JP2006266676A - 火格子ライニング - Google Patents
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Abstract
【課題】従来技術の欠点を阻止し、燃焼火格子、特に往復運動式火格子又はローラ式火格子のための、多数の火格子棒から成る火格子ライニングを改良し、運転の間に火格子棒に溶着部が形成されることを阻止する。
【解決手段】層(5)が、圧縮負荷及び剪断負荷のみを吸収すればよい程度に薄くなっており、往復運動式火格子の場合には溶着部形成を阻止するために、前記層(5)が、火格子棒(1)の、隣接した火格子棒(1)との接触ゾーン(6)にのみ被着されており、ローラ式火格子の場合には、前記層(5)が、火格子棒(1)の、燃焼室(3)に向いた表面(4)全体に被着されているようにした。
【選択図】図1
【解決手段】層(5)が、圧縮負荷及び剪断負荷のみを吸収すればよい程度に薄くなっており、往復運動式火格子の場合には溶着部形成を阻止するために、前記層(5)が、火格子棒(1)の、隣接した火格子棒(1)との接触ゾーン(6)にのみ被着されており、ローラ式火格子の場合には、前記層(5)が、火格子棒(1)の、燃焼室(3)に向いた表面(4)全体に被着されているようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、焼却技術の分野に関連している。本発明は、耐熱性、耐腐食性及び耐摩耗性の非金属の材料からなる保護層を有する火格子ライニングであって、特にごみを焼却するための焼却炉内の火格子のために使用することのできる形式のものに関する。
ごみを燃焼火格子、例えば往復運動式火格子又はローラ式火格子により焼却し、この往復運動式火格子又はローラ式火格子の、空気冷却又は水冷却される火格子棒により形成された火格子ライニングが、規定された運動により燃焼室を通過してごみを搬送する。
空気冷却される火格子では一次空気が火格子を貫流し、この場合にまず火格子棒を冷却するために使用され、次いで不可欠な反応相手として燃焼のために使用される。次のような欠点がこのシステムに結びついている;すなわち、
発熱量、密度、流体抵抗、湿気などに関するごみ質の著しい変動が極めて大きな温度変動をもたらし、しばしば、空気冷却される鋳込まれた火格子棒の許容不能な超過温度をもたらし、
火格子棒の、互いに相対的な運動及びごみに対して相対的な運動が、高温時には加速されて生じる高い摩耗をもたらし、
大きい温度勾配及び温度過渡状態による頻繁な温度変化が、個々の火格子棒の熱機械的な故障をもたらす。これに起因する、一次空気のための変更された流体条件が最終的には火格子の広い領域を損傷する。
発熱量、密度、流体抵抗、湿気などに関するごみ質の著しい変動が極めて大きな温度変動をもたらし、しばしば、空気冷却される鋳込まれた火格子棒の許容不能な超過温度をもたらし、
火格子棒の、互いに相対的な運動及びごみに対して相対的な運動が、高温時には加速されて生じる高い摩耗をもたらし、
大きい温度勾配及び温度過渡状態による頻繁な温度変化が、個々の火格子棒の熱機械的な故障をもたらす。これに起因する、一次空気のための変更された流体条件が最終的には火格子の広い領域を損傷する。
水冷却される火格子棒の使用により、これらの欠点を取り除くことが試みられている。空気冷却される火格子のために使用される必要のある高価な鋳込合金が、水冷却される火格子では安価な薄板構造を用いることにより節約することができるのにもかかわらず、水冷却される火格子は一連の欠点を有している。水冷却される火格子は、空気冷却される火格子に比べて技術的に遙かに手間がかかる。なぜならば、独立した冷却水サイクルを有しており、極めて損傷しやすいからである。漏洩時には水冷却される火格子はスイッチオフされる必要がある。さらにこのシステムからは、不利なことには多くの熱エネルギが低いレベルで取り出され、このことはごみ焼却装置の熱的な作用度を減衰させる。
実際には上に述べた問題と並んで、前記火格子棒の場合には「溶着部形成」も公知である。この現象では金属混合物が問題であり、これらの金属混合物は燃焼物から形成されており、融解液状であり、火格子ライニングとの接触時に冷却され、この場合に溶接結合に類似して火格子ライニングと内部で化合する。溶着部は極めて小さいこともあり得るが、しかしながら、10mmまで、又はそれよりも***している場合がある。溶着部形成の頻度及び規模はごみの組成に関連している。
往復運動式火格子の場合には、このような溶着部が2つの火格子棒の接触ゾーンの領域内に位置する場合には特に妨害となる。このことは、接触領域の高められた摩耗をもたらし、水冷却される火格子棒の場合には特に前記領域内の高められた材料剥離による漏洩部の形成による尚早な故障につながりかねない。
付加的には溶着部により火格子列の運動が妨げられるか又はブロッキングされる場合には装置の運転が妨害される恐れがある。この場合には、燃焼物の搬送が妨げられるか、若しくは停止してしまう。その結果、燃焼プロセスの妨害、装置停止及び運転故障が生じかねない。
ローラ式火格子では、溶着部がスクレーパ鉄との接触につながる程度まで***してしまった場合には妨害になる。このことは、スクレーパ鉄の高められた摩耗又はスクレーパブロック及び/又はスクレーパ鉄自体の移動につながりかねない。結果として、劣悪化した一次空気分配及び高められた火格子故障が生じる。さらに溶着部によりローラの回転が妨げられるか又はブロッキングされた場合には装置の運転が著しく妨害される恐れがある。この場合には、燃焼物の搬送が妨げられるか、又は停止してしまう。結果として装置停止及び運転故障が生じ得る。
ヨーロッパ特許庁特許公開第0382045号明細書につき火格子棒が公知であり、この火格子棒は、鋼又は鋳鉄より成る下側の支持エレメントと、セラミックの材料より成る上側のプレート状エレメントとから成っており、この場合にセラミックのエレメントは焼却しようとするごみのための床を形成している。使用されているセラミックの材料により、上側のエレメントは高い耐熱性及び耐摩耗性を有しており、これにより、火格子は空気冷却されていてよいようになっている。それぞれの火格子棒の上側のセラミックのエレメントと下側のエレメントとは形状接続的に(formschluessig)、ピン及び弾性的なエレメント、例えばばねにより互いに結合されている。この従来技術では、打撃負荷時に、プレートの形で形成された上側のセラミックのエレメントは容易に粉砕される。なぜならば、セラミックは脆く、高い打撃感度を有しており、かつわずかな破断伸び(Bruchdehnung)しか有していないからである。その上、両方のエレメントの大きい温度差及び異なった熱膨張特性を十分に補償することが不可能であり、これにより、火格子の運転寿命を短縮する不都合な応力および反りが生じてしまう。さらに既に組付けにより早い損傷がもたらされることのないように、結合部の高い製造公差が必要である。このことは高い製造コストにつながる。
類似の手段が、ドイツ連邦共和国特許第3314098号明細書につき公知であり、この明細書では、火格子ブロック若しくは火格子棒がごみ焼却炉のための火格子ライニングの構成部分として次のように形成されている、すなわち、燃焼にさらされる火格子ブロック若しくは火格子前部がファイン・セラミクスの材料より成っており、かつブロック保持体若しくは棒保持体の支承部分(火格子ブロック後部若しくは火格子棒後部)が鋼又は鋳鋼より製造されているように形成されている。ここでも両方の部分はねじ結合部により保持されている。この構成は、上に述べた欠点に加えて著しく高価であるという欠点を有している。なぜならば、この場合には火格子ブロック若しくは火格子棒のほぼ全体が高価なセラミックの材料より成っているからである。
ドイツ連邦共和国特許第19714573号明細書では、火格子若しくは火格子のための個別エレメントが記載されており、これらの火格子若しくは火格子のための個別エレメントは、全体に耐高熱性、耐摩耗性及び耐腐食性のセラミックの材料より形成されている。この技術的な手段は同様に著しく高価である。
ドイツ連邦共和国特許公開第19857416号明細書につき、ごみ焼却炉の火格子のための耐高熱性の火格子棒が公知であり、この火格子棒は、ごみ床に向いた表面にセラミックの多数のエレメントより成る層を有しており、これらのエレメントは格子状の金属のフレーム構造の中間室内に埋め込まれている。この火格子棒は、わずかな摩耗性及び打撃負荷の良好な吸収性により優れている。しかしながら、金属のフレーム構造の領域内には上記欠点を備えた上記溶着部が生じる。
ヨーロッパ特許庁特許公開第0382045号明細書
ドイツ連邦共和国特許第3314098号明細書
ドイツ連邦共和国特許第19714573号明細書
ドイツ連邦共和国特許公開第19857416号明細書
そこで本発明の課題は、従来技術の欠点を阻止し、燃焼火格子、特に往復運動式火格子又はローラ式火格子のための、多数の火格子棒から成る火格子ライニングを改良し、運転の間に火格子棒に溶着部が形成されることを阻止することである。
この課題は、請求項1の上位概念部に記載の火格子ライニングにおいて、前記層が圧縮負荷及び剪断負荷のみを吸収すればよい程度に薄くなっており、往復運動式火格子の場合には前記層が火格子棒の、隣接した火格子棒との接触ゾーンにのみ被着されており、ローラ式火格子の場合には、前記層が、火格子棒の、燃焼室に向いた表面全体に被着されていることにより解決される。
本発明の利点は、一方では高温時に腐食性及び酸化性の雰囲気にさらされる火格子棒部分にのみ、耐高温性、耐腐食性及び耐摩耗性の非金属の層が設けられており、これにより、火格子棒が比較的安価であり、他方では臨海領域で火格子棒に溶着部が形成されることが阻止され、これにより、焼却のプロセスにおける障害、装置停止及び装置故障が阻止されることである。
前記層が、接着結合により被着されているか、又はセメント固定されている場合には、素早く安価に実施することができるので有利である。
前記層が、機械的な結合、特に沈められたねじ結合部により、火格子棒の表面に被着されている場合には特に有利である。この場合には層は比較的簡単に火格子ライニングから取外し、交換することができる。
さらに前記層がセラミックの材料より成っている場合には、必要な特性組合せ(高い耐高温性及び同時に高い耐腐食性及び耐摩耗性)を高い程度に有しているので有利である。
さらに、金属の火格子棒の縁部に、層の周囲を制限するための金属のウェブが形成されており、このウェブが直角な輪郭を有しているか、又は有利には、表面の方向に拡開する傾斜した輪郭を有している場合には有利である。後者の場合にはこのことは層の付加的な固定のために働く。
最後に、層が複数のセグメントで被着されている場合には有利である。このことは、特に層と火格子棒との間の種々異なった熱膨張率の影響の補償及び低減のために役立つ。
次に本発明の実施の形態を図面につきさらに詳しく説明する。
図1は、本発明の第1実施例による火格子ライニングの概略的な縦断面図を示している。この火格子ライニングは、多数の金属の火格子棒1から成っており、空気冷却される往復運動式(プッシャ式)火格子のために設けられている。このような往復運動式火格子は、屋根瓦状に互いに上下に、可動な火格子棒と不動な火格子棒とが交互に配置された火格子棒列2a,2bを有しており、この場合に火格子棒列2a,2bの内側には再びそれぞれ複数の火格子棒1が互いに隣接して配置されている。これらの火格子棒1は、有利には鋳込み棒である。当然のことならが、本発明は水冷却される火格子棒においても使用することができる。
前記火格子は焼却炉(図示していない)内に配置されており、この焼却炉内ではごみ、例えば家庭ごみが焼却される。前記火格子棒1の所定の運動により、ごみは焼却炉の燃焼室3を通過して搬送される。火格子を一次空気が貫流し、この一次空気はまず火格子棒1を冷却し、次いでごみの焼却のために使用される。火格子棒1の、燃焼室3に向いた表面4は>700℃の温度と、さらにとりわけ酸化性及び腐食性の雰囲気にさらされているので、燃焼室3に向いた表面4には少なくとも部分的に、耐熱性、耐腐食性及び耐摩耗性の非金属の材料より成る層5が設けられている。これは公知の従来技術である。
本発明によれば、この層5は、圧縮負荷及び剪断負荷のみを吸収すればよい程度に極めて薄く形成されている。層厚さは、例えば約10〜15mmである。
図示の第1実施例のように往復運動式火格子の場合には、層5は、火格子棒1の、隣接する火格子棒1との接触ゾーン6内にのみ被着されている。図1ではこの領域は上側の火格子棒1の破線で示した位置によって明確化されている。層5の材料特性は、火格子棒1と、焼却物からの液状の金属との間の化合が生じることができず、ひいては溶着部が火格子棒の運動を妨げることができないか、若しくは摩耗現象が生じないか又はわずかにしか生じないように選択されている。有利には層5のための材料としてはセラミックの材料がその良好な特性組合せに基づき使用される。
層5は極めて薄いので、有利にはこの層は接着結合により被着するか、又はセメント固定することができる。しかしながら、機械的な結合、例えば沈められたねじ結合も同様に可能である。この場合には層5は比較的簡単に火格子ライニングから取り外し、交換することができる。
図2及び図3には第2実施例が示されている。図2は、ローラ式火格子のための本発明による火格子ライニングを概略的に示している。図3は、2つの隣接した火格子ローラ及びローラ式火格子のスクレーパ装置の横断面図を示している。
前記ローラ式火格子は、図3及び図4には示していない支持構造体から成っており、この支持構造体は、ごみ搬出方向に水平方向に対して傾斜を有している。この支持構造体内には、互いに直列に配置された円筒状の複数の火格子ローラ7が懸吊されており、これらの火格子ローラ7は、回転運動により炉室を通過してごみを搬送する。火格子ローラ7には、たいていは鋳鉄から成る多数の火格子棒1が載置されている。それぞれの火格子ローラ7の後方にはスクレーパ8が配置されており、これらのスクレーパ8は、火格子ローラ7に位置しているごみをすくい取り、次の火格子ローラ7に供給する。スクレーパ8は交換可能なスクレーパ鉄9を有しており、これらのスクレーパ鉄9は火格子ローラ7に密に接触しており、スクレーパブロック10に配置されている(図3参照)。
本発明によれば、本実施例、すなわち、ローラ式火格子では、耐熱性、耐腐食性及び耐摩耗性の非金属材料から成る層5が、火格子棒1の、燃焼室3に向いている表面4全体に被着されている。既に述べたように、この層5は接着するか、セメント固定するか、又は機械的な結合により被着することができる。
これにより、有利には***した溶着部の発生及びこのことに起因する、スクレーパ鉄9との接触、並びにスクレーパブロック10及び/又はスクレーパ鉄9自体の移動が阻止される。このようなことは、劣悪化された一次空気供給及び高められた火格子の故障につながりかねない。当然のことながら、これにより、溶着部による、火格子ローラ7の回転運動の妨害又はブロッキングも阻止される。
図4は、本発明による火格子棒1の被覆層の領域の横断面図である。鋳込まれた金属の火格子棒1の縁部には、同様に鋳込材料より成るウェブ11が形成されており、これにより、層は縁部で鋳込材料により完全に取り囲まれている。層5の周囲のこのような制限部は次のように形成されていてよい、すなわち、縁部が層5をウェブ11の直角な側面により固定している、言い換えれば、ウェブ11が直角の輪郭を有している(例えば図2)か、又はウェブ11は、火格子棒1の、燃焼室3に向いた表面4の方向に拡開する輪郭を有しているように形成されていてよい。これにより、非金属の層5は表面4付近では、表面4から所定の間隔をおいたところよりも幾らか小さい横断面を有している。このことは、層材料がより良好に引き留められ、焼却運転の間に層5の脱落/剥離が効果的に抑制されるという利点を有している。
別の実施例では、非金属の層5が複数のセグメントで被着されていてもよい。このことは、特に層5と火格子棒1との間の種々異なった熱膨張特性の影響の補償及び減衰のために役立つ。
当然のことながら、本発明は上記実施例に制限されていない。
1 火格子棒、 2a,2b 火格子棒列、 3 燃焼室、 4 火格子棒の表面、 5 層、 6 接触ゾーン、 7 火格子ローラ、 8 スクレーパ、 9 スクレーパ鉄、 10 スクレーパブロック、 11 ウェブ
Claims (10)
- 燃焼室(3)を有する焼却炉の燃焼火格子、特に往復運動式火格子又はローラ式火格子のための火格子ライニングであって、該火格子ライニングが、多数の金属の火格子棒(1)から成っており、該火格子棒(1)の、燃焼室(3)に向いている表面(4)が、少なくとも部分的に、耐熱性、耐腐食性及び耐摩耗性の非金属の材料の層(5)より成っている形式のものにおいて、前記層(5)が、圧縮負荷及び剪断負荷のみを吸収すればよい程度に薄くなっており、往復運動式火格子の場合には溶着部形成を阻止するために、前記層(5)が、火格子棒(1)の、隣接した火格子棒(1)との接触ゾーン(6)にのみ被着されており、ローラ式火格子の場合には、前記層(5)が、火格子棒(1)の、燃焼室(3)に向いた表面(4)全体に被着されていることを特徴とする、燃焼火格子、特に往復運動式火格子又はローラ式火格子のための火格子ライニング。
- 前記層(5)が、接着結合により被着されている、請求項1記載の火格子ライニング。
- 前記層(5)が、セメント固定されている、請求項1記載の火格子ライニング。
- 前記層(5)が、機械的な結合部により被着されている、請求項1記載の火格子ライニング。
- 前記機械的な結合部が、沈められたねじ結合部である、請求項4記載の火格子ライニング。
- 非金属の材料が、セラミックの材料である、請求項1記載の火格子ライニング。
- 金属の火格子棒(1)の縁部に、前記層(5)の周囲を制限するための金属のウェブ(11)が形成されている、請求項1記載の火格子ライニング。
- 前記ウェブ(11)が、直角な輪郭を有している、請求項7記載の火格子ライニング。
- 前記ウェブ(11)が、表面(4)の方向に拡開する輪郭を有している、請求項7記載の火格子ライニング。
- 前記層(5)が、複数のセグメントで被着されている、請求項1記載の火格子ライニング。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110909 |
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A02 | Decision of refusal |
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