JP2006263245A - 滅菌バッグ - Google Patents

滅菌バッグ Download PDF

Info

Publication number
JP2006263245A
JP2006263245A JP2005087366A JP2005087366A JP2006263245A JP 2006263245 A JP2006263245 A JP 2006263245A JP 2005087366 A JP2005087366 A JP 2005087366A JP 2005087366 A JP2005087366 A JP 2005087366A JP 2006263245 A JP2006263245 A JP 2006263245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sterilization
negatively charged
oxygen atoms
charged oxygen
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005087366A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Torimoto
善章 鳥本
Shinji Kotani
伸始 小谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2005087366A priority Critical patent/JP2006263245A/ja
Publication of JP2006263245A publication Critical patent/JP2006263245A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、負電荷酸素原子による滅菌作業を行い、滅菌後の保管による微生物あるいはウイルス汚染を長期的に防止できる滅菌バッグを提供することを目的とするものである。
【解決手段】 本発明の滅菌バッグは、負電荷酸素原子が透過でき、菌が透過しないシートを構成材料とする。さらに、前記シートが液体の水を透過させず、且つ疎水性素材であり、また前記シートが負電荷酸素原子を静電的に吸収し、且つ透過させ得る素材である。負電荷酸素原子が、希ガス、窒素及び乾燥空気から選ばれる少なくとも1種以上の気体によって搬送される。
【選択図】図1

Description

負電荷酸素原子滅菌装置を用いて手術や治療などに使用する器具類を滅菌し、該器具類を使用するまで該滅菌状態を保持する滅菌バッグに関し、好ましくは負電荷酸素原子滅菌装置用滅菌バッグに関する。
手術や治療などに使用する器具類は、使用前に滅菌したものを用いることが必要であり、該器具類を使用するまで滅菌状態を保持して収納する滅菌バッグが用いられる。
その滅菌工程は、例えば図3に示すような所定の袋状滅菌バッグ20に器具を入れ、バッグ開口を密閉して行う。そして、そのような袋状滅菌バッグ20は所定の紙シート21と合成樹脂フィルム製シート22とを重ねて接着された構造からなる。なお、図中23は接着痕である。
上記のように、病院などで実施される滅菌方法としては、メスや鉗子などの被滅菌物を少なくともガス透過性であって細菌類が通過不能である領域を有する滅菌バッグに入れ、密封した後、高温の蒸気、エチレンオキサイドガス(EOG)、Hプラズマガスなどを用いて滅菌を行う方法が用いられている。滅菌後の器具は手術などに使用するまで、この包装袋内に収納され、手術や治療に用いる際に開封して使用される。そのため滅菌用包装袋は病院内で医師や施術者が手袋を使用していても開封しやすいように、裏表の二枚の矩形のシートまたはフィルム等の薄状体(以下、これらを「フィルム」と称する)を剥離可能に接着したり、易裂開性(引裂き開封し易い)フィルムを用いて製造されており、開封に際しては、引裂き方式や二枚のフィルムを剥離するいわゆるピールオープン形式がとられているのが一般的である。
このような従来から用いられている滅菌技術である加圧水蒸気、エチレンオキサイドガス(EOG)、Hプラズマガスなどの滅菌ガスを用いる場合、包装内部の被滅菌試料を十分に滅菌するためには装置内部空間を加圧あるいは減圧して滅菌ガスを空気と置換し、装置内および包装材料内部に滅菌ガスを充満させなくてはならない。装置内部空間を加圧減圧する事は、装置を耐圧容器にしなくてはならず装置コストがかかるばかりでなく、被滅菌試料用包装の膨張収縮を引き起こし、その結果包装の破袋も少なからず発生し遮菌性が保たれなくなることが多い。
これら高温蒸気滅菌、EOG滅菌あるいはHプラズマガス滅菌などの滅菌用包装材料として、綿布織物、紙製バッグなどがあるが、プラスチックフィルムと紙あるいは不織布(セルロース繊維あるいは高分子繊維の不規則集合体)を熱接着した「滅菌バッグ」と称される包装体が一般的に用いられている(特許文献1,2参照)。これらの滅菌バッグはガスの透過性と細菌バリア性と言う、相反する性能を同時に有する必要があるが、外部からの細菌の侵入を避けるためには細菌バリア性を優先させなくてはならない。その結果、一般的な滅菌バッグではガスの透過性が犠牲になり、前記のように滅菌装置内を加圧減圧を繰り返して包装内のガスの置換を行っている。
ガスの透過性を犠牲にすることで、下記のような難点が発生している。即ち、加圧水蒸気滅菌では滅菌後包装内に水蒸気が液化した水が残留し、乾燥させる処理時間が必要であり、EOG滅菌では有毒ガスであるEOGを完全に排出するまでにかなりの回数の加圧減圧を要し、トータルの滅菌時間が必要以上に延長される。特に、EOGの場合、排出に半日掛けても残留性があるという欠点がある。
また、現在用いられている滅菌バッグは、紙あるいは不織布で構成されている部位から滅菌ガスを透過させているが、これらの材料には通気性確保のために非直線的な空隙が生じており、細菌のバリア機能はあるもののウイルスに対するバリア機能は乏しい。特に、エチレンオキサイドガス(EOG)、Hプラズマガスは高温の水蒸気と共に用いられるので滅菌バッグを構成する素材は水を透過させる必要があり、上記滅菌バッグは親水性の素材を用いている。従って、滅菌後の保存中も水分が付き易く、該水分により細菌の繁殖が助長され滅菌バッグの寿命も短い欠点がある。
この他にも、電子線滅菌も用いられている。電子線滅菌では高電圧により発生する電子を被滅菌試料に照射して滅菌を行うため高いエネルギーを有する電子の透過が起こればよいので、滅菌バッグのように特別な包装形態を必要としない。しかし電子線滅菌装置は6MeV以上の電圧を発生させるため、装置が大がかりになることおよび電子線自体が非常に危険な素材となるなどのため設置そのものの大面積の場所を必要とし、手軽に日常の滅菌作業が行えない欠点がある。
本発明者は、別途負電荷酸素原子を滅菌に用いることを提案している。負電荷酸素原子はOで表され、負電荷酸素原子が有する強力な酸化力を利用して酸化反応や様々な物質の酸化処理、食品の防黴処理、滅菌への利用が期待されている。負電荷酸素原子の製造方法は種々開発されているが、例えば、特許文献3が公知である。
通常被滅菌試料を滅菌する場合、滅菌後から試料使用時までの間、滅菌装置外に出された後も無菌状態を保持するための包装が必要となり、上記従来方法と同様に、負電荷酸素原子による滅菌装置においても滅菌後、被滅菌試料を外界から隔離するための包装が必要である。
特開2001−163351号公報 特開2004−73723号公報 特開2005−1908号公報
本発明は、残留性の無い負電荷酸素原子(O)による滅菌装置を用いて滅菌作業を効率的に行い、滅菌後の保管による微生物あるいはウイルス汚染を長期的に防止できる滅菌バッグを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の滅菌バッグは、常圧に近い状態で負電荷酸素原子(O)を発生させて該負電荷酸素原子を効率的に透過し、かつ菌を透過しないシート、好ましくは合成樹脂シートを使用する。なお、該合成樹脂シートは、プラスチックフィルムあるいは不織布を含むものである。すなわち、本発明の滅菌バッグは、負電荷酸素原子が透過でき、菌が透過しないシートを構成材料とする。
なお、菌が透過しないとは、以下に示す試験方法によって、液状チオグリコール酸培地I及びソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地で試験の結果、菌の発育を認めないことを意味する。
試験方法
本発明に用いる素材で作成した滅菌バッグ内に不織布を4枚挿入し、滅菌操作を行った後、23℃50%条件下にて2週問保存後、不織布を無菌的に無菌試験培地に接種して、以下に示す無菌試験条件以外は第13改正日本薬局方(平成11年厚生省告示大248号による1部改正前)一般試験法「無菌試験法(直接法)」に従って無菌試験を行う。
無菌試験条件
・液状チオグリコール酸培地I
培地 :液状チオグリコ−ル酸培地I
〔商品名:TGC培地(日水製薬株式会社製)〕
培地量 :40mL
試験容器:試験管25mm×200mm
接種量 :不織布2枚
培地温度:30〜35℃
・ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地
培地 :ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地
〔商品名:トリプトソイブイヨン培地(栄研化学株式会杜製)〕
培地量 :40mL
試験容器:試験管25mm×200mm
接種量 :不繊布2枚
培地温度:20〜25℃
さらに、前記シートが液体の水を透過させず、且つ疎水性素材である。またさらに、前記シートが負電荷酸素原子を静電的に吸収し、且つ透過させ得る素材である。
本発明において、負電荷酸素原子を静電的に吸収し、且つ透過させ得る素材とは、負電荷酸素原子が通過できる物理的な大きぎの孔があるのみならず、このような物理的な大きさの孔がなくても、該素材が静電的に負電荷酸素原子を引き付ける正に帯電した部分があり、その部分から負電荷酸素原子が該素材と相互作用し、該素材に吸収され、更に連続して流れる負電荷酸素原子に押し出されて該素材を透過するような素材を意味する。
滅菌バッグを構成するシートの素材は、負電荷酸素原子は負電荷を有するため、すなわち余分な電子を所有しており、且つ安定的な負電荷原子であるため、当該シート構造内に電子吸引基が存在する、或いは設けることで、負電荷酸素原子が当該シート素材を連続的に透過することができるものが好ましい。
好適な素材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、天然ゴム(NR)、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、エチレンープロピレンゴム(EPM,EPDM)等が挙げられ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)が好ましい。
また、前記負電荷酸素原子が、希ガス、窒素及び乾燥空気から選ばれる少なくとも1種以上の気体によって搬送される。
あるいは、本発明は、前記負電荷酸素原子を発生し、該発生した負電荷酸素原子を同伴流によって前記滅菌バッグに照射する滅菌方法である。
さらに、前記同伴流が、希ガス、窒素及び乾燥空気から選ばれる少なくとも1種以上の気体で構成される滅菌方法である。またさらに、前記同伴流を、3〜5mmφのナイロン製またはテフロン(登録商標)製のチューブを介して前記滅菌バッグに照射する滅菌方法である。
負電荷酸素原子(O)は原子なので、エチレンオキサイドガス(EOG)、Hの分子よりも小さい孔を通過できる。該孔は、菌を透過しない大きさである。
また、負電荷酸素原子(O)は滅菌時に水分を必要としないので、滅菌バッグは疎水性の素材を用いることができる。従って、バッグに水分が付着することが少なく、該水分による細菌の発生も防止でき、バッグの寿命も長い。
さらに、負電荷酸素原子(O)の搬送ガスである、He等の希ガスは空気に比較し5倍位拡散性が大きく、また、負電荷酸素原子自体の拡散性も高い。このことにより、常圧に近い状態で負電荷酸素原子を発生させても十分にバッグの中まで浸透するので、エチレンオキサイドガス(EOG)、Hのように滅菌時の高圧を必要としない。このことにより、本発明によれば、滅菌ガス中の負電荷酸素原子(O)を滅菌装置内に充満させなくても包装材料を透過でき、その結果、簡便に効率的で、かつ確実に滅菌が行われると共に滅菌作業が短縮され、下記のように毒性が少ないので滅菌後のO環境下での長期的保管も可能となる。
さらには、負電荷酸素原子(O)は残留しても短時間の内にOに戻るので、エチレンオキサイドガス(EOG)、Hのように滅菌後の脱気作業が基本的に不要である。従って、本発明の滅菌バッグは、従来と異なり加圧・減圧などにより装置内のガスを全て置換することなく滅菌を終了できる。
以下、図面を参照し、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
図1に本発明の滅菌バッグ1の構成の一例を示す。該滅菌バッグ1は、底面3がPET等のガス不透過の素材からなり、その上面2に袋上の負電荷酸素原子ガス透過性の合成樹脂シートを用いる。
ただし、上記「負電荷酸素原子ガス透過性」とは、常圧に近い状態で負電荷酸素原子を発生させても負電荷酸素原子が大気圧以下の抵抗で透過できるが、液体の水が透過できない大きさの孔を表面に有する素材の構造をいう。
このように表面の微細な孔の大きさが従来の滅菌バッグと大きく異なることが本発明の滅菌バッグの最大の特徴である。負電荷酸素原子(O)は原子なので分子より大きさが小さく、また拡散性が高いので、常圧に近い状態で負電荷酸素原子を発生させても十分にバッグの中まで浸透する。従って、エチレンオキサイドガス(EOG)、Hが透過する場合のように孔が大きくなく、また滅菌時の加減圧を必要としないのである。また、高温蒸気滅菌では、高圧の水蒸気(水分)を必要とする。しかし、負電荷酸素原子による滅菌には水は必要ないので(ドライ系)、素材は水を透過させる必要がなく、かつ水をはじく疎水性素材を用いることができるので滅菌後も乾燥状態に保て、空気中においても親水性素材を用いて水分を吸着し易く、水分が透過してしまう従来の滅菌バッグに比較し細菌の繁殖が妨げられるメリットがある。
また、負電荷酸素原子(O)は残留しても、短時間の内にOに戻るので毒性がない。このため毒性のあるエチレンオキサイドガス(EOG)、Hのように滅菌後の脱気作業を基本的に必要としない。従って、本発明の滅菌バッグは、従来と異なり加圧・減圧などにより装置内のガスを全て置換することなく滅菌終了できる優れた効果を有する。
図2は、本発明の滅菌時の装置の概略を示す。
あらかじめ滅菌バッグ10内に手術器具等の被滅菌物を入れ、滅菌ボックス9に設置する。系内を希ガスで充満し、O発生器8で発生した負電荷酸素原子(O)は同伴流(He等の希ガス及び/又は窒素)により搬送されて該同伴流とともに滅菌ボックス内に導入する。Oを連続供給しながら4時間同じ状態を保持すると、上記負電荷酸素原子(O)ガスにより滅菌がなされる。その後、O発生および希ガスを停止させることで、滅菌バッグの取出しが可能である。滅菌された滅菌バッグはクリーンな環境に保存され、手術時等使用時に開封されて用いられる。
負電荷酸素原子による滅菌装置において、本発明の滅菌バッグを用いれば、不活性ガス中の負電荷酸素原子が105個/L以上であれば、滅菌装置内空間全てを負電荷酸素原子で充満する必要はなく、そのため、装置内を加圧減圧する必要も生じない。
本発明に用いるシート、好ましくは合成樹脂シートは、負電荷酸素原子が濃度拡散、好ましくは大気圧以下の圧力差で効率よく透過でき、菌が通過せず、好ましくは液体の水が透過しない素材であり、かつ疎水性素材であれば何れでも良い。例えば、プラスチックフィルム又は不織布が挙げられ、分子量・構造等の物理的因子に制約されるものではないが、透過係数の高い低密度のポリエチレンフィルムが好ましい。例えば、「ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの非イオン性分子のポリマーであり、結晶化度の低い、厚さが200μm以下の熱可塑性のプラスチックフィルム」が挙げられる。
また、本発明に用いるシート、好ましくは合成樹脂シートは、Hを通過させないことが好ましく、エチレンオキサイドガス(EOG)及びHのいずれも通過させない素材であることがより好ましい。
フィルム厚さは薄い方が好ましく、より効率良く負電荷酸素原子を包装材料内に透過させることが可能となる。さらに、疎水性の膜を用いることもでき、たとえばPTFE、塩ビ、ポリビニルなどを用いることも可能である。また、強度を持たせるために高分子フィルムを不織布に貼り合わせることでより実用的な滅菌バッグを作成することができる。
また、負電荷酸素原子、さらにはエチレンオキサイドガス(EOG)及びH等で色の変わるケミカルインジケーターを滅菌バッグに印刷又は貼付してもよい。
図4には、負電荷酸素原子の製造装置と本発明の滅菌バッグを用いた滅菌方法の一実施例を示す。負電荷酸素原子の製造装置は、カルシウムアルミニウム複合酸化物(好ましくは、酸化カルシウム:酸化アルミニウムのモル比が12:7)の焼成体からなる負電荷酸素原子発生部材を有し、円筒状体の負電荷酸素原子発生部材32の内部の底面に陰極33が配置されるとともに、焼成体の加熱用の電気ヒータ、ハロゲンランプ等の加熱手段24が設けられており、隔壁25によって酸素26と負電荷酸素原子の生成室27とに分離されており、酸素室26には、酸素供給口28を通じて常圧の酸素が供給される。
一方、負電荷酸素原子の生成室27には、負電荷酸素原子発生部材32の負電荷酸素原子の発生部29の近傍には引出電極として作用する陽極30が設けられており、生成電圧E1が印加されている。また、負電荷酸素原子を照射する照射部31には、発生した負電荷酸素原子を加速する加速電極42が設けられ、加速電源E2から加速電圧が加えられる。また、加速電極の前面に本発明の滅菌バッグ43が載置される。
また、生成室27には、同伴流入口34、および同伴流排出口35が設けられ、生成室27内に負電荷酸素原子発生部29から負電荷酸素原子の照射部31に向けて同伴流36が形成される。なお、同伴流としては、希ガス、窒素及び乾燥空気から選ばれる少なくとも1種以上の気体が好ましく、希ガス及び/又は窒素がより好ましい。
また、生成室27の壁面には、冷却手段37が設けられ冷媒18を循環して、生成室27の温度上昇を防止している。これによって、加熱手段24によって加えられた輻射熱、および同伴流によって負電荷酸素原子の生成部から伝達される熱が照射部に伝えられることを防止することができる。
また、本発明の負電荷酸素原子発生部材は、カルシウムアルミニウム複合酸化物を円筒状体の焼成体とした自己支持可能な形状の部材であることを説明したが、多孔性を有する耐熱性の基体上にカルシウムアルミニウム複合酸化物の塗布層を形成したり、プラズマ溶射、スパッタリング等の原材料の酸化物の組成を変質しない成膜法によって支持体上に形成してものであっても良い。
陰極は酸素室に配置されているので、酸素雰囲気において加熱した場合に、変質を起こさない金属、導電性酸化物等の導電性物質を用いることが好ましく、白金、金等の貴金属、ニッケル、ステンレス等の材料が好ましく、とくに白金、金が好ましい。陰極の形成は、塗布する方法、真空成膜法によって形成する方法等によって行うことができる。
また、焼成体の加熱は、ヒーター等の加熱手段を焼成体に接して設けるたり、ハロゲンランプを配置することによって行うことができる。
また、引出電極として作用する陽極には、酸素に対して安定な金、白金等の貴金属、ニッケル等の金属、ステンレス鋼(SUS304、SUS430等)等の合金が挙げられる。なかでも、白金が好ましく、棒状体、線状体、網状体、あるいは基体上に被覆したものを用いることができる。焼成体の発生部と陽極との電極間距離は、低電圧での負電荷酸素原子を発生させるために、10mm以下とすることが好ましい。絶縁性部材によってμmオーダーの間隔を形成し、陽極を水平に保持することが可能であれば、この間隔が小さい方が陽極と陰極との間に形成される電界強度が大きくなるので、小さな印加電圧での動作が可能となる。
また、陰極と陽極との電位差は、1〜2000V/cm、好ましくは10〜1000V/cm、より好ましくは50〜500V/cmであることが望ましい。1V/cmよりも低い場合には、生成効率が低く、2000V/cmよりも高い場合には、焼成体あるいは電極への損傷を生じる場合がある。
また、焼成体は、200〜1000℃に加熱することが好ましく、より好ましくは500〜800℃であり、200℃よりも低い場合には発生効率が不充分であり、1000℃よりも高い場合には、周囲への熱の影響が大きくなり、その対策が必要となるので好ましくない。
また、上記負電荷酸素原子の製造装置においては、同伴流を生成室内に形成して生成した負電荷酸素原子を照射部へ効率的に照射することを可能としたものである。
生成室内での同伴流は、加熱された負電荷酸素原子の発生部から熱を伝達する作用を有している。したがって、照射部に対しては、負電荷酸素原子のみではなく、同伴流によって熱が伝達するので同伴流の流速は、照射部の温度上昇を考慮して行う必要がある。
また、同伴流としては、分子量が小さいものの方が負電荷酸素原子の消失する量を少なくすることができるので好ましく、ヘリウム、キセノン等を用いることができる。特にヘリウムはキセノンに比べて入手が容易であると共に負電荷酸素原子の平均自由工程が大きく、負電荷酸素原子の消失する量を少なくすることができる。
また、同伴流が負電荷酸素原子の発生部から照射部に対して安定して形成されるように生成室内への同伴流の流入口の配置等を考慮することが好ましい。
また、引出電極として作用する陽極と照射部に配置する加速電極との間に印加する電圧を調整することによって照射部に載置した試料に対して照射される負電荷酸素原子の速度を調整することを可能としたものである。
このように、上記負電荷酸素原子の製造装置においては、陽極に印加する電圧のみではなく、生成室内に同伴流を形成し、更には陽極と照射部との間に加速電圧を印加し、しかもそれらを調整可能としたので、照射部の試料に対しては目的に応じたエネルギーレベルの負電荷酸素原子を与えることができる。
例えば、減圧下では変質するような物質の常圧下における殺菌を可能とし、しかも殺菌すべき菌の種類に応じて、照射する負電荷酸素原子を調整が可能となるので、芽胞を形成して耐久性が大きな菌体の場合であっても加速電圧を大きくして作用の大きな負電荷酸素原子を照射することによって殺菌が可能となる。
図5は、本発明の滅菌バッグを用いた滅菌方法の他の実施例を示す。
図において、51は負電荷酸素原子(O)発生部であり、該O発生部で発生されたOは空間電極46で図の右方向に引っ張られると共に、希ガスまたは窒素のボンベ44から送り込まれる希ガスまたは窒素により同伴させて、ナイロンチューブ(もしくはテフロン(登録商標)チューブ)47を介して反応部43に運ばれる。反応部43は、例えば医療用の滅菌ボックス48である。滅菌ボックス内には本発明の滅菌バッグ49が設置される。なお、Oの発生は電流計48やイオン計測器50によって確認できる。また、上記搬送ガスとしては乾燥空気でもよい。
は酸化力が強く、その分殺菌力も強いのであるが、そのことは逆にいえば直ぐ酸化して元のOに戻り易いということである。特に、水分に出会うと容易に元のOに戻って消失してしまう。
そこでO搬送用の気体としては化学的に安定な希ガスが用いられる。ただ、He等の希ガスは高価なため、空気中に消散される量の多い医療用滅菌装置のような場合、希ガスに代えて窒素や乾燥空気が用いられる。
特に、搬送チューブを用いて上記Oを希ガス等で構成される同伴流で搬送する場合、以下のような問題がある。
は上記チューブ内でチューブの径方向に拡散する傾向があり、チュ−ブの側壁に当たるとその箇所に貯まりだし、O層を形成する。このことにより、該Oの層は負にチャ−ジ・アップされるので、この近辺で浮遊するOは該Oの層と反発し、結果的にOの流れが阻害される。また、材質もOに侵されないものが必要であり、従って、上記チューブはナイロン製もしくはテフロン(登録商標)製が適当である。さらに、上記チューブ側壁近辺のOの層ができにくい流速が好ましく、また径の大きさも適宜選ぶ必要がある。
また、医療用チューブには径の規格があり、本実施例もこの規格に合わせ、4mmφとしている。該4mmφのチューブでは該チューブ内の搬送気体の流速が0〜500cm/sが好ましいことが確認された。なお、前記O生成室(例えば、図4の27や図5の51、46間)の上記搬送ガスの流速は通常0.1cm/s〜30cm/sが用いられ、上記チューブ内の搬送ガスの流速は、生成室の断面積にもよるがこの生成室内の搬送ガスの流速の約10倍になる。
上記図5の実施例の負電荷酸素原子発生部は図4と同様の構成とすることができる。ただし、この実施例においては、図4の生成室27と試料43の置かれている試料室(滅菌ボックス48)は分離されており、両室間は前記ナイロン・チューブもしくはテフロン(登録商標)・チューブで結ばれている。この場合、上記加速電極42は生成室の出口付近か、または滅菌ボックス内に置かれる。
滅菌バッグの無菌試験
前記図1の滅菌バッグ、前記図2で用いられた滅菌バッグ、前記図4で用いられた滅菌バッグ及び前記図5で用いられた滅菌バッグについて以下に示す試験方法で試験した。上記いずれの滅菌バッグも試験の結果、菌の発育を認めなかった。
試験方法
本発明に用いる素材で作成した滅菌バッグ内に不織布を4枚挿入し、滅菌操作を行った後、23℃50%条件下にて2週問保存後、不織布を無菌的に無菌試験培地に接種して、以下に示す無菌試験条件以外は第13改正日本薬局方(平成11年厚生省告示大248号による1部改正前)一般試験法「無菌試験法(直接法)」に従って無菌試験を行った。なお、繰り返しは2回であった。
無菌試験条件
・液状チオグリコール酸培地I
培地 :液状チオグリコール酸培地I
〔商品名:TGC培地(日水製薬株式会社製)〕
培地量 :40mL
試験容器:試験管25mm×200mm
接種量 :不織布2枚
培地温度:30〜35℃
・ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地
培地 :ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地
〔商品名:トリプトソイブイヨン培地(栄研化学株式会社製)〕
培地量 :40mL
試験容器:試験管25mm×200mm
接種量 :不織布2枚
培地温度:20〜25℃
本発明の滅菌バッグは負電荷酸素原子を用いて滅菌するものであり、負電荷酸素原子は原子なので、エチレンオキサイドガス(EOG)、Hの分子よりも小さい孔を通過できる。
また、搬送ガスであるHe等や負電荷酸素原子自体の拡散性も高い。このことにより、常圧に近い状態で負電荷酸素原子を発生させても十分にバッグの中まで浸透するので、エチレンオキサイドガス(EOG)、Hのように滅菌時の高圧を必要としない。このことにより、本発明によれば、滅菌ガスである負電荷酸素原子を滅菌装置内に充満させることなく、簡便かつ効率的に包装材料を透過でき、その結果確実に滅菌が行われると同時に滅菌作業が短縮され滅菌後の長期的保管も可能となる。
従って、滅菌バッグの「ガスの透過性」と「細菌バリア性」の相反する要求に対しても、従来品より容易にその性能を充足できる。すなわち、本発明の滅菌バッグは従来品より表面の孔が小さいので細菌が通り難く、また水分を使わず、疎水性の材料を用いるので、従来品の親水性材料を用いた場合の水分残留により細菌が繁殖し易いという欠点も解消される。
また、負電荷酸素原子は残留しても、短時間の内にOに戻るので、エチレンオキサイドガス(EOG)、Hのように滅菌後の脱気作業が基本的に不要である。従って、本発明の滅菌バッグは、従来と異なり加圧・減圧などにより装置内のガスを全て置換することなく滅菌を終了できる。
本発明のこれらの優れた特性により、滅菌における加圧・減圧のための装置が不要となり、また滅菌後のメンテナンスも簡単になり、従来の滅菌装置を用いた滅菌バッグや滅菌方法に比べて大幅にコスト・ダウンが図れ、産業の利用性が高い。
本発明の滅菌バッグの構成を示す図である。 本発明の滅菌時の装置の概略を示す図である。 従来の滅菌バッグの構成を示す図である。 本発明の滅菌バッグを用いた滅菌方法の一実施例を示す図である。 本発明の滅菌バッグを用いた滅菌方法の他の実施例を示す図である。
符号の説明
1 滅菌バッグ
2 上面
3 底面
4 手術具等
8 O発生器
9 滅菌ボックス
10 滅菌バッグ
20 滅菌バッグ
24 加熱手段
25 隔壁
26 酸素室
27 生成室
28 酸素供給口
29 発生部
31 照射部
32 負電荷酸素原子発生部材
33 陰極
34 同伴流入口
35 同伴排出口
36 同伴流
37 冷却手段
43 滅菌バッグ
44 ガスボンベ
46 空間電極
47 チュ−ブ
48 電流計
49 滅菌バッグ
50 イオン計測器
51 O発生部
52 O搬送部
53 反応部

Claims (7)

  1. 負電荷酸素原子が透過でき、菌が透過しないシートを構成材料とする滅菌バッグ。
  2. 前記シートが液体の水を透過させず、且つ疎水性素材である請求項1記載の滅菌バッグ。
  3. 前記シートが負電荷酸素原子を静電的に吸収し、且つ透過させ得る素材である請求項1又は2記載の滅菌バッグ。
  4. 前記負電荷酸素原子が、希ガス、窒素及び乾燥空気から選ばれる少なくとも1種以上の気体によって搬送される請求項1〜3の何れか1項記載の滅菌バッグ。
  5. 前記負電荷酸素原子を発生し、該発生した負電荷酸素原子を同伴流によって請求項1〜4の何れか1項記載の滅菌バッグに照射する滅菌方法。
  6. 前記同伴流が、希ガス、窒素及び乾燥空気から選ばれる少なくとも1種以上の気体で構成される請求項5記載の滅菌方法。
  7. 前記同伴流を、3〜5mmφのナイロン製またはテフロン(登録商標)製のチューブを介して請求項1〜4の何れか1項記載の滅菌バッグに照射する請求項5又は6記載の滅菌方法。
JP2005087366A 2005-03-25 2005-03-25 滅菌バッグ Withdrawn JP2006263245A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005087366A JP2006263245A (ja) 2005-03-25 2005-03-25 滅菌バッグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005087366A JP2006263245A (ja) 2005-03-25 2005-03-25 滅菌バッグ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006263245A true JP2006263245A (ja) 2006-10-05

Family

ID=37199797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005087366A Withdrawn JP2006263245A (ja) 2005-03-25 2005-03-25 滅菌バッグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006263245A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011072490A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Japan Medical Creative:Kk 医療用滅菌装置
WO2011147595A1 (en) * 2010-05-27 2011-12-01 Arann Healthcare Ltd. Method and apparatus for the sterilisation of articles
US20130136655A1 (en) * 2010-05-27 2013-05-30 Felipe Soberon Method and apparatus for the sterilisation of articles
JP2020514190A (ja) * 2017-07-13 2020-05-21 エンズパイア インダストリー カンパニー リミテッド 活動性細孔を有する滅菌可能な医療用包装

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011072490A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Japan Medical Creative:Kk 医療用滅菌装置
WO2011147595A1 (en) * 2010-05-27 2011-12-01 Arann Healthcare Ltd. Method and apparatus for the sterilisation of articles
US20130136655A1 (en) * 2010-05-27 2013-05-30 Felipe Soberon Method and apparatus for the sterilisation of articles
US8945467B2 (en) * 2010-05-27 2015-02-03 Arann Healthcare Ltd. Method and apparatus for the sterilisation of articles
JP2020514190A (ja) * 2017-07-13 2020-05-21 エンズパイア インダストリー カンパニー リミテッド 活動性細孔を有する滅菌可能な医療用包装

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5681365B2 (ja) 滅菌システム及び滅菌装置
JP2008183025A (ja) 包装物の滅菌方法及び滅菌装置
JP3597533B2 (ja) 気体状殺菌薬のための生物指標に基づいたサーキュランス菌
JP3916588B2 (ja) プラズマ処理機付き滅菌装置及び滅菌方法
WO2002007788A1 (en) A sterilisation process and apparatus therefor
JP2005132491A (ja) 薬剤・装置複合製品用パッケージおよび包装方法
JP2011504404A (ja) プラズマ場を使用する自己滅菌装置
JPS59224639A (ja) 気体薬剤による滅菌方法および装置
JP6704448B2 (ja) 殺菌装置
JP2006263245A (ja) 滅菌バッグ
JP2019136005A (ja) 無菌サンプリング流路キット及びそれを用いた細胞培養装置
JP4701413B2 (ja) プラズマ殺菌装置及びその装置を使ったプラズマ殺菌方法
JP2001204799A (ja) ドライ・ブースターによる滅菌処理方法および滅菌処理システム
JP3201607U (ja) 細胞培養システム
JP3706695B2 (ja) 滅菌装置
US20220378962A1 (en) Sterilization systems and methods
US8980175B2 (en) Methods for plasma sterilization using packaging material
JP6712072B2 (ja) 活性酸素による細胞培養基板の表面改質および滅菌処理
CN2832155Y (zh) 过氧化氢等离子低温灭菌设备
JP6843578B2 (ja) チャンバー殺菌装置
JP6820714B2 (ja) 殺菌装置
JP5082050B2 (ja) 電子線照射装置
JP6857004B2 (ja) 殺菌方法
JP6454616B2 (ja) オゾン処理装置
Tamazawa et al. Sterilization effect of wet oxygen plasma in the bubbling method

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080603