JP2006278481A - 太陽光発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構造にて、設置工事の際の組立て工程数を減らし、製作コストや製作時間を低減した太陽光発電システムを提供する。
【解決手段】 架台52,53は、穴を備えた連結ガイド部7を有するとともに、連結部材5は、下方部材27と、爪部29を備えた上方部材26と、下方部材27及び上方部材26を締め付ける締結部材28と、上方部材26の上方に延びる押圧部材24とを有し、爪部29を連結ガイド部7の穴6に挿入するとともに、太陽電池モジュールの枠体10を、締結部材28を締め付けて、押圧部材24と架台52,53との間で挟持する。
【選択図】 図3
【解決手段】 架台52,53は、穴を備えた連結ガイド部7を有するとともに、連結部材5は、下方部材27と、爪部29を備えた上方部材26と、下方部材27及び上方部材26を締め付ける締結部材28と、上方部材26の上方に延びる押圧部材24とを有し、爪部29を連結ガイド部7の穴6に挿入するとともに、太陽電池モジュールの枠体10を、締結部材28を締め付けて、押圧部材24と架台52,53との間で挟持する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、太陽エネルギーを利用して発電を行う太陽電池モジュールなどの太陽光発電システムに関し、とくに架台を用いて陸屋根上などに設置し固定する太陽光発電装置を複数個配列してなる太陽光発電システムに関するものである。
近年、太陽光を光に変換する太陽電池を用いて住宅の屋根などを発電部とする太陽光発電装置が普及しているが、この装置によれば、様々な屋根形状に合わせて太陽電池素子を複数接続した太陽電池モジュールが作られるようになっている。
また、その屋根への取り付け方法も様々であり、屋根部材と一体的に製造された屋根一体型太陽電池モジュールや、屋根上の瓦材の上に縦桟や横桟を用いて架台を組んで、そこに太陽電池モジュールを設置する、いわゆる屋根置き型と呼ばれる設置方法などがある。そして多くの場合、このような太陽電池モジュールの設置においては複数の太陽電池モジュールを直列や並列に接続して希望する発電容量とした太陽光発電システムとしている。
また、前述した設置方法によれば、主に傾斜した屋根上に設置することが前提となっているため、ビルの屋上のように屋根上がほぼ平坦な状態をした住宅屋根(陸屋根と称する)に、その太陽光発電装置をそのまま水平設置すると、太陽電池モジュールへの太陽光の入射角度が浅くなり、これにより、通常、30〜40%程度の発電量の低下を生じさせていた。
そこで、図12に示すような架台上に太陽電池モジュールを固定し、ひとつのユニットとした太陽光発電装置の構造が提案されている。
この太陽光発電装置によれば、太陽電池モジュールを傾斜設置するための架台を用いて、太陽電池モジュールを傾斜支持させている。
具体的には、まず水平設置面であるコンクリート製の屋根に穴を空けてアンカー埋設工事を行い、前記アンカーに固定される基礎1をコンクリートなどの重量物によって形成する。これにより、屋根へ打ち込まれたアンカーボルトなどによって基礎1が設置場所に固定され、さらに基礎1の自重によって風等による負圧荷重で太陽電池モジュール等が飛ばされないよう支えられる。
つぎに複数の基礎1間の上に長尺の金属部材である基台レール4を据え付け、前記基台レール4上に太陽電池モジュール40を支持する支持金具3(3a〜3c)を固定し、これによって太陽電池モジュール2を支持固定する。
前記支持金具3a〜3cはそれぞれ長さが異なっており、たとえば支持金具3aが一番短く、支持金具3cが最も長いように構成することで、太陽電池モジュール40の設置角度に傾斜を持たせ、太陽光発電時の発電効率を向上させる。そして、この太陽光発電装置を複数配置して必要とする発電容量の太陽光発電システムとする。
上記のごとき、太陽電池モジュール40によれば、図11に示すような構成である。
たとえば、シリコン等から成る太陽電池素子13の光電変換効果を利用して電力が得られるように構成したものであって、このような太陽電池素子13を複数個直列および並列に電気的に接続し、そして、耐候性のある素材で覆うように成し、所要の出力電圧や出力電流を得るようにしている。
この太陽電池素子13は単結晶や多結晶シリコンなどの結晶系太陽電池や、薄膜系太陽電池などにより構成する。
かかる太陽電池モジュール51においては、太陽電池素子13の受光面にはガラス板や合成樹脂板などの光透過板14を配置し、その裏面である非受光面にはテフロン(登録商標)フィルムやPVF(ポリフッ化ビニル)、PET(ポレエチレンテレフタレート)などの耐候性フィルム16を被着し、光透過板14と耐候性フィルム16との間には、たとえばEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)などから成る透明な合成樹脂を介在し、充填材15と成し、これら光透過板14、太陽電池素子13および耐候性フィルム16の重ね構造の矩形状の本体に対し、その各辺周囲をアルミニウム金属やSUS等から成る枠体10を挟み込むように装着し、これにより、太陽電池部全体の強度を高めるとともに、枠体10には取付用の穴が開けられており、これを用いて支持金具3にボルトやねじで固定できるようにしている。
また、支持金具3については、太陽電池モジュールを複数同時に支持するように成してもよく、たとえば、支持金具3bと支持金具3cをひとつの部材として部品点数を削減する技術も提案されている(特許文献1参照)。
また、アンカー等の埋設工事を必要とせず、複数のレール材で組まれた架台の下部にコンクリート等の重量物を載置して、自重によって風等の負圧荷重に耐えられるようにした技術も提案されている(特許文献2参照)。
特開平11−177115号
特開2003−234492号
しかしながら、上記の従来技術によれば、基礎工事を行うことによって工事期間が長くなるという問題点があった。
また、設置面にアンカー打ちを必要とするために穴を開けることに起因して、そこから雨水が浸入するなどして設置面を痛め、損傷を与え、これにより、設置面の寿命を短くするという問題点もあった。
また、特許文献1によれば、アンカー工事をせずに発電する架台を提案しているが、太陽電池を設置する架台の構造として開示されたものは、構成部材が多く、組立てに時間を要するものである。
さらに風によって発生する風荷重対策については、カウンターウェイトと呼ばれる重量物を架台の枠内に挿入する構造としているが、設置面に架台を全て設置し、その後に架台のレールの間を縫うようにしてカウンターウェイトを架台枠内に挿入することは、極めて困難な作業であって、カウンターウェイト挿入後に太陽電池モジュールを固定しなければならないといった工事の段取りに制限が生じることになっていた。
また、特許文献2によれば、基礎部と呼ばれる部品を設置面に置き、前後左右の太陽電池と共有することによって部品点数を減らし、これにより、従来工法に対し部品点数の削減等が改善されるが、その反面、基礎部を正確に設置するために墨だし作業を正確に行わなければならず、もし、墨だし作業を正確に行うことができなければ、前後左右の太陽電池は正確に取り付けすることができず、作業者が現場で設置していかなければならず、個々への対応により組立てに時間を要することになる。
また、墨だしを正確に行おうとしても、設置面のうねり、水抜き勾配、つなぎ面があり、ボルト固定(一般にM6〜M8程度)で太陽電池を固定する構造であれば、取り付け穴とボルト勘合部とのギャップ、すなわち3〜6mm程度の精度で墨出し作業を行わなければならず、ボルトでの勘合が極めて難しい。
また、上述したいずれの技術においても、太陽電池を枠材や基礎部に固定する場合、太陽電池の大きさや取り付け穴のピッチは予め定められたものであり、大きさの異なる太陽電池を混在して固定させることは困難であった。
したがって本発明は、このような課題に鑑みて完成されたものであり、その目的は複数の太陽光発電装置を簡易に配列するとともに、太陽電池の載置を同時に成しえる太陽光発電システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、簡単な構造にて、設置工事の際の組立て工程数を減らし、製作コストや製作時間を低減し、これによって低コスト化を達成した太陽光発電システムを提供することにある。
本発明の太陽光発電システムは、太陽電池パネルの外周に枠体を設けて成る太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュールが固定される架台と、前記太陽電池モジュールおよび前記架台を固定する連結部材とを備えた太陽光発電システムであって、前記架台は、穴を備えた連結ガイド部を有するとともに、前記連結部材は、下方部材と、爪部を備えた上方部材と、前記下方部材及び上方部材を締め付ける締結部材と、前記上方部材の上方に延びる押圧部材とを有し、前記連結部材の爪部を前記連結ガイド部の穴に挿入するとともに、前記太陽電池モジュールの枠体を、前記締結部材を締め付けて、前記押圧部材と架台との間で挟持することを特徴とする。
また本発明の太陽光発電システムは、前記連結部材により、隣接する複数個の前記架台と、前記太陽電池モジュールとが一括して固定されることを特徴とする。
また本発明の太陽光発電システムは、前記架台は、上方架台および下方架台からなり、これら架台により前記太陽電池モジュールを支持するようにしたことを特徴とする。
また本発明の太陽光発電システムは、前記上方架台の複数、および底辺架台の複数を用いて、その間にサイズの異なる太陽電池モジュールを載置可能と成したことを特徴とする。
また本発明の太陽光発電システムは、前記上方架台の複数、および底辺架台の複数を用いて、サイズの異なる太陽電池モジュールを混在して載置可能と成したことを特徴とする。
以上のとおり、本発明の太陽光発電システムによれば、架台が穴を備えた連結ガイド部を有するとともに、前記連結部材は、下方部材と、爪部を備えた上方部材と、前記下方部材及び上方部材を締め付ける締結部材と、前記上方部材の上方に延びる押圧部材とを有し、前記連結部材の爪部を前記連結ガイド部の穴に挿入するとともに、前記締結部材を締め付けることにより、前記太陽電池モジュールの枠体を、前記押圧部材と架台との間で挟持でき、複数個の上方架台または底辺架台同士の連結と、太陽電池モジュールを同時に固定する事が可能となる。その結果、上方架台または底辺架台への太陽電池モジュールの取り付けや、太陽光発電装置の連結において、ネジ等の締結部材を複数用いて締め付け固定することがなくなり、これにより、施工性が向上する。
また、本発明によれば、このように爪部を穴に挿入したことで、前後左右という四方の方向に対する耐久性が向上し、たとえば、通常、連結には挟持部分の締め付けトルクを非常に大きくする必要があったことに対し、本発明では締め付けトルクを軽減させて施工性を向上させることができる。
さらに隣接する底辺架台もしくは上辺架台同士の連結と、隣接する2枚の太陽電池モジュールの固定が、連結部材で挟持固定する事により同時に行え、施工工数の大幅な削減が可能となる。
さらにまた、本発明の太陽光発電システムによれば、連結部材を用いるだけで簡便に、太陽光発電装置を必要な数だけ設置でき、しかも上方架台または底辺架台と太陽電池モジュールの枠体は連結部材によって挟持固定されることから、1枚の太陽電池モジュールを複数の上方架台と底辺架台で支持するようにして支持強度を向上させることもできる。
また、前記太陽光発電システムに配した上方架台の複数、および底辺架台の複数を用いて、その間にサイズの異なる太陽電池モジュールを載置可能としたので、複数種の太陽電池モジュールに対応可能で、部品の共通化ができる。
さらにまた、前記太陽光発電システムに配した上方架台の複数、および底辺架台の複数の間にサイズの異なる太陽電池モジュールを混在して載置することができることから、標準サイズの太陽電池よりも面積の小さな太陽光発電モジュールであれば設置可能な面上に対して、面積の小さな太陽電池モジュールを配置して全体の発電電力総量を増やすことも可能となる。
以下、本発明の太陽光発電システムの一実施形態について、模式的に示した図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の4個の太陽光発電装置を組み合わせて連結した状態を示した太陽光発電システムの斜視図、図2は連結金具の斜視図である。図3は、底辺架台、連結金具、太陽電池モジュールを組み立てする前の状態を示した斜視図であり、図4は図3が組み立てられた状態を示す斜視図である。
図5は、使用する太陽電池パネルの枠体4辺のうち対向する辺のどちらかが全て同じサイズの枠体であり、もう一方の対向する枠体の長さが異なった太陽電池モジュールを使用し組み立てする場合に連結金具を用い組み立てた斜視図である。
図6は太陽電池モジュールの断面図を、図7は太陽電池システムの斜視図をそれぞれ示す。
図1に示すように、本発明の太陽光発電システムSによれば、51は太陽電池部であり、この太陽電池部51は太陽電池パネルに枠体を備えた太陽電池モジュール9(9a,9b,9c,9d)を4個配列している。
個々の太陽電池モジュール9は、正方形状もしくは矩形状を成し、そして、いずれの太陽電池モジュール9(9a〜9d)についても、対向辺部に太陽電池モジュール9(9a〜9d)の一方端を低く支持する架台52、太陽電池モジュール9(9a〜9d)の他端を高く支持する架台53を配置しており、それぞれが単体の太陽光発電装置としているが、この状態では前記太陽電池モジュール9と前記架台52および架台53とはまだ固定されてはいない。
これら架台52、53はアルミニウム金属やSUS、銅金属、真鍮などの耐候性に優れた導電性金属により成し、そして、それを所定の形状に成型すればよい。
このように本例の太陽電池部51によれば、太陽電池モジュール9(9a〜9d)を傾斜させて支持する上辺架台53と底辺架台52とを備えており、各太陽光発電装置を複数個隣接して配置するに当り、これら隣接する上辺架台53同士および/または底辺架台52同士を連結部材5で連結固定すると同時に、前記上辺架台53と前記底辺架台52と前記太陽電池モジュール9も挟持固定して太陽光発電システムSと成る。
本例に用いる連結部材としての連結部材5は、板金を加工し、ボルトやネジなど締結部材を勘合した構造である。
連結部材5についても、同じくアルミニウム金属やSUS、銅金属、真鍮などの導電性金属により成し、所定の形状に成型すればよい。
本例によれば、4個の太陽光発電装置を、これら架台の配列方向と直交する方向にそって配置した太陽光発電システムSとしているが、さらに架台の配列方向にも太陽光発電装置を配置した太陽光発電システムとしてもよく、これによってマトリックス状に太陽光発電装置を配列した太陽光発電システムとしてもよい。
このようなマトリックス配列については、図1に示すごとく、上部架台53の一部の上に次に敷設する太陽光発電装置の底辺架台52bを重ねて置くことで得られる。
かかる太陽光発電装置のマトリックス配列により、太陽光発電装置9a〜9dは隣接する太陽光発電装置の重量によっても押さえられ、これにより、太陽光発電システム全体の風圧荷重などによる浮き上がりに対する耐久力が向上する。
次に隣接する2つの太陽光発電装置が連結部材5によって挟持固定される状態を説明する。
図2に示す連結部材5によれば、上方部材26と下方部材27と締結部材(ネジやボルト)28とから構成される。
上方部材26には下方部材27側に向かって突き出た爪部29(29a,29b)が2つ以上設けられている。また、上方部材26の一辺は屈曲しており、太陽電池モジュールの浮き上がりを防止する押圧部材24を形成している。
また、上方部材26にはネジ28を通す為の貫通穴25が設けられており、締結部材28は貫通穴25を通った後、下方部材27自体に設けられたネジ穴や、溶接されたナットや、別体として用意されたナットによって、上方部材26と下方部材27を用いてその間にあるものを挟持固定できるようにしている。
以上のごとく、本発明の締結部材は、締結部材28と貫通穴25、ならびに下方部材27やこれに設けたネジ穴などから成る。
つぎに連結部材5でもって太陽電池モジュールと上辺架台または底辺架台を挟持固定する様子について、上辺架台の場合を例にとり説明する。
図3に示すように太陽光発電装置9a、9bは、それぞれ上辺架台の連結ガイド部7a、7b上に太陽電池モジュール51a、51bが載置され、図示されていないが前記太陽電池モジュールの対向する辺が底辺架台上に同様に載置されて成る。連結ガイド部7(7a、7b)はこれら架台が外側に向かって折り曲げられた形で設けられ、これらガイド部7a、7bにはそれぞれ穴6(6a、6b)が設けられている。また、前記ガイド部7の端部については、幅を中央部等よりも少し短くしたことで、隣接する他の太陽光発電装置の連結ガイド部(図中7aと7b)と向かい合うことによってスリット8が形成される。
そして、前述した連結部材5を、前記連結ガイド部7(7a、7b)が上方部材26および下方部材27の間に挟み込まれるようにして挿入し、かつ、爪部29a、29bをそれぞれ穴6a、6bに挿入する。前述したスリット8は上方部材26と下方部材27を繋いでいる締結部材28が通るための通路である。
しかる後、図4に示すように、締結部材28を締め付けることによって、押圧部材24が太陽電池モジュール51aおよび51bの枠部を押えつけ、それによって太陽電池モジュール51aが底辺架台53bの連結ガイド部7bを押さえつけることになり、結果、連結ガイド部に挿入された上方部材26および下方部材27と押圧部材24の2点を支点として太陽電池モジュールと架台の挟持固定が行われる。このとき同時に太陽電池モジュール51aと51bと前記連結ガイド部7a、7bが同時に挟持固定されるので、太陽光発電装置9a、9bは強固に連結固定され、太陽光発電システムとなる。また、穴6に挿入された爪部29によって太陽光発電装置9a、9bは前後左右への動きを制限されるので、締め付けによる挟持固定だけでは対応できない強大な応力に対しても連結状態を維持することができる。
また、施工に際して連結ガイド部7(7a、7b)の配置が正しくないと爪部29a、29bが穴6に挿入できない。よって、本例においては、爪部29a、29bと穴6との双方の位置関係を規定し、そして、この位置関係にしたがって連結部材5の取付を行うことにより、太陽光発電装置の正しい位置出しをすることができる。
つぎに太陽電池モジュール19の構成を述べる。
以下に、一般的なラミネート式の製造方法で作られる太陽電池モジュールを例にして説明する。
図6に示すように、太陽電池モジュール51は、受光面にガラスや樹脂等の光透過板14が設けられ、この光透過板14に多数の太陽電池素子13がEVA樹脂(Ethylene−Vinyl Acetate)等からなる封止材15によってラミネートされ、その裏面である非受光面にはテフロン(登録商標)フィルムやPVF(ポリフッ化ビニル)、PET(ポレエチレンテレフタレート)などの耐候性フィルム16が貼着されたものである。
太陽電池素子13としては、たとえばシリコン系半導体やガリウムヒ素等から成る化合物半導体などの単結晶、多結晶や非晶質の材料が用いられ、互いに直列および/または並列に電気的に接続されている。
太陽電池モジュール51の裏面、すなわち耐候性フィルム16の上にはABS樹脂などの合成樹脂やアルミニウム金属などで構成したジャンクションボックス12を接着し、太陽電池モジュール51の出力電力を取り出すターミナルに接続された送電線により出力が取り出される。
なお、これら光透過板14、太陽電池素子13および耐候性フィルム16の重ね構造の矩形状の本体に対し、その各辺周囲をアルミニウム金属やSUS等から成る枠体11を挟み込むように装着し、太陽電池モジュール51の強度を向上させ、また、太陽電池モジュールを架台等に固定する際に挟持固定に耐え得るようにする役割を果たす。
また、図4に示すように連結部材5が連結ガイド部7(7a、7b)を挟持固定すると同時に、押圧部材24が太陽電池モジュール51(図中では51aと51b)の浮き上がりを押えるようにしている。これにより、風荷重或は負圧荷重と呼ばれる太陽電池モジュール51(51a、51b)が浮き上がろうとする力を、隣接する上部架台同士または底部架台同士で支えるようになり、その結果、太陽光発電装置9(9a、9b)の風荷重に対する抵抗力がより一層向上する。すわわち、図5に示すようなマトリクス状に配置された太陽光発電システムにおいて、太陽光発電装置を、架台の配列方向と直交する方向にそって複数個、もしくはさらに太陽光発電装置を、架台の配列方向にも複数個、配置したことで、太陽光発電システム全体の重量が増大し、これにより、風等による負圧荷重で太陽電池モジュール等が飛ばされないよう支えることができる。
かくして本例の太陽光発電システムによれば、上記構成のように太陽光発電装置を設置するに当り、連結部材5にて取付し、なんら設置手段を用いなくても、置くだけであり、また、屋根等の設置面に対しアンカー工事を行わなくなり、基礎工事が不要となった。そして、これに伴って生じる屋根への雨水の浸入等の不具合が防止でき、さらに防水処理のための工事を省くことができた。
さらに本例によれば、屋上面の日射による老朽化が進み、定期的なメンテナンスによるコンクリート面の張替え作業などの場合に、容易に分解、移設が可能であり、基礎を埋設させる従来方式では懸案となっていた設置面のメンテナンスにも対応が可能となった。
さらに隣接する底辺架台もしくは上辺架台同士の連結と、隣接する2枚の太陽電池モジュールの固定が、連結部材で挟持固定する事により同時に行え、施工工数の大幅な削減が可能となった。
さらに本例では、各部材を固定するために使用する連結部材を、底辺架台、上辺架台のいずれにも使用できるように共通化したことで、部品点数を大幅に削減された。
また、予め連結部材にはボルトを勘合させた状態で使用することで、ボルトをなくす、落とす、入れにくいなどのヒューマンエラーが削減できた。
さらにまた、本例によれば、屋根上への基礎の埋設工事が必要なくなり、そのために日射量の多い方角、すなわち発電量を多く取れる方位へ、適宜、設置することができ、効率的な発電ができた。
また、本例によれば、基準となる部品は必要無く、また、墨だし作業等の事前の位置決めを必要としないことから、太陽光発電システムの組立て時間を大幅に短縮できた。
さらにまた、撤去やメンテナンス等での一部取外しも容易であり、太陽光発電装置を複数設置した太陽光発電システムとした場合、特に作業工数の削減が顕著になった。
さらに本例では、繰り返し作業を行うことで、組み立てができるという組立作業時の簡便さを備えており、一度に複数の作業を必要とする従来の作業形態とは異なり、これにより、作業人員の削減やヒューマンエラーによる作業ミスの発生度合が減少した。
さらに各部材は作業員一人で持ち運べる重量(約7〜17kgf程度)であり、重量物運搬時の危険を極めて減少させた部材構成となっている。
(例2)
図1に示すごとく、4個の太陽光発電装置を、これら架台の配列方向と直交する方向にそって配置した太陽光発電システムとしているが、さらに架台の配列方向にも太陽光発電装置を配置した太陽光発電システムとしてもよく、これによってマトリックス状に太陽光発電装置を配列した太陽光発電システムとしてもよい。
図1に示すごとく、4個の太陽光発電装置を、これら架台の配列方向と直交する方向にそって配置した太陽光発電システムとしているが、さらに架台の配列方向にも太陽光発電装置を配置した太陽光発電システムとしてもよく、これによってマトリックス状に太陽光発電装置を配列した太陽光発電システムとしてもよい。
本例においては、太陽光発電装置をマトリックス状に配列した太陽光発電システムを述べる。
このようなマトリックス配列については、図1に示すごとく、上部架台53の一部の上に次に敷設する太陽光発電装置の底辺架台52bを重ねて置くことで、図5に示すような太陽光発電システムが得られる。
かかる太陽光発電装置のマトリックス配列により、太陽光発電装置9a〜9dは次に敷設する太陽光発電装置9e〜9hの重量によっても押さえられ、これにより、太陽光発電システム全体の風圧荷重などによる浮き上がりに対する耐久力が向上する。
以上のように、順次、太陽光発電装置を載置・連結していくことで、図5に示すような太陽電池アレイが完成する。このような太陽光発電システムにおいては、太陽光発電装置9a〜9dおよび太陽光発電装置9e〜9hがそれぞれ連結固定されており、これにより、風荷重による浮き上がりに対して連結された太陽光発電装置(太陽光発電システム)の総重量で対抗するので、単体で設置される場合よりも大きな風荷重に耐えることができる。
さらに前述したように、太陽光発電装置9e〜9hの底部架台は太陽光発電装置9a〜9dの上部架台上に重ねられているので、太陽光発電装置9a〜9dの抵抗力はさらに向上する。
また、前述のように太陽光発電システムの自重で風荷重に対抗させるのでは一部の太陽光発電装置(たとえば9eや9h)が他よりも抵抗力で劣るといったバラツキが生じることもあり、そこで、図5に示すごとく、上部架台や底部架台上に重し部材であるウェイト70を配して風荷重への抵抗力の向上を図ることもできる。この際、風荷重のかかり方に合わせて各部のウエイトの重量を増減させてバラツキを調整し、重量増加を最小限に抑えられるようにするとよい。たとえば、対向する双方の架台は必ずしも同一重量もしくは同一構造のウェイト70で押えられるようにする必要は無く、一方の架台および他方の架台に対し、それぞれ重量もしくは構造を違えた個別のウェイトを用いてもよい。なお、ウェイト70はコンクリート塊や鉄などの金属から成る重し部材である。
このようにすることで重量物によって太陽光発電システムは設置面に強固に押し付けられ、風荷重に対する抵抗力を有するようになる。
また、本例によれば、上記構成のように重し部材を配して、かかる太陽光発電装置を設置するように成し、これにより、なんら設置手段を用いなくても、置くだけであり、また、屋根等の設置面に対しアンカー工事を行わなくなり、基礎工事が不要となる。そして、これに伴って生じる屋根への雨水の浸入等の不具合が防止でき、さらに防水処理のための工事を省くことができる。
たとえば、一方の架台と他方の架台を配置し、太陽電池モジュールを設置し、その後に一方の架台および他方の架台に対し、それぞれ重し部材を配するという工程があるが、他に、たとえば一方の架台および他方の架台に対し、それぞれ重し部材を配すると同時に、あるいは前後して、太陽電池モジュールを設置してもよく、その作業性を考えて、適宜、組立工程が選択でき、このように作業手順に制限を受けないことで、各様に組み立てることができた。
また、本例によれば、一方の架台および/または他方の架台を、重し部材を配すべく所定形状に成形したことで、これら架台を運搬するに当り、架台を重ね合わせて運搬することができ、これにより、トラックなどの荷台のスペースを有効に利用することができ、その他、折り曲げ加工後の仮り置き時、設置現場に架台を仮置きする時など、そこでの限られたスペースや空間に多数の架台を保管することができ、保管場所に要する面積を縮小することができる。
さらにまた、本例によれば、前記重し部材の重量を、太陽光発電装置に加わる風に対する風荷重に耐え得ることを基準にしたことで、その重量を設定すればよく、そのような基準でもって風荷重に対し太陽光発電装置を耐え得るように設計できる。
かくして本例によれば、一方の架台および他方の架台に対し、それぞれカウンターウェイト(重し部材)を置く構造であり、これによって作業手順に制限を受けなくなり、その結果、作業効率が上がり、作製コストの低減をはかることができた。
前述した例1、例2においては、対向する架台の間に空間領域を成したことで、双方の架台間に対し空気流が生成され、太陽電池モジュールを上げるように作用しなくなり、この空気流でもって、太陽電池モジュールを軽量化に働かなくなり、さらには太陽電池モジュールを、その空間領域の減圧でもって、下げるように作用させることもでき、これにより、一方の架台と他方の架台との双方の重量(自重)でもって太陽電池モジュールを支えるに当り、その不足分を補うことができ、その結果、風等による負圧荷重で太陽電池モジュール等が飛ばされないよう支えることができた。
これに対し、図7に示すような風向板54を設けて、空間領域に入る空気流を阻止するような空気流入阻止部材を設けて、架台の間の空間領域に風が侵入しにくいようにして風荷重に対する抵抗力を向上させるようにしてもよい。
つぎに他の例を述べる。
(例3)
図7は本例の太陽光発電システムに用いた連結部材の斜視図であり、同図に示すように、上方部材26と下方部材27を1枚の板により形成したものであり、1枚の板を折り曲げることで、上方部材26と下方部材27を一体的に構成している。
図7は本例の太陽光発電システムに用いた連結部材の斜視図であり、同図に示すように、上方部材26と下方部材27を1枚の板により形成したものであり、1枚の板を折り曲げることで、上方部材26と下方部材27を一体的に構成している。
上方部材26と下方部材27とが分離しない構成であることで、締結部材28の緩めすぎに起因する脱落がない。さらに上方部材26と下方部材27とが個別になっていることで、紛失しないという利点もある。
また、折り曲げ部56を上方部材や下方部材の幅よりも短くして、少ない力で屈曲可能とすれば、締結部材28を締め付けていくときに、それに対する反力が小さくなり、これにより、締め付けトルクを軽減させることができ、その結果、施工性が向上する。
(例4)
図8に示すように、連結部材の太陽電池モジュールを押える部分を押圧部材24aのように歯型状にして、太陽電池モジュールを挟持固定する際に太陽電池モジュールの枠部に押圧部材の歯が食い込んで容易に脱落しないようにすれば、あたかも太陽電池モジュールの枠部が押圧部材の延長であるかのようになり、底部架台や上部架台の挟持位置を精度よく、かつ確実に固定することができる。
図8に示すように、連結部材の太陽電池モジュールを押える部分を押圧部材24aのように歯型状にして、太陽電池モジュールを挟持固定する際に太陽電池モジュールの枠部に押圧部材の歯が食い込んで容易に脱落しないようにすれば、あたかも太陽電池モジュールの枠部が押圧部材の延長であるかのようになり、底部架台や上部架台の挟持位置を精度よく、かつ確実に固定することができる。
(例5)
図9に示す太陽光発電装置S2の太陽光発電装置9eのように、複数の上部架台もしくは複数の底部架台で1枚の太陽電池モジュールを載置するようにしてもよい。
図9に示す太陽光発電装置S2の太陽光発電装置9eのように、複数の上部架台もしくは複数の底部架台で1枚の太陽電池モジュールを載置するようにしてもよい。
具体的には、例えば上部架台53cおよび53dと、底部架台52cおよび52dの間に太陽電池モジュール51eを載置し、連結部材5で固定する。
このとき、太陽電池モジュール51eの中央部を固定する連結部材5cは、図10に示すように、上辺架台の連結ガイド部7a、7b上に太陽電池モジュール51eの中央部が載置され、連結部材5を、前記連結ガイド部7(7a、7b)が上方部材26および下方部材27の間に挟み込まれるようにして挿入し、かつ、爪部29a、29bをそれぞれ穴6a、6bに挿入する。しかる後、締結部材28を締め付けることによって、連結部材24の押圧部材24が太陽電池モジュール51eの枠部と、底辺架台53bの連結ガイド部7bを押えつけ、連結ガイド部に挿入された上方部材26および下方部材27と押圧部材24の2点を支点として太陽電池モジュールと架台の挟持固定が行われる。
このように太陽電池モジュールを複数の架台で支えるようにすれば、太陽電池モジュールに加わる外力(風による正圧荷重や負圧荷重、落下物や作業者の乗りなど)を分散させ、より強固な太陽光発電システムとすることができる。
もうひとつの効果としてはサイズの大きな太陽電池モジュールを載置可能とすることができる。
さらに他の効果としては図9のように大小異なるサイズの太陽電池モジュールを混在して載置することができるので、たとえば主として太陽電池モジュール51eの大型モジュールを多数配置し、余った設置場所では大型モジュールは置けないとなったとき、太陽電池モジュール51aのような小型モジュールを設置することで、太陽光発電システム全体の総発電容量を増加させることが可能となるのである。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更や改良等はなんら差し支えない。
たとえば、図9における太陽電池モジュール51eの載置は上部架台53b、53c、53dのように2個以上であっても良く、太陽電池モジュール51eの端部が上部架台53bと53cの連結部上ではなく上部架台53bの中央部にはみ出した状態であってもよく、必ずしも太陽電池モジュールと架台の長さが同一である必要はない。同様に、上部架台と底部架台の長さも同一でなくてもよい。
1:基礎
3、3a〜3c:支持金具
4:基台レール
5、5c:連結部材
6、6a、6b:穴
7、7a、7b:連結ガイド部
8:スリット
9、9a〜9e:太陽光発電装置
10:枠体
11:枠体
12:ジャンクションボックス
13:太陽電池素子
14:光透過板
15:封止材
16:耐候性フィルム
24、24a:押圧部材
25:貫通穴
26:上方部材
27:下方部材
28:締結部材
29、29a、29b:爪部
51、51a、51e:太陽電池モジュール
52、52b〜52d:底辺架台
53、53a〜53d:上辺架台
54:風向板
56:折り曲げ部
70:ウェイト
S、S2:太陽光発電システム
3、3a〜3c:支持金具
4:基台レール
5、5c:連結部材
6、6a、6b:穴
7、7a、7b:連結ガイド部
8:スリット
9、9a〜9e:太陽光発電装置
10:枠体
11:枠体
12:ジャンクションボックス
13:太陽電池素子
14:光透過板
15:封止材
16:耐候性フィルム
24、24a:押圧部材
25:貫通穴
26:上方部材
27:下方部材
28:締結部材
29、29a、29b:爪部
51、51a、51e:太陽電池モジュール
52、52b〜52d:底辺架台
53、53a〜53d:上辺架台
54:風向板
56:折り曲げ部
70:ウェイト
S、S2:太陽光発電システム
Claims (5)
- 太陽電池パネルの外周に枠体を設けて成る太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュールが固定される架台と、前記太陽電池モジュールおよび前記架台を固定する連結部材とを備えた太陽光発電システムであって、
前記架台は、穴を備えた連結ガイド部を有するとともに、
前記連結部材は、下方部材と、爪部を備えた上方部材と、前記下方部材及び上方部材を締め付ける締結部材と、前記上方部材の上方に延びる押圧部材とを有し、
前記連結部材の爪部を前記連結ガイド部の穴に挿入するとともに、前記太陽電池モジュールの枠体を、前記締結部材を締め付けて、前記押圧部材と架台との間で挟持することを特徴とする太陽光発電システム。 - 前記連結部材により、隣接する複数個の前記架台と、前記太陽電池モジュールとが一括して固定されることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システム。
- 前記架台は、上方架台および下方架台からなり、これら架台により前記太陽電池モジュールを支持するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の太陽光発電システム。
- 前記上方架台の複数、および底辺架台の複数を用いて、その間にサイズの異なる太陽電池モジュールを載置可能と成したことを特徴とする請求項3に記載の太陽光発電システム。
- 前記上方架台の複数、および底辺架台の複数を用いて、サイズの異なる太陽電池モジュールを混在して載置可能と成したことを特徴とする請求項3乃至請求項4に記載の太陽光発電システム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005092182A JP2006278481A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 太陽光発電システム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010071085A1 (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | シャープ株式会社 | 太陽電池モジュールの設置架台、その施工方法、及び太陽光発電システム |
JP2015532693A (ja) * | 2012-09-04 | 2015-11-12 | ペガサス・ソーラー・インコーポレイテッド | 屋上マウント用摩耗低減システム |
-
2005
- 2005-03-28 JP JP2005092182A patent/JP2006278481A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010071085A1 (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | シャープ株式会社 | 太陽電池モジュールの設置架台、その施工方法、及び太陽光発電システム |
JP2010141266A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Sharp Corp | 太陽電池モジュールの設置架台、その施工方法、及び太陽光発電システム |
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US9810452B2 (en) | 2012-09-04 | 2017-11-07 | Pegasus Solar Inc. | Wear reduction system for rooftop mounts |
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