JP2006274303A - ステンレス鋼光輝焼鈍材の塗装前処理方法及び塗装用ステンレス鋼光輝焼鈍材 - Google Patents

ステンレス鋼光輝焼鈍材の塗装前処理方法及び塗装用ステンレス鋼光輝焼鈍材 Download PDF

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Abstract

【課題】 光沢表面を損なわずに、優れた塗膜密着性を示す表面状態に改質されたステンレス鋼板を提供する。
【解決手段】 塗装原板に使用されるステンレス鋼光輝焼鈍材をリン酸溶液に浸漬し、交番電解する。電解条件は、間接通電でアノード,カソードを交互に反転させ、処理の終わりがアノード電解となる交番電解が好ましい。交番電解により改質された表面層は、Si:4.0原子%以下,P:3.0〜7.0原子%,Fe/P原子比:1/1〜2/1,Fe/Cr原子比:40/60〜60/40に調質されている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ステンレス鋼光輝焼鈍材を塗膜密着性に優れた表面状態に改質する方法及び改質表面層を有する塗装用ステンレス鋼光輝焼鈍材に関する。
ステンレス鋼板は、優れた耐食性,美麗な外観を活用して広汎な分野で表装材,内装材,外装材等に使用されている。なかでも、ステンレス鋼光輝焼鈍材は、表層にSiO2等の強固な酸化皮膜があるため耐食性が一段と優れ、光沢のある仕上げ面を呈する。そのため、鏡面研磨の必要なく美麗な外観を活かした素材として使用される。
ステンレス鋼板はそれ自体の耐食性が良好で化学的に不活性な材料であり、通常の塗装前処理では良好な塗膜密着性を得ることが困難である。そこで、リン酸亜鉛系の処理液中でパルス電解する方法(特許文献1),リン酸塩化成処理液中で陽極電解又は陰極電解する方法(特許文献2),Fe,Co,Ni,Ca,Ng,Mn等を含むリン酸亜鉛複合皮膜を電解又は化成処理で形成する方法(特許文献3)等によって塗膜密着性を改善している。
特開平4-120294号公報 特許第3060537号公報 特開平8-13154号公報
しかし、何れの方法も、ステンレス鋼光輝焼鈍材の塗膜密着性を改善するには不十分である。ステンレス鋼光輝焼鈍材の表面に生成している強固な酸化皮膜は、耐食性,表面外観にとって有効であるものの塗膜密着性に劣る原因であり、通常の電解や化成処理では塗膜密着性の改善を期待できない。そのため、ステンレス鋼光輝焼鈍材を塗装原板に用いることは稀であった。プライマの厳選により塗膜形成後の密着性を確保できるが、そのためには特殊なプライマが必要になる。
ステンレス鋼光輝焼鈍材は、仕上げたままの状態で光沢をもち意匠性に優れていることから、透明樹脂皮膜で被覆されるクリア塗装ステンレス鋼板の原板に使用することが一部で検討されている。最終的に光輝焼鈍したステンレス鋼板としては、高光沢の外観をもつBA仕上げ材が汎用されているが、No.4仕上げ相当の研磨後に光輝焼鈍仕上げしたもの,BA仕上げ材より光沢を若干抑えたもの等も市販されている。また、クリア塗装ステンレス鋼板では、塗膜の透明性を確保するため1コートの方が有利であり、製造性の観点からも1コートで密着性良好なクリア塗膜の形成が望まれる。
したがって、クリア塗装用途にステンレス鋼光輝焼鈍材を使用する場合、塗膜密着性が良好であることに加え塗装原板の光沢度が塗装後にもある程度維持されることが要求される。しかしながら、酸洗仕上げ又は研磨仕上げしたステンレス鋼板で採用されてきた従来の塗装前処理では、十分な塗膜密着性が得られない。リン酸亜鉛処理液中での電解によって塗膜密着性を向上させる方法(特許文献1〜3)を光輝焼鈍材に適用しても、依然として塗膜密着性が低い。
ところで、環境負荷物質である六価及び三価のCr化合物がかなりの割合で塗装前処理に従来から使用されてきたが、最近ではCr化合物を含まないCrフリー処理が主流になりつつある。Crフリー処理の場合、クロメート処理に比較して処理液の反応性が低いため、光輝焼鈍材においては良好な塗膜密着性を得ることが困難になる。
光輝焼鈍材は、一般に、冷間圧延されたステンレス鋼板を露点:-45〜-65℃の水素-窒素雰囲気下900〜1000℃に30〜180秒焼鈍することにより製造される。かかる焼鈍条件では、ステンレス鋼の主要成分であるFeはあまり酸化されないが、易酸化元素であるSi,Al,Mn等が選択酸化される。選択酸化された易酸化元素は、ステンレス鋼表面の酸化皮膜に濃縮される。特に、工業的規模で溶製したステンレス鋼では、Siの表面濃縮が著しい。
光輝焼鈍材で良好な塗膜密着性が得られ難いことは、Si,Mnの表面濃縮が原因である。すなわち,ステンレス鋼板の表面に化学的に不活性なSiやMnの酸化物が濃縮しているため、塗装前処理で使用されるクロメート処理液やCrフリー処理液に対する反応性が乏しく、反応層/酸化皮膜界面の密着性が不十分になりやすい。Siの酸化物が撥水性であり、局部的に偏析しているSi酸化物が処理液を弾くと化成処理,ひいては化成皮膜にムラが生じやすくなる。
本発明は,このような問題を解消すべく案出されたものであり,ステンレス鋼光輝焼鈍材の意匠性を損なうことなく、塗膜密着性の阻害要因であるSi,Mn等の表面濃縮を低下させ、表面層の組成をコントロールすることにより塗装前処理後に優れた塗膜密着性が得られるステンレス鋼光輝焼鈍材を提供することを目的とする。
本発明の塗装前処理方法は、塗装原板として使用されるステンレス鋼光輝焼鈍材をリン酸溶液に浸漬し、交番電解することを特徴とする。電解条件は、コイル状態での連続処理を前提にすると、間接通電でアノード,カソードを交互に反転させ、処理の終わりがアノード電解となる交番電解が好ましい。
塗装用のステンレス鋼光輝焼鈍材は、リン酸溶液中の交番電解で改質された表面層をもっている。該表面層は、Si:4.0原子%以下,P:3.0〜7.0原子%,Fe/P原子比:1/1〜2/1,Fe/Cr原子比:40/60〜60/40に調質されている。
ステンレス鋼光輝焼鈍材をリン酸溶液中で交番電解すると、Crフリー処理後に設けられる塗膜が優れた密着性を呈する表面状態に改質される。交番電解は、カソード電解後にアノード電解するサイクルで、アノード電解で終わる方式が好ましい。交番電解により塗膜密着性に優れた表面状態に改質される理由は、次のように推察される。
ステンレス鋼光輝焼鈍材の表面には、Si,Mnの酸化物が濃縮されたFe,Crの酸化物を含む皮膜が生成している。該光輝焼鈍材をカソード電解すると、水素発生を伴いながら酸化皮膜が還元され表面が活性化する。場合によってはCrが還元溶解するとの報告もあることから、Crの溶出と水素発生による電極近傍のpH上昇によってリン酸クロムの析出が考えられる。
その状態でアノード電解すると、素地のステンレス鋼成分が溶出すると共に表面に濃縮された酸化皮膜が効率よく除去される。しかも、電流の流れが切り替わるので、カソード電解で活性化される反応点とアノード電解で活性化される反応点が必ずしも一致しない。その結果、通常のカソード電解やアノード電解に比較して交番電解により多くの活性点が鋼板表面に形成される。すなわち、シリカを主体とする酸化皮膜が除去された跡に生じる活性表面にリン酸が吸着され、溶解してくる金属イオンと共にステンレス鋼表面の金属と強固に結合する。
交番電解で改質された表面層はFe/Crの原子比が約50/50になり、当該比率の酸化皮膜が塗膜形成時に触媒的に働き塗膜との結合を強化する。また、塗膜密着性に悪影響を及ぼすSi,Mn等の酸化物が除去されているので、Fe/Cr原子比:約50/50の酸化皮膜と共にFe,Crのリン酸塩が生成する。該リン酸塩皮膜によっても塗膜密着性が更に向上する。一般的にいって、リン酸亜鉛皮膜に比べリン酸鉄皮膜の方が塗膜密着性に有効とされているので、従来の電解法でリン酸亜鉛皮膜を形成する方法に比較しても塗膜密着性が格段に向上したものと考えられる。
なお、ステンレス鋼光輝焼鈍材の表面酸化物を完全に除去すると、過酸洗となって表面が粗くなり、光輝焼鈍材の光沢,意匠性が損なわれる。この点、通常の電解酸洗も、陽極処理,陰極処理を問わず、同様な理由からBA仕上げ材の塗装前処理には不適当とされている。これに対し、リン酸溶液を用いた交番電解では、表面光沢の極端な低下を招くことなく表面酸化物を除去できる。これは、ステンレス鋼表面に吸着されやすいリン酸イオンに由来する。すなわち、電解処理されているステンレス鋼の表面近傍に常に多量のリン酸イオンが存在し、酸化皮膜の除去で生じた活性点にリン酸イオンが吸着されて活性点を不活性化するため局部的なエッチングが進行せず、塗膜密着性に悪影響を及ぼす酸化皮膜が除去される結果と言える。
光輝焼鈍材は、フェライト系,オーステナイト系,マルテンサイト系何れでもよい。塗装後の意匠性を確保するためには、JIS Z8741に準拠して測定される表面光沢度の60度反射がBA仕上げ材で4000%以上(より好ましくは、5000%以上)が好ましい。
ステンレス鋼板の塗装ラインは、通常、原板受領→アルカリスプレー脱脂→必要に応じ表面調整→クロメート処理又はCrフリー処理→塗装焼付けの工程を経る。本発明では、当該塗装ラインにおけるスプレー脱脂の後、リン酸溶液中で交番電解している。アルカリスプレー脱脂は、ステンレス鋼板表面に付着している油分等の汚れを除去するが,鋼板表面にあるSi,Mn等が濃縮した酸化皮膜を改質する作用はない。汚れが除去されたステンレス鋼板をリン酸溶液中で交番電解すると、塗膜密着性に優れた表面状態に改質される。
電解液に用いられるリン酸溶液は、85%リン酸溶液の希釈によって用意される。リン酸濃度は2〜10質量%が好ましい。2質量%未満の濃度では酸化皮膜除去効果が不十分となり、10質量%を超える濃度では処理効果が飽和し却って塗膜密着性の低下が懸念される。リン酸溶液には、界面活性剤,キレート剤,腐食抑制剤等を添加しても良い。
交番電解には、液温:40〜70℃(好ましくは、50〜60℃),電流密度:1〜15A/dm2(好ましくは、3〜5A/dm2),処理時間:1〜30秒(好ましくは、3〜10秒)の範囲で適正な電解条件が設定される。交番電解は、カソード→アノードのサイクルとし、1〜10サイクルで実施される。
40℃未満の液温では塗膜密着性の改善効果が小さく、逆に70℃を越えると水の蒸発が激しくなり電解液の濃度管理に支障をきたす。
電流密度も1A/dm2未満では塗膜密着性の改善効果が小さく、15A/dm2を超えると却って塗膜密着性が低下する。
1秒に達しない短時間処理では、コントロールが難しく処理結果にもバラツキが生じやすい。処理時間が長くなるに応じて塗膜密着性の改善効果も顕著になるが、30秒で飽和し、30秒を超えても長時間処理に見合った効果が期待できない。
単なるカソード電解又はアノード電解だけでは塗膜密着性の改善効果が小さく、交番電解のサイクル数増加に応じて塗膜密着性の改善効果が顕著になるが、10サイクルを超えると交番電解が塗膜密着性改善に及ぼす効果が小さくなる。
電解時の対極には、導電性物質である限り材質,大きさ,形状等に制約が加わらない。具体的には、白金板,パラジウム板,Ptめっきチタン板,Pdめっきチタン板,IrO2等の導電性酸化物でコーティングしたチタン板,ステンレス鋼板,鉄板等が対極に使用される。
コイル状のステンレス鋼板を電解処理する場合、間接通電方式が好ましい。鋼板表面に金属製通電ロールを接触させる直接通電方式では、通電ロールの接触によってコイル表面が疵付きやすくなり、光沢を有するほどつけられた疵が目立ちやすくなる。間接通電で交番電解処理する際、対極側がアノードになる場合には白金板,パラジウム板,Ptめっきチタン板,Pdめっきチタン板又は導電性酸化物でコーティングしたチタン板を用い、カソードになる場合にはステンレス鋼板,鉄板等を使用できる。
リン酸溶液中でステンレス鋼板を交番電解しているので、他の酸性溶液を用いた処理と異なり、局部的なエッチング作用をほとんど受けないので光沢度の実質的な低下がない。交番電解により、ステンレス鋼板表面がSi:4.0原子%以下,P:3.0〜7.0原子%,Fe/P原子比:1/1〜2/1,Fe/Cr原子比:40/60〜60/40の表面層に改質される。改質表面層の組成はX線電子分光分析法(XPS)で分析し、検出された元素の合計(100原子%)に対する各元素の割合で表示されるが、前記組成に調整することによって光沢度の低下をきたすことなく塗膜密着性が大幅に向上する。
Siが4.0原子%を超えると、光輝焼鈍で形成されたステンレス鋼表面のSiO2濃縮層の除去が不十分で塗膜密着不良の原因となる。Pが3.0原子%未満ではリン酸塩皮膜量が不足して密着不良をきたし、逆に7.0原子%を超えると過剰量のリン酸塩皮膜が生成して折り曲げ時に凝集破壊されて密着不良となる。Fe/P原子比が1/1より小さいとリン酸塩皮膜に含まれるリン酸鉄の量が少なすぎて密着性が不十分になり、逆に2/1を超えると皮膜中の燐酸鉄に比べて酸化鉄の量が多くなって密着性が低下する。また、Fe/Cr原子比が40/60〜60/40の範囲にあると触媒的な働きによって、クロメート皮膜,クロムフリー皮膜及び塗膜との結合が強固になり、密着性が向上する。
板厚:0.4mmのSUS430ステンレス鋼BA仕上げ材を温度:60℃の5%リン酸溶液に浸漬し、電流密度:5A/dm2で6秒間電解処理した。電解処理されたステンレス鋼板から採取した試験片をXPS装置(ESCA5500MC:アルバック・ファイ株式会社製)にかけ、Mg-Kα線をX線源に用い15kV-30mAで表面組成を測定した。
電解処理されたステンレス鋼板を水洗,乾燥した後、塗布型Crフリー処理を施しTi換算付着量:15mg/m2の化成皮膜を形成した。次いで、ポリエステル系クリア塗料を塗布し、到達板温:230℃で50秒焼き付けることにより乾燥膜厚:10μmのクリア塗膜を形成した。
クリア塗装ステンレス鋼板から試験片を切り出し、光沢度試験,塗膜密着性試験に供した。
光沢度試験では、JIS Z8741に規定する鏡面光沢度測定方法に従って光沢計(VG2000:日本電色工業株式会社製)で試験片の60度鏡面光沢を測定した。
塗膜密着性試験では、試験片を0tで180度折り曲げた後、曲げ部外側の塗膜に粘着テープを貼付け瞬間的に引き剥がした際の塗膜付着状況を観察した。塗膜剥離が全く検出されなかった試験片を5,塗膜が全面剥離した試験片を0とする六段階評価で塗膜密着性を判定した。
表1の調査結果にみられるように、リン酸溶液中で交番電解したステンレス鋼板を塗装原板に用いた本発明例では、表面層のSi濃度が低下しP濃度が増加しており、Fe/P原子比,Fe/Cr原子比がそれぞれ1/1〜2/1,40/60〜60/40の範囲に調整されていた。そのため、0t曲げという過酷な評価試験でも評価点が4となっていた。しかも、表面光沢度がほとんど低下していなかった。
これに対し、アノード電解した試験No.1では、Si濃度が低下しているもののP濃度が比較的低い値を示し、本発明例に比較すると塗膜密着性に劣っており光沢度も低下していた。カソード電解した試験No.2では、Siが濃縮したままの表面状態が維持されたため、光沢度の低下はないもののやはり塗膜密着性に劣っていた。脱脂後に電解処理せずにクリア塗装した試験No.7は、塗膜密着性が極端に悪く実用に供せなかった。
この対比から明らかなように、交番電解によって光沢度の低下なく塗膜密着に適した表面状態に改質できることが判る。これは、ステンレス鋼板を交番電解することにより、鋼板表面に濃縮している不活性なSi等の酸化物が除去され、全体的に活性化した鋼板表面にリン酸が吸着され、溶解してくる金属イオンと共にステンレス鋼板表面の金属と強固に結合し、塗膜密着性に良好な影響を及ぼすFe,Cr等のリン酸塩が形成された結果といえる。
交番電解した場合でも、最後がカソード電解で終わる試験No.3,5では、Fe/Cr比が小さいため密着性が不十分であった。
Figure 2006274303
実施例1と同じステンレス鋼板を塗装原板に用い、同じリン酸溶液,電解条件で6秒間電解した後、水洗,乾燥し、塗布型クロメート処理を施しCr換算付着量:20mg/m2のクロメート皮膜を形成した。乾燥後、実施例1と同様にクリア塗装した。
得られたクリア塗装ステンレス鋼板は、鏡面光沢度が5300であり、0tの180度曲げ試験後にも塗膜剥離が全く観察されなかった。
以上に説明したように、ステンレス鋼光輝焼鈍材をリン酸溶液中で交番電解すると、塗装前処理液との反応性が高い表面状態に改質される。そのため、光輝焼鈍材本来の光沢表面が損なわれることなく、優れた塗膜密着性のクリア塗膜を鋼板表面に形成できる。このようにして得られるクリア塗装ステンレス鋼板は、外装材,内装材,表装材,家電機器や電気・電子機器の筐体等、広汎な分野で意匠性に優れた素材として使用される。

Claims (2)

  1. ステンレス鋼光輝焼鈍材をリン酸溶液に浸漬し、間接通電方式で交番電解することを特徴とするステンレス鋼光輝焼鈍材の塗装前処理方法。
  2. リン酸溶液中の交番電解でSi:4.0原子%以下,P:3.0〜7.0原子%,Fe/P原子比:1/1〜2/1,Fe/Cr原子比:40/60〜60/40に改質された表面層を有することを特徴とする塗膜密着性に優れたステンレス鋼光輝焼鈍材。
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