JP2006233775A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒が劣化しても空燃比の補正を可能とし、排気を更に浄化可能とすること。
【解決手段】排気浄化装置は、排気通路3に直列に設けられる前段触媒コンバータ16及び後段触媒コンバータ17と、前段触媒コンバータ16の上流側に設けられる第1酸素センサ23と、後段触媒コンバータ17の上流側かつ前段触媒コンバータ16の下流側に設けられる第2酸素センサ24と、後段触媒コンバータ17の下流側に設けられる第3酸素センサ25と、電子制御装置(ECU)30とを備える。ECU30は、第1及び第2の酸素センサ23,24の検出値に基づき空燃比を理論空燃比にフィードバック制御し、その制御実行中に、第1及び第2の酸素センサ23,24の検出値に基づき前段触媒コンバータ16の劣化を判定し、劣化と判定したときは、第3酸素センサ25の検出値に基づき上記フィードバック制御を補正する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、内燃機関から排気通路へ排出される排気を浄化する内燃機関の排気浄化装置に関する。
従来、この種の装置として、例えば、下記の特許文献1及び2に記載される装置がある。特許文献1に記載される空燃比制御装置は、エンジンの排気通路に設けられる一つの排気浄化触媒と、その触媒の上流側に取り付けられる上流側空燃比センサと、その触媒の下流側に取り付けられる下流側空燃比センサとを備える。そして、この装置は、上流側空燃比センサにより検出される上流側排気空燃比から、排気浄化触媒の酸素吸脱量を推定し、この酸素吸脱量を積算することで排気浄化触媒に吸蔵される酸素吸蔵量を推定する。また、この装置は、排気浄化触媒がその能力限界まで酸素を吸蔵しきっていることを示す最大吸蔵可能酸素量を、下流側空燃比センサの検出結果に基づいて更新する。そして、この装置では、上記推定される酸素吸蔵量に対して上側閾値と下側閾値が設定され、推定される酸素吸蔵量が上側閾値と下側閾値との間にあるときは、空燃比を一定に制御し、推定される酸素吸蔵量が上側閾値より大きいときは、空燃比をリッチに制御し、下側閾値よりも小さいときは、空燃比をリーンに制御するようになっている。これにより、排気浄化触媒の酸素吸蔵量を、上側閾値と下側閾値の間で変動させて排気浄化触媒の活性化を促進し、その浄化性能を高く維持するようにしている。
特許文献2に記載される触媒コンバータ装置の劣化診断装置は、内燃機関の排気通路の上流側に装着される予備触媒コンバータ装置と、排気通路の下流側に装着される主触媒コンバータ装置と、予備触媒コンバータ装置の上流側に装着される第1の空燃比センサと、主触媒コンバータ装置の下流側に装着される第2の空燃比センサとを備える。そして、この装置は、予備触媒コンバータ装置及び主触媒コンバータ装置の劣化診断を行う場合に、第1の空燃比センサの検出信号に基づいて空燃比フィードバック制御を行い、そのときの第2の空燃比センサの検出信号に基づいて劣化診断を行うようになっている。
特開2002−115590号公報 特開平5−98946号公報
ところが、特許文献1に記載の装置では、排気浄化触媒の浄化性能をある程度維持できるものの、排気浄化触媒の経時劣化は避けられず、触媒が劣化したときに空燃比の制御が適正になされない懸念があった。図12に、床温400℃のときの触媒劣化に伴う浄化性能の変化の一例をグラフに示す。このグラフにおいて、横軸は空燃比(λ)を、縦軸はNox浄化率(%)をそれぞれ示す。実線は新品触媒の特性を、破線は劣化触媒の特性をそれぞれ示す。このグラフから明かなように、新品触媒の浄化率のピークは100%であるのに対し、劣化触媒の浄化率のピークは約60%にまで低下することが分かる。特許文献1に記載の装置では、このような触媒劣化に対処することができず、排気が悪化する懸念があった。特許文献1には、排気通路に排気浄化触媒が直列的に複数設けられることも示唆されているが、その場合でも同様の問題が起こり得る。
一方、特許文献2に記載の装置では、複数の触媒コンバータ装置についてまとめて劣化診断を行えるものの、劣化と診断されたときに空燃比を補正する手立てがなく、排気が悪化する懸念があった。
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、触媒が劣化したときでも空燃比の補正を可能とし、排気を更に浄化することを可能とした内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内燃機関から排気通路へ排出される排気を浄化する排気浄化装置であって、排気通路に設けられる前段触媒と、前段触媒の下流側にて排気通路に設けられる後段触媒と、前段触媒の上流側にて排気中の酸素濃度を検出するための前段上流側酸素濃度検出手段と、後段触媒の上流側かつ前段触媒の下流側にて排気中の酸素濃度を検出するための前段下流側酸素濃度検出手段と、後段触媒の下流側にて排気中の酸素濃度を検出するための後段下流側酸素濃度検出手段と、前段上流側酸素濃度検出手段及び前段下流側酸素濃度検出手段の検出値に基づいて内燃機関の空燃比を理論空燃比にフィードバック制御するための空燃比制御手段と、フィードバック制御の実行中に、前段上流側酸素濃度検出手段及び前段下流側酸素濃度検出手段の検出値に基づいて前段触媒の劣化を判定するための劣化判定手段と、前段触媒が劣化と判定されたとき、後段下流側酸素濃度検出手段の検出値に基づいてフィードバック制御を補正するための劣化時補正手段とを備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、前段触媒は排気通路にて後段触媒より上流側に設けられることから、前段触媒は後段触媒よりも内燃機関からの排気の影響を受け易く、後段触媒よりも先に劣化する傾向にある。ここで、空燃比制御手段は、前段上流側酸素濃度検出手段及び前段下流側酸素濃度検出手段の検出値に基づいて内燃機関の空燃比を理論空燃比にフィードバック制御し、そのフィードバック制御の実行中に、劣化判定手段は、前段上流側酸素濃度検出手段及び前段下流側酸素濃度検出手段の検出値に基づいて前段触媒の劣化を判定する。そして、前段触媒が劣化と判定されたとき、劣化時補正手段は、後段下流側酸素濃度検出手段の検出値に基づいてフィードバック制御を補正する。従って、前段触媒が劣化したときは、その浄化性能が落ちることから、後段触媒へ流れる排気が悪化するが、その後段触媒を通過した排気中の酸素濃度に基づいてフィードバック制御が補正されるので、後段触媒を通過する排気が浄化される。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、空燃比制御手段は、前段下流側酸素濃度検出手段の検出値に基づいてフィードバック補正量を算出し、そのフィードバック補正量に基づいてフィードバック制御を実行し、劣化時補正手段は、後段下流側酸素濃度検出手段の検出値が所定範囲の値となるように劣化時補正量を算出し、その劣化時補正量に基づいて前記フィードバック制御を補正することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、フィードバック制御の実行中に、前段触媒が劣化と判定されたときには、前段触媒の下流側における排気中の酸素濃度に基づくフィードバック補正量と、後段触媒の下流側における排気中の酸素濃度に基づく劣化時補正量との協働によりフィードバック制御が補正される。ここで、後段下流側酸素濃度検出手段の検出値が所定範囲の値となるように劣化時補正量が算出されるので、検出値がある一つの所定値となるように劣化時補正量が算出されるよりも、その算出機会が少なくなる。
請求項1に記載の発明によれば、触媒が劣化したときでも空燃比の補正を可能とし、排気を更に浄化することができ、最終的に排気通路から外部へ排出される排気の悪化を抑えることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、空燃比の補正が必要以上に頻繁に行われることを防いで空燃比の変動を抑えることができる。
以下、本発明における内燃機関の排気浄化装置を具体化した一実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1に、自動車に搭載されたエンジンシステムの概略構成図を示す。内燃機関としてのエンジン1は周知の構造を有する多気筒タイプのものであり、この実施の形態では、1番気筒#1〜6番気筒#6の6気筒を有する。エンジン1は、吸気通路2を通じて供給される燃料と空気との可燃混合気を、各気筒#1〜#6の燃焼室で爆発・燃焼させ、その燃焼後の排気を排気通路3を通じて排出させることにより、ピストン(図示しない)を動作させてクランクシャフト4を回転させ、動力を得るようになっている。
吸気通路2に設けられたスロットルバルブ5は、同通路2を流れて各気筒#1〜#6に吸入される空気量(吸気量)Gaを調節するために開閉される。このバルブ5は、運転席に設けられたアクセルペダル6の操作に連動して作動する。スロットルバルブ5に対して設けられたスロットルセンサ21は、このバルブ5の開度(スロットル開度)TAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。吸気通路2に設けられた吸気圧センサ22は、スロットルバルブ5より下流の吸気通路2における吸気圧力PMを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。
各気筒#1〜#6に対応して設けられた複数の燃料噴射弁(インジェクタ)7は、各気筒#1〜#6の吸気ポートに対して燃料を噴射供給する。これらインジェクタ7は、共通する一つのデリバリパイプ8に設けられる。燃料タンク9には、燃料ポンプ13が内蔵される。燃料ポンプ13に接続された燃料パイプ14は、燃料フィルタ15を介してデリバリパイプ8に接続される。燃料ポンプ13が作動することにより、燃料タンク9の燃料が同ポンプ13から燃料パイプ14へ吐出され、燃料フィルタ15で異物が除去された後、デリバリパイプ8へ圧送され、各インジェクタ7へ分配される。各インジェクタ7に分配された燃料は、それらが作動することにより、吸気ポートへと噴射さ、可燃混合気として各気筒#1〜#6に供給される。
各気筒#1〜#6に対応してエンジン1に設けられた複数の点火プラグ10は、ディストリビュータ11から分配される点火信号を受けて作動する。ディストリビュータ11は、イグナイタ12から出力される高電圧をクランクシャフト4の回転角、即ち「クランク角(°CA)」の変化に対応して各点火プラグ10へ分配する。各点火プラグ10の点火時期は、イグナイタ12から出力される高電圧の出力タイミングにより決定される。従って、イグナイタ12が制御されることにより、各気筒#1〜#6の各点火プラグ10の点火時期が制御される。
排気通路3には、前段触媒コンバータ16と後段触媒コンバータ17が直列に配置されて設けられる。すなわち、前段触媒コンバータ16は本発明の前段触媒に相当する。後段触媒コンバータ17は、前段触媒コンバータ16の下流側にて排気通路3に設けられ、本発明の後段触媒に相当する。これら触媒コンバータ16,17は、エンジン1から排出される排気を浄化するための三元触媒18を内蔵する。周知のように、三元触媒18は、排気中の一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)の酸化と、窒素酸化物(NOx)の還元を同時に行う。これにより排気中の有害ガス三成分(CO,HC、NOx)を、無害な二酸化炭素(CO2)、水蒸気(H2O)及び窒素(N2)に清浄化する。三元触媒18の持つ排気清浄化特性は、エンジン1の設定空燃比により大きく変わる。即ち、空燃比が薄いときは、燃焼後の酸素(O2)の量が多くなり、酸化作用が活発に、還元作用が不活発になる。この酸化と還元のバランスがとれたとき(理論空燃比に近付いたとき)、三元触媒18は最も有効に働くことになる。
排気通路3において、前段触媒コンバータ16の上流側には、第1酸素センサ23が、前段触媒コンバータ16と後段触媒コンバータ17との間には、第2酸素センサ24が、後段触媒コンバータ17の下流側には、第3酸素センサ25がそれぞれ設けられる。第1酸素センサ23は、前段触媒コンバータ16の上流側にてエンジン1から排気通路3へ排出される排気中の酸素濃度Oxを検出し、その検出値に応じた電気信号(出力電圧)VAを出力するものであり、本発明の前段上流側酸素濃度検出手段に相当する。この酸素センサ23は、比較的リニアな出力特性を有する。第2酸素センサ24は、後段触媒コンバータ17の上流側かつ前段触媒コンバータ16の下流側にて、前段触媒コンバータ16を通過した排気中の酸素濃度Oxを検出し、その検出値に応じた電気信号(出力電圧)VOXを出力するものであり、本発明の前段下流側酸素濃度検出手段に相当する。この酸素センサ24は、いわゆるZ型の出力特性を有する。第3酸素センサ25は、後段触媒コンバータ17の下流側にて、同触媒コンバータ17を通過した排気中の酸素濃度Oxを検出し、その検出値に応じた電気信号(出力電圧)VUOを出力するものであり、本発明の後段下流側酸素濃度検出手段に相当する。
ディストリビュータ11に設けられた回転速度センサ26は、クランクシャフト4の角速度、即ち、エンジン回転速度NEを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。ディストリビュータ11には、クランクシャフト4の回転に連動して回転し外周に複数の歯を有するロータ(図示しない)が内蔵される。回転速度センサ26は、このロータと、ロータの外周に対向配置された電磁ピックアップ(図示しない)とを備える。このロータの回転に伴い電磁ピックアップが各歯の通過を検出する毎に、回転速度センサ26から一つのパルス信号が出力される。この実施の形態では、クランク角が30°CA進む毎に、回転速度センサ26から一つのパルス信号が出力される。
同じく、ディストリビュータ11には、ロータの回転に応じてクランク角の変化を所定の割合で検出するための気筒判別センサ27が設けられる。この実施の形態では、1番気筒#1〜6番気筒#6の全てが順次に燃焼行程を終了するまでにクランクシャフト4が2回転するものとして、720°CA毎の割合で、気筒判別センサ27から基準位置信号GSとしての一つのパルス信号が出力される。
エンジン1に設けられ水温センサ28は、エンジン1の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温)THWを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1の暖機状態は、この冷却水温THWに反映されることになる。自動車に設けられた車速センサ29は、自動車の走行速度(車速)SPDを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。
この実施の形態で、前述したスロットルセンサ21、吸気圧センサ22、第1酸素センサ23、第2酸素センサ24、第3酸素センサ25、回転速度センサ26、気筒判別センサ27、水温センサ28及び車速センサ29等は、エンジン1又は自動車の運転状態を検出するための運転状態検出手段に相当する。この実施の形態では、吸気量Gaは、吸気圧センサ22及び回転速度センサ26からの電気信号により読み込まれる吸気圧PM及びエンジン回転速度NEの値から換算される。
運転席に設けられた警告ランプ19は、前段触媒コンバータ16の三元触媒18の劣化を運転者に警告するために点灯するものである。
この実施の形態で、電子制御装置(ECU)30は、スロットルセンサ21、吸気圧センサ22、第1酸素センサ23、第2酸素センサ24、第3酸素センサ25、回転速度センサ26、気筒判別センサ27、水温センサ28及び車速センサ29等から出力される各種信号を入力する。ECU30は、これらの入力信号に基づいて空燃比制御を含む燃料噴射制御及び点火時期制御等を実行し、各インジェクタ7及びイグナイタ12をそれぞれ制御する。併せて、ECU30は、上記信号に基づいて触媒劣化判定処理を実行する。
ここで、燃料噴射制御とは、エンジン1の運転状態に応じて各インジェクタ7を制御することにより、燃料噴射量及び燃料噴射タイミングを制御することである。空燃比制御とは、第1酸素センサ23の出力電圧VA及び第2酸素センサ24の出力電圧VOXに基づいてインジェクタ7を制御することにより、エンジン1の空燃比を理論空燃比等の所定の空燃比にフィードバック制御することである。従って、この実施の形態では、インジェクタ7及びECU30等により、第1及び第2の酸素センサ23,24の検出値に基づいてエンジン1の空燃比を理論空燃比にフィードバック制御するための本発明の空燃比制御手段が構成される。
点火時期制御とは、エンジン1の運転状態に応じてイグナイタ12を制御することにより、各点火プラグ10による点火時期を制御することである。
触媒劣化判定処理とは、エンジン1の空燃比が所定の理論空燃比にフィードバック制御されるときに行われるものであり、第1及び第2の酸素センサ23,24等の検出値に基づいて前段触媒コンバータ16の三元触媒18の劣化の有無を判定することである。従って、この実施形態において、ECU30は本発明の劣化判定手段に相当する。また、ECU30は、前段触媒コンバータ16の三元触媒28が劣化と判定されたとき、第3酸素センサ25の出力電圧VUOに基づいて空燃比のフィードバック制御を補正するようになっている。この意味で、ECU30は、本発明の劣化時補正手段に相当する。
ここで、例えば、前段触媒コンバータ16において、三元触媒18は、そこを通過する排気中の酸素濃度Oxが高いとき(排気中の空燃比がリーン傾向となるとき)に排気中の酸素を吸着し、その反対に酸素濃度Oxが低いとき(排気中の空燃比がリッチ傾向となるとき)に吸着した酸素を放出する酸素ストレージ作用を発揮する。このため、三元触媒18の上流側では、排気中の酸素濃度Oxが比較的短い周期で高濃度と低濃度との間を繰り返し変動し、第1酸素センサ23の出力電圧VAは、図2のような挙動を示すことになる。このとき、三元触媒18に劣化がなければ(正常であれば)、三元触媒18を通過した排気中の酸素濃度Oxの変動は、酸素ストレージ作用により緩和される。従って、三元触媒18の下流側では、排気中の酸素濃度Oxが理論空燃比に相関した値に維持される。このため、三元触媒18が正常であれば、第2酸素センサ24の出力電圧VOXは、図3に示すように、変動周期が相対的に長くなる。これに対して、三元触媒18に劣化があれば(異常であれば)、酸素ストレージ作用が低下することから、第2酸素センサ24の出力電圧VOXは、図4に示すように、変動周期が短くなり、第1酸素センサ23の出力電圧VAの周期に近付くことになる。
ECU30は中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及びバックアップRAM(B−RAM)等よりなる周知の構成を備えたものである。ROMは、前述した各種制御に係る所定の制御プログラムを予め記憶している。ECU(CPU)30は、これらの制御プログラムに従って前述した各種制御等を実行する。
次に、ECU30が実行する各種処理内容について説明する。図5に「燃料噴射制御ルーチン」をフローチャートに示す。ECU30は、このルーチンを所定間隔毎(例えば、360°CA毎)に周期的に実行する。このルーチンにより、ECU30は、燃料噴射量TAU(各インジェクタ7からの燃料噴射時間)を、エンジン1の1回転当たりの吸気量Gaと、後述する各種補正量AFC,AFCR,AFCS,KA等とに基づいて算出する。
すなわち、ステップ100で、ECU30は、吸気圧センサ22及び回転速度センサ26の検出値から読み込まれる吸気圧PM及びエンジン回転速度NEに基づき、エンジン1の1回転当たりの吸気量Gaを算出する。
次に、ステップ110で、ECU30は、算出された吸気量Gaに基づき、次式に従って基本燃料噴射量TAUPを算出する。
TAUP ← α*Ga
ここで、基本燃料噴射量TAUPは、各燃焼室に供給される混合気を理論空燃比にするために必要な燃料噴射量であり、「α」は吸気量Gaを基本燃料噴射量TAUPに換算するための所定定数である。
次に、ステップ120で、ECU30は、最終的な燃料噴射量TAUを、次式に従って算出する。
TAU ← TAUP*(AFC+AFCR+AFCS+KA)*β
ここで、「AFC」は、本発明のフィードバック補正量としての第1空燃比補正量であり、「AFCR」は、同じくフィードバック補正量としての第2空燃比補正量であり、[AFCS]は、本発明の劣化時補正量としての第3空燃比補正量であり、「KA」は、その他の補正量である。「β」は、エンジン1の始動時等に燃料増量を行うために「1.0」より大きい値に設定される係数であり、通常は「1.0」に設定される。
そして、ステップ130で、ECU30は、算出された燃料噴射量TAUに基づき、所定のタイミングで各インジェクタ7を制御することにより、各気筒#1〜#6に対する燃料噴射を実行する。
次に、上記した第1空燃比補正量AFCの算出について説明する。図6に「AFC算出ルーチン」をフローチャートに示す。ECU30は、このルーチンを所定間隔毎(例えば「20ms」毎)に周期的に実行する。この実施形態で、ECU30は、エンジン1の空燃比を目標空燃比に収束させるために、第1空燃比補正量AFC を、第2酸素センサ24の出力電圧VOXが目標空燃比よりリーン側の値となる場合に増加させ、リッチ側の値となる場合に低減させる。
すなわち、ステップ201で、ECU30は、フィードバックフラグXFBが「1」であるか否かを判断する。ここで、このフラグXFBは、別途のルーチンにより設定されるものであり、空燃比フィードバック制御実行条件の成立の是非を示す。このフラグXFBが「1」であることは、空燃比フィードバック制御実行条件が成立していることを意味する。この本実形態で、空燃比フィードバック制御実行条件とは、(1)エンジン1の暖機が完了していること、(2)第1及び第2の酸素センサ23,24がともに活性化していること、(3)燃料カットが実行されていないこと、(4)燃料カットからの復帰後等でないことを含む。
ステップ201で条件不成立の場合、空燃比フィードバック制御は実行されないことから、ECU30はそのまま処理を終了する。一方、ステップ201で条件成立の場合、ステップ202で、ECU30は、第2酸素センサ24の出力電圧VOX(AD変換値)が所定の比較電圧VRより小さいか否かを判断する。この実施形態で、比較電圧VRは、第2酸素センサ24の理論空燃比相当出力(例えば、VOX=0.45V)に設定される。すなわち、ステップ202では、前段触媒コンバータ16の下流側における排気空燃比がリーンであるか否かを判断することになる。
ステップ202の判断結果が肯定である場合、ECU30は、ステップ203で、空燃比フラグXOXを「0」にセットする。ここで、空燃比フラグXOXは、現在の空燃比がリーンかリッチかを表すフラグであり、「0」はリーンを、「1」はリッチを意味する。
次に、ステップ204で、ECU30は、反転フラグXOXOが「1」であるか否かを判断する。この反転フラグXOXOは、ステップ202の条件が最初に成立した直後に(すなわち、空燃比がリッチからリーンに反転した直後に)、以下に説明するステップ210,211の処理をそれぞれ1回だけ実行するために設けられる。
ステップ204の判断結果が肯定である場合、ECU30は、ステップ209で、反転フラグXOXOを「0」に設定する。これにより、次回ルーチン実行時にも、ステップ202の判断結果が肯定となる場合は、ステップ209以降の処理は実行されず、代わりに、ステップ205〜208の処理が実行されることになる。
次に、ECU30は、ステップ210で、第1空燃比補正量AFCを所定値ΔAFC1だけ増加させ、ステップ211で、カウンタCNTの値を「0」にリセットし、後述するステップ220,221の処理を実行した後、今回のルーチン実行を終了する。次回ルーチンが実行され、ステップ202の判断結果が再度肯定となる場合、反転フラグXOXOは「0」にリセットされることから、ECU30は、処理をステップ204からステップ205へ移行し、ステップ205〜208の処理を実行することになる。
ステップ205〜208では、ECU30は、カウンタCNTの値が予め定められた所定値KCNTに到達する毎に、第1空燃比補正量AFCを所定値ΔAFC2だけ増加させる。すなわち、ステップ205で、カウンタCNTの値が所定値KCNTに到達するまでは、ECU30は、ステップ206で、カウンタCNTの値を「1」だけインクリメントさせる。一方、ステップ205で、カウンタCNTの値が所定値KCNTに到達すると、ECU30は、ステップ207で、カウンタCNTの値を「0」にリセットすると共に、ステップ208で、第1空燃比補正量AFCを所定値ΔAFC2だけ増加させる。
この実施形態では、所定値ΔAFC1は、所定値ΔAFC2に較べてかなり大きい値に設定される。これにより、第1空燃比補正量AFCの値は、空燃比がリッチからリーンに反転した直後に一度だけ比較的大きな所定値ΔAFC1によりスキップ的に増加され、その後は空燃比がリーンである限り、カウンタCNTの値が所定値KCNTに到達する毎に(本ルーチンが所定値KCNTの回数実行される毎に)比較的小さな所定値ΔAFC2ずつ徐々に増加される。
なお、ステップ202の判断結果が否定である場合、ステップ212〜219で、ECU30は、上記したステップ203〜211,220,221に準ずる処理を実行する。この場合、第1空燃比補正量AFCは、空燃比がリーンからリッチに反転する毎にスキップ的に所定値ΔAFC1だけ低減され、その後は空燃比がリッチである限り、所定値KCNTの回数だけルーチンが実行される毎に、所定値ΔAFC2ずつ徐々に低減される。
そして、ステップ220で、ECU30は、上記のように算出される第1空燃比補正量AFCの値につき、予め定められた上限値と下限値とを用いてガード処理する。すなわち、ECU30は、算出された第1空燃比補正量AFCが上限値より大きくなった場合は、同補正量AFCを上限値に設定し、この補正量AFCが下限値より小さくなった場合は、同補正量AFCを下限値に設定する。これにより、第1空燃比補正量AFCが過大又は過小となり、空燃比が過度に補正されることを防止する。また、上記処理終了後、ステップ221で、ECU30は、最終的な第1空燃比補正量AFCの値をB−RAMに格納する。
次に、上記した第2空燃比補正量AFCRの算出について説明する。図7に「AFCR算出ルーチン」をフローチャートに示す。ECU30は、このルーチンを所定時間毎(例えば「20ms」毎)に実行する。この実施形態では、第2空燃比補正量AFCRは、第2酸素センサ24の出力電圧VOXが比較電圧VRの近傍領域(V1≦VOX≦V2)にある場合は「0」に設定され、この近傍領域から外れた場合は、第1酸素センサ23の出力により決まる値だけ増加又は低減されるようになっている。
先ず、ステップ301で、ECU30は、フィードバックフラグXFBが「1」であるか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、ECU30は、そのままルーチンを終了する。一方、この判断結果が肯定である場合、ステップ302で、ECU30は、第2酸素センサ24の出力電圧VOXが所定値V1 より小さいか否かを判断する。ここで、所定値V1 は、第2酸素センサ24の理論空燃比相当出力より小さい出力(VOX>V1)、すなわち、理論空燃比よりリーン側に所定値だけ離れた出力電圧である。
ステップ302の判断結果が肯定である場合、ステップ303で、ECU30は、積分値ICRを予め定められた所定値ΔAFCRだけ増加させる。積分値ICRは、第2酸素センサ24の出力電圧VOXが所定の範囲内(V1≦VOX≦V2)にあるときは「0」にリセットされるパラメータであり、ステップ302の判断結果が肯定となる間は、このルーチンが実行される毎に所定値ΔAFCRずつ増加される。すなわち、積分値ICRは、第2酸素センサ24の出力電圧VOXが所定値V1より小さい状態が長く続くほど大きくなる。
次に、ステップ304で、ECU30は、実行フラグFが「0」であるか否かを判断する。この実行フラグFは、ステップ302の判断結果が最初に肯定となった直後に1回だけステップ305の処理を実行するために設定される。そして、ステップ304の判断結果が肯定である場合、すなわち、今回のルーチン実行が、第2酸素センサ24の出力電圧VOXが所定値V1より小さくなってから最初のルーチン実行である場合、ECU30は、ステップ305で、第1酸素センサ23の出力電圧に基づいて後述するマップから補正係数AFCRP2の値を決定し、ステップ306で、実行フラグFを「1」に設定した後、処理をステップ307へ移行する。一方、今回のルーチン実行が、第2酸素センサ24の出力電圧VOXが所定値V1より小さくなってから最初のルーチン実行でない場合、すなわち、ステップ304の判断結果が否定である場合、補正係数AFCRP2の値は既に決定されていることから、ECU30は、処理をステップ304からステップ307へ移行する。
ステップ307で、ECU30は、第2空燃比補正量AFCRの値を、次式に従って増加させる。
AFCR ← AFCRP1+ICR+AFCRP2
ここで、「AFCRP1」は、補正係数であり、予め定められた所定値である。図8には、第1酸素センサ23の出力電圧VAに基づき補正係数AFCRP2を設定するために使用されるマップの一例を示す。図8において、横軸は、第1酸素センサ23の出力電圧VA と、そのセンサ23の目標空燃比(本実施形態では理論空燃比)相当出力VSTとの差(VA−VST)を示し、縦軸は、補正係数AFCRP2の値を示す。図8に示すように、補正係数AFCRP2の値は、出力電圧VA が目標空燃比相当出力VSTからリーン側((VA −VST)≧0)へ離れるほど正の大きな値となり、出力電圧VAが目標空燃比相当出力VSTからリッチ側((VA−VST)<0)へ離れるほど負の大きな値となる。
すなわち、ステップ307で、第2空燃比補正量AFCRの値は、第2酸素センサ24の出力電圧VOXが所定値V1より小さい状態が長く続くほど(ICR)、また前段触媒コンバータ16の上流側の空燃比が理論空燃比からリッチ側へ離れるほど(AFCRP2)、正の大きな値となる。
一方、ステップ302の判断結果が否定となる場合、ステップ308で、ECU30は、第2酸素センサ24の出力電圧VOXが所定値V2より大きいか否かを判断する。ここで、所定値V2は、第2酸素センサ24の理論空燃比相当出力より大きい出力(VOX<V1)、すなわち、理論空燃比よりリッチ側に所定値だけ離れた出力電圧である。
ステップ308の判断結果が肯定となる場合、ECU30は、ステップ309で、積分値ICRを所定値ΔAFCRだけ低減させる。一方、ステップ308の判断結果が否定となる場合、すなわち、「V1<VOX<V2」の条件が成立する場合は、ECU30は、ステップ314で、積分値ICRを「0」に設定する。このため、ステップ309で算出される積分値ICRは、第2酸素センサ24の出力電圧VOXが所定値V2より大きくなる状態が長く続くほど負の大きな値となる。
同様に、ステップ311で、ECU30は、第1酸素センサ23の出力電圧VAに基づいて設定される補正係数AFCRP2の値を、出力電圧VAが目標空燃比VSTからリッチ側に離れるほど、負の大きな値に設定する。これにより、ステップ313で、ECU30は、ステップ307に準ずるよう第2空燃比補正量AFCRの値を設定する。しかし、その設定される第2空燃比補正量AFCRの値は、出力電圧VOXが所定値V2より大きくなる状態が長く続くほど、また前段触媒コンバータ16の上流側の空燃比が理論空燃比からリッチ側に離れるほど負の大きな値となる。
一方、ステップ308の判断結果が否定となる場合、すなわち第2酸素センサ24の出力電圧VOXが「V1≦VOX≦V2」の領域に入った場合、ECU30は、ステップ314〜316で、積分値ICR、第2空燃比補正量AFCR及び実行フラグFの値を全て「0」に設定する。
そして、ステップ307,313,316から移行して、ステップ320で、ECU30は、算出された第2空燃比補正量AFCRの値を、予め定められた最大値と最小値を用いてガード処理する。また、ステップ321で、ECU30は、第2空燃比補正量AFCRの値をB−RAMに格納する。
この実施形態の空燃比制御では、第2酸素センサ24の出力電圧VOXが比較的理論空燃比に近い領域(V1<VOX<V2)にある場合は、比較的小さな第1空燃比補正量AFCのみで空燃比を理論空燃比に近づける操作を行い、出力電圧VOXが理論空燃比から比較的大きく離れた場合は、第1空燃比補正量AFCに加えて第2空燃比補正量AFCRを用いることにより空燃比を理論空燃比側に大きく近付けるようにする。また、第2空燃比補正量AFCRは、第1酸素センサ23の出力電圧VAに応じて設定されるため、前段触媒コンバータ16の上流側で、空燃比の理論空燃比からのずれが大きいほど第2空燃比補正量AFCRは大きな値となり、理論空燃比からのずれが小さい場合は、第2空燃比補正量AFCRは小さな値となる。このため、理論空燃比への収束が早まると共にハンチングの発生が抑えられる。
上記したように、この実施形態では、第2酸素センサ24の出力を主とし、第1酸素センサ23の出力を従とすることで空燃比制御を行っている。これは以下の理由による。すなわち、前段触媒コンバータ16の下流側で、排気が均一に混合しているため安定したセンサ出力が得られること、前段触媒コンバータ16の下流側で、排気温度も低下しておりセンサの劣化が少ないこと、Z型出力特性を有する第2酸素センサ24がリニアな出力特性を有する第1酸素センサ23より空燃比変化に対する応答性が良いこと、等である。
次に、上記した触媒劣化判定処理について説明する。図9に「触媒劣化判定ルーチン」をフローチャートに示す。ECU30は、このルーチンを一定時間毎の割込みにより実行する。
先ず、ステップ400で、ECU30は、劣化判定条件が成立したか否かを判断する。例えば、エンジン回転速度NEが「1200rpm <NE<3000rpm」であり、吸気圧PMが「39900kPa<PM<79800kPa」であり、かつスロットル開度TAが変化していないときに劣化判定条件が成立したと判断することができる。ここで、劣化判定条件が不成立の場合、ECU30は、処理をステップ480へジャンプする。一方、劣化判定条件が成立している場合、ステップ410で、ECU30は、第2酸素センサ24の出力電圧VOXの値をRAMに記憶する。
次に、ステップ420で、ECU30は、次式に従って累積回転速度ΣNEを算出する。
ΣNE ← ΣNE+NE
次に、ステップ430で、ECU30は、第2酸素センサ24の出力電圧VOXに関するデータが所定数だけRAMに記憶されたか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、ECU30は、処理を一旦終了する。一方、ステップ430の判断結果が肯定である場合、ステップ440で、ECU30は、判定周波数FRを算出する。劣化判定に用いる判定周波数FRは、クランクシャフト4が720°CAだけ回転するときの周波数である場合は、次式から求められる。
FR=(ΣNE/128)*(1/60)*(1/2)
ここで、「ΣNE/128」は、データ収集期間(4msec×128≒0.5sec )中におけるエンジン回転速度NEの平均値を意味する。
次に、ステップ450で、ECU30は、高速フーリエ変換(FFT)を用いて周波数成分の分析を行う。コンピュータの容量が小さい場合は、この周波数分析に時間を要するので、他の演算の合間をぬって周波数分析に必要な計算を行う。ECU30は、この周波数分析によって、判定周波数FRにおける第2酸素センサ24の出力信号強度MSを求める。
そして、ステップ460で、ECU30は、求められた出力信号強度MSが予め定められた設定値M0より大きいか否かを判断する。この判断結果が肯定である場合、前段触媒コンバータ16の三元触媒18がほとんど劣化していないと判断することができ、ECU30は、処理をステップ480へジャンプする。これに対し、ステップ460の判断結果が否定である場合、前段触媒コンバータ16の三元触媒18がわずかに劣化したと判断することができる。この場合、ECU30は、ステップ470で、異常判定処理を実行する。即ち、ECU30は、前段触媒コンバータ16の三元触媒18が異常であることを示す所定の異常コードをB−RAMに記憶することと、異常フラグを「1」に設定することと、警告ランプ19を点灯させることとを異常判定処理として行う。異常コードは、例えば、自動車の定期点検の際に、ダイアグモニタ等を使用して読み取られ、表示されるようになっている。
そして、ステップ400,470から移行して、ステップ480で、ECU30は、RAMに記憶された出力電圧VOXに関する全てのデータをクリアし、ステップ490で、ECU30は、累積回転速度ΣNEを零とし、その後の処理を終了する。
次に、上記の劣化判定処理を受けて行われる第3空燃比補正量FACSの算出について説明する。図10に「AFCS算出ルーチン」をフローチャートに示す。ECU30は、このルーチンを一定時間毎の割込みにより実行する。
先ず、ステップ500で、ECU30は、触媒劣化の判断を行う。ECU30は、この判断を、上記した「触媒劣化判定ルーチン」で設定される異常フラグの値に基づいて行う。すなわち、異常フラグが「1」である場合は、触媒が劣化したと判断する。この判断結果が否定である場合、ECU30は、ステップ510で、第3空燃比補正量FACSの値を「0」に設定する。
一方、ステップ500の判断結果が肯定である場合、ECU30は、ステップ520で、第3酸素センサ25の出力電圧VUOが所定値V1より小さいか否かを判断する。この判断結果が肯定である場合、ECU30は、ステップ530で、第3空燃比補正量FACSの値を所定値A1に設定する。
一方、ステップ520の判断結果が否定である場合、ECU30は、ステップ540で、第3酸素センサ25の出力電圧VUOの値が所定値V2(V1>V2)より大きいか否かを判断する。この判断結果が肯定である場合、ECU30は、ステップ550で、第3空燃比補正量FACSを所定値A1に設定する。この判断結果が否定である場合、ECU30は、ステップ560で、第3空燃比補正量FACSを「0」に設定する。
上記のように、ECU30は、触媒劣化の判定結果と第3酸素センサ25の検出値に基づいて第3空燃比補正量FACSを算出することになる。
なお、上記したその他の補正量KAには、例えば、特性補正量、デポジット補正量、燃料性状補正量及び壁面付着燃料補正量などが含まれるが、ここではその説明を省略する。
以上説明したこの実施形態の排気浄化装置によれば、排気通路3に前段触媒コンバータ16と後段触媒コンバータ17が直列に設けられ、前段触媒コンバータ16は、排気通路3にて後段触媒コンバータ17より上流側に設けられる。このため、前段触媒コンバータ16は後段触媒コンバータ17よりもエンジン1から排出される排気の影響を受け易く、後段触媒コンバータ17よりも先に劣化する傾向にあると言える。
ここで、ECU30は、第1及び第2の酸素センサ23,24の検出値(出力電圧VA,VOX)に基づいてエンジン1の空燃比を理論空燃比にするフィードバック制御を実行する。すなわち、ECU30は、出力電圧VA,VOXに基づいてフィードバック補正量としての第1空燃比補正量FAC及び第2空燃比補正量FACRを算出し、それら補正量FAC,FACRに基づいて基本燃料噴射量TAUPを補正することにより最終的な燃料噴射量TAUを算出する。そして、ECU30は、その燃料噴射量TAUに基づいて燃料噴射制御(空燃比のフィードバック制御)を実行する。このフィードバック制御の実行中に、ECU30は、第1及び第2の酸素センサ23,24の検出値(出力電圧VA,VOX)に基づいて前段触媒コンバータ16の劣化を判定する。そして、前段触媒コンバータ16が劣化したと判定されたとき、ECU30は、第3酸素センサ25の検出値(出力電圧VUO)に基づいてフィードバック制御を補正する。すなわち、ECU30は、出力電圧VUOに基づいて劣化時補正量としての第3空燃比補正量FACSを算出する。ここで、ECU30は、第3酸素センサ25の出力電圧VUOが所定範囲の値(所定値V1〜所定値V2の範囲の値)となるように第3空燃比補正量FACSを算出する。そして、ECU30は、上記した第1空燃比補正量FAC及び第2空燃比補正量FACRに加え、第3空燃比補正量FACSを用いて基本燃料TAUPを更に補正することで最終的な燃料噴射量TAUを算出し、その燃料噴射量TAUに基づいて燃料噴射を実行する。従って、前段触媒コンバータ16が劣化したときは、その排気浄化性能は落ちることから、後段触媒コンバータ17へ流れる排気が悪化することになるが、その後段触媒コンバータ17を通過する排気中の酸素濃度に基づいて空燃比のフィードバック制御が補正されるので、後段触媒コンバータ17を通過する排気が浄化される。このため、前段触媒コンバータ16が劣化したときでも後段触媒コンバータ17による空燃比の補正を可能とし、排気を更に浄化することができ、最終的に排気通路3から外部へ排出される排気の悪化を抑えることができる。
図11には、各種パラメータの挙動をタイムチャートに示す。このチャートから分かるように、前段触媒コンバータ16が劣化している場合には、図11(c)に示すように、時刻t1〜t2で、第3酸素センサ25の出力電圧VUOが所定値V1を下回っているとき、あるいは、時刻t3〜t4で、第3酸素センサ25の出力電圧VUOが所定値V2を上回っているときには、それぞれ第3空燃比補正量FACSの値が「0」以外の正の値又は負の値として算出され、その補正量FACSに基づいて基本燃料噴射量TAUPが補正される。従って、従来では、図11(e)に破線で示すように、Nox排出量が増えていたのが、図11(e)に実線で示すように、Nox排出量が明らかに少なくなった。このようにNox排出量を低減できることから、エンジン1の排気を更に浄化できることが分かる。
また、この実施形態では、図11(c)に示すように、第3酸素センサ25の出力電圧VUOが所定値V1から所定値V2の範囲を超えたときだけ第3空燃比補正量FACSが算出されるので、出力電圧VUOがある一つの所定値となるように第3空燃比補正量FACSが算出されるよりも、その算出機会が少なくなる。このため、空燃比の補正が必要以上に頻繁に行われることを防いで空燃比の変動を抑えることができる。
尚、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で以下のように実施することもできる。
例えば、前記実施形態では、前段触媒として一つの前段触媒コンバータ16を設けたが、複数の触媒コンバータを前段触媒として設けてもよい。この場合は、複数の触媒コンバータのうち最上流の触媒コンバータの上流側に第1酸素センサが設けられ、最下流の触媒コンバータの下流側に第2酸素センサが設けられることになる。そして、これら複数の触媒を前段触媒としてその劣化が判定されることになる。
エンジンシステムを示す概略構成図。 第1酸素センサの出力電圧の挙動を示すタイムチャート。 第2酸素センサの出力電圧の挙動を示すタイムチャート。 第2酸素センサの出力電圧の挙動を示すタイムチャート。 燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャート。 第1空燃比補正量の算出ルーチンを示すフローチャート。 第2空燃比補正量の算出ルーチンを示すフローチャート。 第1酸素センサの出力電圧より補正係数を設定するためのマップ。 触媒劣化判定ルーチンを示すフローチャート。 第3空燃比補正量の算出ルーチンを示すフローチャート。 各種パラメータの挙動を示すタイムチャート。 触媒劣化に伴う浄化性能の変化を示すグラフ。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
3 排気通路
7 インジェクタ
16 前段触媒コンバータ(前段触媒)
17 後段触媒コンバータ(後段触媒)
23 第1酸素センサ(前段上流側酸素濃度検出手段)
24 第2酸素センサ(前段下流側酸素濃度検出手段)
25 第3酸素センサ(後段下流側酸素濃度検出手段)
30 ECU(空燃比制御手段、劣化判定手段、劣化時補正手段)

Claims (2)

  1. 内燃機関から排気通路へ排出される排気を浄化する排気浄化装置であって、
    前記排気通路に設けられる前段触媒と、
    前記前段触媒の下流側にて前記排気通路に設けられる後段触媒と、
    前記前段触媒の上流側にて排気中の酸素濃度を検出するための前段上流側酸素濃度検出手段と、
    前記後段触媒の上流側かつ前記前段触媒の下流側にて排気中の酸素濃度を検出するための前段下流側酸素濃度検出手段と、
    前記後段触媒の下流側にて排気中の酸素濃度を検出するための後段下流側酸素濃度検出手段と、
    前記前段上流側酸素濃度検出手段及び前記前段下流側酸素濃度検出手段の検出値に基づいて前記内燃機関の空燃比を理論空燃比にフィードバック制御するための空燃比制御手段と、
    前記フィードバック制御の実行中に、前記前段上流側酸素濃度検出手段及び前記前段下流側酸素濃度検出手段の検出値に基づいて前記前段触媒の劣化を判定するための劣化判定手段と、
    前記前段触媒が劣化と判定されたとき、前記後段下流側酸素濃度検出手段の検出値に基づいて前記フィードバック制御を補正するための劣化時補正手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記空燃比制御手段は、前記前段下流側酸素濃度検出手段の検出値に基づいてフィードバック補正量を算出し、そのフィードバック補正量に基づいて前記フィードバック制御を実行し、
    前記劣化時補正手段は、前記後段下流側酸素濃度検出手段の検出値が所定範囲の値となるように劣化時補正量を算出し、その劣化時補正量に基づいて前記フィードバック制御を補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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