JP2006265298A - ポリフェニレンエーテルの重合方法 - Google Patents

ポリフェニレンエーテルの重合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の分子量に安定して制御できるポリフェニレンエーテルの重合方法を提供する。
【解決手段】フェノール類を重合溶媒と触媒および酸素含有ガスの存在下で重合しポリフェニレンエーテルを製造する方法において、重合溶液に占めるフェノール類の含有量が25〜60重量%であることを特徴とする数平均分子量が1000〜20000であるポリフェニレンエーテルの重合方法。
【選択図】なし

Description

本発明は数平均分子量が1000〜20000であるポリフェニレンエーテルを効率的に製造する方法に関するものである。
ポリフェニレンエーテルは加工性・生産性に優れ、溶融射出成形法や溶融押出成形法などの成形方法により所望の形状の製品や部品を効率よく生産できるため、電気・電子分野、自動車分野、その他の各種工業材料分野、食品の包装分野の製品や部品用の材料として幅広く用いられている。
最近、ポリフェニレンエーテルに対して新たな工業用途が求められるに従がって、従来よりも広い範囲の各種分子量を有するポリフェニレンエーテルが他の樹脂の改質や電子材料用途に対して有効であることが期待されており、各種分子量を有するポリフェニレンエーテルの効率的な製造方法が望まれるようになってきた。
比較的低分子量のポリフェニレンエーテルの製造方法として、2,4,6−トリメチルフェノールを加えることでその添加量に応じ得られるポリフェニレンエーテルの分子量を変化させる製法(例えば、特許文献1 参照)が提案されており、また同明細書中には、溶媒としてポリフェニレンエーテルの良溶媒(例えばベンゼン、トルエン、キシレン)とポリフェニレンエーテルの非溶媒(例えばケトン、エーテル、アルコール)の混合溶媒を用い、良溶媒/非溶媒の比を変えることにより種々の分子量のポリマーが得られる旨の提案がされている。しかしこの方法は不正確で要求する分子量のポリマーを得る方法としては適当なものではないと述べられている。また、高分子量ポリフェニレンエーテルと2価のフェノールをラジカル触媒下で再分配させて高分子量のポリフェニレンエーテルを低分子量のポリフェニレンエーテルにする方法(例えば、特許文献2 参照)や、固有粘度0.15〜0.39のポリフェニレンエーテルを合成する工程と固有粘度0.40〜0.65のポリフェニレンエーテルを合成する工程を有し、これらを混合して固有粘度0.3〜0.6のポリフェニレンエーテルを製造する方法(例えば、特許文献3 参照)等も知られている。
しかしながら、これらの方法は生産性を考慮に入れた場合得策ではなく、また高分子量体も混在し、所望する分子量を有するポリフェニレンエーテルを効率よく得ることができなかった。
また、25℃のクロロホルム中で測定して典型的には約0.08〜約0.16dl/gの固有粘度範囲内にある低分子量ポリフェニレンエーテル樹脂を製造する方法として、反応溶媒の脱揮によるポリフェニレンエーテルの単離を含む方法(例えば、特許文献4 参照)が提案されており、重合の終点はインライン式粘度計で決定するのが便利であるが、分子量を測定する、所定の反応時間まで反応を続ける、所定の末端基濃度に調節する、溶液中の酸素濃度を調整するなどといった方法が提案されている。確かに同一反応条件において重合の終点を管理するには、インライン式粘度計を始めとするこれらの方法を用いることも有効ではあるが、昨今望まれている多種の広範囲な分子量を有するポリフェニレンエーテルを製造するためには現実には大幅なプロセスの変更や反応条件の変更が伴い、重合の終点制御は煩雑化を招く結果となる。よって、広い範囲において所望の分子量に安定して制御できる、効率的なポリフェニレンエーテルの製造方法が望まれている。
米国特許第3440217号明細書 特開平9−291148号公報 特開2000−281780号公報 特表2002−536476号公報
本発明における課題は、数平均分子量が1000〜20000であるポリフェニレンエーテルを安定して製造できる効率的なポリフェニレンエーテルの製造方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、重合溶液に占めるフェノール類の含有量を最適化することにより、重合終点制御の精度が向上し所望の分子量に安定して制御できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
[1]フェノール類を重合溶媒と触媒および酸素含有ガスの存在下で重合しポリフェニレンエーテルを製造する方法において、重合溶液に占めるフェノール類の含有量が25〜60重量%であることを特徴とする数平均分子量が1000〜20000であるポリフェニレンエーテルの重合方法、
[2]重合溶液に占めるフェノール類の含有量が25重量%以上35重量%未満であり、数平均分子量が10000〜20000である[1]記載のポリフェニレンエーテルの重合方法、
[3]重合溶液に占めるフェノール類の含有量が35重量%以上45重量%未満であり、数平均分子量が3000〜10000である[1]記載のポリフェニレンエーテルの重合方法、
[4]重合溶液に占めるフェノール類の含有量が45重量%以上55重量%以下であり、数平均分子量が1000〜3000である[1]記載のポリフェニレンエーテルの重合方法、
[5]重合溶媒がC〜C18の芳香族炭化水素およびハロゲン化炭化水素から選ばれる1種又は2種以上である[1]〜[4]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテルの重合方法、
[6]触媒の構成成分が銅化合物、ハロゲン化合物および一般式(1)で表されるジアミン化合物からなる触媒を用いる[1]〜[5]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテルの重合方法、
Figure 2006265298
(式中、R,R,R,Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1から6の直鎖状または分岐状アルキル基で、全てが同時に水素ではない。Rは炭素数2から5の直鎖状またはメチル分岐を持つアルキレン基である。)
である。
本発明のポリフェニレンエーテルの重合方法により、重合終点制御の精度が向上し、所望の分子量に安定して制御ができ、ポリフェニレンエーテルの効率的な製造が可能となった。
以下本発明について具体的に説明する。
本発明は、数平均分子量が1000〜20000であるポリフェニレンエーテルを、フェノール類を触媒と酸素含有ガスの存在下で重合して製造する方法である。
本発明において、ポリフェニレンエーテルの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定することにより求めた。
本発明に用いられるフェノール類は下記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 2006265298
(式中、R,R,Rは各々独立の置換基を表し、Rはアルキル基,置換アルキル基,アラルキル基,置換アラルキル基,アリール基,置換アリール基,アルコキシ基,置換アルコキシ基であり、R,RはRについて定義されたものと同一の基に加え更に水素,ハロゲンであっても良い。)
一般式(2)で表されるような一価フェノール類としては、例えば、o−クレゾール、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−n−プロピルフェノール、2−メチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−イソプロピルフェノール、2−メチル−6−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ビス−(4−フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−6−トリルフェノール、2,6−ジトリルフェノール等が挙げられる。
本発明に於いてこれらの一価フェノール性化合物の中でも2,6−ジメチルフェノールは工業上非常に重要であり好ましく用いられる。これらの一価フェノール性化合物は一種類でも用いられるし、いくつか組み合わせて用いても良い。例えば、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールを組み合わせて使用する方法、2,6−ジメチルフェノールと2,6−ジフェニルフェノールを組み合わせて用いる方法などであり、好ましく用いられる。このような混合の一価フェノール類を用いる場合には2,6−ジメチルフェノールとの比が1:99から99:1の重量比である混合一価フェノール類を用いることである。
また使用する化合物の中に、少量のm−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール等が含まれていても全くかまわない。
またフェノール類として下記一般式(3)で表される二価フェノール化合物を含有させることも可能である。
Figure 2006265298
(式中、Q、Qは各々同一または異なる置換基を表し、水素、アルキル基,置換アルキル基,アラルキル基,置換アラルキル基,アリール基,置換アリール基,アルコキシ基,置換アルコキシ基,ハロゲンを表し、Xは脂肪族炭化水素残基及びそれらの置換誘導体、酸素、イオウ、スルホニル基を表し、Q,Xの結合位置はフェノール水酸基に対してオルソ位またはパラ位を表す。)
一般式(3)で表されるような二価フェノール性化合物は該当する一価フェノール性化合物とケトン類またはジハロゲン化脂肪族炭化水素との反応等により工業的に有利に製造できる。例えばホルムアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン等の汎用のケトン化合物と、一価フェノール性化合物の反応により得られる化合物群である。
上記一般式の構造を持つもので代表的なものは、QとQがメチル基でXがイソプロピリデンである化合物、QとQがメチル基でXがメチレンである化合物、QとQがメチル基でXがチオである化合物、QとQがメチル基でXがシクロヘキシリデンである化合物等であるがこれらの例に限定されないことはいうまでもない。
これらの二価フェノール性化合物は一種類でも用いられるし、いくつか組み合わせて用いても良い。
一般式(3)で表される二価フェノール性化合物を含有させる場合には、一般式(2)記載の一価フェノール類に対する一般式(3)の二価フェノール性化合物の量は特に制限されないが、一価フェノール類に対して、0.1から30モル%とするのが好ましい。
本発明の特徴は重合溶液に占めるフェノール類の含有量が25〜60重量%であることであり、フェノール類の含有量を最適化することにより重合終点制御の精度が向上し、所望の分子量を有するポリフェニレンエーテルが製造可能となる。
重合溶液に占めるフェノール類の好ましい含有量は、25重量%以上35重量%未満とすることで数平均分子量が10000〜20000のポリフェニレンエーテルが好適に制御でき、また、35重量%以上45重量%未満とすることで数平均分子量が3000〜10000のポリフェニレンエーテルが好適に制御でき、さらにまた、45重量%以上55重量%以下とすることで数平均分子量が1000〜3000のポリフェニレンエーテルが好適に制御できる。
また、フェノール類の供給方法は特に限定されないが、触媒および酸素含有ガスの存在する重合溶液に連続的に供給することで、未反応モノマーの蓄積も減り、不要なニ価フェノール体の副生成物の生成量が減少するため好ましい。
本発明で用いられる触媒は、一般的にポリフェニレンエーテルの製造に用いることができる公知の触媒系が全て使用できる。一般的に知られている触媒系は、酸化還元能を有する遷移金属イオンとこの金属イオンと錯形成可能なアミン化合物からなるものが知られており、例えば銅化合物とアミンからなる触媒系、マンガン化合物とアミンからなる触媒系、コバルト化合物とアミンからなる触媒系、等である。重合反応は若干のアルカリ性条件下で効率よく進行するため、ここに若干のアルカリもしくは更なるアミンを加えることもある。
本発明で好適に使用される触媒は、触媒の構成成分として銅化合物、ハロゲン化合物および一般式(1)で表されるジアミン化合物からなる触媒を用いることである。
Figure 2006265298
(式中、R,R,R,Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1から6の直鎖状または分岐状アルキル基で、全てが同時に水素ではない。Rは炭素数2から5の直鎖状またはメチル分岐を持つアルキレン基である)
ここで述べられた触媒成分の銅化合物の例を列挙する。好適な銅化合物としては第一銅化合物、第二銅化合物またはそれらの混合物を使用することができる。
第二銅化合物としては、例えば塩化第二銅、臭化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅等を例示することができる。また第一銅化合物としては、例えば塩化第一銅、臭化第一銅、硫酸第一銅、硝酸第一銅等を例示することができる。これらの中で特に好ましい金属化合物は塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅である。またこれらの銅塩は酸化物(例えば酸化第一銅)、炭酸塩、水酸化物等と対応するハロゲンまたは酸から使用時に合成しても良い。しばしば用いられる方法は先に例示の酸化第一銅とハロゲン化水素(またはハロゲン化水素の溶液)を混合して作成する方法である。
ハロゲン化合物としては例えば塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム等である。またこれらは水溶液や適当な溶媒を用いた溶液として使用できる。これらのハロゲン化合物は、成分として単独でも用いられるし、2種類以上組み合わせて用いても良い。好ましいハロゲン化合物は、塩化水素の水溶液、臭化水素の水溶液である。
これらの化合物の使用量は特に限定されないが、銅原子のモル量に対してハロゲン原子として2倍以上20倍以下が好ましく、使用されるフェノールの100モルに対して好ましい銅原子の使用量としては0.02モルから0.6モルの範囲である。
次に触媒成分のジアミン化合物の例を列挙する。例えばN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−N−エチルエチレンジアミン、N−n−プロピルエチレンジアミン、N,N’−ジ−n−プロピルエチレンジアミン、N−i−プロピルエチレンジアミン、N,N’−ジ−i−プロピルエチレンジアミン、N−n−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジ−n−ブチルエチレンジアミン、N−i−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジ−i−ブチルエチレンジアミン、N−t−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’−トリメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N−メチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノ−1−メチルプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノ−2−メチルプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,5−ジアミノペンタン等が挙げられる。本発明にとって好ましいジアミン化合物は2つの窒素原子をつなぐアルキレン基の炭素数が2または3のものである。これらのジアミン化合物の使用量は特に限定されないが、通常使用されるフェノールの100モルに対して0.01モルから10モルの範囲で用いられる。
本発明において触媒の構成成分として、更に3級モノアミン化合物または2級モノアミン化合物をそれぞれ単独で、またはこれらを組み合わせて含ませることは好ましい。
3級モノアミン化合物とは、脂環式3級アミンを含めた脂肪族3級アミンである。例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、アリルジエチルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。これらの第3級モノアミンは単独でも用いられるし、2種類以上組み合わせて用いても良い。これらの使用量は特に限定されないが、通常使用されるフェノールの100モルに対して15モル以下の範囲が好ましい。
2級モノアミン化合物の例として、第2級脂肪族アミンとしては例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−iso−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−iso−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジペンチルアミン類、ジヘキシルアミン類、ジオクチルアミン類、ジデシルアミン類、ジベンジルアミン類、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、シクロヘキシルアミンが挙げられる。芳香族を含む2級モノアミン化合物の例としては、N−フェニルメタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルプロパノールアミン、N−(m−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(2’,6’−ジメチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−クロロフェニル)エタノールアミン、N−エチルアニリン、N−ブチルアニリン、N−メチル−2−メチルアニリン、N−メチル−2,6−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン等が挙げられるがこれらの例には限定されない。これらの2級モノアミン化合物は単独でも用いられるし、2種類以上組み合わせて用いても良い。使用量は特に限定されないが、通常使用されるフェノールの100モルに対し15モル以下の範囲が好ましい。
2級モノアミン化合物と3級モノアミン化合物はそれぞれ触媒の構成成分としてそれぞれ単独で用いても良いし、これらを組み合わせて用いても良い。
本発明には活性に向上効果を有することが知られている界面活性剤を添加することについて何ら制限されない。例えば、Aliquat336やCapriquatの商品名で知られるトリオクチルメチルアンモニウムクロライドである。使用量は重合反応混合物の全量に対して0.1wt%を超えない範囲が好ましい。
本発明の重合における酸素含有ガスは純酸素の他、酸素と窒素等の不活性ガスとを任意の割合で混合したもの、空気、更には空気と窒素等の不活性ガスとを任意の割合で混合したもの等が使用できる。重合反応中の系内圧力は常圧で充分であるが必要に応じて減圧でも加圧でも使用できる。これらの中で好ましい酸素含有ガスは純酸素、空気である。酸素含有ガスの供給量は、フェノール類を重合するのに十分な量、つまりフェノール類1モルに対し酸素が0.5モル以上が好ましく、0.5〜20モル供給することがより好ましい。
重合の温度は特に限定されないが、低すぎると反応が進行しにくく、また高すぎると反応の選択性が低下することがあるので、0〜80℃、好ましくは30〜50℃の範囲である。
本発明の重合溶媒としては、一般的にポリフェニレンエーテルの重合に用いられる各種の良溶媒が使用可能である。ポリフェニレンエーテルの重合に用いられる良溶媒とは、ポリフェニレンエーテルを溶解させることができる溶媒である。このような溶媒を例示すると、ベンゼン、トルエン、キシレン(o−、m−、p−の各異性体を含む)、エチルベンゼン、スチレン等のC〜C18芳香族炭化水素、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼンのようなニトロ化合物が挙げられる。また若干の貧溶媒性を持ってはいるものの良溶媒に分類されるものとしては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、ギ酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等が例示される。これらの良溶媒は、単独でも用いられるし、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの中でも好ましい良溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン(o−、m−、p−の各異性体を含む)、エチルベンゼン、スチレン等のC〜C18芳香族炭化水素やクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が挙げられ、ベンゼン、トルエン、キシレン(o−、m−、p−の各異性体を含む)、エチルベンゼン、スチレン等のC〜C18芳香族炭化水素がより好ましい。
本発明のポリフェニレンエーテルを得る重合槽の様態は特に限定されない。1槽の重合槽で重合を完結させてもよく、2槽以上の重合槽を用いて重合を完結させてもよい。
重合反応終了後の後処理方法については、特に制限はない。通常、塩酸や酢酸等の酸、またはエチレンジアミン4酢酸(EDTA)及びその塩、ニトリロトリ酢酸及びその塩等の金属キレート剤を反応液に加えて触媒を失活させる。反応槽の腐食を抑制する目的で、金属キレート剤を用いることは好ましく、失活させた触媒の金属錯体を含水溶液で回収する方法が一般に利用される。金属キレート剤と触媒との平衡化を促進させる目的で、該平衡化を40〜100℃で実施することも好ましい。
また、ポリフェニレンエーテルの重合により生じる二価フェノール体の副生成物を処理する方法も、従来既知の方法を用いて行うことができる。上記の様に触媒である金属イオンが実質的に失活されている状態であれば、該混合物を加熱するだけで脱色される。また既知の還元剤を必要量添加する方法でも可能である。既知の還元剤はハイドロキノン、亜二チオン酸ナトリウム等が挙げられる。その後、触媒の洗浄除去を目的として、貧溶媒を主成分とする溶液を用いて繰り返し洗浄を実施することが好ましい。その後、各種乾燥機を用いた乾燥工程において乾燥するという操作でポリフェニレンエーテルが回収できる。
次に実施例によって本発明を説明する。なお、数平均分子量は標準ポリスチレンによる校正曲線を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。
[実施例1]
酸素含有ガス導入の為のスパージャー、攪拌タービン翼、バッフル、温度計、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた1.5リットルのジャケット付き重合槽に、7.0l/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.64gの酸化第一銅、4.84gの47%臭化水素水、1.86gのN,N’−t−ブチルエチレンジアミン、7.51gのジ−n−ブチルアミン、16.01gのジメチル−n−ブチルアミン、469.1gのトルエン、500.0gの2,6−ジメチルフェノールを入れ攪拌により液を混合させた。この溶液に占める2,6−ジメチルフェノールの含有量は50重量%である。次いで760ml/分の速度で酸素をスパージャーより導入を始めた(この酸素の流量は、理論上重合に要する酸素を約60分で供給できる流量に相当する)。
重合中は反応溶液が40℃を保つようにジャケットに熱媒を通して調節した。
分子量を測定するために、酸素導入後100分、120分、140分に重合槽から反応溶液を約2g抜き出し、エチレンジアミン四酢酸3カリウム塩の10%水溶液を0.3g添加した。
抜き出した反応溶液は、ポリフェニレンエーテルを約0.1重量%含有するクロロホルム溶液に調整し数平均分子量の測定を行った。結果を表1に示した。
[実施例2]
1.5リットルのジャケット付き重合槽に、6.0l/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.52gの酸化第一銅、3.88gの47%臭化水素水、1.49gのN,N’−t−ブチルエチレンジアミン、6.01gのジ−n−ブチルアミン、12.81gのジメチル−n−ブチルアミン、575.3gのトルエン、400.0gの2,6−ジメチルフェノールを入れ攪拌により液を混合させた。この溶液に占める2,6−ジメチルフェノールの含有量は40重量%である。次いで610ml/分の速度で酸素をスパージャーより導入を始めた。(この酸素の流量は、理論上重合に要する酸素を約60分で供給できる流量に相当する)他の操作および各測定は実施例1と同様に行い結果を表1に示した。
[実施例3]
1.5リットルのジャケット付き重合槽に、4.5l/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.39gの酸化第一銅、2.91gの47%臭化水素水、1.11gのN,N’−t−ブチルエチレンジアミン、4.51gのジ−n−ブチルアミン、9.60gのジメチル−n−ブチルアミン、681.5gのトルエン、300.0gの2,6−ジメチルフェノールを入れ攪拌により液を混合させた。この溶液に占める2,6−ジメチルフェノールの含有量は30重量%である。次いで460ml/分の速度で酸素をスパージャーより導入を始めた。(この酸素の流量は、理論上重合に要する酸素を約60分で供給できる流量に相当する)その他の操作および各測定は実施例1と同様に行い結果を表1に示した。
[比較例1]
1.5リットルのジャケット付き重合槽に、3.0l/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.26gの酸化第一銅、1.94gの47%臭化水素水、0.74gのN,N’−t−ブチルエチレンジアミン、3.01gのジ−n−ブチルアミン、6.40gのジメチル−n−ブチルアミン、787.7gのトルエン、200.0gの2,6−ジメチルフェノールを入れ攪拌により液を混合させた。この溶液に占める2,6−ジメチルフェノールの含有量は20重量%である。次いで300ml/分の速度で酸素をスパージャーより導入を始めた(この酸素の流量は、理論上重合に要する酸素を約60分で供給できる流量に相当する。)。その他の操作および各測定は実施例1と同様に行い結果を表1に示した。
[比較例2]
1.5リットルのジャケット付き重合槽に、1.5l/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.13gの酸化第一銅、0.97gの47%臭化水素水、0.37gのN,N’−t−ブチルエチレンジアミン、1.50gのジ−n−ブチルアミン、3.20gのジメチル−n−ブチルアミン、893.8gのトルエン、100.0gの2,6−ジメチルフェノールを入れ攪拌により液を混合させた。この溶液に占める2,6−ジメチルフェノールの含有量は10重量%である。次いで150ml/分の速度で酸素をスパージャーより導入を始めた。(この酸素の流量は、理論上重合に要する酸素を約60分で供給できる流量に相当する)その他の操作および各測定は実施例1と同様に行い結果を表1に示した。
Figure 2006265298
表1から明らかなように、本発明の重合方法を採ることにより広い範囲の分子量を有するポリフェニレンエーテルの造り分けが可能となり、且つ重合時間による分子量の変動が大きく抑制できる。つまり、本発明の範囲においてフェノール類の含有量を選択することにより重合終点制御の精度が高まり、各種の所望する分子量を有するポリフェニレンエーテルを効率よく安定に製造することが可能となる。
所望の分子量に安定して制御できるポリフェニレンエーテルの重合方法として好適である。

Claims (6)

  1. フェノール類を重合溶媒と触媒および酸素含有ガスの存在下で重合しポリフェニレンエーテルを製造する方法において、重合溶液に占めるフェノール類の含有量が25〜60重量%であることを特徴とする数平均分子量が1000〜20000であるポリフェニレンエーテルの重合方法。
  2. 重合溶液に占めるフェノール類の含有量が25重量%以上35重量%未満であり、数平均分子量が10000〜20000である請求項1記載のポリフェニレンエーテルの重合方法。
  3. 重合溶液に占めるフェノール類の含有量が35重量%以上45重量%未満であり、数平均分子量が3000〜10000である請求項1記載のポリフェニレンエーテルの重合方法。
  4. 重合溶液に占めるフェノール類の含有量が45重量%以上55重量%以下であり、数平均分子量が1000〜3000である請求項1記載のポリフェニレンエーテルの重合方法。
  5. 重合溶媒がC〜C18の芳香族炭化水素およびハロゲン化炭化水素から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜4のいずれかに記載のポリフェニレンエーテルの重合方法。
  6. 触媒の構成成分が銅化合物、ハロゲン化合物および一般式(1)で表されるジアミン化合物からなる触媒を用いる請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテルの重合方法。
    Figure 2006265298
    (式中、R,R,R,Rはそれぞれ独立に水素、炭素数1から6の直鎖状または分岐状アルキル基で、全てが同時に水素ではない。Rは炭素数2から5の直鎖状またはメチル分岐を持つアルキレン基である。)
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