JP2006256911A - セリア・ジルコニア系酸化物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セリア、ジルコニアまたはセリア−ジルコニア酸化物等のの比表面積を増加させるとともに、800℃以上、特に1000℃の高温にさらされた後も大きな比表面積を維持し得るものとすることにより、排ガス浄化用等の触媒担体として適したセリア・ジルコニア系酸化物の製造方法を提供する。
【解決手段】セリウム塩、ジルコニウム塩又はそれらの混合塩のいずれか1種以上の水溶液にアルカリ性の水溶液を添加して沈殿物を得た後、あるいは、前記水溶液を加熱して熱加水分解による析出物を得た後、得られた沈殿物又は析出物を有機溶媒に分散した後、溶媒を除去して金属塩担持セリア・ジルコニア系水和酸化物を得、得られた水和酸化物を、例えば、200℃以上の温度で焼成してセリア・ジルコニア系酸化物を製造する。
【選択図】なし
【解決手段】セリウム塩、ジルコニウム塩又はそれらの混合塩のいずれか1種以上の水溶液にアルカリ性の水溶液を添加して沈殿物を得た後、あるいは、前記水溶液を加熱して熱加水分解による析出物を得た後、得られた沈殿物又は析出物を有機溶媒に分散した後、溶媒を除去して金属塩担持セリア・ジルコニア系水和酸化物を得、得られた水和酸化物を、例えば、200℃以上の温度で焼成してセリア・ジルコニア系酸化物を製造する。
【選択図】なし
Description
本発明は、排ガス浄化用助触媒担体等に適した高い比表面積を有するセリア、ジルコニア、またはセリア・ジルコニア酸化物の製造方法に関する。
従来、自動車の排ガス中の有害物質である一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)を浄化する方法として三元触媒が用いられている。三元触媒でCO及びHCの酸化と窒素酸化物(NOx)の還元とを同時に行って排ガスを浄化する。このような三元触媒としては、例えばコーディエライトなどからなる耐熱性ハニカム基材にγ−アルミナからなる担体層を形成し、その担体層に白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)などの触媒金属を担持させたものが広く知られている。
ところで、排ガス浄化用触媒に用いられる担体の条件としては、比表面積が大きく耐熱性が高いことが挙げられ、一般にはアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニアなどが用いられることが多い。
また、三元触媒の性能は排ガスの雰囲気、特に酸素濃度に大きな影響を受けるため、排ガス中の酸素濃度をモニターしながら、空燃比の制御を行っている。さらにはOSC(酸素吸蔵放出能力)を持つセリア(CeO2)を助触媒または担体として使用し、排ガスの雰囲気変動を緩和している。このOSC材料の条件としてはOSCが高いことと同時に比表面積が大きく耐熱性が高いことが挙げられる。
ところが従来の排ガス浄化用触媒では、800℃を越えるような高温にさらされると、シンタリングによる担体の比表面積の低下、触媒金属の粒成長が生じ、特にCeO2は高温での比表面積の低下が大きいためOSCも低下し、浄化性能が著しく低下するという問題点があった。
また、近年の排ガス規制の強化により、エンジン始動からごく短時間にも排ガスを浄化する必要性がきわめて高くなっている。エンジン始動時は排ガス温度が低く十分に触媒が働かない。そのため触媒をエンジンの近くに配置することで排ガス温度を高くし、触媒が働くようにしている。一方で触媒をエンジンに近づける場合、高速運転時には触媒は800℃、さらには1000℃に達する排ガスにさらされる。このため、担体の高耐熱性への要求はますます高まっている。
セリア、ジルコニア、及びセリア−ジルコニア固溶体等の比表面積を増大させる方法として種々の方法が提案されている。例えば非特許文献1にはセリア粉末をアンモニア中和法によって合成する際、界面活性剤を添加しメソポア組織とすることによって高比表面積化する方法が記載されている。特許文献1にはセリア−ジルコニア混合粉末を加水分解法或いは中和法で合成する際、沈殿物をアルコール系化合物で洗浄する方法が開示されている。特許文献2にはセリア−ジルコニア固溶体を逆ミセル法で合成することにより高比表面積化する方法が記載されている。特許文献3にはセリア−ジルコニア固溶体をアンモニア中和法によって合成する際、界面活性剤ミセルを反応場とする方法が記載されている。さらに、非特許文献2には、セリア、ジルコニア、及びセリア−ジルコニア固溶体をアルミナと混合する方法が記載されている。
上記に記載のように、セリア、ジルコニア及びセリア−ジルコニア酸化物の高比表面積化の方法は提案されているが、これらの方法によっても、800℃以上、特に1000℃の高温下での高比表面積の維持は不十分であった。
本発明は、800℃以上、特に1000℃の高温下においても高い比表面積を維持することができるセリア、ジルコニアまたはセリア−ジルコニア酸化物の製造方法を提供するものである。
本発明は上記課題を解決したものであり、一般式:Ce1−XZrXO2・nH2O(x=0〜1、n=0〜2)で表されるセリア・ジルコニア系水和酸化物と有機溶媒に可溶な金属(M)塩(M:アルカリ土類金属および希土類からなる群より選ばれる少なくとも1種類)とを有機溶媒中で混合した後、有機溶媒を除去して金属塩をセリア・ジルコニア系水和酸化物に担持し、焼成することを特徴とするセリア・ジルコニア系酸化物の製造方法に関するものであり、金属塩をセリア・ジルコニア系水和酸化物表面に効率良く担持し、その後焼成することにより、比表面積の大きなセリア・ジルコニア系酸化物を得ることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のセリア・ジルコニア系水和酸化物とは、一般式:Ce1−XZrXO2・nH2O(x、nは前記に同じ)で表され、セリウム、ジルコニウムまたはセリウムとジルコニウムと、酸素とOH基を有する化合物であり、水酸化物、酸化物、あるいはその中間組成の化合物である。
本発明のセリア−ジルコニア系水和酸化物のうち、CeおよびZrを含む場合、その構成比率は、充分なOSCおよび比表面積を確保するために、Ce/Zr原子比で2/8〜8/2となるようにすることが好ましく、3/7〜7/3とすることが特に好ましい。
また、セリア・ジルコニア系水和酸化物には、本発明に影響を与えない範囲の量の、Y、La、Pr、Nd等の希土類イオンやMg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属イオン、Cu、Fe等の遷移金属イオン、Ti、Zn、Sn、Al、Ga等のイオンを含有していても良い。
セリア・ジルコニア系水和酸化物の平均径(一次粒径)は1〜20nmであることが好ましい。この範囲では高い比表面積を有する酸化物が得られる。1nmより小さいと焼成処理に際し、粒子の焼結が進み、得られる酸化物の比表面積が低下することがあり、20nmを超えると得られる酸化物が高い比表面積を有さない場合がある。
本発明のセリア・ジルコニア系水和酸化物の製造方法は特に限定されるものではないが、特に比表面積を高くするためには、共沈法や水熱法といった液相合成法が好ましい。
具体的には、例えば、セリウム化合物またはジルコニウム化合物の水溶液からセリアの沈殿物またはジルコニアの沈殿物をそれぞれ形成した後、混合するか、セリウム化合物及びジルコニウム化合物が共存する混合水溶液から共沈させればよい。この際、沈殿物の分散性や凝集の緩和の目的で原料中に陽イオン、陰イオン、ノニオン系の界面活性剤を添加してもよい。
本発明で用いることのできるセリウム化合物としては、例えば、硝酸セリウム、塩化セリウムといった硝酸塩、硫酸塩、塩化物などの水溶性化合物を用いることができる。また、ジルコニウム化合物としては、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウムといった硝酸塩、硫酸塩、塩化物などの水溶性化合物を用いることができる。
また、沈殿剤としては、アンモニア、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、炭酸アンモニウムや炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、尿素、蓚酸、蓚酸アンモニウムなどの蓚酸塩を用いることができる。
沈殿の析出方法には様々な方法がある。例えば、セリア、ジルコニア化合物の水溶液をアンモニア等のアルカリ性の水溶液に添加する方法や、逆にセリア、ジルコニア化合物の水溶液にアンモニア水などを瞬時に添加する方法や過酸化水素などを加えることで酸化物前駆体の沈殿し始めるpHを調節した後、アンモニア水などで沈殿を析出させる方法などを例示することができる。
また、沈殿剤として尿素を使用し、尿素の分解により生じるアンモニアにより徐々に中和する均一沈殿法、pHを段階的に変化させ中和するまたは特定のpHに保つような緩衝溶液を添加する方法などがある。
更に、セリウム化合物とジルコニウム化合物との溶液を、例えば100℃から250℃で加熱して、熱加水分解により析出物を得る方法がある。本発明の酸化物の製造方法においては、上述したいずれの沈殿・析出方法を用いても良い。
得られた沈殿物は、金属塩を担持する前に、100℃から250℃で水熱処理を行い、沈殿物の結晶性の向上や粒子径調整を行うことや、仮焼して沈殿物の比表面積を調整することもできる。
次に、セリア・ジルコニア系水和酸化物と金属塩とを有機溶媒中に分散させ、その有機溶媒を除去することによって金属塩を水和物表面に担持させる。有機溶媒中で担持操作を行うことで、セリア・ジルコニア系酸化物の比表面積が大きいものが得られる。これは有機溶媒を用いることで溶媒の除去の際、粒子同士の強い凝集が緩和されること、担持する金属元素が効率良くセリア・ジルコニア系水和酸化物表面に担持されるためであると推測するが、このような推測はなんら本発明に影響を与えるものでない。
使用される金属塩の金属イオンとしては、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+といったアルカリ土類金属イオン、La3+、Ce3+、Pr3+、Nd3+、Pm3+、Sm3+、Eu3+、Gd3+、Y3+といった希土類イオンの少なくとも1種類である。比表面積を高く維持できるため、希土類イオンを用いることが好ましい。
金属塩のアニオンとしては、硝酸イオン等の無機酸イオン、塩素イオン等のハロゲンイオン、酢酸イオン等の有機酸イオン等、有機溶媒に可溶なものが使用できる。中でも硝酸塩が焼成後に原料由来の不純物が残りにくいため好ましい。
本発明でいう有機溶媒とは、有機物からなる溶媒を指す。水に可溶な有機溶媒の場合、水を含有していても構わない。使用可能な有機溶媒としては、セリア・ジルコニア系水和酸化物に担持させる金属塩が可溶であるものであれば良く、例えば、アルコールやアセトン等が挙げられる。中でもセリア・ジルコニア系水和酸化物の分散性および金属塩の溶解性からアルコールが好ましい。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、iso−プロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノールといった炭素数が1から8の直鎖または分岐鎖を有するアルコールが挙げられ、特にメタノール、エタノール、プロパノール、iso−プロパノールが好ましい。
セリア・ジルコニア系水和酸化物を有機溶媒中に高分散させるには、セリア・ジルコニア系水和酸化物を合成後、乾燥させずに使用する有機溶媒中に分散させ、ろ過する溶媒置換操作をすることがもっとも効率が良い。
金属塩の添加は、添加金属/セリア・ジルコニア系水和酸化物のモル比で0.05から0.15になるようにすることが好ましい。但し、水和酸化物がCeおよびZrを含んでいる場合には、Ceのモル量とZrのモル量との合計のモル量を分母とする。
添加金属の含有量が0.05未満であると表面被覆が不充分で、焼成処理に際し粒子の焼結が進み、得られる酸化物の比表面積の維持率が低下することがあり、0.15を超えると表面濃度が高くなり、セリア・ジルコニア系酸化物のOSC特性を低下させることがある。さらに好ましくは0.05から0.1である。この範囲内が比表面積とOSC特性がバランスよく両立するため、触媒担体としてもっとも特性が良い。
続いて、金属塩とセリア・ジルコニア系水和酸化物の分散溶液を、室温から溶媒の沸点の範囲で充分攪拌する。攪拌時間は特に限定しないが、24時間以内で十分である。
攪拌後、溶媒をろ過あるいは、蒸留等で除去し、乾燥させることで、金属塩が担持されたセリア・ジルコニア系水和酸化物粒子を得ることができる。添加した金属塩をほぼ全量担持する場合、有機溶媒のみを蒸発させて、乾燥させる。
次に、得られた金属塩が担持したセリア・ジルコニア系水和酸化物粒子を200℃から1200℃で加熱保持して焼成することで、大きな比表面積を有するセリア・ジルコニア系酸化物を得ることができる。さらに好ましくは300℃から1000℃で焼成する。加熱保持温度が200℃より低いと不純物が残存する場合があり、1200℃より高くなると比表面積の低下が著しくなることがある。
焼成時の雰囲気としては酸化性、還元性、不活性雰囲気のいずれでもよい。OSC特性を高めるためには還元性、不活性雰囲で焼成する。
本発明のセリア・ジルコニア系酸化物とは、セリア、ジルコニア又はセリア−ジルコニア固溶体のいずれか1種又は2種以上の混合物の表面に金属塩の金属元素を含む酸化物を有するものである。
本発明においてセリア−ジルコニア固溶体におけるセリウムとジルコニウムとの構成比率は、充分なOSCおよび比表面積を確保するために、Ce/Zr原子比が2/8〜8/2となるようにすることが好ましく、3/7〜7/3とすることが特に好ましい。
また、本発明のセリア・ジルコニア系酸化物には、本発明に影響を与えない範囲の量の、Y、La、Pr、Nd等の希土類イオンやMg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属イオン、Cu、Fe等の遷移金属イオン、Ti、Zn、Sn、Al、Ga等のイオンを含んでいても良い。
本発明のセリア・ジルコニア系酸化物は、1000℃に1時間保持した後も20m2/g以上の比表面積を有するものである。特にセリア−ジルコニア酸化物の場合は、1000℃に1時間保持した後も30m2/g以上の比表面積を容易に達成できる。
また、セリアおよびジルコニアを含んでなるセリア・ジルコニア系酸化物は800μmol−O2/g−CeO2以上の酸素貯蔵能を有する。
このように、本発明のセリア・ジルコニア系酸化物は高比表面積を有し、800℃以上の高温下においても高い比表面積を維持することができるため、本発明のセリア・ジルコニア系酸化物は、排ガス浄化用触媒の担体として有用である。本発明の酸化物を排ガス浄化用触媒担体として使用する場合には、本発明の酸化物のみを担体としてもよいし、アルミナ等の他の酸化物と混合して用いても良く、これらに貴金属を担持して触媒とすればよい。
貴金属としては、例えば、Pt、Rh、Pd、Ir、Ruなどから一種類又は複数種選択して用いることができ、その担持量は従来の排ガス浄化用触媒と同様で良い。また担持方法も吸着担持法、吸水担持法など従来の担持法を利用することができる。
なお、本発明でいう担体とは、触媒成分を単に担持する機能を有するもの、および触媒反応に対する助触媒の機能を有するものも含む。
そして本発明の排ガス浄化用触媒では800℃以上、特に1000℃の高温にさらされた後も担体の比表面積が大きいため、排ガス浄化特性が十分に高い。
本発明によれば、800℃以上、特に1000℃の高温にさらされた後も大きな比表面積を維持し得るセリア、ジルコニアまたはセリア−ジルコニア酸化物を提供できる。また、該酸化物を触媒担体として用いることにより、800℃以上の高温条件でも大きな比表面積を有し排ガス浄化特性の高い排ガス浄化用触媒を提供可能となる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例、比較例で得られた粉末の各種物性値の測定は以下のようにして行った。
(1)組成分析
粉末の組成はICP発光分光分析法にて測定した。
(2)結晶構造
粉末の結晶構造は粉末X線回折装置(マック・サイエンス社製、商品名「MPX3」)により同定した。X線源としてはCu−Kα線を使用した。
(3)比表面積測定
粉末の比表面積は一点式比表面積測定装置(ユアサアイオニクス社製、商品名「MONOSORB」)により測定した。
(4)OSC測定
OSC測定は、自作の昇温還元装置(TPR)を用いて行った。H2=20%雰囲気中で室温から900℃まで10℃/minで昇温し、200〜700℃の範囲で消費されるH2量をTCD−ガスクロマトグラフィ−で検出し、H2量からOSCを算出した。サンプルは予め、大気中、500℃で1時間酸化処理を行った後、測定を実施した。
(実施例1)
Ce(NO3)3溶液(0.15M)とZrO(NO3)2溶液(0.15M)の混合液(Ce/Zrモル比=1/1)にH2O2液(H2O2/Ceモル比=1/1)を添加し攪拌しながら、アンモニア水をpH=9になるまで注ぎ、沈殿を得た。沈殿をろ過・水洗した後、エタノール中に分散させ、溶液を攪拌した。
(1)組成分析
粉末の組成はICP発光分光分析法にて測定した。
(2)結晶構造
粉末の結晶構造は粉末X線回折装置(マック・サイエンス社製、商品名「MPX3」)により同定した。X線源としてはCu−Kα線を使用した。
(3)比表面積測定
粉末の比表面積は一点式比表面積測定装置(ユアサアイオニクス社製、商品名「MONOSORB」)により測定した。
(4)OSC測定
OSC測定は、自作の昇温還元装置(TPR)を用いて行った。H2=20%雰囲気中で室温から900℃まで10℃/minで昇温し、200〜700℃の範囲で消費されるH2量をTCD−ガスクロマトグラフィ−で検出し、H2量からOSCを算出した。サンプルは予め、大気中、500℃で1時間酸化処理を行った後、測定を実施した。
(実施例1)
Ce(NO3)3溶液(0.15M)とZrO(NO3)2溶液(0.15M)の混合液(Ce/Zrモル比=1/1)にH2O2液(H2O2/Ceモル比=1/1)を添加し攪拌しながら、アンモニア水をpH=9になるまで注ぎ、沈殿を得た。沈殿をろ過・水洗した後、エタノール中に分散させ、溶液を攪拌した。
続いて、La(NO3)3・6H2O/(Ce+Zr)モル比=0.1のLa(NO3)3・6H2Oをエタノールに溶解させた後、沈殿が分散したエタノール溶液中に添加し、1時間攪拌した。次にこの溶液をエバポレータを用い、乾燥しLa担持セリア・ジルコニア系水和酸化物を得た。
こうして得られたLa担持セリア・ジルコニア系水和酸化物を大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して本発明のセリア・ジルコニア系酸化物を得た。
(実施例2)
金属塩として、Y(NO3)3・6H2Oを、Y(NO3)3・6H2O/(Ce+Zr)モル比=0.05で使用した以外は実施例1と同様の操作を行い本発明のY担持セリア・ジルコニア系水和酸化物を得た。また、実施例1と同様にして、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して本発明のセリア・ジルコニア系酸化物を得た。
(実施例3)
金属塩として、La(NO3)3・6H2Oを、La(NO3)3・6H2O/(Ce+Zr)モル比=0.12、Ca(NO3)2・4H2Oを、Ca(NO3)2・4H2O/(Ce+Zr)モル比=0.03で使用した以外は実施例1と同様の操作を行い本発明のLa、Ca担持セリア・ジルコニア系水和酸化物を得た。
(実施例2)
金属塩として、Y(NO3)3・6H2Oを、Y(NO3)3・6H2O/(Ce+Zr)モル比=0.05で使用した以外は実施例1と同様の操作を行い本発明のY担持セリア・ジルコニア系水和酸化物を得た。また、実施例1と同様にして、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して本発明のセリア・ジルコニア系酸化物を得た。
(実施例3)
金属塩として、La(NO3)3・6H2Oを、La(NO3)3・6H2O/(Ce+Zr)モル比=0.12、Ca(NO3)2・4H2Oを、Ca(NO3)2・4H2O/(Ce+Zr)モル比=0.03で使用した以外は実施例1と同様の操作を行い本発明のLa、Ca担持セリア・ジルコニア系水和酸化物を得た。
こうして得られたLa、Ca担持セリア・ジルコニア系水和酸化物を、H2を4%含有する窒素ガス中で、800℃又は1000℃で各1時間焼成して本発明のセリア・ジルコニア系酸化物粉末を得た。
(実施例4)
Ce(NO3)3溶液(0.3M)にH2O2液(H2O2/Ceモル比=1/1)を添加し攪拌しながら、アンモニア水をpH=9になるまで注ぎ、沈殿を得た後、実施例1と同様の操作を行い本発明のLa担持セリア系水和酸化物を得た。また、実施例1と同様にして、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して本発明のセリア・ジルコニア系酸化物を得た。
(実施例5)
ZrOCl2溶液(0.3M)を100℃で5日間加熱し、加水分解析出物を生成させた白濁液を得、そこにアンモニア水をpH=9になるまで添加し凝集させ、ろ過分離した。この沈殿をろ過・水洗した後、エタノール中に分散させ、溶液を攪拌した。Nd(NO3)3・6H2O/Zrモル比=0.1のNd(NO3)3・6H2Oをエタノールに溶解させた後、添加し、1時間攪拌した。
(実施例4)
Ce(NO3)3溶液(0.3M)にH2O2液(H2O2/Ceモル比=1/1)を添加し攪拌しながら、アンモニア水をpH=9になるまで注ぎ、沈殿を得た後、実施例1と同様の操作を行い本発明のLa担持セリア系水和酸化物を得た。また、実施例1と同様にして、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して本発明のセリア・ジルコニア系酸化物を得た。
(実施例5)
ZrOCl2溶液(0.3M)を100℃で5日間加熱し、加水分解析出物を生成させた白濁液を得、そこにアンモニア水をpH=9になるまで添加し凝集させ、ろ過分離した。この沈殿をろ過・水洗した後、エタノール中に分散させ、溶液を攪拌した。Nd(NO3)3・6H2O/Zrモル比=0.1のNd(NO3)3・6H2Oをエタノールに溶解させた後、添加し、1時間攪拌した。
次にこの溶液をエバポレータを用い、乾燥しNd担持ジルコニア系水和酸化物を得た。
また、実施例1と同様にして、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して本発明のセリア・ジルコニア系酸化物を得た。
(比較例1)
La(NO3)3・6H2Oの担持する際に溶媒として蒸留水を使用した以外は実施例1と同様にして試料を得た。こうして得られた試料を、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して酸化物を得た。
(比較例2)
Ce(NO)3溶液(0.15M)とZrO(NO3)2溶液(0.15M)とLa(NO3)3溶液(0.15M)の混合液(Ce/Zr/Laモル比=1/1/0.2)にH2O2液(H2O2/Ceモル比=1/1)を添加し攪拌しながら、アンモニア水をpH=9になるまで注ぎ、沈殿を得た。得られた沈殿をろ過・水洗後、エタノールで溶媒置換した後、乾燥したものを試料とした。こうして得られた試料を、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して酸化物を得た。
(比較例3)
La(NO3)3・6H2Oの担持する際に溶媒として蒸留水を使用した以外は実施例4と同様にして試料を得た。こうして得られた試料を、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して酸化物を得た。
(比較例1)
La(NO3)3・6H2Oの担持する際に溶媒として蒸留水を使用した以外は実施例1と同様にして試料を得た。こうして得られた試料を、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して酸化物を得た。
(比較例2)
Ce(NO)3溶液(0.15M)とZrO(NO3)2溶液(0.15M)とLa(NO3)3溶液(0.15M)の混合液(Ce/Zr/Laモル比=1/1/0.2)にH2O2液(H2O2/Ceモル比=1/1)を添加し攪拌しながら、アンモニア水をpH=9になるまで注ぎ、沈殿を得た。得られた沈殿をろ過・水洗後、エタノールで溶媒置換した後、乾燥したものを試料とした。こうして得られた試料を、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して酸化物を得た。
(比較例3)
La(NO3)3・6H2Oの担持する際に溶媒として蒸留水を使用した以外は実施例4と同様にして試料を得た。こうして得られた試料を、大気中800℃又は1000℃で各1時間焼成して酸化物を得た。
実施例1〜5で得られたセリア・ジルコニア系酸化物及び比較例1〜3で得られた酸化物について、それらの比表面積(800℃又は1000℃で各1時間焼成)をBET法で測定した。また、これらの酸化物の結晶相をXRD測定から同定した。結果を表1に示す。
実施例1〜5で得られたセリア・ジルコニア系酸化物は比較例1〜3で得られた酸化物に比べ、800℃および1000℃焼成後の比表面積が大きいことがわかる。
Claims (3)
- 一般式Ce1−XZrXO2・nH2O(x=0〜1、n=0〜2)で表されるセリア・ジルコニア系水和酸化物と、有機溶媒に可溶な金属(M)塩(M:アルカリ土類金属および希土類からなる群より選ばれる少なくとも1種類)とを有機溶媒中で混合した後、有機溶媒を除去して金属塩をセリア・ジルコニア系水和酸化物に担持し、焼成することを特徴とするセリア・ジルコニア系酸化物の製造方法。
- 金属塩として硝酸塩を使用することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 金属(M)の担持量が、金属(M)/セリア・ジルコニア系水和酸化物のモル比で0.05〜0.15であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
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