JP2006262763A - 熱硬化セラック樹脂および該樹脂粉末を含有する食品 - Google Patents

熱硬化セラック樹脂および該樹脂粉末を含有する食品 Download PDF

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Abstract

【課題】サク感を有し長期保存可能な食品を、セラック樹脂を用いて作成する。
【解決手段】セラック樹脂を3.5メッシュパス〜200メッシュオン(5.6mm未満〜75μm以上)に粉砕し、該粉砕セラック樹脂に食用粉を0〜55重量%添加混合し、100℃〜200℃で1〜60分間、加熱処理を行い房状に硬化させることを特徴とする、熱硬化セラック樹脂を食品に添加する。

Description

加熱後、サク感を発現し、それを長期間保持したセラック(シェラックとも言う)樹脂含有食品に関する。さらに詳しくは粉砕セラック樹脂に食用粉を混合し、加熱処理により房状に熱硬化させたものを食品の表面に付着させるか、食品内部に混合又はバッターに混入し、加熱により硬化させた樹脂を食品の一部として直接利用する食品に関する。
サク感を保持するためには種々の方法が知られており、衣の改善、フライ類の中具の工夫等、多くは中具と衣との水分移行に係るものが多い。セラック樹脂も皮膜を作る性状から、食品中および食品外から水分が移行する個所を被膜で覆う方法で使われてきた(特許文献1、2)。しかしながら、これらの方法で調整された膜は非常に薄膜であり、最終的に調理される事で熱硬化した場合であっても、これ自身がサクサクした食感を有している訳ではなかった。
また、従来は、特許文献3のパン粉に関する記述に開示されているように、セラック樹脂は多少の苦味を呈するため可及的少量を用いるほうが良いとされていた。そのために、該特許文献では、先ずパン粉を油脂でコーティングし、表面積をできるだけ少なくした上で、セラック樹脂を再度コーティングする技術が開示されている。本方法は、吸湿防止の観点から、極めて限定された条件下ではそれなりの効果はあるが、パン粉調製が二段法と煩わしく、サク感の発現という観点からは満足のいくものではなかった。また、従来の使用方法では、食品への多量の添加は試みられておらず、積極的にサク感を発現させる技術開示及びセラック樹脂そのものを食品の一部として食す先行文献は見当たらなかった。
特開昭60−172273号公報 特開平06−245739号公報 特開平02−2451562号公報
本発明は、皮膜効果の高いセラック樹脂を、パン粉等へのコーティングによる使用では無く、特定のメッシュサイズに粉砕した後、これ自体が適度なサク感を発現するように熱硬化させ、これをパーツとしてサク感を感じさせたい所に直接塗布または散布、または食品内部に混合する事で、サク感が擬似的に長期間保持できるセラック樹脂含有食品の提供にある。
本発明者らは、上記課題の解決のため鋭意研究した結果、セラック樹脂を特定の粒度に粉砕し、該粉砕セラック樹脂と食用粉を、食用粉の割合が0〜55重量%となるように混合し、加熱処理、その中でも特に100℃〜200℃で1〜60分間の加熱処理で、房状になったものを再度一定の粒度に粉砕し、該熱硬化樹脂を食品に塗布、付着、食品内部に混合し加熱調理するか、バッターに混入して使用すると、加熱調理後はサク感が発現し、それが長期間にわたり保持し得る食品の製造が可能なことを見出し、本発明を完成した。即ち本発明の第1はセラック樹脂を3.5メッシュパス〜200メッシュオン(5.6mm未満〜75μm以上)に粉砕し、該粉砕セラック樹脂と食用粉を、食用粉の割合が0〜55重量%となるように混合し、加熱処理を行うことを特徴とする、房状に硬化させた熱硬化セラック樹脂であり、第2はセラック樹脂を3.5メッシュパス〜200メッシュオン(5.6mm未満〜75μm以上)に粉砕し、該粉砕セラック樹脂と食用粉を、食用粉の割合が0〜55重量%となるように混合し、100℃〜200℃で1〜60分間、加熱処理を行うことを特徴とする、房状に硬化させた熱硬化セラック樹脂であり、第3の発明は、食用粉が、穀物粉、澱粉、植物性蛋白粉、粉乳、卵白粉、卵黄粉、全卵粉から選ばれる1種または2種以上である第1発明記載の熱硬化セラック樹脂であり、第4の発明は、第1ないし第3発明の熱硬化セラック樹脂を、4.0メッシュパス〜60メッシュオン(4.75mm未満〜250μm以上)に粉砕した熱硬化セラック樹脂粉末であり、第5の発明は、第4発明記載の熱硬化セラック樹脂粉末を、食品の表面に直接塗布または散布、または食品内部に混合する事を特徴とする熱硬化セラック樹脂粉末含有食品であり、第6の発明は、第5発明の食品が、衣付き油調食品、菓子類、パン類から選ばれる1種であることを特徴とする熱硬化セラック樹脂粉末含有食品であり、第7の発明は、第4発明記載の熱硬化セラック樹脂粉末を、バッター粉に混入し、揚げ物具の表面に付着させ、必要があればさらに衣付け後、油ちょうすることを特徴とする熱硬化セラック樹脂粉末含有食品であり、更に、第7発明記載の食品が、唐揚げ、竜田揚げ、フライドチキン、コロッケから選ばれる1種であることを特徴とする熱硬化セラック樹脂粉末含有食品(第8発明)であり、また、第5〜8発明記載の熱硬化セラック樹脂粉末含有食品が、チルド流通食品または冷凍食品であることを特徴とする熱硬化セラック樹脂粉末含有食品(第9発明)であり、また第5〜9発明記載の熱硬化セラック樹脂粉末含有食品の製造方法(第10発明)に関わるものである。
本発明によれば、簡単な加工方法によりサク感を有する食品の製造が可能となる。
以下、本発明では、セラック樹脂を粉砕したものを粉砕セラック樹脂、粉砕セラック樹脂に食用粉を一定の割合で混合し、加熱処理により房状に熱硬化させたものを熱硬化セラック樹脂、熱硬化セラック樹脂を更に粉砕したものを熱硬化セラック樹脂粉末、熱硬化セラック樹脂粉末を含有するする食品を熱硬化セラック樹脂粉末含有食品と定義する。
本発明でいう房状とは、熱処理により粉砕セラック樹脂が空間を残したまま複数個、相互に結合している状態の熱硬化セラック樹脂(図1)であり、板状とは粉砕セラック樹脂の形状を保たない状態で加熱後板状(図2)になったものであり、粒状とは粉砕セラック樹脂の形状を保った状態で、加熱後その樹脂同士が全く付着していない状態(図3)である。本発明は、図1に示す房状に熱硬化したセラック樹脂に関する。
本発明に用いるセラック樹脂とは、ラックカイガラムシから得られる粒状又は燐片状の天然の熱硬化樹脂を指し、含ロウ品、脱ロウ品共に使用できる。セラック樹脂を粉砕する条件には特別の制限はなく、工業的に通常使用されている機器、例えばパルペライザー、ディスパーミル等が利用できる。粉砕したセラック樹脂は篩分されるが、篩分の方法も特に限定されるものではない。篩分けした樹脂の粒径は、3.5メッシュパス〜200メッシュオン(5.6mm未満〜75μm以上)までの物が使用できる。粒度がこれ以上では、粒状、これ以下では板状となり、粉砕セラック樹脂をそのまま、または食用粉と混合し加熱した時に、房状にならず、本発明を実施できない。加熱処理により房状に熱硬化するのは、上記の範囲の粒度を有する粉砕セラック樹脂が、恐らく樹脂間に適当な空隙があり、加熱により発生する水蒸気を逃すのに好適のためと思われる。
本明細書の以下の記載においては、粒度の規定として実用的な「メッシュ」を用いるが、「メッシュ」とは、1インチ(2.54cm)の間に目の数が幾つあるかを示す数字で、針金の太さと目の間隔はJIS規格に規定されているものに従うものである。「メッシュパス」とはその数値のメッシュを通過するものであり、「メッシュオン」とはその数値のメッシュを通過しない物である。ちなみに、請求項1記載の粒度5.6mm未満〜75μm以上は3.5メッシュパス〜200メッシュオンに相当する。
本発明で用いられる食用粉は、粉砕セラック樹脂を加熱する際、房状の熱硬化物をより広い処理条件で安定して製造するための助剤であり、200℃で60分の加熱で溶融、変形しない粉体であれば利用できる。すなわち、穀物粉、澱粉、植物性蛋白粉、粉乳、卵白粉、卵黄粉、全卵粉等が利用でき、穀物粉であれば小麦粉、コーン粉、大豆粉、米粉、そば粉、ひえ粉、あわ粉等が例示できる。澱粉類では、一般的な食用澱粉が挙げられ、馬鈴薯、タピオカ、小麦、化工澱粉が例示できる。ここで言う化工澱粉はアセチル化、エーテル化、リン酸架橋、湿熱処理を施した澱粉である。これら食用粉から1種または2種以上を適宜使用できる。
本発明では、セラック樹脂を3.5メッシュパス〜200メッシュオンに粉砕し、該粉砕セラック樹脂に対し、食用粉を0〜55重量%の割合で混合し、加熱処理、特に好ましくは、100℃〜200℃で1〜60分間、加熱処理を行うことが特徴であるが、これは、従来のセラック樹脂単独の熱硬化では、板状または粒状になってしまう現象を、上記条件で加熱することにより防ぎ、房状にし易くするためである。食用粉は無添加でも房状の熱硬化物を得ることは可能であるが、実施例に示すように、製造可能な条件がやや狭くなる。食用粉を添加することにより、房状の熱硬化物をより広い範囲で、安定して製造することができる。本発明では、上述の条件により製造された房状の熱硬化セラック樹脂を対象としている。また、房状にする事により、板状・粒状に比べ、食感のバリエーションを広げる事ができ、添加対象の食品に合う食感の形成が可能となる。房状の熱硬化セラック樹脂を作製する為の、粉砕セラック樹脂と食用粉の混合割合は上述の通り、混合物中食用粉が0〜55重量%であり、好ましくは0〜35重量%であるが、安定して房状の熱硬化セラック樹脂を得るには、通常、10メッシュパス〜30メッシュオンの粉砕セラック樹脂に対し、澱粉を8〜26重量%の範囲で行うのが良い。56重量%以上の添加では粒状となり効果が発揮できない。粉砕セラック樹脂に食用粉を混合する方法は特に限定されるものでは無い。
粉砕セラック樹脂または粉砕セラック樹脂に食用粉と混合したものを加熱する方法は特に限定されるものではなく、乾熱式加熱機であればいずれも使用でき、例えばオーブンにより加熱する事で、熱硬化セラック樹脂を得ることが出来る。食用粉を添加して加熱した場合は、加熱後、食用粉を篩、エアー吹き付け等により取り除く。房状の中に取り込まれた食用粉は粉砕後必要があれば取り除くが、通常は、熱硬化セラック樹脂粉末を用いる食品に使用可能な食用粉を用いれば、特に取り除く必要はない。
混合物を極薄い状態で熱硬化したものは、そのままの状態でも食品への利用は可能だが、通常は5mm〜5cmの厚さで加熱処理し、熱硬化後、再粉砕して、熱硬化セラック樹脂粉末として使用するのが便利である。本熱硬化樹脂は、食品への利用はもとより、型に入れて熱硬化することにより、食品機材、例えば皿、コップ、楊枝などにも利用することが出来る。熱硬化セラック樹脂の粉砕方法はセラック樹脂そのものの粉砕同様、特に限定されるものではない。熱硬化セラック樹脂粉末は、4.0メッシュパス〜60メッシュオン(4.75mm未満〜250μm以上)のものを指し、好ましくは10メッシュパス〜30メッシュオンのものである。60メッシュパス以下の粒度では食感として感じられず、4.0メッシュオン以上の粒度では硬く不自然な食感となり、使用し難い。
熱硬化セラック樹脂粉末の食品への添加方法は、これを直接食品に添加しても良いし、添加後更に加熱処理しても構わない。例えば、衣付き油調食品、(唐揚げ、コロッケなど)、菓子類(パイ、タルト、クッキー、ビスケット、クラッカーなど)、パン類等に有効である。食品全面に散布または塗布したり、食品全体に練りこんでも良い。添加量は食品により異なるが、通常、加熱処理後の食品重量あたり1〜10重量%で充分効果を発揮する。食品への最適粒度及び最適添加量は、本明細書の記載を参考にすれば、当業者であれば簡単な予備実験で容易に選定することができる。
熱硬化セラック樹脂粉末は、また、バッターに混入し、揚げ物の具の表面に付着させ、必要があれば更に衣付け後油ちょうすることにより、揚げ物のサク感を強調、保持することが可能である。バッター液には何ら制限はなく通常使用されるものが利用できる。バッター液への熱硬化セラック樹脂粉末の添加量は食品により一定ではないが、通常5〜50重量%で目的が達せられる。これらの食品としては唐揚げ、竜田揚げ、フライドチキン、コロッケ等が例示される。
加熱処理された食品はそのまま、あるいはチルド流通におかれたり、通常の方法により冷凍処理され、冷凍食品として流通できる。以上説明したように、熱硬化セラック樹脂および熱硬化セラック樹脂粉末含有食品は、従来にない新しい食品であるが、上述の操作により簡単に製造可能である。 以下、実施例で更に説明する。
熱硬化セラック樹脂および熱硬化セラック樹脂粉末の調整
(セラック樹脂粉砕条件):セラック(日本シェラック社製セラック樹脂、商品名精製白ラック)をSIBATA社製粉砕機、SCM-40Aで粉砕し、篩を用いて200メッシュパス、60メッシュパス〜200メッシュオン、30メッシュパス〜60メッシュオン、14メッシュパス〜30メッシュオン、10メッシュパス〜14メッシュオン、5.5メッシュパス〜10メッシュオン、3.5メッシュパス〜5.5メッシュオン、3.5メッシュオン、の8区分の粉砕セラック樹脂を得た。
粉砕セラック樹脂のみによる房状熱硬化セラック樹脂の作製
上記、メッシュサイズの粉砕セラック樹脂を10g、金属容器に入れ、80〜220℃で、10分間加熱をおこない、どの区分が「房状」「板状」「粒状」となるか確認を行い、結果を表1に示した。
表1の結果から房状の熱硬化セラック樹脂を得る為の作製条件は、粒度は3.5メッシュパス〜200メッシュオン、加熱温度は100〜200℃の範囲にある事が分かる。
食用粉との混合による房状熱硬化セラック樹脂の作製
(食用粉とセラックの混合比率):上述と同じ粒度区分の粉砕セラック樹脂に対し、化工澱粉(日本食品化工社製、湿熱処理化工澱粉、商品名ロードスター)を、それぞれ0〜65.8重量%になるように添加混合し、これを各10g、金属容器に入れ、150℃のオーブンにて10分間加熱をおこない、どの配合割合で「房状」「板状」「粒状」となるか確認を行い、結果を表2に示した。
表2の結果から房状の熱硬化セラック樹脂を得る為には、粒度は3.5メッシュパス〜200メッシュオン、化工澱粉の配合割合は、0〜55.2重量%の範囲にある事が分かる。また、化工澱粉の添加により、無添加時よりも幅広い粒度範囲で房状になることが分かる。
(加熱温度条件の設定):上記の検討で効果を示した、化工澱粉の配合割合が26.1重量%、3.5メッシュパス〜200メッシュオンの条件について加熱温度条件の検討を試験量10g加熱時間10分で行い、どの加熱温度条件により「房状」「板状」「粒状」となるか確認を行い、結果を表3に示した。
表3の結果から房状の熱硬化樹脂を得る為の加熱条件は、100〜200℃の範囲にある事が分かる。
(加熱時間の設定):上記の検討で効果を示した、100〜200℃の加熱温度において、化工澱粉の配合割合が26.1重量%、粒度は3.5メッシュパス〜200メッシュオンの条件で、加熱温度条件の検討を試験量10g、加熱温度100℃と200℃で検討を行い、どの加熱時間により「房状」「板状」「粒状」となるか確認を行い、結果をそれぞれ表4、表5に示した。
表4・5の結果から、100〜200℃の加熱条件で房状の熱硬化樹脂を得る為には、1〜60分の範囲にある事が分かる。
竜田揚げ:
(竜田揚げの調製) 常法に従い、調味付けを行った鶏もも肉20gに対しバッター液(小麦粉水溶液)2gを絡ませ、これに0〜5gの房状に加工した熱硬化セラック樹脂粉末を添加した。その後、5gの澱粉を付着させ180℃の菜種油で2分30秒油調を行った。
(房状の熱硬化セラック樹脂粉末の加工条件)セラックを実施例1と同様の方法で粉砕し、60メッシュパス〜200メッシュオン、30メッシュパス〜60メッシュオン、14メッシュパス〜30メッシュオン、10メッシュパス〜14メッシュオン、5.5メッシュパス〜10メッシュオン、3.5メッシュパス〜5.5メッシュオン、の6区分の粉砕品を得た。これらのメッシュサイズにある粉砕セラック樹脂を、配合割合8.4〜55.2重量%になるように化工澱粉と混合し、混合したもの10gを金属容器に入れ、150℃のオーブンにて10分間加熱を行った。その後、5.5メッシュパス〜10メッシュオンに再粉砕し、房状の熱硬化セラック樹脂粉末を得た。上記竜田揚げの調製条件で、各区分を竜田揚げ1個あたり1.0gをバッター液2.0gと混ぜ合わせ調整したところ、粉砕セラック樹脂のメッシュサイズが14メッシュパス〜30メッシュオンの区分が最も好ましいサク食感を呈したので、竜田揚げ用には14メッシュパス〜30メッシュオンの粉砕セラック樹脂を利用して化工澱粉17.1重量%を混合し、150℃10分の加熱後、表面に付着している澱粉をエアーガンで吹き飛ばし、5.5メッシュパス〜10メッシュオンの房状の熱硬化セラック樹脂粉末を調製し、添加量の検討を行った。尚、房状の熱硬化セラック樹脂間に取り込まれる澱粉量は実質的には1重量%以下なので、以下の実験では無視した。
(房状の熱硬化セラック樹脂粉末の最適添加量)5.5メッシュパス〜10メッシュオンの房状の熱硬化セラック樹脂粉末を用いて竜田揚げ1個あたりの添加量を見た所、表6に示すように1.0〜2.0gまでの添加区が好ましい食感および外観を有する効果を示した。3.0g以上の添加では衣が硬くなり、好ましいサク感を得る事はできまかった。尚、評価は食品評価に精通した5名のパネルで、先ず各自が各評価項目に対し、対照とした無添加区を3点「好ましい」とし、「大変好ましい」場合を5点、「好ましくない」場合を1点とした5点評価で評価後、フリーディスカッションにより最終評点を整数で表した。
(竜田揚げの保存性)上記の検討で効果を示した1.0g添加区について、0℃、−10℃、−20℃における保存性を比較した。評価基準は表6と同様であり、保存品5個を電子レンジ600Wで1分30秒間解凍後、評価した。結果を表7に示したように、セラック樹脂添加品(本発明品)では、無添加に比べ、著しく保存性が向上し、サク感を保持していた。
タルト:
(タルトの調製) 常法に従い、薄力粉、強力粉、バター、卵、牛乳を適宜混合し、(湿重量50g)のタルト生地を作製した。これに0〜10gの房状に加工した熱硬化セラック樹脂粉末を混合した。その後、この生地を5mmに伸ばし、鉄製のタルト台に入れ、180℃のオーブンで20分焼成を行った。焼成後のタルト生地にクリーム50gを乗せ、完成品とした。
(房状の熱硬化セラック樹脂粉末の加工条件)セラックを実施例1と同様の方法で粉砕し、60メッシュパス〜200メッシュオン、30メッシュパス〜60メッシュオン、14メッシュパス〜30メッシュオン、10メッシュパス〜14メッシュオン、5.5メッシュパス〜10メッシュオン、3.5メッシュパス〜5.5メッシュオンの粉砕品を得た。これらのメッシュサイズにある粉砕セラック樹脂に、配合割合が8.4〜55.2重量%になるように化工澱粉と混合し、10gを金属容器に入れ、150℃のオーブンにて10分間加熱を行った。その後、表面の化工澱粉をエアーガンで吹き飛ばし、5.5メッシュパス〜10メッシュオンに再粉砕し、房状の熱硬化セラック樹脂粉末を得た。上記、タルトの調製条件で、各区分ともにタルト生地50gあたり5.0gを混ぜ合わせ調整したところ、未加熱の粉砕セラック樹脂の粒度が10メッシュパス〜14メッシュオンの区分が最も好ましいサク食感を呈したので、タルト用には10メッシュパス〜14メッシュオンの粉砕セラック樹脂を利用して化工澱粉を17.1重量%混合し、150℃10分の加熱後、表面の澱粉をエアーガンで吹き飛ばし、5.5メッシュパス〜10メッシュオンの房状の熱硬化セラック樹脂粉末を調製し、添加量の検討を行った。
(房状の熱硬化セラック樹脂粉末の最適添加量)5.5メッシュパス〜10メッシュオンの房状の熱硬化セラック樹脂粉末セラックを用いてタルト生地50gあたりの添加量を見た所、表8に示すように5.0〜10.0gまでの添加区が好ましい食感および外観を有する効果を示した。15.0g以上の添加では食感が不自然となり、好ましいサク感を得る事はできなかった。尚、評価は実施例2に準じた。
(タルトの保存性)上記の検討で効果を示した10.0g添加区について、0℃、−10℃、−20℃における保存性を比較した。評価基準は実施例2と同様であり、保存品5個を室温にて1時間解凍後、評価した。結果を表9に示したように、セラック樹脂添加品(本発明品)では、無添加に比べ、著しく保存性が向上し、サク感を保持していた。
従来はフィルム状で用いられていたセラック樹脂を、房状にして、そのまま食品の一部として使用することにより、サク感を有し、長期保存可能な食品の幅を拡大することができる。
房状になった熱硬化セラック樹脂 板状になった熱硬化セラック樹脂 粒状になった熱硬化セラック樹脂

Claims (10)

  1. セラック樹脂を3.5メッシュパス〜200メッシュオン(5.6mm未満〜75μm以上)に粉砕し、該粉砕セラック樹脂と食用粉を、食用粉の割合が0〜55重量%になるように混合し、加熱処理を行うことを特徴とする、房状に硬化させた熱硬化セラック樹脂。
  2. セラック樹脂を3.5メッシュパス〜200メッシュオン(5.6mm未満〜75μm以上)に粉砕し、該粉砕セラック樹脂と食用粉を、食用粉の割合が0〜55重量%になるように混合し、100℃〜200℃で1〜60分間、加熱処理を行うことを特徴とする、房状に硬化させた熱硬化セラック樹脂。
  3. 食用粉が、穀物粉、澱粉、植物性蛋白粉、粉乳、卵白粉、卵黄粉、全卵粉、から選ばれる1種または2種以上である請求項1記載の熱硬化セラック樹脂。
  4. 請求項1ないし3記載の熱硬化セラック樹脂を、4.0メッシュパス〜60メッシュオン(4.75mm未満〜250μm以上)に粉砕した熱硬化セラック樹脂粉末。
  5. 請求項4記載の熱硬化セラック樹脂粉末を、食品の表面に直接塗布または散布、または食品内部に混合する事を特徴とする熱硬化セラック樹脂粉末含有食品。
  6. 請求項5記載の食品が、衣付き油調食品、菓子類、パン類から選ばれる1種であることを特徴とする熱硬化セラック樹脂粉末含有食品。
  7. 請求項4記載の熱硬化セラック樹脂粉末を、バッター粉に混入し、揚げ物具の表面に付着させ、必要があればさらに衣付け後、油ちょうすることを特徴とする熱硬化セラック樹脂粉末含有食品。
  8. 請求項7記載の食品が、唐揚げ、竜田揚げ、フライドチキン、コロッケから選ばれる1種であることを特徴とする熱硬化セラック樹脂粉末含有食品。
  9. 請求項5〜8記載の熱硬化セラック樹脂粉末含有食品が、チルド流通食品または冷凍食品であることを特徴とする熱硬化セラック樹脂粉末含有食品。
  10. 請求項5〜9記載の熱硬化セラック樹脂粉末含有食品の製造方法。
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WO2013031022A1 (ja) * 2011-09-02 2013-03-07 株式会社岐阜セラツク製造所 セラック、呈味改善剤、飲食品、およびコーティング用組成物

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