JP2006251201A - 発光表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光素子の劣化を個別かつ簡易に防止し、長期の安定した画像表示を行うことが可能な発光表示装置を提供する。
【解決手段】 各画素11の有機EL素子ELが、線順次発光する。所定の位置に配置したマイクロプリズム112が、この出射光を反射する。線順次動作方向Xで隣接する画素の有機EL素子ELが、この反射光を線順次で受光する。映像データ補正回路34が、検出された受光信号RDに基づいて、次のフレームの入力画像データVDIを補正する。各画素11の有機EL素子ELは、次のフレームにおいて、補正された後の補正画像データVDOに基づいて発光する。
【選択図】 図1
【解決手段】 各画素11の有機EL素子ELが、線順次発光する。所定の位置に配置したマイクロプリズム112が、この出射光を反射する。線順次動作方向Xで隣接する画素の有機EL素子ELが、この反射光を線順次で受光する。映像データ補正回路34が、検出された受光信号RDに基づいて、次のフレームの入力画像データVDIを補正する。各画素11の有機EL素子ELは、次のフレームにおいて、補正された後の補正画像データVDOに基づいて発光する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、各発光素子の劣化を個別に防止する機能を備えた発光表示装置に関する。
現在、フラットパネルディスプレイ(FPD;Flat Panel Display)としては、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)が主流である。しかしながら、LCDは自発光デバイスではないため、バックライトなどの光源や偏光板などの部材を必要とすることから、装置の厚みが増す、輝度が不足するなどの問題点がある。そこで近年、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置への関心が高まっている。
有機EL表示装置は自発光デバイスであり、バックライトなどの光源や偏光版などの部材が原理的に不要であることから、LCDと比較して薄型化、高輝度化することが可能である。特に、各画素にスイッチング素子を形成したアクティブマトリクス型有機EL表示装置では、各画素にホールド点灯させることで消費電流を低く抑えることができ、また大画面化および高精細化が比較的容易に行えることなどから、次世代FPDの主流になると期待されており、各社で開発が進められている。
しかしながら、この有機EL表示装置を構成する有機EL素子では、通電する電流量に応じて素子が劣化し、発光輝度が低下してしまうという問題がある。そのため、この有機EL素子を用いて画像表示を行った場合、表示する画像によって、表示面内での劣化状況が異なるという現象が生じることとなる。
したがって、有機EL表示装置を例えばテレビジョン受像機の表示部として用いた場合、受信チャンネル情報を常に画面の隅に表示するようにすると、その部分だけの劣化が早まり、明るい画面を表示していた場合には文字表示部が暗く焼き付いてしまうこととなる。このような有機EL素子における通電による劣化は、非可逆性であることが知られており、一度劣化した有機EL素子が元に戻ることはない。
そこで、このような有機EL表示装置における焼き付きを防止するため、従来から様々な試みがなされている。
例えば、特許文献1には、連続して固定的に表示される画像を所定の周期で反転させて表示する方法や、所定の周期でずらして表示する方法が開示されている。
また、特許文献2には、表示領域外にダミー画素を設け、有機EL素子の劣化度合いとして、このダミー画素内における有機EL素子の発光時の端子電圧を検出することにより、映像信号を補正し、長寿命化する方法が開示されている。
さらに、例えば本出願人は特許文献3において、各画素内に有機EL素子の他にフォトダイオードを配置し、各有機EL素子からの発光光をフォトダイオードで検出することによって、各有機EL素子に流れる電流を制御する方法を提案している。
しかしながら、上記特許文献1の技術には、以下のような問題点があった。まず、表示画像を所定の周期で反転させる表示方法は、モノクロ表示に対しては有効であるものの、カラー表示においては、反転画像が全く異質な画像となってしまうため、カラー表示を行う表示装置への適用が困難である。また、表示画像を所定の周期でずらす表示方法では、表示位置にずれが生じることとなるため、静止画の表示には不向きである。
また、上記特許文献2の技術は、表示領域の画素の発光情報ではなく、ダミー画素の発光情報に基づいて補正を行っていることから、表示領域内の画素に対して個別に補正を行うことができず、各有機EL素子の劣化を個別に防止することもできないものである。
また、上記特許文献3の技術では、各画素内に、有機EL素子の他にフォトダイオードなどの光検出素子も配置する必要があることから、製造工程が複雑化してしまうこととなり、改善の余地があった。
このように、従来の技術では、有機EL素子の劣化を個別かつ簡易に防止し、長期の安定した画像表示を行うことは困難であった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、発光素子の劣化を個別かつ簡易に防止し、長期の安定した画像表示を行うことが可能な発光表示装置を提供することにある。
本発明の発光表示装置は、マトリクス状に配置された複数の発光素子と、入力映像データに基づいて複数の発光素子を線順次で駆動する発光駆動手段と、この発光駆動手段により駆動されている第1の発光素子の出射光を、この第1の発光素子と線順次駆動方向で隣接する第2の発光素子に反射させる反射体と、この反射体からの反射光を受光するように第2の発光素子を線順次で駆動する受光駆動手段と、上記入力映像データと第2の発光素子から得られた受光信号とに基づいて、それ以降の入力映像データを補正する補正手段とを備えたものである。この場合において、上記補正手段が、入力画像データとこの入力画像データから得られるべき受光信号とを対応付けた対応テーブルを有し、入力画像データに基づいてこの対応テーブルから得られた受光信号と第2の発光素子から得られた受光信号とを比較することにより、それ以降の入力映像データを補正するようにすることが好ましい。また、上記発光素子が、有機EL素子により構成されているようにすることが可能である。
ここで「マトリクス状」とは、複数の発光素子が、発光表示装置の表示部全面にわたって、画面の水平ライン方向および垂直ライン方向に行列配置されている状態を意味し、この配置された各要素を画素と言う。また、「線順次で駆動」とは、ある1水平ライン分の各画素に含まれる発光素子が、1水平ラインごとに順次、発光動作または受光動作する態様の動作となるように駆動することを意味する。このような線順次発光動作または線順次受光動作を表示部全面にわたって行うことにより、1画面分の映像データの表示および1画面分の各画素についての受光をすることが可能となる。なお、「線順次駆動方向」とは、文字通り線順次駆動をする方向、すなわち画面の垂直ライン方向を意味する。
本発明の発光表示装置では、各発光素子が線順次に発光する。また、第1の発光素子から出射され反射体で反射された光が、第2の発光素子によって線順次で受光され、受光信号が出力される。このようにして得られた受光信号を用いて、それ以降の入力画像データの補正がなされ、補正された後の入力映像データに基づいて、各発光素子が発光する。
本発明の発光表示装置によれば、第1の発光素子からの線順次発光に基づく反射光を第2の発光素子に線順次で受光させ、受光信号を用いて補正された後の入力画像データによって各発光素子を発光させるようにしたので、発光素子の劣化を個別かつ簡易に防止し、長期の安定した画像表示を行うことが可能となる。
特に、入力画像データとこの入力画像データから得られるべき受光信号とを対応付けた対応テーブルを設け、この対応テーブルを利用して入力映像データを補正するようにした場合には、入力映像データをより高精度に補正することができ、各発光素子の劣化をより確実に防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光表示装置(有機EL表示装置)の全体構成を表すものである。この有機EL表示装置は、表示部1と、タイミング生成回路10と、映像信号駆動回路21と、発光用走査回路22と、受光用走査回路31と、受光信号処理回路32と、受光信号記憶回路33と、映像信号補正回路34とを備えている。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光表示装置(有機EL表示装置)の全体構成を表すものである。この有機EL表示装置は、表示部1と、タイミング生成回路10と、映像信号駆動回路21と、発光用走査回路22と、受光用走査回路31と、受光信号処理回路32と、受光信号記憶回路33と、映像信号補正回路34とを備えている。
表示部1は、複数の各画素11が全面に渡ってマトリクス状に配置されたアクティブマトリクス型の有機ELパネルからなり、後述する線順次動作によって、所定の図形や文字などの映像を表示するものである。また、各画素11は、有機EL素子を含む発光受光セルCWRから構成され、後述するように画素ごとに発光動作および受光動作ができるようになっている。
タイミング生成回路10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)などから供給される同期信号CLKに基づいてタイミング信号を生成し、各発光受光セルCWRを駆動する映像信号駆動回路21、発光用走査回路22、受光用走査回路31および受光信号処理回路32へ供給するものである。このようにしてタイミング信号が供給されることで、それぞれの回路が連動して動作するように制御がなされる。
映像信号駆動回路21は、映像データ補正回路34を介して図示しないCPUなどから供給される映像データ(具体的には、補正映像データVDO)に基づいて、1水平ライン分の映像信号を生成すると共に、タイミング生成回路10から供給されるタイミング信号に応じて、その映像信号を発光駆動対象の発光受光セルCWRへ供給するものである。
発光用走査回路22は、タイミング生成回路10から供給されるタイミング信号に応じて、後述する走査信号および発光用選択信号を出力し、発光駆動対象の発光受光セルCWRを選択するものである。これら発光用走査回路22および映像信号駆動回路21が連動することで、例えば符号Xで示した方向への線順次動作がなされ、任意の映像データに対応する映像が表示部1に表示されるようになっている。
受光用走査回路31は、タイミング生成回路10から供給されるタイミング信号に応じて、後述するリセット制御信号および受光用選択信号を出力し、受光駆動対象の発光受光セルCWRを選択するものである。これにより、例えばある発光受光セルCWRから出射して後述するマイクロプリズム112で反射した光を、他の発光受光セルCWRが受光することが可能となる。
受光信号処理回路32は、受光用走査回路31から供給される受光用選択信号に応じて、各発光受光セルCWRから出力された1水平ライン分の受光信号を取得し、処理するものである。具体的には、各発光受光セルCWRからアナログデータの受光信号を取得すると共に、この受光信号をデジタルデータに変換、すなわちアナログ/デジタル変換(A/D変換)を行う。この受光信号処理回路32において取得された1水平ライン分の受光信号は、受光信号記憶回路33へ出力される。
受光信号記憶回路33は、受光信号処理回路32から出力される1水平ライン分の受光信号を、例えばSRAM(Static Random Access Memory)などの記憶素子に格納し、保持しておくものである。受光信号記憶回路33において格納された受光信号RDは、映像データ補正回路34へ出力される。なお、この受光信号記憶回路33を構成する記憶素子は、1水平ライン分の受光信号をそのまま格納するラインメモリ、または1水平ライン分の受光信号を1画面分(1フレームの表示分)の受光信号に再構成して格納するフレームメモリのいずれであってもよく、また、それらを組み合わせた構成でもよい。
映像データ補正回路34は、図示しないCPUなどから供給される入力映像データVDIと受光信号記憶回路33から出力される受光信号RDとに基づいて、入力映像データVDIの補正を行うものである。詳細は後述するが、具体的には、入力画像データVDIとこの入力画像データVDIから得られるべき受光信号とを対応付けた対応テーブル(後述する入力映像データ−受光信号テーブル41)などを用いて、この対応テーブルから得られた受光信号と受光信号記憶回路33から出力される受光信号RDとを比較することにより、それ以降(次のフレーム)の入力映像データVDIの補正を行う。このようにして補正された入力画像データ(補正映像データVDO)は映像信号駆動回路21へ供給され、各画素11の有機EL素子は次のフレームにおいて、この補正映像データVDOに基づいて発光することとなる。
なお、映像信号駆動回路21および発光用走査回路22は、本発明における「発光駆動手段」の一具体例に対応し、受光用走査回路31および受光信号処理回路32は、本発明における「受光駆動手段」の一具体例に対応する。また、映像データ補正回路34は、本発明における「補正手段」の一具体例に対応する。
図2は、表示部1の断面構成の一例を表したものであり、図1におけるA−A部分の矢視断面に対応するものである。この表示部1は、いわゆるTAC(Top emission Adaptive Current drive)技術を用いたものであり、上面発光型(Top emission 構造)の構成となっている。
表示部1は、絶縁基板101上に多層膜が形成された積層構造となっている。この多層膜は具体的には、絶縁基板101側から、p−Si(ポリ−シリコン)膜102と、画素11ごとに形成された画素回路103と、コンタクト部104と、平坦化層105と、アノード電極106と、有機材料層107と、隔壁108と、カソード電極109と、封止層110と、封止ガラス111と、マイクロプリズム112と、カラーフィルタ113と、遮光層114とから構成されている。なお、これら多層膜のうち、アノード電極106と、有機材料層107と、カソード電極109とにより、有機EL素子ELが構成されている。
絶縁基板101は、例えばガラスやプラスチックなどにより構成される。画素回路103は、p−Si層102内に形成されており、後述するように有機EL素子ELを発光駆動または受光駆動するための回路(具体的にはそれぞれ、後述する発光回路CWおよび受光回路CR)である。この画素回路103は、後述するように薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)や容量素子などから構成される。なお、画素回路103は、コンタクト部104を介して、その画素11内の有機EL素子ELのアノード電極106と接続されている。
平坦化層105は、例えば酸化シリコン(SiO2)などの絶縁性材料により構成されており、p−Si層102および各画素回路103の上を覆い、平坦化するためのものである。また、アノード電極106およびカソード電極107は、それぞれ有機EL素子ELにおける陽極および陰極として機能するものである。アノード電極106は、上記のようにコンタクト部104を介して各画素回路103と電気的に接続し、カソード電極109は、各画素11に対する共通電極として機能している。この表示部1は上記のように上面発光型であることから、アノード電極106は例えば金(Au)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)などの金属材料により構成される一方、カソード電極109は例えばITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ)などの透明材料、もしくは半透明材料により構成される。
有機材料層107は、図示しない正孔輸送層、発光層および電子輸送層を順次堆積させたものであり、上記のように陽極(アノード電極106)および(カソード電極107)によって挟持された構造となっている。そして、これら陽極と陰極との間に順方向バイアス電圧を印加することにより、正孔は陽極から正孔輸送層を経て、電子は陰極から電子輸送層を経て、それぞれ発光層内に注入され、この注入された正負のキャリアの再結合によって発光層内の蛍光分子が励起状態となり、この励起分子の緩和過程で発光が得られる(例えば、図中の出射光L1)ようになっている。したがって、各発光受光セルCWRに、R(赤)/G(緑)/B(青)の各色の発光に対応した有機材料層を選択的に配置、または白色発光する有機EL素子ELとR(赤)/G(緑)/B(青)の各色に対応したカラーフィルタ層113とを組み合わせて配置することにより、表示部1においてカラー表示がなされる。なお、前者のように各色の発光に対応した有機材料層を選択的に配置した場合においても、出射光の色純度を高めるため、各色に対応したカラーフィルタ層113を組み合わせて配置するようにしてもよい。
ここで、この有機EL素子ELはまた、前述のように光を受光する機能も有する。具体的には、図3に示したように、陽極(アノード電極106)と(カソード電極107)との間に逆方向バイアス電圧を印加することにより行う。このような状態にすると、有機EL素子ELは発光することなく、光量に応じた微小の逆方向電流(光電流Ip)を発生する。したがって、この発生した光電流Ipを検出することで、光を受光することができる。
隔壁107は、各画素11を分離する(これにより発光受光セルも、図に示したように、例えば発光受光セルCWR1,CWR2などに分離されている)ためのものであり、例えば酸化シリコン(SiO2)などの絶縁性材料により構成される。また、封止層110および封止ガラス111は、各有機EL素子ELを外部から封止し、水分の混入を防止するためのものである。封止層110は、例えば窒化シリコン(SiN)などにより構成される。また、遮光層114は、隣接画素間での光漏れを防止するためのものである。
ここで本実施の形態の表示部1では、封止ガラス111の一部にマイクロプリズム112が配置されており、各画素11における有機EL素子ELからの出射光の一部を反射し、線順次動作方向Xで隣接する画素の有機EL素子に反射させるようになっている。具体的には、例えば発光受光セルCWR1における有機EL素子からの出射光が、マイクロプリズム112において反射され、反射光L2として発光受光セルCWR2における有機EL素子に受光されるようになっている。詳細は後述するが、このようにして受光された反射光L2は、受光信号RDとして前述の映像データ補正回路34へ出力され、各有機EL素子へ供給される映像データVDIが、画素11ごとに個別に補正されるようになっている。このマイクロプリズム112は、例えば、封止ガラス111を構成するガラス基板上に所定の形状からなる溝を形成し、この溝の内部に蒸着などにより銀(Ag)やアルミニウム(Al)などの金属膜を形成し、この金属膜上を例えば透明プラスチックなどの透明材料にて溝を埋めることにより、形成することができる。
なお、このマイクロプリズム112を配置する位置は、図3に示したような封止ガラス11内には限られず、例えば図4に示したように、遮光層114内に配置するようにしてもよい。また、このように各有機EL素子ELからの出射光を反射する反射体としては、図3および図4に示したようなマイクロプリズム112には限られず、例えば単純な金属反射膜など、他のものにより構成するようにしてもよい。
図5は、図2に示した発光受光セルCWRにおける画素回路103の回路構成を表すものである。画素回路103は、発光駆動を行う発光回路CWと、受光駆動を行うCRとから構成されている。発光回路CWには、映像信号駆動回路21から映像信号が供給される映像信号線DWと、発光用走査回路22から走査信号が供給される走査線Gと、同じく発光用走査回路22から発光用選択信号が供給される発光制御線GWとが接続されている。一方、受光回路CRには、受光用走査回路31からリセット信号が供給されるリセット制御線RSと、同じく受光走査回路31から受光選択信号が供給される受光制御線GRと、受光信号処理回路32へ受光信号RDが出力される受光信号線DRとが接続されている。なお、発光受光セルCWRには、これら発光回路CWおよび受光回路CRの他に、上記した有機EL素子ELが配置されている。
発光回路CWは、映像信号取り込み用のN型トランジスタ(TFT)Tr11と、駆動用のP型トランジスタ(TFT)Tr12と、発光制御用のN型トランジスタ(TFT)Tr13と、保持容量C1とから構成されている。N型トランジスタTr11のゲートは走査線Gに接続され、ドレインは映像信号線DWに接続され、ソースは接続点Aにおいて、保持容量C1の一端およびP型トランジスタTr12のゲートに接続されている。また、P型トランジスタTr12のソースは接続点Bにおいて、保持容量C1の他端およびアノード電源Vaに接続され、ドレインはN型トランジスタTr13のドレインと接続されている。また、N型トランジスタTr13のゲートは発光制御線GWに接続され、ソースは有機EL素子ELのアノードに接続されている。なお、有機EL素子ELのカソードは、カソード電源Vkに接続されている。
受光回路CRは、リセット制御用のN型トランジスタTr(TFT)21と、受光電流制御用のN型トランジスタTr(TFT)22と、後述するカレントミラー回路を構成するN型トランジスタ(TFT)Tr23およびN型トランジスタ(TFT)Tr24と、受光信号出力制御用のN型トランジスタ(TFT)Tr25とから構成されている。N型トランジスタTr21のドレインは接続点Cにおいて、有機EL素子ELのアノードおよびN型トランジスタTr22のドレインに接続され、ゲートはリセット制御線RSに接続され、ソースはリセット電源Vresに接続されている。また、N型トランジスタTr22のゲートは、受光制御線GRに接続されている。また、N型トランジスタTr23は、そのドレインがN型トランジスタTr22のソース、自身のゲート、およびN型トランジスタTr24のゲートに共通接続され、そのソースがバイアス電源Vb1に接続されている一方、N型トランジスタTr24は、そのソースがバイアス電源Vb2に接続され、そのドレインがN型トランジスタTr25のソースに接続されている。すなわち、これらN型トランジスタTr23,Tr24によりカレントミラー回路が構成されており、N型トランジスタTr23のドレイン電流(後述する受光時EL電流I1)が増幅されて、N型トランジスタTr24のソース・ドレイン間に電流が流れるようになっている。また、N型トランジスタTr25のゲートは、受光制御線GRに接続されている。すなわち、受光制御線GRには、N型トランジスタTr22のゲート、およびN型トランジスタTr25のゲートが共通接続されている。
次に図5および図6を参照して、このような構成の表示部1の各画素11(発光受光セルCWR)における発光動作および受光動作について説明する。ここで図6は、線順次発光動作および線順次受光動作をタイミング図で表したものであり、1フレームの前半(タイミングt0〜t2)を発光動作期間、後半(タイミングt2〜t7)を受光動作期間とした場合のものである。この図において、(A)は映像信号線DWの電位(映像信号)VDWを、(B)は走査線Gの電位(走査信号)VGを、(C)は受光制御線GRの電位(受光選択信号)VGRを、(D)はリセット制御線RSの電位(リセット信号)VRSを、(E)は発光制御線GWの電位(発光選択信号)VGWを、(F)は有機EL素子ELにおける発光時EL電流IELを、(G)は有機EL素子ELにおける受光時EL電流I1を、(H)は受光信号線DRを流れる受光電流I2をそれぞれ示している。
まず、発光動作時(タイミングt0〜t2)には、タイミングt0において、走査線Gの電位(走査信号)VGが“H”レベルとなると、N型トランジスタTr11がオン状態となり、映像信号線DWから保持容量C1へ映像信号VDWに応じた電流が流れることで、保持容量C1に電荷が蓄積される。つまりこのようにして、映像信号線DWを介して、映像信号が発光回路CWに取り込まれることとなる。そして保持容量C1に電荷が蓄積されていくと、P型トランジスタTr12はオン状態となる。
その後、タイミングt1において発光制御線GWの電位(発光選択信号)VGWが“H”レベルとなると、N型トランジスタTr13がオン状態となり、有機EL素子ELのアノード電位が、映像信号VDWに応じて上昇する。したがって、有機EL素子ELには映像信号VDWに応じた順方向の発光時EL電流IELが流れ、有機EL素子ELが発光する。なお、この受光動作時には、受光制御線GRの電位(受光選択信号)VGRが“L”レベルであることから、N型トランジスタTr22はオフ状態であり、受光時EL電流I1および受光電流I2は流れない。
一方、受光動作時(タイミングt2〜t7)には、まずタイミングt2において、発光制御線GWの電位(発光選択信号)VGWが“L”レベルとなることで、N型トランジスタTr13がオフ状態となり、有機EL素子ELの発光動作が終了する。次に、タイミングt3において、受光制御線GRの電位(受光選択信号)VGRが“H”レベルになると、N型トランジスタTr22,Tr25がいずれもオン状態となる。そしてその後、リセット制御線RSの電位(リセット信号)VRSが“H”レベルになると、N型トランジスタTr21がオン状態となり、有機EL素子ELのアノードがリセット電源Vresの電位に保持されることで、発光動作時に蓄積された電荷がリセットされる。このとき、有機EL素子ELが発光動作を行わないよう、有機EL素子ELは逆バイアス状態となるように設定される。例えば、カソード電源Vkの電位=0[V]の場合、リセット電源Vresの電位=−5[V]程度に設定される。したがってこれ以降、有機EL素子ELには、入射される光量に応じた逆方向の発光時EL電流IELが流れることとなる。なお、このときの受光時EL電流I1および受光電流I2は、このリセット動作に対応するリセット電流Iresとなるが、このリセット電流Iresは、有機EL素子ELへ入射される光の光量には依存しない。
次に、タイミングt4において、受光制御線GRの電位(受光選択信号)VGRおよびリセット制御線RSの電位(リセット信号)VRSがいずれも“L”レベルとなると、N型トランジスタTr22,Tr25はいずれもオフ状態となり、有機EL素子ELのアノードに蓄積された電荷(リセット電源Vresの電位に対応する)が放電されることで、接続点Cの電位が徐々に上昇していくこととなる。なお、このタイミングt4〜t5におけるEL部容量放電期間は、以降の受光信号出力期間(タイミングt5〜t6)において、前述のカレントミラー回路を有効に動作させるために設けられているものである。
次に、タイミングt5において、受光制御線GRの電位(受光選択信号)VGRが再び“H”レベルになると、N型トランジスタTr22,Tr25がいずれもオン状態となる。このとき、有機EL素子ELは逆バイアス状態に設定されていると共に、カレントミラー回路が有効に動作することから、それぞれ有機EL素子ELへ入射された光量に応じた受光時EL電流I1および受光電流I2が流れる。このようにして、受光信号線DRに受光電流I2が流れることで、この受光電流I2に応じた受光信号が各画素11(発光受光セルCWR)から出力される。なお、タイミングt6において、受光制御線GRの電位(受光選択信号)VGRが“L”レベルへと戻り、受光信号の出力が終了することとなる。
以上のように制御することで、表示部1における各画素(発光受光セルCWR)が発光動作および受光動作を行うことが可能となる。
以下、図7〜図10を参照して、以上のような構成の有機EL表示装置において、有機EL素子ELからの出射光を他の有機EL素子が受光し、その受光信号に基づいて入力映像データVDIを補正する動作について説明する。
まず、表示部1の各水平ラインにおける線順次発光動作および線順次受光動作について説明する。
図7は、表示部1において(N―1)ライン目、Nライン目、(N+1)ライン目に位置する水平ラインXN-1,XN,XN+1(N;2以上の自然数)の位置関係を表したものであり、図8は、図7に示した水平ラインXN-1,XN,XN+1における線順次発光動作および線順次受光動作を、それぞれタイミング図で表したものである((A)水平ラインXN-1、(B)水平ラインXN、(C)水平ラインXN+1)。なお、図8中の矢印Xは図1に示した線順次動作方向Xを表しており、図9中の横軸は時間を表している。また、図9におけるタイミングt8〜t10、タイミングt10〜t12、およびタイミングt12〜t13はそれぞれ、1水平期間(1ラインに対する駆動期間)を表している。
図8に示したように、まず、タイミングt8〜t10の1水平期間では、水平ラインXN-1に位置する画素11(発光受光セルCWR)が発光動作を行っている。このとき、この水平ラインXN-1に位置する発光受光セルCWRから出射され、マイクロプリズム112で反射された反射光LN-1は、前述のように、線順次動作方向Xで隣接する水平ラインXNに位置する発光受光セルCWRおいて受光される。したがって、水平ラインXNに位置する発光受光セルCWRは、タイミングt8〜t9において受光動作を行い、タイミングt9〜t10において、その受光信号を出力している。ここでこの場合の例では、タイミングt8〜t9において、水平ラインXNに位置する発光受光セルCWRが発行準備動作(図6における映像信号取り込み期間の動作)を行い、効率的な動作をするようになっているが、前述のように、発光動作期間の最初(タイミングt10以降)において行うようにしてもよい。なお、このとき水平ラインXN+1に位置する発光受光セルCWRは、タイミングt8〜t9では消灯期間(発光動作および受光動作のいずれも行っていない期間)であり、タイミングt9〜t10では受光準備動作(図6におけるELリセット期間の動作)を行うようになっている。
次に、タイミングt10〜t12の1水平期間では、水平ラインXN-1に位置する発光受光セルCWRが引き続き発光動作を行うと共に、水平ラインXNに位置する発光受光セルCWRも、発光動作を開始する。このとき、水平ラインXN+1に位置する発光受光セルCWRは、タイミングt10〜t11において、水平ラインXNに位置する発光受光セルCWRからの反射光LNの受光動作および発行準備動作を行い、タイミングt11〜t12において、その受光信号の出力を行う。
同様に、タイミングt12〜t13の1水平期間では、水平ラインXN-1,XNに位置する発光受光セルCWRが引き続き発光動作を行うと共に、水平ラインXN+1に位置する発光受光セルCWRも、発光動作を開始する。そして、図示しない水平ラインXN+2に位置する発光受光セルCWRが、この水平ラインXN+1に位置する発光受光セルCWRからの反射光LN+1の受光動作などを行う。
このようにして、各水平ラインXN-1,XN,XN+1において線順次発光動作および線順次受光動作が行われる。また、このような線順次動作を表示部11の全水平ラインで行うことで、表示部1において入力映像データVDIに基づいた映像表示を行い、同時に、表示部1の全画素11において受光された受光信号RDを取り込むことができる。
次に図9を参照して、このようにして得られた受光信号RDに基づいて、映像データ補正回路34が行う入力映像データVDIの補正処理について説明する。
まず、映像データ補正回路34は、受光信号記憶回路33に記憶されている、表示部11で検出された各画素11(発光受光セルCWR)の受光信号RDを取得する(ステップS11)。
次に、映像データ補正回路34は、例えば図10(A)に示したような入力映像データ−受光信号テーブル41(入力画像データとこの入力画像データから得られるべき受光信号とを対応付けた対応テーブル)を用いて、1フレーム前の入力画像データ411、すなわち取得した受光信号RDの元となる入力画像データ(例えば、「1」)から、対応する(本来得られるべき)受光信号412(例えば、「5」)を取得する(ステップS12)。なお、この1フレーム前の入力画像データ411は、例えばこの映像データ補正回路34内に随時記憶されるようにすればよい。
次に、映像データ補正回路34は、この対応テーブルから得られた受光信号412と、受光信号記憶回路33から取得した受光信号RDとを比較し、比較値421を算出する(ステップS13)。
次に、映像データ補正回路34は、例えば図10(B)に示したような比較値−補正係数テーブル42(算出された比較値421と、次のフレームの入力映像データVDIに対する補正係数422とを対応付けた対応テーブル)を用いて、算出された比較値421(例えば、「A1」)から、対応する補正係数422(例えば、「B1」)を取得する(ステップS14)。
次に、映像データ補正回路34は、図示しないCPUなどから次のフレームの入力映像データVDIを取得すると(ステップS15)、この次のフレームの入力映像データVDIに対して、比較値−補正係数テーブル42から取得された補正係数422を乗ずることで、補正映像データVDOを算出する(ステップS16)。
最後に、映像データ補正回路34が、このようにして算出された補正映像データVDOを、映像信号駆動回路21へと出力する(ステップS17)ことで、入力映像データVDIの補正処理が終了する。その後は、各画素11の有機EL素子は次のフレームにおいて、この補正映像データVDOに基づいて発光することとなる。
以上のように、本実施の形態によれば、各画素11の有機EL素子ELからの線順次発光に基づく反射光を、線順次動作方向Xで隣接する画素の有機EL素子ELに線順次で受光させると共に、次のフレームでは、検出された受光信号RDに基づいて補正された後の補正画像データVDOにより、各画素11の有機EL素子ELを発光させるようにしたので、各画素11における有機EL素子ELの劣化を個別かつ簡易に防止し、長期の安定した画像表示を行うことが可能となる。
また、入力画像データとこの入力画像データから得られるべき受光信号とを対応付けた入力映像データ−受光信号テーブル41を設け、映像データ補正回路34が、この対応テーブルを利用して入力映像データVDIを補正するようにしたので、入力映像データVDIをより高精度に補正することができ、各有機EL素子ELの劣化をより確実に防止することが可能となる。
なお、本実施の形態では、発光回路CWおよび受光回路CRが各画素11に配置、すなわち、1つの有機EL素子ELに対して発光回路CWおよび受光回路CRが1つずつ配置されている場合について説明してきたが、これらの回路配置はこの場合には限られず、例えば図11に示したように、複数の有機EL素子ELに対して受光回路CRが1つ配置されているようにしてもよい。図11の例では、R(赤)/G(緑)/B(青)の各色に対応した有機EL素子ELr,ELg,ELbに対して、1つずつの発光回路CWr,CWg,CWbが配置されると共に、1つの受光回路CRが配置されている。このように配置することで、画素回路103の回路構成を簡素化することが可能となる。また、このように複数の有機EL素子ELに対して1つの受光回路CRを配置する場合、例えば対応する複数の有機EL素子ELのうち、出射する光の輝度がより劣化しやすいものからの反射光を受光する有機EL素子ELに対して、選択的に配置するようにすることが好ましい。このように配置することで、例えばR(赤)/G(緑)/B(青)の各色に対応する有機材料のうち、より劣化しやすいものに対して選択的に対応することができ、各有機EL素子ELの劣化をより確実に防止することが可能となる。
また、例えば図12に示したように、複数の有機EL素子に対して1つの受光回路CRを配置すると共に、対応する複数の有機EL素子(この場合、有機EL素子ELr,ELg,ELb)に対して受光回路CRをそれぞれ接続するようにし、これら複数の有機EL素子からの受光電流を重畳することによって、受光信号RDを取得するようにしてもよい。このように構成した場合、有機EL素子ELに発生する微小な逆方向電流を重畳して増加させることができるので、受光信号RDをより高い受光感度で検出することが可能となる。
また、本実施の形態では、入力映像データVDIに対する補正方法として、比較値−補正係数テーブル42から取得された補正係数422を乗ずることにより補正映像データVDOを算出する方法について説明してきたが、入力映像データVDIに対する補正方法はこれには限られず、例えば図13の矢印Yで示したように、算出された比較値421に基づいて、いわゆるγカーブ曲線(各有機EL素子における発光輝度の階調レベルと、各有機EL素子に流れる電流との関係を示す特性曲線)を補正することにより、補正映像データVDOを算出するようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の有機EL表示装置は、基本的には第1の実施の形態の有機EL表示装置と同様であり、第1の実施の形態と異なるのは、画素回路103の回路構成である。したがって、有機EL表示装置の全体構成(第1の実施の形態における図1に対応する)については、その説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の有機EL表示装置は、基本的には第1の実施の形態の有機EL表示装置と同様であり、第1の実施の形態と異なるのは、画素回路103の回路構成である。したがって、有機EL表示装置の全体構成(第1の実施の形態における図1に対応する)については、その説明を省略する。
図14は、本実施の形態に係る発光受光セルCWRにおける画素回路103の回路構成を表すものであり、第1の実施の形態における図5に対応する。なお、この図において、図5に示した第1の実施の形態に係る画素回路103の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施の形態の画素回路103において、第1の実施の形態の画素回路103(図5)と異なるのは、受光回路CRの回路構成である。具体的には、第1の実施の形態の受光制御線GRに対応する受光出力制御線GROに加えて、受光入力制御線GRIを受光回路GRに接続すると共に、N型トランジスタTr25のゲートを受光出力制御線GROに接続し、N型トランジスタTr22のゲートを受光入力制御線GRIに接続するようにして区別した点である。
受光入力制御線GRIは、N型トランジスタTr22をオン・オフ制御することで、有機EL素子ELで発生した逆方向のEL電流IELを受光回路GRへ入力するか否か、すなわち受光時EL電流I1を発生させる制御(受光電流発生制御)を行うものである。一方、受光出力制御線GROは、N型トランジスタTr25をオン・オフ制御することで、受光回路CRのカレントミラー回路で増幅した受光時EL電流I1を受光信号線DRへ出力するか否かの制御(受光電流出力制御)を行うものである。このように構成したことで、これらN型トランジスタTr22,25を互いに独立してオン・オフ制御し、上記した受光電流発生制御と受光電流出力制御とを互いに独立して行うことができる。
次に、図14および図15を参照して、本実施の形態の各画素11における発光動作および受光動作について説明する。ここで図15は、線順次発光動作および線順次受光動作をタイミング図で表したものであり、第1の実施の形態における図6に対応する。この図においても、図6に示した第1の実施の形態におけるタイミング図と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。この図において、(C−1)は受光入力制御線GRIの電位VGRIを、(C−2)は受光出力制御線GROの電位VGROをそれぞれ示している。
この図において、第1の実施の形態における図5のタイミング図と異なるのは、受光動作期間(そのうちの、タイミングt3〜t6)である。具体的には、第1の実施の形態では、受光制御線GRがタイミングt3〜t4(ELリセット期間)およびタイミングt5〜t6(受光信号出力期間)において“H”レベルになっているのに対し、本実施の形態では、受光入力制御線GRIがタイミングt3〜t6で“H”レベルとなる一方、受光出力制御線GROがタイミングt5〜t6で“H”レベルとなっている。すなわち、第1の実施の形態では、タイミングt5〜t6においてN型トランジスタTr22,25をいずれもオン状態とすることで、上記した受光電流発生制御と受光電流出力制御とを同じタイミングで行っているのに対し、本実施の形態では、タイミングt3〜t6において受光電流発生制御を行い、タイミングt5〜t6において受光電流出力制御を行っている。
このように構成したことで、本実施の形態では、タイミングt3〜t6において、受光時EL電流I1(有機EL素子ELのアノードからN型トランジスタTr22までの配線の電位)が蓄積されると共に安定化されてから、タイミングt5〜t6において、受光電流I2として受光信号線DRへ出力される。
以上のように、本実施の形態によれば、受光電流発生制御と受光電流出力制御とを互いに独立したタイミングで行うようにしたので、受光時EL電流I1を蓄積させると共に安定化させてから受光電流I2として出力することができ、有機EL素子ELに発生する微小な逆方向電流を蓄積して増加させることができるので、第1の実施の形態における効果に加え、受光信号RDをより高い受光感度で検出することが可能となる。
以上、第1および第2の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、例えば図2、図4および図8などに示したように、線順次動作方向Xを表示部1の上から下への方向とし、各有機EL素子ELからの反射光を、その有機EL素子ELと下方向で隣接する有機EL素子において受光する場合について説明してきたが、例えば反射体として機能するマイクロプリズム112の配置を変更するなどして、各有機EL素子ELからの反射光を、その有機EL素子ELと上方向で隣接する有機EL素子において受光するようにしてもよい。この場合、線順次動作方向は、表示部1の下から上への方向となる。
また、上記実施の形態では、例えば図2および図4などに示したように、反射体として機能する各マイクロプリズム112と各有機EL素子ELとが、1対1の関係をもって配置されている場合について説明してきたが、例えば、複数対1や1対複数などの関係をもって配置するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、表示部1が上面発光型により構成されている場合について説明してきたが、逆に下面発光型により構成してもよく、また、両面発光型により構成してもよい。
また、上記実施の形態において説明した各構成要素の材料および構成などは限定されるものではなく、他の材料としてもよく、また他の構成としてもよい。
さらに、上記実施の形態では、表示部1の構成を具体的に挙げて説明したが、全ての構成要素または全ての層を備える必要はなく、また、他の構成要素または他の層を備えていてもよい。
なお、本発明が適用される発光素子は有機EL素子には限られず、発光素子の劣化を個別かつ簡易に防止することが好ましく、かつ光の受光機能をも備えた発光素子を有する発光表示装置全般に適用することが可能である。
1…表示部、10…タイミング生成部、11…画素、101…絶縁基板、102…p−Si層、103…画素回路、104…コンタクト部、105…平坦化層、106…アノード電極、107…有機材料層、108…隔壁、109…カソード電極、110…封止層、111…封止ガラス、112…マイクロプリズム、113…カラーフィルタ、114…遮光層、21…映像信号駆動回路、22…発光側走査回路、31…受光用走査回路、32…受光用処理回路、33…受光信号記憶回路、34…映像データ補正回路、41…入力映像データ−受光信号テーブル、411…入力映像データ、412…受光信号、42…比較値−補正係数テーブル、421…比較値、422…補正係数、CWR,CWR1〜CWR2…発光受光セル、CW,CWr,CWg,CWb…発光回路、CR…受光回路、G…走査線、GW…発光制御線、GR…受光制御線、DRI…受光入力制御線、GRO…受光出力制御線、RS…リセット制御線、DW…映像信号線、DR…受光信号線、CLK…同期信号、VDI…入力映像データ、VDO…補正映像データ、RD…受光信号、L1…出射光、L2,L3…反射光、EL…有機EL素子、Tr11〜Tr13,Tr21〜Tr25…TFT、C1…保持容量、IEL…発光時EL電流、I1…受光時EL電流、I2…受光電流、VA…アノード電源、VK…カソード電源、Vres…リセット電源、Vb1,Vb2…バイアス電源、X…線順次動作方向、XN-1,XN,XN+1…水平ライン、LN-1,LN,LN+1…出射光、t1〜t13…タイミング。
Claims (15)
- マトリクス状に配置された複数の発光素子と、
入力映像データに基づいて前記複数の発光素子を線順次で駆動する発光駆動手段と、
前記発光駆動手段により駆動されている第1の発光素子の出射光を、前記第1の発光素子と線順次駆動方向で隣接する第2の発光素子に反射させる反射体と、
前記反射体からの反射光を受光するように前記第2の発光素子を線順次で駆動する受光駆動手段と、
前記入力映像データと前記第2の発光素子から得られた受光信号とに基づいて、それ以降の入力映像データを補正する補正手段と
を備えたことを特徴とする発光表示装置。 - 前記補正手段は、入力画像データとこの入力画像データから得られるべき受光信号とを対応付けた対応テーブルを有し、前記入力画像データに基づいてこの対応テーブルから得られた受光信号と前記第2の発光素子から得られた受光信号とを比較することにより、それ以降の入力映像データを補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の発光表示装置。 - 前記補正手段は、前記受光信号の比較結果に基づいて前記入力画像データに所定の補正係数を乗ずることにより、それ以降の入力映像データを補正する
ことを特徴とする請求項2に記載の発光表示装置。 - 前記補正手段は、前記受光信号の比較結果に基づいて、前記複数の発光素子における発光輝度の階調レベルとこれらの発光素子に流れる電流との関係を示す特性曲線を補正することにより、それ以降の入力映像データを補正する
ことを特徴とする請求項2に記載の発光表示装置。 - 前記発光駆動手段は、1つの発光素子に対応して1つの発光駆動回路を有し、
前記受光駆動手段は、1つの発光素子に対応して1つの受光駆動回路を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の発光表示装置。 - 前記発光駆動手段は、1つの発光素子に対応して1つの発光駆動回路を有し、
前記受光駆動手段は、複数の発光素子に対応して1つの受光駆動回路を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の発光表示装置。 - 前記受光駆動回路は、対応する複数の発光素子のうち、出射する光の輝度がより劣化しやすいものからの反射光を受光する発光素子に対して、選択的に接続されている
ことを特徴とする請求項6に記載の発光表示装置。 - 前記受光駆動回路は、対応する複数の発光素子に対してそれぞれ接続され、
前記受光駆動手段は、前記受光駆動回路に接続された複数の発光素子によって受光された各反射光を重畳することにより、前記受光信号を取得する
ことを特徴とする請求項6に記載の発光表示装置。 - 各反射体と各発光素子とが、1対1の関係をもって配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の発光表示装置。 - 前記反射体は、マイクロプリズムにより構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の発光表示装置。 - 前記複数の発光素子は、互いに対向すると共に少なくとも各発光素子からの出射光が出射する側が透明基板により構成された1対の基板間に配置され、
前記マイクロプリズムは、出射光が出射する側の前記透明基板内に配置されている
ことを特徴とする請求項10に記載の発光表示装置。 - 前記複数の発光素子は、互いに対向すると共に少なくとも各発光素子からの出射光が出射する側が透明基板により構成され、表示光が出射する側の前記透明電極上に遮光部が設けられた1対の基板間に配置され、
前記マイクロプリズムは、前記遮光部内に配置されている
ことを特徴とする請求項10に記載の発光表示装置。 - 前記発光素子は、有機EL素子により構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の発光表示装置。 - 前記受光駆動手段は、前記有機EL素子を逆バイアス状態とすることにより前記反射光の光量に応じた受光電流を生じさせる受光電流発生制御と、前記受光電流を出力する受光電流出力制御とを行うことにより、前記受光信号を取得する
ことを特徴とする請求項13に記載の発光表示装置。 - 前記受光駆動手段は、前記受光電流発生制御と前記受光電流出力制御とを、互いに独立したタイミングで行う
ことを特徴とする請求項14に記載の発光表示装置。
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2005
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