JP2006257187A - 無黄変性軟質ポリウレタンフォーム及びそれを成形してなる成形品 - Google Patents

無黄変性軟質ポリウレタンフォーム及びそれを成形してなる成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 紫外線や窒素酸化物(NOX)や熱の作用に起因する黄変がほとんど無く、かつ圧縮残留歪み性能に優れた無黄変性軟質ポリウレタンフォーム及びそれを成形してなる成形品を提供する。
【解決手段】 イソシアネート成分として、3−イソシアナトメチル3,5,5トリメチルヘキシルイソシアネート(IPDI)及び/又はその三量体及び/又は三量体の重合体の混合物(「IPDI及び/又はその誘導体」)と、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の三量体及び/又は三量体の重合体の混合物(「HDIの三量体及び/又はその誘導体」)とを、IPDI及び/又はその誘導体:HDIの三量体及び/又はその誘導体の質量による混合比=70〜30:30〜70で用いる無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。該難黄変性軟質ポリウレタンフォームを成形してなる衣料用、サニタリー用又は化粧用成形品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無黄変性軟質ポリウレタンフォームに関する。詳細には、本発明は、紫外線や窒素酸化物(NOX)や熱の作用に起因する黄変がほとんど無く、かつ圧縮残留歪み性能に優れた無黄変性軟質ポリウレタンフォーム及びそれを成形してなる成形品に関する。
軟質ポリウレタンフォームは、良好なクッション性、通気性、吸音性を有することから広範囲な分野で使用されている。特に、ブラジャーパッド、肩パッド等の衣料用フォーム、紙おむつ、ナプキン等のサニタリー用フォーム、パフ等の化粧用フォーム等の美観や清潔感が要求されるものについては、黄変しない又は黄変し難い、無黄変又は難黄変性の白色外観を有する軟質ポリウレタンフォームが求められている。
従来、軟質ポリウレタンフォームは、ポリオールと有機ポリイソシアネートとを発泡剤、整泡剤、触媒及び添加剤の存在下に反応させることによって製造されてきた。有機ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)のような芳香族系ポリイソシアネートが、相対的に反応し易いことから用いられるのが一般的である。しかし、TDIのような芳香族系ポリイソシアネートを用いて得られたウレタンフォームは、日光等の紫外線の影響を受け、時間の経過とともにフォームが黄色に変色するという問題があった。
このような黄変を防止する手段として、芳香族ポリイソシアネートに代えて脂肪族ポリイソシアネート又は脂環族ポリイソシアネートを使用した色調変化を受け難い軟質ポリウレタンフォームが提案されている(例えば特許文献1及び特許文献2を参照)。特許文献1及び特許文献2では、脂環族ポリイソシアネートとして、特にイソホロンジイソシアネート(3−イソシアナトメチル3,5,5トリメチルヘキシルイソシアネート:以下「IPDI」と呼ぶ)が挙げられている。
脂肪族又は脂環式のポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネートに比べて反応性が極めて低い。そのため、これらのポリイソシアネートの反応性を高めるのに、特許文献1では、ポリオールと脂肪族又は脂環式のポリイソシアネートとを反応させるに際し、特殊な触媒を使用することによってポリウレタンフォームの初めの物理的性質を保持しながら、光や酸素の影響下に実質的に色調変化を受けないポリウレタンフォームが得られると述べられている。また、特許文献2では、ポリイソシアネートとしてNCOが芳香族環に直接結合していないポリイソシアネートを使用しかつ触媒として特定の二種の化合物の組合せを使用することにより、色安定性に関する工業的要求が満足されるポリウレタンが得られると述べられている。
しかし、上記提案においてもなおいくつかの問題点が残されている。すなわち、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネートを用いてポリウレタンフォームを製造しようとする場合に、これらのポリイソシアネートは反応性が極めて低いために、重合に時間がかかり、十分な発泡が得られなかったり、全体的に均一な反応が達成されなかったりて、反応のバランスを調整するのが困難でありかつ生産性に欠ける点、性状が均一な製品が得られない点及び圧縮残留歪み率が極めて大きい点等である。
上述した問題点を解決する方策として、イソシアネート成分として、IPDIに対して脂肪族及び/又は脂環族ポリイソシアネートの三量体を混合した物を使用する方法(例えば特許文献3を参照)、ノルボルナン環を有するイソシアネートを用いる方法(例えば特許文献4を参照)が開示されている。しかし、特許文献3及び特許文献4によっても、十分な圧縮残留歪み性能が得られなかったり、また汎用のイソシアネートを用いないで特殊のイソシアネートを用いる場合には、生産性に欠けたり、生産コストが上昇する等の問題も生じる。十分な圧縮残留歪み性能が得られないと、ポリウレタンフォームを用いた製品は、圧縮された後に復元し難く、使用するにつれて変形したり、クッション性に劣ったりする。
このように、現状では、ポリウレタンフォームにおいて紫外線やNOxに起因する黄変が抑制されかつ圧縮残留歪みが小さい軟質ポリウレタンフォームが強く望まれている。
特公昭52-30437号公報 特公昭54-15599号公報 特開2000−226429号公報 特開2003−261643号公報
本発明の目的は、前記事情に鑑み、紫外線やNOxに起因する黄変が抑制されかつ圧縮残留歪みが小さい軟質ポリウレタンフォーム及びそれを成形してなる成形品を提供することである。
本発明者等は、軟質ポリウレタンフォームの製造において、イソシアネート成分として、汎用のイソシアネートの中から選定した特定の二種以上のイソシアネートを特定の混合比で用いることにより、反応調整が容易であると共に、紫外線やNOxや熱に起因する黄変が抑制されかつ圧縮残留歪み性能が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、以下の1〜9の発明が提供される。
1.ポリオール成分、イソシアネート成分、発泡剤、整泡剤、触媒及び添加剤を含むポリウレタン原料を発泡させてなるポリウレタンフォームであって、イソシアネート成分として、3−イソシアナトメチル3,5,5トリメチルヘキシルイソシアネート(IPDI)及び/又はIPDIの三量体及び/又は三量体の重合体の混合物(「IPDI及び/又はその誘導体」と言う)と、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の三量体及び/又は三量体の重合体の混合物(「HDIの三量体及び/又はその誘導体」と言う)とを、IPDI及び/又はその誘導体:HDIの三量体及び/又はその誘導体の質量による混合比=70〜30:30〜70で用いる無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
2.IPDI及び/又はその誘導体と、HDIの三量体及び/又はその誘導体とを、IPDI及び/又はその誘導体:HDIの三量体及び/又はその誘導体の質量による混合比=50〜30:50〜70で用いる上記1に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
3.JISK6400:1997に従う圧縮残留歪みが10%以下である上記1又は2に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
4.JISK6400:1997に従う湿熱圧縮残留歪みが10%以下である上記1又は2に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
5.前記圧縮残留歪みが6%以下でありかつ湿熱圧縮残留歪みが8%以下である上記1〜4のいずれか一に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
6.NOX、光及び熱のすべてに対するイエローインデックス変化値が5以下である上記1〜5のいずれか一に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
7.触媒が金属系三量化用触媒である請求項1〜6のいずれか一に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
8.触媒を、ポリオール成分100質量部に対して0.01〜5.0質量部用いる上記1〜7のいずれか一に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
9.上記1〜8のいずれか一に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォームを成形してなる衣料用、サニタリー用又は化粧用成形品。
NOXに起因する黄変を経済的かつ有効に抑制した軟質ポリウレタンフォームを提供することができる。また、NOXに対して有効な難黄変性を有するばかりでなく、また、光(紫外線)・熱等に対しても有効な難黄変性を有する軟質ポリウレタンフォームを提供することができる。更に、成形時間の短縮・成形温度の低下等の熱成形性、熱的特性を向上させた軟質ポリウレタンフォームを提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の無黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造に用いるポリオールは、1分子中に2個以上の水酸基を有するもので、従来からポリウレタンフォームを製造するために使用されているものであればいずれのものでもよい。このようなポリオールとして、例えばポリエーテルポリオ−ル、ポリエステルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリマーポリオールを挙げることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、1分子中に活性水素原子を少なくとも2個有する化合物を開始剤として、これにアルキレンオキサイドを付加重合させたものを使用することができる。ここに使用する活性水素原子を少なくとも2個有する化合物としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、蔗糖等を挙げることができる。アルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を挙げることができる。1分子中に活性水素原子を少なくとも2個有する化合物及びアルキレンオキサイドは、それぞれ一種以上を用いてよい。ポリエーテルポリオールは、グリセリン系ポリエーテルポリオールが好ましく、特にグリセリンを開始剤として、これにプロピレンオキサイドを付加重合させたものが好ましい。
ポリエステルポリオールは、ポリカルボン酸と、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物とを重縮合させることによって得られるものである。ポリカルボン酸としては、例えばアジピン酸、マレイン酸、コハク酸、マロン酸、フタル酸のごとく1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物を挙げることができる。2個以上の水酸基を有する化合物としては、上記ポリエーテルポリオールの開始剤として使用される活性水素原子を少なくとも2個有する化合物と同じ化合物を使用することができる。ポリカルボン酸及び1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物は、それぞれ一種以上を用いてよい。ポリエステルポリオールは、公知の方法で製造することができる。ポリエステルポリオールは、フタル酸とプロピレングリコールとを重縮合させたものが好ましい。
ポリエステルエーテルポリオールとしては、ポリエーテルポリオールに無水フタル酸等のジカルボン酸無水物を反応させて生じる半エステルを脱水縮合したり、かかる半エステルに塩基性触媒等の存在下に、エポキシドを付加して得られるもの等を挙げることができる。
ポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオール中にビニル系ポリマー微粒子を均一に分散させた変成ポリオールである。ビニル系ポリマーとしては、例えばアクリロニトリル、スチレン等のビニル系モノマーを重合させて得られるポリマー、ビニル系モノマーとかかるモノマーと共重合可能なモノマーとを共重合させて得られコポリマーを挙げることができる。ポリマーポリオールを使用したフォームは、低密度高硬度、高硬度高弾性等ポリエーテルポリオールのみでは得られないフォーム物性を実現することができる。
好ましいポリオールとしては、官能基数が2〜4であって、分子量400〜10000の末端2級及び/又は1級のOH基を含むポリエーテルポリオール又はこれらの変性ポリエーテルポリオール、官能基数2〜4であって分子量400〜4000の縮合又は重合ポリエステルポリオール、分子量600〜6000のポリテトラメチレンエーテルポリオール、分子量600〜4000のポリカーボネートジオール、分子量600〜20000のポリマーポリオール、分子量400〜6000のブタジエンポリオールである。これらは、用途に応じて選択すればよく、また2種又は2種以上を混合して使用することもできる。
本発明の無黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造において用いるイソシアネート成分としては、IPDI及び/又はIPDIの三量体及び/又は三量体の重合体の混合物と、HDIの三量体及び/又は三量体の重合体の混合物とを用いる。
IPDIは、脂環族ジイソシアネートに属し、2個のNCO基を有している。なお、本発明においては、IPDIの三量体や三量体の重合体の混合物を用いてもよい。
HDIは、脂肪族ポリイソシアネートに属するヘキサメチレンジイソシアネートであり、本発明においては、HDIの三量体及び/又は三量体の重合体の混合物を用いる。
ここで、ジイソシアネートの三量体とは、ジイソシアネートの単量体がイソシアネート基の反応を介して環状のイソシアヌレート環を形成しているものをいう。また、三量体の重合体とは、ポリイソシアネートの三量体からなるイソシアヌレート環の環外に存在するイソシアネート基同士の反応により重合したものをいう。
IPDI及び/又はその誘導体と、HDIの三量体及び/又はその誘導体との混合比は、質量によりIPDI及び/又はその誘導体:HDI三量体及び/又はその誘導体=70〜30:30〜70とする。イソシアネート成分中、IPDI及び/又はその誘導体が70質量%を越えると、得られるポリウレタンフォームの圧縮残留歪み及び湿熱圧縮残留歪み性能が低下する。また、イソシアネート成分中、IPDI及び/又はその誘導体が30質量%よりも少ないと、得られるポリウレタンフォームの引張り強度、伸度が低下する。圧縮残留歪み及び湿熱残留歪みの両方の性能バランスからすると、IPDI及び/又はその誘導体と、HDIの三量体及び/又はその誘導体との混合比は、質量によりIPDI及び/又はその誘導体:HDI三量体及び/又はその誘導体=50〜30:50〜70であるのが好ましい。
本発明の無黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造において、従来公知の架橋剤も使用することができる。例えばグリセリン、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類やジエタノールアミン、トリエタノールアミン等を挙げることができる。架橋剤の添加量は、ポリオール100質量部に対して0.5部〜10質量部程度である。
発泡剤としては、水のみを発泡剤として用いるのが環境的には好ましい。水はポリイソシアネートと反応して炭酸ガスを発生することにより化学発泡剤として使用される。通常使用される発泡剤の量は、ポリオール総量100質量部に対して、1〜7質量部が好ましく、2.5〜6質量部がより好ましい。また、発泡剤として適宜物理発泡剤を使用することができる。物理発泡剤として、メチレンクロライドや地球環境保護の目的で開発されたクロロフルオロカーボン類や、ヒドロキシクロロフルオロカーボン類(HCFC−134a等)、炭化水素類(シクロペンタン等)、炭酸ガス、液化炭酸ガス、その他の発泡剤が発泡助剤として水と併用して使用される。物理発泡剤の使用量は、ポリオール100質量部に対して、20質量部以下であるのが発泡の安定上好ましい。
触媒は、特に制限はなく、本発明ではポリウレタンフォームの製造に通常使用されている、アミン系触媒、金属触媒、ジアザビシクロアルケン類又はその塩類が使用することができる。アミン系触媒としては、例えばトリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ビス-(2-アミノエチル)エーテル、N-エチルモルホリン、トリエチルアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン等を例示することができる。金属触媒としては、例えばスタナスオクテート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等を例示することができる。さらに、オクチル酸カリウム、炭酸カリウム、酢酸カリウム等の金属系三量化触媒、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5(以降、DBNと略記する)、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等のジアザビシクロアルケン類も使用可能である。
本発明において好ましい触媒は、イソシアネート成分として使用するHDIの三量体等が非常に反応性に乏しいことからすれば、反応初期のポリオールに由来するOH基とイソシアネート成分との樹脂化反応に触媒効果があるオクチル酸カリウム、炭酸カリウム、酢酸カリウム等の金属系三量化触媒である。特に、得られるポリウレタンフォームのセルの均一性に優れることから、オクチル酸カリウムを用いるのが好ましい。
触媒の使用量は、特に制限はなく、ポリオール100質量部に対して、通常0.01〜5質量部である。
整泡剤としては、一般に軟質スラブ、軟質モールド用として用いられる、オルガノポリシロキサン、オルガノポリシロキサン・ポリアルキレン共重合体、ポリアルキレン側鎖を有するポリアルケニルシロキサン等のシリコーン系界面活性剤を使用するのが好ましい。
整泡剤の使用量は、ポリオール100質量部に対して、通常0.2〜6質量部である。
また必要に応じて従来公知の他の添加剤も使用できる。例えば、酸化防止剤又は紫外線吸収剤を配合することによって本発明の特徴である無黄変性を一層向上させることができる。ただし、発泡体の製造時、成形加工時、使用時などに分解、蒸散、ブリード、変色などの挙動を示さないか、示しにくいものを選択するのが好ましい。具体的には、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノール系の紫外線吸収剤などが例示できる。また、これ以外に、公知の難燃剤、着色剤、導電剤、絶縁剤、発光剤、抗菌剤、芳香剤等を添加することもできる。
軟質ポリウレタンフォームは、前述のとおりポリオール、有機ポリイソシアネート、発泡剤、整泡剤、触媒、添加剤及び必要に応じてその他の成分を用いて発泡、硬化させることによって製造される。その製造方法は、従来の方法を用いればよく、特に制限されるものではない。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、NOX、光及び熱に対する耐黄変性が改善される。本発明におけるNOXに対する耐黄変性は、下記の通りに評価する:まず、白色度計を用い、ASTM D 1925規格に準じて、サンプル表面の初期イエローインデックス(YI)値を測定する。次いで、サンプルを、JIS L 0855に準じて、NOX濃度650ppmの容器内に入れ、4時間暴露する。暴露した後のサンプルの表面を、初期YI値の測定と同様にしてYI値を測定し、初期YI値との差を、イエローインデックス変化(ΔYI)値として求める。
本発明における光に対する耐黄変性は、下記の通りに評価する:フェードメーター(スガ試験機社製「紫外線オートフェードメータ U48AU」)にサンプルを設置した後に、ブラックパネル温度63℃(雨なし)、相対湿度(RH)45%にて、40時間紫外線(UV)照射を行う。UV照射した後のサンプルの表面を、初期YI値の測定と同様にしてYI値を測定し、初期YI値との差を、ΔYI値として求める。
本発明における熱に対する耐黄変性は、下記の通りに評価する:100℃に設定したオーブンの中にサンプルを設置し、17時間経過した後に、サンプルを取り出し、その表面を初期YI値の測定と同様にしてYI値を測定し、初期YI値との差を、ΔYI値として求める。
すなわち、ΔYI値は、色の変化具合を数字化したものであり、値が小さい方が、色の変化(黄変)が少ないことを示す。本発明の無黄変性軟質ポリウレタンフォームは、NOX、光及び熱のすべてに対するΔYI値が5以下である。
更に、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、圧縮残留歪みの測定値が10.0%以下であり、好ましくは6.0%以下であると共に、湿熱圧縮残留ひずみの測定値も10.0%以下であり、好ましくは8.0%以下である。これらの値が大きいと、軟質ポリウレタンフォームは、使用しているうちに厚みが薄くなり(いわゆるヘタリが生じ)、好ましくない。
以下に実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1
表中に記載する通りの成分を表中に記載する所定質量部数で配合した後に、混合物をミキサーで数秒間攪拌し、速やかに上部が開放された30cm角の方形の箱内に注入して自由発泡させ、それぞれポリウレタンフォームを発泡形成した。得られた軟質ポリウレタンフォームの密度、NOX劣化性(ΔYI)、光劣化性(ΔYI)、熱劣化性(ΔYI)、圧縮残留歪み及び湿熱圧縮残留歪みを測定し、得られた結果を表中に示す。
実施例2〜5及び比較例1〜2
IPDI:HDI三量体の質量による混合比を変更した他は、実施例1と同様にしてポリウレタンフォームを発泡形成した。得られた軟質ポリウレタンフォームの密度、NOX劣化性(ΔYI)、光劣化性(ΔYI)、熱劣化性(ΔYI)、圧縮残留歪み及び湿熱圧縮残留歪みを測定し、得られた結果を表中に示す。
比較例1では、均一な発泡が行われず、フォームが形成されず、密度を測定することができなかった。
評価方法
A.黄変性能
評価サンプルとして、縦50mm×横50mm×厚み10mmのサンプルを作成した。
1.初期イエローインデックス(YI)値の測定
まず、白色度計(コニカミノルタ社製「COLOR READER CR−14」)を用い、ASTM D 1925 規格に準じて、サンプル表面の初期YI値を測定する。
2.NOX劣化性
サンプルを、JIS L 0855に準じて、NOX濃度650ppmの容器内に入れ、4時間暴露する。暴露した後のサンプルの表面を、初期と同様にYI値を測定し、初期YI値との差を、ΔYI値として求める。すなわち、ΔYI値は、色の変化具合を数字化したものであり、値が小さい方が、色の変化(黄変)が少ないことを示す。
3.光劣化性
フェードメーター(スガ試験機社製「紫外線オートフェードメータ U48AU」)にサンプルを設置した後に、ブラックパネル温度63℃(雨なし)、湿度45%RHにて、40時間UV照射を行う。照射した後のサンプルの表面を、初期YI値の測定と同様にしてYI値を測定し、初期YI値との差を、ΔYI値として求める。
4.熱劣化性
100℃に設定したオーブンの中にサンプルを設置し、17時間経過した後に、サンプルをオーブンから取り出し、その表面を初期YI値の測定と同様にしてYI値を測定し、初期YI値との差を、ΔYI値として求める。
B.圧縮残留歪み性能
圧縮残留歪み性能は、JISK6400:1997の方法に準じて行う。なお、圧縮率は50%とする。
湿熱圧縮残留歪み性能は、JISK6400:1997の付属書部分に記載される方法に準じて行う。
Figure 2006257187
表中:
ポリオール: グリセリンをベースとしてアルキレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオール(水酸基価:36)
トヨキャットET: 東ソー社製
DEA: ジエタノールアミン(日本触媒社製)
DC−2: エアプロダクツ社製
15G: 日本化学産業社製
U−28: 日東化成社製
DBN: サンアプロ社製
SH194: 東レダウコーニング社製
SZ1932: 日本ユニカー社製
酸化防止剤: JPP13(城北化学工業社製)
IPDI: ヒュルスジャパン社製
HDI三量体: 日本ポリウレタン工業社製
上記の実施例1〜5と比較例1及び2との対比から明らかな通りに、IPDI及び/又はその誘導体:HDIの三量体及び/又はその誘導体の質量による混合比が本発明の範囲外である場合には、均一な発泡が行われず、フォームが形成されなかったり、フォームが形成されても、得られたフォームは圧縮残留歪み及び湿熱圧縮残留歪みが共に大きな値を示す。
実施例1〜5から明らかな通りに、本発明の難黄変性軟質ポリウレタンフォームは、NOX、光及び熱のすべてに対する黄変が極めて小さく、ΔYI値が5以下である。更に、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、圧縮残留歪みの測定値が小さく、10.0%以下である。なお更に、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、湿熱圧縮残留ひずみの測定値も小さく、10.0%以下である。さらに、実施例3〜5においては、圧縮残留歪みの測定値が小さく、6.0%以下であり、かつ湿熱圧縮残留ひずみの測定値も小さく、8.0%以下である。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、一般的に軟質ポリウレタンフォームが使用されている広範囲な分野で使用することができる。特に、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、厳しい白色外観が要求される分野、例えばブラジャーパッド、肩パッド等の衣料用フォーム、紙おむつ、ナプキン等のサニタリー用フォーム、パフ等の化粧用フォーム等において好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. ポリオール成分、イソシアネート成分、発泡剤、整泡剤、触媒及び添加剤を含むポリウレタン原料を発泡させてなるポリウレタンフォームであって、イソシアネート成分として、3−イソシアナトメチル3,5,5トリメチルヘキシルイソシアネート(IPDI)及び/又はIPDIの三量体及び/又は三量体の重合体の混合物(「IPDI及び/又はその誘導体」と言う)と、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の三量体及び/又は三量体の重合体の混合物(「HDIの三量体及び/又はその誘導体」と言う)とを、IPDI及び/又はその誘導体:HDIの三量体及び/又はその誘導体の質量による混合比=70〜30:30〜70で用いる無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
  2. IPDI及び/又はその誘導体と、HDIの三量体及び/又はその誘導体とを、IPDI及び/又はその誘導体:HDIの三量体及び/又はその誘導体の質量による混合比=50〜30:50〜70で用いる請求項1に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
  3. JISK6400:1997に従う圧縮残留歪みが10%以下である請求項1又は2に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
  4. JISK6400:1997に従う湿熱圧縮残留歪みが10%以下である請求項1又は2に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
  5. 前記圧縮残留歪みが6%以下でありかつ湿熱圧縮残留歪みが8%以下である請求項1〜4のいずれか一に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
  6. NOX、光及び熱のすべてに対するイエローインデックス変化値が5以下である請求項1〜5のいずれか一に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
  7. 触媒が金属系三量化用触媒である請求項1〜6のいずれか一に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
  8. 触媒を、ポリオール成分100質量部に対して0.01〜5.0質量部用いる請求項1〜7のいずれか一に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一に記載の無黄変性軟質ポリウレタンフォームを成形してなる衣料用、サニタリー用又は化粧用成形品。

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