JP2006280198A - 電力系統保護制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】プログラムモジュール移動型システムの信頼性および経済性を向上させる。
【解決手段】通信ネットワーク6を所定の移動経路にしたがって移動するプログラムモジュール7に基づいて自保護制御装置2a1の制御動作を実行する制御手段と、移動経路に基づいて次の移動先に規定された保護制御装置2a2(2a3,3,4)に対してプログラムモジュール7を移動可能な移動手段と、この移動手段により次の移動先に規定された保護制御装置2a2に対してプログラムモジュール7の移動ができない際に、プログラムモジュール7の次の移動先を、当該次の移動先に規定された保護制御装置2a2以外の所定の保護制御装置2a3に変更できる移動経路変更手段と、通信ネットワーク6に接続され、前記複数の保護制御装置2a1〜2a3を、その制御手段の制御内容およびプログラムモジュール7の移動位置を含めてそれぞれ管理する管理装置4とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力系統を保護制御する複数の保護制御装置を通信ネットワークを介して接続して構成された電力系統保護制御システムに関する。
近年、電力需要の増大に伴って電力系統は広域化・分散化しており、このような広域に分散された電力系統を保護制御するためのディジタル形保護制御装置(以下、単に保護制御装置ともいう)の個数も増大している。
したがって、このような多数の保護制御装置それぞれに対する監視・運用操作作業を省力化するために、多数の保護制御装置とこれら保護制御装置に対して遠方に配置された例えば有人変電所内の表示操作装置(遠隔端末、操作端末ともいう)とを通信ネットワークを介して接続し、表示操作装置から保護制御機能に係わる遠隔監視制御用(例えば整定値設定用、保護制御演算用等)のデータおよびその手続きが一体化されたプログラムモジュールを通信ネットワークに送出して当該通信ネットワークを移動させることにより、各ディジタル形保護制御装置の動作や運用状態を監視制御する電力系統保護制御システム(監視制御システム)が考え出されている。
このようなプログラムモジュール移動型電力系統保護制御システムとしては、例えば遠隔監視制御動作としてリレー整定値制御を行なう特開平10−222785号公報(例えば、特許文献1)に開示されたシステム(図41参照)がある。
このシステムによれば、表示操作装置120にて、表示操作の内容(リレー整定値制御)に対応したプログラムモジュール(移動型プログラムモジュール)150は、プログラムモジュール送出手段121および通信ネットワーク130を介してディジタル形保護制御装置110内のプログラムモジュール受信手段111にて受信され、実行手段112にて整定プログラムモジュール150に対応する整定値制御動作(例えば整定値の変更等)が実行される。このとき、その整定結果は、プログラムモジュール150に記憶される。
実行手段112にて整定プログラムモジュール150が実行された後、整定プログラムモジュール150は、送出手段113を介して他のディジタル形保護制御装置140に転送され、ディジタル形保護制御装置110と同様の動作処理により整定値制御動作が実行される。
このようにして、全てのディジタル形保護制御装置110,140に移動して各ディジタル形保護制御装置の実行手段112を介して整定値制御を実行させた整定プログラムモジュール150は、表示操作装置120に転送されて受信手段122を介して受信され、その整定プログラムモジュール150に含まれる整定結果は、表示手段123によりモニタ(図示しない)に表示される。
すなわち、このようなプログラムモジュール移動型電力系統保護制御システムにおいては、広域分散された多数のディジタル形保護制御装置110、140それぞれに対して個別にリレー整定値の変更等の運用・監視制御を行なう必要がなく、例えば1つの表示操作装置120により各ディジタル形保護制御装置を効率よく運用・監視制御することができる。
特開平10−222785号公報
従来のプログラムモジュール移動型電力系統保護制御システム(以下、プログラムモジュール移動型システムともいう)では、プログラムモジュール150は、予め規定された移動経路(図41に示した電力系統保護制御システムにおいては、ディジタル形保護制御装置110→ディジタル形保護制御装置140→…)に沿って移動するようになっている。
しかしながら、従来のプログラムモジュール移動型システムにおいて、例えば、あるディジタル形保護制御装置におけるプログラムモジュールに基づく監視制御中(整定値制御中)に、例えば整定対象の不良等で現在の整定値が取得できない場合や、整定可能範囲を越えた整定値の設定を行なった場合等、プログラムモジュールに基づく制御動作実行中に何らかの異常が生じた場合(以下、総称して制御異常と呼ぶ)の対処方法が無いため、遠隔監視操作者は、プログラムモジュールの移動中に上記制御異常が起こっていても、上記プログラムモジュールが表示操作端末に転送されてきて初めてその制御異常を知ることになる。
したがって、制御異常が発生した保護制御装置に対して制御動作を継続して行なう恐れがあり、また、例えば迅速な対応が要求される制御異常が起こった場合でも、その制御異常に応じた対応に非常に時間がかかる結果となるため、プログラムモジュール移動型システムの信頼性および経済性を低下させる恐れが生じていた。
さらに、規定された移動経路に沿って、例えばあるディジタル形保護制御装置(移動元)から次のディジタル形保護制御装置(移動先)へプログラムモジュールが移動しようとした際に、例えば移動元のディジタル形保護制御装置と移動先のディジタル形保護制御装置とを接続する通信回線や移動先のディジタル形保護制御装置自体に故障が発生して当該移動先ディジタル形保護制御装置への移動が不可能になった場合の対処方法が無いため、プログラムモジュール移動型システムの動作を停止させる結果となり、電力系統保護制御システムの信頼性および経済性を低下させる危険性があった。
一方、従来のプログラムモジュール移動型システムを構築するためには、保護制御内容や移動経路を含む移動型プログラムモジュールを複雑なプログラミング言語を用いて作成することが前提になる。
すなわち、上記移動型プログラムモジュールを作成するためには、保護制御内容・移動経路等の制御手順を通信技術、プログラミング技術に基づくプログラミング言語を用いて作成しなければならず、上記通信技術、プログラミング技術に精通していない遠隔監視操作者(技術者)にとっては、プログラムモジュール移動型システムに必要なプログラムモジュールを作成することができず、したがって、プログラムモジュール移動型システムを構築することもできなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、プログラムモジュールに基づく保護制御機能に係わる整定値変更等の制御動作中において、その制御動作に異常が生じた場合でも、その制御異常を直ちに通知することを可能にして、プログラムモジュール移動型システムの信頼性および経済性を向上させることをその第1の目的とする。
また、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、プログラムモジュール移動中にその移動が不可能になった場合でも、プログラムモジュール移動型システムの動作を停止させることなく継続させることを可能にして、プログラムモジュール移動型システムの信頼性および経済性を向上させることをその第2の目的とする。
さらに、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、電力系統保護制御システムの技術には精通しているが、プログラミング技術、および通信技術に精通していない技術者(遠隔監視操作者)も容易に作成できる移動型プログラムモジュールを用いることにより、プログラムモジュール移動型システムを従来よりも非常に容易に構築することをその第3の目的とする。
そして、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、プログラミング技術や通信技術に精通していない技術者(遠隔監視操作者)にとっても構築可能なプログラムモジュール移動型システムの機能をより高度化することをその第4の目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係わる電力系統保護制御システムによれば、電力系統を保護制御する機能を有する分散配置された複数の保護制御装置を通信ネットワークを介してデータ送受信可能に相互接続して構成された電力系統保護制御システムにおいて、前記各保護制御装置は、前記通信ネットワークを所定の移動経路にしたがって移動するプログラムモジュールに基づいて自保護制御装置の前記保護制御機能に係わる制御動作を実行する制御手段と、前記自保護制御装置から前記移動経路に基づいて次の移動先に規定された保護制御装置に対して前記プログラムモジュールを移動可能な移動手段と、この移動手段により前記次の移動先に規定された保護制御装置に対して前記プログラムモジュールの移動ができない際に、前記プログラムモジュールの次の移動先を、当該次の移動先に規定された保護制御装置以外の所定の保護制御装置に変更できる移動経路変更手段と、前記通信ネットワークに接続され、前記複数の保護制御装置を、その制御手段の制御内容および前記プログラムモジュールの移動位置を含めてそれぞれ管理する管理装置とを備えている。
特に、前記通信ネットワークに接続され、前記複数の保護制御装置を、その制御手段および前記プログラムモジュールの移動位置を含めてそれぞれ管理するための管理装置を備えるとともに、前記移動経路変更手段は、前記移動経路に基づいて次の移動先に規定された保護制御装置に対して前記プログラムモジュールの移動ができない際に、前記プログラムモジュールの次の移動先を、前記所定の保護制御装置および前記管理装置の内のどちらか一方に変更する手段である。
上記目的を達成するために、本発明の電力系統保護制御システムによれば、電力系統を保護制御する機能を有する分散配置された複数の保護制御装置を通信ネットワークを介してデータ送受信可能に相互接続して構成された電力系統保護制御システムにおいて、前記各保護制御装置は、前記通信ネットワークを所定の移動経路にしたがって移動するプログラムモジュールに基づいて自保護制御装置の前記保護制御機能に係わる制御動作を実行する制御手段と、この制御手段による前記自保護制御装置に対する制御動作中に制御動作異常が生じた場合、その制御動作を停止して予め規定された移動経路に基づく次の移動先の保護制御装置へ前記プログラムモジュールを移動させる移動手段と、前記通信ネットワークに接続され、前記複数の保護制御装置を、その制御手段の制御内容および前記プログラムモジュールの移動位置を含めてそれぞれ管理する管理装置と、前記制御動作異常を表すデータを前記管理装置へ送信する異常データ送信手段とを備えている。
特に、前記各保護制御装置は、前記制御動作異常を表すデータを前記管理装置へ送信する異常データ送信手段を備えている。
本発明によれば、プログラムモジュールに基づく保護制御機能に係わる制御動作中において制御異常が生じた場合でも、制御動作を直ちに停止して予め規定された移動経路に基づく次の移動先の保護制御装置へプログラムモジュールを移動させたり、あるいは、上記制御異常を表すデータを管理装置へ通知することができるため、制御異常発生に係わらずその制御異常に係わる保護制御装置に対して制御動作を継続して行なうことを防止して電力系統保護制御システムの信頼性および経済性を向上させることができる。
また、本発明によれば、プログラムモジュール移動中にその移動が不可能になった場合でも、そのプログラムモジュールの次の移動先を、次の移動先に規定された保護制御装置以外の所定の保護制御装置および管理装置の内のどちらか一方に変更することができるため、電力系統保護制御システムの各保護制御装置に対する制御動作を停止させることなく継続して行なうことができるため、電力系統保護制御システムの信頼性および経済性をさらに向上させることができる。
本発明に係わるプログラムモジュール移動型の電力系統保護制御システムの実施の形態を図面を用いて以下に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムを図1〜図7に従って説明する。
図1は、本実施形態における電力系統保護制御システム1の全体構成を示す図である。
図1に示す電力系統保護制御システム1は、複数の電気所(変電所等、以下、変電所とする)Ts1〜Tsn(本実施形態では、n=3とする)にそれぞれ設置された、各種の電力系統設備機器を有する電力系統Pを保護制御するためのディジタル形保護制御装置(保護制御端末)2a1〜2a3と、変電所Ts1〜Ts3(ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3)から遠方に配置された例えば有人変電所Thに設けられ、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の運用状態を遠隔から監視制御するための表示操作装置(遠隔端末)3、3と、変電所Ts1〜Ts3から遠方に配置された有人の給電指令所Tpに設置され、複数のディジタル形保護制御装置2a1〜2a3を管理する管理装置(管理サーバ)4とを備えている。
そして、これら変電所Ts1〜Ts3(ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3)、表示操作装置3、3および管理装置4、4を、通信ネットワーク6を介してデータ送受信可能に相互接続し、さらに移動可能なプログラムモジュール(エージェント型プログラムモジュール)7を電話回線網等の通信ネットワーク6を介して表示操作装置3、3、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3および管理装置4間を巡回移動させるようにして電力系統保護制御システム1を構築している。
図2は、図1に示された電力系統保護制御システム1の機能ブロック構成を示す図である。
図2によれば、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3(図2においては、ディジタル形保護制御装置2a1のみ示す)は、保護制御対象となる電力系統Pからそれぞれ電流や電圧等のアナログ状態量(電気量;S1〜S3とする)をそれぞれ取得し、取得した電気量S1〜S3をディジタル形の電気量データに変換して出力するとともに、後述するプログラムモジュール実行手段9Bのプログラムモジュール実行処理結果に応じて、保護制御対象に係わる遮断器等の外部機器に対する保護制御動作内容を設定し、設定した保護制御動作に対応する保護制御動作指令C1〜C3を出力するためデータ取得・設定手段8と、通信ネットワーク6を介して自ディジタル形保護制御装置に移動されてきた遠隔監視制御用のプログラムモジュール7を受信し、後述するプログラムモジュール実行手段のプログラムモジュール実行処理結果に応じてプログラムモジュール7を次の移動先に規定されたディジタル形保護制御装置(あるいは管理装置や表示操作装置)へ送信するためのプログラムモジュール送受信手段9Aと、このプログラムモジュール送受信手段9Aにより受信されたプログラムモジュール7を実行して、例えばリレー整定値変更、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の自動点検、上記電気量取得・表示、リレー動作制御、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の動作状態表示および各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3において異常が生じた場合の異常表示等の保護制御機能に係わる制御動作を遠隔から実行する処理と、プログラムモジュール7の実行結果を前記プログラムモジュール送受信手段9Aに渡すプログラムモジュール実行手段9Bとを備えている。
プログラムモジュール7は、図3に示すように、少なくとも制御内容およびプログラムモジュール7の移動経路を含む制御手順が、人間系が理解できる分かりやすい文書形式で例えば1行毎に記述されたファイル(以下、本明細書では、上記人間系が理解できる文書形式で記述された制御手順をスクリプトと定義し、そのスクリプトから構成されたファイルをスクリプトファイルと定義する)10と、このスクリプトファイル10を解釈して制御手順を読み取るためのスクリプト解釈プログラム11aを含むプログラムモジュール本体11とから構成されており、このプログラムモジュール7は、ネットワーク対応の計算機言語である例えばJava(登録商標)(“Java”は、米国SunMicrosystems 社の商標)およびこのJavaのネットワーク機能であるrmi(remote method invocation)機能を用いて実現されている。
プログラムモジュール7における上述した文書形式で作成されたスクリプトファイル10(第1行目〜第9行目)の一例を図4に示す。
図4に示すスクリプトファイル10は、「まず、変電所Ts1(ディジタル形保護制御装置2a1)にプログラムモジュール7を移動(“goto 変電所Ts1”)させて、ディジタル形保護制御装置2a1に対応する保護制御対象(電力系統設備機器)であるスイッチsw1をON操作(“set スイッチsw1ON”)する。続いて、プログラムモジュール7を変電所Ts2(ディジタル形保護制御装置2a2)に移動(“goto 変電所Ts2”)させて、ディジタル形保護制御装置2a2に対応する保護制御対象(電力系統設備機器)であるモータm2の回転数を取得(“get モータm2回転数”)する」という制御手順を表している。
さらに、本実施形態におけるスクリプトファイル10には、図4に示すように、プログラムモジュール7を変電所Ts2の次に変電所Ts3に移動させて所定の制御(例えばスイッチsw3 OFF)を行なうこと(“goto 変電所Ts3”、“set スイッチsw3 OFF”)、およびプログラムモジュール7を変電所Ts3の次には管理装置4に移動させること(“goto 管理装置4”)がそれぞれ記述されている。
そして、スクリプトファイル10には、管理装置4において各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3で取得された制御結果を表示する処理を行なうこと(“display 制御結果”)、および各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3で取得された制御結果を管理装置4へ登録(記録)する処理を行なうこと(“record 制御結果”)が記述されているとする。
一方、プログラムモジュール7のスクリプト解釈プログラム11aは、文書形式で作成されたスクリプトファイル10を解釈して制御手順を読み取るためのプログラムである。
そして、プログラムモジュール本体11は、スクリプトファイル10をプログラムモジュール本体11と一体化してプログラムモジュール7として搬送するためのスクリプトファイル搬送手段11b1を、プログラムモジュール本体11の内部変数として実現している。また、プログラムモジュール本体11は、スクリプトファイル10の制御手順に基づいて制御動作が実行された際に得られた制御結果をプログラムモジュール7と一体化してプログラムモジュール7と共に搬送するための結果搬送手段11b2を、プログラムモジュール本体11の内部変数として実現している。
すなわち、本発明(本実施形態)によれば、プログラムモジュール7の構造を、従来のように制御内容や移動経路を含む移動型プログラムモジュールを複雑なプログラミング言語を用いて作成するのではなく、制御内容や移動経路を含む制御手順を、複雑なプログラム形式ではなく遠隔監視操作者等の人間系が容易に理解できる文書形式でスクリプトファイル10として作成しておき、このスクリプトファイル10と、スクリプトファイル10を解釈するためのスクリプト解釈プログラムを含むプログラムモジュール本体とを組み合わせてプログラムモジュールを構成している。
図2に示された各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3のプログラムモジュール送受信手段9Aは、予め各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3に設けられた移動用プログラムMPを実行することにより、通信ネットワーク6を介して移動してきたプログラムモジュール7を受信して保持する処理(移動処理18)を行なうようになっている。
また、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3のプログラムモジュール実行手段9Bは、図2に示すように、プログラムモジュール送受信手段9Aの移動処理(受信処理)18により保持されたプログラムモジュール7のスクリプト解釈プログラム11a(図3参照)を実行してスクリプトファイル10の制御手順(制御内容、移動経路)を解釈するスクリプト解釈処理15と、このスクリプト解釈処理15により解釈された制御手順における制御内容にしたがって、保護制御機能に係わる制御動作、すなわち、保護制御対象の系統設備機器の電気量データを取得する制御動作や、保護制御対象に係わる遮断器等の外部機器に対するトリップ指令等の保護制御動作を設定するための制御動作、リレー整定値の変更動作等を実行し、その制御動作結果を前記プログラムモジュール送受信手段9Aに渡す制御処理16とをそれぞれ行なうようになっている。
また、プログラムモジュール送受信手段9Aは、制御処理16により渡された結果(制御結果)をプログラムモジュール本体11の内部変数として格納して制御結果をプログラムモジュール7と一体に搬送させるための結果搬送処理17(結果搬送手段11b2)、予め各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3に設けられた移動用プログラムMPを実行することにより、スクリプト解釈処理15により解釈された制御手順における移動経路に沿ってプログラムモジュール7を通信ネットワーク6を経由して移動させる移動処理18、およびスクリプトファイル10をプログラムモジュール本体11の内部変数として格納してスクリプトファイル10をプログラムモジュール本体11に一体化することにより、スクリプトファイル10およびプログラムモジュール本体11をプログラムモジュール7として搬送するためのスクリプト搬送処理19(スクリプトファイル搬送手段11b1)をそれぞれ備えている。
なお、上記移動用プログラムMPは、プログラムモジュール7と同様に、ネットワーク対応の計算機言語である例えばJavaおよびこのJavaのネットワーク機能であるrmi機能を用いて実現されている。
一方、表示操作装置3(なお、図2においては、表示操作装置(遠隔端末)を一つとしている)は、GUI(Graphical User Interface)処理25aにより後述するモニタ、入力部等を用いてスクリプトファイル10を記述・作成するスクリプトファイル記述手段25と、記述作成されたスクリプトファイル10を保存するスクリプトファイル保存手段26と、予め作成されたプログラムモジュール本体11を記憶するプログラムモジュール本体記憶手段27と、スクリプトファイル保存手段26に保存されたスクリプトファイル10とプログラムモジュール本体記憶手段27に記憶されたプログラムモジュール本体11とを一体化してプログラムモジュール7として通信ネットワーク6へ送出し、通信ネットワーク6を経由して表示操作装置3へ転送されてきたプログラムモジュール7を受け取るプログラムモジュール送受信手段28とを備えている。
また、管理装置4(なお、図2においては、管理装置(管理サーバ)を一つとしている)は、上述した移動経路に沿って各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3を移動して管理装置4に送信されてきたプログラムモジュール7を、移動用プログラムMPを実行することにより受信する処理、および必要に応じてプログラムモジュール7を通信ネットワーク6を介してディジタル形保護制御装置2a1〜2a3等へ送信する処理を行なうプログラムモジュール送受信手段30Aと、このプログラムモジュール送受信手段30Aの受信処理により受信されたプログラムモジュール7のスクリプト解釈プログラム11aを実行してスクリプトファイル10の制御手順に含まれる管理装置4で行なう処理手順(制御結果表示処理手順、制御結果記録処理手順)を解釈するスクリプト解釈手段30Bと、このスクリプト解釈手段30Bで解釈された制御結果表示処理手順に基づいてプログラムモジュール7に含まれる各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の制御結果を後述するコンソールを介して表示する制御結果表示手段31と、スクリプト解釈手段30で解釈された制御結果記録処理手順に基づいて制御結果を後述する外部記録装置(記録サーバ)に記録する制御結果記録手段32とを備えている。
図5は、本実施形態の電力系統保護制御システム1を構成するディジタル形保護制御装置2a1、表示操作装置3および管理装置4の各機能ブロックの処理を具体的に実現するためのハードウエア構成を示す図である。
図5に示すディジタル形保護制御装置2a1は、同一変電所Ts1内の他の装置に対してトランシーバ38およびイーサネット(登録商標)LAN39を介してデータ送受信可能に相互接続されており、また、変電所Ts1内のローカルな範囲を接続するイーサネットLAN39は、トランシーバ38およびルータ40を介して電話回線等の広域ネットワーク41に接続されている。
ディジタル形保護制御装置2a1は、電力系統Pにおけるディジタル形保護制御装置2a1の保護制御区間に関連する複数の設備機器から電気量S1を取り込んでディジタル形の電気量データに変換するアナログ・ディジタル変換部45と、電気量データに基づく保護制御演算処理等の各種演算処理用のディジタル演算処理部46と、電力系統Pに対する電気量S1入力および保護制御動作指令C1出力に関するインタフェース処理用の入出力インタフェース(I/O)47と、これら各ハードウエアブロック(アナログ・ディジタル変換部45、ディジタル演算処理部46および入出力インタフェース47をデータ送受信可能に接続するバス48と、イーサネットLAN39とディジタル演算処理部46との間のデータ入出力に関するインタフェース処理を行なうためにイーサネットLAN39のトランシーバ38とバス48に接続された通信インタフェース49とを備えている。
ディジタル演算処理部46は、上述したプログラムモジュール実行手段9を具体的に実現するための前掲図2に示す各処理15〜19を行なうCPU46aと、プログラムモジュール7、移動プログラムMP、電気量データおよびCPU46aの処理時のデータ・プログラムを一時的に保存するためのRAM46bと、プログラム管理やネットワーク管理等ディジタル演算部全体を管理するOS(オペレーティングシステム)、ネットワーク閲覧用ソフト(ブラウザ)および各処理15〜19を含む処理の手順(プログラム)を保存するためのROM46cと、リレー動作用の整定値を記憶するEEPROM46dとを備えている。
なお、ディジタル形保護制御装置2a2、2a3のディジタル演算処理部46のハードウエア構成は、取得する電気量がS2、S3および保護制御動作出力がC2、C3で表されること以外は、ディジタル形保護制御装置2a1のハードウエア構成と略同等であるため、その説明を省略する。
また、表示操作装置3は、有人変電所Th内のローカルな範囲を接続するイーサネットLAN39にトランシーバ38を介して接続されており、この有人変電所Th内のイーサネットLAN39は、ルータ40およびトランシーバ38を介して広域ネットワーク41に接続されている。
すなわち、表示操作装置3は、広域ネットワーク41からルータ40、イーサネットLAN39およびトランシーバ38を介して送られてきたプログラムモジュール7や制御結果等を表示操作装置3のCPU53に入力するためのインタフェース処理を行なう通信インタフェース50と、モニタ51a、マウスやキーボード等の入力部51b等を有し、モニタ51aおよび後述するCPUと協調しながら入力部51bを操作することにより、上述したスクリプトファイル10に係わる文書形式の制御手順の記述処理、運用監視用のデータ入力処理および制御結果表示処理等を行なうGUI部51と、プログラムモジュール本体11を予め記憶するとともに、CPU53の処理を実行させるためのプログラムや処理に必要なデータを記憶するメモリ52と、GUI部51(入力部51b)により入力された文書形式の制御手順(スクリプト)をスクリプトファイル10としてメモリ52に保存する手段(スクリプトファイル保存手段26)、前掲図2に示すスクリプトファイル記述手段25およびプログラムモジュール送受信手段28を具体的に実現するための処理を行なうCPU53とを備えている。
さらに、管理装置4は、給電指令所Tp内のローカルな範囲を接続するイーサネットLAN39にトランシーバ38を介して接続されており、この給電指令所Tp内のイーサネットLAN39は、ルータ40およびトランシーバ38を介して広域ネットワーク41に接続されている。
管理装置4は、広域ネットワーク41からルータ40、イーサネットLAN39およびトランシーバ38を介して送られてきたプログラムモジュール7や保護制御結果等をCPU57に入力するためのインタフェース処理を行なう通信インタフェース55と、モニタ56a、マウスやキーボード等の入力部56b等を有するデータ入力用および表示用のコンソール56と、通信インタフェース55を介して送られた制御結果をコンソール56のモニタ56aに表示させる処理、および制御結果を外部記録装置59に記録する記録処理等を行なうCPU57と、制御結果、CPU57の処理を実行させるためのプログラムおよびCPU57の処理に必要なデータおよび制御結果を記憶するメモリ58と、制御結果を記録するための外部記録装置(記録サーバ)59とを備えている。
次に、本実施形態の電力系統保護制御システム1の全体動作について説明する。
遠隔操作者は、GUI部51の入力部51bを操作してモニタ51aの画面に図4に示す保護制御手順を文書形式で記述入力する(図6;ステップS1)。このとき、CPU53は、記述された文書形式の保護制御手順(スクリプト)を受取り、ファイル形式(スクリプトファイル10)でメモリ52に保存する(ステップS2)。
続いて、CPU53は、メモリ52に予め保存されたプログラムモジュール本体11およびスクリプトファイル10をそれぞれ読み出し(ステップS3)、読み出したスクリプトファイル10を、プログラムモジュール本体11の内部変数としてプログラムモジュール本体11と一体化してプログラムモジュール7を作成する(ステップS4)。
次いで、CPU53は、プログラムモジュール7におけるスクリプト解釈プログラム11aを実行してスクリプトファイル10の制御手順を、例えばその1行目から順に解釈する(ステップS5)。
今、スクリプトファイル10の1行目は(“goto 変電所Ts1”)であるため、CPU53は、移動プログラムMPに基づく移動処理により、作成されたプログラムモジュール7を広域ネットワーク41およびイーサネットLAN39等を介して変電所Ts1へ送出する(ステップS6)。この結果、プログラムモジュール7は、広域ネットワーク41等を介して移動先である変電所Ts1のディジタル形保護制御装置2a1へ移動する。
このとき、ディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、ディジタル形保護制御装置2a1へ移動されてきたプログラムモジュール7をイーサネットLAN39および通信インタフェース49等を介して受け取り、このプログラムモジュール7におけるスクリプト解釈プログラム11aを実行してスクリプトファイル10の制御手順の2行目を解釈する(ステップS7)。
今、スクリプトファイル10の2行目は(“set スイッチsw1 ON”)であるため、CPU46aは、電力系統Pのスイッチsw1を“ON”させる保護制御動作指令C1を入出力インタフェース47を介して電力系統Pのスイッチsw1に送信する(ステップS8)。そして、CPU46aは、保護制御動作指令C1に対応する制御結果を電力系統Pのスイッチsw1から受取り、受取った制御結果をプログラム本体11の内部変数としてプログラムモジュール7に格納する(ステップS9)。
次いで、CPU46aは、スクリプト解釈プログラム11aを実行してスクリプトファイル10の制御手順の3行目を解釈する(ステップS10)。
スクリプトファイル10の3行目は(“goto 変電所Ts2”)であるため、CPU46aは、移動プログラムMPに基づく移動処理により、プログラムモジュール7をイーサネットLAN39および広域ネットワーク41等を介して変電所Ts2へ移動させる(ステップS11)。
以下、ディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aの処理と同様に、ディジタル形保護制御装置2a2のCPU46aは、移動されてきたプログラムモジュール7をイーサネットLAN39および通信インタフェース49を介して受け取ってRAM46bに保持する。そして、CPU46aは、このプログラムモジュール7におけるスクリプト解釈プログラム11aを実行してスクリプトファイル10の制御手順の4行目を解釈し(ステップS12)、その記述内容(“get モータm2回転数”)にしたがって電力系統Pのモータm2の回転数(を表す電気量データ)を取得し(ステップS13)、制御結果(モータm2の回転数)をプログラムモジュール本体11の内部変数としてプログラムモジュール7に格納する(ステップS14)。
このようにして、スクリプトファイル10に記述された制御手順(制御内容、移動経路)にしたがって移動処理・制御動作処理が行なわれることにより、全ての変電所Ts1〜Ts3(ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3)へ巡回移動して制御動作を行なったプログラムモジュール7は、広域ネットワーク41、イーサネットLAN39および通信インタフェース55等を介して管理装置4のCPU57に移動する(ステップS15)。
CPU57は、移動されてきたプログラムモジュール7を移動用プログラムMPに基づいて受信し、スクリプト解釈プログラム11aを実行してスクリプトファイル10の制御手順における管理装置4の処理手順(8行目・9行目)を1行ずつ解釈し(ステップS16)、解釈結果“display 制御結果”に基づいて、プログラムモジュール7のプログラムモジュール本体11における内部変数を参照して各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の保護制御結果をそれぞれ読み出してコンソール56のモニタ56aに表示する(ステップS17)。
次いで、CPU57は、解釈結果“record 制御結果”に基づいて、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の制御結果を外部記録装置59に記録して(ステップS18)、処理を終了する。
この結果、管理装置4のモニタ56aには、図7に示すように、プログラムモジュール7のスクリプトファイル10に記述した制御手順に基づく各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の制御結果が表示される。
すなわち、プログラムモジュール7を通信ネットワーク6(広域ネットワーク等)を介して移動させて各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の保護制御機能に係わる制御動作を実行し、その制御結果を例えば1カ所の端末(例えば管理装置4)で一括して監視制御できる電力系統保護制御システム1が実現できる。
以上述べたように、本実施形態によれば、制御内容や移動経路を含む制御手順を、複雑なプログラム形式ではなく、遠隔監視操作者等の人間系が容易に理解できる文書形式でスクリプトファイルとして作成し、このスクリプトファイルと当該スクリプトファイルを解釈するためのスクリプト解釈プログラムとを組み合わせてプログラムモジュールを作成しているため、遠隔監視操作者は、通信技術、プログラミング技術に精通していなくても、制御内容や移動経路を含む制御手順(スクリプトファイル)を非常に容易に作成することができる。一方、通信技術、プログラミング技術に精通したプログラム技術者は、電力系統保護制御技術に精通していなくても、上記スクリプト解釈プログラムを容易に作成することができる。
したがって、移動型の保護制御用プログラムモジュールを通信ネットワークを介して移動させて各ディジタル形保護制御装置を保護制御する電力系統保護制御システムを容易に構築することができる。
なお、本実施形態では、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の制御結果を管理装置4に送って表示させるように、スクリプトファイル10に記述したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スクリプトファイル10の7行目および8行目を、(“goto 表示操作装置3”)、(“display 保護制御結果”)と記述しておけば、上記制御結果を表示操作装置3のモニタ51aを介して表示させることも可能である。
(第2の実施の形態)
本実施形態に係わる電力系統保護制御システム1Aの機能ブロック構成、およびこれら各機能ブロックの処理を具体的に実現するためのハードウエア構成については、第1実施形態の図2および図5と略同等であるため、その説明を省略する。
本実施形態において、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3のCPU46aは、スクリプトファイル10の制御手順を解釈して認識された移動経路に応じてプログラムモジュール7を次の移動先へ移動させる際に、移動元の変電所(ディジタル形保護制御装置、例えば保護制御装置2a1)と次の移動先の変電所(ディジタル形保護制御装置、例えば保護制御装置2a2)との間の通信回線に例えば故障が発生してディジタル形保護制御装置2a2に対する通信不良が生じた場合でも、規定された次の移動先の変電所(例えば変電所Ts2のディジタル形保護制御装置2a2)をスキップして他の変電所(例えば変電所Ts3のディジタル形保護制御装置2a3)に移動させる処理を行なうようになっている。
すなわち、本実施形態のディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、ステップS10の解釈(“goto 変電所Ts2”)により、プログラムモジュール7をイーサネットLAN39および広域ネットワーク41等を介して変電所Ts2へ移動させる処理を行なう(図6;ステップS11参照)。
しかしながら、このとき、上述した通信回線故障によりプログラムモジュール7が移動できない。
そこで、CPU46aは、スクリプト解釈プログラム11aを実行してスクリプトファイル10の制御手順における移動不可部分(3行目)以降(4行目、5行目、…)を順次解釈し(図8;ステップS20)、プログラムモジュール移動を表す文字“goto”があるか否か検索処理する(ステップS21)。
このステップS21の検索処理の結果、“goto”が存在しないときには(ステップS21→NO)、CPU46aは、プログラムモジュール7を強制的に管理装置4へ転送して(ステップS22)、ステップS15の処理に戻る。
一方、ステップS21の検索処理の結果、“goto”が存在するときには(本実施形態では、5行目に“goto”がある;ステップS21→YES)、CPU46aは、移動不可のディジタル形保護制御装置2a2をスキップして、次に“goto”が存在する制御手順(5行目)まで制御処理を移動させる(ステップS23)。
そして、CPU46aは、制御手順の5行目(“goto 変電所Ts3”)に基づいてプログラムモジュール7をイーサネットLAN39および広域ネットワーク41等を介して変電所Ts3へ移動させて(ステップS24)、ステップS15の処理に戻る。
この結果、プログラムモジュール7は、移動先のディジタル形保護制御装置2a2に対する通信回線が故障してそのディジタル形保護制御装置2a2に対してプログラムモジュール7が移動できない場合でも、その移動不可のディジタル形保護制御装置2a2をスキップして他のディジタル形保護制御装置2a3へプログラムモジュール7を移動させることができる。
すなわち、本実施形態によれば、複数の変電所(複数のディジタル形保護制御装置)の中の所定の変電所(ディジタル形保護制御装置)に対する通信回線に故障が生じても、その移動不可の変電所(ディジタル形保護制御装置)以降の移動が可能な他の変電所(他のディジタル形保護制御装置)に対してプログラムモジュールを移動させて制御動作をそれぞれ実行させることができる。
したがって、移動不可な変電所(ディジタル形保護制御装置)以外の健全な変電所(ディジタル形保護制御装置)に対する制御動作を確実に行なうことができ、電力系統保護制御システムの信頼性および経済性を高く維持することができる。
なお、本実施形態では、例えば変電所Ts2(ディジタル形保護制御装置2a2)に対して移動できない場合に、この変電所Ts2(ディジタル形保護制御装置2a2)をスキップして他の変電所Ts3(ディジタル形保護制御装置2a3)に対してプログラムモジュール7を移動させる場合について示したが、保護制御の内容によっては(例えば、ディジタル形保護制御装置2a3の保護制御に対してディジタル形保護制御装置2a2の保護制御結果が必要な場合等)、ディジタル形保護制御装置2a2へ移動できないならば、ディジタル形保護制御装置2a3へ移動させてもあまり意味がない場合も生じる。
そこで、本実施形態の変形例として、上述した場合についても、プログラムモジュール7の移動を停止させない電力系統保護制御システムについて述べる。
すなわち、この電力系統保護制御システム1Bにおいて、遠隔操作者は、GUI部51の入力部51bを操作してモニタ51aの画面に図4に示す保護制御手順を文書形式で記述する際に、各変電所Ts1〜Ts3(ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3)に対する“goto”文において、もしその“goto”文内の変電所(ディジタル形保護制御装置)に対するプログラムモジュール移動ができない場合には、プログラムモジュール7を管理装置4に戻すための“goto”文(例えば、3行目の“goto”文)を、図9に示すように記述してスクリプト(スクリプトファイル10A)を作成する。
すなわち、図9に示すように、変電所Ts1(ディジタル形保護制御装置2a2)に移動させる内容を表す3行目の制御手順において、変電所Ts2の次に、「変電所Ts2への移動が不可の場合は、管理装置4へ移動させる」内容を表す“else 管理装置4”を追加して記述する。
このようにスクリプトファイル10Aを記述しておけば、本変形例のディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、ステップS10におけるスクリプトファイル10A(保護制御手順の3行目)の解釈(“goto 変電所Ts2・・・”)により、プログラムモジュール7をイーサネットLAN39および広域ネットワーク41等を介して変電所Ts2へ移動させる処理を行なった場合において(図6;ステップS11参照)、上述した通信回線故障によりプログラムモジュール7が移動しない際に、CPU46aは、上記3行目の“goto”文の移動先(変電所Ts2)以降に“else 管理装置4”があるか否か判断する(図10;ステップS30)。
ステップS30の判断の結果“else 管理装置4”がない場合(ステップS30→NO)、CPU46aは、上述したステップS20の処理に移行する。
一方、ステップS30の判断の結果“else 管理装置4”がある場合(ステップS30→YES)、CPU46aは、その“else 管理装置4”に基づいてプログラムモジュール7を強制的に管理装置4へ転送して(ステップS31)、ステップS15の処理へ移行する。
この結果、プログラムモジュール7は、移動先のディジタル形保護制御装置2a2に対する通信回線が故障してそのディジタル形保護制御装置2a2に対してプログラムモジュール7が移動できない場合でも、ディジタル形保護制御装置2a1や広域ネットワーク41中に停滞させることなく、管理装置4に戻すことができる。
したがって、移動不可な変電所(ディジタル形保護制御装置)をスキップして他の健全な変電所(ディジタル形保護制御装置)に対する制御動作を確実に行なうことに加えて、移動させる必要のない場合には、プログラムモジュールを強制的に管理装置に戻すという高度な機能を有する電力系統保護制御システムを提供することができる。
(第3の実施の形態)
本実施形態に係わる電力系統保護制御システム1Bの機能ブロック構成、およびこれら各機能ブロックの処理を具体的に実現するためのハードウエア構成については、第1実施形態の図2および図5と略同等であるため、その説明を省略する。
本実施形態において、第2実施形態と同様に、移動元の変電所(ディジタル形保護制御装置、例えば保護制御装置2a1)から次の移動先の変電所(ディジタル形保護制御装置、例えば保護制御装置2a2)に対してプログラムモジュール7の移動ができない場合において、規定された次の移動先の変電所(例えば変電所Ts2のディジタル形保護制御装置2a2)をスキップして他の変電所(例えば変電所Ts3のディジタル形保護制御装置2a3)に移動させる処理(ステップS20〜ステップS24)を行なう際に、上記移動不可の原因に応じて、スキップした変電所(変電所Ts2、ディジタル形保護制御装置2a2)に対するプログラムモジュール7を後回しにする処理を行なうようになっている。
例えば、次の移動先のディジタル形保護制御装置に対してプログラムモジュール7を移動できない原因としては、上述した通信回線故障の他に、次の移動先のディジタル形保護制御装置2a2(そのCPU46a)が立ち上がっていない(起動していない)場合、および次の移動先のディジタル形保護制御装置2a2に対する通信路が他のデータにより占有されている場合等が考えられる。
上述した通信回線の故障以外の例えばディジタル形保護制御装置起動前、通信路占有の原因(以下、健全な原因と記載する)でプログラムモジュール7を移動できない場合には、所定時間が経過すれば、ディジタル形保護制御装置2a2の起動や通信路のデータ占有が終了する可能性が高い。
したがって、通信回線の故障以外の健全な原因によって次の移動先のディジタル形保護制御装置2a2に対してプログラムモジュール7を移動させることができない場合に対処するには、プログラムモジュール7の移動を、他の変電所(ディジタル形保護制御装置)への移動が終了してから行なわせればよいことになる(他のディジタル形保護制御装置へ移動している間に上記ディジタル形保護制御装置2a2の起動や通信路のデータ占有が終了する可能性が高い)。
このような背景を踏まえて、本実施形態の電力系統保護制御システム1Bにおける遠隔操作者は、GUI部51の入力部51bを操作してモニタ51aの画面に図4に示す制御手順を文書形式で記述する際に、各変電所Ts1〜Ts3(ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3)に対する“goto”文を、例えば図11に示すように記述してスクリプト(スクリプトファイル10B)を作成する。
図11に示すように、各変電所Ts1〜Ts3(ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3)に移動させる内容を表す1、3、5行目の制御手順において、各変電所Ts1〜Ts3の次に、「各変電所Ts1〜Ts3への移動が故障以外(not breakdown)の原因で不可の場合は、プログラムモジュール7を、移動不可の変電所の次の移動先の変電所、あるいは管理装置4へ移動させた後(after)に再度移動不可の変電所へ移動させる」という内容を表す“else (not breakdown) after 変電所Ts3(変電所Ts1、Ts2の場合)、あるいは管理装置4(変電所Ts3の場合)”を追加して記述する。
このようにスクリプトファイル10Bを記述しておけば、本実施形態のディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、ステップS10の処理によりスクリプトファイル10B(制御手順の3行目)を解釈(“goto 変電所Ts2・・・”)し、まず、プログラムモジュール7をイーサネットLAN39および広域ネットワーク41等を介して変電所Ts2へ移動させる処理を行なう(図6;ステップS11参照)。
このとき、上述した健全な原因によりプログラムモジュール7が移動しない際に、例えばディジタル形保護制御装置2a2(あるいは、その移動用プログラムMP)が起動していない場合、その起動前を表すエラーメッセージがディジタル形保護制御装置2a1に送信される(移動用プログラムMPをJavaで記述した場合)。一方、通信路が他のデータに占有されて通信路が確保できない場合には、違うエラーメッセージが送信される。なお、エラーメッセージの例外処理の種別は、Javaでは、Exceptionクラスにより実現可能である。
ディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、移動用プログラムMPに基づく処理により、送信されたエラーメッセージを受信し(図12;ステップS35)、次いでCPU46aは、受信したエラーメッセージに応じて、スクリプトファイル10B(制御手順の3行目)の“変電所Ts2”以降に記述された“else (not breakdown) after 変電所Ts3”に基づいて、変電所Ts1のディジタル形保護制御装置2a1に対するプログラムモジュール7の移動を、変電所Ts3に対するプログラムモジュール7の移動の後に設定して(ステップS36)、ステップS15の処理に移行する。
この結果、プログラムモジュール7は、CPU46aのステップS15の処理により変電所Ts3に対する移動後に変電所Ts1のディジタル形保護制御装置2a1に転送される。
すなわち、本実施形態によれば、移動先のディジタル形保護制御装置に対する通信が健全な原因で不可になった場合でも、他のディジタル形保護制御装置に迂回した後で、再度移動不可のディジタル形保護制御装置にプログラムモジュールを移動させることにより、全てのディジタル形保護制御装置に対してプログラムモジュールを移動させることができる。
したがって、従来、健全な原因により移動不可であったディジタル形保護制御装置に対してもプログラムモジュールを移動させることができ、電力系統保護制御システムの保護制御効率を向上させることができる。
ところで、本実施形態では、スクリプトファイルの保護制御手順に、移動不可の変電所(ディジタル形保護制御装置)に対する移動を、他の変電所(ディジタル形保護制御装置)に対する移動の後にすることを記述して、その記述内容に基づいて移動処理を行なわせたが、上記移動不可の変電所(ディジタル形保護制御装置)に対する移動を後回しにすることなく、全ての変電所(ディジタル形保護制御装置)に対してプログラムモジュールを移動させることも可能である。
すなわち、本実施形態の変形例として、遠隔操作者は、GUI部51の入力部51bを操作してモニタ51aの画面に図4に示す保護制御手順を文書形式で記述する際に、各変電所Ts1〜Ts3(ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3)に対する“goto”文を、例えば図13に示すように記述してスクリプト(スクリプトファイル10C)を作成する。
図13に示すように、各変電所Ts1〜Ts3(ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3)に移動させる内容を表す1、3、5行目の保護制御手順において、各変電所Ts1〜Ts3の次に、「各変電所Ts1〜Ts3への移動が故障以外の原因で不可の場合は、プログラムモジュール7を管理装置4へ移動させるが、管理装置4へ移動させる前にもう一度移動不可変電所Ts1〜Ts3(ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3)に対して移動を試みる」内容を表す“retry before 管理装置4”を追加して記述する。
このようにスクリプトファイル10Cを記述しておけば、本変形例のディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、ステップS10の処理によりスクリプトファイル10C(保護制御手順の3行目)を解釈(“goto 変電所Ts2・・・”)し、まず、プログラムモジュール7をイーサネットLAN39および広域ネットワーク41等を介して変電所Ts2へ移動させる処理を行なう(図6;ステップS11参照)。
このとき、ディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、移動用プログラムMPに基づく処理により、送信されたエラーメッセージを受信し(図14;ステップS40)、次いでCPU46aは、受信したエラーメッセージに応じて、スクリプトファイル10C(制御手順の3行目)の“変電所Ts2”以降に記述された“retry before 管理装置4”に基づいて、プログラムモジュール7を管理装置4に転送する前に、再度プログラムモジュール7を変電所Ts2に対する移動を試みる(ステップS41)。
このステップS41の処理により、移動不可ディジタル形保護制御装置2a2に対してプログラムモジュール7を移動できた場合には(ディジタル形保護制御装置2a2が起動するか、あるいは通信回線の占有状態が解消した場合;ステップS42の判断の結果YES)、ステップS12の処理に移行する。
一方、ステップS41の処理により移動不可ディジタル形保護制御装置2a2に対してプログラムモジュール7を移動できなかった場合には(ステップS42の判断の結果NO)、CPU46aは、プログラムモジュール7を管理装置4へ転送して(ステップS43)、ステップS15の処理へ移行する。
上述した変形例によれば、例えば通信路の占有が原因で移動不可のディジタル形保護制御装置における上記通信路の占有が、移動不可のディジタル形保護制御装置に対して1回目の移動を行なった際に解消された場合には、ステップS41のプログラムモジュール再移動処理によりプログラムモジュールを移動不可ディジタル形保護制御装置へ移動させることができ、全てのディジタル形保護制御装置に対してプログラムモジュールを移動させることが可能になる。
したがって、本実施形態の効果に加えて、プログラムモジュールの移動に関する柔軟性を向上させることができる。
(第4の実施の形態)
本実施形態に係わる電力系統保護制御システム65の機能ブロック構成を図15に示す。
図15によれば、本実施形態の電力系統保護制御システム65の管理装置4A(そのCPU57)は、各変電所Ts1〜Ts3のディジタル形保護制御装置2a1〜2a3(その移動用プログラムMP)を監視することにより、その各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3(移動用プログラムMP)が起動しているか否かを表す情報(起動情報)を起動情報テーブルBTとしてメモリ58に記憶する起動情報記憶手段66を備えている。
図16は、メモリ58に記憶された各変電所Ts1〜Ts3の各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の起動情報テーブルBTを表す図である。図16によれば、起動情報テーブルBTには、予め各変電所名(各装置名)がそれぞれ記憶されており、その各変電所名(各装置名)に対応付けられてその起動情報(○or×)がそれぞれ記憶される。
例えば、本実施形態において、起動中の変電所Ts1およびTs3(装置2a1および2a3)に対しては、“起動情報○”が記憶されおり、まだ起動していない変電所Ts2(装置2a2)に対しては、“起動情報×”が記憶されている。
管理装置4A(そのCPU57)は、各変電所Ts1〜Ts3のディジタル形保護制御装置2a1〜2a3(その移動用プログラムMP)に対して定期的に通信を行なうことにより各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3(その移動用プログラムMP)の状態を常時監視し、起動、or起動停止を確認した際には起動情報テーブルBTの起動情報を書き換えるようになっている。
なお、本実施形態に係わる電力系統保護制御システム65のその他の機能ブロック構成、およびこれら各機能ブロックの処理を具体的に実現するためのハードウエア構成については、第1実施形態の図2および図5と略同等であるため、その説明を省略する。
本実施形態の電力系統保護制御システム65における遠隔操作者は、モニタ51aの画面に保護制御手順を文書形式で記述する前に、次に示す処理を行なう。
すなわち、遠隔操作者は、GUI部51の入力部51b(図5参照)を操作して管理装置4Aに各変電所Ts1〜Ts3(各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3)の起動状態を問い合わせる指令(問い合わせ指令)を送信する(図17;ステップS50)。
管理装置4AのCPU57は、送信されてきた起動状態問い合わせ指令を通信インタフェース55等を介して受信し、起動情報テーブルBTを広域ネットワーク41およびイーサネットLAN39等を介して表示操作装置3に送信する(ステップS51)。
表示操作装置3のCPU53は、送信されてきた起動情報テーブルBTを通信インタフェース50等を介して受信し、その起動情報テーブルBTをGUI部51のモニタ51aに表示する(ステップS52)。
そして、遠隔操作者は、モニタ51aに表示された起動情報テーブルBTを参照しながらGUI部51の入力部51bを操作することにより、文書形式の制御手順(スクリプト)を記述する。このとき、制御手順の移動経路におけるプログラムモジュール7の移動先を、起動前のディジタル形保護制御装置以外の装置、すなわち、複数のディジタル形保護制御装置2a1〜2a3(変電所Ts1〜Ts3)における起動中のディジタル形保護制御装置2a1、2a3(変電所Ts1、Ts3)および管理装置4Aの中から選択して記述し(ステップS53)、ステップS2の処理に移行する。この結果、CPU53のステップS2の処理により、起動中のディジタル形保護制御装置2a1、2a3の変電所Ts1、Ts3および管理装置4Aの内の少なくとも一方を巡回移動先として設定したスクリプトファイル10Dがメモリ52に保存される。
以下、ステップS3〜ステップS6の処理により広域ネットワーク41を介して巡回移動するプログラムモジュール7は、そのスクリプトファイル10Dの巡回移動先が起動中のディジタル形保護制御装置2a1、2a3および管理装置4Aの中から設定されているため、移動先の変電所のディジタル形保護制御装置が起動前であることが原因のプログラムモジュール7の停滞を回避することができ、非常に効率の良い移動経路によるプログラムモジュール7の巡回移動が可能になる。
(第5の実施の形態)
本実施形態に係わる電力系統保護制御システム70の機能ブロック構成を図18に示す。
図18によれば、本実施形態の電力系統保護制御システム70の管理装置4B(そのCPU57)は、予めメモリ58に、Javaの例えばrmi機構およびthreadクラスのsleep機構により作成されたメッセージ受信用プログラムRPを保持しており、このメッセージ受信用プログラムRPを起動させて各変電所Ts1〜Ts3のディジタル形保護制御装置2a1〜2a3から送信された制御動作異常を表すデータ(異常メッセージ)を受信する異常メッセージ受信手段71と、受信した異常データ(異常メッセージ)コンソール56のモニタ56aに表示する異常メッセージ表示手段72とをそれぞれ備えている。
なお、本実施形態に係わる電力系統保護制御システム70のその他の機能ブロック構成、およびこれら各機能ブロックの処理を具体的に実現するためのハードウエア構成については、第1実施形態の図2および図5と略同等であるため、その説明を省略する。
一方、本実施形態の電力系統保護制御システム70における遠隔操作者は、GUI部51の入力部51bを操作してモニタ51aの画面に図4に示す制御手順を文書形式で記述する際に、複数の変電所Ts1〜Ts3(ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3)における例えば変電所Ts1、Ts2に対する制御文(“set”文等)の次に、例えば図19に示す文を挿入してスクリプト(スクリプトファイル10D)を作成する。
図19に示すように、変電所Ts1(ディジタル形保護制御装置2a1)の制御動作文“set”文の次に、「変電所Ts1(装置2a1)で制御動作に異常(例えば、保護制御対象の不良等で保護制御対象から状態量が取得できない場合や、保護制御可能範囲を越えた制御動作値(リレー整定値等)の設定を行なった場合等、本明細書では、総称して制御異常とも記載する)が発生した場合、その変電所Ts1以降の制御動作を中止してプログラムモジュール7の移動先を管理装置4Bに変更する」という内容を表す“{変電所Ts1}”、“stop 制御”、“goto 管理装置4B”を追加挿入して記述する。
同様に、変電所Ts2(ディジタル形保護制御装置2a2)の制御動作文“get”文の次に、「変電所Ts2(装置2a2)で制御異常が発生した際に管理装置4Bに報告する」という内容を表す“{変電所Ts2}”、“report管理装置4B”を追加挿入して記述する。
このようにスクリプトファイル10Dを記述しておけば、本実施形態のディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、ステップS7の処理によりスクリプトファイル10D(制御手順の4行目)を解釈し、その記述内容(“setスイッチsw1 ON”)にしたがって電力系統Pのスイッチsw1をONにするための制御動作を行なう(ステップS8)。
このとき、ディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、上記制御動作に関して制御異常が生じたか否かを判断しており(図20;ステップS60)、この判断の結果、上記制御動作に対して制御異常が生じた場合(ステップS60→YES)、CPU46aは、追加挿入された制御手順の5行目以降の“{変電所Ts1}”、“stop 制御”、“goto 管理装置4B”を解釈して上記制御動作を直ちに中止し(ステップS61)、移動用プログラムMPに基づく処理によりプログラムモジュール7を管理装置4Bへ転送して(ステップS62)、処理を終了する。
一方、変電所Ts1のディジタル形保護制御装置2a1における制御動作において制御異常が生じなかった場合(ステップS60→NO)、図6に示すステップS9〜ステップS11に示す処理が行なわれる。
ステップS11の処理(プログラムモジュール7の変電所Ts2(装置2a2)への移動処理)後、ディジタル形保護制御装置2a2のCPU46aは、ステップS12の処理によりスクリプトファイル10D(制御手順の追加挿入文も含めて9行目)を解釈し(ステップS12)、その記述内容(“get モータm2回転数”)にしたがって電力系統Pのモータm2の回転数(を表す電気量データ)を取得するための制御動作を行なう(ステップS13)。
このとき、CPU46aは、上記制御動作に関して制御異常が生じたか否かを判断しており(ステップS63)、この判断の結果制御異常が生じていない場合(ステップS63→NO)、図6に示すステップS14以降に示す処理が行なわれる。
一方、ステップS63の判断の結果、上記制御動作に対して制御異常が生じた場合(ステップS63→YES)、CPU46aは、追加挿入された制御手順の10行目以降の“{変電所Ts2}”、“report 管理装置4B”を解釈することにより、移動用プログラムMP(特に、Javaにおけるrmi機構、およびthreadクラスのsleep機構)に基づいて、制御異常を表すデータ(異常メッセージJ)を広域ネットワーク41等を介して管理装置4Bへ送信する(ステップS64)。
一方、管理装置4BのCPU57は、予めメモリ58に記憶されたメッセージ受信用プログラムRPを起動させておき、そのメッセージ受信用プログラムRPにしたがってディジタル形保護制御装置2a2から広域ネットワーク41等を介して送信されてきた異常メッセージJを受信し(ステップS64)、受信した異常メッセージをコンソール56のモニタ56aに表示して(ステップS65)、処理を終了する。
以上述べたように、本実施形態によれば、あるディジタル形保護制御装置におけるプログラムモジュールに基づく制御動作中に、例えば、保護制御対象の不良等で保護制御対象から状態量が取得できない場合や、保護制御可能範囲を越えた制御動作値(リレー整定値等)の設定を行なった場合等の制御異常が発生しても、制御異常の発生に応じて直ちに制御動作を中止させ(ステップS61参照)、プログラムモジュールを管理装置4Bへ転送する(ステップS62参照)ことができる。
また、上記制御異常が発生した場合に、その制御異常に応じて当該制御異常を表す異常メッセージを管理装置4Bへ送信することができる。
したがって、整定異常等の制御異常が発生しても、対応する制御動作の中止処理や異常メッセージ送信処理等の迅速な対応ができるため、電力系統保護制御システムの信頼性および経済性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、管理装置4Bは、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3から送信された異常メッセージをコンソール56のモニタ56aに表示出力したが、この表示出力に加えて、例えば予めメモリ58に常駐させておいた警報出力用プログラム(図示せず)を起動させることにより、予めコンソール56に設けておいた警報ブザーを鳴らしたり、予めコンソール56に設けておいたアラームランプを点滅させたり、あるいは、特定の電話番号へ警報通知を発信すること等の警報出力処理を行なうことも可能である。
このような警報出力処理を行なうことにより、制御異常に対する高度かつ多様な外部への通報が可能になる。
(第6の実施の形態)
本実施形態に係わる電力系統保護制御システム1Cの機能ブロック構成、およびこれら各機能ブロックの処理を具体的に実現するためのハードウエア構成については、第1実施形態の図2および図5と略同等であるため、その説明を省略する。
第1〜第5実施形態において、制御結果は、ディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aの結果搬送処理(前掲図6のステップS9、ステップS14等)によりプログラムモジュール7の内部変数としてプログラムモジュール7に一体化された状態で当該プログラムモジュール7と共に移動するようになっている。
このとき、プログラムモジュール7の複数のディジタル形保護制御装置2a1〜2a3に対する巡回移動を行なっていくにつれて、次第に制御結果を表すデータのサイズが大きくなり、このような大きいサイズの制御結果を常にプログラムモジュール7に一体化させて共に移動させるのは、効率的ではない場合がある。
例えば、プログラムモジュール7内の結果搬送手段11b2(図3参照)として制御結果をJavaのクラス変数に格納して運搬する場合、Javaでは、プログラミング言語上の制約から、1つの変数で格納可能なデータサイズは約50Kバイトと決まっているため、制御結果を表すデータサイズが50Kバイトを越えると、複数の変数に分けて格納することになる。
しかしながら、制御結果を複数の変数に分けてプログラムモジュール7と一体化して移動させると、プログラムモジュール7自体の移動速度に影響を及ぼすため、例えば1つの変数で許容できるデータサイズ50Kバイトをその1つの変数に格納される制御結果を表すデータサイズが越えた場合、その制御結果を表すデータを一旦管理装置4へ送信することが上述したプログラムモジュール7の移動速度の点からも望ましい。
このような背景から、本実施形態の各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3のRAM46b(あるいはROM46c)に対して、予めプログラムモジュール7に対して一体化できるデータサイズの上限値(例えば50Kバイト)を記憶させておく。
そして、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3のCPU46aは、前掲図6のステップS9、ステップS14等処理、すなわち、制御結果を内部変数としてプログラムモジュール7に格納した後に、プログラムモジュール7の内部変数として格納した全ての制御結果を表すデータのサイズが上限値を越えたか否かを判断し、この判断の結果越えていない場合は、次ステップ(ステップS10、ステップS15等)処理に移行する。
一方、上記判断の結果越えていた場合、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3のCPU46aは、保護制御結果を管理装置4へ送信してステップS10、ステップS15等の処理に移行し、プログラムモジュール7の移動処理を継続する。なお、管理装置4に対する送信方法については、第5実施形態における異常メッセージ送信方法と略同様である。
管理装置4では、例えば前掲図6のステップS16〜ステップS18に類似した処理が行なわれることにより、制御結果は、コンソール56のモニタ56aに表示され、また、外部記録装置59に記録される。
このように本実施形態によれば、プログラムモジュールに一体化される制御結果を表すデータのサイズが、プログラムモジュール自体の移動速度に影響を及ぼす恐れのある上限値(例えば50Kバイト)を越えた場合、その制御結果を表すデータを一旦管理装置4へ送信して、再度次の移動先のディジタル形保護制御装置へプログラムモジュールを移動させることができる。
したがって、プログラムモジュールの移動速度に影響を与えない適切なサイズで制御結果をプログラムモジュールと共に搬送することができ、プログラムモジュールを効率良く移動させることができる。
(第7の実施の形態)
上述した第1〜第6実施形態において、スクリプトファイル10における各変電所の記述を単純に“変電所Ts1〜Ts3”として記述したが、実際のシステムにおいては、移動用プログラムMPが変電所名、すなわち、プログラムモジュール7の移動先を理解できなければならない。
例えばJavaのrmi機構に基づく移動用プログラムMPでは、インターネット上の情報提供元のアドレスであるURL(Uniform Resource Locator)形式である必要がある。
第1〜第6実施形態においては、上記変電所Ts1〜Ts3を通信ネットワークアドレス{以下、URLと記載する}に変換する処理プログラムを、スクリプト解釈プログラム10に作成しておくか、あるいは、スクリプトファイル10の記述の際に、変電所名Ts1〜Ts3部分だけ通信プログラムを意識したアドレス(URL)を用いて作成しておけばよい。
しかしながら、上述した方法では、変電所に対応するURLが変更になった場合、プログラムモジュール7のスクリプト解釈プログラム11a(前者の場合)、あるいはスクリプトファイル19(後者の場合)をその都度変更する必要があり、システムの保守性を悪化させる恐れが生じていた。特に、後者の場合では、スクリプトファイル10を作成するのは遠隔操作者であり、通信プログラムを意識した記述はできるだけ避けたいのが実情であった。
そこで、上述した事情に基づいて、本実施形態に係わる電力系統保護制御システム75の機能ブロック構成は図21に示すようになっている。
すなわち、図21によれば、本実施形態の電力系統保護制御システム75の管理装置4C(そのCPU57)は、各変電所の名前を表すデータ(人間系が理解できる名前;Ts1〜Ts3)と移動(通信)プログラムMPが理解できる名前を表すデータ(通信ネットワークアドレス)とが対応付けられており、変電所名Ts1〜Ts3を通信ネットワークアドレスに変換可能な変換テーブルCTを予めメモリ58に保持する変換テーブル保持手段76を備えている。
図22は、管理装置4Cのメモリ58に記憶された各変電所Ts1、Ts2、…に対応する通信ネットワークアドレスが格納された変換テーブルCTを示す図である。
図22によれば、変換テーブルCTには、各変電所名(変電所Ts1、Ts2、…)と、この変電所名(変電所Ts1、Ts2、…)の通信ネットワークアドレス(URL){rmi://hendents1.aaaaaaaa.toshiba.co.jp/manager、rmi://hendents2.xxxxxxxx.toshiba.co.jp/manager、…}とが対応付けられて保持されている。
このとき、本実施形態における表示操作装置3のCPU53は、ステップS5の処理において制御手順“goto 変電所Ts1”を解釈すると、管理装置4Cのメモリ58に保持された変換テーブルCTを参照して変電所Ts1に対応するURL{rmi://hendents1.aaaaaaaa.toshiba.co.jp/manager}を読み出して移動先を認識して(図23;ステップS5a)、ステップS6の処理に移行する。
同様に、ディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、ステップS10の処理において制御手順“goto 変電所Ts2”を解釈すると、管理装置4Cのメモリ58に保持された変換テーブルCTを参照して変電所Ts2に対応するURL{rmi://hendents2.xxxxxxxx.toshiba.co.jp/manager}を読み出して移動先を認識して(図23;ステップS10a)、ステップS6の処理に移行する。なお、ディジタル形保護制御装置2a2のCPU46aのステップS15におけるプログラムモジュール移動処理においても同様である。
すなわち、本実施形態によれば、遠隔操作者は、変電所名Ts1〜Ts3部分を、通信プログラムを意識することなく人間系で理解できる文書形式で作成することができる。
また、本実施形態では、変電所に対応するURLが変更になった場合でも、管理装置4Cの変換テーブルCTの内容を書き換えればよく、プログラムモジュール7のスクリプト解釈プログラム11aやスクリプトファイル19を変更する必要がないため、システムの保守性を向上させることができる。
(第8の実施の形態)
上述した第1〜第7実施形態におけるスクリプトファイル10の作成では、遠隔操作者は、例えば変電所名、制御対象および制御動作を含む制御手順を記述していくが、実際に変電所(ディジタル形保護制御装置)、その変電所(ディジタル形保護制御装置)の制御対象および制御動作を各変電所毎に記述するは、時間のかかる作業であり、また、遠隔操作者等の人間系が記述作業を行なう場合では、変電所(ディジタル形保護制御装置)の制御対象ではない系統設備機器等を誤って記述してしまう恐れもある。
そこで、上述した事情に基づいて、本実施形態に係わる電力系統保護制御システム80の機能ブロック構成は図24に示すようになっている。
すなわち、図24によれば、本実施形態の電力系統保護制御システム80の管理装置4D(そのCPU57)は、各変電所名(データ)、当該各変電所に対応する保護制御装置名(データ)および前記各保護制御装置で実行される可能性が高い制御動作を表すデータが互いに対応付けられた制御データベース81Aを予め作成して外部記録装置59に保持する制御データベース保持手段81を備えている。
制御データベース81Aの一例を図25に示す。図25によれば、制御データベース81Aには、変電所Ts1〜Ts3、変電所Ts1〜Ts3に対応するディジタル形保護制御装置2a1〜2a3および制御動作データが互いに対応付けられてそれぞれ格納されている。
このとき、本実施形態の電力系統保護制御システム80における遠隔操作者は、表示操作装置3のGUI部51の入力部51bを操作して、所望の移動経路に基づく最初の変電所(Ts1)を指定する(図26;ステップS70)。
CPU53は、指定された変電所Ts1に対応するディジタル形保護制御装置名2a1およびその制御動作データを管理装置4Dの外部記録装置59(図5参照)に保持された制御データベース81Aから読み出し(ステップS71)、読み出したデータDに基づいて、そのディジタル形保護制御装置2a1およびその保護制御装置2a1に対応する制御動作データを含む文書形式の制御手順(デフォルトスクリプト)を生成して表示操作装置3のモニタ51aに表示する(ステップS72)。
遠隔操作者は、モニタ51aに表示されたデフォルトスクリプトを表示操作装置3のGUI部51の入力部51bを用いて必要に応じて加筆修正する(ステップS73)。この結果、変電所Ts1に対するスクリプトが作成される。
以下、移動経路に沿って変電所Ts2、Ts3を指定しながら上述したステップS70〜ステップS73に基づくデフォルトスクリプト生成処理、および加筆修正処理により最終的なスクリプトファイル10Eを作成して(ステップS74)、ステップS2の処理に移行する。
すなわち、本実施形態によれば、管理装置4Dの外部記録装置59に保持された、既定された文書形式の制御手順(デフォルトスクリプト)を有するデフォルトスクリプトファイル81Aを用いてスクリプトファイル10Eを作成することができるため、スクリプトファイル10Eを迅速かつ正確に記述することができる。また、遠隔操作者が実際にスクリプトを記述する量を減らしているため、スクリプトファイル10Eに対して記述の誤りが発生する可能性を大幅に低減することができる。
(第9の実施の形態)
本実施形態に係わる電力系統保護制御システム85の機能ブロック構成を図27に示す。
図27によれば、本実施形態の電力系統保護制御システム85の管理装置4E(そのCPU57)は、前掲図16に示す起動情報テーブルBTをメモリ58に記憶する起動情報記憶手段66(前掲図15参照)と、前掲図25に示す制御データベース81Aを予め作成して外部記録装置59に保持する制御データベース保持手段81とを備えている。
本実施形態によれば、表示操作装置3のCPU53は、前掲図26のステップS70〜ステップS72、およびステップS74の処理により、指定された変電所Ts1〜Ts3に対応するディジタル形保護制御装置名2a1およびその制御動作データ(総称してデータD)を記録装置5Aのメモリ60に保持されたデータベース81Aから読み出した後、前掲図17のステップS50の処理と同様に、管理装置4Eに対して各変電所Ts1〜Ts3(各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3)の起動状態問い合わせ指令を送信する。
管理装置4EのCPU57は、前掲図17のステップS51の処理と同様に、送信されてきた起動状態問い合わせ指令に応じて起動情報テーブルBTを広域ネットワーク41およびイーサネットLAN39等を介して表示操作装置3に送信する。
このとき、表示操作装置3のCPU53は、ステップS72、S73の処理において、送信されてきた起動情報テーブルBTを参照し、移動用プログラムMPや装置自体が起動していないプログラムモジュール7移動不可のディジタル形保護制御装置2a2に対してはデフォルトスクリプトを生成せずに、起動中のディジタル形保護制御装置(2a1、2a3)のデフォルトスクリプトのみを生成して表示操作装置3のモニタ51aに表示して、ステップS73等の加筆修正処理に移行するようになっている。
すなわち、本実施形態によれば、起動情報テーブルBTを参照することにより予めプログラムモジュール7を移動できないディジタル形保護制御装置2a2に対しては、デフォルトスクリプトを生成しないため、第8実施形態に比べて、より効率的にスクリプトを作成することができる。
(第10の実施の形態)
第1実施形態で述べたように、制御結果は管理装置4のモニタ56a、あるいは表示操作装置3のモニタ51aに表示させることができ、さらに、外部記録装置59に記録することもできる。
このとき、第8〜第9実施形態で述べたように、管理装置4D、4Eの外部記録装置59に制御データベース81Aが保持されている場合には、保護制御結果を制御データベース81Aに登録することも可能である。
すなわち、スクリプトファイル10Fにおいて、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3で取得された保護制御結果を記録装置5Aの制御データベース81Aへ登録する処理を行なうことを表すスクリプト(“record 制御結果on 制御データベース81A of 外部記録装置59”)を記述しておけば、管理装置4のCPU57は、前掲図6のステップS18の代わりに、メモリ60に予め記憶されたプログラム(JavaのJDBC(Jaba DataBase Con-nectivity)機構)に基づく処理を行なうことにより、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の制御結果を制御データベース81Aに登録することができる(図28;ステップS18a)。
すなわち、本実施形態によれば、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の制御結果を自動的に制御データベースに登録することができるため、より効率良くかつ正確に制御結果を管理することが可能になる。
(第11の実施の形態)
第1〜第10実施形態においては、説明を容易化するために、管理装置(管理端末)4(4A〜4E)を1台として説明した。
しかしながら、変電所Ts1〜Ts3等の変電所群は制御対象であり、多重化できないが、管理装置は、情報(制御結果等)を集積して管理することが主な機能であるため、多重化可能であり、電力系統保護制御システム全体の信頼性を高めることができる。
図29は、前掲図18に示した管理装置4B(4B1、4B2)を多重化(例えば二重化)した際の電力系統保護制御システム87の機能ブロック構成を示す図である。
図29によれば、電力系統保護制御システム87は、二重化された管理装置4B1、4B2を備えている。管理装置4B1、4B2は、前掲図18に示した管理装置4Bと同一の処理を実行可能になっている。
このとき、多重化された管理装置4B1、4B2における一方(管理装置4B1)を通常使用する管理装置と定めておき、管理装置4B1に対する通信(プログラムモジュール7の移動、あるいは異常メッセージの送信)が不可の場合に、管理装置4B2を使うように設定しておく。
この管理装置が二重化された電力系統保護制御システム87においては、遠隔操作者は、図4・図19に示すスクリプト(スクリプトファイル10D)を作成する際において、スクリプト“goto 管理装置4B”を図30に示すように書換える。
すなわち、図30に示すように、「管理装置4B1への移動が不可の場合は、管理装置4B2へ移動させる」という内容を表す“goto 管理装置4B1else 管理装置4B2”に書換える。
同様に、“report 管理装置4B”を「管理装置4B1への報告が不可の場合には管理装置4B2へ報告する」という内容を表す“report 管理装置4B1 else 管理装置4B2”に書換える。
このようにスクリプトファイル10D1を記述しておけば、本実施形態のディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、前掲図20のステップS60〜S61の処理により変電所Ts1の制御動作を停止した後、“goto 管理装置4B1 else 管理装置4B2”を解釈して移動用プログラムMPに基づく処理によりプログラムモジュール7を管理装置4B1へ転送する(ステップS62)。
このとき、CPU46aは、管理装置4B1に対してプログラムモジュール7の転送できたか否かを判断しており(図31;ステップS80)、正常に移動ができた場合には(ステップS80→YES)、変電所Ts1のCPU46aは処理を終了する。
一方、ステップS80の判断の結果正常に移動ができない場合には(ステップS80→NO)、CPU46aは、上記“goto 管理装置4B1 else管理装置4B2”の解釈に基づいてプログラムモジュール7を管理装置4B2に転送(ステップS81)する。
この結果、プログラムモジュール7は、管理装置4B2に受信される。
同様に、前掲図30のステップS63の判断の結果、ディジタル形保護制御装置2a2のCPU46aが電力系統Pのモータm2の回転数を取得するための制御動作に関して制御異常が生じたと判断した場合、CPU46aは、“{変電所Ts2}”、“report 管理装置4B1 else 管理装置4B2”を解釈することにより、移動用プログラムMPに基づいて、異常メッセージJを広域ネットワーク41等を介して管理装置4B1へ送信する(ステップS64)。
このとき、CPU46aは、管理装置4B1に対して異常メッセージが正確に送信できたか否かを判断しており(ステップS82)、正確に送信できた場合には(ステップS82→YES)、ステップS65〜ステップS66の処理(管理装置4B1における異常メッセージ受信および表示処理)に移行する。
一方、ステップS82の判断の結果正確に送信できない場合には(ステップS82→NO)、CPU46aは、上記“report 管理装置4B1 else 管理装置4B2”の解釈に基づいて異常メッセージを管理装置4B2に転送して(ステップS83)、ステップS65〜ステップS66の処理(管理装置4B2における異常メッセージ受信および表示処理)に移行する。
以上述べたように、本実施形態によれば、二重化された2つの管理装置4B1および4B2の内のどちらか一方にプログラムモジュール7および異常メッセージを送ることができる。
したがって、上記2つの管理装置4B1および4B2の内の一方に対する通信(プログラムモジュール7の移動、あるいは異常メッセージの送信)が不可の場合でも、他方の管理装置に対してプログラムモジュール7および異常メッセージを送ることができるため、電力系統保護制御システムの信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、管理装置4Bを二重化した場合について示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、電力系統保護制御システム87' の管理装置4Bを管理装置4B1〜4BNのN重化した場合、そのN重化された管理装置4B1〜4BNにおいて、最初に使用するの装置を装置4B1、装置4B1に対する通信不良時に使う装置を装置4B2、…、装置4B1〜4BN−1に対する通信不良時に使う装置を装置4BNとそれぞれ設定しておく。
このように設定しておけば、例えば、上述した二重化におけるスクリプト“goto 管理装置4B1 else 管理装置4B2”および“report管理装置4B1 else 管理装置4B2”を、“goto 管理装置4B1else 管理装置4B2 else 4B3 else ・・・ else4BN−1 else 4BN”および“report 管理装置4B1 else 管理装置4B2 else 4B3 else ・・・ else 4BN−1 else 4BN”と記述することにより、N重化された管理装置4B1〜4BNの何れか1つが正常であれば、プログラムモジュール7および異常メッセージを管理装置側で受け取ることができるため、電力系統保護制御システム87' の信頼性をさらに向上させることができる。
(第12の実施の形態)
本発明の第12実施形態に係わる電力系統保護制御システム90の概略機能ブロック構成を図32に示す。なお、図32において、表示操作装置3および管理装置4は図示を省略している。
図32に示す電力系統保護制御システム90は、4箇所の電気所(変電所Ts1〜Ts4;なお、図32において変電所Ts1は省略している)を通信ネットワーク6に接続して構成されており、変電所Ts3は、複数(例えば3台)のディジタル形保護制御装置2b1〜2b3を備えている。
各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3は、前掲図5に示したディジタル形保護制御装置2a1と同一のハードウエア構成を有しており、各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3間は、変電所Ts3内のローカル接続網であるイーサネットLAN39、トランシーバ38等(以下、単にイーサネットLAN39と記載する)で相互接続されている。
第1〜第11実施形態では、プログラムモジュール7は、各変電所Ts1〜Ts3のディジタル形保護制御装置2a1〜2a3を巡回して移動することにより各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3を制御している。
したがって、本実施形態のような変電所Ts3に複数のディジタル形保護制御装置2b1〜2b3が設けられている場合でも、第1〜第11実施形態と同様に、変電所Ts3内においてプログラムモジュール7をイーサネットLAN39を介して各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3に所定の移動経路(スクリプトファイル10に記述された移動経路)に沿って順次移動させていくことにより、各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3を制御することが可能である。
しかしながら、上述した同一変電所に複数のディジタル形保護制御装置2b1〜2b3が設けられている場合等では、各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3に対して同時に制御することが可能なケースが多く、また、状況によっては、上記各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3に対して同時に制御を行なわなければならないケースもある。
そこで、本実施形態では、例えば同一変電所Ts3に設けられた複数のディジタル形保護制御装置2b1〜2b3を同時に一括して制御するようになっている。
すなわち、本実施形態に係わる電力系統保護制御システム90において、変電所Ts3は、各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3を一括して制御するための一括制御用端末91を備えており、この一括制御用端末91は、各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3とイーサネットLAN39を介して相互接続されている。
一括制御用端末91は、図32に示すように、前掲図2に示したディジタル形保護制御装置2a1におけるデータ取得・設定手段8を除く各機能ブロックに加えて、スクリプト解釈処理15により解釈された制御手順に基づいて、プログラムモジュール7から各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3に対応する新たな移動可能プログラムモジュール(プログラムモジュール)7b1〜7b3を生成するプログラムモジュール生成手段92を備えている。なお、プログラムモジュール7のことを生成元プログラムモジュール7とも記載する。また、一括制御用端末のハードウエア構成は、前掲図5に示すディジタル形保護制御装置2a1のハードウエア構成と略同等であるため、その説明は省略する。
また、各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3は、イーサネットLAN39を介して送られたプログラムモジュール7b1〜7b3をプログラムモジュール実行手段9(スクリプト解釈処理15等)で実行するようになっている。なお、プログラムモジュール実行手段9のスクリプト解釈処理15等の各処理については、プログラムモジュールが生成元プログラムモジュール7からプログラムモジュール7b1〜7b3になる以外は、第1実施形態と略同様であるため、その説明を省略する。
プログラムモジュール生成手段92は、生成元プログラムモジュール7のスクリプトファイル10Gから各保護制御装置2b1〜2b3に対応する制御内容(スクリプト)をスクリプトファイル10b1〜10b3として読み込み、読み込んだスクリプトファイル10b1〜10b3とプログラムモジュール本体11とを一体化してプログラムモジュール7b1〜7b3を生成するようになっている。
一方、本実施形態における生成元プログラムモジュール7におけるスクリプトファイル10Gは、遠隔操作者の表示操作装置3のGUI部51を用いた記述処理により、例えば図33に示すように作成されている。なお、変電所Ts2へ生成元プログラムモジュール7が移動する前(“goto 変電所Ts2”の前)までの制御手順(スクリプト)は、前掲図4に示す制御手順と同一である。
すなわち、図33に示すスクリプトファイル10Gは、「まず、プログラムモジュール7を変電所Ts2(ディジタル形保護制御装置2a2)に移動(“goto 変電所Ts2”)させて、ディジタル形保護制御装置2a2において所定の制御内容に基づく制御動作を実行する(“<(制御内容等)>”)」手順を有している。
次いで、「プログラムモジュール7を変電所Ts3(一括制御用端末 )に移動させて各ディジタル形保護制御装置2b1、2b2および2b3を一括して制御動作する(“goto 変電所Ts3の各ディジタル形保護制御装置2b1,2b2および2b3”)手順を有している。すなわち、(“goto 変電所名前 装置名 装置名 …”)という記述(スクリプト)が一括制御場所、および一括制御する装置を表している。
続いて、各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3における所定の制御内容、すなわち、「装置2b1において(“at ディジタル形保護制御装置2b1”)、例えば、ディジタル形保護制御装置2b1の値(整定値)を現在値に設定し(“set 現在値”)、ディジタル形保護制御装置2b2において(“at ディジタル形保護制御装置2b2”)、例えば、ディジタル形保護制御装置2b2の整定範囲の最大値を取得し(“get 最大値”)、さらに、ディジタル形保護制御装置2b3において(“at ディジタル形保護制御装置2b3”)、例えば、ディジタル形保護制御装置2b3の整定範囲の最大値を[100]に設定する(“set 最大値 100”)」を表す一括制御内容に係わる手順を有している。
そして、「一括制御を終了した後に、プログラムモジュール7を変電所Ts4に移動させて対応するディジタル形保護制御装置2a4において所定の制御内容に基づく制御動作を実行する(“<(制御内容等)>”)」手順を有している。なお、本実施形態に係わる電力系統保護制御システム90の他の機能ブロック構成、およびこれら各機能ブロックの処理を具体的に実現するためのハードウエア構成については、第1実施形態の図2および図5と略同等であるため、その説明を省略する。
すなわち、本実施形態によれば、ディジタル形保護制御装置2a2のCPU46aは、スクリプト解釈プログラム11aを実行してスクリプトファイル10Gの制御手順(図33における1行目“goto 変電所Ts2”)を解釈してプログラムモジュール7を変電所Ts2へ移動させ(ステップS11参照)、変電所Ts2のディジタル形保護制御装置2a2のCPU46aは、移動されてきたプログラムモジュール7におけるスクリプト解釈プログラム11aを実行してスクリプトファイル10Gの制御手順(図33における2行目“<制御内容>”)を解釈して所定の制御内容に係わる制御動作を実行する(ステップS12、S13参照)。
続いて、変電所Ts2のCPU46aは、スクリプト解釈プログラム11aを実行してスクリプトファイル10Gの制御手順{図33における3行目の一括制御用のスクリプト“goto (変電所Ts3の各ディジタル形保護制御装置2b1、2b2および2b3)”}を解釈して次のプログラムモジュール7の移動先を一括制御場所である変電所Ts3(一括制御用端末91)であることを認識し、プログラムモジュール7を変電所Ts3の一括制御用端末91に移動させる(図34;ステップS90)。
変電所Ts3の一括制御用端末91(そのCPU46a)は、移動用プログラムMPに基づく処理により、自変電所の名称(Ts3)と移動されてきたプログラムモジュール7の一括制御用スクリプト{“goto (変電所Ts3の各ディジタル形保護制御装置2b1,2b2,2b3)”}における変電所名称とが一致するか否かを判断し(ステップS91)、一致しない場合(ステップS91の判断の結果NO)、他の変電所へプログラムモジュール7を再度移動させる(ステップS92)。
本実施形態では一致するため(ステップS91の判断の結果YES)、一括制御用端末91は、生成元プログラムモジュール7のスクリプトファイル10Gから各保護制御装置2b1〜2b3に対応する制御内容{ディジタル形保護制御装置2b1→“at ディジタル形保護制御装置2b1”および“set 現在値”、ディジタル形保護制御装置2b2→“at ディジタル形保護制御装置2b2”および“get 最大値”、ディジタル形保護制御装置2b3→“at ディジタル形保護制御装置2b3”および“set 最大値 100”}を読み込み(ステップS93)、読み込んだ各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3の制御内容を表すスクリプトをスクリプトファイル10b1〜10b3として、生成元プログラムモジュール7のプログラムモジュール本体11と一体化することにより新たなプログラムモジュール7b1〜7b3を生成する(ステップS94)。
次いで、一括制御用端末91は、移動用プログラムMPに基づく移動処理により、新たに生成されたプログラムモジュール7b1〜7b3を、対応するディジタル形保護制御装置2b1〜2b3へそれぞれ移動させる(ステップS95)。
このとき、各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3のCPU46aは、移動されてきた各プログラムモジュール7b1〜7b3におけるスクリプト解釈プログラム11aをそれぞれ実行して、各スクリプトファイル10b1〜10bの制御内容{ディジタル形保護制御装置2b1→“at ディジタル形保護制御装置2b1”および“set 現在値”、ディジタル形保護制御装置2b2→“at ディジタル形保護制御装置2b2”および“get 最大値”、装置2b3→“at装置2b3”および“set 最大値 100”}に基づく制御動作をそれぞれ実行する(ステップS96)。
すなわち、ディジタル形保護制御装置2b1のCPU46aは、EEPROM46dに現在の整定値をそのまま設定し、ディジタル形保護制御装置2b2のCPU46aは、EEPROM46dの整定範囲を定める最大値を取得し、ディジタル形保護制御装置2b3のCPU46aは、EEPROM46dの整定範囲を定める最大値を100に設定する。
そして、各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3のCPU46aは、各制御動作により得られた制御結果Rb1〜Rb3を各プログラムモジュール7b1〜7b3に対してその内部変数としてそれぞれ格納し(ステップS97)、移動用プログラムMPに基づく移動処理によりプログラムモジュール7b1〜7b3を一括制御用端末91に移動させる(ステップS98)。
一方、一括制御用端末91は、上記一括制御用のスクリプト{“goto(変電所Ts3の各ディジタル形保護制御装置2b1,2b2,2b3)”}を実行した際には、移動用プログラムMPにおける例えばJavaのthreadクラスのsleepメソッドに基づく処理により、全ての制御結果Rb1〜Rb3(プログラムモジュール7b1〜7b3)が戻ってきたか否かを判断しており(ステップS99)、プログラムモジュール7b1〜7b3が戻ってくるまでは、プログラムモジュール7のスクリプト10Gにおける一括制御手順の次のスクリプト(“goto 変電所Ts4”)を解釈して実行する処理を待機する(ステップS99の判断の結果NO)。
そして、ステップS99の判断の結果YES、すなわち、全てのプログラムモジュール7b1〜7b3が一括制御用端末91に戻ってきた場合には、各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3に対する一括制御が終了したと判断して、一括制御用端末91は、戻ってきた制御結果(プログラムモジュール7b1〜7b3)を生成元のプログラムモジュール7に一体化する(ステップS100)。
次いで、一括制御用端末91は、プログラムモジュール7のスクリプト10Gにおける一括制御手順の次のスクリプト(“goto 変電所Ts4”)を解釈し、移動用プログラムMPに基づく移動処理を実行して、各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3の制御結果Rb1〜Rb3が一体化されたプログラムモジュール7を変電所Ts4のディジタル形保護制御装置2b4へ移動させて(ステップS101)、一括制御用端末91の処理を終了する。
すなわち、本実施形態によれば、1つのプログラムモジュールから新たなプログラムモジュールを生成して複数のディジタル形保護制御装置に例えば同時に移動させることにより、各ディジタル形保護制御装置を同時に一括して制御することができる。この結果、多数のディジタル形保護制御装置に対する制御を効率良く行なうことができる。
特に、本実施形態では、上述した一括制御をスクリプト記述により行なうことができるため、一括制御対応のプログラムモジュール移動型電力系統保護制御システムを従来よりも容易に構築することができる。
なお、本実施形態では、ステップS99の判断において、一括制御用端末91は、全ての制御結果Rb1〜Rb3(プログラムモジュール7b1〜7b3)が戻ってくるまで、次の処理(プログラムモジュール7の移動処理)を行なわないようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、全ての制御結果Rb1〜Rb3(プログラムモジュール7b1〜7b3)が揃わない理由として、遅れているプログラムモジュールと一括制御用端末との間の通信に時間がかかっている可能性が考えられる。
このとき、例えば制御結果が早急に欲しい場合等では、一括制御用端末91は、ステップS99の判断として、プログラムモジュール7b1〜7b3を各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3へ移動させてから一定時間(例えば100秒間)経過したか否かの判断を繰り返し行ない(図35;ステップS99a)、一定時間経過するまで処理を待機する(ステップS99aの判断の結果NO)。
一方、一定時間経過した場合には(ステップS99aの判断の結果YES)、一括制御用端末91は、一定時間内に送られてきた制御結果{例えば、Rb1、Rb2(プログラムモジュール7b1、7b2)}をプログラムモジュール7に一体化して(ステップS100参照)、ステップS101のプログラムモジュール7の移動処理に移行する。
なお、プログラムモジュール7の移動処理後に残りの制御結果Rb3(プログラムモジュール7b3)が戻ってきた場合には、そのプログラムモジュール7b3を直接管理装置4に移動させることにより対処する。
上述したステップS99の一定時間(例えば100秒間)経過に基づく判断処理は、例えば図33における3行目の一括制御用のスクリプト“goto (変電所Ts3装置2b1装置2b2装置2b3)”を、次のように書き換えることにより実現可能である。
“goto (変電所Ts3の各ディジタル形保護制御装置2b1,2b2,2b3) wait 100”このスクリプトは、「100秒間は、一括制御用端末91で待機するが、その100秒間を経過したら、全てのディジタル形保護制御装置2b1〜2b3へ移動した各プログラムモジュール7b1〜7b3(制御結果Rb1〜Rb3)が全て戻っていなくても、次のスクリプト“goto 変電所Ts4”を実行してプログラムモジュール7を移動させる」ことを表している。
この変形例においては、上述した第12の実施の形態の効果に加えて、例えば制御結果が早急に欲しい場合等の特殊な要求にも対処できるため、より効率良く各ディジタル形保護制御装置を制御可能な電力系統保護制御システムを提供することができる。
なお、本実施形態では、一括制御を行なう変電所Ts1に一括制御用端末91を設けて各ディジタル形保護制御装置2b1〜2b3に対して一括制御を行なったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複数のディジタル形保護制御装置2b1〜2b3の中の1つを一括制御用端末として、前掲図34に示した処理を行なうことにより、自装置を含む全ての装置2b1〜2b3に対する上述した一括制御を行なうことも可能である。また、他変電所のディジタル形保護制御装置を一括制御用の端末として、前掲図34に示した処理を行なうことにより、他変電所の複数のディジタル形保護制御装置に対して一括制御を行なうことも可能である。
(第13の実施の形態)
第1〜第12実施形態においては、移動可能プログラムモジュールを各ディジタル形保護制御装置に巡回移動させながら、各ディジタル形保護制御装置の遠隔制御を行なっており、例えば、あるディジタル形保護制御装置(第1の装置)において他のディジタル形保護制御装置(第2の装置)の制御結果が必要な場合には、移動経路を表すスクリプトを第2の装置→第1の装置に記述すればよい。
しかしながら、例えばあるディジタル形保護制御装置における所定の制御対象に係わる制御動作を、他の複数のディジタル形保護制御装置の上記所定の制御対象に関連された制御対象の状態変化およびその状態変化の際の状態量に基づいてリアルタイムで設定したい場合においては、単純にプログラムモジュールを巡回移動させていく電力系統保護制御システムでは対処することが難しかった。
そこで、本実施形態では、プログラムモジュールを、状態変化を検出したい所定のディジタル形保護制御装置に対して常駐させておき、この所定のディジタル形保護制御装置において状態変化が検出された場合、常駐されたプログラムモジュールから新たなプログラムモジュールを作成して、制御動作を行ないたい他の保護制御装置へ移動させることにより、上述したリアルタイムの状態変化に適応する制御動作(以下、適応制御動作、アダプティブ制御動作ともいう)を実行可能な電力系統保護制御システム95を実現している。
本発明の第13実施形態に係わる上述した適応制御動作を実行可能な電力系統保護制御システム95の機能ブロック構成を図36に示す。
図36に示すように、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3は、前掲図2に示したディジタル形保護制御装置2a1における各機能ブロックに加えて、常駐されたプログラムモジュール7における後述するスクリプトファイルをスクリプト解釈処理15により解釈して得られた制御手順に基づいて、常駐プログラムモジュール7から他のディジタル形保護制御装置へ移動可能な新たな移動可能プログラムモジュール7Kを生成するプログラムモジュール生成手段96を備えている。
なお、図36に示す電力系統保護制御システム95におけるその他の機能ブロック構成、およびこれら各機能ブロックの処理を具体的に実現するためのハードウエア構成については、第1実施形態の図2および図5と略同等であるため、その説明を省略する。
すなわち、本実施形態の電力系統保護制御システム95における遠隔操作者は、表示操作装置3のGUI部51の入力部51bを操作してモニタ51a(図5参照)の画面に対して、図37に示す制御手順(スクリプトファイル10H)を記述・作成する。
図37に示すように、スクリプトファイル10Hは、「まず、変電所Ts1(ディジタル形保護制御装置2a1)にプログラムモジュール7を移動させ(“goto 変電所Ts1”)、ディジタル形保護制御装置2a1においてプログラムモジュール7を常駐させながらディジタル形保護制御装置2a1の保護制御対象における例えば2つの設備機器X、Yの状態値(電気量データ値)x、yを監視しておき、状態値xが状態値yを越えたか否かを判断する(“monitor (x>y)”)手順を有している。なお、この“monitor”文は常駐モードを表している。また、上記状態値yは、予め設定した閾値であってもよい。
次いで、「上記監視により状態値xが状態値yを越えた場合、自ディジタル形保護制御装置2a1の例えば現在の整定値z1を取得し(“get z1”)、プログラムモジュール7が常駐モードであるため、この常駐プログラムモジュール7から新たなプログラムモジュール7Kを作成して変電所Ts2(ディジタル形保護制御装置2a2)へ移動させて(“goto 変電所Ts2”)、ディジタル形保護制御装置2a2の例えば現在の整定値z2を取得し(“get z2”)、続いて、プログラムモジュール7を変電所Ts3(ディジタル形保護制御装置2a3)へ移動させて(“goto 変電所Ts3”)、ディジタル形保護制御装置2a3の例えば現在の整定値z3を取得する(“get z3”)」手順を有している。
そして、「常駐プログラムモジュール7、および新たに生成したプログラムモジュール7Kにより取得された各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の現在の整定値z1〜z3を用いて加算平均演算を行なって変電所Ts3のディジタル形保護制御装置2a3の整定値の制御値(zval)を求める(“zval = (z1+z2+z3)/3”)手順を有しており、さらに、ディジタル形保護制御装置2a3の現在の整定値を、上記制御値zvalに設定する(“set z3zval”)手順を有している。
このとき、表示操作装置3のCPU53は、プログラムモジュール7におけるスクリプト解釈プログラム11aを実行してスクリプトファイル10Hの制御手順の1行目(“goto 変電所Ts1”)を解釈し(図38;ステップS110)、移動用プログラムMPに基づく移動処理により、作成されたプログラムモジュール7を変電所Ts1(ディジタル形保護制御装置2a1)へ送出する(ステップS111)。
ディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、ディジタル形保護制御装置2a1へ移動されてきたプログラムモジュール7を受け取ってRAM46bに保持し、このプログラムモジュール7におけるスクリプト解釈プログラム11aを実行してスクリプトファイル10Hの制御手順の2行目(“monitor(x>y)”)を解釈し(ステップS112)、自ディジタル形保護制御装置2a1のデータ取得手段8を介して取得された設備機器X、Yの状態値x、yを常駐監視して、状態値xが状態値yを越えたか否かを判断する(ステップS113)。なお、この状態値x、状態値yの変化を検出する処理は、Javaのsleepメソッドを利用して実行できる。
そして、CPU46aは、状態値xが状態値yを越えた場合、スクリプト解釈プログラム11aを実行してスクリプトファイル10Hの制御手順の3行目(“get z1”)を解釈して、EEPROM46dから現在の整定値z1を取得し、その制御結果(整定値z1)をプログラムモジュール7Kに格納し(ステップS114)、次いで次の制御手順(4行目“goto 変電所Ts2”)を解釈する(ステップS115)。
上記解釈の結果、プログラムモジュール7を変電所Ts2へ移動させる制御手順であることを認識するが、現在、プログラムモジュール7は常駐モード“monitorモード”で移動不可であるため、CPU46aは、スクリプトファイル10Hの次の行(4行目)以降の制御手順(スクリプト;“get z2”〜“set z3zval”)を読み込み(ステップS116)、そのスクリプトをスクリプトファイル10Kとして、当該スクリプトファイル10Kと、生成元プログラムモジュール7のプログラムモジュール本体11に含まれる上記制御結果(整定値z1)から新たなプログラムモジュール7Kを生成する(ステップS117)。
次いで、CPU46aは、移動用プログラムMPに基づく移動処理により、新たに生成されたプログラムモジュール7Kを変電所Ts2のディジタル形保護制御装置2a2へ移動させる(ステップS118)。
ディジタル形保護制御装置2a2のCPU46aは、移動されてきたプログラムモジュール7Kにおけるスクリプト解釈プログラム11aを実行して、スクリプトファイル10Kの制御内容(“get z2”)を解釈して、EEPROM46dから現在の整定値z2を取得し、その制御結果(整定値z2)をプログラムモジュール7Kに格納する(ステップS119)。そして、CPU46aは、スクリプトファイル10Kの次の制御内容(“goto 変電所Ts3”)を解釈して、プログラムモジュール7Kを変電所Ts3(装置2a3)へ移動させる(ステップS120)。
ディジタル形保護制御装置2a3のCPU46aは、移動されてきたプログラムモジュール7Kにおけるスクリプト解釈プログラム11aを実行して、スクリプトファイル10Kの制御内容(“get z3”)を解釈して、EEPROM46dから現在の整定値z3を取得し、その制御結果(整定値z3)をプログラムモジュール7Kに格納する(ステップS121)。
ディジタル形保護制御装置2a3のCPU46aは、プログラムモジュール7Kにおけるスクリプト解釈プログラム11aを実行して、スクリプトファイル10Kの次の制御手順(“zval =(z1+z2+z3)/3”)を解釈して、プログラムモジュール7Kに格納された各制御結果(整定値z1〜z3)の加算平均値zvalを制御値として算出する(ステップS122)。
そして、CPU46aは、算出された制御値zvalをEEPROM46dに格納して上記制御値zvalを装置2a3の整定値に設定して(ステップS123)、処理を終了する。
この結果、例えばディジタル形保護制御装置2a3の整定値を、ディジタル形保護制御装置2a1における上記整定値に関連する設備機器X、Yの状態値x、yの状態変化(x>y)に対して適応的に、例えば各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3の整定値z1〜z3の加算平均値に設定することができる。
したがって、本実施形態では、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3に対する制御動作(例えば整定値設定制御動作)を、予め定められた値等を設定するのではなく、予め常駐させていたプログラムモジュールに基づいて他の装置で検出された状態値の変化(電力系統の状態変化)等を検出し、その検出結果に対応して算出された制御値を用いて当該設定設定制御を行なうことができるため、各ディジタル形保護制御装置2a1〜2a3に対して非常に高度な監視制御を行なうことができる。
特に、本実施形態では、上述した適応制御(アダプティブ制御)をスクリプト記述により行なうことができるため、適応制御対応のプログラムモジュール移動型電力系統保護制御システムを従来よりも容易に構築することができる。
(第14の実施の形態)
第13実施形態においては、ディジタル形保護制御装置2a1の保護制御対象の状態変化を監視する常駐プログラムモジュール7は、新しいプログラムモジュール7Kを生成後も引き続き常駐し続ける。これは、例えば上記所定の設備機器の状態変化がディジタル形保護制御装置2a1の保護制御範囲内において発生した事故に基づく場合、その事故発生後も装置2a1の保護制御対象の監視を行なう必要があるためである。
上記プログラムモジュール7の常駐を解除する方法の1つとして、解除するための条件をスクリプトとして予め記述しておくことが考えられる。これは、例えば、図37に示した常駐モードを表すスクリプト“monitor (x>y)”を、「100分間でx>yの監視および常駐を終了する」という内容を表すスクリプト(“monitor (x>y) for 100min”)というように記述しておけば、ディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、常駐プログラムモジュール7に基づく状変監視処理を100分間で終了する。
ただ、実際の常駐解除のための時間は、発生事故や電力系統規模等により異なるため、上記常駐解除は、人間系の指示により実行するのが望ましい。この人間系による常駐解除は、実際にディジタル形保護制御装置2a1が設置された現場に派遣された監視員がいつ監視を終了すればよいか判断して行なうことに相当する。すなわち、監視を終了してよいか否かの判断は、実際に現場に派遣された管理者により行なわれていた。
本実施形態では、従来、現場に派遣された管理者により行なわれていた常駐解除を、有人の電気所に設置された管理装置、あるいは表示操作装置側で行なうことを可能にしている。
図39は、管理装置4F側から常駐解除を行なうことが可能な電力系統保護制御システム95Aの機能ブロック構成を示す図である。
図39によれば、管理装置4Fは、コンソール56の入力部56bを操作してモニタ56aの画面を経由して常駐解除指令をプログラムモジュール7が常駐されている変電所Ts1のディジタル形保護制御装置2a1に向けて出力する常駐解除手段97を備えている。なお、管理装置4Fの構成以外は、前掲図36に示した電力系統保護制御システム95の機能ブロック構成と略同様であるため、その説明を省略する。また、電力系統保護制御システム95Aの各機能ブロックの処理を具体的に実現するためのハードウエア構成については、第1実施形態の図2および図5と略同等であるため、その説明を省略する。
すなわち、本実施形態によれば、ディジタル形保護制御装置2a1の常駐されたプログラムモジュール7に基づく監視処理(ステップS13参照)を実行しているCPU46aは、このステップS13の処理と並行して(例えば時分割的に)、管理装置4Fから常駐解除指令Lが送信されてきたか否か判断しており(図40;ステップS113a)、この判断の結果、常駐解除指令Lが送信されてこない際には(ステップS113a→NO)、ステップS113の監視処理を繰り返し行なう。
このとき、管理者が管理装置4Fのコンソール56の入力部56bを操作してモニタ56aの画面を経由して常駐解除指令Lをディジタル形保護制御装置2a1に向けて送信すると、ステップS113aの判断の結果はYESとなり、ディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは、上述した移動用プログラムMP(Java)のsleepメソッドおよびrmi機構に基づいて常駐解除指令Lを受信し(ステップS113b)、受信した常駐解除指令Lに応じてプログラムモジュール7の常駐を解除して、例えば管理装置4Fへ移動させて(ステップS113c)、ディジタル形保護制御装置2a1のCPU46aは処理を終了する。
すなわち、本実施形態によれば、常駐を解除してもよい場合には、管理者が実際に装置2a1設置現場にいって解除処理を行なう必要なく、管理装置4F側から常駐解除指令をプログラムモジュール7が常駐している装置2a1に向けて送信することにより、プログラムモジュール7の解除を行なうことができる。
したがって、より効率の高い方法で不必要なプログラムモジュールの常駐を回避することができ、プログラムモジュールが常駐している装置のRAMの利用率を減らして、当該RAMを効率よく利用することが可能になる。
なお、本実施形態では、常駐解除手段97を管理装置4Fに設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示操作装置3に設けてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの全体構成を示す図。 図1に示された電力系統保護制御システムの機能ブロック構成を示す図。 図2に示されたプログラムモジュールの概略構成を概念的に示す図。 図3に示したプログラムモジュールにおける文書形式で作成されたスクリプトファイルの一例を示す図。 第1実施形態の電力系統保護制御システムを構成するディジタル形保護制御装置、表示操作装置および管理装置の各機能ブロックの処理を具体的に実現するためのハードウエア構成を示す図。 第1実施形態に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 第1実施形態における制御結果が表示されたモニタ画面を示す図。 本発明の第2の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 第2の実施の形態の変形例に係わるスクリプトファイルの一例を示す図。 第2の実施の形態の変形例に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 第3の実施の形態の変形例に係わるスクリプトファイルの一例を示す図。 第3の実施の形態の変形例に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 第3の実施の形態の変形例に係わるスクリプトファイルの一例を示す図。 第3の実施の形態の変形例に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 本発明の第4の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの機能ブロック構成を示す図。 第4実施形態に係わるメモリに記憶された各変電所の各ディジタル形保護制御装置の起動情報テーブルを表す図。 第4の実施の形態の変形例に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 本発明の第5の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの機能ブロック構成を示す図。 第5の実施の形態の変形例に係わるスクリプトファイルの一例を示す図。 第5の実施の形態の変形例に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 本発明の第7の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの機能ブロック構成を示す図。 第7の実施形態におけるメモリに記憶された各変電所に対応する通信ネットワークアドレスが格納された変換テーブルを示す図。 第7の実施の形態の変形例に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 本発明の第8の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの機能ブロック構成を示す図。 第8の実施形態におけるメモリに記憶された制御データベースを示す図。 第8の実施の形態の変形例に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 本発明の第9の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの機能ブロック構成を示す図。 本発明の第10の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 本発明の第11の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの機能ブロック構成を示す図。 第11の実施の形態の変形例に係わるスクリプトファイルの一例を示す図。 第11の実施の形態の変形例に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 本発明の第12の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの機能ブロック構成を示す図。 第12の実施の形態に係わるスクリプトファイルの一例を示す図。 第12の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 第12の実施の形態の変形例に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 本発明の第13の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの機能ブロック構成を示す図。 第13の実施の形態に係わるスクリプトファイルの一例を示す図。 第13の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 本発明の第14の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの機能ブロック構成を示す図。 第14の実施の形態に係わる電力系統保護制御システムの処理の一例を示す概略フローチャート。 従来のプログラムモジュール移動型電力系統保護制御システムの機能ブロック構成を示す図。
符号の説明
1、65、70、75、80、85、87、90、95、95A 電力系統保護制御システム
2a1〜2a4、2b1〜2b3 ディジタル形保護制御装置
3 表示操作装置
4、4A、4B、4B1、4B2 管理装置
6 通信ネットワーク
7、7K、7b1〜7b3 プログラムモジュール
8 データ取得・設定手段
9A、30A プログラムモジュール送受信手段
9B プログラムモジュール実行手段
10、10G、10H、10K、10b1〜10b3 スクリプトファイル
11 プログラムモジュール本体
11a スクリプト解釈プログラム
11b1 スクリプトファイル搬送手段
11b2 結果搬送手段
15 スクリプト解釈処理
16 制御処理
17 結果搬送処理
18 移動処理
18a 移動用プログラム
19 スクリプト搬送処理
25 スクリプトファイル記述手段
25a GUI部
26 スクリプトファイル保存手段
27 プログラムモジュール本体記憶手段
28 プログラムモジュール送受信手段
30B スクリプト解釈手段
31 制御結果表示手段
32 制御結果記録手段
38 トランシーバ
39 イーサネットLAN
40 ルータ
45 アナログ・ディジタル変換部
46 ディジタル演算処理部
46a、53、57 CPU
46b RAM
46c ROM
46d EEPROM
47 入出力インタフェース
48 バス
49、50、55 通信インタフェース
51 GUI部
51a、56a モニタ
51b、56b 入力部
52、58 メモリ
56 コンソール
59 外部記憶装置
66 起動情報記憶手段
71 異常メッセージ受信手段
72 異常メッセージ表示手段
76 変換テーブル保持手段
81 制御データベース保持手段
92、96 プログラムモジュール生成手段
97 常駐解除手段
P 電力系統
Ts1〜Ts4 変電所
Th 有人変電所
Tp 給電指令所

Claims (5)

  1. 電力系統を保護制御する機能を有する分散配置された複数の保護制御装置を通信ネットワークを介してデータ送受信可能に相互接続して構成された電力系統保護制御システムにおいて、
    前記各保護制御装置は、
    前記通信ネットワークを所定の移動経路にしたがって移動するプログラムモジュールに基づいて自保護制御装置の前記保護制御機能に係わる制御動作を実行する制御手段と、
    前記自保護制御装置から前記移動経路に基づいて次の移動先に規定された保護制御装置に対して前記プログラムモジュールを移動可能な移動手段と、
    この移動手段により前記次の移動先に規定された保護制御装置に対して前記プログラムモジュールの移動ができない際に、前記プログラムモジュールの次の移動先を、当該次の移動先に規定された保護制御装置以外の所定の保護制御装置に変更できる移動経路変更手段と、
    前記通信ネットワークに接続され、前記複数の保護制御装置を、その制御手段の制御内容および前記プログラムモジュールの移動位置を含めてそれぞれ管理する管理装置とを備えたことを特徴とする電力系統保護制御システム。
  2. 前記移動経路変更手段は、前記移動経路に基づいて次の移動先に規定された保護制御装置に対して前記プログラムモジュールの移動ができない際に、前記プログラムモジュールの次の移動先を、前記所定の保護制御装置および前記管理装置の内のどちらか一方に変更する手段を有する請求項1記載の電力系統保護制御システム。
  3. 電力系統を保護制御する機能を有する分散配置された複数の保護制御装置を通信ネットワークを介してデータ送受信可能に相互接続して構成された電力系統保護制御システムにおいて、
    前記各保護制御装置は、
    前記通信ネットワークを所定の移動経路にしたがって移動するプログラムモジュールに基づいて自保護制御装置の前記保護制御機能に係わる制御動作を実行する制御手段と、
    この制御手段による前記自保護制御装置に対する制御動作中に制御動作異常が生じた場合、その制御動作を停止して予め規定された移動経路に基づく次の移動先の保護制御装置へ前記プログラムモジュールを移動させる移動手段と、
    前記通信ネットワークに接続され、前記複数の保護制御装置を、その制御手段の制御内容および前記プログラムモジュールの移動位置を含めてそれぞれ管理する管理装置と、
    前記制御動作異常を表すデータを前記管理装置へ送信する異常データ送信手段とを備えたことを特徴とする電力系統保護制御システム。
  4. 前記管理装置は、データ表示入力用のコンソールを有し、前記送信手段から送信された前記制御動作異常を表すデータを前記コンソールを介して表示させる異常データ表示手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の電力系統保護制御システム。
  5. 前記管理装置は、前記送信手段から送信された前記制御動作異常を表すデータに基づいて当該制御動作異常を外部に通知するための警報を出力する警報出力手段を備えたことを特徴とする請求項3または4記載の電力系統保護制御システム。
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