JP2006265156A - 2−デオキシ−l−リボフラノシルクロリド化合物の製造方法 - Google Patents

2−デオキシ−l−リボフラノシルクロリド化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、工業的生産に適した、効率的な2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の製造方法、さらには該2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の製造に重要な中間体化合物および該中間体化合物の製造方法の提供。
【解決手段】 2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物を脱ハロゲン化し、で表される2−デオキシ−L−リボフラノース化合物を得た後、該2−デオキシ−L−リボフラノース化合物を塩素化試薬と反応させることを特徴とする2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の製造方法に関し、さらに本発明は該2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の製造に重要な中間体化合物および該中間体化合物の製造方法に関する。
2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物(後掲式(3)の化合物)は、B型肝炎薬として知られている各種のL−ヌクレオシド化合物(例えば非特許文献1参照)の合成中間体として有用な化合物である(例えば非特許文献2参照)。
2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の製造方法としては、例えば2−デオキシ−L−リボースを出発原料とし1−アルキル−2−デオキシ−L−リボフラノースを経て3工程で製造する方法(例えば非特許文献3参照)が知られている。
しかしながら、2−デオキシ−L−リボースは対応するD体と異なり天然に存在しないので、2−デオキシ−L−リボース及びその誘導体化合物は、天然に存在する光学活性化合物であるL−アラビノース、L−リボース、L−アスコルビン酸、D−ガラクトース、D−アラビノース、2−デオキシ−D−リボース、D−キシロースなどを出発原料として製造するか、又は不斉反応を利用して別途製造する必要がある。従って、上記方法では、結果的に2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の製造に非常に多くの工程を要し、効率的に満足のいく製法とは言い難い。
2−デオキシ−L−リボースや1−アルキル−2−デオキシ−L−リボフラノースを経由しない製造方法としては、例えば、L−アラビノースを出発原料として4工程で合成されるフェニルチオオルトエステル誘導体のラジカル還元条件下での転位を鍵反応として、1位、3位及び5位がアシル基で保護された2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物を直接的に製造する方法が知られている(例えば非特許文献4参照)。この方法では、出発物質のL−アラビノースから目的物の2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物が6工程で得られるものの、悪臭や発火性、毒性の為に工業的に使用が困難なエタンチオールや水素化トリブチルスズを用いる必要があり、工業的な観点からは満足できる方法ではなかった。
また、D−キシロースを出発原料とし、5−ブロモ−2,5−ジデオキシ−D−threo−ペントノ−1,4−ラクトンの、塩基条件下での転位(Payne転位)を鍵反応として、8工程で2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物を製造する方法も知られている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、通し収率が9%と低く、工業的、経済的な観点からは満足される方法ではなかった。
さて一方で、D−アラビノースから誘導される1−メチル−D−アラビノフラノース化合物を臭化亜鉛存在下、ジブロモメチルメチルエーテルと反応させることによって、2−ブロモ−2−デオキシ−1−メチル−D−アラビノフラノース化合物が得られることが報告されている(非特許文献5参照)。
ここで反応に用いられているジブロモメチルメチルエーテルは、カテコールから2工程で調製される2,2,2−トリブロモ−2,2−デヒドロ−1,3,2−ジオキサホスホールによりギ酸メチルをジブロモ化することによって合成できることが知られている(非特許文献6参照)。しかしながら、このようなジブロモメチルメチルエーテルの製造は操作が煩雑で収率も高くなく、これを使用した上記2−ブロモ−2−デオキシ−1−メチル−D−アラビノフラノース化合物の製造方法は工業的に満足のいく方法とは必ずしも言えなかった。また、対応するL体の合成についての報告はなされていない。
国際公開05/21281号パンフレット Hodge R Anthony Vere、カレント・オピニオン・イン・インベスティゲーショナル・ドラッグス、5巻、232頁、2004年(Current Opinion in Investigational Drugs 2004, 5, 232.) S. Fujimoriら、ヌクレオシド・アンド・ヌクレオチド、11巻、341頁、1992年(Nucleosides & Nucleotides 1992, 11, 341)、J. Smejkalら、コレクション・オブ・チェコスロバキア・ケミカル・コミュニケーションズ、29巻、2809頁、1964年(Collection of Czechoslovak Chemical Communications, 1964, 29, 2809) S. Fujimoriら、ヌクレオシド・アンド・ヌクレオチド、11巻、341頁、1992年(Nucleosides & Nucleotides 1992, 11, 341)、M. Hoffer、ケミッシェ・ベリヒテ、93巻、2777頁、1960年(Chem. Ber. 1960, 93, 2777) M. E. Jungら、オーガニック・レターズ、1巻、1517頁、1999年 (Organic Letters. 1999, 1, 1517) K. Bockら、アクタ・ケミカ・スカンジナビカ・B、29巻、185頁、1975年(Acta Chem. Scand. B 1975, 29, 185) G. Hansら、ジャーナル・フー・プラクティシェ・ケミー、29巻、315頁、1965年(J. Prakt. Chem. 1965, 29, 315)
本発明は、工業的生産に適した、効率的な2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の製造方法、さらには該2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の製造に重要な中間体化合物および該中間体化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物を脱ハロゲン化し、2−デオキシ−L−リボフラノース化合物を得た後、塩素化試薬と反応させることにより、2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物が効率的に製造できることを見出した。
このように該2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物は2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の重要な製造中間体となる新規物質であり、さらに該2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物は、公知化合物であるL−アラビノフラノース化合物又はL−アラビノフラノシルハライド化合物から、特定のハロゲン化試薬及び酸の存在下に反応させた後、さらにアルコールと反応させることにより効率的に製造できることを見出した。
本発明者らは以上の知見に基づき本発明を完成させた。すなわち本発明は以下の内容を含むものである。
[1] 式(1):
Figure 2006265156
[式中、R及びRは各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。]
で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物を脱ハロゲン化し、式(2):
Figure 2006265156
[式中、R、R及びRは前記と同じ意味を示す。]
で表される2−デオキシ−L−リボフラノース化合物を得た後、該2−デオキシ−L−リボフラノース化合物を塩素化試薬と反応させることを特徴とする式(3):
Figure 2006265156
[式中、R及びRは前記と同じ意味を示す。]
で表される2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の製造方法。
[2] 脱ハロゲン化が、亜リン酸エステル、次亜リン酸、次亜リン酸塩、ニッケル触媒及びパラジウム触媒からなる群より選択される少なくとも1種の存在下に行われる上記[1]記載の製造方法。
[3] 塩素化試薬が、塩化水素、塩化ホウ素、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化トリアルキルシリル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化スルフリル、四塩化チタン、塩化亜鉛および塩化アセチルからなる群より選択される少なくとも1種の存在下に行われる上記[1]記載の製造方法。
[4] Xが臭素原子である上記[1]記載の製造方法。
[5] R及びRがいずれも置換基を有していてもよいアリール基である上記[1]記載の製造方法。
[6] 式(4):
Figure 2006265156
[式中、R、R及びRは各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示す。]
で表されるL−アラビノフラノース化合物又は式(5):
Figure 2006265156
[式中、R、R及びRは前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原子を示す。]
で表されるL−アラビノフラノシルハライド化合物を、ハロゲン化試薬及び酸の存在下反応させた後、さらにアルコールと反応させ、式(1):
Figure 2006265156
[式中、R及びRは前記と同じ意味を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。]
で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物を得る工程を更に含む、上記[1]〜[5]いずれかに記載の製造方法。
[7] ハロゲン化試薬が臭化水素、三臭化リン及び臭化アセチルからなる群より選択される少なくとも1種である上記[6]記載の製造方法。
[8] 酸が塩化亜鉛、臭化亜鉛及び臭化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種である上記[6]記載の製造方法。
[9] 式(1):
Figure 2006265156
[式中、R及びRは各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。]
で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物を脱ハロゲン化することを特徴とする、式(2):
Figure 2006265156
[式中、R、R及びRは前記と同じ意味を示す。]
で表される2−デオキシ−L−リボフラノース化合物の製造方法。
[10] 脱ハロゲン化が、亜リン酸エステル、次亜リン酸、次亜リン酸塩、ニッケル触媒及びパラジウム触媒からなる群より選択される少なくとも1種の存在下に行われる上記[9]記載の製造方法。
[11] Xが臭素原子である上記[9]記載の製造方法。
[12] R、R及びRがいずれも置換基を有していてもよいアリール基である上記[9]記載の製造方法。
[13] 下式(4):
Figure 2006265156
[式中、R、R及びRは各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示す。]
で表されるL−アラビノフラノース化合物又は下記式(5):
Figure 2006265156
[式中、R、R及びRは前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原子を示す。]
で表されるL−アラビノフラノシルハライド化合物を、臭化水素、三臭化リン及び臭化アセチルからなる群より選択される少なくとも1種並びに酸の存在下反応させた後、さらにアルコールと反応させることを特徴とする、式(1’):
Figure 2006265156
[式中、R及びRは前記と同じ意味を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示し、Xは臭素原子を示す。]
で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物の製造方法。
[14] 酸が塩化亜鉛、臭化亜鉛及び臭化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種である上記[13]記載の製造方法。
[15] Xが臭素原子である上記[13]記載の製造方法。
[16] 式(6)
Figure 2006265156
[式中、R及びRは各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、X及びXは各々独立してハロゲン原子を示す。]
で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノシルハライド化合物。
[17] X及びXが臭素原子である上記[16]記載の化合物。
[18] R及びRがいずれも置換基を有していてもよいアリール基である上記[16]記載の化合物。
[19] 式(1)
Figure 2006265156
[式中、R及びRは各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。]
で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物。
[20] Xが臭素原子である上記[19]記載の化合物。
[21] R及びRがいずれも置換基を有していてもよいアリール基である上記[19]記載の化合物。
本発明によれば、工業的生産に適した、効率的な2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の製造方法、さらには該2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の製造に重要な中間体化合物および該中間体化合物の製造方法が提供される。
本発明における式中、R及びRは、各々独立して、アルキル基又はアラルキル基を示す。アルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和アルキル基を挙げることができる。アラルキル基としては、置換基を有していてもよい炭素数7〜15のアラルキル基を挙げることができる。R及びRとしては、特に炭素数1〜4の直鎖の飽和アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基もしくはブチル基)又はベンジル基が好ましい。
本発明における式中、R、R及びRは、各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示す。置換基を有する場合の置換基としては、特に限定されず、例えばアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、ニトロ基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、ハロゲン原子等が挙げられる。アリール基としては置換基を有していてもよいフェニル基が好ましく、特にフェニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基が好ましい。置換基を有していてもよいアルキル基としては炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖の飽和アルキル基、すなわち、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。
本発明における式中、Xはハロゲン原子を示す。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、臭素原子もしくはヨウ素原子が好ましく、特に臭素原子が好ましい。
本発明における式中、Xはハロゲン原子を示す。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、フッ素原子、塩素原子もしくは臭素原子が好ましく、特に臭素原子が好ましい。
本発明において原料として使用される式(4)で表されるL−アラビノフラノース化合物及び式(5)で表されるL−アラビノフラノシルハライド化合物は、いずれもL−アラビノースから既知の方法により、それぞれ2工程ないし3工程で容易に製造することができる(例えば国際出願WO98/39347参照)。
次に式(4)で表されるL−アラビノフラノース化合物又は式(5)で表されるL−アラビノフラノシルハライド化合物を、特定のハロゲン化試薬及び酸の存在下反応させた後、さらにアルコールと反応させ、式(1)で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物を製造する方法について説明する。本工程は以下のスキームで表すことができる。
Figure 2006265156
[式中の各記号は前記と同じ意味を示す。]
式(6)で表される化合物は上記反応工程において特定のハロゲン化試薬及び酸の存在下反応させた後に生じる中間物質であり、本工程において一旦単離して用いることもできるが、通常その必要はなく、反応溶液中でアルコールと反応させることにより、式(1)で表される化合物へと誘導される。本工程において式(6)で表される化合物が一旦系内より単離される場合も、本発明に含まれるのは言うまでもない。
本発明において用いられるハロゲン化試薬としては、X1がフッ素原子の場合、フッ素、フッ化水素、四フッ化硫黄、ジアルキルアミノサルファートリフルオリドが挙げられる。
またX1が塩素原子の場合、塩素、塩化水素、塩化リチウム、塩化ホウ素、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化トリアルキルシリル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化スルフリル、塩化カルシウム、四塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アセチル、アセトキシイソブチリルクロリド、ジクロロメチルブチルエーテル、ジクロロメチルメチルエーテル、2−クロロ−2,2−デヒドロ−1,3,2−ジオキサホスホール、2,2,2−トリクロロ−2,2−デヒドロ−1,3,2−ジオキサホスホールが挙げられる。
またX1が臭素原子の場合、臭素、臭化水素、臭化リチウム、臭化ホウ素、臭化アンモニウム、臭化マグネシウム、臭化アルミニウム、臭化トリアルキルシリル、三臭化リン、五臭化リン、オキシ臭化リン、臭化チオニル、臭化カルシウム、四臭化チタン、臭化亜鉛、臭化アセチル、アセトキシイソブチリルブロミド、ジブロモメチルブチルエーテル、ジブロモメチルメチルエーテル、2−ブロモ−2,2−デヒドロ−1,3,2−ジオキサホスホール、2,2,2−トリブロモ−2,2−デヒドロ−1,3,2−ジオキサホスホールが挙げられる。特に、臭化水素、臭化ホウ素、臭化トリアルキルシリル、三臭化リン、五臭化リン、オキシ臭化リン、臭化チオニル、臭化アセチル、アセトキシイソブチリルブロミド、ジブロモメチルブチルエーテル、ジブロモメチルメチルエーテルが好ましく、臭化水素、三臭化リンまたは臭化アセチルが最も好ましい。
またX1がヨウ素原子の場合、ヨウ素、ヨウ化水素、ヨウ化リチウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化トリアルキルシリル、三ヨウ化リン、ヨウ化カルシウム、四ヨウ化チタン、ヨウ化亜鉛、2−クロロ−2,2−ジヨード−2,2−デヒドロ−1,3,2−ジオキサホスホールが挙げられる。特に、ヨウ化水素、臭化トリアルキルシリル、三ヨウ化リンが好ましい。
なお、本発明において2−デオキシ−L−リボフラノース化合物や2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物を製造する目的においては、次工程で脱ハロゲン化を行う必要があるため、本発明におけるXとしては、脱ハロゲン化の容易さの観点から、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。また、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物の合成の観点から、反応の容易さがハロゲン原子の求核性により大きく影響を受けるため、本発明におけるXとしては、求核性が大きいハロゲン原子である臭素原子やヨウ素原子がXとしてこの点からも好ましい。さらに経済性を併せて考慮すると特に臭素原子が最も好ましい。本発明におけるハロゲン化試薬としては、上記の観点から特に優れる臭化水素、三臭化リンまたは臭化アセチルが最も好ましく用いられる。
本発明において用いられる酸としては、例えばフッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、三フッ化ホウ素エーテル錯体、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、塩化トリアルキシリル、臭化トリアルキシリル、ヨウ化トリアルキシリル、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛等が挙げられる。酸としては、特に塩化亜鉛、臭化亜鉛、臭化アルミニウムが好ましい。なお、酸がハロゲン化試薬としても働く場合、他の酸を存在させていてもいなくてもよい。
ハロゲン化試薬及び酸の使用量は特に限定されないが、L−アラビノフラノース化合物又はL−アラビノフラノシルハライド化合物に対して各々モル比で0.2〜10当量、好ましくは0.5〜3当量作用させればよい。反応溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等が、単独もしくは混合物として用いられるが、特にジクロロメタンやクロロホルムが好ましい。また、これらの反応溶媒は、反応に悪影響を与えない程度のプロトン性溶媒(例えば水、メタノール、エタノール等)を含んでいてもよい。反応温度は用いるハロゲン化試薬、酸や溶媒の組み合わせによっても異なり特に限定されないが、好ましくは0〜100℃である。反応時間も特に限定されないが、好ましくは10分から50時間程度である。反応終了後、必要に応じて反応液を希塩酸や炭酸水素ナトリウム水溶液、水等を加えて反応を停止し、適当な有機溶媒で抽出する等の処理を行えばよい。
上述したように、この段階で得られる2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノシルハライド化合物(6)はカラムクロマトグラフィー、晶析等の当業者に公知の方法により反応溶液より固体として単離して用いることもできるが、通常その必要はなく、収率を向上させる上で、反応溶液をそのまま、あるいは必要により溶媒量を調整する、溶媒を置換するなどして、次の工程に使用し、アルコールとの反応を行うのが好ましい。
次に、得られた式(6)で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノシルハライド化合物をアルコールと反応させ、式(1)で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物を製造する方法について説明する。
式(6)で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノシルハライド化合物のグリコシルハライド部位は、酸存在下、アルコールを反応させることによって容易に加アルコール分解することができる。使用するアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−プロパノール、2−ブタノール等の低級アルコールを用いることができる。酸としては、特に限定されないが、例えばフッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。
反応温度は特に限定されないが、好ましくは−10〜50℃である。反応時間は用いるアルコールや反応温度によっても変化するが、例えばメタノールを用いて室温で反応を行った場合は10分から2時間程度で反応が完結する。
反応溶液から目的物を単離する方法は特に限定されず、当業者が通常用いる手段によることができる。例えば、得られた反応溶液を必要により濃縮し、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の溶媒やこれらの混合溶媒で抽出を行う。次に、抽出溶液を必要により濃縮し、溶液を40℃から80℃程度に加温した後、−20℃から室温に冷却して冷却晶析を行うことで、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物の結晶を得ることができる。また、クロマトグラフィー等の手段により化合物を固体として得ることもできる。
なお、さらに2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物からさらに先の化合物に誘導する場合には、単離や精製を行うことなく、反応溶液をそのまま、あるいは必要により溶媒量を調整する、溶媒を置換するなどして、次の工程に使用してもよい。
次に、式(1)で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物を脱ハロゲン化して式(2)で表される2−デオキシ−L−リボフラノース化合物を製造する方法について説明する。
式(1)で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物は、水素化トリブチルスズ、水素化トリエチルシラン、亜リン酸エステル、次亜リン酸及び次亜リン酸塩を用いるラジカル還元、パラジウム触媒等を用いる水素還元又はニッケル触媒によって脱ハロゲン化することができる。次亜リン酸塩としては、例えば、次亜リン酸N−エチルピペリジニウム、次亜リン酸トリエチルアンモニウム、次亜リン酸ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
脱ハロゲン化剤として水素化トリブチルスズや水素化トリエチルシランを用いる場合、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、トリエチルボラン等のラジカル反応開始剤を共存させる。脱ハロゲン化剤の使用量は特に限定されないが、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物に対してモル比で1〜10当量作用させればよい。ラジカル反応開始剤の使用量も特に限定されないが、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物に対してモル比で0.05〜10当量、好ましくは0.1〜1.5当量作用させればよい。
反応溶媒としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、アセトニトリル、アセトン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等が、単独もしくは混合物として用いられるが、特にトルエンが好ましい。反応温度は用いる溶媒によっても異なり特に限定されないが、好ましくは0〜140℃である。反応時間は用いる溶媒や反応温度によっても変化するが、例えばトルエンを用いて110℃で反応を行った場合は1時間から24時間程度で反応が完結する。
脱ハロゲン化剤として亜リン酸エステルや次亜リン酸及び次亜リン酸塩を用いる場合、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、V−50、トリエチルボラン等のラジカル反応開始剤を共存させる。また、必要に応じてトリエチルアミン等の塩基を共存させていてもよい。脱ハロゲン化剤の使用量は特に限定されないが、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物に対してモル比で1〜10当量作用させればよい。ラジカル反応開始剤の使用量も特に限定されないが、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物に対してモル比で0.05〜10当量、好ましくは0.1〜1.5当量作用させればよい。
反応溶媒としては水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、アセトニトリル、アセトン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等が、単独もしくは混合物として用いられるが、特にアセトニトリルと水の混合溶媒が好ましい。反応温度は用いる溶媒によっても異なり特に限定されないが、好ましくは0〜140℃である。反応時間は用いる溶媒や反応温度によっても変化するが、例えばアセトニトリルと水の混合溶媒を用いて80℃で反応を行った場合は1時間から24時間程度で反応が完結する。
脱ハロゲン化剤としてニッケル触媒を用いる場合、ニッケル触媒の使用量は特に限定されないが、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物に対して3〜20重量倍存在させればよい。また、必要に応じてトリエチルアミン等の塩基を共存させていてもよい。反応溶媒としては水、メタノール、エタノール等が、単独もしくは混合物として用いられる。反応温度は用いる溶媒によっても異なり特に限定されないが、好ましくは20〜100℃である。反応時間は用いる溶媒や反応温度によっても変化するが、例えばエタノールを用いて70℃で反応を行った場合は1時間から24時間程度で反応が完結する。
脱ハロゲン化剤としてパラジウム触媒を用いる場合、水素雰囲気下で反応を行う。パラジウム触媒の使用量は特に限定されないが、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物に対して1〜100重量%存在させればよい。また、必要に応じてトリエチルアミン等の塩基を共存させていてもよい。反応溶媒としては水、メタノール、エタノール、2−プロパノール等が、単独もしくは混合物として用いられる。反応温度は用いる溶媒によっても異なり特に限定されないが、好ましくは10〜100℃である。反応時間は用いる溶媒や反応温度によっても変化するが、例えば2−プロパノールを用いて80℃で反応を行った場合は1時間から24時間程度で反応が完結する。
工業的に使用する上での安全性の観点から、脱ハロゲン化剤としては亜リン酸エステル、次亜リン酸及び次亜リン酸塩、ニッケル触媒、又はパラジウム触媒を用いるのが好ましい。
反応溶液から目的物を単離する方法は特に限定されず、当業者が通常用いる手段によることができる。例えば、得られた反応溶液を必要により濃縮し、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の溶媒やこれらの混合溶媒で抽出を行う。次に、抽出溶液を必要により濃縮し、溶液を25℃から100℃程度に加温した後、−20℃から室温に冷却して冷却晶析を行うことで、2−デオキシ−L−リボフラノース化合物の結晶を得ることができる。またクロマトグラフィー等の手段により化合物を固体として得ることもできる。また反応溶液を必要により濃縮し、抽出操作を行わず、直接上記のような条件で冷却晶析を行い、得られた結晶を適当な溶媒で洗浄することで2−デオキシ−L−リボフラノース化合物の結晶を得ることもできる。なお、さらに2−デオキシ−L−リボフラノース化合物から先の化合物に誘導する場合には、単離や精製を行うことなく、反応溶液をそのまま、あるいは必要により溶媒量を調整する、溶媒を置換するなどして、次の工程に使用してもよい。
式(2)で表される2−デオキシ−L−リボフラノース化合物は、例えばB型肝炎薬として知られている各種のL−ヌクレオシド化合物の合成中間体として有用な公知の化合物(例えばS. Fujimoriら、ヌクレオシド・アンド・ヌクレオチド、11巻、341頁、1992年(Nucleosides & Nucleotides 1992, 11, 341)参照)であり、例えば以下のような公知の方法により、より進んだ形の中間体に誘導されることが知られている(S. Fujimoriら、ヌクレオシド・アンド・ヌクレオチド、11巻、341頁、1992年(Nucleosides & Nucleotides 1992, 11, 341)、M. Hoffer、ケミッシェ・ベリヒテ、93巻、2777頁、1960年(Chem. Ber. 1960, 93, 2777)等参照)。すなわち、式(2)で表される2−デオキシ−L−リボフラノース化合物と塩素化試薬との反応により、式(3)で表される2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物を製造することができる。
塩素化試薬としては塩化水素、塩化ホウ素、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化トリアルキルシリル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化スルフリル、四塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アセチル等が挙げられるが、特に塩化水素、塩化アセチルが好ましい。反応溶媒としては酢酸、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジクロロメタン等が、単独もしくは混合物として用いられるが、特に酢酸、酢酸エチルが好ましい。塩素化試薬の使用量は用いる塩素化試薬や溶媒の組み合わせによっても異なるがモル比で1〜10当量であり、好ましくは1〜5当量である。反応温度は特に限定されないが、好ましくは−10〜100℃である。反応時間も特に限定されないが、好ましくは10分から50時間程度である。
反応終了後、反応溶液から目的物を単離する方法は特に限定されず、当業者が通常用いる手段によることができる。例えば、得られた反応溶液を必要により濃縮し、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の溶媒やこれらの混合溶媒で抽出を行う。必要により抽出溶液を濃縮し、溶液を25℃から100℃程度に加温した後、−20℃から室温に冷却して冷却晶析を行うことで、2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の結晶を得ることができる。またクロマトグラフィー等の手段により化合物を固体として得ることもできる。また反応溶液を必要により濃縮し、抽出操作を行わず、直接上記のような条件で冷却晶析を行い、得られた結晶を適当な溶媒で洗浄することで2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の結晶を得ることもできる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。もちろん本実施例は本発明を何ら限定するものではない。
ブロモ-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシドの合成
国際公開第98/39347号パンフレットに記載の方法に準じて合成したメチル-2,3,5-トリ-O-トルオイル-L-アラビノフラノシド(240 mg, 0.46 mmol)のクロロホルム(4.6 mL)溶液に臭化亜鉛(416 mg, 1.84 mmol)および三臭化リン(0.18 mL, 1.84 mmol)を加え、45℃で19時間加熱撹拌した。反応終了後、溶液を室温に冷却した後ジクロロメタン(5 mL)および2 M塩酸水溶液(25 mL)を加えて分層し、水層にジクロロメタン(5 mL)を加えて再抽出した。合わせた有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(25 mL)で洗浄し、水層にジクロロメタン(5 mL)を加えて再抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮することで油状物218 mgを得た。この中に目的物が113 mg(48%収率)含まれていることをNMR内部標準による定量法で確認した。また少量サンプルをクロマトグラフィー(溶出液 30:1 ヘキサン-酢酸エチル)により精製した。
1H-NMR (CDCl3)δ 2.40 (s, 3H), 2.43 (s, 3H), 2.46 (s, 3H), 4.74 (dd, J= 12.2, 5.6 Hz, 1H), 4.85 (dd, J= 12.2, 3.5 Hz, 1H), 4.90 (s, 1H), 5.68 (d, J= 3.9 Hz, 1H), 6.73 (s, 1H), 7.22 (d, J= 8.0 Hz, 2H), 7.27 (d, J= 8.0 Hz, 2H), 7.31 (d, J= 8.0 Hz, 2H), 7.99 (d, J= 8.2 Hz, 2H), 8.00 (d, J= 8.2 Hz, 2H), 8.03 (d, J= 8.2 Hz, 2H).
ブロモ-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシドの合成
国際公開第98/39347号パンフレットに記載の方法に準じて合成したブロモ-2,3,5-トリ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシド(1.0 g, 1.76 mmol)のクロロホルム(17.6 mL)溶液に臭化亜鉛(794 mg, 3.52 mmol)および三臭化リン(0.34 mL, 3.52 mmol)を加え、45℃で22時間加熱撹拌した。反応終了後、溶液を室温に冷却した後ジクロロメタン(15 mL)および2 M塩酸水溶液(25 mL)を加えて分層し、水層にジクロロメタン(15 mL)を加えて再抽出した。合わせた有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(25 mL)で洗浄し、水層にジクロロメタン(15 mL)を加えて再抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮することで油状物1.03 gを得た。この中に目的物が550 mg(61%収率)含まれていることをNMR内部標準による定量法で確認した。
メチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-β-L-アラビノフラノシドおよびメチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシドの合成
メチル-2,3,5-トリ-O-トルオイル-L-アラビノフラノシド(259 mg, 0.5 mmol)のクロロホルム(5 mL)溶液に臭化亜鉛(450 mg, 2.0 mmol)および三臭化リン(0.19 mL, 2.0 mmol)を加え、45℃で18時間加熱撹拌した。反応終了後、溶液を室温に冷却した後メタノール(5 mL)を加え、1時間撹拌した。得られた溶液を濃縮し、ジクロロメタン(20 mL)と水(4 mL)を加えて分層し、有機層を水(4 mL)と飽和食塩水(2 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮した。得られたオイルをクロマトグラフィー(溶出液 20:1→10:1 ヘキサン-酢酸エチル)により精製し、メチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-β-L-アラビノフラノシド(140.3 mg, 61%収率)を白色結晶として、メチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシド(30.0 mg, 13%収率)を無色油状物として得た。
メチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-β-L-アラビノフラノシド
1H-NMR (CDCl3)δ 2.39 (s, 3H), 2.43 (s, 3H), 3.46 (s, 3H), 4.33―4.40 (m, 1H), 4.43 (dd, J= 8.2, 4.3 Hz, 1H), 4.54 (dd, J= 11.8, 6.8 Hz, 1H), 4.71 (dd, J= 11.8, 4.0 Hz, 1H), 5.02 (d, J= 4.3 Hz, 1H), 5.79 (dd, J= 8.3, 5.5 Hz, 1H), 7.19 (d, J= 7.9 Hz, 2H), 7.25 (d, J= 7.9 Hz, 2H) 7.93 (d, J= 8.2 Hz, 2H), 7.94 (d, J= 8.2 Hz, 2H).
メチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシド
1H-NMR (CDCl3)δ 2.40 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 3.45 (s, 3H), 4.24 (d, J= 1.1 Hz, 1H), 4.51―4.56 (m, 1H), 4.63 (dd, J= 11.9, 5.1 Hz, 1H), 4.74 (dd, J= 11.9, 3.8 Hz, 1H), 5.27 (s, 1H), 5.60 (dd, J= 4.7, 1.8 Hz, 1H), 7.21 (d, J= 8.0 Hz, 2H), 7.24 (d, J= 8.0 Hz, 2H) 7.92 (d, J= 8.2 Hz, 2H), 7.99 (d, J= 8.2 Hz, 2H).
メチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-β-L-アラビノフラノシドの合成
アルゴン雰囲気下、メチル-2,3,5-トリ-O-トルオイル-L-アラビノフラノシド(259 mg, 0.5 mmol)のクロロホルム(0.85 mL)溶液に臭化亜鉛(225 mg, 1.0 mmol)を加えた後、Gloede, J. et al. Chem. Ber. 1967, 100, 1902に記載の方法に準じて合成したジブロモメチルメチルエーテル(0.48 mL, 5.3 mmol)およびクロロホルム(0.15 mL)を加え、室温で20時間撹拌した。反応終了後ジクロロメタン(15 mL)と2 Mの塩酸水溶液(10 mL)を加えて分層し、有機層を2 Mの塩酸水溶液(10 mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮した。濃縮残渣にメタノール(10 mL)と炭酸銀(I)(372 mg, 1.35 mmol)を加えて遮光し、室温で14時間撹拌した。反応終了後固体をろ別し、ろ液を減圧下濃縮し、得られたオイルをクロマトグラフィー(溶出液 25:1 ヘキサン-酢酸エチル)により精製し、目的物(106 mg, 48%収率)を白色結晶として得た。
メチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-β-L-アラビノフラノシドの合成
臭化亜鉛(45 mg, 0.2 mmol)のクロロホルム(1 mL)懸濁液に、ブロモ-2,3,5-トリ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシド(56.7 mg, 0.1 mmol)および三臭化リン(0.0095 mL, 0.1 mmol)を加え、40℃で20時間加熱撹拌した。反応終了後、溶液を0℃に冷却した後メタノール(2 mL)を加え、室温に戻して1時間撹拌した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル(4 mL)と水(1 mL)を加えて分層し、有機層を水(1 mL)と飽和食塩水(1 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮した。得られたオイルをクロマトグラフィー(溶出液 10:1 ヘキサン-酢酸エチル)により精製し、目的物(30.2 mg, 65%収率)を白色結晶として得た。
メチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-β-L-アラビノフラノシドの合成
臭化亜鉛(13.5 g, 60 mmol)のクロロホルム(300 mL)懸濁液に、三臭化リン(5.7 mL, 60 mmol) およびブロモ-2,3,5-トリ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシド(17.1 g, 30 mmol)を加え、45℃で14時間加熱撹拌した。反応終了後、溶液を0℃に冷却した後メタノール(300 mL)を加え、室温に戻して1時間撹拌した。得られた溶液を濃縮し、ジクロロメタン(900 mL)と水(300 mL)を加えて分層し、有機層を水(300 mL)と飽和食塩水(150 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮した。得られたオイルにエタノール(60 mL)を加えて結晶を析出させ、室温で14時間撹拌し、得られた結晶をろ取することで目的物(5.6 g, 40%収率)を白色結晶として得た。
メチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-β-L-アラビノフラノシドの合成
臭化亜鉛(18 g, 80 mmol)のジクロロメタン(400 mL)懸濁液に、三臭化リン(7.6 mL, 80 mmol)、エタノール(4.67 mL, 80 mmol)およびブロモ-2,3,5-トリ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシド(22.7 g, 40 mmol)を加え、40℃で14時間加熱撹拌した。反応終了後、溶液を0℃に冷却した後メタノール(400 mL)を加え、室温に戻して1時間撹拌した。得られた溶液を濃縮し、ジクロロメタン(1.2 L)と水(400 mL)を加えて分層し、有機層を水(400 mL)と飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮した。得られたオイルにエタノール(80 mL)を加えて結晶を析出させ、室温で14時間撹拌し、得られた結晶をろ取することで目的物(6.7 g, 36%収率)を白色結晶として得た。
メチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-β-L-アラビノフラノシドの合成
アルゴン雰囲気下、ブロモ-2,3,5-トリ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシド(1.0 g, 1.76 mmol)のクロロホルム(5 mL)溶液に臭化亜鉛(793 mg, 1.0 mmol)を加えた後、ジブロモメチルメチルエーテル(2.45 mL, 14.8 mmol)およびクロロホルム(2 mL)を加え、30℃で24時間加熱撹拌した。反応終了後冷却し、ジクロロメタン(40 mL)と2 Mの塩酸水溶液(40 mL)を加えて分層し、有機層を2 Mの塩酸水溶液(20 mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮した。濃縮残渣にメタノール(5.7 mL)とp-トルエンスルホン酸一水和物(17 mg, 0.09 mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応進行と同時に析出した結晶をろ取することで目的物(357 mg, 44%収率)を白色結晶として得た。
メチル-2-デオキシ-3,5-ジ-O-トルオイル-β-L-リボフラノシドの合成
メチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-β-L-アラビノフラノシド(100 mg, 0.216 mmol)のアセトニトリル(1 mL)溶液に、50%次亜リン酸水溶液(85.2 mg, 0.648 mmol)、トリエチルアミン(0.09 mL, 0.648 mmol)および1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(5.4 mg, 0.022 mmol)を加え、80℃で20時間加熱撹拌した。反応終了後冷却し、ジクロロメタン(10 mL)と水(30 mL)を加えて分層し、水層にジクロロメタン(10 mL)を加えて再抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮した。得られたオイルをクロマトグラフィー(溶出液 30:1 トルエン-エーテル)により精製し、目的物(63.7 mg, 77%収率)を白色結晶として得た。
1H NMR (CDCl3)δ 2.34 (dt, J= 14.1, 5.3 Hz, 1H), 2.34 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.56 (ddd, J= 14.1, 7.2, 2.2 Hz, 1H), 3.36 (s, 3H), 4.45―4.59 (m, 3H), 5.23 (dd, J= 5.3, 2.2 Hz, 1H), 5.58―5.61 (m, 1H), 7.21 (d, J= 8.0 Hz, 2H), 7.23 (d, J= 8.0 Hz, 2H), 7.91 (d, J= 8.2 Hz, 2H), 7.93 (d, J= 8.2 Hz, 2H).
メチル-2-デオキシ-3,5-ジ-O-トルオイル-β-L-リボフラノシドの合成
メチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-β-L-アラビノフラノシド(1.0 g, 2.16 mmol)の2-プロパノール(4 mL)と水(1 mL)の混合溶液に、トリエチルアミン(0.3 mL, 2.16 mmol)および10%パラジウム-炭素(234 mg、水分50.5%)を加え、水素雰囲気下60℃で5時間、80℃で2時間加熱撹拌した。反応終了後冷却し、パラジウム触媒をろ別し、ろ液を濃縮した後、メタノール(6 mL)を加え結晶を析出させ、0℃で30分間撹拌した。得られた結晶をろ取することで目的物(596 mg, 72%収率)を白色結晶として得た。
メチル-2-デオキシ-3,5-ジ-O-トルオイル-α-L-リボフラノシドの合成
メチル-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシド(692 mg, 1.5 mmol)のアセトニトリル(6.9 mL)溶液に、50%次亜リン酸水溶液(0.99 mL, 7.5 mmol)、トリエチルアミン(1.05 mL, 7.5 mmol)および1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(37 mg, 0.15 mmol)を加え、80℃で14時間加熱撹拌した。反応終了後冷却し、ジクロロメタン(6.9 mL)と水(22.8 mL)を加えて分層し、水層にジクロロメタン(6.9 mL)を加えて再抽出し、合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮した。得られたオイルをクロマトグラフィー(溶出液 30:1→15:1 ヘキサン-酢酸エチル)により精製し、目的物(193.4 mg, 61%収率)を白色結晶として得た。
1H NMR (CDCl3)δ 2.19 (ddd, J= 14.5, 2.3, 1.0 Hz, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.55 (ddd, J= 14.5, 8.2, 5.4 Hz, 1H), 3.42 (s, 3H), 4.50―4.57 (m, 2H), 4.63 (dd, J= 13.0, 4.8, Hz, 1H), 5.19 (dd, J= 5.4, 1.0 Hz, 1H), 5.41 (ddd, J= 8.2, 3.7, 2.3 Hz, 1H), 7.21 (d, J= 7.9 Hz, 2H), 7.23 (d, J= 7.9 Hz, 2H), 7.91 (d, J= 8.3 Hz, 2H), 7.93 (d, J= 8.3 Hz, 2H).
クロロ-2-デオキシ-3,5-ジ-O-トルオイル-α-L-リボフラノシドの合成
メチル-2-デオキシ-3,5-ジ-O-トルオイル-β-L-リボフラノシド(1.0 g, 2.6 mmol)のヘキサン(4 mL)懸濁液に、4 Mの塩化水素酢酸エチル溶液(4 mL, 16 mmol)を室温にて加え、そのまま1.5時間撹拌した。反応進行と同時に析出した結晶をろ取することで目的物(810 mg, 80%収率)を白色結晶として得た。
1H NMR (CDCl3)δ 2.41 (s, 3H), 2.43 (s, 3H), 2.75 (dd, J= 15.1, 0.9 Hz, 1H), 2.87 (ddd, J= 15.1, 7.4, 5.1 Hz, 1H), 4.59 (dd, J= 12.1, 4.2 Hz, 1H), 4.68 (dd, J= 12.1, 3.2 Hz, 1H), 4.83―4.88 (m, 1H), 4.68 (ddd, J= 7.4, 2.9, 0.9 Hz, 1H), 6.47 (d, J= 5.1 Hz, 1H), 7.23 (d, J= 8.0 Hz, 2H), 7.26 (d, J= 8.0 Hz, 2H), 7.89 (d, J= 8.2 Hz, 2H), 7.99 (d, J= 8.2 Hz, 2H).
クロロ-2-デオキシ-3,5-ジ-O-トルオイル-α-L-リボフラノシドの合成
メチル-2-デオキシ-3,5-ジ-O-トルオイル-α-L-リボフラノシド(1.0 g, 2.6 mmol)のヘキサン(4 mL)懸濁液に、4 Mの塩化水素酢酸エチル溶液(4 mL, 16 mmol)を室温にて加え、そのまま1.5時間撹拌した。反応進行と同時に析出した結晶をろ取することで目的物(393.3 mg, 78%収率)を白色結晶として得た。
<参考例1>
メチル-2,3,5-トリ-O-トルオイル-L-アラビノフラノシドの1,2-ジブロモ化
メチル-2,3,5-トリ-O-トルオイル-L-アラビノフラノシド(51.9 mg, 0.1 mmol)のクロロホルム(1 mL)溶液に、臭化亜鉛(45 mg, 0.2 mmol)および臭化リチウム(52.1 mg, 0.6 mmol)を加え、40℃で14時間加熱撹拌したが、目的のブロモ-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシドは全く確認されず、原料のメチル-2,3,5-トリ-O-トルオイル-L-アラビノフラノシドが残ったままであった。
<参考例2>
ブロモ-2,3,5-トリ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシドの2ブロモ化
臭化亜鉛(45 mg, 0.2 mmol)のクロロホルム(1 mL)懸濁液に、ブロモ-2,3,5-トリ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシド(56.7 mg, 0.1 mmol)および臭化リチウム(52.1 mg, 0.6 mmol)を加え、40℃で14時間加熱撹拌したが、目的のブロモ-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシドは全く確認されず、原料のブロモ-2,3,5-トリ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシドが残ったままであった。
<参考例3>
ブロモ-2,3,5-トリ-O-ベンゾイル-α-L-アラビノフラノシドの2ブロモ化
臭化亜鉛(225 mg, 1.0 mmol)のクロロホルム(1 mL)懸濁液に、ブロモ-2,3,5-トリ-O-ベンゾイル-α-L-アラビノフラノシド(263 mg, 0.5 mmol)を加え、40℃で14時間加熱撹拌したが、目的のブロモ-2-デオキシ-2-ブロモ-3,5-ジ-O-ベンゾイル-α-L-アラビノフラノシドは全く確認されず、原料のブロモ-2,3,5-トリ-O-トルオイル-α-L-アラビノフラノシドが残ったままであった。

Claims (21)

  1. 式(1):
    Figure 2006265156
    [式中、R及びRは各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。]
    で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物を脱ハロゲン化し、式(2):
    Figure 2006265156
    [式中、R、R及びRは前記と同じ意味を示す。]
    で表される2−デオキシ−L−リボフラノース化合物を得た後、該2−デオキシ−L−リボフラノース化合物を塩素化試薬と反応させることを特徴とする式(3):
    Figure 2006265156
    [式中、R及びRは前記と同じ意味を示す。]
    で表される2−デオキシ−L−リボフラノシルクロリド化合物の製造方法。
  2. 脱ハロゲン化が、亜リン酸エステル、次亜リン酸、次亜リン酸塩、ニッケル触媒及びパラジウム触媒からなる群より選択される少なくとも1種の存在下に行われる請求項1記載の製造方法。
  3. 塩素化試薬が、塩化水素、塩化ホウ素、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化トリアルキルシリル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニル、塩化スルフリル、四塩化チタン、塩化亜鉛および塩化アセチルからなる群より選択される少なくとも1種の存在下に行われる請求項1記載の製造方法。
  4. が臭素原子である請求項1記載の製造方法。
  5. 及びRがいずれも置換基を有していてもよいアリール基である請求項1記載の製造方法。
  6. 式(4):
    Figure 2006265156
    [式中、R、R及びRは各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示す。]
    で表されるL−アラビノフラノース化合物又は式(5):
    Figure 2006265156
    [式中、R、R及びRは前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原子を示す。]
    で表されるL−アラビノフラノシルハライド化合物を、ハロゲン化試薬及び酸の存在下反応させた後、さらにアルコールと反応させ、式(1):
    Figure 2006265156
    [式中、R及びRは前記と同じ意味を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。]
    で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物を得る工程を更に含む、請求項1〜5いずれか1項記載の製造方法。
  7. ハロゲン化試薬が臭化水素、三臭化リン及び臭化アセチルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項6記載の製造方法。
  8. 酸が塩化亜鉛、臭化亜鉛及び臭化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項6記載の製造方法。
  9. 式(1):
    Figure 2006265156
    [式中、R及びRは各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。]
    で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物を脱ハロゲン化することを特徴とする、式(2):
    Figure 2006265156
    [式中、R、R及びRは前記と同じ意味を示す。]
    で表される2−デオキシ−L−リボフラノース化合物の製造方法。
  10. 脱ハロゲン化が、亜リン酸エステル、次亜リン酸、次亜リン酸塩、ニッケル触媒及びパラジウム触媒からなる群より選択される少なくとも1種の存在下に行われる請求項9記載の製造方法。
  11. が臭素原子である請求項9記載の製造方法。
  12. 、R及びRがいずれも置換基を有していてもよいアリール基である請求項9記載の製造方法。
  13. 下式(4):
    Figure 2006265156
    [式中、R、R及びRは各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示す。]
    で表されるL−アラビノフラノース化合物又は下記式(5):
    Figure 2006265156
    [式中、R、R及びRは前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原子を示す。]
    で表されるL−アラビノフラノシルハライド化合物を、臭化水素、三臭化リン及び臭化アセチルからなる群より選択される少なくとも1種並びに酸の存在下反応させた後、さらにアルコールと反応させることを特徴とする、式(1’):
    Figure 2006265156
    [式中、R及びRは前記と同じ意味を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示し、Xは臭素原子を示す。]
    で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物の製造方法。
  14. 酸が塩化亜鉛、臭化亜鉛及び臭化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項13記載の製造方法。
  15. が臭素原子である請求項13記載の製造方法。
  16. 式(6)
    Figure 2006265156
    [式中、R及びRは各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、X及びXは各々独立してハロゲン原子を示す。]
    で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノシルハライド化合物。
  17. 及びXが臭素原子である請求項16記載の化合物。
  18. 及びRがいずれも置換基を有していてもよいアリール基である請求項16記載の化合物。
  19. 式(1)
    Figure 2006265156
    [式中、R及びRは各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、Rはアルキル基又はアラルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。]
    で表される2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース化合物。
  20. が臭素原子である請求項19記載の化合物。
  21. 及びRがいずれも置換基を有していてもよいアリール基である請求項19記載の化合物。
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