引張強さと導電性とのバランスが悪く、かつ耐摩耗性に劣っていた。
(実験例1〜12)
次に、実施例3において、荒引線に対して行う熱処理の条件(熱処理温度、熱処理時間および冷却速度)を変化させて、得られるトロリ線の引張強さ、導電率、耐摩耗性および鉄−リン化合物の大きさに与える影響を調査した。その結果を以下の表3に示す。
Figure 2006283181
表3から、熱処理の条件を熱処理温度300〜600℃、熱処理時間0.5〜4時間および冷却速度50℃/分以上の範囲内に設定した実験例2、4〜6および9〜11では、引張強さと導電性とのバランスに優れ、かつ耐摩耗性が良好なトロリ線が得られたことが分かる。
一方、熱処理の条件が上記範囲外であった実験例1、3、7、8および12で得られたトロリ線は、引張強さと導電性とのバランスが悪く、かつ耐摩耗性に劣っていたことが分かる。
本発明のトロリ線は、従来から主として在来線のトロリ線として広く使用されているCu−0.3%Sn合金トロリ線と比較して摩耗寿命が約1.5倍にもなり、かつトロリ線として好適な高い強度および高い導電性を有する。従って、トロリ線の張替作業回数を低減すること、およびそれ故、張替作業コストを低く抑えることができる。さらに、製品寿命の長寿命化によって省資源化を図ることができ、環境面においても優位である。

Claims (6)

  1. 銅合金よりなるトロリ線であって、該銅合金が、0.03〜0.3重量%の鉄、0.01〜0.1重量%のリン、0.05〜0.5重量%のスズおよび不可避不純物を含有し、残部が銅である、トロリ線。
  2. 不可避不純物の含有量が0.01重量%以下である、請求項1に記載のトロリ線。
  3. 銅合金の溶湯を溶製し、該溶湯を連続的に鋳造・熱間圧延して荒引線を作製し、該荒引線を冷間加工することによって得られる、請求項1または2に記載のトロリ線。
  4. 冷間加工する前に、さらに荒引線を300〜600℃の温度で0.5〜4時間熱処理することによって得られる、請求項3に記載のトロリ線。
  5. 荒引線からトロリ線までの冷間加工度が40〜90%である、請求項3または4に記載のトロリ線。
  6. トロリ線に析出した鉄−リン化合物の大きさが外径100nm以下である、請求項3〜5のいずれか1項に記載のトロリ線。
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