JP2006233084A - 半導体用接着フィルム及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents

半導体用接着フィルム及びこれを用いた半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体素子と有機基板等の基板段差のある半導体素子搭載用支持部材とを埋め込み性不十分なく低温で接着することができ耐リフロー性の優れた半導体用接着フィルムを用いた半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】 アクリル酸エステル共重合体、多官能エポキシ化合物、硬化剤、及びテトラ置換ホスホニウムとテトラ置換有機酸ボレートとの分子化合物を含む樹脂組成物で構成されていることを特徴とする半導体用接着フィルムによる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体用接着フィルム及びこれを用いた半導体装置に関する。
近年、電子機器の高機能化等に対応して半導体装置の高密度化、高集積化の要求がされるようになってきている。このような要求に対応するため、半導体装置の構造として、例えば、半導体素子の上にリードを接着するリード・オン・チップ(LOC)構造が採用されている。このLOC構造では、半導体素子とリードフレームとを接合するため、その接合部での接着信頼性が半導体パッケージの信頼性に大きく影響している。
従来は、半導体用接着剤として、ペースト状の接着剤が用いられてきた。ところが、特に近年の半導体パッケージはチップの上にチップを多段で積層することでパッケージの小型化、薄型化、大容量化を実現している。こういったパッケージではペースト状接着剤ではチップからはみ出しワイヤーボンド時に不具合が発生したり、接着剤層の厚み制御が難しい等の問題が発生していた。このような問題を解決するためにフィルム状の接着剤が使用されるようになってきた。
ここでLOC構造ではポリイミド樹脂を用いたホットメルト型の接着剤フィルム等の耐熱性基材に接着剤と塗布したフィルム状接着剤が用いられてきている(特許文献1)。
しかし、ホットメルト型の接着剤フィルムは、高温で接着する必要があるため、高密度化した半導体素子、リードフレームに熱損傷を与える場合があった。
また半導体装置の高密度化、高集積化を実現するためにリードフレームに代わりビスマレイミド−トリアジン基板やポリイミド基板のような有機基板の使用が増加している。こうした有機基板の表面には、リードフレーム以上に表面の段差があり、この段差をなくす段差埋め込みがフィルム状の接着剤使用時の課題点となっている。
フィルム状の接着剤を用いた場合の段差埋め込みは、モールド材封入時の圧力を利用して行われることが多いが、この場合の接着剤層には、封入温度でのフロー性が要求される。しかしチップの多段化が進み、ワイヤーボンド時や接着剤層硬化時の熱履歴が過剰にかかることで接着剤層が硬化してしまい、基板段差うめこみを行えるだけの充分なフロー性得られないという問題があった。またボイド巻き込み等の不具合が発生することもあった。更にフロー性が満足していても前記熱履歴で一部硬化してしまっているので、密着性が不足したりする問題もあり、硬化性と密着性の両立が課題となっている。
特開平6−264035号公報 特開平8−295721号公報 特開平10−182798号公報 特開2000−17054号公報 特開2004−352871号公報
本発明の目的は、半導体素子と、リードフレーム又は有機基板等の半導体素子搭載用支持部材とを接着することができ、熱履歴後の硬化性及び密着性に優れた半導体用接着フィルムを提供することである。
このような目的は、下記[1]〜[7]に記載の本発明により達成される。
[1](A)アクリル酸エステル共重合体、
(B)多官能エポキシ化合物、
(C)硬化剤、及び、
(D)一般式[a]で示されるホスホニウムボレート、
を含有してなることを特徴とする半導体用接着フィルム。
(ただし、一般式[a]中のR1、R2、R3及びR4は、芳香環若しくは複素環を有する1価の有機基又は1価の脂肪族基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、Y1、Y2、Y3及びY4は芳香環若しくは複素環を有する1価の有機基又は1価の脂肪族基であって、それらのうちの少なくとも1つは、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個有するプロトン供与体がプロトンを1個放出してなる基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
[2]成分(D)のホスホニウムボレートのプロトン供与体が、分子内に少なくとも1個のカルボキシル基を有するカルボン酸である[1]記載の半導体用接着フィルム。
[3]前記カルボン酸が芳香族カルボン酸である[2]記載の半導体用接着フィルム。
[4](A)アクリル酸エステル共重合体、
(B)多官能エポキシ化合物、
(C)硬化剤、及び、
(D)一般式[b]で示されるホスホニウムボレート、
を含有してなることを特徴とする半導体用接着フィルム。
(ただし、一般式[b]中のR5、R6、R7及びR8は、芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基であり、かつリン原子とR5、R6、R7及びR8がP−C結合を形成するものであり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。式中Z1は、置換基Y5およびY6と結合する有機基である。式中Z2は、置換基Y3およびY4と結合する有機基である。 Y5およびY6は1価のプロトン供与体がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y5およびY6がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y7およびY8は1価のプロトン供与体がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y7およびY8がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。 Z1、Z2は互いに同一でも異なっていてもよく、 Y5、Y6、Y7、Y8は互いに同一でも異なっていてもよい。)
[5](A)アクリル酸エステル共重合体、
(B)多官能エポキシ化合物、
(C)硬化剤、及び、
(D)一般式[c]で示されるホスホニウムボレート、
を含有してなることを特徴とする半導体用接着フィルム。
(ただし、一般式[c]中のR9、R10、R11及びR12は、芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基であり、かつリン原子とR9、R10、R11及びR12がP−C結合を形成するものであり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。式中Z3は、置換基Y9およびY10と結合する有機基である。Y9およびY10は1価のプロトン供与体がプロトンを放出してなる基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、同一分子内の置換基Y9およびY10がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。 X1およびX2は、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個有するプロトン供与体がプロトンを1個放出してなる基、または芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基であって、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
[6]前記成分(C)がフェノール系硬化剤である[1]〜[5]のいずれかに記載の半導体用接着フィルム。
[7]半導体素子、半導体素子搭載用支持部材、及びこれらを接合する接着剤を含んで構成される半導体装置であって、
当該接着剤が[1] 〜[6]のいずれかに記載の半導体用接着フィルムである半導体装置。
本発明によれば、半導体素子と、リードフレーム又は有機基板等の半導体素子搭載用支持部材と、を接着することができ、熱履歴後の硬化性及び密着性に優れた半導体用接着フィルムを提供することができる。
本発明は、(A)アクリル酸エステル共重合体、(B)多官能エポキシ化合物、(C)硬化剤、及び、(D)一般式[a]、[b]または[c]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒を含有してなることを特徴とする半導体用接着フィルムである。なお下記は例示であり、本発明は何ら下記に限定されるものではない。以下に本発明の半導体用接着フィルムの各成分について詳細に説明する。
(A)アクリル酸エステル共重合体とはアクリル酸、メタクリル酸、これらのエステル、その他の誘導体をモノマーとして含む重合体のことを意味する。具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。アクリロニトリルのようなアクリル系モノマー以外の他のモノマーと、アクリル系モノマーとの共重合体もアクリル酸エステル共重合体に含まれる。
本発明の(A)アクリル酸エステル共重合体はガラス転移温度が低いため、これを添加することで半導体用接着フィルムの初期密着性を向上することができる。
また、本発明においては、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、二トリル基等の官能基を有するアクリル系共重合体が好ましい。これにより、半導体素子等の被着体への密着性をより向上することができる。前記官能基を持つ化合物として、具体的にはグリシジルエーテル基を持つグリシジルメタクリレート、水酸基を持つヒドロキシメタクリレート、カルボキシル基を持つカルボキシメタクリレート、二トリル基を持つアクリロニトリル等が挙げられる。
本発明に用いられるアクリル酸エステル共重合体としてエチルアクリレート、アクリロニトリル、グリシジルメタクリレートの共重合体やエチルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリロニトリル、グリシジルメタクリレートの共重合体、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸の共重合体などが挙げられる。
共重合体にエポキシ基含有モノマーを用いた場合には、当該モノマーの含有量は、アクリル酸エステル共重合体全体の0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜20重量%が更に好ましい。含有量が前記下限値未満であると密着性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると粘着力が強すぎて作業性を向上する効果が低下する場合がある。
本発明で用いる(A)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、10万以上が好ましく、特に15万〜100万が好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、特に半導体用接着フィルムの製膜性を向上することができる。
(B)多官能エポキシ化合物とは、一分子内にエポキシ基が2個以上あるエポキシ化合物をいい、エポキシ基を含むモノマー、オリゴマー、及びポリマー全般を言う。例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いてもよい。
これらのエポキシ樹脂の内では、融点が50〜150℃の結晶性エポキシ樹脂が好ましい。このような結晶性エポキシ樹脂は、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、スチルベン骨格等の剛直な構造を主鎖に有し、比較的低分子であるこれらのエポキシ樹脂の内では、融点が50〜150℃の結晶性エポキシ樹脂が好ましい。このような結晶性エポキシ樹脂は、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、スチルベン骨格等の剛直な構造を主鎖に有し、比較的低分子である。
(B)多官能エポキシ樹脂化合物の含有量は、特に限定されないが、前記アクリル酸エステル共重合体全体の10〜100重量%が好ましく、特に20〜50重量%が好ましい。
(C)硬化剤とは多官能エポキシ樹脂(B)の硬化剤として作用するものである。本発明においては、フェノール系硬化剤が好ましい。具体的には、フェノール類とアルデヒド類又はケトン類の共縮反応物であるフェノール樹脂やビスフェノール類、フェノール類とジメトキシパラキシレン等の共縮反応物であるフェニレン又はジフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂が含まれ、単核のレゾルシン、カテコール等も硬化反応を生じるならば使用できるが、「フェノール」の定義が一般に芳香環に結合する水素原子が水酸基で置換された化合物であることから、ナフトール等の縮合多環芳香族由来の水酸基含有化合物とカルボニル化合物の共縮反応物なども含まれる。これらのフェノール樹脂の内では、分子内の水酸基が少ないために硬化物の吸水率が小さく、分子が適度の屈曲性を有するために硬化反応における反応性も良く、又、低粘度化も可能であることから、特にフェノールアラルキル樹脂が好ましい。
本発明の、多官能エポキシ樹脂(B)と、硬化剤として作用する、硬化剤(C)との比率は、エポキシ基1モルに対し、フェノール性水酸基を0.5〜2モル、好ましくは、0.8〜1.2程度のモル比となるように調整することにより硬化性、硬化物の耐熱性、電気特性等がより良好となる。
本発明で用いる(D)一般式[a]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒のうち、ホスホニウム基のR1、R2、R3及びR4は、芳香環若しくは複素環を有する1価の有機基又は1価の脂肪族基であり、かつリン原子とR1、R2、R3及びR4がP−C結合を形成するものであり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。このようなホスホニウム基としては、例えば、テトラフェニルホスホニウム基、テトラトリルホスホニウム基、テトラエチルフェニルホスホニウム基、テトラメトキシフェニルホスホニウム基、テトラナフチルホスホニウム基、テトラベンジルホスホニウム基、エチルトリフェニルホスホニウム基、n−ブチルトリフェニルホスホニウム基、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム基、トリメチルフェニルホスホニウム基、メチルジエチルフェニルホスホニウム基、メチルジアリルフェニルホスホニウム基、テトラ−n−ブチルホスホニウム基などを挙げることができる。一般式[a]において、R1、R2、R3及びR4は、芳香環を有する1価の有機基であることが特に好ましく、また、一般式[a]で示されるホスホニウムボレートの融点は特に限定されるものではないが、均一分散の点からは250℃以下であることが好ましい。特に、テトラフェニルホスホニウム基を有するホスホニウムボレートは、多官能エポキシ樹脂(B)との相溶性が良好であり、好適に使用することができる。
本発明で用いる(D)一般式[a]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒のうち、ボレート基のY1、Y2、Y3及びY4は、芳香環若しくは複素環を有する1価の有機基又は1価の脂肪族基であって、それらのうちの少なくとも1つは、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個有するプロトン供与体がプロトンを1個放出してなる基であり、Y1、Y2、Y3及びY4は互いに同一であっても異なっていてもよい。
このようなボレート基を与えるプロトン供与体としては、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、ステアリン酸、安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ポリアクリル酸などのカルボン酸やその無水物の部分開環体、フェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、ポリフェノール、イソシアヌル酸、ベンゾトリアゾール、さらにこれらのうち芳香環を有する化合物の芳香環に置換基を有する化合物などを挙げることができる。
本発明で用いる(D)一般式[a]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒は、前述の化合物(B)、化合物(C)の合計重量100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部程度が硬化性、保存性、他特性のバランスがよく好適である。
本発明で用いる(D)一般式[b]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒のうち、ホスホニウム基のR5、R6、R7及びR8は、芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基であり、かつリン原子とR5、R6、R7及びR8がP−C結合を形成するものであり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。このようなホスホニウム基としては、例えば、テトラフェニルホスホニウム基、テトラトリルホスホニウム基、テトラエチルフェニルホスホニウム基、テトラメトキシフェニルホスホニウム基、テトラナフチルホスホニウム基、テトラベンジルホスホニウム基、エチルトリフェニルホスホニウム基、n−ブチルトリフェニルホスホニウム基、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム基、トリメチルフェニルホスホニウム基、メチルジエチルフェニルホスホニウム基、メチルジアリルフェニルホスホニウム基、テトラ−n−ブチルホスホニウム基などを挙げることができる。一般式[b]において、R5、R6、R7及びR8は、芳香環を有する1価の有機基であることが特に好ましく、また、一般式[b]で示されるホスホニウムボレートの融点は特に限定されるものではないが、均一分散の点からは250℃以下であることが好ましい。特に、テトラフェニルホスホニウム基を有するホスホニウムボレートは、多官能エポキシ樹脂(B)との相溶性が良好であり、好適に使用することができる。
本発明で用いる(D)一般式[b]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒のうち、ボレート基のZ1は、置換基Y5およびY6と結合する有機基である。Z2は、置換基Y3およびY4と結合する有機基である。 Y5およびY6は1価のプロトン供与体がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y5およびY6がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y7およびY8は1価のプロトン供与体がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y7およびY8がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。 Z1、Z2は互いに同一でも異なっていてもよく、 Y5、Y6、Y7、Y8は互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式[b]中のY112、 Y324のプロトン供与体としては、カルボン酸類やフェノール系化合物などの有機酸のほか多価アルコール類なども含まれる。このようなカルボン酸類やフェノール系化合物としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基からなる群より選ばれる置換基を2個以上有しかつ互いに隣接した位置に2つのカルボキシル基またはカルボキシル基およびフェノール性水酸基が存在しない芳香族カルボン酸類またはフェノール系化合物が好ましく、例として、m-ヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸、イソフタル酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、カテコール、レゾルシン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,2'-ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、2,2'-メチレンビス-4-メチルフェノールなどが挙げられるが、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノール類、ビフェノール類が中でも特に好ましい。多価アルコールとしては、1,2-シクロヘキサンジオール、1,2-プロパンジオールなどを例示できる。また、同一のホウ素原子に異種のプロトン供与体、例えばカルボン酸とアルコール類が結合していてもよい。
本発明で用いる(D)一般式[b]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒は、前述の化合物(B)、化合物(C)の合計重量100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部程度が硬化性、保存性、他特性のバランスがよく好適である。
本発明で用いる(D)一般式[c]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒のうち、ホスホニウム基のR9、R10、R11及びR12は、芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基であり、かつリン原子とR9、R10、R11及びR12がP−C結合を形成するものであり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。このようなホスホニウム基としては、例えば、テトラフェニルホスホニウム基、テトラトリルホスホニウム基、テトラエチルフェニルホスホニウム基、テトラメトキシフェニルホスホニウム基、テトラナフチルホスホニウム基、テトラベンジルホスホニウム基、エチルトリフェニルホスホニウム基、n−ブチルトリフェニルホスホニウム基、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム基、トリメチルフェニルホスホニウム基、メチルジエチルフェニルホスホニウム基、メチルジアリルフェニルホスホニウム基、テトラ−n−ブチルホスホニウム基などを挙げることができる。一般式[c]において、R9、R10、R11及びR12は、芳香環を有する1価の有機基であることが特に好ましく、また、一般式[c]で示されるホスホニウムボレートの融点は特に限定されるものではないが、均一分散の点からは250℃以下であることが好ましい。特に、テトラフェニルホスホニウム基を有するホスホニウムボレートは、多官能エポキシ樹脂(B)との相溶性が良好であり、好適に使用することができる。
本発明で用いる(D)一般式[c]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒のうち、ボレート基のZ3は、置換基Y9およびY10と結合する有機基である。Y9およびY10は1価のプロトン供与体がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y9およびY10がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。X5およびX6は、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個有するプロトン供与体がプロトンを1個放出してなる基、または芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基であって、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式[c]中のY536のプロトン供与体としては、カルボン酸類やフェノール系化合物などの有機酸のほか多価アルコール類なども含まれる。このようなカルボン酸類やフェノール系化合物としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基からなる群より選ばれる置換基を2個以上有しかつ互いに隣接した位置に2つのカルボキシル基またはカルボキシル基およびフェノール性水酸基が存在しない芳香族カルボン酸類またはフェノール系化合物が好ましく、例として、m-ヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸、イソフタル酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、カテコール、レゾルシン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,2'-ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、2,2'-メチレンビス-4-メチルフェノールなどが挙げられるが、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノール類、ビフェノール類が中でも特に好ましい。多価アルコールとしては、1,2-シクロヘキサンジオール、1,2-プロパンジオールなどを例示できる。また、同一のホウ素原子に異種のプロトン供与体、例えばカルボン酸とアルコール類が結合していてもよい。
一般式[c]中のX5およびX6のプロトン供与体としては、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、ステアリン酸、安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ポリアクリル酸などのカルボン酸やその無水物の部分開環体、フェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、ポリフェノール、イソシアヌル酸、ベンゾトリアゾール、さらにこれらのうち芳香環を有する化合物の芳香環に置換基を有する化合物などを挙げることができる。
本発明で用いる(D)一般式[c]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒は、前述の化合物(B)、化合物(C)の合計重量100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部程度が硬化性、保存性、他特性のバランスがよく好適である。
本発明の半導体用接着フィルムは、必要に応じてカップリング剤を含んでも良い。これにより樹脂と被着体及び樹脂とシリカ界面との密着性を向上させることができる。前記カップリング剤としてはシラン系、チタン系、アルミニウム系などが挙げられるが中でもシラン系カップリング剤が好ましい。
前記カップリング剤としては例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
前記カップリング剤の含有量は、特に限定されないが、前記エポキシ樹脂100重量部に対して対して0.01〜10重量部が好ましく、特に0.1〜10重量部が好ましい。含有量が前記下限値未満であると密着性の効果が不十分である場合があり、前記上限値を超えるとアウトガスやボイドの原因になる場合がある。
本発明の半導体用接着フィルムの製造方法は、例えば前記樹脂組成物をメチルエチルケトン、アセトン、トルエン、ジメチルホルムアルデヒド等の溶剤に溶解して、ワニスの状態にした後、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター等を用いてキャリアフィルムに塗工し、乾燥させることで得られる。
前記半導体用接着フィルムの厚さは、特に限定されないが、3〜100μmが好ましく、特に5〜70μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に厚さ精度の制御を容易にできる。
本発明の半導体装置の製造方法は、まず、シリコンウエハーの裏面に本発明の半導体用接着フィルムを温和な条件で貼付した後、ダイアタッチフィルム付きシリコンウエハーを、ダイシングフィルムに積層しダイシング装置上に固定し、ダイシングソーなどの切断手段を用いて、上記の半導体用接着フィルム付きシリコンウエハーを、個片単位に切断して個片ダイとした半導体チップを得る。
また本発明の半導体用接着フィルムはキャリアフィルムに塗工し乾燥した後、ダイシングテープに積層したあとシリコンウエハーを温和な条件で貼り付けし、ダイシングソーなどの切断手段を用いて、半導体用接着フィルムつきシリコンウエハーを、個片単位に切断して個片ダイとした半導体チップを得ることもできる。
次に、本発明の半導体装置について説明する。得られた半導体用接着フィルムを用いて半導体素子と金属製のリードフレーム、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸した基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板等の有機基板の接合に用いることができる。
接合の条件としては半導体素子と前記半導体搭載用支持部材を該接着フィルムを介して温度80〜200℃、時間0.1〜30秒で圧着する。その後必要に応じてワイヤボンディング、封止材により封入を経て半導体装置を得ることができる。
以下、本発明の実施例で使用した潜在性触媒(化合物A〜E)の合成方法を詳細に説明する。
(化合物Aの合成)
(合成例1)1000mlの3つ口セパラブルフラスコに攪拌装置を取り付け、1−ブタノールを入れ、乾燥した窒素ガスを流し、室温で攪拌しながらゆっくりと金属ナトリウム11.5gを小片にして少しずつ投入した。約1時間攪拌を続けた後、トリブチルボレート115.1gをゆっくり滴下し、滴下終了後さらに1時間攪拌を続けた。その後50℃で反応液から1−ブタノールを70g減圧除去し、N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記)を100g投入し、次いで300gのDMFに187.4gのテトラフェニルホスホニウムクロライドを溶解した溶液をゆっくりと加えた。析出した塩化ナトリウムを濾過後、濾液を濃縮しテトラフェニルホスホニウムテトラ−n−ブトキシボレート(以下TPP−TBBと略記)を得た。このTPP−TBB64.3g(0.10モル)と1−ナフトエ酸68.9g(0.40モル)を冷却管および攪拌装置をつけた500ml3つ口セパラブルフラスコに入れ、メチルイソブチルケトン(以下MIBKと略記)100gを加えて、還流温度で3時間反応を行った。その後溶媒のMIBKを減圧下で除去し、析出した結晶を1000mlのメタノールで洗浄、乾燥し目的の化合物A(下記式)を得た。
(化合物Bの合成)
(合成例2)合成例1と同様の方法でTPP−TBBを合成した後、 TPP−TBB64.3g(0.10モル)に対して安息香酸48.8g(0.40モル)の割合で仕込み、冷却管および攪拌装置をつけた500ml3つ口セパラブルフラスコに入れ、シクロヘキサノン100gを加えて、還流温度で3時間反応を行った。その後溶媒のシクロヘキサノンを減圧下で除去し、析出した結晶を1000mlのメタノールで洗浄、乾燥し目的の化合物B(下記式)を得た。
(化合物Cの合成)
(合成例3)合成例1と同様の方法でTPP−TBBを合成した後、 TPP−TBB64.3g(0.10モル)に対してテレフタル酸66.4g(0.40モル)の割合で仕込み、冷却管および攪拌装置をつけた500ml3つ口セパラブルフラスコに入れ、シクロヘキサノン100gを加えて、還流温度で3時間反応を行った。その後溶媒のシクロヘキサノンを減圧下で除去し、析出した結晶を1000mlのメタノールで洗浄、乾燥し目的の化合物C(下記式)を得た。
(化合物Dの合成)
(合成例4)2000mlの3つ口セパラブルフラスコに攪拌装置を取り付け、ホウ酸12.4g(0.20mol)、2,3−ジヒドロキシナフタレン64.1g(0.40mol)、メタノール276g、および純水248gを仕込み、室温で約30分攪拌を続け均一溶解した。次いで、378gのメタノールと378gの純水の混合溶媒に、84.0g(0.20mol)のテトラフェニルホスホニウムブロミドを均一に溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ中に1時間かけて滴下した。析出した白色結晶を濾過した後、1000mlの冷水で洗浄、乾燥し目的の化合物D(下記式)を得た。
(化合物Eの合成)
(合成例5)2000mlの3つ口セパラブルフラスコに攪拌装置を取り付け、ホウ酸12.4g(0.20mol)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸75.3g(0.40mol)、メチルセルソルブ276g、および純水248gを仕込み、室温で約30分攪拌を続け均一に溶解した。次いで、378gのメタノールと378gの純水の混合溶媒に、84.0g(0.20mol)のテトラフェニルホスホニウムブロミドを均一に溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ中に1時間かけて滴下した。析出した黄色結晶を濾過した後、1000mlの冷水で洗浄、乾燥し目的の化合物E(下記式)を得た。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、半導体用接着剤の実施例および比較例について説明する。
(実施例1)
1.半導体用接着フィルム樹脂ワニスの調製
アクリル酸エステル共重合体としてグリシジル基を含むアクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、多官能エポキシ樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)30重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、エポキシ当量197g/eq、日本化薬(株)製)50重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)40重量部、一般式[a]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒として化合物A、0.1重量部、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部、とをメチルエチルケトン(MEK)に溶解して樹脂固形分40%の樹脂ワニスを得た。
2.半導体用接着フィルムの製造
コンマコーターを用いて上述の樹脂ワニスを、キャリアフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルム(王子製紙社製、品番RL−07、厚さ38μm)に塗布した後、70℃、10分間乾燥して、キャリアフィルム付き厚さ25μmの半導体用接着フィルムを得た。
(実施例2)
半導体用接着フィルム樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アクリル酸エステル共重合体としてグリシジル基を含むアクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、多官能エポキシ樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)30重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、エポキシ当量197g/eq、日本化薬(株)製)50重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)40重量部、一般式[a]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒として化合物B、0.1重量部、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部とを用いた。
(実施例3)
半導体用接着フィルム樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アクリル酸エステル共重合体としてグリシジル基を含むアクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、多官能エポキシ樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)30重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、エポキシ当量197g/eq、日本化薬(株)製)50重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)40重量部、一般式[a]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒として化合物C、0.1重量部、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部とを用いた。
(実施例4)
半導体用接着フィルム樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アクリル酸エステル共重合体としてグリシジル基を含むアクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、多官能エポキシ樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)30重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、エポキシ当量197g/eq、日本化薬(株)製)50重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)40重量部、一般式[b]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒として化合物D、0.1重量部、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部とを用いた。
(実施例5)
半導体用接着フィルム樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アクリル酸エステル共重合体としてグリシジル基を含むアクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、多官能エポキシ樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)30重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、エポキシ当量197g/eq、日本化薬(株)製)50重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)40重量部、一般式[b]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒として化合物E、0.1重量部、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部とを用いた。
(実施例6)
半導体用接着フィルム樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アクリル酸エステル共重合体としてグリシジル基を含むアクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製、SG−708、Tg:6℃、重量平均分子量:800,000)100重量部と、多官能エポキシ樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)30重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、エポキシ当量197g/eq、日本化薬(株)製)50重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)30重量部、一般式[a]で示されるホスホニウムボレートからなる潜在性触媒として化合物A、0.1重量部、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部とを用いた。
(比較例1)
半導体用接着フィルム樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アクリル酸エステル共重合体として水酸基を含むアクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製、SG−708、Tg:6℃、重量平均分子量:800,000)100重量部と、多官能エポキシ樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)30重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、エポキシ当量197g/eq、日本化薬(株)製)50重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)30重量部、硬化促進剤としてイミダゾール化合物(2PHZ−PW、四国化成(株)製、平均粒径2μm)0.2重量部と、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部とを用いた。。
(比較例2)
半導体用接着フィルム樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アクリル酸エステル共重合体としてグリシジル基を含むアクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、多官能エポキシ樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)30重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、エポキシ当量197g/eq、日本化薬(株)製)50重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)40重量部、硬化促進剤としてイミダゾール化合物(2PHZ−PW、四国化成(株)製、平均粒径2μm)0.2重量部と、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)1重量部とをメチルエチルケトン(MEK)に溶解して樹脂固形分40%の樹脂ワニスを得た。
次に、半導体装置の製造について説明する。
(実施例1〜実施例6)
実施例1〜6で得られたキャリアテープ付き接着フィルムを接着フィルム側に5インチ550μmウエハーの裏面を60℃で貼り付けし、キャリアテープ及び接着フィルム付きウエハーを得た。
その後ダイシングフィルムをキャリアテープをはがしたウエハーに貼り付けた。そして、ダイシングソーを用いて、接着フィルムが接合した半導体ウエハーをスピンドル回転数30,000rpm、切断速度50mm/secで5mm×5mm角の半導体素子のサイズにダイシング(切断)して、ダイシングフィルム及びキャリアテープが接合した半導体素子を得た。次に、ダイシングシート裏面から突上げしキャリアテープ接着フィルム層間で剥離し接着フィルムが接合した半導体素子をビスマレイミド―トリアジン基板に、130℃、1MPa、1.0秒間圧着して、ダイボンディングし、150℃1時間で加熱し、樹脂で封止し175℃4時間で封止樹脂を硬化させて10個の半導体装置を得た。
(比較例1〜比較例2)
半導体用接着フィルムとして、比較例1〜比較例2で得られたキャリアテープ付き接着フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にした。
各実施例および比較例で得られた半導体用接着フィルムおよび半導体装置に関して次の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表1に示す。
1.埋め込み性
ダイアタッチフィルム付きガラスチップを平均10umの凹凸のあるビスマレイミド―トリアジン基板に130℃/1MPa/1sでダイボンドし150℃1時間熱処理を行った。その後175℃/7MPa/30sの荷重で加圧し凹凸の埋め込み性を観察した。埋め込み性は元のフィルムの面積のうち埋め込まれている面積の割合を百分率で評価した。
◎:埋め込み性が、90%以上である
○:埋め込み性が、70〜90%未満である
△:埋め込み性が、50〜70%未満である
×:埋め込み性が、50%未満である
2.接着フィルムの初期接着性
ダイアタッチフィルムとビスマレイミド―トリアジン基板との接着性は、ダイアタッチフィルムが接合した半導体素子と、ビスマレイミド―トリアジン基板とを130℃、1MPa、1.0秒間の条件で接合し、そのまま未処理(硬化処理前)の状態でチップとリードフレームとの剪断強度を評価した。
◎:剪断強度が、1.0MPa以上である
○:剪断強度が、0.75以上、かつ1.0MPa未満である
△:剪断強度が、0.5以上、かつ0.75MPa未満である
×:剪断強度が、0.5MPa未満である
3.吸湿処理後の接着性
各実施例および比較例で得られた半導体装置を85℃/85%RH/168時間吸湿処理をした後、半導体素子とリードフレームとの剪断強度を評価した。
◎:剪断強度が、1.0MPa以上である
○:剪断強度が、0.75以上、かつ1.0MPa未満である
△:剪断強度が、0.5以上、かつ0.75MPa未満である
×:剪断強度が、0.5MPa未満である
4.耐クラック性
耐クラック性は、各実施例および比較例で得られた半導体装置を85℃/60%RH/168時間吸湿処理をした後、260℃のIRリフローを3回行い走査型超音波探傷機(SAT)で評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:クラックが全く無し
○:クラックが、7/10個以上無し
△:クラックが、9/10個以上、かつ7/10個未満有り
×:クラックが、10/10個有り
表1から明らかなように、実施例1〜6は、埋め込み性、初期及び吸湿後の接着性に優れ、かつ耐クラック性も優れていた。

Claims (7)

  1. (A)アクリル酸エステル共重合体、
    (B)多官能エポキシ化合物、
    (C)硬化剤、及び、
    (D)一般式[a]で示されるホスホニウムボレート、
    を含有してなることを特徴とする半導体用接着フィルム。
    (ただし、一般式[a]中のR1、R2、R3及びR4は、芳香環若しくは複素環を有する1価の有機基又は1価の脂肪族基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、Y1、Y2、Y3及びY4は芳香環若しくは複素環を有する1価の有機基又は1価の脂肪族基であって、それらのうちの少なくとも1つは、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個有するプロトン供与体がプロトンを1個放出してなる基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 成分(D)のホスホニウムボレートのプロトン供与体が、分子内に少なくとも1個のカルボキシル基を有するカルボン酸である請求項1記載の半導体用接着フィルム。
  3. 前記カルボン酸が芳香族カルボン酸である請求項2記載の半導体用接着フィルム。
  4. (A)アクリル酸エステル共重合体、
    (B)多官能エポキシ化合物、
    (C)硬化剤、及び、
    (D)一般式[b]で示されるホスホニウムボレート、
    を含有してなることを特徴とする半導体用接着フィルム。
    (ただし、一般式[b]中のR5、R6、R7及びR8は、芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基であり、かつリン原子とR5、R6、R7及びR8がP−C結合を形成するものであり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。式中Z1は、置換基Y5およびY6と結合する有機基である。式中Z2は、置換基Y3およびY4と結合する有機基である。 Y5およびY6は1価のプロトン供与体がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y5およびY6がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y7およびY8は1価のプロトン供与体がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y7およびY8がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。 Z1、Z2は互いに同一でも異なっていてもよく、 Y5、Y6、Y7、Y8は互いに同一でも異なっていてもよい。)
  5. (A)アクリル酸エステル共重合体、
    (B)多官能エポキシ化合物、
    (C)硬化剤、及び、
    (D)一般式[c]で示されるホスホニウムボレート、
    を含有してなることを特徴とする半導体用接着フィルム。
    (ただし、一般式[c]中のR9、R10、R11及びR12は、芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基であり、かつリン原子とR9、R10、R11及びR12がP−C結合を形成するものであり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。式中Z3は、置換基Y9およびY10と結合する有機基である。Y9およびY10は1価のプロトン供与体がプロトンを放出してなる基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、同一分子内の置換基Y9およびY10がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。 X1およびX2は、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個有するプロトン供与体がプロトンを1個放出してなる基、または芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基であって、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  6. 前記成分(C)がフェノール系硬化剤である請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体用接着フィルム。
  7. 半導体素子、半導体素子搭載用支持部材、及びこれらを接合する接着剤を含んで構成される半導体装置であって、
    当該接着剤が請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体用接着フィルムである半導体装置。
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