JP2006231108A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

排気ガス浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006231108A
JP2006231108A JP2005045504A JP2005045504A JP2006231108A JP 2006231108 A JP2006231108 A JP 2006231108A JP 2005045504 A JP2005045504 A JP 2005045504A JP 2005045504 A JP2005045504 A JP 2005045504A JP 2006231108 A JP2006231108 A JP 2006231108A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
noble metal
catalyst
layer
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005045504A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Hyodo
義彦 兵道
Naohisa Watanabe
尚央 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005045504A priority Critical patent/JP2006231108A/ja
Publication of JP2006231108A publication Critical patent/JP2006231108A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

【課題】 高価な貴金属の使用量を増やすことなく、触媒の低温活性を高めた排気ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】 内燃機関の排気ガス通路に配設され、排気ガスの流れ方向に沿って上流側触媒と下流側触媒とを備えるとともに、これら各触媒は基材層上に貴金属を担持した担体粒子を有するコート層を具備する排気ガス浄化装置において、上流側触媒の容積は下流側触媒の容積より小さく、上流側触媒の担体粒子の平均粒径は下流側触媒の担体粒子の平均粒径より小さくする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関の排気ガス浄化装置に関する。
一般に、内燃機関の排気ガス浄化装置は、例えばコージェライトからなるモノリス状の耐熱性担体基材層の表面に、白金等の触媒貴金属を担持した、アルミナ等の耐熱性無機酸化物からなる多孔質の担体を支持する構造を有している。かかる排気ガス浄化装置は、排気ガス中に含まれる有害な一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)を酸化して無害な二酸化炭素(CO)と水(HO)に変換すると同時に、窒素酸化物(NOx)を還元して無害な窒素(N)に変換し得るため、三元触媒とも呼ばれている。
触媒の浄化率は、温度が高いほど高められる。換言すれば、温度の低いエンジン始動直後から暖機中は触媒の浄化率は低下する。
通常の運転中においても発生する排気ガスの温度は、内燃機関の運転状況によって変化し、また、一般には排気ガス浄化装置の流れ方向に沿って、下流側になるほど排気ガスの温度は低下する。一方、触媒の排気ガス流れ方向に直交する面を基準に考えた場合、触媒に入るガスは管壁で冷やされ、また外套から外部への放熱も相俟って周辺部の温度が低くなる。
これらの条件に対応して、排気ガスの浄化を最適化すべく、特許文献1には、浄化装置の上流側に第一の触媒層、下流側に第二の触媒層を設け、これら第一、第二の触媒層間で貴金属の成分、及び量を変えて触媒浄化能を高めるシステムが開示されている。又、特許文献2では、上流側から下流側に向かって、貴金属と遷移金属酸化物の担持量の勾配を設けることにより、触媒浄化能を高める構成が開示されている。さらに特許文献3では、上流側触媒と下流側触媒との貴金属コート比を 1<前側/後側≦3 とすることにより、触媒浄化能を挙げる方法が開示されている。又、特許文献4では、触媒中央部の担持密度を上げて触媒暖機性を向上させる構成が開示されている。
特開2004−283692号公報 特開平9−122443号公報 特開2003−245523号公報 特開2004−275883号公報
しかし、上記各特許文献に開示されている構成では、いずれも触媒浄化能を向上するために、貴金属の担持量(体積密度)を増加する方法をとっているため、コストの高い貴金属使用量が増加するという問題があった。
そこで本発明は、高価な貴金属の使用量を増やすことなく、触媒の低温活性を高めた排気ガス浄化装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の方法をとる。すなわち、請求項1に記載の発明は、内燃機関の排気ガス通路に配設され、排気ガスの流れ方向に沿って上流側触媒と下流側触媒とを備えるとともに、これら各触媒は基材層上に貴金属を担持した担体粒子を有するコート層を具備する排気ガス浄化装置であって、上流側触媒の容積は下流側触媒の容積より小さく、上流側触媒の担体粒子の平均粒径は下流側触媒の担体粒子の平均粒径より小さいことを特徴とする排気ガス浄化装置により前記課題を解決しようとするものである。
ここに「平均粒径」とは、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した平均粒径をいう。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の排気ガス浄化装置において、上流側触媒の体積あたりの貴金属量は、下流側触媒の体積あたりの貴金属量と同一であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の排気ガス浄化装置において、貴金属を予め担体粒子に担持し、該担体粒子を基材層上にコートしてコート層を形成したものであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の排気ガス浄化装置において、上流側触媒は担体粒子を基材層上にコートしてコート層を形成した後に該コート層に貴金属を担持して形成したものであるとともに、下流側触媒は貴金属を予め担体粒子に担持し、該担体粒子を基材層上にコートしてコート層を形成したものであり、上流側触媒の体積あたりの貴金属量は下流側触媒の体積あたりの貴金属量より小さいことを特徴とする。
また、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、排気ガス浄化装置の搭載位置を車両の床下にしてもよい。請求項4の構成によれば、触媒の低温活性を向上できるので、浄化装置をエキゾーストマニホールドの近傍に配置できない場合であっても、排気ガスを清浄なものに保つことができる。
請求項5に記載の発明は、内燃機関の排気ガス通路に配設され基材層上に貴金属を担持した担体粒子を有するコート層を具備する排気ガス浄化装置であって、排気ガスの流れ方向に直交する面に関して周辺部においては担体粒子に貴金属がコート層の表層部のみに担持されるとともに、周辺部以外の部位においては担体粒子に貴金属がコート層の全体に均一に担持されていることを特徴とする排気ガス浄化装置により前記課題を解決しようとするものである。
また、請求項5に記載の発明において、担体粒子に貴金属がコート層の表層部のみに担持される周辺部の厚さは10mm未満であることが好ましい。
また、請求項5に記載の発明において、周辺部においては担体粒子により基材層上コート層を形成してから表面層に貴金属を担持させ、周辺部以外の部位においては、予め貴金属を担持した担体粒子を基材層上にコーティングして、コート層を形成することが好ましい。
請求項6に記載の発明は、内燃機関の排気ガス通路に配設され、基材層上に貴金属を予め担持させた担体粒子をコーティングしてコート層形成した排気ガス浄化装置であって、排気ガスの流れ方向に直交する面に関して、周辺部の担体粒子の平均粒径は中心部の担体粒子の平均粒径よりも小さいことを特徴とする排気ガス浄化装置により前記課題を解決しようとするものである。
請求項6に記載の発明において、担体粒子の粒径が小さい周辺部の厚さは10mm未満であることが好ましい。
請求項1に記載の発明によれば、コート層表面の貴金属担持密度(表面密度)が、上流側が下流側より高くする事が容易となるので、低温からの触媒活性が向上する。また、下流側触媒の容積が上流側触媒の容積より大きいので、下流側触媒において十分な酸素吸蔵能力(以下において「OSC」という。)を確保して、空燃比(以下において「A/F比」という。)が変動しても良好な浄化率を保つことができる。
請求項2に記載の発明によれば、貴金属の担持密度は上流側も下流側も同じであるので、貴金属使用量を抑制することができる。
請求項3に記載の発明によれば、コート層の深さ方向内部まで均一な貴金属担持密度を得ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、上流側の貴金属の表面密度をより高めることができる。このため表面活性はより向上される。また貴金属の表面密度を高めると一般には熱によるシンタリングが起きやすくなるが、上流側の体積当たり担持密度を小さくしているので、シンタリングが防止される。しかして、貴金属の使用量を抑制しつつ低温活性を向上することが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、触媒周辺部の表面担持密度が中心部より高くなるので、低温からの触媒活性が向上し、触媒浄化率が高められる。また、温度が低くなる周辺部に限定して表面担持密度を高くできるので、熱による貴金属のシンタリングを抑制して触媒の劣化を防止することができる。
さらに請求項5に記載の発明において、
(1)触媒周辺部と中心部の貴金属担持密度を同程度とする。
(2)触媒周辺部の貴金属担持密度を中心部より小さくするとともに、コート層表層部の貴金属担持密度は、周辺部を中心部より大とする。
(3)触媒周辺部の貴金属担持密度を中心部より大きくする。
の3態様のいずれもとることが可能である。いずれの態様にても、所定の浄化能を維持しつつ、貴金属使用量を抑制することができる。
請求項6に記載の発明によれば、触媒周辺部の表面担持密度が中心部より高くする事が容易となるので、低温からの触媒活性が向上し、触媒浄化率が高められる。また、中心部から周辺部へと全体にわたってコート層に貴金属が均一に分散されているので、OSCを高めることができ、リン等の触媒被毒に強いという利点がある。
以下に図面を参照しつつ本発明の排気ガス浄化装置について、その最良の実施形態をさらに具体的に説明する。
図1は、一般的なガソリンエンジンに本発明の排気ガス浄化装置を用いた場合の概略を示すシステム図である。通常本システム100は車両に搭載されているものである。図1ではエンジン10の左方に混合気供給部20、右方に排気系が表されている。混合気供給部20において、所定のA/F比に混合された燃料及び空気はエンジン10に供給されて燃焼される。エンジン10の各シリンダーにおいて燃焼して生成された排気ガスは、エキゾーストマニホールド11を介し排気管15にまとめられて、排気ガス浄化装置30へと導かれている。排気ガス浄化装置30にて有害物質が浄化処理された排気は排出管16から大気中に放出される。
混合気供給部20にはスロットル弁21が設けられ、その上流側にはエアフローメーター22が、スロットル弁21の近傍にはスロットルセンサ23が設けられている。これらメーター22、センサ23からの出力信号は、原動機電子制御装置(以下において「ECU」という。)40に送られる。
排気ガス浄化装置30の前後には、A/Fセンサ24、Oセンサ25がそれぞれ設けられ、浄化装置30に導入される排気ガスの空燃比、浄化装置30により浄化された排気の酸素濃度を検知している。
これらA/Fセンサ24、及びOセンサ25による検知信号も、ECU40に送られている。
ECU40は、これらエアフローメーター22、スロットルセンサ23、A/Fセンサ24、及びOセンサ25による検知信号を受けて、さらに必要により他のセンサからの信号を加えて、最適な制御条件を演算してエンジン10の制御を司っている。
図2は、第一実施形態にかかる排気ガス浄化装置31、及び第二実施形態にかかる排気ガス浄化装置32の構成を概略的に示す図である。なお、図2においては両実施形態の排気ガス浄化装置等を便宜上、参照符号30等により表している。図2において、図面左方が排気管15、すなわち排気ガス流れ方向上流側、図面右方が排出管16、すなわち排気ガス流れ方向の下流側である。図示の排気ガス浄化装置30は、上流側から下流側へと貫通する多数のセルc1、c2、c3、…を備えている。一方、排気ガス浄化装置30は、上流側は上流側触媒30A、下流側は下流側触媒30Bとされており、両者は異なる触媒構成を有するとともに、一体に形成されている。いま、上流側触媒30Aの各セルにおける担体の平均粒径をQfとする。一方、下流側触媒30Bの各セルにおける担体の平均粒径をQrとする。
第一実施形態の排気ガス浄化装置31、及び第二実施形態の排気ガス浄化装置32においては、これらQf、及びQrとの間には、
Qf<Qr
なる関係が成立する。
触媒の浄化率Sは、反応速度Rとガス濃度Cとの積
R×C
によりおよそ決まる。ここに活性点数をN、活性化エネルギーをE、触媒温度をTとするとき、
S=R×C=C・N・exp(−E/T)
である。すなわち同じ温度であれば、
(1)活性点数Nを多くする。
(2)活性点近傍のガス濃度を高める。
(3)反応により発生する熱を活性点の近傍に集中する。
等の手段をとれば、触媒の温度を早く上昇させることができるので、さらに浄化率が高められるという相乗効果が期待できる。
以下に説明する、第一実施形態の排気ガス浄化装置31、及び第二実施形態の排気ガス浄化装置32においては、上流側の担体の平均粒径を小さくしているため、上記(1)〜(3)の条件を同時に満たすことが可能である。粒径を小さくすることにより、活性点とガス通路間のガス拡散距離を短くして、ガス濃度を濃くすることができる。そして、ガス濃度が高い部分の活性点密度を高くできる。したがって低い温度でも触媒反応量を多くとることができる。また、活性点のある触媒反応が起こる領域の容積を小さくすることができるので、活性点の近傍の温度上昇を早めることが可能となる。かくして暖機中の触媒浄化率を高くすることができる。
さらに、第一実施形態の排気ガス浄化装置31、及び第二実施形態の排気ガス浄化装置32において、上流側触媒30Aの容積をVf、下流側触媒30Bの容積をVrとすると、
Vf<Vr
なる関係が成立する。すなわち下流側触媒30Bの容積Vrは、上流側触媒30Aの容積Vfより大である。
担体の平均粒径を上記のように小さくした場合、OSCを有するセリア等をコート材に十分に担持することができなくなる。このため、触媒暖機後においても、排気ガスのA/F比の変動が大きい場合、十分な浄化が行われないことがある。これを改善するため、第一実施形態の排気ガス浄化装置31、及び第二実施形態の排気ガス浄化装置32では、触媒の上流側の容積を半分以下にしている。このようにすることで、下流側触媒にて十分なOSCを確保することができ、A/F比が変動しても、良好な浄化率を保持することができる。
図3は、第一実施形態にかかる排気ガス浄化装置31の(A)は上流側触媒31Aの基材層51上にコート形成されたコート層52の、(B)は下流側触媒31Bの基材層61上にコート形成されたコート層62の、厚さ方向断面を模式的に示す図である。それぞれの図において、排気ガス通路はコート層52、62の上方に図面左側から右方向へと向かっている。
図3(A)に示される上流側触媒31Aでは、基材層51上に、平均粒径の小さな担体A1、及び貴金属からなるコート層52が形成されている。担体A1には予め貴金属が含浸担持されており、その貴金属を担持した担体A1が基材層51上にコーティングされてコート層52が形成されている。したがってコート層52の表層部53から内部の基材層51に近接する部位に至るまで、深さ方向に貴金属が均一に分散されている。
図3(B)に示される下流側触媒31Bでは、基材層61上に、平均粒径の大きな担体B1、及び貴金属からなるコート層62が形成されている。下流側触媒31Bにおいても、担体B1には予め貴金属が含浸担持されており、その貴金属を担持した担体B1が基材層61上にコーティングされてコート層62が形成されている。したがって下流側触媒31Bにおいても、コート層62の表層部63から内部の基材層61に近接する部位に至るまで、深さ方向に貴金属が均一に分散されている。
図4は、第一実施形態にかかる排気ガス浄化装置31の触媒の製造工程を模式的に示す図である。平均粒径小である担体粉末A1に貴金属を含浸担持させて上流側基材層51にコーティングする。一方、平均粒径大である担体粉末B1に貴金属を含浸担持させ、下流側基材層61にコーティングする。かかる基材を焼成することにより、第一実施形態にかかる排気ガス浄化装置31の触媒を得ることができる。
上記のように構成された第一実施形態にかかる排気ガス浄化装置31は、容積の小さな上流側触媒31Aに平均粒径の小さな担体に均一に貴金属が分散され、容積の大きな下流側触媒31Bに平均粒径の大きな担体に均一に貴金属が分散されている。したがって、コート層表面の貴金属担持密度(表面密度)を、上流側を下流側より高くできるので、低温からの触媒活性が向上する。また、下流側触媒の容積が上流側触媒の容積より大きいので、下流側触媒において十分なOSCを確保して、A/F比が変動しても良好な浄化率を保つことができる。また、貴金属の担持密度を、上流側と下流側とを同じにすることによって、貴金属使用量を抑制することができる。また、担体に予め貴金属が含浸担持されたものを基材層上にコーティングするので、コート層内部まで均一な貴金属担持密度を得ることができる。
図5は第二実施形態にかかる排気ガス浄化装置32の(A)は上流側触媒32Aの基材層71上にコート形成されたコート層72の、(B)は下流側触媒32Bの基材層81上にコート形成されたコート層82の厚さ方向断面を模式的に示す図である。それぞれの図において、排気ガス通路はコート層72、82の上方に図面左側から右方向へと向かっている。
図5(A)に示される上流側触媒32Aでは、基材層71上に、平均粒径の小さな担体A2、及び貴金属からなるコート層72が形成されている。担体A2は、基材層71上にコートされ、かかるコート層が形成されてから貴金属が含浸担持されてコート層72が形成されている。したがってコート層72の表層部73は、内部の基材層71に近接する部位に比較して、貴金属の分散密度が高められている。
図5(B)に示される下流側触媒32Bでは、基材層81上に、平均粒径の大きな担体B2、及び貴金属からなるコート層82が形成されている。下流側触媒32Bにおいては、担体B2には予め貴金属が含浸担持されており、その貴金属を担持した担体B2が基材層81上にコーティングされてコート層82が形成されている。したがって下流側触媒32Bにおいては、コート層82の表層部83から内部の基材層81に近接する部位に至るまで、深さ方向に貴金属が均一に分散されている。本実施形態にかかる排気ガス浄化装置32においては、上流側触媒32Aの体積あたりの貴金属量は下流側触媒32Bの体積あたりの貴金属量より小さく設定されている。
図6は、第二実施形態にかかる排気ガス浄化装置32の触媒の製造工程を模式的に示す図である。平均粒径小である担体粉末A2は貴金属を含浸担持させずに上流側基材層71にコーティングする。一方、平均粒径大である担体粉末B2に貴金属を含浸担持させ、下流側基材層81にコーティングする。かかる基材の下流側のすでに貴金属を担持させた部位をマスクした後、貴金属を含浸担持させる。これにより、上流側のコート層72の表層部73のみに貴金属が担持される。このように処理を行った基材を焼成することにより、第二実施形態にかかる排気ガス浄化装置32の触媒を得ることができる。
上記のように構成された第二実施形態にかかる排気ガス浄化装置32は、容積の小さな上流側触媒31Aに平均粒径の小さな担体がコートされ、かつこのコート層の表層側に貴金属が高密度に分散され、容積の大きな下流側触媒31Bに平均粒径の大きな担体に均一に貴金属が分散されている。したがって、コート層表面の貴金属担持密度(表面密度)が、上流側が下流側より高くなるので、低温からの触媒活性が向上する。また、下流側触媒の容積が上流側触媒の容積より大きいので、下流側触媒において十分なOSCを確保して、A/F比が変動しても良好な浄化率を保つことができる。さらに上流側の貴金属の表面密度を高められているので、表面活性はより向上される。また貴金属の表面密度を高めると一般には熱によるシンタリングが起きやすくなるが、上流側の体積当たり担持密度を小さくすることにより、シンタリングが防止される。しかして、貴金属の使用量を抑制しつつ低温活性を向上することが可能となる。
本実施形態においては、貴金属の担持密度が一定という条件の中で、表層の貴金属担持密度をもっとも高くすることができる。したがって、低温活性が高くなり、床下に排気ガス浄化装置を搭載しても良好な浄化率を保つことが可能となる。一方、床下に排気ガス浄化装置を配置した場合、高負荷運転時においても冷却されたガスが入るため、触媒が高温にさらされる機会が少なくなる。もって、車両の耐用年数の期間にわたって良好な浄化率を保つことが可能になる。
図7は、第三実施形態にかかる排気ガス浄化装置33、及び第四実施形態にかかる排気ガス浄化装置34の構成を概略的に示す図である。なお、図7においては両実施形態の排気ガス浄化装置等を便宜上、参照符号300等により表している。図7において、図面左方が排気管15、すなわち排気ガス流れ方向上流側、図面右方が排出管16、すなわち排気ガス流れ方向の下流側である。図示の排気ガス浄化装置300は、上流側から下流側へと貫通する多数のセルc1、c2、c3、…を備えている。一方、排気ガス浄化装置300は、排気ガスの流れ方向に直交する面方向に関し、中心部は中心部触媒300A、周辺部は周辺部触媒300Bとされており、両者は異なる触媒構成を有するとともに、一体に形成されている。
図8は第三実施形態にかかる排気ガス浄化装置33の(A)は中心部触媒33Aの基材層151上にコート形成されたコート層152の、(B)は周辺部触媒33Bの基材層161上にコート形成されたコート層162の厚さ方向断面を模式的に示す図である。それぞれの図において、排気ガス通路はコート層152、162の上方に図面左側から右方向へと向かっている。
図8(A)に示される中心部触媒33Aでは、基材層151上に、所定の平均粒径を有する担体A3、及び貴金属からなるコート層152が形成されている。担体A3には予め貴金属が含浸担持されており、その貴金属を担持した担体A3が基材層151上にコーティングされてコート層152が形成されている。したがってコート層152の表層部153から内部の基材層151に近接する部位に至るまで、深さ方向に貴金属が均一に分散されている。
図8(B)に示される周辺部触媒33Bでは、基材層161上に、中心部触媒33Aと同程度の平均粒径を有する担体B3、及び貴金属からなるコート層162が形成されている。周辺部触媒33Bにおいては、担体B3は、基材層161上にコートされ、かかるコート層が形成されてから貴金属が含浸担持されてコート層162が形成されている。したがってコート層162の表層部163は、内部の基材層161に近接する部位に比較して、貴金属の分散密度が高められている。
図9は、第三実施形態にかかる排気ガス浄化装置33の触媒の製造工程を模式的に示す図である。担体粉末A3に貴金属を含浸担持させて中心部の基材層151にコーティングする。一方、担体粉末B3は貴金属を含浸担持させずに周辺部の基材層161にコーティングする。かかる基材の中心部のすでに貴金属を担持させた部位をマスクした後、貴金属を含浸担持させる。これにより、周辺部のコート層162の表層部163のみに貴金属が担持される。このように処理を行った基材を焼成することにより、第三実施形態にかかる排気ガス浄化装置33の触媒を得ることができる。
上記のように構成された第三実施形態にかかる排気ガス浄化装置33は、ガスの流れに直交する面の中央部では担体に貴金属が均一に分散配置されており、周辺部においては担体コート層の表層部の貴金属密度が高く形成されている。したがって、触媒周辺部の表面担持密度が中心部より高くなるので、低温からの触媒活性が向上し、触媒浄化率が高められる。また、温度が低くなる周辺部に限定して表面担持密度を高くできるので、熱による貴金属のシンタリングを抑制して触媒の劣化を防止することができる。
周辺部触媒は、貴金属をコート層の表面部に担持することで、中心部のように立体的に担持した場合に比べ表面の貴金属量が多くなる。このため触媒の活性点の数Nが多くなる。また、表面のガス濃度は、ガス通路からの拡散距離に反比例するので、ガス濃度Cも濃くなる。
前記のように、触媒の浄化率Sは、反応速度Rとガス濃度Cとの積
R×C
によりおよそ決まる。ここに活性点数をN、活性化エネルギーをE、触媒温度をTとするとき、
S=R×C=C・N・exp(−E/T)
である。すなわち同じ温度であれば、活性点数Nとガス濃度Cの高い、本実施形態にかかる排気ガス浄化装置33の浄化率が高くなる。さらに、反応が起きると反応熱が表層に集中して発生するため、触媒の温度が速く上昇し、さらに浄化率の向上を図ることができる。
図10は、第四実施形態にかかる排気ガス浄化装置34の(A)は中心部触媒34Aの基材層171上にコート形成されたコート層172の、(B)は周辺部触媒34Bの基材層181上にコート形成されたコート層182の厚さ方向断面を模式的に示す図である。それぞれの図において、排気ガス通路はコート層172、182の上方に図面左側から右方向へと向かっている。
図10(A)に示される中心部触媒34Aでは、基材層171上に、平均粒径の大きな担体A4、及び貴金属からなるコート層172が形成されている。担体A4には予め貴金属が含浸担持されており、その貴金属を担持した担体A4が基材層171上にコーティングされてコート層172が形成されている。したがってコート層172の表層部173から内部の基材層171に近接する部位に至るまで、深さ方向に貴金属が均一に分散されている。
図10(B)に示される周辺部触媒34Bでは、基材層181上に、平均粒径の小さな担体B4、及び貴金属からなるコート層182が形成されている。周辺部触媒34Bにおいては、担体B4には予め、貴金属が含浸担持されており、その貴金属を担持した担体B4が基材層181上にコーティングされてコート層182が形成されている。したがってコート層182の表層部183から内部の基材層181に近接する部位に至るまで、深さ方向に貴金属が均一に分散されている。
図11は、第四実施形態にかかる排気ガス浄化装置34の触媒の製造工程を模式的に示す図である。平均粒径大である担体粉末A4に貴金属を含浸担持させて中心部基材層171にコーティングする。一方、平均粒径小である担体粉末B4に貴金属を含浸担持させ、周辺部基材層181にコーティングする。かかる基材を焼成することにより、第四実施形態にかかる排気ガス浄化装置34の触媒を得ることができる。
上記のように構成された第四実施形態にかかる排気ガス浄化装置34は、ガスの流れに直交する面の中央部では平均粒径の大きな担体に貴金属が均一に分散配置されており、周辺部においては平均粒径の小さな担体に貴金属が均一に分散配置されている。したがって、中心部から周辺部へと全体にわたってコート層に貴金属が均一に分散されているので、OSCを高めることができ、リン等の触媒被毒に強いという利点がある。また周辺部のセル開口面積を大きくできるので、圧力損失を低減することができる。
第三実施形態にかかる排気ガス浄化装置33において貴金属がコート層の表面部のみに担持されている周辺部の厚さ、及び第四実施形態にかかる排気ガス浄化装置34において、担体粒子の粒径が小さい周辺部の厚さは10mm未満であることが好ましい。表面の貴金属密度(面密度)を上げると、貴金属のシンタリングが増加することが知られている。図1に示すとおり、排気ガス浄化装置30の周辺部の温度は低くなる。放熱があるためと、エンジン10側から流入する排気ガスの温度は、周辺部が低いためである。このため、シンタリングが抑制され、触媒の劣化が抑止される。この温度の低い部分の厚さが10mm程度であるため、担体粒子の粒径が小さい周辺部の厚さは10mm未満であることが好ましいのである。
本発明の排気ガス浄化装置において、貴金属の種類は特に限定されるものではないが、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、及びパラジウム(Pd)のうちのいずれか、又はこれらを組み合わせて使用することができる。これらの中でも、Pt、及び/又はRhを好ましく使用することができる。
また、本発明の排気ガス浄化装置において、担体の種類は特に限定されるものではないが、多孔質で表面積の大きな材料、例えばセリア/アルミナ、あるいはジルコニア等を好適に使用することができる。
本発明において、下流側触媒31B、32B、及び中心部触媒34Aの担体粒子径はそれぞれ上流側触媒31A、32A、及び周辺部触媒34Bの担体粒子径の2倍以上であることが好ましい。かかる粒子径比を取ることにより、本発明の排気ガス浄化装置31、32、34の浄化能をより高めることができる。
一般的なガソリンエンジンに本発明の排気ガス浄化装置を用いた場合の概略を示すシステム図である。 第一実施形態、及び第二実施形態にかかる排気ガス浄化装置の構成を概略的に示す図である。 第一実施形態にかかる排気ガス浄化装置の(A)は上流側触媒の、(B)は下流側触媒の基材層上にコート形成されたコート層の厚さ方向断面を模式的に示す図である。 第一実施形態にかかる排気ガス浄化装置触媒の製造工程を模式的に示す図である。 第二実施形態にかかる排気ガス浄化装置の(A)は上流側触媒の、(B)は下流側触媒の基材層上にコート形成されたコート層の厚さ方向断面を模式的に示す図である。 第二実施形態にかかる排気ガス浄化装置触媒の製造工程を模式的に示す図である。 第三実施形態及び第四実施形態にかかる排気ガス浄化装置の構成を概略的に示す図である。 第三実施形態にかかる排気ガス浄化装置の(A)は中心部触媒の、(B)は周辺部触媒の基材層上にコート形成されたコート層の厚さ方向断面を模式的に示す図である。 第三実施形態にかかる排気ガス浄化装置触媒の製造工程を模式的に示す図である。 第四実施形態にかかる排気ガス浄化装置の(A)は中心部触媒の、(B)は周辺部触媒の基材層上にコート形成されたコート層の厚さ方向断面を模式的に示す図である。 第四実施形態にかかる排気ガス浄化装置触媒の製造工程を模式的に示す図である。
符号の説明
c1、c2、c3、… セル
10 エンジン
11 エキゾーストマニホールド
15 排気管
16 排出管
20 混合気供給部
21 スロットル弁
22 エアフローメーター
23 スロットルセンサ
24 A/Fセンサ
25 O2センサ
30、31、32、33、34、300 排気ガス浄化装置
30A、31A、32A 上流側触媒
30B、31B、32B 下流側触媒
300A、33A、34A 中心部触媒
300B、33B、34B 周辺部触媒
40 ECU
51、61、71、81、151、161、171、181 基材層
52、62、72、82、152、162、172、182 コート層
53、63、73、83、153、163、173、183 表層部

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気ガス通路に配設され、前記排気ガスの流れ方向に沿って上流側触媒と下流側触媒とを備えるとともに、これら各触媒は基材層上に貴金属を担持した担体粒子を有するコート層を具備する排気ガス浄化装置であって、
    前記上流側触媒の容積は、前記下流側触媒の容積より小さく、
    前記上流側触媒の担体粒子の平均粒径は、下流側触媒の担体粒子の平均粒径より小さいことを特徴とする排気ガス浄化装置。
  2. 前記上流側触媒の体積あたりの前記貴金属量は、下流側触媒の体積あたりの前記貴金属量と同一であることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
  3. 前記貴金属を予め担体粒子に担持し、該担体粒子を前記基材層上にコートして前記コート層を形成したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化装置。
  4. 前記上流側触媒は、前記担体粒子を前記基材層上にコートして前記コート層を形成した後に該コート層に貴金属を担持して形成したものであるとともに、前記下流側触媒は、前記貴金属を予め担体粒子に担持し、該担体粒子を前記基材層上にコートして前記コート層を形成したものであり、
    前記上流側触媒の体積あたりの前記貴金属量は、下流側触媒の体積あたりの前記貴金属量より小さくしたことをしたことを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
  5. 内燃機関の排気ガス通路に配設され、基材層上に貴金属を担持した担体粒子を有するコート層を具備する排気ガス浄化装置であって、
    前記排気ガスの流れ方向に直交する面に関して、周辺部においては前記担体粒子に貴金属が前記コート層の表層部のみに担持されるとともに、前記周辺部以外の部位においては前記担体粒子に貴金属が前記コート層の全体に均一に担持されていることを特徴とする排気ガス浄化装置。
  6. 内燃機関の排気ガス通路に配設され、基材層上に貴金属を予め担持させた担体粒子をコーティングしてコート層形成した排気ガス浄化装置であって、
    前記排気ガスの流れ方向に直交する面に関して、周辺部の前記担体粒子の平均粒径は、中心部の前記担体粒子の平均粒径よりも小さいことを特徴とする排気ガス浄化装置。
JP2005045504A 2005-02-22 2005-02-22 排気ガス浄化装置 Pending JP2006231108A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005045504A JP2006231108A (ja) 2005-02-22 2005-02-22 排気ガス浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005045504A JP2006231108A (ja) 2005-02-22 2005-02-22 排気ガス浄化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006231108A true JP2006231108A (ja) 2006-09-07

Family

ID=37039337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005045504A Pending JP2006231108A (ja) 2005-02-22 2005-02-22 排気ガス浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006231108A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007330879A (ja) * 2006-06-14 2007-12-27 Cataler Corp 排ガス浄化用触媒
JP2011167631A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Toyota Motor Corp Osc材を含む排ガス浄化用触媒
JP2016123890A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 日産自動車株式会社 ハニカム型モノリス触媒およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007330879A (ja) * 2006-06-14 2007-12-27 Cataler Corp 排ガス浄化用触媒
JP2011167631A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Toyota Motor Corp Osc材を含む排ガス浄化用触媒
JP2016123890A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 日産自動車株式会社 ハニカム型モノリス触媒およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101513120B1 (ko) 발열 생성 촉매를 포함하는 배기 시스템
EP1952884B1 (en) Catalyst for exhaust-gas purification
JP5720949B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
CN105339074B (zh) 三元催化转化器
EP3241614A1 (en) Exhaust gas purification catalyst for internal combustion engine
JP4834041B2 (ja) 排ガス浄化装置
KR101006220B1 (ko) 배기가스 정화용 촉매
JP2017200676A (ja) 内燃機関の排ガス浄化触媒
WO2010001226A1 (en) Layered exhaust gas purification catalyst comprising different noble metals
JP6445228B1 (ja) 排ガス浄化用触媒
CN101111309B (zh) 用于净化废气的催化剂和使用该催化剂的废气净化控制器
US20200340383A1 (en) Exhaust gas purification catalyst
JP2007278100A (ja) 排気ガス浄化装置
US10280822B2 (en) Exhaust gas purifying apparatus
US7767164B2 (en) Catalytic converter apparatus for purifying exhaust gas
JPH07766A (ja) 排ガス浄化装置
JP2006231108A (ja) 排気ガス浄化装置
US20090124494A1 (en) Catalyst For Purifying Exhaust Gases and Exhaust-Gas Purification Controller Using the Same
US8484952B2 (en) Device for purification of exhaust gas
JP2006189027A (ja) 排ガス浄化フィルタ
JP5232258B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2006281118A (ja) メタル触媒担体
JP2006231248A (ja) 排気ガス浄化装置
JP2006231250A (ja) 排気ガス浄化装置
Saito et al. Development of three-way catalyst with advanced coating layer