JP2006229288A - スピーカー用ダンパー及びこれを用いたスピーカー - Google Patents

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Abstract

【課題】 振幅の大きい入力信号がボイスコイルに印加された場合であっても、異音を生じる等の不良が生じにくく、好ましい音声再生が可能な薄型化もしくは小型化されたスピーカーを提供する。
【解決手段】 本発明のスピーカー用ダンパーは、フレームと接合する外周固定部と、ボイスコイルボビンと接合する内周固定部と、外周固定部と内周固定部とを連結する支持アーム部とを備え、支持アーム部が、外周固定部と外周側で連結し、外周固定部が規定する第1平面と同一平面上に位置する第1アーム部と、内周固定部と内周側で連結し、内周固定部が規定する第1平面と異なる第2平面と同一平面上に位置する第2アーム部と、第1アーム部の内周側と第2アーム部の外周側とを連結するアーム連結部と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音響再生のためのスピーカーに用いるダンパー、及びこれを用いたスピーカーに関する。
スピーカーは、特に動電型スピーカーにおいては、振動板及びボイスコイルボビンを含む振動系を所定位置に中心保持し、かつ、良好に振動可能にするために、ダンパーが設けられる。ダンパーは、その内周部がボイスコイルボビンに接合され、その外周部がフレーム又は磁気回路等に接合されて固定され、内周部と外周部とを連結する支持可動部とを備える。ダンパーの支持可動部の形状および材料などについては、様々な検討がなされている。
従来から、スピーカーを備える電気電子機器の小型化に伴い、振動板もしくはフレームの最前部と磁気回路の最後部とで規定されるスピーカー全高が薄い薄型スピーカーもしくは小型スピーカーが要望されている。薄型スピーカーでは、振動系の振動可能範囲が制限されるので、振幅の大きい入力信号がボイスコイルに印加された時に振動系が大きく振動する結果、振動系の一部がフレーム又は磁気回路に当たって異音を生じ易くなるという問題がある。また、エッジを備える振動板を含む振動系では、振動系の薄型化により、エッジとダンパーとの距離が短くなる結果、振動系がローリングして、ダンパーの支持可動部がフレーム又は磁気回路等に接触して異音を生じる等の不良が生じやすくなるという問題がある。
従来には、薄型化もしくは小型化により生じる上記のような問題を、スピーカー用ダンパーの形状、材料等の構成を検討し、解決しようとするものがある。例えば、スピーカー用ダンパーを熱成形した樹脂フィルムにより構成したものがある(特許文献1)。また、例えば、同心円状のコルゲーションを備えたスピーカー用ダンパーにおいて、ダンパーの半径方向のほぼ中間より外側の外側部位を、中間より内側の内側部位よりも段差Dだけ低くするものがある(特許文献2)。
特開平10−51894号公報 (第1図、第2図) 実公平4−27276号公報 (第1図、第2図)
しかしながら、従来技術のスピーカー用ダンパーおよびこれを用いたスピーカーでは、薄型化および小型化の問題と、振動系における異音発生の問題とを、両立させるには不十分な点がある。すなわち、スピーカー全体の再生音質に好ましい影響を与えるように、スピーカー用ダンパーは、振幅の小さい入力信号でもボイスコイルを含む振動系を直線性がよい状態で中心保持し、かつ、振幅の大きい入力信号でも、振動系がフレーム又は磁気回路に接触することのないように支持しなければならない。
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、スピーカー用ダンパー及びこれを用いたスピーカーに関し、振幅の大きい入力信号がボイスコイルに印加された場合であっても、異音を生じる等の不良が生じにくく、好ましい音声再生が可能な薄型化もしくは小型化されたスピーカーを提供することにある。
本発明のスピーカー用ダンパーは、フレームと接合する外周固定部と、ボイスコイルボビンと接合する内周固定部と、外周固定部と内周固定部とを連結する支持アーム部とを備え、支持アーム部が、外周固定部と外周側で連結し、外周固定部が規定する第1平面上に位置する第1アーム部と、内周固定部と内周側で連結し、第1平面と異なる内周固定部が規定する第2平面上に位置する第2アーム部と、第1アーム部の内周側と第2アーム部の外周側とを連結するアーム連結部と、を備える。
好ましくは、本発明のスピーカー用ダンパーは、第1アーム部が、外周固定部を構成する材料と同一の材料から構成され、第2アーム部およびアーム連結部が、内周固定部と同一の材料から構成され、第2アーム部の材料の硬度が、第1アーム部の材料の硬度よりも大きい。
さらに好ましくは、本発明のスピーカー用ダンパーは、外周固定部および第1アーム部を構成する材料が、熱可塑性エラストマーであり、内周固定部および第2アーム部およびアーム連結部を構成する材料が、熱可塑性樹脂である。
また、本発明のスピーカーは、フレームと、磁気回路と、上記の本発明のスピーカー用ダンパーとを備えたスピーカーであって、フレームが、スピーカー用ダンパーの外周固定部が固定されるダンパー台部と、磁気回路と連結するフレーム内周部と、フレーム内周部とダンパー台部とを連結するフレーム連結部を備え、フレーム内周部の外径直径と、磁気回路の外径直径とが、それぞれスピーカー用ダンパーのアーム連結部を規定する直径よりも小さく設定される。
また、さらに好ましくは、本発明のスピーカーは、フレームのフレーム内周部と、スピーカー用ダンパーの第2アーム部との距離d2が、フレームのフレーム連結部と、スピーカー用ダンパーの第1アーム部との距離d1よりも短く設定される。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明のスピーカー用ダンパーは、フレームと接合する外周固定部と、ボイスコイルボビンと接合する内周固定部と、外周固定部と内周固定部とを連結する支持アーム部とを備える。外周固定部および内周固定部は、実質的にフレームないしボイスコイルボビンと接合されて固定されており、これらを連結する支持アーム部によって、振動板及びボイスコイルボビンを含む振動系が所定位置に中心保持される。また、支持アーム部が、ボイスコイルで生じた駆動力が加わって変形することにより、振動系は振動可能となる。
ここで、支持アーム部は、外周固定部と外周側で連結し、外周固定部が規定する第1平面上に位置する第1アーム部と、内周固定部と内周側で連結し、第1平面と異なる内周固定部が規定する第2平面上に位置する第2アーム部と、第1平面上の第1アーム部の内周側と第2平面上の第2アーム部の外周側とを連結するアーム連結部と、を備える。つまり、支持アーム部は、外周側の第1アーム部と、内周側の第2アーム部と、これらを連結するアーム連結部とから構成されており、このアーム連結部は、第1平面および第2平面とほぼ直角に交わる立上がり部として構成されている。第1平面と第2平面との段差、すなわち、アーム連結部の高さは、第1アーム部が第2アーム部よりも低くなるように設定され、全体としてスピーカー用ダンパーは、外周側が低く磁気回路側に位置し、アーム連結部が立ち上がり、内周側が高く振動板側に位置する階段状の形状を備える。
好ましくは、第1アーム部は、外周固定部を構成する材料と同一の材料から構成され、第2アーム部およびアーム連結部は、内周固定部と同一の材料から構成される。ここで、第2アーム部の材料の硬度は、第1アーム部の材料の硬度よりも大きい。つまり、内周側の第2アーム部およびアーム連結部は固くて、加わる駆動力によって変形しにくく、一方で、外周側の第1アーム部はそれらより軟らかくて、加わる駆動力によって変形しやすい。このように支持アーム部の外周側と内周側で段差を設け、かつ、外周側と内周側で支持アームの変形量を変えることにより、薄型スピーカーで振動系の振幅設計に余裕がない場合であっても、振動系のダンパーがフレーム又は磁気回路に接触しないようにできて、その結果、異音の発生を低減することができる。なお、アーム部の材料の硬度とは、材料の塑性変形に対する抵抗の大きさを表す硬さであり、硬さ数や、アーム部の曲げ弾性率で代用されてもよい。
具体的には、外周固定部および第1アーム部を構成する材料が、熱可塑性エラストマーであり、内周固定部および第2アーム部およびアーム連結部を構成する材料が、熱可塑性樹脂であるのが好ましい。熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性樹脂によるいわゆる二色成形によってスピーカー用ダンパーは一体に構成され、かつ、内周側の第2アーム部およびアーム連結部を固く、そして外周側の第1アーム部を軟らかく設定することができ、それらの形状も、硬度も、自由に設計及び調整可能だからである。したがって、本発明のスピーカー用ダンパーを用いたスピーカーは、好ましい音声再生が可能な薄型化もしくは小型化されたスピーカーとなる。
また、本発明のスピーカー用ダンパーに対応して、スピーカーの磁気回路は、その外径直径が、スピーカー用ダンパーのアーム連結部を規定する直径よりも小さく設定され、かつ、スピーカーのフレームは、磁気回路と連結するフレーム内周部と、スピーカー用ダンパーの外周固定部が固定されるダンパー台部と、フレーム内周部とダンパー台部とを連結するフレーム連結部を備え、フレーム連結部がスピーカー用ダンパーに対応した形状を有する。さらに好ましくは、フレームのフレーム内周部と、スピーカー用ダンパーの第2アーム部との距離d2が、フレームのフレーム連結部と、スピーカー用ダンパーの第1アーム部との距離d1よりも短く設定される。
すなわち、スピーカー用ダンパーのアーム連結部が立ち上がった階段状の形状と、内周側の第2アーム部およびアーム連結部を固く、そして外周側の第1アーム部を軟らかくする硬度の設定により、内周側の第2アーム部が磁気回路ならびにフレームのフレーム内周部に、外周側の第1アーム部がフレームのフレーム連結部に接触しにくくすることができる。支持アームの変形量の大きい外周側の第1アーム部では、フレーム連結部をこれに対応して大きな振幅まで対応可能に距離d1を離隔させ、かつ、支持アームの変形量の小さい内周側の第2アーム部およびアーム連結部は、変形量が少ないことから、磁気回路ならびにフレーム内周部との距離d2を距離d1よりも短くすることができるからである。その結果、本発明のスピーカー用ダンパーを用いたスピーカーは、異音を生じる等の不良が生じにくく、好ましい音声再生が可能な薄型化もしくは小型化されたスピーカーが実現される。
本発明のスピーカー用ダンパーを用いたスピーカーは、振幅の大きい入力信号がボイスコイルに印加された場合であっても、異音を生じる等の不良が生じにくく、好ましい音声再生が可能となり、全体として薄型化もしくは小型化されたスピーカーを実現できる。
本発明のスピーカー用ダンパーは、振幅の大きい入力信号がボイスコイルに印加された場合であっても、異音を生じる等の不良が生じにくく、好ましい音声再生が可能な薄型化もしくは小型化されたスピーカーを提供するという目的を、フレームと接合する外周固定部と、ボイスコイルボビンと接合する内周固定部と、外周部と内周部とを連結する支持アーム部とを備え、支持アーム部が、外周固定部と外周側で連結し、外周固定部が規定する第1平面上に位置する第1アーム部と、内周固定部と内周側で連結し、第1平面と異なる内周固定部が規定する第2平面上に位置する第2アーム部と、第1平面上の第1アーム部の内周側と第2平面上の第2アーム部の外周側とを連結するアーム連結部と、を備えるようにすることにより、実現した。
以下、本発明の好ましい実施形態によるスピーカー用ダンパーおよびこれを用いたスピーカーについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるスピーカー用ダンパー10について説明する図であり、図1(a)は平面図、図1(b)はSec.A−A’の断面図である。本実施例のスピーカー用ダンパー10は、後述する長辺と短辺の寸法が異なる平面型振動板を備える薄型スピーカー1に適するように設計されており、点A−A’が規定する平面型振動板の長辺方向に長く、短辺方向に短い形状になっている。具体的には、ダンパー10は、外周固定部11と、内周固定部12と、外周固定部11と内周固定部12とを連結する支持アーム部13とを備え、支持アーム部13は、第1アーム部14と、第2アーム部15と、第1アーム部14の内周側と第2アーム部15の外周側とを連結するアーム連結部16とから構成されている。
図2は、スピーカー用ダンパー10を用いた本発明の好ましい実施形態によるスピーカー1について説明する図であり、図2(a)は平面図、図2(b)はSec.A−A’の断面図である。スピーカー1は、点A−A’が規定する長辺方向に長く、短辺方向に短いトラック型平面振動板5を備え、トラック型平面振動板5は、その外周端をエッジ6により支持され、エッジ6の外周側はフレーム2の外周部に固定される。また、トラック型平面振動板5は、その内周裏面において略円筒形のボイスコイルボビン3が固着され、ボイスコイルボビン3にはボイスコイル4が巻線されている。ボイスコイル4は、プレート7、ポール8およびマグネット9より構成される磁気回路の磁気空隙に配置され、磁気回路は、フレーム2の内周部に固定される。
一般には、スピーカーの全高は、振動板の形状、ボイスコイルボビンを含む振動系の許容振動範囲、および磁気回路の高さ、等により規定される。ここで、本実施例のスピーカー1の全高Hは、エッジ6の最もロールが高い位置と、磁気回路のポール8の後端部との距離によって規定され、薄型化もしくは小型化を図ったスピーカーとしては、全高Hが短いほど好ましい。もちろん、全高Hは、トラック型平面振動板5の最前面もしくは振動板の保護のためにフレーム2の外周部に設けられる矢紙(図示しない)や、磁気回路のポール裏面に配置されるキャンセルマグネット(図示しない)により規定されてもよい。
スピーカー1において、スピーカー用ダンパー10は、外周側の外周固定部11でフレーム2と、内周側の内周固定部12でボイスコイルボビン3と固定され、トラック型平面振動板5及びボイスコイルボビン3を含む振動系を磁気回路の磁気空隙の所定位置に中心保持する。具体的には、スピーカー用ダンパー10は、静止状態においてボイスコイル4がプレート7およびポール8が規定する磁気空隙に配置されるように、製造治具および接着剤等を用いてフレーム2およびボイスコイルボビン3と接着固定される。磁気回路の磁気空隙に配置されたボイスコイル4に音声電流が印加された場合には、ボイスコイル4に駆動力が生じ、外周固定部11と、内周側の内周固定部12とは、それぞれフレーム2と、ボイスコイルボビン3とに接着固定されているので、これらを連結する支持アーム部13が駆動力によって変形する。その結果、スピーカー1の振動系は振動可能となる。
スピーカー1は、長辺方向と短辺方向を備えるトラック型であるので、短辺方向にはダンパー10の支持アーム部13を延長することは困難である。本実施例のスピーカー用ダンパー10は、長辺方向にのみ支持アーム部13が形成され、2本で一組のアームが2組、合計4本のアームが設けられている。支持アーム部13は、外周固定部11が規定する第1平面P1と同一平面上に位置する第1アーム部14と、内周固定部12が規定する第2平面P2と同一平面上に位置する第2アーム部15と、第1アーム部14の内周側と第2アーム部15とを連結するアーム連結部16と、を備える。ここで、第2平面P2は、第1平面P1と異なる平面上に位置し、第1平面P1と第2平面P2との距離はDである。したがって、アーム連結部16は二つの平面P1およびP2を連結する段差Dを構成する。つまり、第1アーム部14が第2アーム部15よりも段差Dだけ低く設定され、全体としてスピーカー用ダンパー10は、外周側の第1アーム部14が低く、アーム連結部16が立ち上がり、内周側の第2アーム部15が高い、階段状の形状である。
スピーカー用ダンパー10は、熱可塑性エラストマーもしくは熱可塑性樹脂によるいわゆる二色成形によって構成されている。二色成形法により支持アーム部13の形状も硬度も自由に設計及び調整可能であり、支持アーム部13のうち第1アーム部14と第2アーム部15の材料の硬度を別途変えることができる。具体的には、図1(b)における範囲ma(外周固定部11および第1アーム部14)を構成する材料が熱可塑性エラストマーであり、図1(b)における範囲mb(内周固定部12および第2アーム部15およびアーム連結部16)を構成する材料が、熱可塑性樹脂である。代表的には、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー(商品名:ハイトレル、等)であり、熱可塑性樹脂は、ABS、PC、もしくはABS+PCである。二色成形法では、ダンパーの金型において、範囲maおよびmbのそれぞれに射出成型用のゲートを設け、それぞれのゲートから溶融した熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性樹脂を金型に射出し、その後冷却してから金型から取り出すことにより、スピーカー用ダンパー10は形成される。
好ましくは、外周側の第1アーム部14を軟らかく、そして内周側の第2アーム部15およびアーム連結部16を固く設定する。例えば、熱可塑性エラストマーの硬度は、曲げ弾性率で好ましくは100〜600MPaであり、また、熱可塑性樹脂の硬度は、曲げ弾性率で好ましくは2000〜2600MPaである。これらの材料の硬度は、好ましくは1:3.3〜1:26.0の間であればよい。したがって、振動系が振動して支持アーム13が変形する際に、外周側の第1アーム部14の変形量が大きく、内周側の第2アーム部15の変形量が小さくなる。つまり、外周側の第1アーム部14は、軟らかくて、加わる駆動力によって変形しやすく、一方で、内周側の第2アーム部15および段差Dを含むアーム連結部16は固くて、加わる駆動力によって変形しにくい。
第1アーム部14の内周側と第2アーム部15の外周側とを連結するアーム連結部16は、第1平面P1および第2平面P2とほぼ直角に交わる立上がり部として構成されている。ここで、円周方向におけるアーム連結部16の位置を規定する直径φDは、プレート7、ポール8およびマグネット9より構成される磁気回路の最大直径として規定されるφMよりも大きく設定される。すなわち、全体としてスピーカー用ダンパー10は、外周側の第1アーム部14が低く、アーム連結部16が立ち上がり、内周側の第2アーム部15が高い、いわば階段状の形状となり、アーム連結部16の段差Dの内周側部分に規定される空間に磁気回路の一部を収容することができる。したがって、薄型のスピーカーを実現できる。
スピーカー用ダンパー10において第1平面P1と第2平面P2との距離が段差Dであることから、スピーカー1における外周固定部11と内周固定部12との振動方向の距離も段差Dに等しい。また、段差Dを備える階段状の形状により、ボイスコイルボビン3と内周固定部12との接着固定点に対する磁気回路(後述するフレーム2の内周固定部2bを含む)との距離d2を長くすることができる。その結果、振動系と磁気回路の接触による異音の発生が防がれる。さらに、第2アーム部15は固くて加わる駆動力によって変形しにくいので、上記の距離d2を短く設計することが可能となり、振動系の振幅設計に余裕がない場合であっても薄型化が可能となる。
スピーカー1のフレーム2は、スピーカー用ダンパー10の外周固定部11が固定されるダンパー台部2aと、磁気回路と連結するフレーム内周部2bと、ダンパー台部2aとフレーム内周部2bとを連結しスピーカー用ダンパー10の段差を備える階段形状に対応した形状のフレーム連結部2cを備える。なお、ダンパー台部2aは、スピーカー用ダンパー10の外周固定部11が規定する第1平面P1の延長面上に規定される。また、フレーム内周部2bはプレート7と連結しているが、第1平面P1の延長面上に規定されていても、平面P1以外の平面上に規定されていてもよい。フレーム2は、内周側よりも段差Dだけ低く設定された外周側の第1アーム部14およびアーム連結部16が接触しないように、フレーム連結部2cが段差d1を備える。また、フレーム連結部2cの段差d1が設けられる半径方向の範囲は、ダンパー台部2aを規定する直径φFよりも小さく、かつ、磁気回路の直径φMよりも大きければよい。その結果、軟らかくて、加わる駆動力によって変形しやすい第1アーム部14が振動してもフレーム2に接触しないので、スピーカー1は、異音を生じる等の不良が生じにくくなり、好ましい音声再生が可能となる。
ダンパー台部2aとフレーム連結部2cとにより規定される段差d1は、振幅の大きい入力信号がボイスコイルに印加された時に振動系が大きく振動しても振動系の一部が接触しない距離であればよいが、好ましくは、スピーカー用ダンパー10の段差Dと同程度の距離であればよい。また、段差d1は、ボイスコイルボビン3と内周固定部12との接着固定点から磁気回路(フレーム2の内周固定部2bを含む)までの距離d2よりも長く設定されるのが好ましい。つまり、フレーム2のフレーム内周部2bと、スピーカー用ダンパー10の第2アーム部15との距離d2が、フレーム2のフレーム連結部2cと、スピーカー用ダンパー10の第1アーム部14との距離d1よりも短く設定される。スピーカー用ダンパー10の内周固定部12および第2アーム部15は、硬度の大きい固い熱可塑性樹脂から構成されるので、振動による変形は少なく、その結果、上記距離d2は、ほぼ振動系が振動可能な許容振幅距離に等しくなる。したがって、段差d1よりも距離d2を短く設定しても、固くて駆動力によって変形しにくい第2アーム部15が振動しフレーム内周部2bと接触することがなく、異音を生じにくくすることができ、同時にスピーカー1の薄型化を図ることができる。
本発明のスピーカー用ダンパー10は、上記実施例に限定されず、支持アーム部13が円周方向に連続した平面であってもよく、また、コルゲーションが設けられている平面部材であってもよい。全体としてスピーカー用ダンパー10は、外周側の第1アーム部14が低く、アーム連結部16が立ち上がり、かつ、内周側の第2アーム部15が高い階段状の形状を備え、第2アーム部15を構成する材料の硬度が、第1アーム部14を構成する材料の硬度よりも高くされていればよい。本実施例では、アーム連結部16は、硬度の高い第2アーム部15と同一の材料から構成されているが、第1アーム部14を構成する材料で構成してもよい。
また、本発明のスピーカー1は、上記実施例に限定されない。磁気回路は、本実施例のスピーカー1で図示された外磁型磁気回路に限定されるものではなく、内磁型磁気回路でもよく、反発型磁気回路でもよい。また、振動板5は、トラック型平面振動板に限られず、円形やコーン型振動板でもよい。フレーム2は、プレス加工による鉄板もしくはアルミ板フレームでもよく、また、射出成形による樹脂フレームであってもよい。フレームの2磁気回路と連結するフレーム内周部2bは、磁気回路のいずれかの部位と連結されていればよく、プレート7に限られない。
本発明のスピーカー用ダンパーは、家庭用のステレオ再生、もしくはマルチチャンネルサラウンド再生に用いられるスピーカーに限られず、携帯用電子機器や、車載用のオーディオ機器に使用されるスピーカーにも適用が可能である。
本発明の好ましい実施形態によるスピーカー用ダンパーについて説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるスピーカーについて説明する図である。(実施例1)
符号の説明
1 スピーカー
2 フレーム
3 ボイスコイルボビン
4 ボイスコイル
5 トラック型平面振動板
6 エッジ
7 プレート
8 ポール
9 マグネット
10 スピーカー用ダンパー
11 外周固定部
12 内周固定部
13 支持アーム部
14 第1アーム部
15 第2アーム部
16 アーム連結部

Claims (5)

  1. フレームと接合する外周固定部と、ボイスコイルボビンと接合する内周固定部と、該外周固定部と該内周固定部とを連結する支持アーム部とを備え、
    該支持アーム部が、
    該外周固定部と外周側で連結し、該外周固定部が規定する第1平面上に位置する第1アーム部と、
    該内周固定部と内周側で連結し、該第1平面と異なる該内周固定部が規定する第2平面上に位置する第2アーム部と、
    該第1アーム部の内周側と該第2アーム部の外周側とを連結するアーム連結部と、
    を備える、スピーカー用ダンパー。
  2. 前記第1アーム部が、該外周固定部を構成する材料と同一の材料から構成され、
    前記第2アーム部および前記アーム連結部が、前記内周固定部と同一の材料から構成され、
    前記第2アーム部の材料の硬度が、前記第1アーム部の材料の硬度よりも大きい、請求項1に記載のスピーカー用ダンパー。
  3. 前記外周固定部および前記第1アーム部を構成する材料が、熱可塑性エラストマーであり、
    前記内周固定部および前記第2アーム部および前記アーム連結部を構成する材料が、熱可塑性樹脂である、
    請求項2に記載のスピーカー用ダンパー。
  4. フレームと、磁気回路と、請求項1から3のいずれかに記載のスピーカー用ダンパーとを備えたスピーカーであって、
    該フレームが、該スピーカー用ダンパーの前記外周固定部が固定されるダンパー台部と、該磁気回路と連結するフレーム内周部と、該フレーム内周部と該ダンパー台部とを連結するフレーム連結部を備え、
    該フレーム内周部の外径直径と、該磁気回路の外径直径とが、それぞれ前記スピーカー用ダンパーの前記アーム連結部を規定する直径よりも小さく設定された、
    スピーカー。
  5. 前記フレームのフレーム内周部と、前記スピーカー用ダンパーの第2アーム部との距離d2が、該フレームのフレーム連結部と、該スピーカー用ダンパーの第1アーム部との距離d1よりも短く設定された、
    請求項4に記載のスピーカー。
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CN101600136B (zh) * 2009-07-14 2012-08-08 无锡杰夫电声有限公司 扬声器定位支片
JP2020195024A (ja) * 2019-05-27 2020-12-03 ホシデン株式会社 スピーカ

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