JP2006262077A - 移動局の通信環境測定方法及び移動局 - Google Patents
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Abstract
【構成】 第1のチャネルでパイロット信号をそれぞれ複数の基地局より移動局に送信すると共に、第2のチャネルで1つの基地局よりデータを移動局に送信する通信システムにおいて、ハンドオーバ時、移動局は第2のチャネルで通信中基地局(サービングセル)から受信した信号の総受信電力から第2のチャネルで受信した信号の受信電力を差し引いて総受信電力を補正し、該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を補正し、通信中基地局から受信したパイロットの信号電力と補正した総雑音電力とから、第2チャネルで通信していないとした場合における通信中基地局と移動局間の通信環境を測定する。
【選択図】 図1
Description
コアネットワーク1は、移動通信システム内においてルーティングを行うためのネットワークであり、例えば、ATM交換網、パケット交換網、ルーター網等によりコアネットワークを構成することができる。尚、コアネットワーク1は、他の公衆網(PSTN)等とも接続され、移動局7が固定電話機等との間で通信を行うことも可能としている。
無線基地局制御装置(RNC)2、3は、無線基地局61〜65の上位装置として位置付けられ、これらの無線基地局61〜65の制御(使用する無線リソースの管理等)を行う機能を備えている。また、ハンドオーバ時において、1つの移動局7からの信号を配下の複数の無線基地局から受信し、品質が良い方のデータを選択してコアネットワーク1側へ送出するハンドオーバ制御機能も備えている。
多重分離装置4、5は、RNCと無線基地局との間に設けられ、RNC2、3から受信した各無線基地局宛ての信号を分離し、各無線基地局宛てに出力するとともに、各無線基地局からの信号を多重して各RNC側に引き渡す制御を行う。
無線基地局61〜63はRNC2、無線基地局64、65はRNC3により無線リソースを管理されつつ、移動局7との間の無線通信を行う。移動局7は、無線基地局6の無線エリア内に在圏することで、無線基地局6との間で無線回線を確立し、コアネットワーク1を介して他の通信装置との間で通信を行う。
コアネットワーク1とRNC 2、3との間のインタフェースをIuインタフェース、RNC 2、3間のインタフェースをIurインタフェース、RNC2、3と各無線基地局6との間のインタフェースをIubインタフェース、無線基地局6と移動局7との間のインタフェースをUuインタフェースと称し、2〜6の装置で形成されるネットワークを特に無線アクセスネットワーク(RAN)と称する。コアネットワーク1とRNC2、3との間の回線は、Iu,Iurインタフェースのために共用され、RNC2、3と多重分離装置4、5との間の回線は、複数の無線基地局用のIubインタフェースで共用されている。
以上は一般的な移動通信システムに関する説明であるが、更に、高速な下り方向のデータ伝送を可能とする技術、たとえばHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)方式が移動通信システムに組み込まれつつある(非特許文献1,2参照)。
HSDPAは、無線基地局、移動局間の無線環境に応じて伝送レートを切り替える方式であり、無線環境により1トランスポートブロック当たりのデータサイズを切り替え、あるいは符号化変調方式を適応的に切り替える。適応符号化変調方式(AMC:Adaptive Modulation and Coding)では、例えば、QPSK変調方式(QPSK modulation Scheme)と16値QAM方式(16 QAM Scheme)とを適応的に切りかえることを特徴としている。
また、HSDPAは、H-ARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)方式を採用している。H-ARQでは、移動局が無線基地局からの受信データについて誤りを検出した場合、当該無線基地局に対して再送要求(NACK信号の送信)を行う。この再送要求を受信した無線基地局は、データの再送を行うので、移動局は、既に受信済みのデータと、再送された受信データとの双方を用いて誤り訂正復号化を行う。このようにH-ARQでは、誤りがあっても既に受信したデータを有効に利用することで、誤り訂正復号の利得が高まり、結果的に再送回数が少なく抑えられることとなる。なお、ACK信号を移動局から受信した場合は、データ送信は成功であるから再送は不要であり、次のデータの送信を行うこととなる。
HSDPAに用いられる主な無線チャネルは、図16に示すように(1) HS-SCCH(High Speed-Shared Control Channel)、(2) HS-PDSCH(High Speed-Physical Downlink Shared Channel)、(3) HS-DPCCH(High Speed-Dedicated Physical Control Channel)がある。
HS-SCCH、HS-PDSCHは、双方とも下り方向(即ち、無線基地局から移動局への方向であるダウンリンク)の共有チャネル(shared channel)であり、HS-SCCHは、HS-PDSCHにて送信するデータに関する各種パラメータを送信する制御チャネルである。言い換えれば、HS-PDSCHを介してデータの送信が行われることを通知するチャネルである。各種パラメータとしては、例えば、どの移動局にデータを送信するかの宛先情報、伝送ビットレート情報、どの変調方式を用いてHS-PDSCHによりデータを送信するかを示す変調方式情報、拡散符号(spreading code)の割当て数(コード数)、送信データに対して行うレートマッチングのパターン等の情報がある。
一方、HS-DPCCHは、上り方向(即ち、移動局から無線基地局への方向であるアップリンク)の個別の制御チャネル(dedicated control channel)であり、HS-PDSCHを介して受信したデータのエラーの有、無に応じてそれぞれ受信結果(ACK信号、NACK信号)を移動局が無線基地局に対して送信する場合に用いられる。即ち、HS-PDSCHを介して受信したデータの受信結果を送信するために用いられるチャネルである。尚、移動局がデータの受信に失敗した場合(受信データがCRCエラーである場合等)は、NACK信号が移動局から送信されるので、無線基地局は再送制御を実行することとなる。
その他、HS-DPCCHは、無線基地局から受信した信号の受信品質(例えばSIR)を測定した移動局が、その受信品質をCQI(Channel Quality Indicator)として無線基地局に送信するためにも用いられる。すなわち、CQIは、移動局が基地局に対して受信環境を報告するための情報であり、例えば、CQI=1〜30の値をとり、その受信環境下でブロックエラーレートBLERが0.1を越えないCQIを基地局に報告する。
例えば、移動局はCQIテーブルを保持しており、受信品質(SIR)に対応するCQI値をこのCQIテーブルより求めてHS-DPCCHを介して無線基地局に送信する。
無線基地局は、受信したCQIにより、下り方向の無線環境の良否を判断し、良好であれば、より高速にデータを送信可能な変調方式に切りかえ、逆に良好でなければ、より低速にデータを送信する変調方式に切りかえる(即ち、適応変調を行う)。実際、基地局はCQI=1〜30に応じて伝送速度の異なるフォーマットを定義するCQIテーブルを保持しており、CQIに応じた前記パラメータ(伝送速度、変調方式、多重コード数等)を該CQIテーブルより求めてHS-SCCHで移動局に通知すると共に該パラメータに基づいてHS-PDSCHでデータを移動局へ送信する。
図17は、HSDPAシステムにおけるチャネルのタイミング説明図である。W-CDMAでは、符号分割多重方式を採用するため、各チャネルは符号により分離されている。CPICH(Common Pilot Channel)、SCH(Synchronization Channel)は、それぞれ下り方向の共通チャネルである。CPICHは、移動局においてチャネル推定、セルサーチ等に利用されるチャネルであり、いわゆるパイロット信号を送信するためのチャネルである。SCHは、厳密には、P-SCH(Primary SCH)、S-SCH(Secondary SCH)があり、各スロットの先頭の256チップでバースト状に送信されるチャネルである。このSCHは、3段階セルサーチを行う移動局によって受信され、スロット同期、フレーム同期を確立したり、基地局コード(スクランブルコード)を識別するために用いられる。SCHは1スロットの1/10の長さであるが、図では広めに示している。残りの9/10はP-CCPCH(Primary-common control physical channel)である。
次に、チャネルのタイミング関係について説明する。各チャネルは15個のスロットにより1フレーム(10ms)を構成しており、1フレームは2560チップ長相当の長さを有している。先に説明したように、CPICHは他のチャネルの基準として用いられるため、SCH及びHS-SCCHのフレーム先頭はCPICHのフレームの先頭と一致している。一方、HS-PDSCHのフレームの先頭は、HS-SCCH等に対して2スロット遅延しているが、これは移動局がHS-SCCHを介して変調方式情報を受信してから、該変調方式に対応する復調方式でHS-PDSCHの復調を行うことを可能にするためである。また、HS-SCCH、HS-PDSCHは、3スロットで1サブフレームを構成している。
HS-DPCCHは上り方向のチャネルであり、その第1スロットは、HS-PDSCHの受信から約7.5スロット経過後に、HS-PDSCHの受信結果を示すACK/NACK信号を移動局から無線基地局に送信するために用いられる。また、第2、第3スロットは、適応変調制御のためのCQI情報を定期的に基地局にフィードバック送信するために用いられる。ここで、送信するCQI情報は、CQI送信の4スロット前から1スロット前までの期間に測定した受信環境(例えば、CPICHのSIR測定結果)に基づいて算出される。
移動局4がサービングセルの基地局61からHS-PDSCH でデータ通信している際(HSサービス中)に(図18(A)参照)、移動により隣接セル(ノンサービングセル)に接近するとハンドオーバ状態なる(図18(B)参照)。そして、ノンサービングセルの基地局62から受信した信号の品質、たとえばSIR(Signal to Interference Ratio)がサービングセルの基地局61から受信した信号のSIRより良好になればRNCは通信基地局を基地局61から基地局62に切り替え(図18(C)参照)、基地局62からHS-PDSCH でデータを送信する。
各セルからの下り信号はスクランブルコード(Scrambling Code)が異なるため、移動局でそれぞれのスクランブルコードで逆拡散する事により各セル信号を分離する。また、受信信号には共通パイロット信号CPICHが含まれているから、移動局はスクランブルコードで逆拡散して局分離後にCPICH信号にチャネライゼーションコードを乗算して逆拡散し、これにより、CPICHの平均電力とその分散値を導き出し、SIR(Signal to Interference Ratio)をセル毎に求める。そして各セルからのSIRを比較し、もっとも高いSIRを持つセルをハンドオーバ先の候補として基地局に通知する。
図19はハンドオーバのシーケンスであり、HSDPA方式においてハンドオーバはハードハンドオーバが行われる。
移動局7はサービングセルの基地局61との間で通信を行っている時(S1)、ノンサービングセルの基地局62からの受信品質であるSIRが良好になると、各基地局61, 62から受信した信号のSIRを上位の論理チャネルDCCHでRNC 2に通知する(S2)。RNC 2はSIR報告(チャネル切替要求)を受信すれば、移動局7とノンサービングセルの基地局62間の通信に割り当てた通信チャネル(HS-PDSCH)を起動するよう基地局62に指令する(ハンドオーバ要求S3)。基地局62は通信チャネルの起動指令を受信すれば確認応答する(S4)。
ついで、RNC 2は、通信中の基地局61を介して移動局7にハンドオーバ先の通信チャネル(HS-PDSCH)を通知する(S5)。移動局7はハンドオーバ先の通信チャネルを受信すれば、直ちに、該通信チャネルに応じたチャネルに切り替えて基地局62と通信可能状態にし、以後、切替先基地局62との間で、フレーム同期確立やタイムアライメント調整を行うために同期バースト信号、通信バースト信号を送受する。そして、正常な通信が可能になれば、サービングセルの基地局62はチャネル起動完了をRNC 2に報告する(ハンドオーバ:S6)。RNC 2はチャネル起動完了信号を受信すれば基地局61にチャネル開放を指示出してハンドオーバを完了する(S7)。以後、移動局7は基地局62との間でHS-PDSCHでデータ通信を行う。もちろんその際、HS−SCCHも切り替えられ、基地局62から送信されるHS−SCCHを受信することで、HS−PDSCHの受信を試みる。
移動局はハンドオーバ制御の判定のため、HS-PDSCH信号を現在送信しているサービングセルからの受信信号の品質SIRと、その他のノンサービングセルからの受信信号の品質SIRを測定する。このSIRを測定するために各セルから送信されるCPICH電力を利用する。ところで、サービングセルからの総受信電力に対するCPICH電力の比は、その移動局宛のHS-PDSCH信号が存在する(HSサービス中であるから少なくとも自局宛てにHS−PDSCHの送信がなされている可能性が高い)ので、その移動局宛てのHS-PDSCH信号が存在しないノンサービングセルの比に比べてその分小さくなる。
また、移動局は、受信機にアナログ回路を用いており、受信機のNF(Noise Figure)やフィルタによる波形歪、ローカルの位相雑音などにより固定的な雑音成分を発生する。各セルのCPICHは、受信する過程で内部雑音の影響を受けるが、HS-PDSCHを送信している基地局からの信号を見ると、総受信電力に対するCPICH電力の比が小さいために内部雑音とのSN比が小さくなり、結果的にSIRは小さくなる。
以上から、ハンドオーバ時にサービングセルのSIRは自局HS-PDSCH信号の影響を受けた分小さくなることがある。一方、他セルでHS-PDSCHを送信していない場合やその電力が小さい場合、他セルのSIRはHSサービス中の移動局が存在しないこともありHS-PDSCHの干渉が小さく、SIRの劣化は小さくなり得る。結果として、他セルへのハンドオーバが起こりやすい状況になっている。ここでハンドオーバした場合、他セルにHS-PDSCHの信号が移行する事で、この関係が逆転し、その移動局宛てにHS−PDSCHが送信されることで干渉の増大が発生し、その移行先のセルのSIR値は下がる傾向にある。一方移行元のセルではその移動局のハンドオーバにともない、その移動局に対するHS−PDSCHの送信が無くなるため、干渉が下がるので、SIRが上がり、ハンドオーバ元の方が高いSIRになる事がある。HS-PDSCHはハードハンドオーバであり、セルを移るたびに通信が一瞬途絶えて、スループットが低下する問題が発生する。
総受信電力[dBm]=10 log10[CPICH電力[mW]+HS-PDSCH電力[mW]+
その他のチャネル電力[mW]+外部雑音電力[mW]} (1)
で示すようになる。内部雑音電力は総受信電力に応じた値になるから次式
内部雑音電力[mW]=総受信電力[mW]/η
であらわせ、次式
内部雑音電力[dBm]=総受信電力[dBm]−内部雑音電力比[dB] (2)
が成り立つ。また、総雑音電力は、
総雑音電力[dBm]=10 log10[外部雑音電力[mW]+内部雑音電力[mW]} (3)
で表現できる。CPICHから計算するSIRは、図22に示すようにCPICH電力と総雑音電力の比に比例しているからSIRは次式
SIR [dB]=CPICH電力[dBm]−総雑音電力[dBm]+CPICH拡散ゲイン[dB] (4)
により計算できる。ここで、図23に示すようにHS-PDSCHの信号がなくなった場合を想定する。HS-PDSCH電力がなくなれば、図24に示すように、総受信電力が下がり、これに呼応して内部雑音電力、総雑音電力が下がる。CPICH電力はHS-PDSCHの受信の有無により変化しないから、結果として図25に示すようにSIRは高くなる。
以上のように、HS-PDSCHを受信している場合にはSIRは小さく測定され、HS-PDSCHを受信していない場合にはSIRは大きく測定される。換言すれば、HS-PDSCHを送信している基地局からの信号のSIRが小さくなり、HS-PDSCHを送信していない基地局からの信号のSIRが大きくなる。
3G TS 25.212(3rd Generation Partnership Project: Technical Specification Group Radio Access Network ; Multiplexing and channel coding (FDD)) 3G TS 25.214(3rd Generation Partnership Project: Technical Specification Group Radio Access Network ; Physical layer procedures (FDD))
このため、サービングセルとノンサービングセルとではSIR測定条件が異なり、早めにハンドオーバが行われてしまう問題がある。
また、HS-PDSCHはハードハンドオーバのため、ハンドオーバ完了後にHS-PDSCHの電力が次の基地局に移り、このため次の基地局のSIRが小さく測定され、前の基地局のSIRが大きく測定され、再度ハンドオーバが行われる問題が生じる。
以上から、本発明の目的は、各セル(サービングセル及びノンサービングセル)と移動局間の通信環境、たとえば受信信号のSIRをなるべく同じ条件で測定してハンドオーバ制御することである。
本発明の別の目的は、不要なハンドオーバが生じないようにハンドオーバ制御して通信スループットの低下を防止することである。
本発明の別の目的はハンドオーバ制御のために測定したSIRのうち最大SIRに応じたCQIをサービングセルの基地局に報告することにより迅速に通信環境に応じた伝送レート制御を行えるようにすることである。
前記補償ステップにおいて、移動局は、前記送信元の基地局から受信した信号の総受信電力から前記チャネルで受信した自局宛ての信号の受信電力を差し引いて総受信電力を補正し、該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を算出し、前記チャネルの送信元の基地局から受信したパイロットの信号電力と前記総雑音電力とから、前記チャネルの送信元の基地局と該移動局間の通信環境を測定することにより行う。
あるいは、前記補償ステップにおいて、移動局は、前記他の基地局から前記チャネルで信号を受信する場合の該信号電力を推定し、該他の基地局から受信した信号の総受信電力に前記推定した信号電力を加算して総受信電力を補正し、該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を算出し、前記他の基地局から受信したパイロットの信号電力と前記総雑音電力とから、前記他の基地局と移動局間の通信環境を測定する。
上記課題は本発明によれば、パイロット信号をそれぞれ複数の基地局より移動局に送信すると共に、各基地局と移動局間の通信環境に基づいて該移動局に対するデータ送信のためのチャネルを切り替えるハードハンドオーバ制御を行う通信システムに含まれる移動局において、前記チャネルの送信元の基地局と該移動局との間の通信環境と、他の基地局と該移動局との間の通信環境とを前記ハンドオーバ制御のために測定する際に、前記チャネルの送信により、前記チャネルの送信元の基地局に関する通信環境の測定結果が前記他の基地局に関する通信環境の測定結果より相対的に悪化する分を補償する補償部を備えた移動局により達成される。
前記補償部は、前記チャネルの送信元の基地局から受信した信号の総受信電力を測定する総受信電力測定部と、前記チャネルの送信元の基地局から受信した前記チャネルの信号の電力を測定する信号電力測定部と、前記チャネルの送信元の基地局から受信したパイロットの信号電力を測定するパイロット信号電力測定部と、前記総受信電力から前記チャネルで受信した信号の電力を差し引いて総受信電力を補正し、該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を算出し、前記パイロット信号電力と前記総雑音電力とから、前記チャネルの送信元の基地局と該移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部とを備えている。
あるいは、前記補償部は、前記他の基地局から受信した信号の総受信電力を測定する総受信電力測定部と、前記他の基地局から受信したパイロットの信号電力を測定するパイロット信号電力測定部と、前記他の基地局から前記チャネルで信号を受信する場合の該信号電力を推定し、前記他の基地局から受信した信号の総受信電力に前記推定した信号電力を加算して総受信電力を補正し、該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を算出し、前記他の基地局から受信したパイロットの信号電力と前記総雑音電力とから、前記他の基地局と該移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部とを備えている。
あるいは、前記補償部は、前記チャネルの送信元の基地局から送信される制御チャネルを参照して前記チャネルでデータを通信しないタイミングを判断する判断部と、該タイミングで該チャネルの送信元の基地局から受信したパイロット信号に基づいて該チャネルの送信元の基地局と該移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部と、前記他の通信中でない基地局から受信したパイロット信号に基づいて該他の基地局と移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部を備えている。
上記の移動局は、更に、前記基地局と移動局間の通信環境がパイロット信号電力と雑音電力の比であるSIRで測定するとき、該測定した複数の基地局のSIRのうち最大SIRを求め、該最大SIRに応じた通信環境指示値を送信元基地局にフィードバックする手段を備えている。
また、本発明によれば、サービングセル及びノンサービングセルと移動局間の通信環境、たとえば受信信号のSIRを同じ条件で測定するため、通信環境の良否を正確に判定してハンドオーバ制御することができ、これにより不要なハンドオーバが生じないようにでき、通信スループットの低下を防止することができる。
また、本発明によれば、ハンドオーバ制御のために測定したSIRのうち最大SIRに応じたCQIをサービングセルに報告するようにしたから、ハンドオーバによりサービングセルが切り替わっても迅速に該サービングセルの通信環境に応じた伝送レート制御をすることができる。
移動局と通信中基地局との間の通信環境の測定に際して、移動局は通信中基地局から受信した信号の総受信電力から第2のチャネルで受信した信号の受信電力を差し引いて総受信電力を補正し、該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を補正し、通信中基地局から受信したパイロットの信号電力と前記補正した総雑音電力とから、前記通信中基地局と移動局間の通信環境を測定する。以上により、第2のチャネルでデータ通信を行っていないとしたときの通信中基地局の通信環境を推定できる。一方、通信中でない基地局との間の通信環境の測定に際して、移動局は、通信中でない基地局から受信したパイロット信号を用いて、該通信中でない基地局と移動局間の通信環境を測定する。以上により、各基地局が第2のチャネルでデータ通信を行っていない場合における通信環境を測定して網側に通知することができる。
図1は本発明の移動局の構成図である。基地局から送信された信号はアンテナ11、デュープレクサ12を介して受信機13に入力する。受信機13は図2に示すように高周波増幅器51、帯域制限するバンドパスフィルタ52、RF信号をベースバンド信号に周波数変換する周波数変換部53、高域を制限するローパスフィルタ54、ゲイン可変増幅器55、入力信号をアナログにAD変換器56を備えている。
基地局分離部14は受信機出力信号にサービングセルおよび隣接するノンサービングセルのスクランブルコードを適宜乗算し(逆拡散)、各セルの基地局からの信号を分離して出力する。AGC制御部15は基地局から受信する信号レベルが設定レベルになるように、ゲイン可変増幅器55(図2)のゲイン制御値を決定してDA変換器16を介して該ゲイン可変増幅器55に入力する。なお、AGC制御部15のゲイン制御値は基地局からの総受信電力に対応している。このため、総受信電力測定部17はゲイン制御値と総受信電力の変換テーブルを備えており、AGC制御部15から入力するAGC制御値に基づいて該テーブルより総受信電力を求めて出力する。
パスサーチ部18はサービングセルの基地局から受信した信号に拡散コード(チャネライゼーションコード)を乗算してマルチパスを検出し、パスタイミングをサービングセル用の逆拡散・品質測定部101のHS−PDSCH逆拡散部19とCPICH逆拡散部20に入力する。HS−PDSCH逆拡散部19は入力されたマルチパスの各パスタイミングで逆拡散し、チャネル推定/補償部21はチャネルを推定すると共に、該チャネル推定値に基づいてHS−PDSCH逆拡散信号にチャネル補償を施す。レーク合成部22はチャネル補償された各パスタイミングで出力する逆拡散信号を合成し、復号部23はレーク合成信号を復調、復号し、誤り検出部24はCRC演算により誤り検出を行いCRC結果を出力する。ACK/NACK生成部25はCRCチェック結果に基づいてACK/NACK信号を発生する。受信雑音電力比テーブル記憶部26は受信機の内部雑音電力と総受信電力の比である受信雑音電力比を予め測定されて設定されている。
以上の受信品質測定部30はサービングセルのSIRを測定する構成であるが、ノンサービングセル用の逆拡散・品質測定部102に実装される受信品質測定部30はSIR測定部33を備えるだけでよく、該SIR測定部33で後述する方法でSIRを測定し、SIR2としてSIR報告部41に入力する。
SIR報告部41は上位レイヤである論理チャネルDCCH(Dedicated Control channel)により上記測定されたSIR1,SIR2をRNC(無線ネットワーク制御装置)に送信する。CQI変換部42はSIR1をブロックエラーレートBLERが0.1を越えないCQIに変換し、HS-DPCCHマッピング部43はCQI,ACK/NACKをHS-DPCCHのサブフレームにマッピングして基地局に送信する。また、DPCHマッピング部44は、個別データを個別物理チャネルDPCH(Dedicated Physical Channel)にマッピングして基地局に送信する。
合成部45はDCCH信号、HS-DPCCH信号、DPCH信号を合成し、拡散部46でスクランブルコードで拡散し、FIRフィルタ47、DA変換器48を介して送信機49に入力する。送信機49はベースバンド信号を高周波信号に変換してデュープレクサ12、アンテナ11を介して基地局に向けて送信する。
図3はSIR測定部33のSIR測定法説明図である。送信側においてCPICHのコンスタレーションは図3(A)に示すようにI-Q複素平面の所定位置に存在する。しかし、受信側では雑音の影響を受けてCPICHのコンスタレーションは図3(B)に示すように散らばる。受信CPICHの平均値が信号成分S、平均からのバラツキの大きさが干渉成分Iとなり、信号成分Sと干渉成分Iの比がSIRとなる。
そこで、第kスロットの第nパイロットシンボルに対するm番目のパスの逆拡散信号をrm(n,k)として、Npシンボル分平均すると、平均値は次式
図4に示すように移動局MSがサービングセルSCLとノンサービングセルNSCLの境界エリアに入るとハンドオーバ状態になり、各セルの基地局BS1,BS2から受信する信号のSIRを測定してRNC(無線ネットワーク制御装置)に送信する。
図5は第1実施例におけるハンドオーバ制御のフローである。ハンドオーバ状態になると、移動局はサービングセルSCLからHS-PDSCHを受信していないとした時の受信品質SIR1を測定する(ステップ101)。ついで、移動局はノンサービングセルNSCLについて受信品質SIR2を測定し(ステップ102)、各SIR1,SIR2を論理チャネルDCCHでRNC装置に報告する(ステップ103)。RNCはSIR1,SIR2の大小を比較し(ステップ104)、SIR1<SIR2となれば、ハンドオーバ要求をノンサービングセルNSCLの基地局BS2に出し、以後、図19に示したシーケンスにしたがってハンドオーバを行う(ステップ105)。
サービングセルSCLにおける受信品質SIR1を測定するに際して、予め、図6に従って、移動局の受信機における内部雑音電力と総受信電力の比を測定し、総受信電力に対する受信雑音電力比のテーブルを作成して受信雑音電力比テーブル記憶部26(図1)に保存しておく(ステップ201)。図7は受信雑音電力比の特性を示すグラフであり、(2)式に相当するものである。これは受信機のNF(Noise Figure)が受信機のゲイン制御値、すなわち、総受信電力によって変化するため、HS-PDSCHを受信していないとした時の受信品質SIR1を測定する際に必要になるからである。
図8はサービングセルSCLについて、HS-PDSCHを受信していないとした時の受信品質SIR1の測定処理フローである。
まず、HS-PDSCHを受信している時の総雑音電力(dBm)を(4)式を変形した次式、
総雑音電力NT [dBm]=CPICH電力[dBm]−SIR[dB]+CPICH拡散ゲイン「dB」 (4)′
により計算する(ステップ301)。なお、CPICH電力、SIRは移動局で測定でき、CPICH拡散ゲインは既知の値なので、これより総雑音電力NT[dBm]を導くことができる。
次に、内部雑音電力を、(2)式、すなわち、次式
内部雑音電力[dBm]=総受信電力[dBm]−内部雑音電力比[dB] (2)
により計算する(ステップ302)。上式はステップ201で予め測定して保存してある受信雑音電力比テーブルから内部雑音電力比[dB]求めることにより計算できる。
次に、外部雑音電力を総雑音電力NT [dBm]と内部雑音電力を用いて次式
外部雑音電力[mW]=10(NT [dBm]/10)−内部雑音電力[mW] (5)
により計算する(ステップ303)。この外部雑音電力はHS-PDSCHを受信している時と受信していない時とで同じ値であるから、HS-PDSCHを受信していない時の外部雑音電力が求まったことになる。
外部雑音電力の計算が終了すれば、次にHS-PDSCHを受信していない時の内部雑音電力を計算する。まず、HS-PDSCHを受信していない時の総受信電力PT′[dBm]を次式
総受信電力PT′[dBm]=10log10{総受信電力[mW]−HS-PDSCH電力[mW] } (6)
により計算する(ステップ304)。
ついで、受信雑音電力比テーブルから総受信電力PT′[dBm]に応じた内部雑音電力比[dB]求め、(2)式よりHS-PDSCHを受信していない時の内部雑音電力を計算する(ステップ305)。
以上により、HS-PDSCHを受信していない時の内部雑音電力及び外部雑音電力が求まれば、HS-PDSCHを受信していない時の総雑音電力[dBm]を次式
総雑音電力[dBm]=10log10{外部雑音電力[mW]+内部雑音電力[mW]} (7)
により計算し(ステップ306)、これからHS-PDSCHを受信していない時のSIR1を次式
SIR1 [dB]=CPICH電力[dBm]−総雑音電力[dBm]+CPICH拡散ゲイン[dB] (8)
により計算する。このSIR1をハンドオーバ制御に用いる。
以上、第1実施例によれば、サービングセルからの受信信号のSIRを測定する際に、HS-PDSCHを受信していないときのSIRを測定し、ノンサービングセルからの受信信号のSIRと比較することでハンドオーバ制御するようにしたから、SIR測定の条件をサービングセルとノンサービングセルとで同じにできるから、SIRの比較を正しく行うことが可能になり、不要なハンドオーバを防止でき通信スループットの低下を防止することができる。
図9は第2実施例のサービングセル及びノンサービングセルの逆拡散・品質測定部101,102の構成図であり、図1の逆拡散・品質測定部と同一部分には同一符号を付している。異なる点は、
(1)サービングセルの逆拡散・品質測定部101よりSIR補正部32が除去され、SIR測定部33で測定したSIRがそのままSIR1として出力されている点、
(2)HS-PDSCH電力とCPICH電力がノンサービングセルの逆拡散・品質測定部102のSIR補正部32に入力している点、
(3)ノン サービングセルの逆拡散・品質測定部102よりHS-PDSCH逆拡散部19、HS-PDSCH電力測定部31が除去されている点、
(4) ノン サービングセルの逆拡散・品質測定部102のSIR補正部32がHS-PDSCHを受信しているとしたときのSIRを推定して出力する点である。
図10は第2実施例におけるハンドオーバの制御のフローである。ハンドオーバ状態になると、移動局はサービングセルSCL(図4)について、受信品質SIR1を測定する(ステップ401)。ついで、移動局はノンサービングセルNSCLからHS-PDSCHを受信しているとした時の受信品質SIR2を測定し(ステップ402)、各SIR1,SIR2を論理チャネルDCCHでRNC装置に報告する(ステップ403)。RNCはSIR1,SIR2の大小を比較し(ステップ404)、SIR1<SIR2となれば、ハンドオーバ要求をノンサービングセルNSCLの基地局BS2に出し、以後、図19に示したシーケンスにしたがってハンドオーバを行う(ステップ405)。
SIR補正部32はサービングセルの逆拡散・品質測定部101より入力するサービングセルのHS-PDSCH電力とCPICH電力の比φを求めて保存する(ステップ501)。ついで、ノンサービングセルにおける内部雑音電力と外部雑音電力を(2),(5)式より求める(ステップ502)。
内部雑音電力と外部雑音電力が求まれば、ノンサービングセルにおけるCPICH電力PCPICH[mW]を求め、φ×PCPICH[mW]をノンサービングセルにおけるHS-PDSCH受信時のHS-PDSCH電力として推定する(ステップ503)。ついで、HS-PDSCHが加わったとしたときの総受信電力を次式
総受信電力[dBm]=10log10{総受信電力[mW]+φ×PCPICH[mW] } (9)
により計算する(ステップ504)。しかる後、受信雑音電力比テーブルを用いて内部雑音電力を求め(ステップ505)、総雑音電力[dBm]を次式
総雑音電力[dBm]=10log10{外部雑音電力[mW]+内部雑音電力[mW] } (10)
により計算する(ステップ506)。最後に、ノンサービングセルからHS-PDSCHを受信しているものとしたときのSIR2を次式
SIR2 [dB]=CPICH電力[dBm]−総雑音電力[dBm]+CPICH拡散ゲイン[dB] (11)
により計算し(ステップ507)、このSIR2をハンドオーバ制御に用いる。
以上、第2実施例によれば、ノンサービングセルからの受信信号のSIRを測定する際、該ノンサービングセルからHS-PDSCHを受信しているものとしたときのSIRを測定し、サービングセルからの受信信号のSIRと比較することでハンドオーバ制御するようにしたから、SIR測定の条件をサービングセルとノンサービングセルとで同じにでき、SIRの比較を正しく行うことが可能になり、これにより不要なハンドオーバを防止でき通信スループットの低下を防止することができる。
図12は第3実施例の移動局の構成図であり、図1の第1実施例の構成と同一部分には同一符号を付している。異なる点は、HS-SCCH測定部40を設けた点、SIR測定部33がHS-PDSCHを送信していないスロットにおけるSIRを測定し、SIR1として出力する点である。
図13は第3実施例のハンドオーバ制御のフローである。ハンドオーバ状態になると、移動局はサービングセルSCLから受信するHS-SCCHを復調し、復調した制御情報を参照してHS-PDSCHを送信していないスロットを識別する、(ステップ601)。ついで、サービングセルSCLにおける前記スロットタイミング時の受信信号のSIRを測定し、SIR1とする(ステップ602)。ついで、移動局はノンサービングセルNSCLについて受信品質SIR2を測定し(ステップ603)、各SIR1,SIR2を論理チャネルDCCHでRNC装置に報告する(ステップ604)。RNCはSIR1,SIR2の大小を比較し(ステップ605)、SIR1<SIR2となれば、ハンドオーバ要求をノンサービングセルNSCLの基地局BS2に出し、以後、図19に示したシーケンスにしたがってハンドオーバを行う(ステップ606)。
以上第3実施例によれば、サービングセルよりHS-PDSCHを受信していないときにSIRを測定でき、サービングセルとノンサービングセルにおけるSIR測定条件を同じにでき,精度の高いSIR比較ができる。
第1〜第3実施例でSIR測定条件を同じにしてSIRを求め、SIRが最大のSIRに応じたCQIを求めて基地局に報告するように構成できる。すなわち、図14に示すようにサービングセル及びノンサービングセルの逆拡散・品質測定部101,102から出力するSIR1、SIR2をCQI変換部42に入力する。CQI変換部42は最大のSIRに応じたCQIを求めて基地局に報告する
この変形例によれば、ハンドオーバ後のCQIを早めに基地局に報告して該CQIに応じた伝送レート制御を行うことができる。
以上では、本発明をHSDPAシステムに適用した場合について説明したが、本発明は同様な通信システムに適用することができる。また、SIRにより基地局と移動局間の通信環境を測定する場合について本発明を説明したが、本発明はSIRに限るものではない。
(付記1) パイロット信号をそれぞれ複数の基地局より移動局に送信すると共に、各基地局と移動局間の通信環境に基づいて該移動局に対するデータ送信のためのチャネルを切り替えるハードハンドオーバ制御を行う通信システムに含まれる移動局における通信環境測定方法において、
該移動局は、前記チャネルの送信元の基地局と該移動局との間の通信環境と、他の基地局と該移動局との間の通信環境とを前記ハンドオーバ制御のために測定する際に、前記チャネルの送信により、前記チャネルの送信元の基地局に関する通信環境の測定結果が前記他の基地局に関する通信環境の測定結果より相対的に悪化する分を補償する、
ことを特徴とする移動局の通信環境測定方法。
(付記2)
前記補償は、
前記送信元の基地局から受信した信号の総受信電力から前記チャネルで受信した自局宛ての信号の受信電力を差し引いて総受信電力を補正し、
該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を算出し、
前記チャネルの送信元の基地局から受信したパイロットの信号電力と前記総雑音電力とから、前記チャネルの送信元の基地局と該移動局間の通信環境を測定することにより行う、
ことを特徴とする付記1記載の通信環境測定方法。
(付記3) 予め総受信電力と移動局内部に発生する内部雑音電力の比を、総受信電力値に対応させてテーブル化して保存し、
前記補正後の総受信電力に応じた内部雑音電力を、前記対応テーブルを用いて計算し、
外部雑音電力に該内部雑音電力を加算して前記総雑音電力を算出する、
ことを特徴とする付記2記載の移動局の通信環境測定方法。
(付記4)
前記補償は、
前記他の基地局から前記チャネルで信号を受信する場合の該信号電力を推定し、
該他の基地局から受信した信号の総受信電力に前記推定した信号電力を加算して総受信電力を補正し、
該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を算出し、
前記他の基地局から受信したパイロットの信号電力と前記総雑音電力とから、前記他の基地局と移動局間の通信環境を測定する、
ことを特徴とする付記1記載の通信環境測定方法。
(付記5) 通送信元基地局におけるパイロット信号の受信電力前記チャネルの信号電力の比を求め、
前記他の基地局におけるパイロット信号の受信電力と前記比とから該他の基地局から前記チャネルで信号を受信する場合の該信号電力を推定する、
ことを特徴とする付記4記載の移動局の通信環境測定方法。
(付記6) 予め総受信電力と移動局内部に発生する内部雑音電力の比を、総受信電力値に対応させてテーブル化して保存し、
前記補正後の総受信電力に応じた内部雑音電力を、前記対応テーブルを用いて計算し、
外部雑音電力に該内部雑音電力を加算して前記総雑音電力を算出する、
ことを特徴とする付記5記載の移動局の通信環境測定方法。
(付記7) パイロット信号をそれぞれ複数の基地局より移動局に送信すると共に、各基地局と移動局間の通信環境に基づいて該移動局に対するデータ送信のためのチャネルを切り替えるハードハンドオーバ制御を行う通信システムに含まれる移動局において、
前記チャネルの送信元の基地局と該移動局との間の通信環境と、他の基地局と該移動局との間の通信環境とを前記ハンドオーバ制御のために測定する際に、前記チャネルの送信により、前記チャネルの送信元の基地局に関する通信環境の測定結果が前記他の基地局に関する通信環境の測定結果より相対的に悪化する分を補償する補償部、
を備えたことを特徴とする移動局。
(付記8) 前記補償部は、
前記チャネルの送信元の基地局から受信した信号の総受信電力を測定する総受信電力測定部と、
前記チャネルの送信元の基地局から受信した前記チャネルの信号の電力を測定する信号電力測定部と、
前記チャネルの送信元の基地局から受信したパイロットの信号電力を測定するパイロット信号電力測定部と、
前記総受信電力から前記チャネルで受信した信号の電力を差し引いて総受信電力を補正し、該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を算出し、前記パイロット信号電力と前記総雑音電力とから、前記チャネルの送信元の基地局と該移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部と、
を含むことを特徴とする付記7記載の移動局。
(付記9) 予め総受信電力と移動局内部に発生する内部雑音電力の比を、総受信電力値に対応させてテーブル化して保存する記憶部を備え、
前記通信環境測定部は、前記補正後の総受信電力に応じた内部雑音電力を、前記対応テーブルを用いて計算し、外部雑音電力に該内部雑音電力を加算して前記総雑音電力を算出する、
ことを特徴とする付記8記載の移動局。
(付記10) 前記他の基地局から受信したパイロット信号を用いて、該他の基地局と該移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部、
を備えたことを特徴とする付記8記載の移動局。
(付記11) 前記補償部は、
前記他の基地局から受信した信号の総受信電力を測定する総受信電力測定部と、
前記他の基地局から受信したパイロットの信号電力を測定するパイロット信号電力測定部と、
前記他の基地局から前記チャネルで信号を受信する場合の該信号電力を推定し、前記他の基地局から受信した信号の総受信電力に前記推定した信号電力を加算して総受信電力を補正し、該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を算出し、前記他の基地局から受信したパイロットの信号電力と前記総雑音電力とから、前記他の基地局と該移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部と、
を含むことを特徴とする付記7記載の移動局。
(付記12) 前記通信環境測定部は、
前記送信元基地局から受信したパイロットの信号電力を測定するパイロット信号電力測定部、
前記送信元基地局から受信した前記チャネルの信号の電力を測定する信号電力測定部、
前記送信元基地局から受信したパイロットの信号電力と該チャネルの信号電力の比を求め、前記他の基地局における前記パイロットの信号電力と前記比とから該他の基地局から前記チャネルで信号を受信する場合の該信号電力を推定する推定部、
を備えたことを特徴とする付記11記載の移動局。
(付記13) 前記通信環境測定部は、
予め総受信電力と移動局内部に発生する内部雑音電力の比を、総受信電力値に対応させてテーブル化して保存する記憶部、
前記補正後の総受信電力に応じた内部雑音電力を、前記対応テーブルを用いて計算し、外部雑音電力に該内部雑音電力を加算して前記総雑音電力を補正する総雑音電力補正部、
を備えたことを特徴とする付記12記載の移動局。
(付記14)
前記補償部は、
前記チャネルの送信元の基地局から送信される制御チャネルを参照して前記チャネルでデータを通信しないタイミングを判断する判断部と、
該タイミングで該チャネルの送信元の基地局から受信したパイロット信号に基づいて該チャネルの送信元の基地局と該移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部と、
前記他の通信中でない基地局から受信したパイロット信号に基づいて該他の基地局と移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部と、
を含むことを特徴とする付記7記載の移動局。
(付記15) 前記基地局と移動局間の通信環境をパイロット信号電力と雑音電力の比であるSIRとして測定するとき、該測定した複数の基地局のSIRのうち最大SIRを求め、該最大SIRに応じた通信環境指示値を前記送信元基地局にフィードバックする手段、
を備えたことを特徴とする付記8または11または14記載の移動局。
13 受信機
14 基地局分離部
15 AGC制御部
17 総受信電力測定部
19 HS−PDSCH逆拡散部
20 CPICH逆拡散部
26 受信雑音電力比テーブル記憶部
30 受信品質測定部
31 HS-PDSCH電力測定部
32 SIR補正部
33 SIR補正部
34 CPICH電力測定部
41 SIR報告部
42 CQI変換部
43 HS-DPCCHマッピング部
44 DPCHマッピング部
Claims (12)
- パイロット信号をそれぞれ複数の基地局より移動局に送信すると共に、各基地局と移動局間の通信環境に基づいて該移動局に対するデータ送信のためのチャネルを切り替えるハードハンドオーバ制御を行う通信システムに含まれる移動局における通信環境測定方法において、
該移動局は、前記チャネルの送信元の基地局と該移動局との間の通信環境と、他の基地局と該移動局との間の通信環境とを前記ハンドオーバ制御のために測定する際に、前記チャネルの送信により、前記チャネルの送信元の基地局に関する通信環境の測定結果が前記他の基地局に関する通信環境の測定結果より相対的に悪化する分を補償する、
ことを特徴とする移動局の通信環境測定方法。 - 前記補償は、
前記送信元の基地局から受信した信号の総受信電力から前記チャネルで受信した自局宛ての信号の受信電力を差し引いて総受信電力を補正し、
該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を算出し、
前記チャネルの送信元の基地局から受信したパイロットの信号電力と前記総雑音電力とから、前記チャネルの送信元の基地局と該移動局間の通信環境を測定することにより行う、
ことを特徴とする請求項1記載の通信環境測定方法。 - 前記補償は、
前記他の基地局から前記チャネルで信号を受信する場合の該信号電力を推定し、
該他の基地局から受信した信号の総受信電力に前記推定した信号電力を加算して総受信電力を補正し、
該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を算出し、
前記他の基地局から受信したパイロットの信号電力と前記総雑音電力とから、前記他の基地局と移動局間の通信環境を測定する、
ことを特徴とする請求項1記載の通信環境測定方法。 - パイロット信号をそれぞれ複数の基地局より移動局に送信すると共に、各基地局と移動局間の通信環境に基づいて該移動局に対するデータ送信のためのチャネルを切り替えるハードハンドオーバ制御を行う通信システムに含まれる移動局において、
前記チャネルの送信元の基地局と該移動局との間の通信環境と、他の基地局と該移動局との間の通信環境とを前記ハンドオーバ制御のために測定する際に、前記チャネルの送信により、前記チャネルの送信元の基地局に関する通信環境の測定結果が前記他の基地局に関する通信環境の測定結果より相対的に悪化する分を補償する補償部、
を備えたことを特徴とする移動局。 - 前記補償部は、
前記チャネルの送信元の基地局から受信した信号の総受信電力を測定する総受信電力測定部と、
前記チャネルの送信元の基地局から受信した前記チャネルの信号の電力を測定する信号電力測定部と、
前記チャネルの送信元の基地局から受信したパイロットの信号電力を測定するパイロット信号電力測定部と、
前記総受信電力から前記チャネルで受信した信号の電力を差し引いて総受信電力を補正し、該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を算出し、前記パイロット信号電力と前記総雑音電力とから、前記チャネルの送信元の基地局と該移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部と、
を含むことを特徴とする請求項4記載の移動局。 - 予め総受信電力と移動局内部に発生する内部雑音電力の比を、総受信電力値に対応させてテーブル化して保存する記憶部を備え、
前記通信環境測定部は、前記補正後の総受信電力に応じた内部雑音電力を、前記対応テーブルを用いて計算し、外部雑音電力に該内部雑音電力を加算して前記総雑音電力を算出する、
ことを特徴とする請求項5記載の移動局。 - 前記他の基地局から受信したパイロット信号を用いて、該他の基地局と該移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部、
を備えたことを特徴とする請求項5記載の移動局。 - 前記補償部は、
前記他の基地局から受信した信号の総受信電力を測定する総受信電力測定部と、
前記他の基地局から受信したパイロットの信号電力を測定するパイロット信号電力測定部と、
前記他の基地局から前記チャネルで信号を受信する場合の該信号電力を推定し、前記他の基地局から受信した信号の総受信電力に前記推定した信号電力を加算して総受信電力を補正し、該補正後の総受信電力に基づいて総雑音電力を算出し、前記他の基地局から受信したパイロットの信号電力と前記総雑音電力とから、前記他の基地局と該移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部と、
を含むことを特徴とする請求項4記載の移動局。 - 前記通信環境測定部は、
前記送信元基地局から受信したパイロットの信号電力を測定するパイロット信号電力測定部、
前記送信元基地局から受信した前記チャネルの信号の電力を測定する信号電力測定部、
前記送信元基地局から受信したパイロットの信号電力と該チャネルの信号電力の比を求め、前記他の基地局における前記パイロットの信号電力と前記比とから該他の基地局から前記チャネルで信号を受信する場合の該信号電力を推定する推定部、
を備えたことを特徴とする請求項8記載の移動局。 - 前記通信環境測定部は、
予め総受信電力と移動局内部に発生する内部雑音電力の比を、総受信電力値に対応させてテーブル化して保存する記憶部、
前記補正後の総受信電力に応じた内部雑音電力を、前記対応テーブルを用いて計算し、外部雑音電力に該内部雑音電力を加算して前記総雑音電力を補正する総雑音電力補正部、
を備えたことを特徴とする請求項9記載の移動局。 - 前記補償部は、
前記チャネルの送信元の基地局から送信される制御チャネルを参照して前記チャネルでデータを通信しないタイミングを判断する判断部と、
該タイミングで該チャネルの送信元の基地局から受信したパイロット信号に基づいて該チャネルの送信元の基地局と該移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部と、
前記他の通信中でない基地局から受信したパイロット信号に基づいて該他の基地局と移動局間の通信環境を測定する通信環境測定部と、
を含むことを特徴とする請求項4記載の移動局。 - 前記基地局と移動局間の通信環境をパイロット信号電力と雑音電力の比であるSIRとして測定するとき、該測定した複数の基地局のSIRのうち最大SIRを求め、該最大SIRに応じた通信環境指示値を前記送信元基地局にフィードバックする手段、
を備えたことを特徴とする請求項5または8または11記載の移動局。
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