JP2006246785A - ペット用排尿吸収具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ペットが排出した尿が吸収されるすべての領域にカテキン成分の抗菌および消臭効果を付与することによってアンモニア臭の発生を抑える、ペット用排尿吸収具を提供する。
【解決手段】 ペット用排尿吸収具1は、通気性および通水性を有し茶葉抽出物7が付着している表面シート2と、この表面シートに周縁部で接合される裏面シート3との間に、フラッフ状繊維から成る吸収層4が介在し、吸収層4の表層12に茶葉粉体6を混在させる。表面シート2に排出された尿は、確実にカテキン成分と茶葉粉体と接触し、表面シート2内の尿が通過した領域および吸収層4内に吸収された尿にカテキン成分を溶出させ、抗菌および消臭効果を付与し、アンモニア臭の発生を確実に抑える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ペット用排尿吸収具に関する。
たとえば、ペットを室内などで飼育する場合、ペット用シートと称されるペットの排尿吸収具を使用する。排尿吸収具は、ペットケージなどに水平に敷設して使用する。排尿吸収具は、不織布で形成される表面シートと合成樹脂製の裏面シートとの間に吸収層が介在する構成となっている。
吸収層は、薄葉紙とフラッフパルプと、ポリマ吸収体とを含む。ポリマ吸収体は、水分を吸収してゲル状に凝固する高分子吸収体である。吸収層は、フラッフパルプと、ポリマ吸収体とを混合し、厚み方向両側から薄葉紙で挟み込み、層状に形成されている。
表面シートは、多孔質部材であり通水性を有する。吸収層のフラッフパルプ各繊維間には、微細な空隙が形成されている。吸収層は、毛細管現象によって水分を吸収することができる。したがって、ペット用シートの表面シートに尿が排出されると、表面シートおよび薄葉紙を通過し、吸収層のフラッフパルプ領域およびポリマ吸収体に尿が吸収される。ペット用シートに排尿後、時間が経過すると、吸収層に吸収された尿から臭気が発生し、周囲の人間およびペットに不快感を生じさせるという問題がある。
尿による臭気は、尿中の尿素がアンモニアに分解されることによってアンモニア臭として発生する。尿素のアンモニアへの分解は、尿中の雑菌が尿素をアンモニアに分解する酵素を産生することに起因する。
図8は、従来の技術のペット用シート20の一部の拡大断面図である。ペットの排尿吸収具20は、不織布で形成される表面シート21と、プラスチック製フィルムで形成される裏面シート22と、吸収層23とを含む。吸収層23は、パルプあるいはパルプスラッジを主材料とするフラッフパルプ24と、抗菌ポリマ25と、抗菌剤26とを混合し、厚み方向両側から薄葉紙で挟み込み、層状に形成されている。抗菌ポリマ25は、ポリマ吸収体に抗菌剤を電気的に結合させた抗菌性を有するポリマ吸収体である。ペット用シート20の表面シート21上に尿が排出されると、尿は表面シート21を通過し、吸収層23のフラッフパルプ24および抗菌ポリマ25に吸収される。ペット用シート20では、抗菌ポリマ25および抗菌剤26周辺領域に吸収された尿中の雑菌の繁殖が抑制されることによって、アンモニア臭の発生を抑えている。
さらに他の従来の技術のペット用シートが、特許文献1に示されている。特許文献1に示されているペット用シートの構成は、図8に示すペット用シート20の構成と類似しており、異なる構成についてのみ説明する。特許文献1に示されるペット用シートでは、吸収層の表面シート側の薄葉紙に、茶の抽出残留廃液の乾燥物または茶殻の抽出液の乾燥物(以下「茶残渣」という)が混合されている。
ペット用シートの表面シートに尿が排出されると、尿が表面シートと吸収層の上方の薄葉紙とを通過し、吸収層のフラッフパルプに吸収される。尿が吸収層の前記薄葉紙を通過するとき、その尿は薄葉紙に含まれる茶残渣に接触する。茶残渣には、微量ながらカテキン成分が含まれている。茶残渣に尿が接触すると、茶残渣のカテキン成分が尿に溶出する。溶出したカテキン成分は、尿に溶けた状態で、尿とともに吸収層に吸収されて拡散する。カテキン成分は、雑菌の酵素活性を低下させ代謝活性を阻害することによって、雑菌の生育を抑制する。また、カテキンは、アンモニアと化学的に結合することによって、アンモニアを無臭物質に変化させ、アンモニア臭を消臭する。したがって、特許文献1に記載されているペット用シートでは、フラッフパルプに拡散したカテキン成分の抗菌および消臭効果によって、アンモニア臭の発生を抑えている。
さらにまた他の従来技術として、ペット用シート20Aが特許文献2に示されている。図9は、特許文献2に示されているペット用シート20Aの一部の拡大断面図である。ペット用シート20Aは、図8に示すペット用シート20と構成が類似しており、対応する構成に同一の符号を付し、異なる構成についてだけ説明する。ペット用シート20Aの吸収層23Aは、エンボス加工が施されており、水溶性成分未抽出の茶葉粉体27が吸収層23A内に混在している。ペット用シート20Aに尿が排出されると、表面シート21を通過し吸収層23Aに吸収される。吸収層23Aに吸収された尿は吸収層23Aに混在する茶葉粉体27と接触する。茶葉粉体27に尿が接触すると茶葉粉体27に含まれるカテキン成分が尿に溶出し、尿とともに吸収層23A内に吸収されて拡散し、吸収層23A内にカテキン成分によって抗菌消臭効果が付与された抗菌消臭領域28が形成される。ペット用シート20Aでは、抗菌消臭領域28を吸収層内に形成することによって、アンモニア臭の発生を抑えている。
図8に示すペット用シート20の吸収層23内に抗菌ポリマ25および抗菌剤26が散在しているので、抗菌ポリマ25および抗菌剤による抗菌効果のない領域が存在する。吸収層23内の抗菌効果のない領域のフラッフパルプ24に尿が吸収されると、尿中の雑菌の繁殖が抑えられず、尿素の分解が進み、アンモニア臭が発生する。
特許文献1に示されるペット用シートの薄葉紙に含まれる茶残渣は、一度茶葉の水溶性成分が抽出されているので、茶残渣が含むカテキン成分の量は水溶性成分未抽出の茶葉が含むカテキン成分の量と比べるとはるかに少ない。また、茶残渣を有する薄葉紙と吸収層は一体となって形成されていないので、吸収層の薄葉紙とフラッフパルプとの間に界面が存在する。薄葉紙を形成する繊維は、薄葉紙の平面方向に並んでおり、茶残渣は、薄葉紙の繊維間に係着した状態で保持されている。したがって茶残渣は、吸収層の薄葉紙とフラッフパルプとの間の界面を、尿とともに通過して吸収層のフラッフパルプに移動することができない。
このように特許文献1に示されるペット用シートでは、尿と茶残渣とが接触するのは薄葉紙内のみであり、尿と茶残渣との接触時間が短く尿中に茶残渣のカテキン成分が尿に溶出する量も極めて少ない。茶残渣乾燥物と尿との接触時間を長くするには、薄葉紙を重ねて厚い層にしなければならず、ペット用シートが大形化し、たとえばペットケージなどに敷設する場合に取り扱いが不便になる。
また、特許文献1に示されるペット用シートでは、表面シートに少量ではあるが表面シートを通過しきれず尿が残ることがある。このように表面シートに残った尿には、カテキン成分が溶出しておらず表面シート内で雑菌が繁殖し、尿中の尿素のアンモニアへの分解が進み、表面シート内に残った尿からアンモニア臭が発生する。
特許文献2に示されるペット用シート20Aの吸収層23Aでは、茶葉粉体27が吸収層23Aに全体に混在しているので、吸収層23A内で尿が存在する領域と抗菌消臭領域28とが一致しない場合がある。したがって、吸収層23Aの抗菌消臭領域23A外に吸収さている尿からアンモニア臭が発生する。また、ペット用シート20Aでは製造過程で吸収層に均一に混在させた茶葉粉体27がペット用シート20Aを運搬する場合などの振動によって移動し、吸収層23A内に偏在する。したがってペット用シート20Aに排尿されても、尿と茶葉粉体27が接触しない場合があり、吸収層23Aの尿が存在する領域に抗菌消臭領域28が形成されず、アンモニア臭が発生する。
本発明の目的は、ペットが排出した尿が吸収されるすべての領域にカテキン成分の抗菌および消臭効果を付与することによってアンモニア臭の発生を抑え、また茶葉から放散する香りによってアンモニア臭をマスキングするペット用排尿吸収具を提供することである。
本発明は、通気性および通水性を有する表面シートと、この表面シートに周縁部で接合される裏面シートとの間に、フラッフ状繊維から成る吸収層が介在されるペット用排尿吸収具において、
前記吸収層の表面シートに臨む表層に、茶葉の粉体が混在しかつ面方向に微細な凹凸が分布した状態で形成され、
前記表面シートには、カテキン成分を含む物質が付着していることを特徴とするペット用排尿吸収具である。
前記吸収層の表面シートに臨む表層に、茶葉の粉体が混在しかつ面方向に微細な凹凸が分布した状態で形成され、
前記表面シートには、カテキン成分を含む物質が付着していることを特徴とするペット用排尿吸収具である。
本発明に従えば、水平に敷設したペット用排尿吸収具の表面シート上に排出された尿は重力によって、表面シートを通過する。表面シートにはカテキン成分を含む物質が付着しているので、尿が表面シートを通過すると、その尿が前記カテキン成分を含む物質に接触して、尿にカテキン成分が溶出す。表面シートを通過した尿は、吸収層の表層に移動する。吸収層の表層には茶葉の粉体が混在しているので、吸収層の表層で尿と茶葉の粉体が接触し、尿に茶葉の粉体からカテキン成分が溶出する。フラッフ状繊維から成る吸収層には微細な空隙が多数形成されているので、吸収層の表層に移動した尿は、重力と毛細管現象とによって吸収層内に吸収され拡散する。カテキン成分は、尿に溶出しているので、尿とともに吸収層に吸収されて拡散する。表面シートにカテキン成分を含む物質が付着し、吸収層の表層に茶葉粉体が混在する。表面シートに排出された尿は、表面シートおよび吸収層の表層を経て吸収層に吸収される。このようにして表面シートに排出された尿は、カテキン成分を含む物質および茶葉粉体に確実に接触する。
このように、表面シートおよび吸収層の表層で尿とカテキン成分を含む物質および茶葉の粉体とが確実に接触するので、表面シート内および吸収層内の全領域に、カテキン成分によって抗菌および消臭効果を確実に付与することができる。したがって、表面シートおよび吸収層からアンモニア臭が発生することを確実に抑えることができる。
また、茶葉粉体が混在する吸収層の表層は、フラッフ状繊維で形成されるので、吸収層での尿の重力による下方への移動にともなって茶葉粉体が吸収層の表層から下方に移動する。尿とともに茶葉粉体が移動すると、尿と茶葉粉体との接触時間を長くすることができる。したがって、茶葉粉体から尿にカテキン成分を充分に取り出すことができる。
さらにまた、排出直後の尿はペットの体温と同じ温度なので、吸収層の表層で茶葉粉体と尿が接触することによって、茶葉の香りが放散する。表面シートは通気性を有するので、茶葉の香りをペット用排尿吸収具から外方に放散させることができる。したがって、茶葉の香りによってアンモニア臭をマスキングすることができる。
またさらに、吸収層の表面シートに臨む表層には面方向に微細な凹凸が形成されているので、表層が平面である場合と比べて吸収層の表層の表面部分の表面積が大きくなる。したがって、吸収層の表層での茶葉粉体と尿との接触面積が大きくなる。茶葉粉体と尿との接触面積が大きくなるので、尿にカテキン成分が溶出する量も多くなり、カテキン成分の抗菌消臭効果を高めることができる。また、吸収層の表層の表面部分の表面積を大きくすることによって、茶葉の香りの放散速度が大きくなるので、効率よく茶葉の香りを放散させることができる。さらに、吸収層の表層に微細な凹凸を形成することで、振動または傾きなどによる茶葉粉体の面方向の移動がなく分布のむらを少なくすることができる。したがって、排尿吸収具に運搬などによって振動が加えられた場合であっても、吸収層中の茶葉粉体を面方向に均一に混在された状態に維持することができる。
また本発明は、前記カテキン成分を含む物質は、表面シートの前記吸収層とは反対側の外方に臨む表面に付着していることを特徴とする。
本発明に従えば、表面シートの吸収層とは反対側の外方に臨む表面にカテキン成分を含む物質が付着している。表面シートに排出された尿が表面シートを通過する前にカテキン成分が尿に溶けている状態になる。したがって、表面シートを通過しきれずに表面シート内に尿が残存した場合であっても、表面シート内の尿には確実にカテキン成分が溶存しているので、カテキン成分の抗菌および消臭効果によってアンモニア臭の発生を抑えることができる。
また本発明は、前記カテキン成分を含む物質の付着量が、表面シートの面方向中央領域から面方向周縁領域に向って少なくなっていることを特徴とする。
本発明に従えば、表面シートの面方向中央領域から面方向周縁領域に向ってカテキン成分を含む物質の付着量が少なくなっている、換言すれば面方向中央領域のカテキン成分を含む物質の付着量が多くなる。ペットは、ペット用排尿吸収具の面方向中央領域で排尿する確率が高い。したがって、面方向中央領域のカテキン成分を含む物質の付着量を多くすることで、カテキン成分を含む物質を面方向に均一に付着させた場合と比較して、カテキン成分を含む物質と尿との接触率が高くなる。このように、ペット用排尿吸収具でのカテキン成分を含む物質の接触率を高くすることができるので、尿に接触しないカテキン成分を含む物質の量を少なくすることができ、ペット用排尿吸収具でのカテキン成分を含む物質を有効に利用することができる。
本発明によれば、表面シートに排出された尿とカテキン成分を含む物質および茶葉粉体とが表面シートおよび吸収層の表層で確実に接触するので、表面シート内および吸収層内全領域にカテキン成分の抗菌消臭効果を確実に付与することができる。したがって、排尿吸収具からのアンモニア臭の発生を確実に抑えることができる。
また、尿と茶葉粉体との接触時間を長くすることができるので、茶葉粉体から尿に溶出するカテキン成分の量を多くすることができる。したがって、茶葉粉体が混在する表層を厚くする必要がなく、吸収層の厚みを抑えることができ排尿吸収具の取扱いが容易になる。
さらに、茶葉の香りの放散速度が大きくなるので、茶葉の香りによってアンモニア臭を効率よくマスキングすることができる。
さらに、振動などによる茶葉粉体の面方向の移動を阻止することができるので、面方向の茶葉の粉体の偏在を防止することができる。したがって、確実に尿と茶葉粉体を接触させることができるので、吸収層内に吸収された尿が存在する領域全てにカテキン成分の抗菌および消臭効果を確実に付与することができる。
また本発明によれば、表面シートに排出された尿が表面シートを通過する前に、カテキン成分が尿に溶けている状態になる。したがって、表面シートに存在する尿からのアンモニア臭の発生を確実に抑えることができる。
さらに、本発明によれば、ペット用排尿吸収具でのカテキン成分を含む物質の接触率を高くすることができるので、尿に接触しないカテキン成分を含む物質の量を少なくすることができ、ペット用排尿吸収具でのカテキン成分を含む物質を有効に利用することができる。
図1は、本発明の実施の一形態であるペット用排尿吸収具1を厚み方向に拡大して示す断面図である。ペット用排尿吸収具1は、ペットの排尿場所などであって、ペットケージ内などにほぼ水平に敷設して使用するシート状の吸収性物品であり、小型犬および猫などのペットが***した尿を吸収して回収するために用いられる。ペット用排尿吸収具1は、通気性および通水性を有する表面シート2と裏面シート3と吸収層4とを含む。また、表面シート2と裏面シート3とは面方向にほぼ同じ大きさを有し、周縁部9でホットメルト接着などによって接合され、表面シート2と裏面シート3との間に吸収層4が介在した構成となっている。
表面シート2は、通気性および通水性を有するシートであればよく、たとえば合成繊維および再生繊維から成る繊維シートまたは繊維ウェッブの繊維同士を物理的に交絡させて形成される不織布などを用いることができる。本実施の形態では、ポリプロピレン短繊維から成る不織布を用いて形成する。また、表面シート2にはカテキン成分を含む物質が面方向に均一に付着している。
カテキン成分を含む物質は、茶葉抽出物7などである。茶葉抽出物7は、茶葉などに含まれるポリフェノールの一種である、たとえばエピカテキン、エピカテキンガレード、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレードなどのカテキン成分を含む。表面シート2への茶葉抽出物7の付着は、たとえば緑茶葉を熱水に含浸して茶葉抽出物7を溶出させた水溶液を、ローラ、またはスプレーなどで表面シート2に塗布し、その後乾燥させることによって行う。茶葉抽出物7は、表面シート2の表面の両面あるいは片面のみに付着させてもよい。また、茶葉抽出物7が溶けている水溶液に表面シート2を浸漬し、その後乾燥することによって、表面シート2内にカテキン成分が混在する状態で付着させてもよい。本実施の形態では、茶葉抽出物7は表面シート2の吸収層4とは反対側の外方に臨む表面に転写ロールによって面方向に均一に塗布して付着させる。
裏面シート3は、不透水性で可撓性を有するシートなどを用いて形成することができ、本実施の形態では、たとえばポリエチレン製のシートが用いられる。また、裏面シート3の排尿吸収具1の前記吸収層4に臨む内方面は、吸収層4とほぼ全面にわたって接触している。
吸収層4は、フラッフ状繊維5と抗菌ポリマ8とを含む。フラッフ状繊維5は、たとえばパルプを1mm以上10mm以下の長さに切断したものであって、綿状にした綿状パルプを用いることができる。抗菌ポリマ8は、たとえばアクリル酸ナトリウム塩およびアクリル酸カリウム塩などのポリマ吸収体に、抗菌剤を電気的に重合させて付着させた抗菌性を有する高機能ポリマ吸収体である。抗菌ポリマ8は、自重の約10倍以上300倍以下の水分を吸収してゲル状に凝固する高分子吸収体である。
また、吸収層4の表面シートに臨む表層12には茶葉粉体6が混在している。本実施の形態では、たとえばタイラー標準篩の200メッシュの篩上に残留する茶葉粉体6であって、48メッシュの篩を通過する大きさの茶葉粉体6を用いる。また、扁平形状の茶葉粉体6を用いる。本実施の形態では、吸収層4の形成は、たとえばフラッフ状繊維5および抗菌ポリマ8を混合し、層状に形成した混合物(以下「フラッフ状混合物」という場合がある)の上方から、1m2あたり10g以上60g以下の分量の範囲で茶葉粉体6を均一に散布する。
茶葉粉体6が散布されたフラッフ状混合物は、ティッシュなどの薄葉紙によって厚み方向両側から挟み込む。茶葉粉体6が散布されている側からエンボスローラによってフラッフ状混合物をその厚み方向に加圧して、吸収層4を形成する。このようにエンボス加工された吸収層4の表層12には茶葉粉体6が混在し、フラッフ状繊維に係着した状態で、茶葉粉体6が保持される。
また、吸収層4内に均一に抗菌ポリマ8が混在する。また、エンボス加工によって吸収層4の表層12には面方向に微細な凹部10と凸部11が交互に隣接した状態で形成される。表層12の凸部11の先端部から吸収層のエンボス加工されていない側の面までの厚みT4は、1mm以上3mm以下の範囲に選ばれる。また、たとえば凹部10における底部の表面部分から吸収層のエンボス加工されていない側の面までの厚みT5は、表層12の凸部11の先端部から吸収層のエンボス加工されていない側の面までの厚みT4の70%以上80%以下に選ばれる。
このように、表面シート2に臨む表層12に、凹部10および凸部11が一様に分布して形成されているので、吸収層4の表層12が平坦である場合と比較して、表層12の表面の面方向の単位面積あたりの表面積が約1.3倍となる。また、吸収層4の凸部11の先端部と表面シート2の吸収層4に臨む面とが接触し、吸収層の凹部10における底部周辺の表面部分と表面シート2とは離間した状態になる。
ペット用排尿吸収具1の外形および外形寸法は特に限定されるものではないが、一例として、外形は長手方向の幅Wと長手方向に垂直な幅と厚みT3とを有する平面形状が長方形のシートであって、長手方向の幅Wは450mmであり、長手方向に垂直な幅は320mmであり、厚みT3は、1.5mm以上3.5mm以下の範囲に選ばれる。
図2は、ペット用排尿吸収具1の吸収層4の一部の鉛直方向の断面図である。なお、図2では、図解を容易にするため、吸収層4の表層の面方向の凹部10および凸部11を省略している。本実施の形態では、たとえば茶葉粉体6は、タイラー標準篩の200メッシュの篩上に残留しかつ48メッシュの篩を通過する大きさの扁平形状の茶葉粉体6を用いる。したがって、たとえば茶葉粉体6のうちでタイラー標準篩の200メッシュの篩上に残留しかつ170メッシュの篩を通過する大きさに相当する茶葉粉体6は、吸収層4の表層12の下部13付近でフラッフ状繊維5に係着した状態で保持される。またたとえば、タイラー標準篩の60メッシュの篩上に残留しかつ48メッシュの篩を通過する大きさの茶葉粉体6は、吸収層4の表層12の上部14付近のフラッフ状繊維5に係着した状態で保持される。また、タイラー標準篩の200メッシュの篩を通過するような細かい茶葉粉体6を用いると、たとえばペット用排尿吸収具1に振動が加えられた場合に容易に茶葉粉体6が吸収層4の裏面シート3側に移動してしまう場合がある。
このように、本実施の形態ではタイラー標準篩の200メッシュの篩上に残留し、かつ48メッシュの篩を通過する大きさの範囲の茶葉粉体6を用いるので、茶葉粉体6は吸収層4の表層12の上部14から下部13までの層圧領域内に均等に分散して混在させることができる。茶葉粉体6が混在する表層12の厚みT1は、吸収層4の厚みT2の約5%以上25%以下、より好ましくは7%以上15%以下に選ばれる。表層2の厚みT1が吸収層4の厚みT2の5%未満になると、尿と茶葉粉体6との接触時間が短くなり充分に尿にカテキン成分が茶葉粉体6から溶出しなくなる。また、表層2の厚みT1が吸収層4の厚みT2の25%より上になると、表層12に存在する茶葉粉体の見かけ密度が小さくなり、吸収層4にカテキン成分による抗菌消臭効果が付与されていない尿の存在領域が形成され、排尿吸収具1からアンモニア臭が発生する場合がある。
図3は、ペット用排尿吸収具1に向って表面シート2の上方から尿15が排出された状態を示す一部拡大断面図である。なお、図3では、吸収層4の表層12の凹部10および凸部11を省略している。本実施の形態のペット用排尿吸収具1に表面シート2の上方から尿15が排出されると、尿15は表面シート2の外方の表面に滴下する。表面シート2の外部に臨む表面に茶葉抽出物7が付着しているので、尿15と茶葉抽出物7とが接触する。尿15と茶葉抽出物7との接触によって、尿15に茶葉抽物7のカテキン成分が溶ける。表面シート2は、不織布からなり通水性を有するので、尿15は重力によって表面シートを通過し、吸収層4の表層12に移動する。茶葉抽出物7は、尿15に溶けているので、尿15の移動にともない吸収層4の表層12に移動する。
尿15が吸収層4の表層12に移動すると、表層12内に混在している茶葉粉体6と尿15とが接触し、カテキン成分が茶葉粉体6から尿15に溶出する。フラッフ状繊維5で形成される吸収層4は繊維間に多数の微細な空隙を有するので、表層12に移動した尿15は重力および毛細管現象によって吸収層4内に拡散しながら、尿15にカテキン成分が溶存した状態でフラッフ状繊維および抗菌ポリマ8に吸収される。抗菌ポリマ8に吸収された尿15は、尿15にカテキン成分が溶存した状態でゲル状に凝固し吸収層4内に保持される。また、尿15の吸収層4の下方への移動にともなって、フラッフ状繊維5に係着している茶葉粉体6、たとえばタイラー標準篩の200メッシュの篩上に残留しかつ170メッシュの篩を通過する大きさの茶葉粉体6が吸収層4の下方に移動する。表面シート2および吸収層4の表層12で尿15に溶けたカテキン成分は、尿15の拡散にともなって吸収層4内に拡散する。
図4は、ペット用排尿吸収具1に尿15が吸収された状態を示す図であり、図4(a)は、ペット用排尿吸収具1に向って表面シート2上に尿15が排出された直後の状態を示す平面図であり、図4(b)は、ペット用排尿吸収具1に吸収された尿15が吸収層4の面方向に拡散した状態を示す断面図である。ペット用排尿吸収具1に尿が排出されると、図4(a)に示すように、表面シート2に面方向に尿が存在する領域である円形状の排尿領域16が形成される。表面シート2の排尿領域16では、表面シート2に尿が浸透し、離間していた吸収層の凹部10における底部周辺の表面部分と表面シート2とが、浸透した尿15の重みで接触した状態となる。排尿領域16の直径d1は、約10cmである。表面シート2の表面には茶葉抽出物7が付着しているので、排尿領域16の尿にはカテキン成分が溶けている。前述したように表面シート2の排尿領域16の尿は、吸収層4内に吸収され拡散される。吸収層4に吸収される尿15にはカテキン成分が溶けている。したがって、図4(b)に示すように吸収層4内の面方向に、カテキン成分が存在する領域である円形状のカテキン拡散領域17が形成される。カテキン拡散領域17の直径d2は、約15cmである。また、排尿領域16とカテキン拡散領域17は同心円であって、排尿領域16の面方向の面積よりもカテキン拡散領域17の面方向の面積が大きくなる。
図5は、臭気物質であるアンモニアに対する試料a〜dの本件発明者による消臭試験結果を示すグラフである。アンモニアは臭気物質であるが、茶葉に含まれるカテキン成分とアンモニアとが化学的に結合することによって、アンモニアは無臭の物質に変化する。アンモニアに対する消臭試験では、各試料a〜dをそれぞれ入れた気密な各試験用バックに一定量の空気を入れた。各試験用バック内の各試料a〜dに1.4%アンモニア溶液を滴下した。1.4%アンモニア溶液滴下後30分経過ごとに各試料a〜dがそれぞれ入っている各試験用バック内に残存しているアンモニアガス濃度を、検知管を用いて測定した。各試験バック内のアンモニアガス残存濃度によって消臭されたか否かを判断した。
試料aは、ペット用排尿吸収具1から抗菌ポリマと茶葉およびカテキン成分を除いた排尿吸収具を用いた。試料bは、ペット用排尿吸収具1に用いる茶葉粉体と同量の茶葉を用いた。試料cは、ペット用排尿吸収具1から茶葉およびカテキン成分を除いた排尿吸収具を用いた。試料dは、ペット用排尿吸収具1を用いた。ブランクとして試料aを入れた試験バック内のアンモニア残存濃度を100%とし、各試料a〜dを入れた試験バック内のアンモニア残存濃度を相対比で表した。グラフの横軸は、試料a〜dに1.4%アンモニア溶液を滴下後の時間経過を示す。グラフの縦軸は、各試料a〜dをそれぞれ入れた各試験バック内のアンモニア残存濃度の相対比を百分率で示す。グラフの一点鎖線L1は、試料aを入れた試験バック内のアンモニア残像濃度を示す。破線L2は、試料bを入れた試験バック内の残存濃度を示す。試料bを入れた試験バック内では30分経過後に残存濃度が9%となり60分経過後には2%となっている。二点鎖線L3は試料cを入れた試験バック内の残存濃度を示す。試料cを入れた試験バック内では30分経過後であっても残存濃度が100%の状態であり、60分経過後に30%、120分経過後に3%となる。実線L4は、試料dを入れた試験バック内の残存濃度を示す。試料dを入れた試験バック内では、30分経過後に残存濃度が7%となり60分経過後には2%となっている。このように、試料dの試験結果が示すように、排尿吸収具1は表面シート2に付着する茶葉抽出物7のカテキン成分および吸収層4の表層12の茶葉粉体6から溶出するカテキン成分によってアンモニアを無臭物質に変化させて迅速かつ確実にアンモニア臭を消臭することができる。
本実施の形態のペット用排尿吸収具1によれば、表面シート2に排出された尿15は重力によって、表面シート2を通過する。表面シート2には茶葉抽出物7が付着しているので、尿15が表面シート2を通過すると尿15に茶葉抽出物7のカテキン成分が溶ける。表面シート2を通過した尿15は、吸収層4の表層12に移動する。吸収層4の表層12には茶葉粉体6が混在しているので、吸収層4の表層12で尿15と茶葉粉体6が接触し、尿15に茶葉粉体6からカテキン成分が溶出する。フラッフ状繊維5から成る吸収層4には微細な空隙が多数形成されているので、吸収層4の表層12に移動した尿15は、重力と毛細管現象とによって吸収層4内に吸収され拡散する。カテキン成分は、尿15に溶けているので、尿15とともに吸収層4に吸収されて拡散する。表面シート2に茶葉抽出物7が付着し、吸収層4の表層12に茶葉粉体6が混在する。表面シート2に排出された尿15は、表面シート2および吸収層4の表層12を経て吸収層4に吸収される。したがって表面シート2に排出された尿15は、茶葉抽出物7および茶葉粉体6に確実に接触する。このように、尿15と茶葉抽出物7および茶葉粉体6とが確実に接触するので、表面シート2の面方向の、どこの表面部分に尿15が排出されても尿15にカテキン成分を溶出させることができ、表面シート2内および吸収層4内全領域にカテキン成分による抗菌消臭効果を確実に付与することができる。したがって、表面シート2および吸収層4内からのアンモニア臭の発生を確実に抑えることができる。
また、茶葉粉体6が混在する吸収層4の表層2は、フラッフ状繊維5で形成され、タイラー標準篩の200メッシュの篩上に残留しかつ48メッシュの篩を通過する大きさの扁平形状の茶葉粉体6を用いるので、吸収層4での尿の重力による下方への移動にともなって、たとえば、タイラー標準篩の200メッシュの篩上に残留しかつ170メッシュの篩を通過する大きさの茶葉粉体6が吸収層4の表層から下方に移動する。したがって、尿15と茶葉粉体6との接触時間が長くなるので、茶葉粉体6から尿15に溶出するカテキン成分の量を多くすることができる。このように、茶葉粉体6が混在する吸収層4の表層12を厚くする必要がなく、吸収層4の厚みを抑えることができ取扱いが容易なペット用排尿吸収具1を実現することができる。また、排出直後の尿15はペットの体温と同じ温度なので、吸収層4の表層12で茶葉粉体6と尿が接触することによって茶葉の香りが放散する。表面シート4は通気性を有するので、茶葉の香りをペット用排尿吸収具の外部に放散させることができる。したがって、アンモニア臭を茶葉の香りによってマスキングすることができる。さらに、吸収層4の表面シート2に臨む表層12には面方向に微細な凹凸が形成されているので、吸収層4の表層12が平面である場合と比べて吸収層4の表層12の表面積が大きくなる。したがって、吸収層4の表層12での茶葉粉体6と尿15との接触効率が高くなる。したがって、効率よく吸収層4に抗菌消臭効果を付与することができる。また、吸収層4の表層12の表面積を大きくすることによって茶葉の香りの放散速度が大きくなるので、効率よく茶葉の香りでアンモニア臭をマスキングすることができる。
さらに、吸収層4の表層12に微細な凹凸を形成することで、振動などによる茶葉粉体6の面方向の移動がなくなる。したがって、ペット用排尿吸収具1の運搬過程などで振動が加えられた場合であっても、茶葉粉体6を吸収層4の面方向に均一に混在された状態に維持することができる。したがって、確実に尿と茶葉粉体を接触させることができるので、吸収層内に吸収された尿が存在する領域全てにカテキン成分によって、確実に抗菌および消臭効果を付与することができる。
また、本実施の形態のペット用排尿吸収具1によれば、表面シート2の吸収層4とは反対側の外方に臨む表面に茶葉抽出物7が均一に付着しているので、表面シート2に排出された尿15が表面シート2を通過する前にカテキン成分が尿15に溶けている状態になる。したがって、吸収層4まで到達せずに表面シート2内に尿15が残存した場合であっても、表面シート2内の尿15には確実にカテキン成分が溶存しているので、カテキン成分の抗菌および消臭効果によって表面シート2中の尿によってアンモニア臭が放散するという不具合を確実に抑えることができる。
さらにまた、本実施の形態のペット用シート1によれば、吸収層4内に抗菌ポリマ8が混在しているので、フラッフ状繊維のみで形成される吸収層と比較して吸収層4の吸水力を増すことができる。抗菌ポリマ8に吸収された尿は、ゲル状に凝固されるので、一旦吸収された尿15は吸収層4に保持される。したがって、吸収層4に吸収された尿15が排尿吸収具1の外部に漏れることを防ぐことができる。また、抗菌ポリマ8によって尿がゲル状に凝固されるので、ゲル状に凝固された尿15にカテキン成分が溶存した状態を維持するこができる。カテキン成分が溶存した状態が維持されるので、ゲル状に凝固された尿15中のカテキン成分による抗菌効果を維持することができる。したがって、ゲル状に凝固した尿15中のカテキン成分による抗菌消臭効果を維持することができる。さらに、抗菌ポリマ8によってゲル状に凝固した尿15には抗菌効果が付与されている。このように、ゲル状に凝固して吸収層4内に保持される尿15には、カテキン成分および抗菌ポリマ8によって抗菌および消臭効果が付与されているので、排尿吸収具1からのアンモニア臭の発生を確実に抑えることができる。
またさらに、本実施の形態のペット用排尿吸収具1によれば、表面シート2に尿15が排出されると、表面シート2の排尿領域16では、表面シート2と吸収層の凹部10における底部周辺の表面部分とが浸透した尿15の重みで接触した状態となる。排尿領域16以外の部分では、表面シート2と吸収層の凹部10における底部周辺の表面部分とが離間している状態に維持される。したがって、表面シート2の表面部分では、排尿領域16の表面部分だけが凹凸形状になり、表面シートの排尿領域16以外の部分と排尿領域16との外見上の違いでペットが排尿したことを容易に判断することができる。ペットが排尿吸収具1に排尿したしたことを容易に判断することができるので、ペット用排尿吸収具1の交換時期を容易に判断することができる。
図6は、本発明の実施の他の形態のペット用排尿吸収具1Aにペットである犬18が排尿している状態を示す正面図である。なお、ペット用排尿吸収具1Aの構成はペット用排尿吸収具1と類似した構成であり、前述の実施の形態と対応する部分には同一の参照符を付し、重複を避けて省略し、異なる構成についてのみ説明する。ペット用排尿吸収具1Aの表面シート2では、茶葉抽出物7の付着量が、表面シート2の面方向中央領域から面方向周縁領域に向って少なくなっている。犬18が排尿する場合は、ペット用排尿吸収具1Aの中央領域で排尿することが多い。このようにペット用排尿吸収具1Aを構成しても、前述のペット用排尿吸収具1と同様の効果が得られる。
ペット用排尿吸収具1Aによれば、表面シート2の面方向中央領域から面方向周縁領域に向って茶葉抽出物7の付着量が少なくなっている、換言すれば面方向周縁領域の付着量と比較して、面方向中央領域の茶葉抽出物7の付着量が多くなる。ペットは、ペット用排尿吸収具1Aの面方向中央領域で排尿する確率が高い。したがって、面方向中央領域の茶葉抽出物7の付着量を多くすることで、茶葉抽出物7を面方向に均一に付着させた場合と比較して、カテキン成分を含む物質と尿との接触率が高くなる。このように、ペット用排尿吸収具でのカテキン成分を含む物質の接触率を高くすることができるので、尿15に接触しない茶葉抽出物7の量を少なくすることができ、ペット用排尿吸収具1Aでのカテキン成分を含む物質を有効に利用することができる。
本発明の実施のさらに他の形態として、吸収層4の表層12の面方向中央領域から面方向周縁領域に向って茶葉粉体6の添加量を少なくして形成した吸収層4を用いて構成したペット用排尿吸収具であってもよい。
図7は、層状のフラッフ繊維塊19に茶葉粉体6を散布した状態を示す断面図である。層状のフラッフ繊維塊19は、フラッフパルプと抗菌ポリマの混合物である。層状のフラッフ繊維塊19の面方向中央領域から面方向周縁領域に向って添加量を少なくして、茶葉粉体6を面方向中央領域から面方向周縁領域に向って分散させる。
このように茶葉粉体6を繊維塊19に分散し、吸収層4を形成することによって、吸収層4の表層12の面方向中央領域から面方向周縁領域まで茶葉粉体6が添加され、面方向中央領域から面方向周縁領域に向って茶葉粉体6の添加量が少なくなるペット用排尿吸収具が実現される。
実施のさらに他の形態のペット用排尿吸収具によれば、吸収層4の表層12の面方向中央領域から面方向周縁領域に向って茶葉粉体6の添加量が少なくなっている。換言すれば、面方向周縁領域の添加量と比較して、面方向中央領域の茶葉粉体6の添加量が多くなる。ペットは、ペット用排尿吸収具の面方向中央領域で排尿する確率が高い。したがって、吸収層4の面方向中央領域の茶葉粉体6の添加量を多くすることによって、茶葉粉体6を吸収層4の面方向に均一に混在させた場合と比較して、茶葉粉体6と尿との接触率が高くなる。尿に接触しない茶粉体6の量を少なくすることができ、茶葉粉体を有効に利用することができる。さらに茶葉粉体がより多くの尿と接触する確率が高くなるので、茶葉粉体からの香りの放散によってアンモニア臭を効率よくマスキングすることができる。
本発明の実施のさらに他の形態では、表面シート2にpH指示薬などを付着させたペット用排尿吸収具であってもよい。pH指示薬として、たとえばリトマス溶液を用いることができる。リトマス溶液に少量の塩化水素を加え溶液を赤色にする。この溶液を表面シート2に含浸させ、あるいは溶液を塗付し、表面シート2を乾燥する。このようにして形成された表面シート2を用いて構成されたペット用排尿吸収具に、ペットが排尿すると尿15がアルカリ性であれば、赤色の表面シートの排尿領域16が青色に変化する。
このように、本実施の形態のペット用排尿吸収具によれば、ペットの尿がアルカリ性か否かを容易に判断することができる。犬猫などの尿がアルカリ性になると尿結石などの原因となる。したがって、本実施の形態のペット用排尿吸収具を用いることによって、尿結石など犬猫の病を未然に防止することができる。また、本実施の形態のペット用排尿吸収具に排尿されると、表面シート2が変色するので、尿が排出されたか否かを表面シート2の外観で判断することができ、ペット用排尿吸収具の交換の要否を容易に判断することができる。
1 ペット用排尿吸収具
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収層
5 フラッフ状繊維
6 茶葉粉体
7 茶葉抽出物
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収層
5 フラッフ状繊維
6 茶葉粉体
7 茶葉抽出物
Claims (3)
- 通気性および通水性を有する表面シートと、この表面シートに周縁部で接合される裏面シートとの間に、フラッフ状繊維から成る吸収層が介在されるペット用排尿吸収具において、
前記吸収層の表面シートに臨む表層に、茶葉の粉体が混在しかつ面方向に微細な凹凸が分布した状態で形成され、
前記表面シートには、カテキン成分を含む物質が付着していることを特徴とするペット用排尿吸収具。 - 前記カテキン成分を含む物質は、表面シートの前記吸収層とは反対側の外方に臨む表面に付着していることを特徴とする請求項1記載のペット用排尿吸収具。
- 前記カテキン成分を含む物質の付着量が、表面シートの面方向中央領域から面方向周縁領域に向って少なくなっていることを特徴とする請求項1または2記載のペット用排尿吸収具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005067496A JP2006246785A (ja) | 2005-03-10 | 2005-03-10 | ペット用排尿吸収具 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008237185A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-09 | Sanotec Co Ltd | ペット用トイレシーツとその作製方法 |
JP2009232685A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-15 | Lion Corp | ペット用吸収性物品 |
JP2011055758A (ja) * | 2009-09-09 | 2011-03-24 | Daiichi Eizai Kk | ペット用排尿吸収具 |
JP2014068591A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Daio Paper Corp | ペット用吸収性シート |
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2005
- 2005-03-10 JP JP2005067496A patent/JP2006246785A/ja active Pending
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