JP2006269948A - 剥離シート付き絶縁板及びその製造方法 - Google Patents

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将弘 北原
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浩二 三井
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伸二 水野
Yoko Shimomura
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Abstract

【課題】熱と圧力に弱い材質であっても容易且つ確実にフレキシブル回路基板上に取り付けることができ、フレキシブル回路基板への貼り付け強度を強くできてずれなどが生じず、その搬送や貼付け作業等が容易な剥離シート付き絶縁板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】合成樹脂フイルムからなる基材10の表面に、少なくとも光硬化性樹脂を含む接着材層30を形成し、さらに接着材層30の表面に剥離シート50を取り付けて構成される剥離シート付き絶縁板1である。基材10の表面への接着材層30の形成は、少なくとも光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含んだ樹脂材に溶剤を混合した接着材を、基材10上に塗布した後に溶剤を揮発させることで行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、フレキシブル回路基板に取り付けられるカバーレイフイルムや補強板等として用いて好適な剥離シート付き絶縁板及びその製造方法に関するものである。
従来、フレキシブル回路基板は一般に、その表面に形成した回路上に絶縁板であるカバーレイフイルムを覆うことが行われている。カバーレイフイルムを設けるのは、回路が他の部品と接触してショートするのを防止するためである。カバーレイフイルムは、絶縁性の合成樹脂フイルムからなる基材の一方の表面に接着材層を設けて構成される(例えば特許文献1)。接着材層としては、一般にエポキシ系接着材が用いられる。
しかしながらカバーレイフイルムを上記エポキシ系接着材からなる接着材層によってフレキシブル回路基板上に貼り付ける場合、カバーレイフイルムの前記接着材層の面をフレキシブル回路基板に所定の圧力で押し付けた状態(例えば20〜30kg/cm2)で、所定の高熱(例えば150℃)を所定時間(例えば1時間)印加することとなる。このためフレキシブル回路基板及びカバーレイフイルムとして前記熱と圧力に長時間耐えられる材質のものを選ばなければならず、例えば高価なポリイミドフイルムを使用する必要が生じていた。逆に例えば安価なポリエチレンテレフタレートフイルム(以下「PETフイルム」という)は前記長時間の熱と圧力によって変形・変質する恐れがあり、使用できない。
一方フレキシブル回路基板の中には、他の部材の電気回路と接続するのに、リードアウト部を設けた構造のものがある。図7はこの種従来のフレキシブル回路基板500のリードアウト部550近傍部分及びコネクタ600を示す要部拡大斜視図である。同図に示すようにフレキシブル回路基板500は、略帯状に形成された熱可塑性合成樹脂フイルム製の基材510の上面に複数本の回路パターン520を並行に形成し、その端部の接点パターン521となる部分(この部分がリードアウト部550である)を除くその他の部分の上面をカバーレイフイルム530で覆い、且つリードアウト部550の裏面に感圧接着材によって補強板540を貼り付けて構成されている。補強板540を貼り付けるのは、可撓性を有する合成樹脂フイルムからなるリードアウト部550に剛性を持たせて下記するコネクタ600へ差し込んで接続するのを容易且つ確実に行なわせるためである。
一方コネクタ600は、矩形状の合成樹脂製のケース610内に金属板製の接点板620を複数枚収納固定して構成されている。各接点板620は前記各接点パターン521にそれぞれ対向する位置に設置され、ケース610の一側面に設けた開口611側に、前記リードアウト部550を挟持する略コ字状の接点部613を設け、また各接点部613の反対側にケース610から外部に露出する接続部615を設けて構成されている。そしてリードアウト部550をコネクタ600の開口611内に挿入して各接点部613によってリードアウト部550を挟持して各接点部613と接点パターン521とを圧接接続する。
しかしながら上記従来のリードアウト部550においては、補強板540の貼り付けを感圧接着材によって行っているので、その貼り付け強度が必ずしも強固ではなく、リードアウト部550をコネクタ600に差し込んだ際に加わる強い挟持力によって補強板540がリードアウト部550からずれてしまう恐れがあった。またこのフレキシブル回路基板500の実際の製造は、大きな一枚の合成樹脂フイルム上に複数のフレキシブル回路基板500用の回路などを形成し、各リードアウト部550となる部分の裏面側に感圧接着材によって正規の寸法よりも少し大きめの補強板540を貼り付け、その後プレス金型によって各フレキシブル回路基板500の外形形状を打ち抜き加工することによって行う。その際補強板540の周囲も正規の寸法(最終外形形状)にカットされるが、補強板540を接着している感圧接着材は粘性を有しており、このためプレス金型を用いた際に粘性のある感圧接着材がこのプレス金型に付着して徐々にリードアウト部550の精度の良いカットができなくなる恐れがあり、同時に付着した感圧接着材を定期的にプレス金型から取り除くための別工程が必要になってしまう恐れがあった。
特開2004−315595号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、本発明の絶縁板が熱と圧力に弱い基材であっても容易且つ確実にフレキシブル回路基板上に取り付けることができ、またフレキシブル回路基板への貼り付け強度を強くできてずれなどが生じず、またフレキシブル回路基板上に取り付けた後にプレス金型を用いてカットしてもプレス金型に接着材が付着して精度の良いカットができなくなる恐れもなく、さらにその搬送や貼付け作業等も容易な剥離シート付き絶縁板及びその製造方法を提供することにある。
本願請求項1に記載の発明は、フレキシブル回路基板に取り付けられる絶縁板において、前記絶縁板は、合成樹脂フイルムからなる基材の表面に、少なくとも光硬化性樹脂を含む接着材層を形成し、さらにこの接着材層の表面に剥離シートを取り付けて構成されていることを特徴とする剥離シート付き絶縁板にある。
本願請求項2に記載の発明は、前記接着材層を構成する樹脂材は、少なくとも光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の剥離シート付き絶縁板にある。
本願請求項3に記載の発明は、前記基材は、ポリエチレンテレフタレートフイルム製であることを特徴とする請求項1又は2に記載の剥離シート付き絶縁板にある。
本願請求項4に記載の発明は、フレキシブル回路基板に取り付けられる絶縁板の製造方法において、合成樹脂フイルムからなる基材の表面に少なくとも光硬化性樹脂を含む接着材を塗布することで接着材層を形成する工程と、前記接着材層の表面に剥離シートを貼り付ける工程と、を具備することを特徴とする剥離シート付き絶縁板の製造方法にある。
本願請求項5に記載の発明は、前記基材の表面への接着材層の形成は、少なくとも光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含んだ樹脂材に溶剤を混合した接着材を、前記基材上に塗布した後に前記溶剤を揮発させることで行われることを特徴とする請求項4に記載の剥離シート付き絶縁板の製造方法にある。
請求項1,2,3に記載の発明によれば、接着材層の表面に剥離シートを取り付けているので、べたべたせず、その保管性や搬送性が良い。また剥離シートを剥がすだけで容易にフレキシブル回路基板に取り付けることができる。またその接着材層は光によって硬化するので、これをフレキシブル回路基板に取り付ける際は長時間にわたって加熱と同時に加圧する必要はなく、従ってその基材としてPETフイルムのような加熱や加圧に弱いが安価な材質のものを用いても容易且つ確実にフレキシブル回路基板上に取り付けることができる。また接着材層として感圧接着材を用いた場合に比べてフレキシブル回路基板への貼り付け強度を強くできるのでフレキシブル回路基板への取り付け後にずれなどが生じることはない。さらに接着材層は光によって確実に硬化するのでべとべとせず、フレキシブル回路基板への取り付け後にプレス金型を用いてカットしてもプレス金型に接着材が付着して精度の良いカットができなくなる恐れもない。
請求項2に記載の発明によれば、接着材層をペースト状でなく外力によって簡単には変形しない半硬化状態(軟らかすぎない硬化状態)にでき、従ってこの接着材層が破壊されない状態を容易に維持でき、その表面への剥離シートの取り付け取り外しが容易に行え、またフレキシブル回路基板への貼付けが容易に行えるようになる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の剥離シート付き絶縁板を容易に製造できる。
請求項5に記載の発明によれば、接着材層をペースト状でなく外力によって簡単には変形しない半硬化状態(軟らかすぎない硬化状態)にでき、従ってこの接着材層が破壊されない状態を容易に維持でき、その表面への剥離シートの取り付け取り外しが容易に行え、またフレキシブル回路基板への貼付けが容易に行えるようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態にかかる剥離シート付き絶縁板1の分解斜視図、図2は斜視図である。図1に示すように剥離シート付き絶縁板1は、合成樹脂フイルムからなる基材10の表面(図1では下面)全体に、少なくとも光硬化性樹脂を含む接着材層30を形成し、さらにこの接着材層30の表面(図1では下面)に剥離シート50を取り付けて構成されている。以下剥離シート付き絶縁板1の各構成部材についてその製造方法とともに説明する。
剥離シート付き絶縁板1を製造するには、まず基材10と、接着材層30を形成するための接着材と、剥離シート50とを用意する。基材10は可撓性を有する絶縁性の熱可塑性の透明又は半透明(少なくとも紫外線を通すもの)の合成樹脂フイルム(この実施形態では厚み38μmのPETフイルム)によって構成されている。接着材層30を形成するために用意する接着材は、少なくとも光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含んだ樹脂材に溶剤を混合して構成されている。光硬化性樹脂としては、例えば紫外線硬化性のアクリレート樹脂等を用いる。アクリレート樹脂には、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート、不飽和ポリエステルアクリレート等がある。また前記接着材に混合する熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル樹脂を用いる。ポリエステル樹脂の中には熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とがある。なお光硬化性の樹脂及び熱硬化性の樹脂及び熱可塑性の樹脂として、他の各種材質のものを用いてもよい。また前記溶剤は前記光硬化性樹脂とともに混合した熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を溶かすためのものであって、例えばメチルエチルケトン、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート等によって構成されている。この接着材によって形成される接着材層30は下記するように半硬化状態で、同時に弱い粘着性(接着性)を有している。接着材層30の厚みはこの実施形態では35〜50μmとしている。剥離シート50は絶縁性の合成樹脂フイルム製又は紙製等であってその一方の面(接着材層30側を向く面)を接着材層30からの引き剥がしを容易にするために滑らかな面となる処理を施している。
基材10表面への接着材層30の形成は、前記基材10の一方の表面(図1では下面)に前記接着材を均一な層となるように塗布し、次にそのままこの基材10を例えば70℃〜80℃で加熱して前記溶剤を揮発させ(揮発させる溶剤は必ずしもその全て(100%)である必要はなく、所望の割合(例えば80%)で良い)、これによって接着材中の熱硬化性又は熱可塑性の樹脂成分を含んで接着材全体をペースト状でなく外力によって接着材層30を簡単には変形しない半硬化状態(軟らかすぎない硬化状態)とし、同時にその粘性によって表面に弱い粘着性(接着性)を有するようにし、更にこの半硬化状態により接着材層30と基材10との接着性もペースト状態の場合と比して高まらせている。更にこの接着材層30について詳細に説明すると、この接着材層30を構成するには、まず光硬化性樹脂と熱可塑性樹脂(又は熱硬化性樹脂)を溶剤を使って両者を均一に混合分散した液状の接着材層30用の接着材を作る。そしてこの接着材を基材10表面に塗布する。溶剤は接着材を基材10に均一に塗布させる働きも有する。次に溶剤を前記加熱条件で揮発させ液状の光硬化性樹脂と固形状の熱可塑性樹脂(又は熱硬化性樹脂)が混在した半硬化状態の接着材層30が出来る。基材10との密着性は熱可塑性樹脂(又は熱硬化性樹脂)との間で行なわれ、更にはこれにより規定の厚みを有する接着材層30としている。また、接着材層30表面の弱い粘着性は未硬化状態になっている液状の光硬化性樹脂によるものである。これにより剥離シート50付きの接着材層30を伴なった基材10の接着材層30として、最適な接着材層30が出来上がる。基材10表面への接着材の塗布は、例えばこの接着材を基材10表面にドクターブレード法によって均一な所定厚みの層となるように形成しても良いし、スクリーン印刷等の印刷手段によって形成しても良く、その他の方法で塗布しても良い。なお上述のように接着材として、少なくとも光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含んだ樹脂材に溶剤を混合したものは好適である。なぜなら従来のいくつかの紫外線硬化性の樹脂材においては、これを基材に塗布した場合、一定の粘着性を有する固形体として基材上に配置されはするが、ペースト状(化粧クリーム状)なので、外力によって簡単に変形して剥がれてしまう。従ってこれを基材10上に均一の厚みで印刷した後にその上に剥離シート50を貼り付けると、その貼り付け作業だけで接着材層の均一性が保たれず、このため剥離シート50を貼り付けたり剥がしたりするのに不適切なものもある。そこで上述のように光硬化性樹脂を用いた接着材層30に用いて最適な接着材として、上記半硬化状態とすることができる接着材を用いたのである。なお本発明は必ずしも熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を混合しなくても、少なくとも光硬化性樹脂を含む樹脂材(光硬化性樹脂のみでもよいし、光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂以外の部材を混合したものでもよい)で半硬化状態、即ちペースト状でなく外力によって簡単には変形しない硬化状態であって且つその表面に弱い粘着性(接着性)を持たせることができる材質のものであれば、それを接着材としてもよい。
以上のように接着材層30は半硬化状態なので、接着材層30の表面に剥離シート50を貼り付けたり剥がしたりしても、接着材層30が破壊されることはない。なお接着材層30の接着材による形成は、これを複数回形成・半硬化させることで多層に形成してもよい。またこの接着材に混合する光硬化性樹脂は紫外線硬化性以外の各種光硬化性樹脂であってもよい。
そしてこの接着材層30の表面に前記剥離シート50を貼り付ければ、剥離シート付き絶縁板1が完成する。なお接着材層30は前述のように容易に半硬化状態にでき、従ってこの接着材層30が破壊されない状態を容易に維持でき、従ってその表面への剥離シート50の貼り付けが容易であるばかりか、下記するフレキシブル回路基板70への貼付けも容易に行えるようになる。なおこの剥離シート付き絶縁板1の製造は、具体的にはロールから引き出した基材10の表面にドクターブレード法等を用いてその表面に連続して接着材層30を形成していって、次にこれを加熱して溶剤を揮発し、次に別のロールから引き出した剥離シート50を接着材層30上に連続して貼り付けていくことで行うのが好適である。以上のようにして剥離シート付き絶縁板1は容易に製造できる。
以上のように本実施形態にかかる剥離シート付き絶縁板1は、合成樹脂フイルムからなる基材10の表面に、少なくとも光硬化性樹脂を含む接着材層30を形成し、さらにこの接着材層30の表面に剥離シート50を取り付けて構成されている。また本実施形態にかかる剥離シート付き絶縁板1の製造方法は、合成樹脂フイルムからなる基材10の表面に少なくとも光硬化性樹脂を含む接着材を塗布することで接着材層30を形成する工程と、前記接着材層30の表面に剥離シート50を貼り付ける工程と、を具備することによって構成される。さらに前記基材10の表面への接着材層30の形成は、少なくとも光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含んだ樹脂材に溶剤を混合した接着材を、前記基材10上に塗布した後に前記溶剤を揮発させることで行われる。
次に上記剥離シート付き絶縁板1の使用方法の一例を説明する。図3〜図5はフレキシブル回路基板70に二種類の剥離シート付き絶縁板1―1,1−2を取り付けることでその上下面にそれぞれカバーレイフイルムと補強板とを取り付けたリードアウト部付き回路基板100を製造する方法を示す図である。ここで一方の剥離シート付き絶縁板1―1はフレキシブル回路基板70の表面に設けた回路の上面を覆ってこれを保護するカバーレイフイルムとなり、もう一方の剥離シート付き絶縁板1−2はフレキシブル回路基板70のリードアウト部85(図6参照)となる部分の裏面に取り付けられてこれを補強する補強板となるものである。まず図3に示すように二種類の剥離シート付き絶縁板1―1,1−2と、フレキシブル回路基板70とを用意する。剥離シート付き絶縁板1―1は前述のようにカバーレイフイルムとなるものであり、その基材10の厚みが38μm、接着材層30の厚みが35〜50μmのものを用いている。剥離シート付き絶縁板1−2は前述のように補強板となるものであり、その基材10の厚みが188μm(前記剥離シート付き絶縁板1―1の基材10よりもその厚みを厚くして剛性を高くしている)、接着材層30の厚みが35〜50μmのものを用いている。フレキシブル回路基板70と剥離シート付き絶縁板1―1,1−2は何れも最終的な外形にカットするため、最終的な外形形状よりも大判に形成されている。剥離シート付き絶縁板1―1と剥離シート付き絶縁板1−2との相違点は、基材10の厚みのみであり、基材10の材質は同一、また接着材層30と剥離シート50はまったく同一のものを用いている。即ち基材10及び接着材層30及び剥離シート50は、それぞれ同一組成物によって構成されている。従って二種類とはいえ製造工程の簡素化が図れる。場合によっては両者の基材10の厚みを同一とすれば、さらに製造コストの低減化、材料コストの低減化等が図れる。もちろん二種類の剥離シート付き絶縁板1―1,1−2を構成する各部材として、異なる材質及び/又は厚みのものを用いてもよい。
フレキシブル回路基板70は可撓性を有する熱可塑性の合成樹脂フイルム(この実施形態では厚み50μm〜75μmのPETフイルム)からなる絶縁性の基板80上に所望の回路90を形成し、また固定抵抗パターン93を形成し、また各種電子部品95,97を搭載して構成されている。回路90は実際には固定抵抗パターン93や各種電子部品95,97を搭載した部分にも配線用として形成されているが、図示の都合上その記載を省略している。このフレキシブル回路基板70において、図示していない配線用の回路90と固定抵抗パターン93や各種電子部品95,97等の配線以外の機能部を設けている部分全体を機能回路基板部81とし、下記するリードアウト部85(図6参照)を引き出す配線用の図示している回路90のみを設けている部分を配線回路基板部(以下この実施形態では「引出部」という)83とする。回路90は導電ペースト(例えば銀ペースト〔溶剤に溶かしたウレタン系,フェノール系等の樹脂材に銀粉を混練したもの〕やカーボンペースト〔溶剤に溶かしたウレタン系,フェノール系等の樹脂材にカーボン粉を混練したもの〕等)をスクリーン印刷等によって基板80上に印刷形成したものを、所定温度で所定時間加熱することによって形成される。なお回路90をスクリーン印刷以外の各種印刷方法や、銅箔エッチングのような印刷以外の各種パターン形成方法によって形成してもよいことはいうまでもない。回路90の厚みは例えば10μm程度である。またこの実施形態で用いている電子部品95はチップ型固定抵抗器であり、電子部品97はチップ型発光ダイオード(LED)である。もちろん電子部品95,97として他の各種電子部品(例えばチップ型コンデンサ等)を用いてもよく、また基板80上にはスイッチパターン及びその上に設置されるドーム形状の可動接点板からなる押圧スイッチや、メンブレンスイッチ用のパターンや、その他の機能用のパターンを設けてもよい。
そして剥離シート付き絶縁板1―1から剥離シート50を剥がし、図4に示すように露出する接着材層30の表面をフレキシブル回路基板70の回路90や各種電子部品95,97等を設けた側の面上に貼り付ける。なお剥離シート付き絶縁板1―1から剥離シート50を剥がしたものを絶縁板1−1aという。このとき絶縁板1−1aは、他の回路と接続する機能を有する下記する接点パターン87となる部分(図示する回路90の先端部分)を除く全ての回路90を含むフレキシブル回路基板70を覆うように貼り付いている。そして透明な基材10の外面側(接着材層30を設けた面の反対面側)から基材10を透して前記接着材層30に積算光量として〔1500mJ/cm2〕の紫外線を照射し、これによって接着材層30を完全に硬化させ、絶縁板1―1aをフレキシブル回路基板70上に固着する。この際昇温する温度は90℃程度である。これによってフレキシブル回路基板70上に設けた回路90や各種電子部品95,97等の上面全体が絶縁板1―1aによって覆われるので、フレキシブル回路基板70への他の部品の接近・接触等によるショートの危険性を確実に防止できる。また絶縁板1―1aとフレキシブル回路基板70との接着は昇温温度90℃程度で低くて済み高圧で加圧することもないので、絶縁板1―1aを構成する基材10及びこの絶縁板1―1aを貼り付けるフレキシブル回路基板70として耐熱性に劣るが安価な合成樹脂フイルム(本実施形態ではPETフイルム)を用いることができる。
次にフレキシブル回路基板70のリードアウト部85の最終形状より大きい寸法を有する剥離シート付き絶縁板1―2から剥離シート50を剥がし、露出する接着材層30の表面を、図5に示すようにフレキシブル回路基板70の接点パターン87を設けた部分の裏面(回路90を設けた面の反対側の面)に貼り付ける。なお剥離シート付き絶縁板1―2から剥離シート50を剥がしたものを絶縁板1−2aという。そして透明な基材10の外面側(接着材層30を設けた面の反対面側)から基材10を透して前記接着材層30に積算光量として〔1500mJ/cm2〕の紫外線を照射し、これによって接着材層30を完全に硬化させ、絶縁板1―2aをフレキシブル回路基板70に固着する。この際昇温する温度は90℃程度である。なおフレキシブル回路基板70の上下面に絶縁板1―1a,1−2aを貼り付けて同時に紫外線を照射することで同時に両者をフレキシブル回路基板70に固定してもよい。絶縁板1―1a,1−2aのそれぞれ接着材層30を設けた面の反対面側から接着材層30に向けて紫外線を照射したのは、その全体が透明な基材10側から紫外線を照射することで、接着材層30全体に確実に紫外線を照射して均一に硬化させるためである。
そして最後に、前記絶縁板1―1a,1−2aを貼り付けたフレキシブル回路基板70の外形形状をプレス金型によって打ち抜き加工すれば、図6に示すリードアウト部付き回路基板100が完成する。完成したリードアウト部付き回路基板100は、前述のように、機能回路基板部81と引出部83とを具備し、それらの上面がカバーレイフイルムとしての絶縁板1―1aの基材10によって覆われ、引出部83先端にはこの基材10によって覆われない露出する複数本の回路90の端部からなる接点パターン87が設けられ、また接点パターン87の裏面には、補強板としての絶縁板1−2aの基部10が貼り付けられることとなる。前記接点パターン87を設けた部分が最終外形形状のリードアウト部85となる。
以上のように本発明にかかる剥離シート付き絶縁板1(1―1,1−2)によれば、接着材層30の表面に剥離シート50を取り付けているので、べたべたせず、その保管性や搬送性が良い。また剥離シート50を剥がすだけで容易にフレキシブル回路基板70に取り付けることができる。またその接着材層30は光(この実施形態では紫外線)によって硬化するので、これをフレキシブル回路基板70に取り付ける際は長時間にわたって加熱と同時に加圧する必要はなく、従ってその基材10やこの剥離シート付き絶縁板1(1―1,1−2)を取り付けるフレキシブル回路基板70としてPETフイルムのような加熱や加圧に弱いが安価な材質のものを用いることができる。また接着材層30は紫外線によって確実に硬化しその接着強度は強く、接着材層30として感圧接着材を用いた場合に比べてフレキシブル回路基板70への貼り付け強度を強くできるのでフレキシブル回路基板70への取り付け後にずれなどが生じることはない。従って特にこの剥離シート付き絶縁板1−2をリードアウト部85の補強板として用いた場合、このリードアウト部85を図7に示すようなコネクタ600に着脱する際に強い挟持力が加わっても、絶縁板1−2aがフレキシブル回路基板70からずれる恐れはない。また前述のように大きな寸法のフレキシブル回路基板70の表面に絶縁板1―1a及び/又は1−2aを貼り付け、その後プレス金型によってフレキシブル回路基板70の正規の外形形状を打ち抜き加工する場合、絶縁板1―1a及び/又は1−2aの周囲も正規の寸法にカットされるが、接着材層30は確実に硬化していて粘性がないので、プレス金型に接着材が付着することはなく、従ってプレス金型によって常に精度のよいカットが継続して行えると同時に、付着した接着材をプレス金型から取り除くというような工程も不要となる。また接着材層30は絶縁性確保のために設けたものではないので厚塗りする必要がなくて容易に可撓性を持たせることができ、同時に基材10にも可撓性をもたせることができるので、これを貼り付けるフレキシブル基板70の柔軟性が損なわれない(もちろん補強板として用いるような場合に上記実施形態のように基材10の厚みを厚くして剛性を高めても良い)。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施形態では基材10としてPETフイルムを用いたが、他の各種材料からなる合成樹脂フイルムを用いてもよい。上記実施形態を構成するその他の各材料についても同様に種々の変更が可能である。また剥離シート付き絶縁板1の使用方法として、フレキシブル回路基板70の両面に絶縁板1―1a,1−2aを取り付ける方法を説明したが、一方の面だけに取り付けてもよいことは言うまでもない。また上記剥離シート付き絶縁板1の使用方法では、剥離シート付き絶縁板1をフレキシブル回路基板70のカバーレイフイルム及び補強板として利用したが、それら以外の使用目的で使用してもよい。また上記実施形態では、カバーレイフイルムとなる絶縁板1−1aをフレキシブル回路基板70に固着した後に補強板となる絶縁板1−2aを固着したが、この順番を入れ替えて逆の順番で行ってもよい。
剥離シート付き絶縁板1の分解斜視図である。 剥離シート付き絶縁板1の斜視図である。 フレキシブル回路基板70に剥離シート付き絶縁板1―1,1−2を取り付ける方法を示す図である。 フレキシブル回路基板70に剥離シート付き絶縁板1―1,1−2を取り付ける方法を示す図である。 フレキシブル回路基板70に剥離シート付き絶縁板1―1,1−2を取り付ける方法を示す図である。 リードアウト部付き回路基板100を示す斜視図である。 従来のフレキシブル回路基板500のリードアウト部550近傍部分及びコネクタ600を示す要部拡大斜視図である。
符号の説明
1(1―1,1−2) 剥離シート付き絶縁板
1―1a,1−2a 絶縁板
10 基材
30 接着材層
50 剥離シート
70 フレキシブル回路基板
80 基板
85 リードアウト部
90 回路

Claims (5)

  1. フレキシブル回路基板に取り付けられる絶縁板において、
    前記絶縁板は、合成樹脂フイルムからなる基材の表面に、少なくとも光硬化性樹脂を含む接着材層を形成し、さらにこの接着材層の表面に剥離シートを取り付けて構成されていることを特徴とする剥離シート付き絶縁板。
  2. 前記接着材層を構成する樹脂材は、少なくとも光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の剥離シート付き絶縁板。
  3. 前記基材は、ポリエチレンテレフタレートフイルム製であることを特徴とする請求項1又は2に記載の剥離シート付き絶縁板。
  4. フレキシブル回路基板に取り付けられる絶縁板の製造方法において、
    合成樹脂フイルムからなる基材の表面に少なくとも光硬化性樹脂を含む接着材を塗布することで接着材層を形成する工程と、
    前記接着材層の表面に剥離シートを貼り付ける工程と、を具備することを特徴とする剥離シート付き絶縁板の製造方法。
  5. 前記基材の表面への接着材層の形成は、少なくとも光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含んだ樹脂材に溶剤を混合した接着材を、前記基材上に塗布した後に前記溶剤を揮発させることで行われることを特徴とする請求項4に記載の剥離シート付き絶縁板の製造方法。
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