JP2006232561A - 水素の製造装置及び水素の製造方法 - Google Patents

水素の製造装置及び水素の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ブンゼン反応により製造したヨウ化水素の分解反応を利用し、閉サイクルで水素を製造する際に、多量の水を使用せずにあるいは極低温条件を作ることなく、水素中のヨウ化水素を容易且つ簡便に除去し、高純度の水素を得る。
【解決手段】 水素を連続的に製造するための装置は、ヨウ化水素蒸留手段(A)、蒸留取得したヨウ化水素を水素とヨウ素とに分解するためのヨウ化水素分解手段(B)、ヨウ化水素分解組成物からヨウ素とヨウ化水素とを除去し、水素と残余のヨウ化水素を含有する水素混合物を得るヨウ素除去手段(C)、該水素混合物を、ヨウ化水素原料水溶液と接触させることにより、水素混合物中のヨウ化水素をヨウ化水素原料水溶液に溶解させて除去すると共に、水素を分離取得するためのヨウ化水素除去手段(D)、及び分離取得した水素を水で洗浄する水素洗浄手段(E)を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ヨウ化水素の分解反応を利用し、連続的に水素を製造する装置及び水素の製造方法に関する。
水素の製造方法として、ブンゼン反応により製造したヨウ化水素の分解反応を利用する方法が広く知られている。この方法は、収支バランス的には、水を熱分解して水素を得る方法であるが、次の3つの反応から構成されている。
(反応1)水とヨウ素との混合物に二酸化硫黄ガスを吸収させ、約100℃の温度でヨウ化水素と硫酸を得る反応(ブンゼン反応)。
(反応2)ヨウ化水素を400〜500℃に加熱して熱分解させ、水素とヨウ素とを得る反応。
(反応3)硫酸を約850℃に加熱して熱分解させ、水と二酸化イオウと酸素とを得る反応。
Figure 2006232561
この方法では、水以外の硫黄およびヨウ素の化合物(循環物質)はプロセス内で繰り返し使用されており、すべての反応物質が気体または液体状態で取り扱うことができる。従って、この方法を利用し、循環物質の損耗を極力抑え、閉サイクルで水素を製造するプロセスが提案されている。
このようなプロセスに適用する水素の製造装置の概略図を図3に示す。31はヨウ化水素蒸留塔であり、32はヨウ化水素分解器であり、33は冷却塔であり、34は水素洗浄塔であり、35はヨウ化水素回収塔である。
ヨウ化水素蒸留塔31では、ブンゼン反応生成物から硫酸を除去し、電気透析等の方法によりヨウ化水素を濃縮したヨウ化水素原料水溶液を蒸留して、実質的に水を含有しないヨウ化水素を得る。蒸留残渣のヨウ化水素水溶液は、成分を調整した上で、再びヨウ化水素蒸留塔31に戻される。得られた水を実質的に含有しないヨウ化水素は、ヨウ化水素分解器32に導かれ、熱分解を受ける。ヨウ化水素分解器32から排出される熱分解生成物は、水素とヨウ素と未反応のヨウ化水素との混合物である。次に、この混合物を、冷却塔33に送り冷却する。すると、ヨウ素がヨウ化水素に溶解した状態で除去回収でき、一方で水素が得られる。回収したヨウ素のヨウ化水素溶液は、ヨウ化水素回収塔35に投入し、ヨウ化水素を回収すると共にヨウ素を回収する。回収したヨウ化水素はヨウ化水素分解器32に投入される。回収したヨウ素は、ブンゼン反応に用いる。冷却塔33で得られた水素にはヨウ化水素が混入しているため、次に、水素洗浄塔34に送り、ヨウ化水素の除去効率を考慮してヨウ化水素の約4倍モル以上の水で洗浄することによりヨウ化水素を除去し、それにより高純度の水素が得られる。
しかし、図3に示した装置では、冷却塔33で分離された水素にはヨウ化水素が53モル%程度混入しているため、水素洗浄塔34には大量の洗浄水を供給しなければならず、この大量の水をヨウ化水素蒸留塔31に戻すと、ヨウ化水素原料水溶液のヨウ化水素濃度が低下し、蒸留塔の負荷が増大するという問題がある。
参考のために、図4に水素洗浄塔34の特性(冷却温度と洗浄水量とに対するヨウ化水素ロス量の関係)を示す。図4おいて、HIロス量は、1時間当たりに水素洗浄塔34に進入したヨウ化水素190.7kg/hに対し回収できなかったヨウ化水素の量である。図4からは、40℃では40kg/hの洗浄水量では殆どヨウ化水素が回収できないことがわかる。温度を下げるとロス量が減少するが、除去しきるまでには至らない。0〜40℃の温度では、少なくとも100〜110kg/hの洗浄水量を使用する必要があることがわかる。しかし、この洗浄水量を使用すると、ヨウ化水素蒸留塔31に供給するヨウ化水素原料水溶液のヨウ化水素濃度を低下させてしまい、プロセス全体の効率を悪化させてしまう。
このため、水素からヨウ化水素を除去するために洗浄水を使用しないようにするために、図3の水素洗浄塔34を、水を使用しない新たな冷却塔36(図5参照)に代えることが試みられている。この冷却塔36は、その前段の冷却等33よりも低温に冷却できるものである。図6にこのような冷却塔のヨウ化水素凝縮分離特性を示す。これによれば、20℃以上ではヨウ化水素を除去できないことがわかる。従って、十分にヨウ化水素を凝縮除去するためには、0℃以下に冷却する必要があるが、−40℃でも完全にはヨウ化水素を除去できるわけではない。また、このような極低温条件下で、前段の冷却塔33からヨウ素が冷却塔36にスリップしてくると、冷却塔36中でヨウ素が固化し冷却塔36に閉塞が生じかねない。
特開平2004−232031号公報
本発明は、ブンゼン反応により製造したヨウ化水素の分解反応を利用し、循環物質の損耗を極力抑え、閉サイクルで水素を製造するプロセスにおいて、多量の水を使用することなくあるいは極低温条件を作ることなく、少ないエネルギーで水素中のヨウ化水素を容易且つ簡便に除去し、それにより高純度の水素を得られるようにすることを目的とする。
本発明者は、ヨウ化水素の分解生成物を冷却してヨウ素をヨウ化水素溶液として除いた後の、水素と残余のヨウ化水素との水素混合物を、ヨウ化水素蒸留塔に投入すべきヨウ化水素原料水溶液で洗浄することにより、水素混合物中のヨウ化水素をヨウ化水素原料水溶液に溶解させて除去でき、それにより水素洗浄のために要する水量を非常に少なくできることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、ヨウ化水素の分解反応を利用して水素を製造する方法において、以下の工程(1)〜(5):
(1) ヨウ素とヨウ化水素と水とを含有するヨウ化水素原料水溶液を蒸留処理して、ヨウ化水素を分離取得するヨウ化水素蒸留工程;
(2) 工程(1)[ヨウ化水素蒸留工程(1)]で分離されたヨウ化水素を、水素とヨウ素とに分解処理し、水素とヨウ素と未分解のヨウ化水素と含有する分解組成物を得るヨウ化水素分解工程;
(3) 工程(2)[ヨウ化水素分解工程(2)]で得られた該分解組成物を冷却し、ヨウ素とヨウ化水素とをヨウ素−ヨウ化水素溶液として該分解組成物から除去すると共に、水素と残余ヨウ化水素とを含有する水素混合物を得るヨウ素除去工程;
(4) 工程(3)[ヨウ素除去工程(3)]で得られた該水素混合物を、工程(1)[ヨウ化水素蒸留工程(1)]に投入すべき、ヨウ素とヨウ化水素と水とを含有するヨウ化水素原料水溶液と接触させることにより、該水素混合物中のヨウ化水素を該ヨウ化水素原料水溶液に溶解させて該水素混合物から除去し、それによりヨウ化水素濃度が高められたヨウ化水素原料水溶液を得ると共に、水素を分離取得するヨウ化水素除去工程; 及び
(5) 工程(4)[ヨウ化水素除去工程(4)]で分離された水素を水で洗浄し、精製された水素を得る水素洗浄工程
を有する製造方法を提供する。
また、本発明は、ヨウ化水素の分解反応を利用して水素を製造するための装置であって、以下の手段(A)〜(E):
(A) ヨウ素とヨウ化水素と水とを含有するヨウ化水素原料水溶液を蒸留処理して、ヨウ化水素を分離取得するためのヨウ化水素蒸留手段;
(B) 手段(A)[ヨウ化水素蒸留手段(A)]から供給されるヨウ化水素を、水素とヨウ素とに分解処理し、水素とヨウ素と未分解のヨウ化水素と含有する分解組成物を得るためのヨウ化水素分解手段;
(C) 手段(B)[ヨウ化水素分解手段(B)]で得られた該分解組成物を冷却し、その分解組成物中のヨウ化水素とヨウ素とをヨウ素−ヨウ化水素溶液として該分解組成物から除去すると共に、水素と残余のヨウ化水素とを含有する水素混合物を得るためのヨウ素除去手段;
(D) 手段(C)[ヨウ素除去手段(C)]で得られた該水素混合物を、手段(A)[ヨウ化水素蒸留手段(A)]に投入すべき、ヨウ素とヨウ化水素と水とを含有するヨウ化水素原料水溶液と接触させることにより、該水素混合物中のヨウ化水素を該ヨウ化水素原料水溶液に溶解させて該水素混合物から除去し、それによりヨウ化水素濃度が高められたヨウ化水素原料水溶液を得ると共に、水素を分離取得するためのヨウ化水素除去手段; 及び
(E) 手段(D)[ヨウ化水素除去手段(D)]で得られた水素を水で洗浄し、精製された水素を得るための水素洗浄手段
を有する製造装置を提供する。
本発明によれば、ヨウ化水素が混入している水素を、ヨウ化水素蒸留塔に投入するためのヨウ化水素原料水溶液に接触させるので、極低温条件を作り出すことなく、水素中の不純分のヨウ化水素をヨウ化水素原料水溶液に溶解させて除去することができる。従って、水素の洗浄に要する水量を飛躍的に少なくすることができ、連続的に高純度の水素を製造できる。
本発明の水素を連続的に製造するための装置は、図1に示すように、ヨウ化水素蒸留手段(A)、ヨウ化水素分解手段(B)、ヨウ素除去手段(C)、ヨウ化水素除去手段(D)及び水素洗浄手段(E)を有する。更に、ヨウ化水素回収手段(F)を有することが好ましい。また、ブンゼン反応手段と原料調製手段とを有することが好ましい。これらの手段について、以下に詳細に説明する。
本発明において、ヨウ化水素蒸留手段(A)は、ヨウ素とヨウ化水素と水とを含有するヨウ化水素原料水溶液を蒸留処理して、ヨウ化水素を分離取得するための装置であり、公知の蒸留塔を使用することができる。本手段(A)で得られるヨウ化水素は、実質的に水を含有しないものである。また、蒸留残渣としてヨウ化水素とヨウ素と水とを含有する混合物が得られる。なお、このヨウ化水素蒸留手段(A)においては、後述するヨウ化水素蒸留工程(1)が実施される。ここで、実質的に水を含有しないヨウ化水素とは、95モル%以上のヨウ化水素という意味である。
ヨウ化水素分解手段(B)は、ヨウ化水素蒸留手段(A)から供給されるヨウ化水素を水素とヨウ素とに分解処理し、水素とヨウ素と未分解のヨウ化水素とを含有している分解組成物を得るための装置であり、公知の熱分解器を使用することができる。なお、このヨウ化水素分解手段(B)においては、後述するヨウ化水素分解工程(2)が実施される。
ヨウ素除去手段(C)は、ヨウ化水素分解手段(B)で得られた該分解組成物を冷却し、その分解組成物中のヨウ化水素とヨウ素とをヨウ素−ヨウ化水素溶液として該分解組成物から除去すると共に、水素と残余のヨウ化水素を含有する水素混合物を得るための装置であり、公知の冷却器を使用することができる。なお、このヨウ素除去手段(C)においては、後述するヨウ素除去工程(3)が実施される。また、水素混合物中のヨウ化水素濃度は低い程好ましい。
ヨウ化水素除去手段(D)は、ヨウ素除去手段(C)で得られた該水素混合物を、該ヨウ化水素蒸留手段(A)に投入すべき、ヨウ素とヨウ化水素と水とを含有するヨウ化水素原料水溶液と接触させることにより、該水素混合物中のヨウ化水素を該ヨウ化水素原料水溶液に溶解させて該水素混合物から除去し、それによりヨウ化水素濃度が高められたヨウ化水素原料水溶液を得ると共に、水素を分離取得するための装置であり、公知の気液接触装置を使用することができる。ここで、ヨウ化水素除去手段(D)で得られた、ヨウ化水素濃度が高められたヨウ化水素原料水溶液が、循環使用のために、ヨウ化水素蒸留手段(A)に投入されるような装置構成とすることが好ましい。その手段としては、特に限定されない。なお、このヨウ化水素除去手段(D)においては、後述のヨウ化水素除去工程(4)が実施される。
水素洗浄手段(E)は、ヨウ化水素除去手段(D)で得られた水素を水で洗浄し、精製した水素を得るための装置であり、公知の水素洗浄装置を使用することができる。この水素洗浄手段(E)においては、後述の水素洗浄工程(5)が実施される。
ヨウ化水素回収手段(F)は、ヨウ素除去手段(C)で得られたヨウ素−ヨウ化水素溶液からヨウ化水素を蒸留回収すると共に、残渣としてヨウ素を回収するための装置である。ここで、ヨウ化水素回収手段(F)で蒸留回収されたヨウ化水素が、循環使用のために、ヨウ化水素蒸留手段(A)で分離された水非含有ヨウ化水素と共に、ヨウ化水素分解手段(B)に投入されるような装置構成とすることが好ましい。その手段としては、特に限定されない。なお、このヨウ化水素回収手段(F)においては、後述のヨウ化水素回収工程(6)が実施される。
本発明の水素製造装置は、ヨウ化水素回収手段(F)で回収されたヨウ素を二酸化イオウと水と共にブンゼン反応させるための公知のブンゼン反応手段、例えば、気泡塔反応器や撹拌槽型反応器と、ブンゼン反応手段で得られたブンゼン反応生成物から硫酸を除去し、残余のブンゼン反応生成物から、ヨウ化水素除去手段(D)に投入するためのヨウ化水素原料組成物を調製するための公知の原料調製手段、例えば、電気透析器や膜分離器とを有することが好ましい。
次に、図1の製造装置を利用する、以下の工程(1)〜(5)を含む発明の製造方法について、工程毎に図1を参照しながら詳細に説明する。
ヨウ化水素蒸留工程(1)
この工程では、ヨウ素とヨウ化水素と水とを含有するヨウ化水素原料水溶液を、ヨウ化水素蒸留手段(A)に投入して蒸留処理し、水を実質的に含有しない水非含有ヨウ化水素と、ヨウ化水素とヨウ素と水とを含有する蒸留残渣とに分離する。即ち、蒸留塔の塔底は、ヨウ素を含むヨウ化水素と水との共沸物であり、共沸組成から過剰なヨウ化水素が分離されるのである。ここで、ヨウ化水素の水を除去する理由は、ヨウ化水素の分解反応に水が存在するとヨウ化水素の熱分解が不十分となるからである。ヨウ化水素濃度が低下した蒸留残渣であるヨウ化水素水溶液は、成分の調整を行った後、後述のヨウ化水素除去工程(4)に投入される。
このヨウ化水素蒸留工程(1)において使用するヨウ化水素原料水溶液の好ましい組成は、ヨウ素0〜25モル%、ヨウ化水素15〜50モル%、水25〜85モル%である。また、蒸留条件は、好ましくは温度40〜300℃、圧力1〜3Mpaである。
ヨウ化水素分解工程(2)
次に、ヨウ化水素蒸留工程(1)で分離された水非含有ヨウ化水素を、ヨウ化水素分解手段(B)に送り、水素とヨウ素とに分解処理し、水素とヨウ素と未分解のヨウ化水素と含有する分解組成物を得る。ヨウ化水素の熱分解条件は、公知の条件を採用することができるが、ヨウ化水素が通常の冷却水(40℃程度)により液体として回収可能な、1MPa以上の圧力で分解することが好ましい。
ヨウ素除去工程(3)
次に、ヨウ化水素分解工程(2)で得られた分解組成物を、ヨウ素除去手段(C)に送り、冷却し、その分解組成物の未反応のヨウ化水素とヨウ素とをヨウ素−ヨウ化水素溶液として該分解組成物から除去する。それにより、水素と残りのヨウ化水素とからなる水素混合物を得る。ここで、水素混合物中のヨウ化水素の濃度は低い程好ましい。また、冷却温度は、好ましくは20〜40℃であり、圧力は1〜3Mpaである。
ヨウ化水素除去工程(4)
次に、ヨウ素除去工程(3)で得られた水素混合物を、ヨウ化水素蒸留工程(1)に投入すべき、ヨウ素とヨウ化水素と水とを含有するヨウ化水素原料水溶液でヨウ化水素除去手段(D)において接触させる。これにより、該水素混合物中の殆どのヨウ化水素をヨウ化水素原料水溶液に溶解させて除去することができる。この場合、図2(ヨウ化水素除去手段(ヨウ化水素吸収塔)の特性図)に示されているように、好ましくは温度を60℃以下、より好ましくは通常の冷却水で維持可能な40℃程度に設定することが好ましい。圧力は、好ましくは1〜3Mpaである。
ヨウ化水素は水溶液に吸収される際には、ヨウ素や水と素早く結合するため、吸収能が高く、溶液中で解離するために蒸気圧が非常に小さくなる。このため、ヨウ化水素濃度が高められたヨウ化水素原料水溶液が得られると共に、ヨウ化水素濃度が従来より著しく低減した水素を得ることができる。
この工程で得られた、ヨウ化水素濃度が高められたヨウ化水素原料水溶液は、循環使用のため、ヨウ化水素蒸留工程(1)へ投入することが好ましい。
水素洗浄工程(5)
次に、ヨウ化水素除去工程(4)で得られた水素を、水素洗浄手段(E)に導き、水で洗浄する。ヨウ化水素の量が著しく減少しているので、この工程で使用する水の量は、従来より著しく少ない。洗浄に用いた水は回収し、そして洗浄に用いた水から分離された高純度に精製した水素が得られる。
この工程で回収された水は、ヨウ化水素蒸留工程(1)で回収した蒸留残渣に混合することが好ましい。
本発明の製造方法においては、更に、以下の工程(6)[ヨウ化水素回収工程(6)]を設けることが循環使用のために好ましい。
ヨウ化水素回収工程(6)
この工程においては、ヨウ素除去工程(3)で得られたヨウ素−ヨウ化水素溶液を、ヨウ化水素回収手段(6)に導き、ヨウ化水素を蒸留回収すると共に、残渣としてヨウ素を回収する。
この工程で蒸留回収したヨウ化水素は、ヨウ化水素蒸留工程(1)で分離された水非含有ヨウ化水素と共に、ヨウ化水素分解手段(B)に送り、循環使用のためにヨウ化水素分解工程(2)に投入することが好ましい。
ヨウ化水素回収工程(6)で回収されたヨウ素は、二酸化イオウと水と共にブンゼン反応させ、得られたブンゼン反応生成物を静置分離することにより上層の硫酸を除去し、残余の下層のブンゼン反応生成物(水とヨウ素とヨウ化水素との3成分混合物であり、ヨウ化水素は水と共沸組成にある。水/ヨウ化水素のモル比は約5.3であり、ヨウ素/ヨウ化水素のモル比は約3.8である。)を、適当な濃縮方法(例えば、電気透析法等)により、共沸組成以上に濃縮することが好ましい。濃縮後、ヨウ化水素除去工程(4)に投入することが好ましい。
なお、図1の製造装置で本発明の製造方法を実施した際の物質収支の例を以下の表1に示す。
Figure 2006232561
表1の結果から、本発明によれば、非常に少量の水(ストリーム記号112参照)で水素を洗浄することができ、しかも、水素の純度が高いことがわかる(ストリーム記号113参照)。
本発明によれば、ヨウ化水素蒸留塔に供給するヨウ化水素原料水溶液を、ヨウ化水素分解反応生成物からヨウ素とヨウ化水素とを除いた水素と少量のヨウ化水素とからなる水素混合物と接触させて、ヨウ化水素原料水溶液に水素中のヨウ化水素を回収できるので、水素ガスの洗浄水量を著しく低減することができ、回収水を戻すヨウ化水素蒸留塔の負荷を軽減することができる。また、このヨウ化水素の回収時の温度は60℃以下、好ましくは40℃程度で十分であるため、通常の冷却水による冷却で操作可能である。更に、ヨウ化水素原料水溶液のヨウ化水素濃度を高くできるので、投入すべきヨウ化水素蒸留塔の負荷を軽減することができる。従って、本発明の水素の製造装置及び製造方法は、水素の連続的な工業的な製造に非常に有用である。
本発明の水素の製造装置の概略図である。 本発明におけるヨウ化水素除去手段(ヨウ化水素吸収塔)の特性図 従来の水素の製造装置の概略図である。 水素洗浄塔の特性図である。 従来の水素の製造装置の概略図である。 冷却塔のヨウ化水素凝縮分離特性図である。
符号の説明
A ヨウ化水素蒸留手段
B ヨウ化水素分解手段
C ヨウ素除去手段
D ヨウ化水素除去手段
E 水素洗浄手段
F ヨウ化水素回収手段

Claims (10)

  1. ヨウ化水素の分解反応を利用して水素を製造する方法において、以下の工程(1)〜(5):
    (1) ヨウ素とヨウ化水素と水とを含有するヨウ化水素原料水溶液を蒸留処理して、ヨウ化水素を分離取得するヨウ化水素蒸留工程;
    (2) 工程(1)で分離されたヨウ化水素を、水素とヨウ素とに分解処理し、水素とヨウ素と未分解のヨウ化水素と含有する分解組成物を得るヨウ化水素分解工程;
    (3) 工程(2)で得られた該分解組成物を冷却し、ヨウ素とヨウ化水素とをヨウ素−ヨウ化水素溶液として該分解組成物から除去すると共に、水素と残余ヨウ化水素とを含有する水素混合物を得るヨウ素除去工程;
    (4) 工程(3)で得られた該水素混合物を、工程(1)に投入すべき、ヨウ素とヨウ化水素と水とを含有するヨウ化水素原料水溶液と接触させることにより、該水素混合物中のヨウ化水素を該ヨウ化水素原料水溶液に溶解させて該水素混合物から除去し、それによりヨウ化水素濃度が高められたヨウ化水素原料水溶液を得ると共に、水素を分離取得するヨウ化水素除去工程; 及び
    (5) 工程(4)で分離された水素を水で洗浄し、精製された水素を得る水素洗浄工程
    を有する製造方法。
  2. 工程(4)で得られた、ヨウ化水素濃度が高められたヨウ化水素原料水溶液を、工程(1)へ投入する請求項1記載の製造方法。
  3. 以下の工程(6):
    (6) 工程(3)で得られたヨウ素−ヨウ化水素溶液からヨウ化水素を蒸留回収すると共に、残渣としてヨウ素を回収する工程
    を更に有する請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 工程(6)で蒸留回収されたヨウ化水素を、工程(1)で分離されたヨウ化水素と共に、工程(2)に投入する請求項3記載の製造方法。
  5. 工程(6)で回収されたヨウ素を二酸化イオウと水と共にブンゼン反応させ、得られたブンゼン反応生成物から硫酸を除去し、残余のブンゼン反応生成物を成分調整した後に、工程(4)に投入するヨウ化水素原料組成物として使用する請求項1記載の製造方法。
  6. ヨウ化水素の分解反応を利用して水素を製造するための装置であって、以下の手段(A)〜(E):
    (A) ヨウ素とヨウ化水素と水とを含有するヨウ化水素原料水溶液を蒸留処理して、ヨウ化水素を分離取得するためのヨウ化水素蒸留手段;
    (B) 手段(A)から供給されるヨウ化水素を、水素とヨウ素とに分解処理し、水素とヨウ素と未分解のヨウ化水素と含有する分解組成物を得るためのヨウ化水素分解手段;
    (C) 手段(B)で得られた該分解組成物を冷却し、その分解組成物中のヨウ化水素とヨウ素とをヨウ素−ヨウ化水素溶液として該分解組成物から除去すると共に、水素と残余のヨウ化水素とを含有する水素混合物を得るためのヨウ素除去手段;
    (D) 手段(C)で得られた該水素混合物を、手段(A)に投入すべき、ヨウ素とヨウ化水素と水とを含有するヨウ化水素原料水溶液と接触させることにより、該水素混合物中のヨウ化水素を該ヨウ化水素原料水溶液に溶解させて該水素混合物から除去し、それによりヨウ化水素濃度が高められたヨウ化水素原料水溶液を得ると共に、水素を分離取得するためのヨウ化水素除去手段; 及び
    (E) 手段(D)で得られた水素を水で洗浄し、精製された水素を得るための水素洗浄手段
    を有する製造装置。
  7. 手段(D)で得られた、ヨウ化水素濃度が高められたヨウ化水素原料水溶液が、手段(A)に投入されるように構成されている請求項6記載の製造装置。
  8. 以下の手段(F):
    (F) 手段(C)で得られたヨウ素−ヨウ化水素溶液からヨウ化水素を蒸留回収すると共に、残渣としてヨウ素を回収するためのヨウ化水素回収手段
    を更に有する請求項6又は7記載の製造装置。
  9. 手段(F)で蒸留回収されたヨウ化水素が、手段(A)で分離された水非含有ヨウ化水素と共に、手段(B)に投入されるように構成されている請求項8記載の製造装置。
  10. 手段(F)で回収されたヨウ素を二酸化イオウと水と共にブンゼン反応させるためのブンゼン反応手段と、ブンゼン反応手段で得られたブンゼン反応生成物から硫酸を除去し、残余のブンゼン反応生成物から、手段(D)に投入するためのヨウ化水素原料組成物を調製するための原料調製手段とを有する請求項6〜9のいずれかに記載の製造装置。
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