JP2006232164A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 室内熱交換器を加熱するように熱電素子モジュールを配設させることで、窓曇りを防止するとともに乗員への快適性の向上を図ることを可能とした車両用空調装置を実現する。
【解決手段】 熱電素子モジュール30は、熱電素子による吸熱作用で低温状態となる吸熱熱交換部31と、発熱作用で高温状態となる放熱熱交換部32とを有し、放熱熱交換部31は、蒸発器14に伝熱して蒸発器14の凝縮水を加熱蒸発させるように配設し、吸熱熱交換部31は、蒸発した凝縮水を冷却し、再凝縮させるように形成している。これにより、窓曇りを防止するとともに乗員への快適性の向上を図ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車室内を空調する車両用空調装置に関するものであり、特に、窓ガラスの曇り防止および不快な加湿感の低減に関する。
従来、この種の車両用空調装置として、例えば、特許文献1に示すように、冷媒と空気とを熱交換する蒸発器の外周面に電力を熱に変換する熱電素子モジュールを取り付けるとともに、車室内の湿度を検出する湿度センサを設けている。
そして、冷房運転が非稼動のときで、かつ湿度が高いときに、熱電素子モジュールのみを作動させて室内熱交換器を冷却し、その熱交換器を流通する空気を冷却、除湿するように構成している。
そして、その熱電素子の吸熱作用によって除湿運転を実現でき、比較的湿度の低い空気を車室内に供給することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−117633号公報
しかしながら、上記特許文献1によれば、空調運転中に蒸発器を冷却、除湿させるため、車室内へ供給される空気の温度が低下し、暖房性能が損なわれる。特に、暖房熱源としての内燃機関を始動させた直後のように暖房能力が低い時は、早期に暖房を開始したいという要求と、除湿運転により窓ガラスの曇りを防止したいという要求とが相反することとなる。
加えて、近年の高効率の内燃機関は暖房用途に利用できる熱量が小さいため、除湿運転による暖房性能の低下はより顕著に現れることとなる。また、一方、上記従来技術では、除湿のために生じた凝縮水が蒸発器に保水され、熱電素子モジュールによる冷却作用が停止した後には、凝縮水が再び蒸発気化して、車室内に向けて高い湿度の空気が供給されることとなる。
そして、係る高い湿度の空気は車室の窓ガラスの曇りを生じることがある。このような現象は、室内熱交換器が蒸発器として運転された後に、空調装置を暖房運転した場合に顕著に現れる。
また、室内熱交換器が冷凍サイクル装置の蒸発器である場合の他に、室内熱交換器が空気冷却用と、空気加熱用とに兼用される空調システムでは、室内熱交換器に凝縮した凝縮水が加熱運転への切り換えにより蒸発気化するため、凝縮水に起因する高湿度空気の吹き出しという問題がより顕著に現れる。
このようなシステムとしては、例えば、室内熱交換器に減圧器を通過した低温冷媒と、凝縮器を少なくとも部分的にバイパスした高温冷媒とを選択的に供給するホットガスバイパスシステム、あるいは室内熱交換器を蒸発器と、凝縮器とに選択的に切り替え使用するヒートポンプサイクルなどが考えられる。
そこで、本発明は上記のごとき問題点を解決するために鑑みたものであり、窓曇り防止、快適性の向上を図った車両用空気調和装置を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、凝縮水の除去性能が高い車両用空調装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、暖房運転を開始する前に、室内熱交換器に保水した凝縮水を除去できる車両用空調装置を提供することである。そして、本発明のさらに他の目的は、室内熱交換器に凝縮水が生成するような空調運転を行なった後に、室内熱交換器に保水した凝縮水を除去できる車両用空調装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、室内熱交換器に保水した凝縮水に起因する高湿度空気が車室内に吹き出すことを防止した車両用空調装置を提供することである。
上記、目的を達成するために、請求項1ないし請求項12に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、空気流を発生する送風手段(25)と、この送風手段(25)が流す空気を車室内に導く空調ユニット(20)と、この空調ユニット(20)内に配設され、送風手段(25)が流す空気を温度調節する室内熱交換器(14)とを備える車両用空調装置において、
熱電素子を有する熱電素子モジュール(30)が室内熱交換器(14)に配設され、空調運転が非稼動のときに、熱電素子により室内熱交換器(14)を加熱する制御手段を備えることを特徴としている。
この発明によれば、熱電素子はペルチェ効果の発熱作用により雰囲気空気を加湿させることができる。さらに、加湿された雰囲気空気をペルチェ効果の吸熱作用により冷却、再凝縮させることができる。これにより、冷房運転を行なったときに室内熱交換器(14)に保水された凝縮水を熱電素子モジュール(30)に回収、つまり室内熱交換器(14)を乾燥できる。
従って、冷房運転を行なった後に室内熱交換器(14)に保水された凝縮水を除去できる。さらに、冷房運転の後に暖房運転を行なったときに、昇温された空気(相対湿度が低下し加湿されやすくなっている。)が室内熱交換器(14)を通過しても、凝縮水が除去されているため凝縮水による加湿量が大幅に低減できることで、窓曇りを防止するとともに乗員への快適性の向上を図ることができる。
請求項2に記載の発明では、熱電素子モジュール(30)は、熱電素子による吸熱作用で低温状態となる吸熱熱交換部(31)と、発熱作用で高温状態となる放熱熱交換部(32)とを有し、この放熱熱交換部(31)は、室内熱交換器(14)に伝熱して室内熱交換器(14)の凝縮水を加熱蒸発させ、吸熱熱交換部(31)は、蒸発した凝縮水を冷却し、再凝縮させることを特徴としている。
この発明によれば、より具体的には、放熱熱交換部(31)にて発熱作用による高温状態の熱を室内熱交換器(14)側に確実、容易に伝熱することができる。また、吸熱熱交換部(31)にて吸熱作用により蒸発した雰囲気空気を容易に冷却、除湿できる。従って、冷房運転を行なった後に凝縮水を除去できる。
請求項3に記載の発明では、吸熱熱交換部(31)は、その熱交換面積が室内熱交換器(14)の熱交換面積よりも十分に小さいことを特徴としている。この発明によれば、吸熱熱交換部(31)側の保水可能量は室内熱交換器(14)に対して少ないため、吸熱熱交換部(31)で凝縮した凝縮水の全てを保水することができず、大部分は外部に排水される。
これにより、従来の室内熱交換器(14)で保水された凝縮量と、本発明による室内熱交換器(14)と吸熱熱交換部(31)とで保水される凝縮量とでは、本発明の方が大幅に低減される。従って、暖房運転を開始する前に、室内熱交換器(14)に保水した凝縮水を除去できるとともに窓曇りを防止するとともに乗員への快適性の向上を図ることができる。
請求項4に記載の発明では、熱電素子モジュール(30)は、室内熱交換器(14)の空気流れの上流側に配置されていることを特徴としている。この発明によれば、通風空気は暖房運転のときに吸熱熱交換部(31)で保水された凝縮水で加湿されるが、例えば、ホットガスサイクルのように室内熱交換器(14)が加熱器となる場合には空気が加熱される前に、吸熱熱交換部(31)を通過するように室内熱交換器(14)に対して空気流れの上流側とすることで空気温度が低いため加湿量が低下する。これにより、高湿度空気が車室内に吹き出すことを防止することができる。
請求項5に記載の発明では、熱電素子モジュール(30)は、室内熱交換器(14)の重力方向下方側に配置されていることを特徴としている。この発明によれば、室内熱交換器(14)から吸熱熱交換部(31)に移動した凝縮水を室内熱交換器(14)に戻すことなく外部に容易に排水できる。
請求項6に記載の発明では、室内熱交換器(14)は、圧縮機(11)、凝縮器(12)、および減圧手段(13)とともに冷凍サイクル装置を構成し、内部を流通する冷媒の蒸発熱により空気を冷却する蒸発器であることを特徴としている。
この発明によれば、放熱熱交換部(32)で室内熱交換器(14)構造体の全体を加熱する場合に、放熱熱交換部(32)からの加熱熱量を構造体自身の伝熱のみでだけでなく、冷媒による熱輸送も利用できる。また、室内熱交換器(14)内部にある冷媒も加熱され沸騰蒸発することで、ヒートサイフォンの効果を得られる。
これにより、室内熱交換器(14)の端部まで効果的に加熱することができるため、局所的な加熱にとどまらず、室内熱交換器(14)の端部に保水されている凝縮水をも除去可能となる。
請求項7に記載の発明では、室内熱交換器(14)は、冷房運転のときに減圧手段(13)で減圧された冷媒が流入し、暖房運転のときに凝縮器(12)を迂回したホットガスが流入するように構成された熱交換器であることを特徴としている。
この場合は、室内熱交換器(14)に加熱機能をもつホットガスサイクルであるため、冷房運転の後に、暖房運転に切り換えると凝縮水による加湿量が膨大となる。この発明によれば、高湿度空気が車室内に吹き出すことを防止することができるので、ホットガスサイクルに熱電素子モジュール(30)の配設は好適である。
請求項8に記載の発明では、室内熱交換器(14)は、圧縮機(11)、凝縮器(12)、減圧手段(13)、および冷暖切換手段(18)とともにヒートポンプサイクル装置を構成し、内部を流通する冷媒の蒸発熱もしくは凝縮熱により空気を冷却もしくは加熱する熱交換器であることを特徴としている。この発明によれば、上述したホットガスサイクルと同じように、ヒートポンプサイクル装置においても、熱電素子モジュール(30)の配設は好適である。
請求項9に記載の発明では、熱電素子モジュール(30)は、圧縮機(11)が運転を停止し、かつ室内熱交換器(14)に流通する送風量が所定値以下のときに作動するように制御されることを特徴としている。この発明によれば、凝縮水を加熱するための熱電素子モジュール(30)の省電力を図ることができる。因みに、送風量が所定値以下は、例えば略無風状態であって、このときの方が室内熱交換器(14)で加熱された凝縮水が吸熱熱交換部(31)側に吸熱されやすい。
請求項10に記載の発明では、熱電素子モジュール(30)は、室内熱交換器(14)で空気を冷却する冷房運転を停止した後、所定時間後に作動するように制御されることを特徴としている。この発明によれば、冷房運転を停止した直後から暫くの間は室内熱交換器(14)に保水される凝縮水の外部への排水が行なわれている。これにより、この自然排水される時間を待機することで熱電素子モジュール(30)のより省電力を図ることができる。
請求項11に記載の発明では、熱電素子モジュール(30)は、室内熱交換器(14)近傍の周囲温度が所定値以下のときに、所定時間を解除して作動するように制御されることを特徴としている。この発明によれば、室内熱交換器(14)近傍の周囲温度が凝縮水を凍結させる程度の温度であれば上述した所定時間を解除するようにしている。これにより、所定時間後に凍結した凝縮水を熱電素子モジュール(30)で融解させることがないため省電力を図ることができる。
請求項12に記載の発明では、空調ケース(20)内には、各種吹出口モードに応じて車室内の各所に設けられた吹出口を選択的に開閉する吹出口開閉手段(28)が設けられ、吹出口開閉手段(28)は、熱電素子モジュール(30)が作動しているときに、吹出口との連通を遮断する閉塞モードに制御されることを特徴としている。
この発明によれば、熱電素子モジュール(30)の周辺を略密閉状態で確保できることで、より確実に室内熱交換器(14)で加熱された凝縮水が吸熱熱交換部(31)側に吸熱されやすい。例えば、自然対流や湿度拡散によって、加湿空気(加熱された凝縮水)が空調ケース(20)外へデフロスタ吹出口から流出することを抑制できる。従って、窓で凝縮(窓曇り)や窓周辺部の水濡れが防止できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態における車両用空調装置を図1ないし図3に基づいて説明する。図1は車両用空調装置の全体構成を示す模式図であり、図2は図1に示すA−A矢視図である。また、図3は熱電素子モジュール30の作動制御プログラムの制御処理を示すフローチャートである。
本実施形態の車両用空調装置は、複数の熱電素子を有する熱電素子モジュール30を空調ユニット20内に収容される室内熱交換器14に配設し、空調運転のときに室内熱交換器14に保水された凝縮水を、空調運転が非稼動のときに加熱するように構成している。
まず、車両用空調装置の通風系は、図1に示すように、大別して、空気流を発生する送風手段である送風機ユニット25と、空気通路を形成する空調ユニット20との2つの部分に分かれている。送風機ユニット25は車室内の計器盤下方部のうち、中央部から助手席側へオフセットして配置されており、これに対し、空調ユニット20は車室内の計器盤下方部のうち、車両左右方向の略中央部に配置されている。
送風機ユニット25は周知のごとく内気(車室内空気)と外気(車室外空気)を切替導入する内外気切替箱25aと、この内外気切替箱25aを通して空気を吸入して送風する送風機25bとから構成されている。空調ユニット20は、1つの共通の空調ケース21内に室内用熱交換器である蒸発器14とヒータコア22とを両方とも一体的に内蔵するタイプのものである。
なお、ここでは、送風機ユニット25が流す空気の温度が、室内用熱交換器で調節される。具体的には蒸発器14は空気を冷却し、空気の加熱はヒータコア22によってなされる。
そして、空調ケース21内の空気流れの上流側に蒸発器14が配置されている。この蒸発器14は風流れ方向には薄型の形態で空調ケース21内通路を横断するように上下方向に配置されている。従って、蒸発器14の風流れ方向に延びる前面に送風ユニット25からの送風空気が流入する。
また、この蒸発器14は、圧縮機11、凝縮器12、図示しない受液器および減圧手段である膨張弁13の順に環状に管路で接続してなる蒸気圧縮式冷凍サイクル装置10の一構成部品であり、空調ケース21内を流れる空気と内部に封入された冷媒とを熱交換して空気を冷却する熱交換器である。
圧縮機11は、図示しない内燃機関(例えば、エンジン)を駆動源として、プーリーおよびVベルトからなる動力伝達手段より電磁クラッチ(図示せず)を介して駆動される。そして、蒸発器14から吸入した気相冷媒を高温高圧のガス状態の気相冷媒に圧縮する。
凝縮器12は、圧縮機11で圧縮された高温冷媒を大気と熱交換して凝縮する熱交換器である。そして、凝縮器12で凝縮された冷媒は、受液器(図示せず)で気液分離されて液相冷媒が貯められる。そして、液相冷媒が膨張弁13に流入する。
膨張弁13は液相冷媒を減圧する弁であって温度式膨張弁で構成されており、この膨張弁13で減圧された気液2相状態の冷媒は蒸発器14に流出される。そして、蒸発器14で、送風ユニット25により空気と熱交換されて蒸発される。このときの蒸発潜熱により空気が冷却される。
なお、空調ケース21には、上述した蒸発器14が配置される下方側に、排水口21aが形成されており、空調運転のときに蒸発器14で保水した凝縮水が外部に排水するようにしている。
そして、この蒸発器14の下流側に、所定の間隔を開けてヒータコア22が配置されている。このヒータコア22は、蒸発器14を通過した冷風を再加熱するものであって、その内部に高温の温水(エンジン冷却水)が流れ、この温水を熱源として空気を加熱するものである。
そして、冷風バイパス通路21bおよび温風入口通路21cの上流側の部位には、ヒータコア22で加熱される温風と、冷風バイパス通路21bを通ってヒータコア22をバイパスする冷風との混合割合を調整するエアミックスドア23が配置されている。
そして、ヒータコア22の空気流れ下流側において、空調ケース21の下方側部位には、フット開口部24が形成され、その上方にはフェイス開口部25、およびその上方にデフロスタ開口部26が形成されている。
そして、これらの開口部24、25、26の上流側には、それぞれ吹出口開閉手段である平板状の切替ドア28が設けられ、これらの開口部24、25、26が吹出口モードに応じて選択的に開閉するように構成している。なお、これらの切替ドア28は、水平方向に配置された回動軸(図示せず)とドア基板が一体に形成され、かつその回動軸(図示せず)が空調ケース21に回動自在に支持され、その一端が空調ケース21の外部に突出して、図示しないリンク機構を介して、サーボモータ等からなるアクチュエータ機構に連結されて、このアクチュエータ機構により連動操作される。
ここで、蒸発器14に配設する熱電素子モジュール30について説明する。熱電素子モジュール30は、図1および図2に示すように、蒸発器14を加熱して凝縮水を蒸発させるように蒸発器14に熱的に結合されている。より具体的には、空調ユニット20内の空気と熱交換して熱電素子モジュール30の低温側である吸熱熱交換部31に凝縮水を生成させるように構成され空調ユニット20内に配置される。
さらに、この凝縮水が生成する吸熱熱交換部31は、凝縮水の排出を確実かつ速やかに行うために空調ユニット20の排水口21aの近傍に配置している。熱電素子モジュール30は、吸熱熱交換部31、放熱熱交換部32、熱電素子33からなり、その熱電素子33が制御手段である制御装置40を介して直流電源であるバッテリ50に接続されている。
熱電素子33は、電気特性の異なる2種の熱電半導体を金属材で交互に接合して通電により接合部分に吸熱、発熱作用のペルチェ効果を得る熱電変換装置である。吸熱熱交換部31は吸熱作用による接合部分の低温状態の熱を熱交換するために多数のフィンから形成されている。
また、放熱熱交換部32は発熱作用による接合部分の高温状態の熱を伝熱するように伝熱板から形成されている。そして、この放熱熱交換部32側が蒸発器14に高温状態の熱が伝熱するように結合している(例えば、半田付けなどの接合材料)。つまり、熱電素子33に直流電流が流れることで、接合部分で生じた高温状態の熱が蒸発器14に伝熱して加熱されることになる。これにより、蒸発器14が加熱して保水された凝縮水が蒸発する。
吸熱熱交換部31側では、その周囲の空気、つまり、蒸発器14で加熱、蒸発した凝縮水がフィンにより冷却されて再凝縮することになる。従って、冷房運転を行った後に、つまり、空調運転の非稼動のときに、熱電素子モジュール30を作動させることで、蒸発器14に保水された凝縮水を除去することができる。また、吸熱熱交換部31に吸熱作用によって凝縮水が生ずるが保水しきれなくなった凝縮水は、重力方向に滴下し排水口21aから外部に排水される。
なお、吸熱熱交換部31のフィンの熱交換面積は、蒸発器14側の熱交換面積に対して十分小さくなるように形成している。これは、吸熱熱交換部31側の凝縮水の保水可能量を室内熱交換器14に対して遥かに少なくすることで、吸熱熱交換部31で凝縮した凝縮水が保水されずに容易に流れ下り外部に排水されるためである。
また、熱電素子モジュール30は、制御装置40により通電方向、通電開始時期、通電期間、通電遮断時期を制御される。そして、制御装置40は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵のROM(図示せず)には、予め設定された熱電素子モジュール30の作動制御プログラムが設けられており、図示しない空調制御装置に電気的に接続され、車両用空調装置の作動状態を検知して、空調運転が非稼動のときに、熱電素子モジュール30が作動するように制御するようにしている。
制御装置40は、熱電素子モジュール30への通電方向、通電開始時期、通電期間、通電遮断時期を制御する。そして、制御装置40は、所定の通電条件が成立すると、熱電素子モジュール30がその蒸発器14側が高温側となるように通電する。
次に、熱電素子モジュール30の作動を図3に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、空調装置は空調(冷房)運転により冷凍サイクル装置10を稼動させて蒸発器14に膨張弁13で減圧された気液2相の冷媒を流入する。蒸発器14では、送風ユニット25からの空気と冷媒とが熱交換され、冷却された冷風がヒータコア22およびエアミックスドア23によって温度制御されて選択された開口部を介して選択された吹出口から車室内に吹き出される。これにより、車室内が空調される。
このときに、蒸発器14では凝縮水が発生して保水し切れない凝縮水が排水口21aを介して外部に排水される。しかし、蒸発器14はその熱交換性能を高めるために広い熱交換面積をもつように構成されるため多くの凝縮水が保水される。
そこで、本実施形態では、空調運転が停止した後に、再び空調運転を開始する前に、熱電素子モジュール30を作動させている。熱電素子モジュール30は、空調運転の後であっても、除湿運転の後であっても作動させることができる。
具体的には、図3に示すように、まず、ステップ210にて、乾燥が未完了か否かを判定している。つまり、蒸発器14に凝縮水が保水される空調運転があったときには、例えば、フラグをたて(=1)、乾燥が完了したときに、フラグをリセット(=0)するようにしておいて、乾燥が未完了であることをフラグで確認する。
ここで、乾燥が未完了であればステップ220に移行し、乾燥が完了しておればステップ260に移行して熱電素子33への通電を遮断(OFF)する。そして、ステップ220にて、圧縮機11が停止しているか否かを判定する。つまり、冷凍サイクル装置10の稼動、非稼動を判定するものであり、例えば、圧縮機11を駆動する電磁クラッチの作動状態もしくは圧縮機11の回転数などに基づいて圧縮機11の停止状態を確認する。
ここで、圧縮機11が稼動中であればステップ260に移行し、圧縮機11が停止状態であればステップ230に移行する。そして、ステップ230にて、送風機25bが停止しているか否かを判定する。つまり、ここでは、熱電素子モジュール30の近傍が略無風状態であるかを確認するものであり、送風機25bの回転数、印加電圧、空調制御装置の指令信号などで送風機25bの停止状態を確認する。
ここで、送風機25bが稼動中であればステップ260に移行し、送風機25bが停止状態であればステップ240に移行する。そして、ステップ240にて、自然排水待ちを完了したか否かを判定する。ここでは、熱電素子モジュール30の運転開始を待機させる制御処理であり、ステップ210ないしステップ230の制御処理が成立したときに、リセット(=0)しカウントを始めるタイマ値と、予めROMなどに記憶させた判定値(例えば、1分)とを比較し、タイマ値が判定値を超えたときに待機完了と確認する。
ここで、待機完了と判定されるまではステップ260に移行し、待機完了と判定されればステップ250に移行する。そして、ステップ250にて、熱電素子33に通電(ON)する。これにより、熱電素子33に直流電流が流れることで、接合部分で生じた高温状態の熱が放熱熱交換部32から蒸発器14に伝熱されて蒸発器14が加熱されるとともに、蒸発器14に保水された凝縮水が加熱されて蒸発する。
一方の吸熱熱交換部31側では、その周囲の空気、つまり、蒸発器14で加熱、蒸発した凝縮水がフィンにより冷却されて凝縮することになる。そして、フィンに凝縮水が保水されるが保水し切れなかった凝縮水は排水口21aから外部に排水される。これにより、蒸発器14側の凝縮水が乾燥により除去されることになる。
ところで、この種の車両用空調装置では、エンジンが長時間停止した後のエンジン始動直後には最大の暖房能力を出力するため、冷凍サイクル装置10を停止させた状態でヒータコア22を加熱する暖房運転がある。このときには、車室内の空気は乗車当初、車室外とほぼ同等の温湿度状態であるが暖房運転によって昇温される。
これにより、相対湿度は低下し、蒸発器を通過した空気は加湿(露点が上昇する)されやすくなるが、凝縮水が既に除去されているため大幅に加湿量が低減されることで窓曇りを防止するとともに乗員への快適性の向上を図ることができる。
ただし、吸熱熱交換部31側に保水された凝縮水があるが、吸熱熱交換部31側の保水可能量は蒸発器14に対して極めて少ないので、室内への吹き出し空気を高い湿度に加湿するほどではない。
なお、熱電素子モジュール30が作動するときは、各種吹出口モードに応じて車室内の各所に設けられた吹出口を選択的に開閉する吹出口開閉手段である切替ドア28を、吹出口との連通を遮断する閉塞モードに制御すると良い。これによれば、熱電素子モジュール30の周辺を確実に略無風状態で確保できることで、より確実に蒸発器14で加熱された凝縮水が吸熱熱交換部31側で冷却、凝縮されやすい。
以上の第1実施形態による車両用空調装置によれば、熱電素子を有する熱電素子モジュール30が蒸発器14に配設され、空調運転が非稼動のときに、熱電素子により蒸発器14を加熱する制御装置40を備えることにより、熱電素子33はペルチェ効果の発熱作用により雰囲気空気を加湿させることができる。さらに、加湿された雰囲気空気をペルチェ効果の吸熱作用により冷却、再凝縮させることができる。
これにより、冷房運転を行なったときに蒸発器14に保水された凝縮水を熱電素子モジュール30に回収、つまり蒸発器14を乾燥できる。
従って、冷房運転を行なった後に蒸発器14に保水された凝縮水を除去できる。さらに、冷房運転の後に暖房運転を行なったときに、昇温された空気(相対湿度が低下し、加湿されやすくなっている。)が蒸発器14を通過しても、凝縮水が除去されているため凝縮水による加湿量が大幅に低減できることで、窓曇りを防止するとともに乗員への快適性の向上を図ることができる。
より具体的には、放熱熱交換部31を蒸発器14に伝熱して蒸発器14の凝縮水を加熱蒸発させるように構成し、吸熱熱交換部31を蒸発した凝縮水を冷却し再凝縮させるように構成したことにより、放熱熱交換部31にて発熱作用による高温状態の熱を蒸発器14側に確実、容易に伝熱することができる。また、吸熱熱交換部31にて吸熱作用により蒸発した雰囲気空気を容易に冷却、除湿できる。従って、冷房運転を行なった後に凝縮水を除去できる。
さらに、吸熱熱交換部31は、その熱交換面積が蒸発器14の熱交換面積よりも十分に小さく形成されていることにより、吸熱熱交換部31側の保水可能量は蒸発器14に対して少ないため、吸熱熱交換部31で凝縮した凝縮水の全てを保水することができず、大部分は外部に排水される。
これにより、従来の蒸発器14で保水された凝縮量と、蒸発器14と吸熱熱交換部31とで保水される凝縮量とでは、後者の方が大幅に低減される。従って、暖房運転を開始する前に、蒸発器14に保水した凝縮水を除去できるとともに窓曇りを防止するとともに乗員への快適性の向上を図ることができる。
また、通風空気は暖房運転のときに吸熱熱交換部31で保水された凝縮水で加湿されるが、熱電素子モジュール30は蒸発器14の空気流れ上流側に配置されていることにより、例えば、ホットガスサイクルのように蒸発器14が加熱器となる場合には空気が加熱される前に、吸熱熱交換部31を通過することで空気温度が低いため加湿量が低下する。これにより、高湿度空気が車室内に吹き出すことを防止することができる。
また、熱電素子モジュール30は、蒸発器14の重力方向下方側に配置されていることにより、蒸発器14から吸熱熱交換部31に移動した凝縮水を蒸発器14に戻すことなく外部に容易に排水できる。
また、蒸発器14は、圧縮機11、凝縮器12、および膨張弁13とともに冷凍サイクル装置を構成し、内部を流通する冷媒の蒸発熱により空気を冷却する蒸発器であることにより、蒸発器14が加熱機能を持たない蒸発器であっても、一般的に空調ユニット20内には、この蒸発器14の近傍下流側にエンジン冷却水を温熱源とするヒータコア22が搭載されており、暖房運転のときにこのヒータコア22を加熱することになる。
これにより、蒸発器14側に配設された熱電素子モジュール30は、加熱されるヒータコア22の空気流れの上流側に配置されることで、冷房運転した後の暖房運転のときに、吸熱熱交換部31で保水された凝縮水を加熱することはない。また、暖房運転で昇温した空気(相対湿度が低下し、加湿されやすくなっている。)が吸熱熱交換部31および蒸発器14を通過するが、凝縮水で加湿されることがないので窓曇りを防止するとともに乗員への快適性の向上を図ることができる。
なお、本実施形態によれば、放熱熱交換部32で蒸発器14構造体の全体を加熱する場合に、放熱熱交換部32からの加熱熱量を構造体自身の伝熱のみでだけでなく、冷媒による熱輸送も利用できる。また、蒸発器14内部にある冷媒も加熱され沸騰蒸発することで、ヒートサイフォンの効果を得られる。これにより、蒸発器14の端部まで効果的に加熱することができるため、局所的な加熱にとどまらず、蒸発器14の端部に保水されている凝縮水をも除去可能となる。
また、熱電素子モジュール30は、圧縮機11が運転を停止し、かつ蒸発器14に流通する送風量が所定値以下のときに作動するように制御することにより、凝縮水を加熱するための熱電素子モジュール30の省電力を図ることができる。因みに、送風量が所定値以下は、例えば略無風状態であって、このときの方が蒸発器14で加熱された凝縮水が吸熱熱交換部31側に吸熱されやすい。
さらに、熱電素子モジュール30は、蒸発器14で空気を冷却する冷房運転を停止した後、所定時間後に作動するように制御することにより、冷房運転を停止した直後から暫くの間は蒸発器14に保水される凝縮水の外部への排水が行なわれている。これにより、この自然排水される時間を待機することで熱電素子モジュール30のより省電力を図ることができる。
また、各種吹出口モードに応じて車室内の各所に設けられた吹出口を選択的に開閉する吹出口開閉手段である切替ドア28が設けられ、この切替ドア28を熱電素子モジュール30が作動しているときに、吹出口との連通を遮断する閉塞モードに制御されることにより、熱電素子モジュール30の周辺を確実に略無風状態で確保できることで、より確実に蒸発器14で加熱された凝縮水が吸熱熱交換部31側に吸熱されやすい。
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、熱電素子モジュール30の放熱熱交換部32側を蒸発器14に接合するように配設したが、これに限らず、具体的には、図4(a)および図4(b)に示すように、放熱熱交換部32から延びる伝熱板32aを形成し、その伝熱板32aが蒸発器14側のチューブ(図示せず)に伝熱するように接合しても良い。
これによれば、他方の吸熱熱交換部31側のフィンが空調ケース21の下方側に向くため、保水した凝縮水を滴下させやすくなる。従って、蒸発器14から吸熱熱交換部31側に移動した凝縮水を容易に排水口21aに導くことができる。
また、図4(c)に示すように、熱電素子モジュール30を蒸発器14の下方端に接合させるように配設しても良い。この場合には、放熱熱交換部32側が蒸発器14の下側ヘッダタンク(図示せず)に接合するように配設している。
(第3実施形態)
以上の実施形態では、熱電素子モジュール30を空調ケース21内に配設したが、これに限らず、放熱熱交換部32側を蒸発器14に接合させ、吸熱熱交換部31側のフィンが空調ケース21内に連通するように配設しても良い。
より具体的には、図5に示すように、蒸発器14の上側ヘッダタンク(図示せず)に放熱熱交換部32側を接合させ、吸熱熱交換部31側が空調ケース21内に連通するように連通ダクト21dを形成している。これによれば、熱電素子モジュール30が作動したときは、蒸発器14側が加熱されることで凝縮水が加熱、蒸発され、蒸発した凝縮水が吸熱熱交換部31に冷却、凝縮され吸熱熱交換部31側に保水されることで蒸発器14側の凝縮水が除去される。
なお、吸熱熱交換部31側に保水し切れなかった凝縮水は、重力方向に滴下して排水口21aから外部に排出される。また、本実施形態では、熱電素子モジュール30を蒸発器14の上方に配設したが、これに限らず、蒸発器14の側面側に配設しても良い。
(第4実施形態)
以上の実施形態では、熱電素子モジュール30の作動させるときに、ステップ240にて、熱電素子モジュール30の運転開始を待機させるように作動させたが、これに限らず、蒸発器14に保水した凝縮水が自然排水する間に、蒸発器14周辺の雰囲気温度の状況により凍結の恐れがあるときは待機を解除するように制御しても良い。
具体的には、図6に示すように、ステップ240での自然排水待ちの判定手段の後に、ステップ245にて、凍結の可能性があるか否かの判定手段を追加している。ここで、例えば、蒸発器14を通過する空気温度を検出する温度センサを設け、この温度センサが所定値(例えば、1℃)以下の低温のときは凍結の可能性があると確認するものである。
そして、ここで、所定値(例えば、1℃)以下であれば、凍結の可能性がありと判定してステップ250に移行する。そして、ステップ250にて、熱電素子33にONを出力する。ステップ245にて、凍結の可能性がなければ、ステップ260にて待機を続行するとともに熱電素子33にOFFを出力する。
これによれば、蒸発器14近傍の周囲温度が凝縮水を凍結させる程度の温度であれば上述した待機を解除することで、事前排水待ちの間に凍結した凝縮水を熱電素子モジュール30で融解させることがないため省電力を図ることができる。
(第5実施形態)
以上の実施形態では、本発明を蒸発器14は送風機25bからの空気を冷却するための熱交換器に適用させたが、冷房運転のときは空気を冷却する蒸発用熱交換器で、暖房運転のときは空気を加熱する暖房用熱交換器からなるホットガスサイクルの冷凍サイクル装置10に適用しても良い。
具体的には、図7に示すように、冷凍サイクル装置10に凝縮器12を迂回するバイパス管10aを形成する。つまり、バイパス管10aの一方を圧縮機11と凝縮器12との間に接続し、バイパス管10aの他方を膨張弁13と蒸発器14との間に接続する。
そして、バイパス管10aの上流側に第2の開閉弁18b、下流側に減圧手段である第2の膨張弁13を設けるとともに、凝縮器12の上流側、具体的には、バイパス管10aの上流端の分岐点と凝縮器12との間に第1の開閉弁18aを設けている。また、凝縮器12と第1の膨張弁13との間に逆止弁15、受液器であるレシーバ16aが設けられ、蒸発器14と圧縮機11との間には、アキュームレータ16bが設けられている。
そして、冷房時には、第1の開閉弁18aを開弁させ、第2の開閉弁18bは閉弁させて、圧縮機11からの冷媒を凝縮器12側にのみ流し、圧縮機11からの冷媒を、凝縮器12、レシーバ16a、第1の膨張弁13、蒸発器14、アキュームレータ16b、圧縮機11の順に循環する。これにより、蒸発器14では、送風ユニット25から蒸発器14に送られた空気が冷却される。
一方、暖房時には、第1の開閉弁18aを閉弁させ、第2の開閉弁18bを開弁させて、圧縮機11からの冷媒を、凝縮器12側を迂回させてバイパス管10a側にのみ流し、圧縮機11からの冷媒を第2の膨張弁13、蒸発器14、アキュームレータ16b、圧縮機11の順に循環する。
これにより、圧縮機11により流出される高温高圧の冷媒ガスは、第2の膨張弁13により減圧され、高温低圧のガス冷媒に状態変化する。第2の膨張弁13を通る高温低圧の熱ガス冷媒が蒸発器14に流入されると、この高温ガス(ホットガス)から熱を奪った空気が加熱される。つまり、この場合には蒸発器14が加熱機能として作動するので、下流側のヒータコア22でさらに空気が加熱される。
ところで、このような構成による冷凍サイクル装置10では、例えば、前日に冷房運転で蒸発器14として使用され、次の日に凝縮水を保水したまま加熱する放熱器として使用するときには、空調装置に始動直後に、凝縮水による加湿量が膨大となって加湿による窓曇りが顕著に発生することがある。
そこで、本発明の熱電素子モジュール30を適用させることで、暖房運転のときに、凝縮水による加湿量が大幅に低減させることができる。従って、ホットガスサイクルの冷凍サイクル装置10に熱電素子モジュール30の配設は好適である。
(他の実施形態)
以上の第5実施形態では、本発明をホットガスサイクルの冷凍サイクル装置10に適用させたが、これら以外に、図8に示すように、蒸発器14、圧縮機11、凝縮器12、第1、第2の膨張弁13、および冷暖切換手段18からなるヒートポンプサイクルからなる冷凍サイクル装置10に本発明を適用しても良い。
この冷凍サイクル装置10の場合には、空調ケース21内に配設される室内熱交換器が、冷房時に蒸発器14となって送風ユニット25から送られる空気を冷却し、暖房時には送風ユニット25から送られる空気を加熱する放熱器となる。
従って、ヒートポンプサイクルからなる冷凍サイクル装置10においても、冷房時には、蒸発器14が熱電素子モジュール30を室内熱交換器(蒸発器)14に配設させることで暖房運転のときに、凝縮水による加湿量が大幅に低減させることができる。つまり、ヒートポンプサイクルの冷凍サイクル装置10に熱電素子モジュール30の配設は好適である。
本発明の第1実施形態における車両用空調装置の全体構成を示す模式図である。 図1に示すA−A矢視図である。 本発明の第1実施形態における熱電素子モジュール30の作動制御プログラムの制御処理を示すフローチャートである。 (a)および(b)は本発明の第2実施形態における熱電素子モジュール30の配設形態を示す(a)は正面図、(b)は側面図で、(c)は第2実施形態の変形例における熱電素子モジュール30の配設形態を示す側面図である。 本発明の第3実施形態における車両用空調装置の全体構成を示す模式図である。 本発明の第4実施形態における熱電素子モジュール30の作動制御プログラムの制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第5実施形態におけるホットガスサイクルの冷凍サイクル装置10の全体構成を示す模式図である。 他の実施形態におけるヒートポンプサイクルの冷凍サイクル装置10の全体構成を示す模式図である。
符号の説明
11…圧縮機
12…凝縮器
13…膨張弁、第1の膨張弁、第2の膨張弁(減圧手段)
14…蒸発器、室内熱交換器(室内熱交換器)
18…冷暖切換手段
20…空調ユニット
25…送風機ユニット(送風手段)
30…熱電素子モジュール
31…吸熱熱交換部
32…放熱熱交換部

Claims (12)

  1. 空気流を発生する送風手段(25)と、
    前記送風手段(25)が流す空気を車室内に導く空調ユニット(20)と、
    前記空調ユニット(20)内に配設され、前記送風手段(25)が流す空気を温度調節する室内熱交換器(14)とを備える車両用空調装置において、
    熱電素子を有する熱電素子モジュール(30)が前記室内熱交換器(14)に配設され、空調運転が非稼動のときに、前記熱電素子により前記室内熱交換器(14)を加熱する制御手段を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記熱電素子モジュール(30)は、前記熱電素子による吸熱作用で低温状態となる吸熱熱交換部(31)と、発熱作用で高温状態となる放熱熱交換部(32)とを有し、
    前記放熱熱交換部(31)は、前記室内熱交換器(14)に伝熱して前記室内熱交換器(14)の凝縮水を加熱蒸発させ、
    前記吸熱熱交換部(31)は、蒸発した凝縮水を冷却し、再凝縮させることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記吸熱熱交換部(31)は、その熱交換面積が前記室内熱交換器(14)の熱交換面積よりも十分に小さいことを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記熱電素子モジュール(30)は、前記室内熱交換器(14)の空気流れの上流側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  5. 前記熱電素子モジュール(30)は、前記室内熱交換器(14)の重力方向下方側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記室内熱交換器(14)は、圧縮機(11)、凝縮器(12)、および減圧手段(13)とともに冷凍サイクル装置を構成し、内部を流通する冷媒の蒸発熱により空気を冷却する蒸発器であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  7. 前記室内熱交換器(14)は、冷房運転のときに前記減圧手段(13)で減圧された冷媒が流入し、暖房運転のときに前記凝縮器(12)を迂回したホットガスが流入するように構成された熱交換器であることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記室内熱交換器(14)は、圧縮機(11)、凝縮器(12)、減圧手段(13)、および冷暖切換手段(18)とともにヒートポンプサイクル装置を構成し、内部を流通する冷媒の蒸発熱もしくは凝縮熱により空気を冷却もしくは加熱する熱交換器であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  9. 前記熱電素子モジュール(30)は、前記圧縮機(11)が運転を停止し、かつ前記室内熱交換器(14)に流通する送風量が所定値以下のときに作動するように制御されることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  10. 前記熱電素子モジュール(30)は、前記室内熱交換器(14)で空気を冷却する冷房運転を停止した後、所定時間後に作動するように制御されることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  11. 前記熱電素子モジュール(30)は、前記室内熱交換器(14)近傍の周囲温度が所定値以下のときに、前記所定時間を解除して作動するように制御されることを特徴とする請求項10に記載の車両用空調装置。
  12. 前記空調ユニット(20)内には、各種吹出口モードに応じて車室内の各所に設けられた吹出口を選択的に開閉する吹出口開閉手段(28)が設けられ、
    前記吹出口開閉手段(28)は、前記熱電素子モジュール(30)が作動しているときに、前記吹出口との連通を遮断する閉塞モードに制御されることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
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