JP2006261617A - 半導体装置、半導体装置の製造方法、電子デバイスおよび電子機器 - Google Patents

半導体装置、半導体装置の製造方法、電子デバイスおよび電子機器 Download PDF

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敬 青木
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Abstract

【課題】性能および信頼性が高い半導体装置、かかる半導体装置を容易に効率よく製造し得る半導体装置の製造方法、前記半導体装置を備える電子デバイスおよび電子機器を提供すること。
【解決手段】図2に示す薄膜トランジスタ(半導体装置)1は、第1の基板220上に半導体層314が設けられている。この半導体層314には、ソース領域316、ドレイン領域318およびチャネル領域320が一体的に形成されており、ソース領域316およびドレイン領域318の厚さは、それぞれ、チャネル領域320の厚さより大きくなっている。また、半導体層314上には、ゲート絶縁膜326と層間絶縁膜342とを有し、これらの絶縁膜には、半導体層314のソース領域316およびドレイン領域318における最も厚さが大きい部分近傍に、孔部が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置、半導体装置の製造方法、電子デバイスおよび電子機器に関するものである。
集積回路や薄膜トランジスタ等に応用されるシリコン膜の形成は、CVD法等の真空プロセスにより行われるのが一般的である。しかしながら、このような方法では、装置が大掛かりである上に、工程数が多いため、高コストであるという問題がある。
近年、液体状の高次シラン(ポリシラン)またはその溶液を基板に塗布し、熱処理等を施すことによりシリコン膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
この方法では、原材料が液体であるため取り扱いが容易であり、大型の真空装置等を必要としないため、低いコストでシリコン膜を形成することができる。
また、このシリコン膜を用いて薄膜トランジスタを形成する方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
この方法では、薄膜トランジスタ中の層間絶縁膜およびゲート絶縁膜に、フォトエッチングを用いてコンタクトホール(孔部)を形成し、シリコン膜中に形成されたソース領域およびドレイン領域と各電極との導通を図っている。
しかしながら、上記の方法では、シリコン膜のチャネル領域に対応する部分の膜厚と、シリコン膜のソース領域およびドレイン領域に対応する部分の膜厚がほぼ同じであるため、薄膜トランジスタの製造歩留まりの向上との性能の向上を両立させることが困難である。
すなわち、シリコン膜の膜厚が小さいと、コンタクトホールがソース領域およびドレイン領域を貫通するおそれがあり、製造歩留まりが低下する。一方、シリコン膜の膜厚が大きいと、チャネル領域の性能が低下する。
特開2003−313299号公報 特開2001−179167号公報 特開2003−318120号公報
本発明の目的は、性能および信頼性が高い半導体装置、かかる半導体装置を容易に効率よく製造し得る半導体装置の製造方法、前記半導体装置を備える電子デバイスおよび電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の半導体装置は、ソース領域、ドレイン領域およびチャネル領域が一体的に形成された半導体層を有する半導体装置であって、
前記半導体層は、その前記ソース領域および前記ドレイン領域の厚さが、それぞれ前記チャネル領域の厚さより大きいことを特徴とする。
これにより、性能および信頼性が高い半導体装置が得られる。
本発明の半導体装置では、前記ソース領域および前記ドレイン領域は、前記半導体層に不純物が含有されてなることが好ましい。
これにより、性能および信頼性が高い半導体装置が得られる。
本発明の半導体装置では、前記半導体層の前記ソース領域および前記ドレイン領域の平均厚さを、それぞれ、A[nm]とし、前記半導体層の前記チャネル領域の平均厚さをB[nm]としたとき、1<A/B≦15なる関係を満足することが好ましい。
これにより、ゲート絶縁膜および層間絶縁膜に形成された孔部が、ソース領域およびドレイン領域を貫通するのをより確実に防止すると同時に、チャネル領域の厚さを小さくすることができるために、薄膜トランジスタのS値および閾値電圧を低減させることができる。
本発明の半導体装置では、前記半導体層の前記ソース領域および前記ドレイン領域の平均厚さは、それぞれ、50〜300nmであることが好ましい。
これにより、孔部によるソース領域およびドレイン領域の貫通をより確実に防止するとともに、ゲート絶縁膜や層間絶縁膜に生じる亀裂等を防止することができる。
本発明の半導体装置では、前記半導体層の前記チャネル領域の平均厚さは、20〜100nmであることが好ましい。
これにより、薄膜トランジスタのS値および閾値電圧をより確実に低減させることができる。
本発明の半導体装置では、前記ソース領域の一部分が前記ソース領域の他の部分より***していることが好ましい。
これにより、孔部を容易に形成することができる。
本発明の半導体装置では、前記ソース領域上に、孔部を有する絶縁膜が形成され、
前記孔部は、前記ソース領域の前記***している一部の上に形成されていることが好ましい。
これにより、孔部がソース領域およびドレイン領域を貫通して生じるオーバーエッチングをより確実に防止することができる。
本発明の半導体装置では、前記チャネル領域は結晶性を有することが好ましい。
これにより、チャネル領域の電子移動度を高めることができる。
本発明の半導体装置では、前記半導体層は、その平面視において、ほぼ円形または長円形の中心部と、該中心部を囲み、その厚さが前記中心部の厚さより大きい環状部とを有し、
前記中心部に前記チャネル領域が形成され、前記環状部に前記ソース領域および前記ドレイン領域が形成されていることが好ましい。
これにより、周縁部の形状(厚さ)のバラツキをより低減することができる。また、半導体層の製造プロセスにおいて、周縁部の厚さの制御が特に容易であるという利点も有する。
本発明の半導体装置の製造方法は、基板上の所定領域に、半導体材料の前駆体と溶媒とを含む液体材料を供給して液状被膜を形成する工程と、
前記液状被膜から溶媒を除去するとともに、前記液状被膜の周縁部に前記前駆体を偏在させて、被膜を得る工程と、
前記被膜中において前記前駆体を前記半導体材料に変化させることにより、半導体層を得る工程と、
前記半導体層の周縁部の離間した2つの領域に不純物イオンを導入して、ソース領域およびドレイン領域を形成するとともに、前記不純物イオンを導入しなかった部分をチャネル領域とする工程とを有することを特徴とする。
これにより、性能および信頼性が高い半導体装置を、容易に効率よく製造することができる。
本発明の半導体装置の製造方法では、前記液体材料中の前記前駆体の濃度および前記液状被膜からの前記溶媒の除去速度のうちの少なくとも一方を設定することにより、前記被膜の形状を調整することが好ましい。
これにより、被膜の形状を容易に調整することができる。
本発明の半導体装置の製造方法では、前記液状被膜の周縁部における前記前駆体の濃度が、前記液状被膜の中央部における前記前駆体の濃度が飽和濃度に達するより早く飽和濃度に達するように、前記周縁部における前記前駆体の濃度および前記除去速度を設定することが好ましい。
これにより、前駆体を液状被膜の周縁部に、容易かつ確実に偏在させることができる。
本発明の半導体装置の製造方法では、前記半導体材料の少なくとも一部を結晶化させる工程を有することが好ましい。
これにより、半導体材料の少なくとも一部を結晶化させる。
本発明の半導体装置の製造方法では、前記液体材料は、前記所定領域に、ディスペンス法またはインクジェット法を用いて供給されることが好ましい。
これらの方法を用いることにより、所定領域に精度よく、かつ、選択的に液体材料を供給することができる。このため、廃棄する液体材料の量が少なくなり、より効率よく液体材料を供給することができる。
本発明の電子デバイスは、本発明の半導体装置を備えることを特徴とする。
これにより、性能および信頼性が高い電子デバイスが得られる。
本発明の電子機器は、本発明の電子デバイスを備えることを特徴とする。
これにより、性能および信頼性が高い電子機器が得られる。
以下、本発明の半導体装置、半導体装置の製造方法、電子デバイスおよび電子機器について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
なお、以下では、本発明の電子デバイスをアクティブマトリックス駆動方式の透過型液晶表示装置に適用した場合を一例として説明する。
<透過型液晶表示装置の構成>
図1は、本発明の電子デバイスを透過型液晶表示装置に適用した場合の実施形態を示す分解斜視図、図2は、図1に示す透過型液晶表示装置の薄膜トランジスタ付近の拡大縦断面図である。
なお、図1では、図が煩雑となるのを避けるため一部の部材を省略している。また、以下の説明では、図1、図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す透過型液晶表示装置10(以下、単に「液晶表示装置10」と言う。)は、液晶パネル(表示パネル)20と、バックライト(光源)60とを有している。
この液晶表示装置10は、バックライト60からの光を液晶パネル20に透過させることにより画像(情報)を表示し得るものである。
液晶パネル20は、互いに対向して配置された第1の基板220と第2の基板230とを有し、これらの第1の基板220と第2の基板230との間には、表示領域を囲むようにしてシール材(図示せず)が設けられている。
そして、これらの第1の基板220、第2の基板230およびシール材により画成される空間には、電気光学物質である液晶が収納され、液晶層(中間層)240が形成されている。すなわち、第1の基板220と第2の基板230との間に、液晶層240が介挿されている。
なお、図示は省略したが、液晶層240の上面および下面には、それぞれ、例えばポリイミド等で構成される配向膜が設けられている。これらの配向膜により液晶層240を構成する液晶分子の配向性(配向方向)が規制されている。
第1の基板220および第2の基板230は、それぞれ、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスのような各種ガラス材料、各種樹脂材料等で構成されている。
この第1の基板220上には、必要に応じて、下地層が設けられていてもよい。下地層としては、例えば、第1の基板220表面からのイオンの拡散を防止する目的、後述する半導体層と第1の基板220との密着性(接合性)を向上させる目的等により設けられる。
この下地層は、例えば、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)、ポリイミド、ポリアミド、架橋により不溶化したポリマー等により構成することができる。
第1の基板220は、その上面(液晶層240側の面)221に、マトリックス状(行列状)に配置された複数の画素電極223と、X方向に延在する走査線224と、Y方向に延在する信号線228とが設けられている。
各画素電極223は、透明性(光透過性)を有する透明導電膜により構成され、それぞれ、1つの薄膜トランジスタ(本発明の半導体装置)1を介して、走査線224および信号線228に接続されている。
なお、本実施形態では、第1の基板220と、画素電極223と、走査線224と、信号線228と、次に説明する薄膜トランジスタ1とにより、本発明の半導体装置を適用したアクティブマトリクス装置が構成されている。
図2に示すように、薄膜トランジスタ1は、第1の基板220上に設けられ、チャネル領域320とソース領域316とドレイン領域318とが一体的に形成された半導体層314と、半導体層314を覆うように設けられたゲート絶縁膜326、層間絶縁膜342と、ゲート絶縁膜326を介してチャネル領域320と対向するように設けられたゲート電極351と、ソース領域316上方の層間絶縁膜342上に設けられ、ソース電極として機能する導電部352と、ドレイン領域318上方の層間絶縁膜342上に設けられ、ドレイン電極として機能する導電部354と、ソース領域316と導電部352とを電気的に接続するコンタクトプラグ350と、ドレイン領域318と導電部354とを電気的に接続するコンタクトプラグ353とを有している。
なお、図2においてゲート電極351およびゲート絶縁膜326は半導体層314上に形成され、所謂トップゲート型の構造をなしているが、第1の基板220、ゲート電極351、ゲート絶縁膜326および半導体層314との順に積層する、所謂ボトムゲート型の構造であってもよい。
なお、導電部354は、画素電極223と電気的に接続するように、一体的に形成されている。また、導電部352およびゲート電極351は、それぞれ、信号線228および走査線224に電気的に接続されている。
走査線224(ゲート電極351)および信号線228(導電部352)は、それぞれ、導電性を有する金属配線膜により構成されている。また、画素電極223(導電部354)は、透明性(光透過性)を有する透明導電膜により構成されている。この透明導電膜(無機酸化物膜)が、後述する本発明の成膜方法により形成される。
画素電極223を構成する透明導電膜は、構成材料の種類等によっても若干異なるが、その比抵抗率が1×10−2Ω・cm以下であるのが好ましく、7×10−3Ω・cm以下であるのがより好ましい。透明導電膜の比抵抗率を前記範囲とすることにより、液晶表示装置10をより応答速度の速いものとすることができる。
本実施形態では、図2に示すように、この第1の基板220上に、半導体層314が設けられている。
前述したように、この半導体層314は、チャネル領域320とソース領域316とドレイン領域318とを有している。
半導体層314は、チャネル領域320の一方の側部にソース領域316が、チャネル領域320の他方の側部にドレイン領域318が、それぞれ一体的に形成された構成となっている。
このソース領域316およびドレイン領域318は、半導体層314に不純物が含有されてなるものである。
そして、本発明では、半導体層314のソース領域316およびドレイン領域318の厚さ(以下、単に「ソース領域の厚さ」および「ドレイン領域の厚さ」とも言う。)を、チャネル領域320の厚さ(以下、単に「チャネル領域の厚さ」とも言う。)より大きくなるように設定した。
ソース領域316およびドレイン領域318の厚さをそれぞれ大きくしたことにより、薄膜トランジスタ1の製造プロセスにおいて、後に詳述するコンタクトプラグ350、353を設けるための孔部(コンタクトホール)328、329を形成する際に、この孔部328、329がソース領域316およびドレイン領域318を貫通して形成されること(オーバーエッチング)を防止することができる。これにより、薄膜トランジスタ1に、動作不良を生じるのを防止することができる。
また、逆に、ソース領域316およびドレイン領域318の厚さを厚くしたことにより、オーバーエッチングが生じないように、エッチング条件を設定するのが容易となる。
一方、チャネル領域320の厚さを薄くすることにより、薄膜トランジスタ1のサブスレッシュホールド特性を示すS値をより低減させることができ、これにより、薄膜トランジスタ1の閾値電圧を低く設定することができる。その結果、薄膜トランジスタ1、ひいては液晶表示装置10の消費電力を低減させることができる。
以上のことから、薄膜トランジスタ1の製造歩留まりの向上および性能の向上の双方を図ることができる。
また、この場合、ソース領域316またはドレイン領域318の厚さをA[nm]とし、チャネル領域320の厚さをB[nm]としたとき、AとBとは、B<Aの関係を満足していればよいが、特に、1<A/B≦15なる関係を満足するのが好ましく、1.2≦A/B≦10なる関係を満足するのがより好ましく、1.5≦A/B≦5なる関係を満足するのがさらに好ましい。
これにより、ゲート絶縁膜326および層間絶縁膜342に形成された孔部328、329が、ソース領域316およびドレイン領域318を貫通するのをより確実に防止すると同時に、チャネル領域320の厚さを小さくすることができるために、薄膜トランジスタ1のS値および閾値電圧を低減させることができる。また、AとBとの差が大きくなりすぎて、後に詳述するゲート絶縁膜326や層間絶縁膜342の適切な形成(例えば、絶縁膜に亀裂等生じることなく形成すること等)が困難になるのを防止することができる。
このような半導体層314のソース領域316またはドレイン領域318の平均厚さは、50〜300nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。これにより、孔部328、329によるソース領域316およびドレイン領域318の貫通をより確実に防止するとともに、ゲート絶縁膜326や層間絶縁膜342に生じる亀裂等を防止することができる。
また、ソース領域316およびドレイン領域318は、それぞれ、その厚さがチャネル領域320の厚さより大きければよく、形状は特に限定されないが、中心部が***しているものが好ましい。これにより、ゲート絶縁膜326およびゲート電極351を、半導体層314に対して、より密着性よく形成することができる。
すなわち、例えば、ソース領域316は、その一部分が、他の部分より***しているのが好ましい。これにより、前記効果に加え、孔部328をより容易に形成することができる。
また、前述したように、ソース領域316上およびドレイン領域318上には、ゲート絶縁膜326および層間絶縁膜342が設けられている。そして、これらの各絶縁膜326、342には、孔部328、329が形成されるが、各孔部328、329は、ソース領域316およびドレイン領域318における最も厚さが大きい部分の近傍に形成されるのが好ましい。すなわち、例えば、ソース領域316において、他の部分より***している一部分の上に形成されているのが好ましい。これにより、前述のオーバーエッチングをより確実に防止することができる。
一方、半導体層314のチャネル領域320の平均厚さは、20〜100nm程度であるのが好ましく、30〜60nm程度であるのがより好ましい。これにより、薄膜トランジスタ1のS値および閾値電圧をより確実に低減させることができる。
このようなソース領域316、ドレイン領域318およびチャネル領域320が一体的に形成されている半導体層314は、その厚さが一端から他端に向かって、急激に変化する部分や階段状に変化する部分を有するものであってもよいが、連続的に変化しているものが好ましい。これにより、半導体層314上に、後に詳述するゲート絶縁膜326や層間絶縁膜342を、より均一な厚さで形成することができる。その結果、ゲート絶縁膜326や層間絶縁膜342に亀裂等が生じて絶縁破壊に至ったり、ゲート絶縁膜326上に形成されたゲート電極351が断線する等により、薄膜トランジスタ1に動作不良が生じるのをより確実に防止することができる。
また、半導体層314は、図2の上方から見たときの形状(平面視形状)において、その周縁部が丸みを帯びた形状をなしているのが好ましい。これにより、周縁部の形状(厚さ)のバラツキを低減することができる。また、後に詳述する半導体層314の製造プロセスにおいて、周縁部の厚さの制御が容易であるという利点も有する。
このような半導体層314の平面視形状の具体例としては、例えば、図3(a)および図3(b)に示すようなものが挙げられる。
図3(a)に示す半導体層314は、その平面視において、ほぼ円形の中心部と、中心部を囲み、その厚さが中心部の厚さより大きい周縁部(環状部)とを有する形状をなしている。また、図3(b)に示す半導体層314は、その平面視において、ほぼ長円形の中心部と、中心部を囲み、その厚さが中心部の厚さより大きい周縁部を有する形状をなしている。これにより、前記効果がより顕著となる。
そして、中心部にチャネル領域320が形成され、周縁部にソース領域316およびドレイン領域318が形成されている。
このような半導体層314は、例えば、多結晶シリコン、アモルファスシリコンのようなシリコン、ゲルマニウム、ヒ素化ガリウム等の各種半導体材料を主材料として構成される。
このような各種半導体材料の中でも、半導体層314は、シリコンを主材料として構成するのが好ましい。シリコンは、比較的耐熱性が高く、高温下でも安定して動作することから、半導体材料として優れたものである。
このうち、チャネル領域320は、例えば、真性半導体材料で構成される。
一方、ソース領域316およびドレイン領域318は、例えば、リン等のn型不純物が導入(ドープ)された半導体材料で構成される。
なお、半導体層314の構成はこの構成に限定されず、例えば、ソース領域316およびドレイン領域318は、p型不純物が導入された半導体材料で構成されてもよい。
このような半導体層314は、絶縁膜(ゲート絶縁膜326、層間絶縁膜342)で覆われている。
ゲート絶縁膜326、層間絶縁膜342の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、SiO2、TEOS(ケイ酸エチル)、ポリシラザン等のケイ素化合物を用いることができる。
なお、ゲート絶縁膜326、層間絶縁膜342は、上述した材料の他、例えば樹脂、セラミックス等で構成することもできる。
ゲート絶縁膜326の平均厚さは、特に限定されないが、50〜300nm程度であるのが好ましく、100〜200nm程度であるのがより好ましい。
また、層間絶縁膜342の平均厚さは、特に限定されないが、100〜1000nm程度であるのが好ましく、200〜600nm程度であるのがより好ましい。
ゲート電極351の構成材料としては、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、Al、Al合金、Cr、Mo、Ta、Ta合金等の導電性材料で構成される。
層間絶縁膜342上には、導電部352および導電部354がもうけられ、これらのものは、それぞれ、ソース領域316およびドレイン領域318の上方に形成されている。
ゲート絶縁膜326と層間絶縁膜342とのソース領域316およびドレイン領域318が形成された領域内には、それぞれ、その厚さ方向に向かって、ソース領域316およびドレイン領域318に連通する孔部(コンタクトホール)328、329が形成されている。
導電部352および導電部354は、それぞれ、この孔部328、329に形成されたコンタクトプラグ350およびコンタクトプラグ353を介して、ソース領域316およびドレイン領域318と電気的に接続されている。
なお、これらの導電部上には、例えば、SiO、SiN等の材料で構成された、図示しないパッシベーション膜が形成されていてもよい。
また、図1に示すように、第1の基板220の下面には、偏光板225が設けられている。
一方、第2の基板230は、その下面(液晶層240側の面)231に、複数の帯状をなす対向電極232が設けられている。これらの対向電極232は、互いに所定間隔をおいてほぼ平行に配置され、かつ、画素電極223に対向するように配列されている。
画素電極223と対向電極232とが重なる部分(この近傍の部分も含む)が1画素を構成し、これらの電極間で充放電を行うことにより、各画素毎に、液晶層240の液晶が駆動、すなわち、液晶の配向状態が変化する。
対向電極232も、前記画素電極223と同様に、透明性(光透過性)を有する透明導電膜により構成されている。
各対向電極232の下面には、それぞれ、赤(R)、緑(G)、青(B)の有色層(カラーフィルター)233が設けられ、これらの各有色層233がブラックマトリックス234によって仕切られている。
ブラックマトリックス234は、遮光機能を有し、例えば、クロム、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、亜鉛、チタンのような金属、カーボン等を分散した樹脂等で構成されている。
また、第2の基板230の上面には、前記偏光板225とは偏光軸が異なる偏光板235が設けられている。
このような構成の液晶パネル20では、バックライト60から発せられた光は、偏光板225で偏光された後、第1の基板220および各画素電極223を介して、液晶層240に入射する。液晶層240に入射した光は、各画素毎に配向状態が制御された液晶により強度変調される。強度変調された各光は、有色層233、対向電極232および第2の基板230を通過した後、偏光板235で偏光され、外部に出射する。これにより、液晶表示装置10では、第2の基板230の液晶層240と反対側から、例えば、文字、数字、図形等のカラー画像(動画および静止画の双方を含む)を視認することができる。
<アクティブマトリクス装置の製造方法>
次に、アクティブマトリクス装置の製造方法について、薄膜トランジスタ1の製造工程を中心に説明する。
図4〜図6は、それぞれ、薄膜トランジスタの製造工程を説明するための図(断面図)である。なお、以下では、図4〜図6中の上側を「上」、下側を「下」として説明する。
[1] 前処理工程
まず、図4(a)に示すように、第1の基板220に対して、次工程[2]において、半導体層314を形成すべき所定領域(以下、「膜形成領域」と言う。)220aの、半導体層314の形成に用いる液体材料314aに対する濡れ性が、膜形成領域220aを囲む領域220bの液体材料314aに対する濡れ性より相対的に高くなる処理を施す。
なお、膜形成領域220aを囲む領域220bは、半導体膜314を形成しない領域であり、以下、非膜形成領域220bと言う。
本実施形態では、非膜形成領域220bに対して、選択的に液体材料314aに対する濡れ性が低くなる処理(撥液処理)を施す。これにより、膜形成領域220aの液体材料314aに対する濡れ性が、非膜形成領域220bの液体材料314aに対する濡れ性より相対的に高くなる。
これは、例えば、基板220の上面全体に、撥液膜を形成した後、膜形成領域220aに形成された撥液膜を選択的に除去すること等により形成することができる。
この撥液膜は、例えば、フルオロアルキル基、アルキル基、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基等の撥水性官能基を有する各種カップリング剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、パーフルオロエチレン−プロペン共重合体(FEP)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、パーフロロアルキルエーテルのようなフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等の各種撥水性樹脂材料等を用いて形成することができる。
また、撥液膜は、前記材料を溶解した溶液を、例えば、スピンコート法、スリットコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディスペンス法、インクジェット印刷法(液滴吐出法)等を用いて、基板220上に供給して形成することができる。
撥液膜の除去には、例えば、レーザー照射による方法や、プラズマ照射によるアッシング処理等が挙げられる。
なお、インクジェット印刷法を用いて、非膜形成領域220bに選択的に撥液膜を形成するようにしてもよい。
また、撥液処理には、例えば、フッ素イオン等の撥液性を示すイオンを第1の基板220の表面に打ち込む方法を用いることもできる。
このようにして形成された膜形成領域220aの液体材料314aに対する接触角は、特に限定されないが、10°以下であるのが好ましく、5°以下であるのがより好ましい。
また、非膜形成領域220bの液体材料314aに対する接触角は、特に限定されないが、75°以上であるのが好ましく、90°以上であるのがより好ましい。
なお、本工程[1]は、必要に応じて行えばよく、省略してもよい。
[2] 半導体層形成工程
[2−1] まず、図4(b)に示すように、第1の基板220上の膜形成領域220aに、半導体材料の前駆体と溶媒とを含む液体材料314aを供給して、図4(c)に示すように、液状被膜314bを形成する。
半導体材料の前駆体としては、半導体材料の種類に応じて、適宜選択され、特に限定されない。
前述したように、半導体層314は、好ましくはシリコンを主材料として構成されるが、この場合、半導体材料の前駆体としては、ポリシラン、ポリシラザン、シリコンアルコキシド、シリコンアセトナート等が挙げられる。これらの中でも、ポリシランを主成分とするものが好ましい。
これらのものは、取り扱いが容易であり、また、容易かつ確実にシリコンへ変化させることができる材料である。このため、これらの材料を用いることにより、シリコンを主材料とする半導体層314をより容易かつ確実に形成することができる。
また、これらの材料を用いることにより、半導体層314の形状をより容易かつ確実に、所望のものとすることができる。
液体材料314aを供給する方法としては、前記工程[1]で挙げた方法を用いることができる。
第1の基板220上に、液体材料314aを供給すると、膜形成領域220aは、液体材料314aに対する濡れ性が高いため、容易に濡れ広がり、一方、非膜形成領域220bは、液体材料314aに対する濡れ性が低いため、液体材料314aを弾いて、付着を阻止する。
これにより、膜形成領域220aと非膜形成領域220bとの境界線を、平面視形状における周縁部とする液状被膜314bが形成される。
この場合、膜形成領域220aの平面視での面積(平面積)は、好ましくは0.0001〜1mm以下、より好ましくは0.0001〜0.01mm程度に設定される。これにより、後述する工程において、膜形成領域220aに応じて形成される被膜の形状の調整をより容易に、かつ、均一に行うことができる。
なお、液体材料314aを供給する方法としては、特に、ディスペンス法またはインクジェット法を用いるのが好ましい。これらの方法を用いることにより、膜形成領域220aに精度よく、かつ、選択的に液体材料314aを供給することができる。このため、廃棄する液体材料314aの量が少なくなり、より効率よく液体材料314aを供給することができる。
[2−2] 次に、液状被膜314bから溶媒を除去するとともに、図4(d)に示すように、液状被膜314bの周縁部に半導体材料の前駆体を偏在(析出)させて、図4(e)に示すような被膜(固形状被膜)314cを得る。
この被膜314cの形状、すなわち、液状被膜314bの周縁部に前駆体を偏在させる程度は、液体材料314a中の前駆体の濃度および液状被膜314bの乾燥速度(溶媒の除去速度)のうちの少なくとも一方を設定することにより、容易に調整することができる。
なお、液状被膜314bの乾燥速度(溶媒の除去速度)は、液体材料314aの調製に用いる溶媒の種類(溶媒の粘度、溶媒の沸点)、液体材料314aを供給する際の第1の基板220の温度、本工程[2−2]における雰囲気中の溶媒の分圧、雰囲気の温度等を調整することにより、設定可能である。
そして、液状被膜314bの周縁部における前駆体の濃度が、液状被膜314bの中央部における前駆体の濃度が飽和濃度に達するより早く飽和濃度に達するように、液体材料314a中の前駆体の濃度および液状被膜314bの乾燥速度を設定すると、前駆体を液状被膜314bの周縁部に、容易かつ確実に偏在させることができる。
ここで、基板上に形成された液状被膜は、通常、その周縁部における乾燥の進行が早い。このため、本実施形態の液状被膜314bの乾燥過程においても、周縁部における溶媒の乾燥が早く進み、前駆体の濃度が飽和濃度に達すると、乾燥により失った分の溶媒を、中央部から補う流れ、すなわち、中央部から周縁部に向かう液体の流れ315が形成される。この液体の流れ315は、前述の液体材料314a中の前駆体の濃度および液状被膜314bの乾燥速度に応じて変化するものである。
そして、液体の流れ315に伴い、液状被膜314bの周縁部に前駆体が多く運ばれる。周縁部では、前駆体の析出に伴う粘度上昇等により、液体の流れが滞留し易く、前駆体の高濃度状態が維持される。すなわち、中央部から周縁部に向かう液体の流れ315に比べて、周縁部から中央部に向かう液体の流れが弱くなる。そして、液状被膜314bの周縁部において前駆体が多く析出し、析出した前駆体によって液状被膜314bの周縁部がピン止めされたような状態となり、それ以降の乾燥に伴う液状被膜314bの収縮(外径の減少)が抑制される。その結果、液状被膜314bとほぼ同等の外径を有し、周縁部に前駆体がリング状に偏在し、周縁部の厚さが中央部の厚さより大きい被膜314cを形成することができる。
この場合、液体材料314a中の前駆体の濃度および液状被膜314bの乾燥速度のうち、液体材料314aの前駆体の濃度が低いほど、また、液状被膜314bの乾燥速度が大きいほど、液状被膜314bの中央部から周縁部に向かう液体の流れ315が強くなる。したがって、液体材料314a中の前駆体の濃度を低下させたり、液状被膜314bの乾燥速度を大きくしたりすることにより、被膜314cの中央部の厚さに対する周縁部の厚さの比を大きくすることができる。
これに対し、液体材料314a中の前駆体の濃度および液状被膜314bの乾燥速度のうち、液体材料314aの前駆体の濃度が高いほど、また、液状被膜314bの乾燥速度が小さいほど、液状被膜314bの中央部から周縁部に向かう液体の流れ315が弱くなる。したがって、液体材料314a中の前駆体の濃度を上昇させたり、液状被膜314bの乾燥速度を小さくしたりすることにより、被膜314cの中央部の厚さに対する周縁部の厚さの比を小さくすることができる。
なお、液体材料314a中における前駆体の含有量は、好ましくは50wt%以下、より好ましくは5〜20wt%程度に設定される。これにより、前駆体の析出の制御を容易に行うことができ、その結果、液状被膜314bの乾燥速度を設定することにより、被膜314cの形状を調整することが可能となる。すなわち、形状の調整をより容易に行うことができる。
また、液体材料314a中の前駆体の濃度に依存して、液体材料314a全体の粘度も変化することから、液体材料314a中の溶媒の粘度を設定することによっても、前述と同様に析出した被膜314cの形状を調整することができる。
また、溶媒を除去する方法としては、例えば、加熱、大気圧または減圧雰囲気下での放置、不活性ガス(例えば、窒素ガス等)を吹付ける方法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの方法を適宜選択することにより、液状被膜314bの乾燥速度を設定することができる。
このような方法の中でも、溶媒の除去には、加熱による方法を用いるのが特に好ましい。これにより、容易かつ均一に溶媒の除去を行うことができる。
[2−3] 次に、得られた被膜314c中において、前駆体を半導体材料に変化させる。これにより、図5(f)に示すような半導体層314を得る。
前駆体を半導体材料に変化させる方法としては、例えば、加熱、光照射等による方法が挙げられるが、特に、加熱による方法を用いるのが好ましい。かかる方法によれば、大掛かりな設備を要せず、前駆体を比較的容易に半導体材料へ変化させることができる。
この場合、加熱の温度は、前駆体の種類によっても異なり、特に限定されないが、50〜600℃程度であるのが好ましく、200〜500℃程度であるのがより好ましい。加熱の温度が低過ぎると、前駆体へ熱エネルギーが十分に付与されず、半導体材料への変化に長い時間を要するおそれがある。一方、加熱の温度を前記上限値を超えて高くしても、それ以上の効果の増大が期待できない。
また、加熱の時間は、加熱の温度にもよるが、10分〜3時間程度であるのが好ましく、30分〜2.5時間程度であるのがより好ましい。加熱の時間が短過ぎると、前駆体が半導体材料へ変化するのに長い時間を要するおそれがある。一方、加熱の時間が前記上限値を超えてもよいが、反応がほぼ完了しているため、それ以上の効果の増大を期待できない。
また、加熱の雰囲気は、特に限定されないが、例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性雰囲気や、減圧雰囲気であるのが好ましい。これにより、半導体材料(半導体層)に生じる、酸化等による変質、劣化をより確実に抑制することができる。
なお、液体材料314aの供給量や、加熱条件等を設定することによっても、得られる半導体層314の全体としての厚さを調整することができる。
[2−4] 次に、必要に応じて、半導体層314に対して光を照射する。これにより、半導体材料の少なくとも一部を結晶化させる。
ここで、結晶化させる方法としては、特に限定されないが、前述のように光を照射する方法の他、プラズマジェットを噴射する方法等が挙げられるが、光を用いる方法が好ましい。
このような結晶化は、半導体材料としてアモルファスシリコンのようなアモルファス(非結晶)材料を用いた場合において特に効果的に用いられる。
すなわち、アモルファスシリコン膜は、光を照射されると発熱し、シリコンの結晶化温度を超えることにより、微細な結晶が集合した多結晶シリコン(ポリシリコン)膜となる。
この多結晶シリコン膜は、アモルファスシリコン膜に比べて100倍程度の電子移動度を有しているため、半導体材料の電子移動度をより向上させることができる。
用いる光源としては、例えば、低圧あるいは高圧の水銀ランプ、重水素ランプあるいはアルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガスの放電光の他、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザー等が挙げられる。このうち、レーザー光を用いるのが好ましい。これにより、半導体材料の結晶化をより効率よく行うことができる。
レーザー光の中でも、特に、エキシマレーザーを用いるのがより好ましい。エキシマレーザーは、波長が320nm程度以下と短く、アモルファスシリコン膜への吸収率が高いため、効率よく結晶化を行うことができる。また、レーザー光の半導体材料(アモルファスシリコン膜へ)の吸収率が高く、透過率が低いことにより、第1の基板220が不本意に加熱させることを抑制することができる。
レーザー光のエネルギー密度としては、300〜900mJ/cm程度であるのが好ましく、500〜700mJ/cm程度であるのがより好ましい。
また、レーザー光の照射時間としては、エネルギー密度に応じて若干異なるが、5〜70ns程度であるのが好ましく、10〜50ns程度であるのがより好ましい。
ところで、前述の電子移動度等の半導体材料としての性能は、多結晶シリコンの結晶性の良否(例えば、結晶粒の大きさ等)に影響されるものである。そして、結晶性が高く、結晶粒が大きいほど前記性能が高くなる。
レーザー光が照射されたアモルファスシリコン膜は、その照射部が溶融され、レーザー光の照射の終了とともに冷却を開始する。この冷却においてアモルファスシリコン膜は結晶化して、多結晶シリコン膜となる。
従来、アモルファスシリコン膜は、その厚さが均一となるように形成されていたため、その全体において熱容量が均一であり、全領域が同時に溶融し、同時に結晶化を開始する。このとき、全領域に多数の結晶核が生じて、それらを核として同時に結晶成長するため、各結晶は十分な大きさに成長する前に、結晶同士がぶつかり合って成長を妨げ合う。その結果、得られる多結晶シリコン膜の結晶性は低く、結晶粒は小さいものとなっていた。
一方、本発明では、半導体層314において、周縁部の厚さが、中央部の厚さより大きくなっているため、熱容量は、周縁部に比べて中央部が小さくなっている。したがって、熱容量の小さい中央部において、周縁部より先に結晶化が開始されて比較的少数の結晶核が生じる。そして、結晶の成長は、より熱容量の大きい周縁部に向かって進行する。その結果、結晶粒はより大きく成長し、より結晶性の高い多結晶シリコン膜を得ることができる。
すなわち、上記のようにして多結晶シリコンの結晶性を向上させることにより、チャネル領域320の電子移動度が向上する。
[3] ゲート絶縁膜形成工程
次に、図5(g)に示すように、第1の基板220上に、半導体層314を覆うように、ゲート絶縁膜326を形成する。
ゲート絶縁膜326は、例えば、SiO等を主材料として構成されている。
ゲート絶縁膜326の形成は、ゲート絶縁膜326の構成材料の前駆体を前記構成材料に変化させる方法、CVD法等の各種成膜方法等により行うことができる。
なお、ゲート絶縁膜326の形成に先立って、半導体層314上の酸化物、汚染物等の不要物の除去を行うようにしてもよい。
不要物の除去する方法としては、酸素プラズマ等によるアッシング処理や、フッ酸等による酸処理等が好適に用いられる。
[4] ゲート電極形成工程
次に、図5(h)に示すように、ゲート絶縁膜326上にゲート電極351を形成する。
ゲート電極351は、例えば、スパッタ法等の各種成膜方法により、ゲート絶縁膜326上に導電膜を形成した後、フォトリソグラフィー法等により、ゲート電極351に対応する形状のレジスト層を形成し、このレジスト層をマスクとして、エッチング法等を用いて導電膜の不要部分を除去することにより形成することができる。
この場合、エッチング法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
レジスト材料を塗布する方法としては、例えば、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法のような各種塗布法が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、用いるレジスト材料は、ネガ型のレジスト材料およびポジ型のレジスト材料のいずれであってもよい。
また、ゲート電極351は、例えば、フォトリソグラフィー法等により、ゲート電極351を形成する領域に開口部を有するレジスト層を形成した後、このレジスト層をマスクとして用いて、開口部に液状のゲート電極形成用材料を塗布法により形成し、このレジスト材料を形成するゲート電極351の形状に対応するフォトマスクを介して、露光・現像することにより得ることもできる。
なお、ゲート電極351を形成するための液状のゲート電極形成材料としては、例えば、金属微粒子や有機金属化合物等を主成分とするものを用いることができる。
また、ゲート電極351の形成後、必要に応じて、レジスト層の除去を行う。レジスト層の除去は、例えば、大気圧または減圧下における酸素プラズマやオゾン蒸気により行うことができる。
[5] ソース領域およびドレイン領域形成工程
次に、ゲート電極351をマスクとして用いて、ソース領域316とドレイン領域318とに所定の量の不純物(例えば、p型半導体を形成する場合はBイオン)の打ち込みを行う。
これにより、図5(i)に示すように、ゲート電極351の下部に対応する位置がチャネル領域320となった半導体層314を得ることができる。
次に、必要に応じて、打ち込んだ不純物イオンの活性化処理を行ってもよい。
この活性化処理としては、例えば、半導体層314に対して、加熱、光照射等を行う方法が挙げられるが、特に、加熱による方法を用いるのが好ましい。かかる方法によれば、大掛かりな設備を要せず、活性化の制御を比較的容易に行うことができる。
この場合、加熱の温度は、特に限定されないが、300〜600℃程度であるのが好ましく、400〜500℃程度であるのがより好ましい。
また、加熱の時間は、加熱の温度にもよるが、10〜120分程度であるのが好ましく、20〜40分程度であるのがより好ましい。
また、加熱の雰囲気は、特に限定されないが、例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性雰囲気や、減圧雰囲気であるのが好ましい。これにより、半導体材料(半導体層)に生じる、酸化等による変質、劣化をより確実に抑制しつつイオン活性化処理を行うことができる。
[6] 層間絶縁膜形成工程
次に、図5(j)に示すように、ゲート絶縁膜326上およびゲート電極351上に層間絶縁膜342を形成する。
層間絶縁膜342は、例えば、SiO等を主材料として構成されている。
また、層間絶縁膜342の形成は、層間絶縁膜342の構成材料の前駆体を前記構成材料に変化させる方法、CVD法等の各種成膜方法等により行うことができる。
[7] 孔部形成工程
次に、図6(k)に示すように、第1孔部328および第2孔部329を形成する。
孔部328、329の形成に先立って、まず、層間絶縁膜342上に、各孔部328、329を形成する領域にそれぞれ開口部を有するレジスト層を形成する。
次いで、開口部の下方に位置する層間絶縁膜342およびゲート絶縁膜326を除去することにより、各孔部328、329を形成することができる。また、各孔部の形成後、必要に応じてレジスト層を除去する。
層間絶縁膜342およびゲート絶縁膜326の除去は、例えば、前記工程[4]で挙げたエッチング法と同様にして行うことができる。
ここで、従来、半導体層のソース領域およびドレイン領域の厚さと、チャネル領域の厚さは、均一に形成していた。一般に、半導体装置の性能を向上させるためには、チャネル領域の厚さは薄いほどよく、したがって、半導体層全体の厚さは、チャネル領域の厚さに律則されて薄いものとならざるを得なかった。その結果、このような薄い半導体層では、孔部の形成過程における各種条件のバラツキを許容できず、孔部がソース領域およびドレイン領域を貫通する場合があった。そして、これにより、薄膜トランジスタ1に動作不良等が生じ、製造歩留まりの低下の原因となっていた。
しかしながら、本発明では、ソース領域316およびドレイン領域318の厚さを厚く設定する。これにより、この貫通(オーバーエッチング)を防止し、薄膜トランジスタ1に、動作不良を生じるのを確実に防止することができる。その結果、薄膜トランジスタ1の製造歩留まりの向上と性能を向上の両立を図ることができる。
[8] コンタクトプラグ形成工程
次に、図6(m)に示すように、第1孔部328および第2孔部329をそれぞれ埋めるように、コンタクトプラグ350およびコンタクトプラグ353を形成する。
これにより、コンタクトプラグ350とソース領域316とが、コンタクトプラグ353とドレイン領域318とが、それぞれ、電気的に接続される。
このような、コンタクトプラグ350、353は、まず、各孔部328、329内を埋めように、かつ、層間絶縁膜342を覆うようにして、導電性材料を供給した後、導電性材料を層間絶縁膜342の上面が露出するまで除去することにより形成することができる。
導電性材料としては、ゲート電極351の構成材料と同様のものを用いることができ、導電性材料の供給も、ゲート電極351を形成する際に用いた方法と同様に行うことができる。
また、導電性材料の除去は、層間絶縁膜342およびゲート絶縁膜326の除去方法と同様に行うことができる。
[9] 導電部形成工程
次に、図6(n)に示すように、層間絶縁膜342上に、コンタクトプラグ350、コンタクトプラグ353とが、それぞれ、電気的に接続するように、導電部352(信号線228)、導電部354(画素電極223)を形成する。
導電部352、354は、前記工程[4]と同様にして形成することができる。
さらに、導電部352、354を覆うように、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)などで構成されたパッシベーション膜(図示せず)を形成するようにしてもよい。
以上のような工程により、薄膜トランジスタ1が形成される。
<電子機器>
本発明の電子デバイスは、各種電子機器の表示部に用いることができる。
図7は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100においては、表示ユニット1106が前述の液晶表示装置(電子デバイス)10を備えている。
図8は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、前述の液晶表示装置(電子デバイス)10を表示部に備えている。
図9は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、前述の液晶表示装置10が表示部に設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が液晶表示装置10に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、本発明の電子機器は、図7のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図8の携帯電話機、図9のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の半導体装置、半導体装置の製造方法、電子デバイス、電子機器を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の電子デバイスは、液晶パネルの適用に限定されるものではなく、有機EL素子、電気泳動表示装置等に適用してもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.薄膜トランジスタの作製
(実施例1)
[1] 基板上に半導体層を形成した。
[1−1] 平均厚さ500μmのホウケイ酸ガラス基板を用意し、水(洗浄液)を用いて洗浄した。
次に、ホウケイ酸ガラス基板上に、CVD法により、SiOで構成された平均厚さ200nmの下地層を形成した。
次いで、塗布法により、フッ化アルキルシランで構成された撥液膜を形成した。そして、内径100μmの開口部がマトリックス状に横1024個×縦768個配置されたマスクを介して、撥液膜上に、波長172nmのエキシマレーザーを照射し、照射部のフッ化アルキルシランを分解した。
[1−2] 次に、シクロペンタシラン10mLとトルエン100mLとを混合するとともに、波長254nmの紫外光を照射してシクロペンタシランを反応させ、ポリシランを含有する液体材料を調製した。なお、このときの液体材料中のポリシランの含有量は、10wt%であった。そして、この液体材料を、インクジェット法により、ホウケイ酸ガラス基板上のレーザー光を照射した領域に供給し、液状被膜を形成した。
なお、撥液膜の液体材料に対する接触角は5°、レーザーを照射した領域の液体材料に対する接触角は90°であった。
[1−3] 続いて、この液状被膜を放置することにより、トルエンを気化させることにより除去して、外径100μmのリング状にポリシランを析出させた。なお、液状被膜中のトルエンを除去した際の条件は、以下に示すとおりである。
・温度 :15℃
・雰囲気:窒素
[1−4] 次に、ポリシランを析出させたホウケイ酸ガラス基板を400℃×2時間で加熱した。これにより、外径100μmの円形状のアモルファスシリコン膜を得た。
なお、アモルファスシリコン膜の中央部と周縁部の厚さは、それぞれ以下に示すとおりであった。
・中央部の厚さ:50nm
・周縁部の厚さ:60nm
[1−5] 次いで、アモルファスシリコン膜にレーザー光を照射することにより、アモルファスシリコンを結晶化させて、多結晶シリコン膜で構成された半導体層を得た。
なお、レーザー光を照射した際の条件は、以下に示すとおりである。
・レーザーの種類:エキシマレーザー(XeCl)
・波長 :308nm
・エネルギー密度:600mJ/cm
・照射時間 :20ns
[2] 次に、半導体層上に、CVD法により、SiOで構成された平均厚さ150nmのゲート絶縁膜を形成した。
[3] 次に、ゲート絶縁膜上に、フォトリソグラフィー法により、Taで構成されたゲート電極を形成した。
[4] 次に、ゲート電極をマスクとして用いて、半導体層にリンイオンを打ち込むとともに、加熱によるイオン活性化処理を行い、半導体層にソース領域およびドレイン領域を形成した。なお、イオン打ち込みおよびイオン活性化処理の条件は以下に示すとおりである。
・イオン打ち込み
・エネルギー :100[keV]
・イオン数(ドーズ量):1×1016[/cm
・イオン活性化処理
・加熱温度 :400[℃]
・加熱時間 :30[分]
・加熱雰囲気 :窒素
[5] 次に、ゲート絶縁膜上およびゲート電極上に、CVD法により、SiOで構成された平均厚さ400nmの層間絶縁膜を形成した。
[6] 次に、層間絶縁膜上に、コンタクトホールを形成する領域に開口部を有するレジスト層を形成する。そして、エッチング法により開口部の下方に位置する層間絶縁膜およびゲート絶縁膜を除去して、コンタクトホールを形成した。続いて、レジスト層を除去した。
[7] 次に、コンタクトホールを埋めるように、かつ、層間絶縁膜を覆うようにして、スパッタ法により、アルミニウムで構成されたコンタクトプラグを形成するとともに、ソース領域およびドレイン領域と電気的に接続した。
[8] 次に、層間絶縁膜上に、スパッタ法およびフォトリソグラフィー法により、導電部を形成した。これにより、薄膜トランジスタ(半導体装置)を作製した。
(実施例2)
工程[1−3]において、液状被膜中のトルエンの除去条件を以下のようにした以外は、前記実施例1と同様にして、薄膜トランジスタを作製した。
・温度 :25℃
・雰囲気:窒素
なお、工程[1−4]におけるアモルファスシリコン膜の中央部と周縁部の厚さは、それぞれ以下に示すとおりであった。
・中央部の厚さ:40nm
・周縁部の厚さ:70nm
(実施例3)
工程[1−3]において、液状被膜中のトルエンの除去条件を以下のようにした以外は、前記実施例1と同様にして、薄膜トランジスタを作製した。
・温度 :40℃
・雰囲気:窒素
なお、工程[1−4]におけるアモルファスシリコン膜の中央部と周縁部の厚さは、それぞれ以下に示すとおりであった。
・中央部の厚さ:30nm
・周縁部の厚さ:80nm
(比較例)
工程[1−2]〜[1−4]において、基板上にスピンコート法で液体材料を供給し、フォトリソグラフィー法を用いて半導体層を形成するようにした以外は、前記実施例1と同様にして、薄膜トランジスタ(半導体装置)を作製した。
なお、得られたアモルファスシリコン膜の中央部と周縁部の厚さは、それぞれ以下に示すとおりであった。
・中央部の厚さ:40nm
・周縁部の厚さ:40nm
2.透過型液晶表示装置の作製
以上のようにして作製した各実施例および比較例の各薄膜トランジスタを用いて、横1024画素×縦768画素の透過型液晶表示装置(電子デバイス)を作製した。
3.評価
3.1 結晶粒径の評価
各実施例および比較例の各薄膜トランジスタの半導体層の結晶粒径を測定した。なお、結晶粒径の測定は、各半導体層を、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察する方法により行った。
その結果、各実施例で得られた半導体層は、その結晶粒の平均粒径が800〜1000nmと非常に大きく、結晶性の高い良質な多結晶シリコン膜となっていた。
これに対し、比較例で得られた半導体層は、その結晶粒の平均粒径が200nmと小さく、結晶性の低い多結晶シリコン膜であった。
3.2 透過型液晶表示装置の評価
各実施例および比較例の各透過型液晶表示装置の表示性能を目視にて評価した。
その結果、各実施例の薄膜トランジスタを用いて作製した透過型液晶表示装置は、薄膜トランジスタの動作不良による画素欠けが0.001%未満と非常に少なく、表示性能は良好であった。
これに対し、比較例の薄膜トランジスタを用いて作製した透過型液晶表示装置は、画素欠けが0.012%と多く、表示性能に問題があった。
本発明の電子デバイスを透過型液晶表示装置に適用した場合の実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示す透過型液晶表示装置の薄膜トランジスタ付近の拡大縦断面図である 液状被膜の平面視形状の一例を示す図である。 薄膜トランジスタの製造工程を説明するための図(断面図)である。 薄膜トランジスタの製造工程を説明するための図(断面図)である。 薄膜トランジスタの製造工程を説明するための図(断面図)である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
符号の説明
1……薄膜トランジスタ 10……液晶表示装置 20……液晶パネル 220……第1の基板 220a……膜形成領域 220b……非膜形成領域 221……上面 223……画素電極 224……走査線 225……偏光板 228……信号線 230……第2の基板 231……下面 232……対向電極 233……有色層 234……ブラックマトリックス 235……偏光板 240……液晶層 60……バックライト 314……半導体層 314a……液体材料 314b……液状被膜 314c……被膜 315……液体の流れ 316……ソース領域 318……ドレイン領域 320……チャネル領域 326……ゲート絶縁膜 328……第1孔部 329……第2孔部 342……層間絶縁膜 350……コンタクトプラグ 351……ゲート電極 352……導電部 353……コンタクトプラグ 354……導電部 1100……パーソナルコンピュータ 1102……キーボード 1104……本体部 1106……表示ユニット 1200……携帯電話機 1202……操作ボタン 1204……受話口 1206……送話口 1300……ディジタルスチルカメラ 1302……ケース 1304……受光ユニット 1306……シャッタボタン 1308……回路基板 1312……端子 1314……端子 1430……テレビモニタ 1440……パーソナルコンピュータ

Claims (16)

  1. ソース領域、ドレイン領域およびチャネル領域が一体的に形成された半導体層を有する半導体装置であって、
    前記半導体層は、その前記ソース領域および前記ドレイン領域の厚さが、それぞれ前記チャネル領域の厚さより大きいことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記ソース領域および前記ドレイン領域は、前記半導体層に不純物が含有されてなる請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記半導体層の前記ソース領域および前記ドレイン領域の平均厚さを、それぞれ、A[nm]とし、前記半導体層の前記チャネル領域の平均厚さをB[nm]としたとき、1<A/B≦15なる関係を満足する請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記半導体層の前記ソース領域および前記ドレイン領域の平均厚さは、それぞれ、50〜300nmである請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記半導体層の前記チャネル領域の平均厚さは、20〜100nmである請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 前記ソース領域の一部分が前記ソース領域の他の部分より***している請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体装置。
  7. 前記ソース領域上に、孔部を有する絶縁膜が形成され、
    前記孔部は、前記ソース領域の前記***している一部の上に形成されている請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記チャネル領域は結晶性を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の半導体装置。
  9. 前記半導体層は、その平面視において、ほぼ円形または長円形の中心部と、該中心部を囲み、その厚さが前記中心部の厚さより大きい環状部とを有し、
    前記中心部に前記チャネル領域が形成され、前記環状部に前記ソース領域および前記ドレイン領域が形成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の半導体装置。
  10. 基板上の所定領域に、半導体材料の前駆体と溶媒とを含む液体材料を供給して液状被膜を形成する工程と、
    前記液状被膜から溶媒を除去するとともに、前記液状被膜の周縁部に前記前駆体を偏在させて、被膜を得る工程と、
    前記被膜中において前記前駆体を前記半導体材料に変化させることにより、半導体層を得る工程と、
    前記半導体層の周縁部の離間した2つの領域に不純物イオンを導入して、ソース領域およびドレイン領域を形成するとともに、前記不純物イオンを導入しなかった部分をチャネル領域とする工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 前記液体材料中の前記前駆体の濃度および前記液状被膜からの前記溶媒の除去速度のうちの少なくとも一方を設定することにより、前記被膜の形状を調整する請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記液状被膜の周縁部における前記前駆体の濃度が、前記液状被膜の中央部における前記前駆体の濃度が飽和濃度に達するより早く飽和濃度に達するように、前記周縁部における前記前駆体の濃度および前記除去速度を設定する請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記半導体材料の少なくとも一部を結晶化させる工程を有する請求項10ないし12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記液体材料は、前記所定領域に、ディスペンス法またはインクジェット法を用いて供給される請求項10ないし13のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  15. 請求項1ないし9のいずれかに記載の半導体装置を備えることを特徴とする電子デバイス。
  16. 請求項15に記載の電子デバイスを備えることを特徴とする電子機器。
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