JP2006280683A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】おりもの、汗、母乳等の少量の体液を吸収する目的で長時間着用しても、ムレ感やベタつき感がなく、最後までサラット感が持続し、快適に使用することができる吸収性物品を提供すること。
【解決手段】複数層の繊維集合体から形成された透液層2と、透湿性の防漏層3とからなる吸収性物品であって、透液層2は、その底面22を防漏層3に対向させて、接着剤を介して防漏層3に接着されており、複数層の透液層2は、その肌に当接する層41よりもその防漏層3に対向する層42の方が繊維密度が密である。
【選択図】図1

Description

本発明は、パンティライナー、脇パッド、母乳パッド、軽失禁パッド等の吸収性物品に関する。
パンティライナー(おりもの対策用シート)や脇パッド等の吸収性物品は、近年の女性の就業率の高まりや外出時間の長時間化等により、1枚の着用時間が半日程度と長くなっている。これらの商品では、大量の体液を外部に漏らさないように大きな吸収容量を確保することよりも、長時間着用してもムレたりベタついたりせず、ずっとサラット感を持続していることが特に重要な機能となる。
下記特許文献1には、透孔を有する表面シートと通気性の裏面シートとの間に、液透過抵抗性かつ通気性の中間層シートが介在してなるパンティライナーが記載されている。特許文献1記載のパンティライナーによれば、体液吸収後にも優れた通気性を維持できるとされている。
特開平11−28222号公報
しかし、特許文献1記載のパンティライナーにおいては、吸収された体液が中間層シートを透過せず裏面シートに達しないように構成されているため、体液が水蒸気となって裏面シートから蒸発する速度が十分とはいえない。そのため、着用者の肌に直接体液が接することに起因するベタつき感は改善されても、吸収性物品全体が体温で温められることで発生する水蒸気に起因するムレ感は依然として発生し易く、長時間着用したときにサラット感が持続し難い。
従って、本発明の目的は、おりもの、汗、母乳等の少量の体液を吸収する目的で長時間着用しても、ムレ感やベタつき感がなく、最後までサラット感が持続し、快適に使用することができる吸収性物品を提供することにある。
本発明は、複数層の繊維集合体から形成された透液層と、透湿性の防漏層とからなる吸収性物品であって、前記透液層は、その底面を前記防漏層に対向させて、接着剤を介して該防漏層に接着されており、複数層の前記透液層は、その肌に当接する層よりもその前記防漏層に対向する層の方が繊維密度が密である吸収性物品を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
本発明の吸収性物品によれば、透液層に吸収された体液は、速やかに防漏層近傍に移動するため、透液層の肌当接面には残らず、肌当接面におけるベタつきは発生しない。また、防漏層においては、その透液層に対向する面側の水分量が非常に多く、その非肌当接面側の水分量が少ないという、防漏層の内側と外側との湿度差が駆動力になって、吸収性物品内部にこもった水分を水蒸気として蒸散する効果が高くなる。その結果、吸収性物品内部に水分がこもり難く、水蒸気に起因するムレ感が発生し難く、着用中ずっとサラット感が持続する。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の吸収性物品の一実施形態としてのパンティライナー1は、図1及び図2に示すように、複数層の繊維集合体から形成された透液層2と透湿性の防漏層3とからなり、透液層2は、その底面22を防漏層3に対向させて、接着剤(図示せず)を介して防漏層3に接着されている。透液層2は、その肌に当接する層41よりもその防漏層3に対向する層42の方が繊維密度が密である。
本実施形態のパンティライナー1について更に詳述する。
本実施形態のパンティライナー1は、図1及び図2に示すように、複数層の繊維集合体からなる透液層2と、透湿性の防漏層3と、これらを接着する接着剤(図示せず)のみからなる。ここでいう「のみ」とは、吸収された水分が一時的に保持されても吸収性物品に永続的には保持されず、水蒸気となって速やかに外部に排出されるという本発明の効果を阻害するような、高い液保持性を有する吸収体等を具備していないという意味である。従って、本発明の効果を阻害しないような部材が設けられている形態は除外されておらず、例えば、着衣に固定するための粘着剤〔通常、防漏層3の非肌当接面(着衣当接面)32側に設けられる〕等を具備していてもよい。
透液層2は、その肌に当接する層(以下「最上層」ともいう)よりもその防漏層3に対向する層(以下「最下層」ともいう)の方が繊維密度が密である。ここでいう「繊維密度」とは、透液層2の各層における構成繊維の体積密度を意味し、各層において、層全体の体積に対する構成繊維の総体積の比率Pが大きいことを「繊維密度が密」といい、その反対に該比率Pが小さいことを「繊維密度が疎」いう。
本実施形態においては、透液層2は、最上層である上層41と、最下層である下層42との2層からなる。
繊維密度を密にするには、例えば、層における構成繊維の間隙を小さく設定すればよい。本実施形態においては、下層42における構成繊維の間隙を、上層41における構成繊維の間隙よりも小さく設定している。このように、上層41の繊維密度を疎にし、下層42の繊維密度を密に設定すると、下層42の方が上層41よりも毛管力が大きくなる。
尚、本発明においては、透液層2は、3層以上の繊維集合体から形成することができる。3層以上の繊維集合体からなる透液層2においては、最上層から最下層に順に繊維密度が密になるように構成することができる。また、このような疎密関係を有していなくても、最上層の繊維密度(疎)<最下層の繊維密度(密)を関係を有し、且つ最上層に吸収された体液が最下層に移行することができれば、最上層と最下層との間の中間層(1層又は2層以上)の繊維密度の疎密関係には制限はないが、最上層から最下層に順に繊維密度が密になるように構成することが好ましい。
上述したような繊維密度の疎密関係を形成するには、後述するように繊維集合体の繊度を変える(最上層を細く、最下層を太く)、最上層と最下層で熱融着性繊維の比率を変える(最下層の方が熱融着量が多い)、上層と下層で繊維の捲縮度を変える(下層の方が捲縮が多く、繊維集合が疎)、繊維集合体を下層側から熱プレスする(最下層を集中的に押しつぶす)といった方法を用いることができる。このうちの最後の方法のように、繊維密度が層間で明確に異なるのではなく、最上層から最下層に向けて連続的に(或いは段階的に)繊維密度が高まるような疎密関係も好ましく選択可能である。
繊維密度は、該当する繊維集合体各層の坪量(m2あたりの重量)を測定し、更に各層の厚みを測定し、それらの比(坪量/厚み)で計算できる。このとき、厚みは、布地の圧縮試験(初期厚み)の考え方〔「風合い評価の標準化と解析(第2版)」、川端季雄著、社団法人 日本繊維機械学会 風合い計量と規格化研究委員会発行(昭和55年7月10日発行)〕を準用し、0.5g/cm2荷重下の厚みを代表値とした。尚、測定にはカトーテック製KES−FB3圧縮試験機を用いた。
各層に凹凸構造がある場合も同様の測定を行い、最大厚みを代表値に用いる。
また、各層が密着しており、剥離で厚みが変わってしまう場合は、以下のようにして各層の厚みを測定した。
(1)前述のように、全体の厚みを前記圧縮試験機で測定する。
(2)この厚みになるように繊維集合体を保持しながら、断面を拡大観察し、各層の厚みを計測する。尚、各層の厚みは、断面厚みが最大となるポイントで計測する。
(3)以上の測定を20箇所で行って、その平均値を代表値に用いた。
透液層2は、図1及び図2に示すように、その全層に亘って、体液を局所集中させるための多数の凹部52を有している。
詳述すると、透液層2においては、上層41と下層42とは積層されて所定パターンの多数の接合部43で部分的に接合されている。接合部43は、平面視円形でそれぞれ不連続に形成され、千鳥状のパターンで配されている。接合部43は、圧密化されており、透液層2における他の部位に比して厚みが小さく且つ密度が大きくなっている。接合部43は、例えば熱エンボス、超音波エンボス、接着剤による接着等の各種接合手段によって形成される。
尚、接合部43の形状は、円形の他、楕円形、三角形、矩形又はこれらの組み合わせ等であってもよい。また接合部43を、連続した形状、例えば直線や曲線等の線状、格子状等に形成してもよい。
上層41は、下層42と接合している接合部43以外の部分が凸状に突出しており、それにより多数の凸部51が透液層2の上層41側に形成されている。各凸部51の内部は、上層41を構成する繊維で満たされている。凸部51の形状は、主として、上層41の形態及び接合部43のパターンにより決まる。
そして、凸部51間が凹部52となっている。凹部52の底部には接合部43が位置している。透液層2全体として見ると、底面(防漏層3に対向する面)22が平坦状で、上面(肌当接面)21に多数の凹凸が形成された凹凸構造となっている。
このように透液層2の全層に亘って多数の凹部52が形成されることによって、透液層2の全層(本実施形態においては2層)が一体化すると共に、凹部52に向けて体液が集中することになる。その結果、体液は、透液層2の面方向には移行し難くなり、凹部52の深さ方向に沿って移行するようになり、体液には最上層(上層41)から最下層(下層42)に向かう方向性が生じる。
また、透液層2が凹凸構造となっているため、着用者の肌と透液層2の上面(肌当接面)21とが密着し難くなるため、通気性が向上する。
更に、透液層2は、最上層(上層41)よりも最下層(下層42)の方が親水性が高くなるように構成することができる。このように構成すると、最上層(上層41)から最下層(下層42)への体液の毛管力が更に向上する。
尚、透液層2が3層以上の繊維集合体からなる場合において、最上層と最下層との間の中間層(1層又は2層以上)についての親水性の大小関係は、透液層2が3層以上の繊維集合体からなる場合における中間層についての繊維密度の疎密関係と同様である。
尚、このように凹凸構造を持つときは、前述したように凸部51で最大厚みを測定し、この最大厚みで凹部52も含めた全体の繊維密度を代表させる(見かけ密度を用いる)。
透液層2の各層の構成繊維を親水化処理する方法としては、当該技術分野において常用されている方法を適宜用いることができる。
例えば、レーヨンやパルプ繊維等の親水繊維を所定の割合で混合して不織布を得ることで、繊維集合体全体の親水性を高めることも可能であるが、構成繊維として代表的に用いる熱可塑性繊維を、ウェブ形成前に予め親水化しておくことがより一般的である。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、及びこれらの複合繊維を作成し、これを所定の長さにカットしてステープルを形成する前の段階で、複合繊維に各種親水化処理剤を塗工する。親水化処理剤としては、αオレフィンスルホン酸塩に代表される各種アルキルスルホン酸塩、アクリル酸塩、アクリル酸塩/アクリルアミド共重合物、エステルアミド、エステルアミドの塩、ポリエチレングリコール及びその誘導物、水溶性ポリエステル樹脂、各種シリコーン誘導物、各種糖類誘導物、並びにこれらの混合物等、当業者公知の親水化処理剤を用いることができる。
このとき、上下層間の液移動性を促すために、上層より下層の親水性を高めると、より効果的である。例えば、下層により多くの量の親水化処理剤を塗工する、下層の親水化処理剤の親水度を高める、下層の親水化処理剤の耐久性を高める等、各層の親水化処理の程度を変えることも可能である。
例えば、各層の親水化処理を、体液への溶解性の低い親水化処理剤を用いたり又は親水化処理剤を繊維表面に固定することにより行い、最上層から最下層へ向かって親水性が高くなるように親水化処理剤を選択し、最下層まで体液の性質を変化させずに最下層へ導く方法が挙げられる。
また、透液層2の親水化処理の別の方法としては、体液の表面張力を低下させて体液の最下層(下層42)への移行を促進するために、最上層(上層41)における親水化処理剤の体液への溶解性を高くして、親水化処理剤が体液に溶け込んで体液の表面張力が下がり易くなるようにする方法が挙げられる。
透液層2は、その底面22が平坦状となっている。ここでいう「平坦状」とは、巨視的に視て平面状であることを意味し、底面22に若干の凹凸があったり底面22が若干、波状となっている場合も含む。
透液層2の底面22を平坦状にする方法としては、例えば、カレンダー処理(即ち、表面の平滑な加圧ロールの間に透液層の繊維集合体を通過させて平坦に押しつぶす方法)が挙げられる。
カレンダー処理は、例えば、表面が平坦な金属ロールと、表面が平坦なゴムロールを同一周速で接触させ、その間に透液層の繊維集合体を通すことで行われる。このとき、透液層の最下層側に金属ロールを対向させることで、透液層の底面の平坦性を高めることができる。
また、金属ロールを適宜加熱することで、透液層の底面の平坦性を更に高めることができる。このとき、熱可塑繊維の設計と金属ロール温度との関係によって、透液層2の疎密構造を制御することも可能である。
具体的には、透液層全体に、芯がPET,鞘がPE(融点110℃)の芯鞘繊維を用い、金属ロールの表面温度を110℃以上とする。このようにすると、最下層の芯鞘繊維が熱融着して繊維密度が密になり、上層に行くにしたがって連続的に(熱融着が弱まって)繊維密度が疎になる。
また、透液層の最下層に上記芯鞘繊維を多量に配合し、上層には、より高融点の芯鞘繊維(例えば、芯がPET,鞘が124℃程度と高い融点のPE等)を用い、表面温度が110℃近傍の金属ロールを用いると、繊維密度の疎密の差がより強まる。
このように、カレンダー処理は、透液層の底面の平坦性を高める他、透液層の疎密構造の形成にも寄与することができる。
防漏層3からの水分の蒸散を促進するには、水分の一時保持層となる最下層(下層42)は、できるだけ防漏層3の近傍に集中していることが好ましい。即ち、最下層(下層42)は、薄い方が好ましい。
また、同じく防漏層3からの水分の蒸散を促進するには、蒸発面積が広い方が好ましい。即ち、体液ができるだけ最下層で広がる方が好ましい。
一方、肌に体液が付いて濡れた感じや蒸れた感じがしないようにするには、透液層2における肌に当接する面側の体液の広がりは小さい方が好ましい。即ち、体液は、最上層では広がらず、最下層では十分広がり、全体として最下層における防漏層3近傍で集中的に存在することが望ましい。
この観点から、透液層2全体の厚み(t0)に対する最下層(下層42)の厚み(t1)の比率(t1/t0)は、好ましくは5%〜40%、更に好ましくは7%〜30%である。
最も理想的な実施形態は、透液層における肌に当接する面における体液の広がりが多数の凹部によって止まって広がらず、且つ最下層の体液の広がりが凹部に影響されずに広がる形態である。このためには透液層の繊維密度の大小関係が、「最上層<<凹部≦最下層」であることが最も好ましい。この観点から、上記厚みの比率(t1/t0)は、上層側の厚みが60%〜85%、凹部の厚みが5〜40%、最下層の厚みが上記の如く5〜40%で、凹部と最下層の厚みがほぼ同じであることが実施可能な形態としては好ましい。
尚、これらの厚みは、前述したように、前記圧縮試験と拡大観察とを併用することで測定できる。
透液層2の構成繊維は、吸収された体液を、最下層(下層42)に移行、集中させ、更に防漏層3に伝搬させて速やかに蒸散させるために、繊維自身で液保持性を実質的に有していない繊維を主体としていることが好ましい。そのような繊維としては、例えば、疎水性繊維、化学処理パルプが挙げられる。特に好ましい繊維としては、本来的に疎水性で且つ熱融着性である熱可塑性繊維を、親水化処理剤で親水化した繊維が挙げられる。
前述した親水化処理剤のうち、体液への溶解性が低い場合又は繊維表面に固定されている場合には、最下層に至った体液の性質変化が少なく、(平面拡散の抑制により)防漏層との接触機会が増え、蒸散の効率が高くなる。また、体液への溶解性が高い親水処理剤を用いた場合には、最下層において体液を適度に拡散させて蒸散の効率を高めることができる。更に、最下層にアセテートトウのような本来的に親水性であり吸収性が低く、長手方向に繊維配向した繊維層を配すると、選択的に長手方向への拡散を起こすことができる。
透液層2には、その一部に親水性で液保持性の繊維が配合されていてもよいが、十分な毛管力を確保するためには、透液層2全体に対する、液保持性を実質的に有していない繊維の比率を、70重量%以上とすることが好ましい。
親水性で液保持性の繊維としては、パルプ、レーヨン、その他各種天然繊維の他、吸水性樹脂繊維(即ちアクリル酸、アクリル酸塩重合体架橋物からなる繊維)等が挙げられる。これらの繊維は、特に最下層に集中的に配合することが、体液の集中的な移行を促す意味で効果的であるが、その場合も最下層への配合量は、体液を保持・貯留せず速やかに蒸散する観点より(最下層全体の繊維量に対する比率として)10%以内が好ましく、5%以内が更に好ましい。これらの繊維を含まず、別の工夫で体液の移行を促すことも好適に用いられる。
透液層全体の坪量は、液漏れせず一時保持できる観点及びヨレ防止の観点より、好ましくは50〜150g/m2、より好ましくは60〜100g/m2である。
上層41の坪量は、体液を広げず、よれにくく、柔らかい感触を維持する観点から、好ましくは25〜80g/m2であり、下層42の坪量は、薄くても十分な毛管力を発現する観点から好ましくは25〜70g/cm2である。
また、上層41の繊度は、毛管力があまり大きくなく(低液保持性)、且つ高感触(ざらつかず滑らか)であるために、好ましくは2.2〜6.0dtexであり、下層42の繊度は、毛管力が十分高い観点から、上層41よりも繊度が小さいことが好ましく、更に好ましくは4.0dtex以下、現実に入手可能でより好ましい範囲では1.8〜4.0dtexである。
透液層2の底面22は、防漏壁3の上面(透液層2に対向する面)31に接着剤(図示せず)により接着されている。
透液層2と防漏層3との当接面に全面的に接着剤が塗工されていると、透液層2から防漏層3へ水分が移行し難くなるので、接着剤は部分的に塗工されていることが好ましい。
透液層2と防漏層3とは、接着剤が塗工されていない領域において密着していることが好ましい。透液層2と防漏層3とは、接着剤が薄く塗工され、透液層2の底面22及び防漏層3の上面31が平坦状であれば、通常密着する。
接着剤の塗工方法としては、例えば、通常(140〜200μm)より細い線径(60〜120μm)のホットメルト接着剤を、スパイラルパターンで、少なくとも凹部52のパターン密度よりも細かい密度で塗工する方法が挙げられ、このような塗工方法によれば、透液層2と防漏層3との密着性が向上する。
ホットメルト接着剤の塗工パターンとしては、スパイラルパターン以外にも、例えば、ドットパターン、Ω状パターン、線状パターンが挙げられる。これらのパターンは、ホットメルト接着剤のスパイラルスプレー塗工、スロットスプレー塗工、コントロールウィーブ塗工、グラビア塗工等で形成可能である。特に、コントロールの容易さ、防漏層へのダメージの小ささ等の観点から、スパイラルスプレー塗工やコントロールウィーブ塗工が好適に用いられる。
ホットメルト接着剤の塗工量は、好ましくは2〜15g/m2、より好ましくは3〜10g/m2である。
防漏層3としては、透湿性で、液不透過性又は液難透過性のシートであれば、吸収性物品において常用されているシートを特に制限なく用いることができる。
例えば、防漏層3は、透湿フィルム単独、フィルムと不織布の貼り合わせ、撥水性の不織布(SMSやSMMS等)を用いることができるが、コスト面やズレ止め粘着剤とのマッチング等から、最も好ましいのは透湿フィルム単独を防漏層として用いることである。
この場合のフィルムとしては、(1)熱可塑性樹脂と、これと相溶性のない無機フィラーを溶融混練して押し出したフィルムを所定の寸法に延伸して微細孔を開けたフィルム、又は(2)本質的に水分の溶解性が高く、浸透膜のように水蒸気を排出可能な無孔性のフィルムが挙げられる。
(2)の例としては、極性基を多く含み、かつ熱可塑性を有し、分子間隙が広く結晶性が低くなるような樹脂、例えば日本合成樹脂(株)製ペレット「フレックマー」のようなウレタン系樹脂を溶融押し出ししてフィルム化したものが挙げられる。しかしながら、コストや扱いやすさでは(1)の微細孔を開けたフィルムが最も好適に用いられる。例えばポリエチレンと炭酸カルシウムからなるフィルムの延伸物、ポリエチレン、硫酸バリウムからなるフィルムの延伸物等が挙げられる。
本発明に関わる湿度排出の性能を十分に発現し、且つ水分の滲み出しがない防漏層を具現化するには、透湿度は0.7〜3.0g/100cm2・hrの範囲にあることが好ましく、1.0〜2.5g/100cm2・hrの範囲にあることが更に好ましい。サラット感を十分に高める観点からは1.5〜2.5g/100cm2・hrにあることが最も好ましい。
この透湿度達成のためには、フィルムの坪量と無機フィラー配合量の設計が重要であり、高い透湿度と、着衣固定用ズレ止め粘着剤を使用しても破れない強さを両立するためには、好ましいフィルム坪量は、18〜70g/m2、より好ましくは25〜60g/m2である。また、好ましい無機フィラー配合量は、フィルム全体の重量に対するフィラーの重量%として30〜65重量%、より好ましくは40〜60重量%である。
防漏層3は、その透液層2に対向する側31の親水性が高められていることが好ましい。このように親水性が高められていると、透液層2の最下層(下層42)に一時保持された水分が防漏層3となじみ易く、防漏層3からの水分の蒸散が促されることになる。
防漏層3における透液層2に対向する側31の親水性を高める手段には特に制限はない。
例えば、前述したような各種親水化処理剤を予め防漏層3における透液層2に対向する側(対向面)に塗工してあってもよく、当該対向面にコロナ放電処理やプラズマ処理等の親水性を高める処理がなされてもよく、また当該対向面に親水性材料が埋め込まれていてもよく、その他親水性の材料を当該対向面に塗工する処置がなされてもよい。
また、透液層2と防漏層3とを接着する前記接着剤として親水性の接着剤を用い、防漏層3における透液層2に対向する側31にこの親水性の接着剤を塗工することによって、防漏層3における透液層2に対向する側31の親水性を高めることもできる。
親水性の接着剤としては、エチレン酢酸ビニル(EVA)系、ポリビニルアルコール(PVA)系、アクリル系の樹脂を主成分とするホットメルト接着剤、及びPVA系、アクリル系、EVA系ポリマーを水系の分散媒に分散乳化した、水系のエマルジョン接着剤が挙げられる。水系のエマルジョン接着剤の場合には、接着剤を防漏層3に塗工し、接着剤に含有する水分が蒸発してから、防漏層3と透液層2とを接着させればよい。
本実施形態のパンティライナー1においては、複数層の透液層2と透湿性の防漏層3とからなり、透液層2の底面22が防漏層3に接着されており、透液層2の肌に当接する層41が防漏層に対向する層42よりも繊維密度が密であるため、透液層2に吸収された体液は、速やかに防漏層3の近傍に移動し、透液層2の肌当接面(上面)21には残らず、肌当接面21におけるベタつきは発生しない。また、防漏層3においては、その透液層2に対向する面31側の水分量が非常に多く(湿度が高く)、その非肌当接面(着衣当接面)32側の水分量が少ない(その湿度は低く、外気における湿度とほぼ同じ)という、防漏層3の内側31と外側32との湿度差(平衡蒸気圧の差)が駆動力になって、パンティライナー1の内部にこもった水分を水蒸気として蒸散する効果が高くなる。その結果、パンティライナー1の内部に水分がこもり難く、水蒸気に起因するムレ感が発生し難く、着用中ずっとサラット感が持続する。
また、透液層2の全層に亘って体液を局所集中させるための多数の凹部52を有しているため、透液層2の全層が厚み方向に一体化すると共に、凹部52に向けて体液が集中することになる。その結果、体液は、透液層2の面方向には移行し難くなり、凹部52の深さ方向に沿って移行するようになり、体液には上層41から下層42に向かう方向性が生じるため、透液層2における体液の移行性が向上している。
それに加えて、透液層2は、その肌に当接する層41よりもその防漏層3に対向する層42の方が親水性が高くなっているため、透液層2における体液の移行性が一層向上している。
更に、透液層2は、その底面22が平坦状であり、その底面22が防漏層3に密着しているため、透液層2から防漏層3への水分の移行性が向上している。
しかも、防漏層3は、その透液層2に対向する側の親水性が高められているため、透液層2の下層42に一時保持された水分が防漏層3となじみ易く、防漏層3からの水分の蒸散が促されることになる。
本発明の吸収性物品は、上記の実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変形可能である。
例えば、本発明の吸収性物品は、脇パッド、母乳パッド、軽失禁パッド等にも適用することができる。透液層には、体液を局所集中させるための多数の凹部を設けなくてもよい。
図1は、本発明の一実施形態としてのパンティライナーを示す図で、(a)は斜視図、(b)は部分拡大縦断面図である。 図2は、図1に示すパンティライナーを示す部分縦切断斜視図である。
符号の説明
1 パンティライナー(吸収性物品)
2 透液層
21 上面(肌当接面)
22 底面
3 防漏層
31 透液層に対向する側
32 非肌当接面側
41 上層(肌に当接する層)
42 下層(防漏層に対向する層)
51 凸部
52 凹部

Claims (8)

  1. 複数層の繊維集合体から形成された透液層と、透湿性の防漏層とからなる吸収性物品であって、
    前記透液層は、その底面を前記防漏層に対向させて、接着剤を介して該防漏層に接着されており、
    複数層の前記透液層は、その肌に当接する層よりもその前記防漏層に対向する層の方が繊維密度が密である吸収性物品。
  2. 前記複数層の透液層は、その全層に亘って、体液を局所集中させるための多数の凹部を有する請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記透液層は、その底面が平坦状である請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記透液層は、その底面が前記防漏層に密着している請求項3記載の吸収性物品。
  5. 前記複数層の透液層は、その肌に当接する層よりもその前記防漏層に対向する層の方が親水性が高い請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
  6. 前記防漏層は、その前記透液層に対向する側の親水性が高められている請求項1〜5の何れかに記載の吸収性物品。
  7. 前記防漏層は、その親水性が、その前記透液層に対向する側に親水性の前記接着剤が塗工されることによって高められている請求項6記載の吸収性物品。
  8. 前記防漏層は、その親水性が、その前記透液層に対向する側にコロナ放電処理又はプラズマ処理が施されることによって高められている請求項6記載の吸収性物品。

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