JP2006246429A - 画像入力装置および画像評価装置 - Google Patents

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義彦 酒井
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純 安部
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剛 齋藤
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Abstract

【課題】 熱線吸収フィルタが壊れにくく、光源からの熱線放射のダメージを受けることなく常に高精度な測定が可能な画像入力装置および画像評価装置を提供する。
【解決手段】 フィルター割れの発生しやすいランプ両端部の最大発光点付近については温度勾配の少ない小面積のフィルターを用い、一方そうでない個所では比較的大きな面積のフィルターを用いることで、前述の課題をクリアすることができる。すなわち、ハロゲンランプ12の両端部付近では配光調整のためフィラメント20が大きく、発熱量も多いため熱線吸収フィルター10は面積の小さいフィルタ片30cに分割して温度勾配による破損を防ぎ、中央部近辺ではフィラメント20が小さく発熱も少ないので比較的大きなフィルタ片30aに分割してコスト上昇を防ぐことができる。両者の中間部では中程度の大きさのフィルタ片30bを配置してコストと耐熱性のバランスをとるようにすれば尚よい。

【選択図】 図11

Description

本発明は2次元画像を評価するための画像入力装置およびこれを用いた画像評価装置に関し、特にモノクロコピーやカラーハードコピー等の画像出力装置などによって出力されたモノクロ画像やカラー画像情報を評価するための画像入力装置およびこれを用いた画像評価装置に関する。
画像品質を評価する場合、人間が感じる画像品質の程度を数量化する心理評価と画像自体の持つ物理特性を測定機により評価する物理特性とがある。心理評価は製品の最終検査などに広く用いられているが、検査者が異なったり、検査者の疲労などによって検査結果が変化するなどの欠点がある。
一方、画像品質の評価法としては、たとえば特開平5−284260号公報に記載された画像評価方法および装置がある。この画像評価装置は、2次元的な位置情報と光学的情報を含む被評価画像情報を色彩情報に変換し、その変換された2次元情報を周波数解析により2次元空間周波数情報に変換し、2次元空間周波数情報を1次元化した後、人間の視覚の空間周波数特性に対応した補正を加えるものであり、濃度(明度)情報だけでなく色彩情報である彩度情報、色相情報も検出することができる。
従来はフォトマルや分光フィルター等を用いて検査画像の画像情報を定量化していたが、測定時間を要するために最近ではラインセンサーやエリアセンサーを用いて画像情報を定量化する方法が考案されている。このような2次元的な位置情報とともにカラー画像の色彩情報を得る方法として、たとえば安価な方法としてスキャナを用いた、特開平10−23191号公報に記載された画像評価装置がある。
ところで、近年の画像出力装置の高画質化に伴い、画像評価を行う際の撮像解像度も高解像度が要求されている。評価画像を高解像度に撮像するためには、受光素子であるイメージセンサの微小な各画素からの出力がノイズに対して十分大きくなるよう、いわゆるSN比の高い出力を得ることが測定精度の向上に対して極めて重要になる。このためには、測定対象に対する照明光源からの照射光量が十分に大きいことが必要不可欠である。
また、カラー画像を評価するには光量だけでなく光源の分光発光特性も重要である。可視波長域である400〜700nmにおいて、分光発光特性として波長不連続性や光量欠落(ディップ)などがあると精度良く色彩情報を計測することができない。このように、光量と分光発光特性の両面から考えると、光源の種類としてはハロゲンランプが最適であるといえる。これ以外の光源、例えば蛍光ランプや放電ランプなどの場合、発光原理上から特定の波長に強い発光(輝線、ピーク)が現れ、波長連続性の点で問題となりやすく、また大光量を得ることは難しい。
上記のように優れた特性を有するハロゲンランプであるが、一方で発熱の問題が存在する。これは、ハロゲンランプからの放射エネルギーの80%以上が赤外放射でありこれが熱として放出されるためである。熱(赤外)放射による影響としては、測定対象物への熱的ダメージや、受光素子が赤外領域に感度を有する場合は受光素子からの不要出力の発生などが懸念される。このため、画像評価装置として必要な光量を得るためには、同時に発生する大量の熱放射への対応が必要となる。
そこで、光源からの熱放射による影響を緩和する手段として、光源付近に空気の流路を設置して強制的な空冷機構を設ける方法が示されている(例えば特許文献1参照)。
また、光源から放射される熱線(赤外線)を除去する例として、光源の出射口に熱線吸収フィルターを設ける例が示されている(例えば、特許文献2参照)。熱線吸収フィルターとは、代表的な熱(赤外)線除去手段のひとつでガラス基板自体に熱光を吸収する機能がある。もう一つの代表的手段である、誘電体多層膜フィルターが多層膜の反射により熱(赤外)線のフィルター透過を防止する機構であるのとは異なり、熱線吸収フィルターでは熱光の多くが反射されないため光源に熱光が戻らないという特長がある。しかし、ガラス基板での吸収により熱(赤外)線を除去するため、フィルターのガラス基板内には熱が貯まりやすく、常に熱的な応力歪みが発生してしまう。このため、フィルターの過熱によってフィルター自体が割れてしまうというおそれがあった。
上記熱線吸収フィルターの過熱を防止する手段としては、空冷機構の設置が一般に行なわれているが、光源からの放射光量が大きい場合にはこれだけでは必ずしも十分とはいえない。そこで、液体を入れた透明容器内に熱線吸収フィルターを入れ、フィルターが吸収した熱を液体に放出させる、という事例がある(例えば、特許文献3参照)。
上記のように、従来は光源からの熱線放射を除去するために、流路を備えた強制空冷機構や熱線吸収フィルターを液体に入れ冷却するなど、光源に付加的な要素を加えることで良好な光源を提供しようとしていたが、占有スペースやコストの点で明らかに問題があった。また、単に熱線吸収フィルターのみを設けた事例の場合、スペースやコストの点では有利だが、光量が大きい場合は蓄熱によりフィルターが過熱し応力歪みによってフィルター自体が割れるなどの問題があり、必ずしも有効ではなかった。
本発明によれば、熱線吸収フィルターを分割し、さらにランプ輝点(フィラメント)に近い過熱しやすい位置のフィルターのサイズを他のものより小さくすることによって、個々のフィルター内の熱的歪みを緩和することができるため、フィルター以外の付加的機構を用いることなく光源からの熱線放射を除去することが可能である。
この結果、コストやスペースなどの制約条件によらず、光源からの熱線放射のダメージを受けることなく常に高精度な測定が可能な画像評価装置を実現することができる。
また、分割されたフィルターの分割境界面による光量分布への影響を低減するため、境界面により生じる影をランプ長手方向に分散することで均等化し、良好な光量分布を有する光源を実現することが可能となった。
特開平5 ― 40022号公報 特開平5 ―167787号公報 特開平5 ―158152号公報
本発明は上記事実を考慮し、光源からの熱線放射のダメージを受けることなく常に高精度な測定が可能な画像入力装置および画像評価装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の画像入力装置は、複数の発光点をもつ光源と、前記光源からの照射光を測定対象物へ照射する照射手段と、前記測定対象物から反射された反射光を受光する受光手段と、前記受光手段からの信号を画像品質評価特性値へ変換する信号変換手段と、前記光源と前記測定対象物の間に前記光源をカバーする赤外線除去手段と、を備えた画像入力装置であって、前記赤外線除去手段は前記光源の発光点の発熱量に応じて分割されることを特徴とする。
上記構成の発明では、発熱量の大きい箇所でも熱線吸収フィルタが壊れにくく、光源からの熱線放射のダメージを受けることなく常に高精度な測定が可能な画像入力装置とすることができる。
請求項2に記載の画像入力装置は、前記赤外線除去手段の分割境界面を前記光源からの照射光の光路に対して斜めに設けたことを特徴とする。
上記構成の発明では、フィルター分割境界面による光量分布への影響を低減するため、境界面により生じる影をランプ長手方向に分散することで均等化することができる。
請求項3に記載の画像入力装置は、前記光源の長手方向に対して透過光量分布を均等化し、これと直交する方向の透過光量分布には寄与しない異方性光学拡散フィルタを備えたことを特徴とする。
上記構成の発明では、フィルター分割境界面による光量分布への影響を低減するため、境界面により生じる影をランプ長手方向に分散することで均等化することができる。
請求項4に記載の画像入力装置は、前記光源は熱輻射光源ランプであることを特徴とする。
上記構成の発明では、良好な分光特性を備えた熱輻射光源ランプを用いることでより高精度な画像入力装置とすることができる。
請求項5に記載の画像入力装置は、前記光源はハロゲンランプであることを特徴とする。
上記構成の発明では、良好な分光特性を備えたハロゲンランプを用いることでより高精度な画像入力装置とすることができる。
請求項6に記載の画像入力装置は、前記赤外線除去手段は熱線吸収フィルターであることを特徴とする。
上記構成の発明では、単純な構成で熱を遮蔽できる熱線吸収フィルターを用いることで、低コストで高精度な画像入力装置とすることができる。
請求項7に記載の画像入力装置は、前記赤外線除去手段は熱線吸収フィルター表面に赤外領域の波長成分を反射するための誘電体多層膜が形成されたことを特徴とする。
上記構成の発明では、熱線を吸収および反射するフィルターを用いることで、より高精度な画像入力装置とすることができる。
請求項8に記載の画像入力装置は、分割された前記赤外線除去手段の面積は前記発光点の発熱量が高い箇所ほど小面積であることを特徴とする。
上記構成の発明では、発熱の大きい箇所のフィルタを小さい面積に分割することで温度勾配による破損を防ぐことができる。
請求項9に記載の画像入力装置は、前記発光点は不連続であることを特徴とする。
上記構成の発明では、配光特性を考慮しこれを補正することで高精度な画像入力装置とすることができる。
請求項10に記載の画像入力装置は、前記光源はライン状であることを特徴とする。
上記構成の発明では、CCDラインセンサに適した配光特性の光源を用いることで高精度な画像入力装置とすることができる。
請求項11に記載の画像評価装置は、請求項1乃至請求項10の何れかに記載の画像入力装置を用いたことを特徴とする。
上記構成の発明では、熱線吸収フィルタが壊れにくく、光源からの熱線放射のダメージを受けることなく常に高精度な測定が可能な画像評価装置とすることができる。
本発明は上記構成としたので、熱線吸収フィルタが壊れにくく、光源からの熱線放射のダメージを受けることなく常に高精度な測定が可能な画像入力装置および画像評価装置とすることができた。
<画像評価装置の基本的構成>
先ず、本発明による画像評価装置の概要を図1に示す。
図1には本発明の第1実施形態に係る画像評価装置の構成が示されている。
図1に示すように、原稿台105の上に評価画像104を配置し、照明装置103aおよび103bで評価画像104の照明を行い、評価画像104からの反射光をレンズ102を介して撮像素子101に結像させ、評価画像104を撮像する。
撮像素子101はラインCCDであるため、撮像素子101、レンズ102、照明装置103aおよび103bをラインCCDのCCD配列とは略垂直に駆動しながら評価画像の撮像を行い、所望の領域の撮像が終了するまで撮像を繰り返す。
<照明装置>
図2には本発明の第1実施形態に係る画像評価装置の照明装置が示されている。
図2に、本発明における照明用ハロゲンランプ光源ユニットの外観を示す。
本発明における照明用ハロゲンランプ光源ユニットである照明装置103は、ライン状ハロゲンランプ管(ハロゲンランプ12)に集光用の反射板14を組合せ、これを筐体18で囲んだものである。反射板14の裏側すなわちハロゲンランプ12の反対側(図中上)には空冷用ファン16が設置され、ハロゲンランプ12の発光に伴う発熱を冷却風の空気流にて冷却する。ユニット前面すなわちハロゲンランプ12と評価画像104の間には、熱(赤外)線除去用に熱線吸収フィルター10が設置され、ハロゲンランプ12から発せられる輻射熱を吸収し評価画像104に熱が伝わるのを防いでいる。
熱線吸収フィルター10は一枚板ではなく、図11に示すように複数に分割され、その分割の度合はハロゲンランプ12のフィラメント20が大きく、発熱も大きい両端部では小さなフィルタ片30cに細かく分割され、フィラメント20が小さく発熱も少ない中央付近では大きなフィルタ片30aが少数配置されハロゲンランプ12をカバーしている。中間付近では両者の中間程度の大きさのフィルタ片30bによりカバーされる。
<ハロゲンランプ>
図3に、本発明におけるライン状ハロゲンランプ管の外観を示す。ハロゲンランプとは、その封入ガスに微量のハロゲンガスを添加した白熱電球のことを指す。ハロゲンガスとは、ヨウ素(I)、臭素(Br)、塩素(Cl)、フッ素(F)などの総称である。フィラメントから蒸発したタングステンは、このハロゲンガスと反応し、いわゆるハロゲンサイクルと呼ばれる一連の反応を経て再びフィラメントに戻る。このように、ハロゲンガスはタングステンの蒸発防止に有効であるため、結果としてランプの高効率化や長寿命化が図られる。
ハロゲンランプの特性としては、放電管や蛍光灯など他の光源に比べ比較的大光量が得られやすく、また発光分光特性が連続的であり色彩計測の点からも望ましい。このように優れた特性を有するハロゲンランプであるが、一方で前述のように発熱の問題が存在する。これは、ハロゲンランプからの放射エネルギーの80%以上が赤外放射でありこれが熱として放出されるためである。
画像評価用装置などに用いられるライン状ハロゲンランプの場合、そのフィラメント構造はセグメントタイプと呼ばれる不連続なフィラメント(発光点)を有する場合が多い。
図3に示すように、ハロゲンランプ12の全長が300mm程度の場合には7〜10個程度のフィラメント(発光点)20を有する。不連続な発光点を有する理由は、配光パターンの設計自由度を確保するためであり、フィラメント20を短く分割して適正な位置に配分することで配光分布特性を改善することが可能となる。
特に、ハロゲンランプ12の両端部は配光分布が低下しやすいため、両端部のフィラメント20a(発光点)を中央付近のフィラメント20bより大きくして配光の低下を防いでいる。
<反射板>
図4に、本発明において集光用反射板14に適用されている楕円内反射による集光の原理を示す。
図4に示すように、一般に楕円内には2つの焦点が存在する。片側の焦点Fから任意の方向に放射された光線は、楕円内で反射した後もう一つの焦点F’にすべて集まることが知られている。
図5に示すように、楕円を表す数式としては、楕円の長径を「2a」、短径を「2b」とすると、以下の式で表される。(a.>b)
[式1] (X^2)/(a^2) + (y^2)/(b^2) = 1
このとき、焦点FおよびF'の位置は楕円の中心Oから長径方向に距離「f」の2点となる。ここで、fは以下の式で表される値である。
[式2] f (=OF =OF') = [(a^2) − (b^2)]^(1/2)
ここで、焦点FおよびF'を共通とする楕円は式2を満たす任意のaおよびbからなる楕円となる。なお、aとbの関係は、以下の式によって関係付けられている。
[式3] b = [(a^2) − (f^2)]^(1/2)
焦点fにハロゲンランプ12の発光点20が置かれた場合、発せられた光は焦点F’に集光されるが、加えて前述のように熱(赤外線)もまた焦点F’に集まるため、ハロゲンランプ12と焦点F’(評価画像104)の間に置かれた熱線吸収フィルター10を赤外線が通過することになる。
このため、周囲が開放されたランプの場合に比較して、上記のように楕円断面の反射板14を備えたハロゲンランプ12に用いる熱線吸収フィルター10は熱的に厳しい条件下で使用されることになる。上記の点からも熱線吸収フィルター10の熱による破壊を防ぐ本発明の重要度は増すことになる。
図6に本発明における、熱(赤外)線除去手段である熱線吸収フィルターの分光透過特性の一例を示す。
熱線吸収フィルター10は、そのガラス基板自体に熱(赤外)線を吸収する機能があり、大量の熱(赤外)放射を熱として放出するハロゲンランプ12と組合せることによって著しい効果がある。図6に示すような分光特性を示す熱線吸収フィルター10の場合、波長が600nmを越えた付近から急激に透過率T%が低下し、900nm以上では殆ど透過しないことがわかる。このため可視領域よりも波長の長い赤外線(熱)はこの熱線吸収フィルター10で吸収され、評価画像104まで届くことはない。
ライン状光源を使用した場合、図7に示すようにラインに沿って長手方向に細長い形状の熱線吸収フィルター10を用いることが一般的である。しかし、フィルターの入手性やコスト等を考慮すると、1枚の大きな熱線吸収フィルター10を用いるよりも、図8に示すようにある程度の枚数であれば市販の入手性の良い矩形フィルターを並べて配置した方が有利な場合もある。
しかし、熱線吸収フィルター10はその原理上ガラス基板内に熱が貯まりやすい。このため、過熱を防止する手段として、図2に示すように冷却ファンなど空冷機構の設置が一般に行なわれているが、光源からの放射光量が大きい場合には十分とはいえず、過熱によってフィルター自体が割れてしまうというおそれがあった。
ただし、一般的に熱線吸収フィルターのガラス基板には熱強化処理が施されており、約300℃程度までは耐熱性を有している。従って、フィルター割れの主要因としては、単なる過熱ではなくガラス基板内での温度勾配による熱的な応力歪みの発生によるものと考えられる。
点灯中のハロゲンランプ12近傍に置かれた、熱線吸収フィルター10上の異なる2点間の温度を測定した結果を図9に示す。このときのハロゲンランプ印加電圧としては、経験上フィルター割れが発生する電圧条件を含めて実験を行なった。これによると、測定した2点の各温度はいずれも熱線吸収フィルター10の耐熱温度である300℃以下である。
しかし、間隔約50mmの2点間の温度差は100℃以上もあり、相当な熱的応力が発生しているものと思われ、これがフィルター割れの主要因であると考えられる。
このような著しい温度差の発生は、ハロゲンランプとフィルターの相対的位置関係によると思われる。前述の通り、ライン状のハロゲンランプ12の発光点20は不連続であり、そのうち最大発光個所は両端部にある。フィルター割れはこのランプ両端部の最大発光点付近で顕著に発生しており、図9の温度データもほぼ同等の位置関係にあるフィルター上でのデータであることからも、その因果関係は明らかである。
フィルター割れの発生個所に、再現性および位置依存性がある場合には、例えば図7に示すように1枚の大きな熱線吸収フィルター110を設置するよりも、図8に示すように熱線吸収フィルター110をいくつかに分割しフィルタ片130とした方が損害がより少ないが、それでもフィルタ片130内におけるフィルター割れ自体は存在する。
そこで、図10に示すようにさらに熱線吸収フィルター110を小面積に分割し多数のフィルタ片130とすれば当然同一フィルター内での温度勾配は減少し、フィルター割れを防ぐことが可能となる。しかし、熱線吸収フィルター110を過剰に分割しすぎた場合には、必要なフィルター枚数が増加するため、市販品で入手性は高いとはいえコストのメリットは低下してしまい、また多数の小さなフィルターを保持しなければならず保持方法が複雑化し現実的ではない。
以上の理由から、本実施形態においては、図11に示すようにフィルター割れの発生しやすいランプ両端部の最大発光点付近については温度勾配の少ない小面積のフィルターを用い、一方そうでない個所では比較的大きな面積のフィルターを用いることで、前述の課題をクリアすることができる。
すなわち、ハロゲンランプ12の両端部付近では配光調整のためフィラメント20が大きく、発熱量も多いため熱線吸収フィルター10は面積の小さいフィルタ片30cに分割して温度勾配による破損を防ぎ、中央部近辺ではフィラメント20が小さく発熱も少ないので比較的大きなフィルタ片30aに分割してコスト上昇を防ぐことができる。両者の中間部では中程度の大きさのフィルタ片30bを配置してコストと耐熱性のバランスをとるようにすれば尚よい。
<光量分布>
ところで、熱線吸収フィルター10の分割境界付近において、ハロゲンランプ12の長手方向における透過率が不連続となるため、これに起因した照射光の影がハロゲンランプ12の長手方向と垂直方向に筋状に発生する場合がある。
この原因は以下のようなものである。すなわち、図12のランプ断面図に示すように、ハロゲンランプ12(焦点1:F)から全方向に放射された光束は楕円状の反射板14で反射され、原稿照射面上に位置するもう片側の焦点2:F’に集光する。
反射板14による集光の原理については図4に示す通りである。しかし、その光路中において光束は一旦反射板14の短手幅方向ほぼ一杯に広がり、その後集光するという挙動を示す。熱線吸収フィルター10の設置位置が反射板14の極めて近傍にあるため、照射光束が熱線吸収フィルター10を透過する際には、熱線吸収フィルター10の短手幅ほぼ全域に渡って透過することになる。
従って、熱線吸収フィルター10の分割境界面が短手方向に沿って集中的に存在することになり、分割境界面における局所的な透過率低下がその後の光束の集光によって照射光の影として顕著な形で表れることになる。
本実施形態では以下に示すような熱線吸収フィルター10の分割形状とすることで、上記の影すなわち光量ムラを緩和することができる。
図13には本発明の第2形態に係る熱線吸収フィルターの分割境界面が示されている。
図13に示すように、熱線吸収フィルター10をフィルタ片30a、30b、30cと分割する際に、フィルター分割境界面を光路に対して斜めにすることによって、長手方向におけるフィルタ片30の境界面の存在確率、すなわち透過光量に対する寄与率を均等化することができる。
このとき、長手方向すべての位置においてフィルタ片30の境界面存在確率が均等でなくても、位置的に境界面が集中せず、結果として筋状の影が発生しない程度に分散されていればよい。また、境界面を曲線状や折れ線状にするなど、必ずしも直線で構成されなくともよい。
図14には本発明の第3形態に係る異方性光学拡散フィルターを含む光学系が示されている。
図14に示すように、熱線吸収フィルター10の分割形状はそのままとして、熱吸収フィルター10に加えて異方性光学拡散フィルター40を追加で設置することで光量分布を均等化することができる。
異方性拡散フィルター40とは、図14に示すように拡散の広がり具合がフィルター面内のいずれかの方向に対して依存性を有する拡散フィルターである。異方性拡散フィルター40として、例えばx軸の±両方向に対しては広く拡散し、y軸の±量方向に対してはほとんど拡散しないようなものを考える。
今、ハロゲンランプ12の長手方向と異方性拡散フィルターのx軸方向を一致させた場合、熱線吸収フィルター10の分割境界面による筋状の影は、異方性拡散フィルター40の効果によりハロゲンランプ12の長手方向に拡散され、その影響すなわち光量ムラが緩和される。
一方、ハロゲンランプ12の長手方向と直交する方向、すなわち図中y軸方向に関しては、異方性拡散フィルター40は殆ど拡散性をもたないため、反射板14によって所望の位置(=焦点F’)において集光される。なお、異方性拡散フィルター40はハロゲンランプ12から放射される熱線を吸収しないため、それ自身が熱によるダメージを受けることはない。また、熱線吸収フィルター10より後段、すなわち光路上の下流方向に配置することによっても同様に熱によるダメージを防ぐことができる。
以上のように、光量分布への影響を防ぐと共に、個々のフィルター内の熱的歪みを緩和することができるため、占有スペースやコストの点で明らかに問題のある付加的な冷却機構を用いることなく光源から評価画像への熱線放射を遮蔽することが可能である。
上記のように本発明によれば、コストやスペースなどの制約条件によらず、光源からの熱線放射のダメージを受けることなく常に高精度な測定が可能な画像評価装置を実現することができる。
<その他の例>
本実施例においては光源としてライン状のハロゲンランプ12を用いているが、目的に応じてスポット状ランプや他の形状であってもよい。
また本実施例においては、光源としてハロゲンランプ12を用いているが、赤外領域に発光波長を有し熱放射を伴う光源であればハロゲンランプ以外でもよい。
さらに本実施例においては、反射板14を有する光源としているが、他の手段により集光機能を有する場合や、集光機能が不要である場合は反射板14がなくてもよい。
また本実施例においては、熱線吸収フィルター10のみを赤外線除去手段として用いているが、他の赤外線除去手段である誘電体多層膜などを併用して組合せても良い。また、これらは同一基板上であっても、それぞれ個別の基板上であってもよい。
さらに本実施例においては、フィルター基板としてガラスを用いているが、可視波長域を透過し赤外波長域を除去すると共に耐熱性を有するものであれば、耐熱樹脂や石英などガラス以外の材料であってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、熱線吸収フィルターを分割し、さらにランプ輝点に近い過熱しやすい位置のフィルターのサイズを他のものより小さくすることによって、個々のフィルター内の熱的歪みを緩和することができるため、フィルター以外の付加的機構を用いることなく光源からの熱線放射を除去することが可能である。
本発明の第1形態に係る画像評価装置の概略図である。 本発明の第1形態に係る照明用ハロゲンランプ光源ユニットの概略図である。 本発明の第1形態に係るライン状ハロゲンランプ管の概略図である。 本発明の第1形態に係る楕円内反射による集光の原理図である。 本発明の第1形態に係る楕円形状パラメータの説明図である。 本発明の第1形態に係る熱線吸収フィルターの分光透過特性を示す図である。 従来のフィルター形状を示す図である。 従来のフィルター形状を示す図である。 フィルター上の温度測定結果を示す図である。 従来のフィルター形状を示す図である。 本発明の第1形態に係るフィルター形状を示す図である。 本発明の第1形態に係るランプ断面の光路を示す図である。 本発明の第2形態に係る熱線吸収フィルターの分割境界面を示す図である。 本発明の第3形態に係る異方性拡散フィルターを含む光学系を示す図である。
符号の説明
10 熱線吸収フィルター
12 ハロゲンランプ
14 反射板
16 空冷ファン
18 筐体
20 フィラメント
30 フィルタ片
40 異方性拡散フィルター
101 撮像素子
102 レンズ
103 照明装置
104 評価画像
105 原稿台

Claims (11)

  1. 複数の発光点をもつ光源と、
    前記光源からの照射光を測定対象物へ照射する照射手段と、
    前記測定対象物から反射された反射光を受光する受光手段と、
    前記受光手段からの信号を画像品質評価特性値へ変換する信号変換手段と、
    前記光源と前記測定対象物の間に前記光源をカバーする赤外線除去手段と、
    を備えた画像入力装置であって、
    前記赤外線除去手段は前記光源の発光点の発熱量に応じて分割されることを特徴とする画像入力装置。
  2. 前記赤外線除去手段の分割境界面を前記光源からの照射光の光路に対して斜めに設けたことを特徴とする請求項1に記載の画像入力装置。
  3. 前記光源の長手方向に対して透過光量分布を均等化し、これと直交する方向の透過光量分布には寄与しない異方性光学拡散フィルタを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項2の何れか1項に記載の画像入力装置。
  4. 前記光源は熱輻射光源ランプであることを特徴とする請求項11乃至請求項3に記載の画像入力装置。
  5. 前記光源はハロゲンランプであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の画像入力装置。
  6. 前記赤外線除去手段は熱線吸収フィルターであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の画像入力装置。
  7. 前記赤外線除去手段は熱線吸収フィルター表面に赤外領域の波長成分を反射するための誘電体多層膜が形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の画像入力装置。
  8. 分割された前記赤外線除去手段の面積は前記発光点の発熱量が高い箇所ほど小面積であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の画像入力装置。
  9. 前記発光点は不連続であることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の画像入力装置。
  10. 前記光源はライン状であることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の画像入力装置。
  11. 請求項1乃至請求項10の何れかに記載の画像入力装置を用いた画像評価装置。
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