JP2006231641A - シートモールディングコンパウンド用無機充填材及びシートモールディングコンパウンド - Google Patents

シートモールディングコンパウンド用無機充填材及びシートモールディングコンパウンド Download PDF

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Abstract

【課題】プラスチックを亜臨界流体で分解して回収された炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維等の無機物について、マテリアルリサイクル時の樹脂の粘度上昇を防止することができるシートモールディングコンパウンド用無機充填材を提供する。
【解決手段】シートモールディングコンパウンド用無機充填材に関する。無機充填材含有プラスチックを亜臨界水で分解して得られた分解物から回収された無機充填材であって、かつ、この無機充填材をアミノ基含有シランカップリング剤で処理して成る。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維等を含有するFRP(ガラス繊維強化プラスチック)などに代表されるプラスチックを亜臨界水で分解することによって得られるシートモールディングコンパウンド用無機充填材及び、この無機充填材を再度使用して作製されるシートモールディングコンパウンドに関するものである。
従来からFRPなどに代表されるプラスチックを超臨界流体又は亜臨界流体で分解することによって、その樹脂成分を樹脂のモノマー又はオリゴマーとして回収することができると共に、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維等の無機物も回収することができることが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開平11−172258号公報 特開平10−087872号公報
従来、プラスチックを超臨界流体又は亜臨界流体で分解して回収された炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維等の無機物は、残渣として各成分が各種の割合で混合した状態で存在しており、また、臨界流体によって無機物の表面状態が変化した状態で存在している。
従って、上記のような無機物を充填材として用いてマテリアルリサイクルを行う場合には、樹脂に上記のような無機物を混合すると樹脂粘度が著しく上昇し、シートモールディングコンパウンドを作製するのが困難であるという問題がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、プラスチックを亜臨界流体で分解して回収された炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維等の無機物であって、マテリアルリサイクル時の樹脂の粘度上昇を防止することができるシートモールディングコンパウンド用無機充填材及び、この無機充填材を用いて作製されるシートモールディングコンパウンドを提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係るシートモールディングコンパウンド用無機充填材は、無機充填材含有プラスチックを亜臨界水で分解して得られた分解物から回収された無機充填材であって、かつ、この無機充填材をアミノ基含有シランカップリング剤で処理して成ることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1において、アミノ基含有シランカップリング剤で処理した後に150℃以下の温度で乾燥処理して成ることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、アミノ基含有シランカップリング剤が3−アミノプロピルトリメトキシシランであることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、分解物から回収された無機充填材をアミノ基含有シランカップリング剤の溶液に分散させると共に、この分散液をスプレードライ法で乾燥して成ることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、分解物から回収された無機充填材をアミノ基含有シランカップリング剤で処理する前に水で洗浄し、この洗浄後の水のpHが8〜10であることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、分解物から回収された無機充填材が、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維からなるものを粉砕して得られた粉体混合物であることを特徴とするものである。
本発明の請求項7に係るシートモールディングコンパウンドは、請求項1乃至6のいずれかに記載のシートモールディングコンパウンド用無機充填材を配合したプラスチックをガラス繊維に含浸させて成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係るシートモールディングコンパウンド用無機充填材によれば、マテリアルリサイクル時において樹脂の粘度上昇を防止することができ、再びシートモールディングコンパウンドの原材料として有効に利用することができるものである。
請求項2の発明によれば、アミノ基含有シランカップリング剤の分解を防止することができると共に、アミノ基含有シランカップリング剤を無機充填材に良好に定着させることができるものである。
請求項3の発明によれば、マテリアルリサイクル時における樹脂粘度の上昇を防止する効果を一層高く得ることができるものである。
請求項4の発明によれば、アミノ基含有シランカップリング剤で処理された無機充填材を分散液から直接得ることができ、乾燥後の粉砕・分級を行う必要がなくなり、シートモールディングコンパウンド用無機充填材の再生効率を高めることができるものである。
請求項5の発明によれば、分解物から回収されて洗浄された無機充填材にアミノ基含有シランカップリング剤を無駄なく反応させることができるものである。
請求項6の発明によれば、充填材として利用しやすくなるものである。
本発明の請求項7に係るシートモールディングコンパウンドによれば、リサイクル社会に向けた資源の有効利用の促進に貢献することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を各工程に沿って説明する。
[1.亜臨界流体分解工程]
まず、亜臨界流体分解工程においては、耐熱性、耐圧性がある容器に、この容器の大きさに合わせてカットあるいは粗粉砕した無機充填材含有プラスチックと臨界流体を入れて、加熱、加圧することによって、上記プラスチックの樹脂成分を、樹脂のモノマー又はオリゴマーやこれらの分解物・変性物と、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維等の無機充填材とに分解することができるものである。
本発明において分解の対象となる無機充填材含有プラスチックとしては、FRPのように無機充填材を含有するものであれば、熱硬化性及び熱可塑性のいずれの樹脂からなるプラスチックも用いることができる。具体的には、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂などを挙げることができ、また、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂などを挙げることができる。また、無機充填材としては、上述のように、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維などを挙げることができる。
本発明において臨界流体としては、水、一価アルコール、多価アルコールなどやこれらの混合物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、水を臨界流体として用いる際には、あらかじめ脱塩しておくことが好ましく、さらに、無機充填材含有プラスチックの分解を促進させるために、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物の水溶液を臨界流体として用いることもできる。この場合には、アルカリ金属の水酸化物を無機充填材含有プラスチック100質量部に対して20〜100質量部の範囲で添加するのが好ましい。
また、無機充填材含有プラスチックに対する流体の配合量は、無機充填材含有プラスチック100質量部に対して100〜500質量部の範囲であることが好ましい。臨界流体の配合量が100質量部より少ないと、無機充填材含有プラスチックを安定して分解させることができないおそれがあり、逆に、臨界流体の配合量が500質量部より多いと、分解後の流体の廃液処理コストが高くなるおそれがあるので好ましくない。
また、分解温度については180〜270℃の範囲であることが好ましい。分解温度が180℃未満であると、無機充填材含有プラスチックの分解に長時間を要するおそれがあり、逆に、分解温度が270℃を超えると、熱分解の影響が大きくなり、樹脂成分をモノマー又はオリゴマーとして回収することができなくなるおそれがあるので好ましくない。
また、分解時間及び分解圧力については、特に限定されるものではないが、上記分解温度の範囲においては、1〜4時間、2〜15MPaの範囲であることが好ましい。
そして、上記のような亜臨界状態の下において、亜臨界水で無機充填材含有プラスチックを樹脂のモノマー又はオリゴマーと、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維等の無機充填材とに分解することができる。なお、上記方法は、亜臨界流体を用いて分解することを説明したが、超臨界流体を用いて分解してもよい。その後、このようにして得られた分解物(分解液)をろ過することにより、樹脂のモノマー又はオリゴマーと、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維等の無機充填材とに分離して回収することができる。
ろ過後のろ液は、樹脂のモノマー又はオリゴマーが溶解した臨界流体であり、一方、残渣は、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維等の無機充填材の混合物である。
[2.分解物から回収された無機充填材を粉砕・洗浄する工程]
次に、ろ過後の残渣として回収された炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維等の無機充填材を粉砕機で粉砕することによって、充填材として利用しやすい粉体混合物を得ることができる。このときガラス繊維はガラス繊維粉体(ミルドファイバー)となり、充填材として再度利用することが可能な形態に変化する。この粉砕工程では、回収された無機充填材を乾燥した状態で粉砕する乾式粉砕法でも、臨界流体に分散させたままで粉砕する湿式粉砕法でも、いずれの方法を用いてもよく、また、粉砕手段としては、ボールミル、ローラーミル、ジェットミル、振動ミル、遊星ミル、撹拌ミルなど、各種の粉砕手段を用いることができる。
次に、上記のように粉体混合物として得られた無機充填材を水で洗浄する。この洗浄は、上記無機充填材を水に分散させ、この分散液をろ過することによって行うことができるが、洗浄後の水(ろ液)のpHが8〜10となるまで洗浄を繰り返し行うのが好ましい。これにより、後述する工程において、無機充填材にアミノ基含有シランカップリング剤を無駄なく反応させることができるものである。
特に、臨界流体として、アルカリ金属の水酸化物の水溶液を用いる場合には、亜臨界流体分解工程後に回収された炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維等の無機充填材の粉体混合物には、アルカリ金属の水酸化物が付着していることから、そのままの状態で水に分散させて、後述のようにアミノ基含有シランカップリング剤を供給すると、アルカリ金属の水酸化物とアミノ基含有シランカップリング剤とが反応を起こし、無機充填材の表面を十分に処理することができなくなるおそれがあることから、かかる場合には、上述のような洗浄工程は必要不可欠な工程となる。
なお、上記のような粉砕・洗浄工程については、各工程の順序自体は重要ではなく、粉砕の前に洗浄を行っても粉砕の後に洗浄を行ってもいずれでもよい。
[3.洗浄後の無機充填材をアミノ基含有シランカップリング剤で処理する工程]
次に、上記のような粉砕・洗浄工程後に得られた無機充填材をアミノ基含有シランカップリング剤で処理する。ここで、アミノ基含有シランカップリング剤としては、アミノ基を含有するアミノシラン系のものであれば特に限定されるものではないが、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシランやN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等を用いることができる。中でも、マテリアルリサイクル時における樹脂粘度の上昇を防止する効果を一層高く得ることができるため、3−アミノプロピルトリメトキシシランを用いるのが好ましい。
アミノ基含有シランカップリング剤による処理としては、例えば、アミノ基含有シランカップリング剤を適宜の濃度で溶解させた水溶液中に無機充填材を分散させ、この分散液を撹拌することによって行ってもよいし、また、アミノ基含有シランカップリング剤の水溶液を無機充填材にスプレー噴霧して行うようにしてもよい。また、上述した無機充填材の粉砕・洗浄工程において最初に洗浄を行った後、粉砕の際にアミノ基含有シランカップリング剤の水溶液を用いた湿式粉砕を行うようにしてもよい。
なお、アミノ基含有シランカップリング剤としては、pHが8〜10の領域で安定して存在するものを用いるのが好ましい。pHが8より低い場合、特に酸性領域において安定して存在するものを用いる場合には、このようなアミノ基含有シランカップリング剤を水溶液中に安定的に存在させるために酢酸等の酸を溶解させる必要があり、これにより無機充填材中の炭酸カルシウム等がそれらの酸と反応を起こし、炭酸カルシウム等として回収することができなくなってしまうおそれがある。pHが10より高い場合には、シートモールディングコンパウンド(SMC)樹脂に離型剤を含有する際に、この離型剤と反応して樹脂の粘度が上昇するおそれがある。
[4.アミノ基含有シランカップリング剤で処理した無機充填材を乾燥し、SMC用無機充填材を得る工程]
最後に、上記のようにしてアミノ基含有シランカップリング剤の水溶液で処理した無機充填材から水分を蒸発させることによって、上記無機充填材を乾燥させて、アミノ基含有シランカップリング剤を無機充填材の表面に定着させる。このとき乾燥方法としては、例えば、乾燥の対象となる無機充填材を乾燥機に放置する方法である熱風乾燥法を使用することができる。
乾燥温度はアミノ基含有シランカップリング剤の沸点以下にしなければならないことはいうまでもないが、あまりに高い温度で乾燥を行うとアミノ基含有シランカップリング剤が分解等を起こして無機充填材に良好に定着しないので、乾燥は150℃以下で行うのが好ましい。なお、乾燥温度の実質上の下限は100℃である。
そして、乾燥した無機充填材を粉砕し、分級することによって、シートモールディングコンパウンド(SMC)用無機充填材を得ることができる。
ここで、上記の乾燥工程においては、熱風乾燥法に代えて、スプレードライ法を使用してもよい。スプレードライ法とは、スプレー状に噴霧した無機物の分散液の液滴に熱風を接触させ、液滴中の水分を瞬間的に蒸発気化し、液滴中の固形分を短時間に粉体状に乾燥・回収する方法をいうが、本発明では、上述した分解物から回収された無機充填材をアミノ基含有シランカップリング剤の水溶液等の溶液に分散させると共に、この分散液を上記のようなスプレードライ法で乾燥させることができる。このような方法で乾燥を行えば、分散液からSMC用無機充填材を直接得ることができ、上述したような乾燥後の粉砕・分級を行う必要がなくなり、SMC用無機充填材の再生効率を高めることができるものである。なお、スプレードライ法を行うにあたって、乾燥風量や噴霧圧力は適宜調整することができる。
[5.SMC用無機充填材を用いてSMCを作製する工程]
そして、SMCを作製するにあたっては、以上の一連の工程を経て再生したSMC用無機充填材を不飽和ポリエステル樹脂等のプラスチックに配合し、さらに必要に応じて増粘剤やスチレン等を配合した後、このプラスチック(SMC樹脂)をガラス繊維に含浸させるものであるが、上記のようにプラスチックに配合する充填材として、本発明のようなSMC用無機充填材を使用すると、マテリアルリサイクル時の樹脂の粘度上昇を防止することができるものである。従来の方法で再生された無機充填材は、マテリアルリサイクル時において樹脂の粘度を上昇させるため、多量に使用することが不可能であったが、本発明のようなSMC用無機充填材であれば、従来よりも多量に再利用することができ、リサイクル社会に向けた資源の有効利用の促進に貢献することができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
以下の実施例1〜5及び比較例1〜3においては、亜臨界水分解の対象となる無機充填材含有プラスチックとして、FRP(松下電工(株)製「FRPバスタブ」、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム及びガラス繊維含有品)を用いた。ただし、本発明は以下の実施例1〜4に限定されるものではない。
(実施例1、2)
粗粉砕したFRPを600g、濃度1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を2400g、圧力容器に投入し、ヒーターでこの圧力容器の槽内の水を230℃の温度に加熱すると共に2.7MPaに加圧して、槽内の水を亜臨界状態(臨界点(臨界温度374℃、臨界圧力22.1MPa)以下の状態)にした。
その後、2時間放置してFRPの分解を行った後、室温まで冷却することによってFRPの分解液を得た。この分解液は、樹脂成分のモノマー又はオリゴマーと、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維からなる無機物の混合物であった。
次に、120φmmポットミルに、上記のようにして分解したFRP分解液を250g、5mmボールを400g入れ、200rpmにて4時間、無機物の粉砕を行った。
次に、フィルタープレスろ過機によって、樹脂成分のモノマー又はオリゴマーと、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維からなる無機物とを分離した。その後、この無機物を再度水に分散させてフィルタープレスろ過機にてろ過を行うことにより、無機物の洗浄作業を数回行い、ろ液のpHが10以下になった状態(pH9.55)で無機物を回収した。
次に、回収した無機物を、アミノ基含有シランカップリング剤である3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−903」)の10質量%水溶液に分散させ、この分散液を2時間放置して、無機物のカップリング処理を行った。
次に、上記分散液からカップリング処理した無機物をろ過によって回収し、回収した無機物を130℃の乾燥機に2時間放置して熱風乾燥法にて乾燥を行った後、粉砕、分級を行うことにより、回収無機充填材を得た。
最後に、上記の回収無機充填材及び炭酸カルシウム(日東粉化(株)製「SS−80」)をSMC用無機充填材として用いてSMC樹脂を作製した。SMC樹脂を作製するにあたっては、SMC用無機充填材のほか、不飽和ポリエステル樹脂(ジャパンコンポジット(株)製「ポリホープSD−4200」)、増粘剤(酸化マグネシウムである協和化学工業(株)製「キョーワマグ40」)、スチレンを原材料として用いた。各配合量を下記[表1]に示す。
(実施例3)
実施例1、2と同様に、FRPの粉砕、亜臨界水分解処理、分離、洗浄、カップリング処理作業を行った後、熱風乾燥法に代えて、スプレードライ乾燥機を用いて分散液の乾燥を行うことによって、回収無機充填材を得た。なお、スプレードライ乾燥機としては、柴田科学(株)製「ミニスプレードライヤーB−290」を用い、運転条件は、乾燥温度:130℃、乾燥風量:0.49m/min、噴霧圧力:68.6kPa(0.7kg/cm)に設定した。
その後、上記のようにして得た回収無機充填材を用いて、実施例1、2と同様にSMC樹脂を作製した。各原材料の配合量を下記[表1]に示す。
(実施例4)
実施例1、2と同様に、FRPの粉砕、亜臨界水分解処理、分離、洗浄作業を行った後、3−アミノプロピルトリメトキシシランに代えて、アミノ基含有シランカップリング剤であるN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−603」)の10質量%水溶液に、回収した無機物を分散させ、この分散液を2時間放置して、無機物のカップリング処理を行った。
次に、上記分散液からカップリング処理した無機物をろ過によって回収し、回収した無機物を130℃の乾燥機に2時間放置して熱風乾燥法にて乾燥を行った後、粉砕、分級を行うことにより、回収無機充填材を得た。
最後に、上記のようにして得た回収無機充填材を用いて、実施例1、2と同様にSMC樹脂を作製した。各原材料の配合量を下記[表1]に示す。
(実施例5)
実施例1、2と同様に、FRPの粉砕、亜臨界水分解処理、分離、洗浄、カップリング処理作業を行った後、分散液からカップリング処理した無機物をろ過によって回収し、回収した無機物を200℃の乾燥機に2時間放置して熱風乾燥法にて乾燥を行った後、粉砕、分級を行うことにより、回収無機充填材を得た。
その後、上記のようにして得た回収無機充填材を用いて、実施例1、2と同様にSMC樹脂を作製した。各原材料の配合量を下記[表1]に示す。
(比較例1、2)
カップリング処理を行わないようにした以外は、実施例1、2と同様に、FRPの粉砕、亜臨界水分解処理、分離、洗浄作業を行うことによって、回収無機充填材を得た。 その後、上記のようにして得た回収無機充填材を用いて、実施例1、2と同様にSMC樹脂を作製した。各原材料の配合量を下記[表2]に示す。
(比較例3)
実施例1、2と同様に、FRPの粉砕、亜臨界水分解処理、分離、洗浄作業を行った後、3−アミノプロピルトリメトキシシランに代えて、アミノ基を含有しない3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−503」)の10質量%水溶液(酢酸でpHを約5に調整)に、回収した無機物を分散させ、この分散液を2時間放置して、無機物のカップリング処理を行った。
次に、上記分散液からカップリング処理した無機物をろ過によって回収し、回収した無機物を130℃の乾燥機に2時間放置して熱風乾燥法にて乾燥を行った後、粉砕、分級を行うことにより、回収無機充填材を得た。
その後、上記のようにして得た回収無機充填材を用いて、実施例1、2と同様にSMC樹脂を作製した。各原材料の配合量を下記[表2]に示す。
(SMC樹脂粘度)
SMC樹脂の粘度については、B型粘度計(東機産業(株)製「BL型」)を用いて計測を行った。具体的には、上記のようにして得た回収無機充填材を用いてSMC樹脂を作製してから5分経過後と20分経過後の樹脂粘度をNo.4ローターを用いて6rpmの条件下で計測した。実施例1〜5及び比較例1〜3についての結果を下記[表1][表2]に示す。
Figure 2006231641
Figure 2006231641
上記[表1][表2]にみられるように、比較例1〜3に比べて、実施例1〜5において得られた回収無機充填材を使用すればSMC樹脂の粘度上昇を防止することができることが確認された。
特に、実施例3においては、他の実施例では必要であった乾燥後の粉砕、分級を行うことなく、他の実施例と同等の回収無機充填材を得ることができることが確認された。
さらに、実施例1と実施例4とを対比すると、アミノ基含有シランカップリング剤としては、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシランを用いるよりも、3−アミノプロピルトリメトキシシランを用いた方が、一層効果的にSMC樹脂の粘度上昇を防止することができることが確認された。
一方、比較例1〜3において得られた回収無機充填材ではSMC樹脂の粘度上昇を防止することができないことが確認された。

Claims (7)

  1. 無機充填材含有プラスチックを亜臨界水で分解して得られた分解物から回収された無機充填材であって、かつ、この無機充填材をアミノ基含有シランカップリング剤で処理して成ることを特徴とするシートモールディングコンパウンド用無機充填材。
  2. アミノ基含有シランカップリング剤で処理した後に150℃以下の温度で乾燥処理して成ることを特徴とする請求項1に記載のシートモールディングコンパウンド用無機充填材。
  3. アミノ基含有シランカップリング剤が3−アミノプロピルトリメトキシシランであることを特徴とする請求項1又は2に記載のシートモールディングコンパウンド用無機充填材。
  4. 分解物から回収された無機充填材をアミノ基含有シランカップリング剤の溶液に分散させると共に、この分散液をスプレードライ法で乾燥して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシートモールディングコンパウンド用無機充填材。
  5. 分解物から回収された無機充填材をアミノ基含有シランカップリング剤で処理する前に水で洗浄し、この洗浄後の水のpHが8〜10であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシートモールディングコンパウンド用無機充填材。
  6. 分解物から回収された無機充填材が、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びガラス繊維からなるものを粉砕して得られた粉体混合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシートモールディングコンパウンド用無機充填材。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のシートモールディングコンパウンド用無機充填材を配合したプラスチックをガラス繊維に含浸させて成ることを特徴とするシートモールディングコンパウンド。
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