JP2006222607A - フィルタ素子及び電子モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波化と小型化が容易で、かつマルチバンド化に対応できるフィルタ素子及び電子モジュールを提供する。
【解決手段】コイル形成用導体2b〜2hが形成された複数の誘電体セラミック層1b〜1i、およびGND導体3が形成された誘電体セラミック層1aを有し、コイル形成用導体2b〜2hまたはGND導体3のいずれにも接続されない第1容量形成用導体4a〜4cが、一部または全部の誘電体セラミック層1b、1d、1fに形成され、GND導体3と誘電体セラミック層1bを介して第2容量形成用導体7aが形成され、第1容量形成用導体4aと第2容量形成用導体7aとがインダクタンス形成用導体7bで接続されており、コイル形成用導体2b〜2hと第1容量形用導体4a〜4cとの間で第1の容量を構成し、第2容量形成用導体7aとGND導体3との間で第2の容量を構成してなる。
【選択図】図3

Description

本願発明は、フィルタ素子及び電子モジュールに関し、特にノイズ除去のためなどに使用されるフィルタ素子で、積層絶縁体内の導体パターンで構成したインダクタンスとキャパシタンスの並列共振や直列共振などを利用して、特定周波数で急峻な減衰量が得られるフィルタ素子及び電子モジュールに関するものである。
従来、複数の絶縁体層にコイル断片を形成し、各絶縁体層を積層していくときに、これらのコイル断片をつなぎ合わせて周回コイルを構成し、このコイルと、絶縁体層に形成した導電パターン間に構成されるキャパシタとを利用することにより、積層型フィルタ素子を実現した例が知られている。
この積層型フィルタ素子として、素子内部回路間の分布定数容量を積極的に活用したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このフィルタ素子は、素子の中に2重コイルを形成して、それらのコイルの間に形成される分布定数容量を利用してキャパシタを構成したものである。
このフィルタ素子の2つのコイルを、コイルL1、コイルL2ということにすると、図8に示すように、コイルL1の両端に信号の入力端子と出力端子をそれぞれ設け、コイルL2をグランドに接続すれば、コイルL1、コイルL2間の分布定数容量とコイルL1、コイルL2のインダクタンスとを用いて、特定周波数で急峻な減衰量が得られるローパスフィルタ素子を構成することができる。
特開平04−2108号公報
2つのコイルとその間の分布定数容量を用いる上記従来のフィルタ素子では、2つのコイルを形成する必要があるため、小型化するには、それぞれのコイルを小さくし、それぞれのコイルの占有面積を小さくする必要がある。しかしながら、コイルを小さくすると、加工精度が少しでも落ちた場合、コイル間の分布定数容量が変化し、所望のフィルタ特性が得られないという問題が生じる。つまり加工精度に対する要求が厳しくなる。
また、特定周波数で急峻な減衰量を得るために、どのような容量やインダクタンスの構成がよいかということはわかっておらず設計上の大きな問題となっていた。特に横軸に周波数、縦軸に減衰量をとったグラフでの減衰量の制御は、所望のフィルタ特性を実現するための重要なポイントであった。
この問題を解決すべく、本発明者等は、コイルを形成するためのコイル形成用導体と容量形成用導体との間に第1の容量を形成し、容量形成用導体と接地用導体の間に第2の容量を形成することにより、低周波領域の通過帯域と高周波領域の阻止帯域との間の遷移領域において急峻な減衰特性を有するフィルタ素子を見出した(特願平2004−22194号)。
一方、近年の電子機器における利用周波数の広帯域化、マルチバンド化に対応するため、複数の周波数帯において、十分な減衰量が得られるような特性も求められるようになってきている。
ところが、特願平2004−22194号のフィルタは、減衰域での減衰は急峻であり優れた特性を有するものの、それ以降の高周波域では、減衰ピークがなく、マルチバンド化された携帯電話等のノイズ抑制素子としては、不十分な特性となる場合があった。
本発明は、高周波化と小型化が容易で、かつマルチバンド化に対応できるフィルタ素子及び電子モジュールを提供することを目的とする。
本発明のフィルタ素子は、積層した状態で連続して周回するコイルを構成するためのコイル形成用導体が形成された複数の絶縁層、および接地用導体が形成された絶縁層を有し、前記コイル形成用導体または前記接地用導体のいずれにも接続されない第1容量形成用導体が、一部または全部の絶縁層に形成され、前記接地用導体と絶縁層を介して第2容量形成用導体が形成され、前記第1容量形成用導体と前記第2容量形成用導体とがインダクタンス形成用導体で接続されており、前記コイル形成用導体と前記第1容量形用導体との間で第1の容量を構成し、前記第2容量形成用導体と前記接地用導体との間で第2の容量を構成し、インダクタンス形成用導体でインダクタンスを構成し、前記周回するコイル、第1容量、第2容量及びインダクタンス形成用導体のインダクタンスによって、フィルタ特性を得ることを特徴とする。
このようなフィルタ素子では、第1容量形成用導体と第2容量形成用導体をインダクタンス形成用導体で接続することで、高周波側に二つ目の減衰ピークを発生させることができ、広帯域化、マルチバンド化に対応した所望のフィルタ特性を得ることができる。
ここで、インダクタンス形成用導体、第2容量形成用導体、第1容量形成用導体が同一絶縁層に形成されていると、新たに積層数を増やす必要がなく素子の小型化が実現できる。
さらに、本発明のフィルタ素子は、積層した状態で連続して周回するコイルを構成するためのコイル形成用導体が形成された複数の絶縁層、および接地用導体が形成された絶縁層を有し、前記コイル形成用導体または前記接地用導体のいずれにも接続されない第1容量形成用導体が、一部または全部の絶縁層に形成され、前記第1容量形成用導体と絶縁層を介して第2容量形成用導体が形成され、前記接地用導体と前記第2容量形成用導体とがインダクタンス形成用導体で接続されており、前記コイル形成用導体と前記第1容量形用導体との間で第1の容量を構成し、前記第2容量形成用導体と前記第1容量形成用導体との間で第2の容量を構成してなることを特徴とする。インダクタンス形成用導体でインダクタンスを構成し、前記周回するコイル、第1容量、第2容量及びインダクタンス形成用導体のインダクタンスによって、フィルタ特性を得ることを特徴とする。
このようなフィルタ素子では、接地用導体と第2容量形成用導体をインダクタンス形成用導体で接続することで、高周波側に二つ目の減衰ピークを発生させることができ、広帯域化、マルチバンド化に対応した所望のフィルタ特性を得ることができる。
ここで、接地用導体、インダクタンス形成用導体、第2容量形成用導体が同一絶縁層に形成されていることにより、新たに積層数を増やす必要がなく素子の小型化が実現できる。
接地用導体は最上段または最下段の絶縁層に形成されていることが望ましい。コイル形成用導体は、コの字形又はU字形をしたコイル形成用曲がり導体と、上下層接続用導体とからなることが望ましい。
このようなフィルタ素子では、コイル形成用曲がり導体と第1容量形成用導体との間で第1の容量を構成しているため、コイル形成用導体の分布定数インダクタンスと、第1容量形成用導体とコイル形成用曲がり導体の間の分布定数容量とでLCフィルタを構成することができる。このため、コイルは1つでよく、コイルが2つ必要な構成に比べて小型の素子を実現できる。
また、第2容量形成用導体と接地用導体の間、第1容量形成用導体と第2容量形成用導体の間で第2の容量を構成したことで、低周波領域の通過帯域と高周波領域の阻止帯域との間の遷移領域において通過特性の減衰スロープが急峻となり、優れた特性のローパスフィルタ素子が実現できる。
さらに、本発明のフィルタ素子では、容量形成用導体が複数の絶縁層にそれぞれ形成されており、絶縁層間の容量形成用導体が絶縁層中のビア導体で接続されていることが好ましい。また、コイル形成用曲がり導体と、上下層接続用導体とが絶縁層中のビア導体で接続されていることが好ましい。
このようなフィルタ素子では、素子の表面に接続用導体を設ける必要がないので、素子の表面が広く使える。そこで、外部回路と接続するための入出力端子や接続端子の大きさや、互いの間隔を広げることができ、外部端子間の短絡などの不良が減り、フイルタ素子の小型化が可能となる。
本発明の電子モジュールは、前記記載のフィルタ素子を搭載していることを特徴とする。このような電子モジュールは、特性の優れた小型のフィルタを搭載できるため、電子モジュール全体の小型化と特性の向上が図れる。
以上のように、本発明のフィルタ素子においては、コイル形成用導体を層間接続することにより、分布定数インダクタンスを構成し、コイル形成用導体と容量形成用導体との間で分布定数容量を構成することができるため、コイル導体が1つでよいことからフィルタ素子の小型化が実現できる。また、第2容量形成用導体と接地用導体との間、第1容量形成用導体と第2容量形成用導体との間で第2の容量を構成したことで、低周波領域の通過帯域と高周波領域の阻止帯域との間の遷移領域において通過特性の減衰が急峻となり、優れた特性のローパスフィルタ素子を実現することができる。さらに、第1容量形成用導体と第2容量形成用導体とをインダクタンス形成用導体で接続するか、接地用導体と第2容量形成用導体とをインダクタンス形成用導体で接続することで、二番目の減衰ピークが発生し、フィルタの広帯域化、マルチバンドへ化の対応が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明のフィルタ素子の外観斜視図である。また、図2はフィルタ素子のX−X線断面図であり、図3は誘電体セラミック層を積層構成したときの構造分解斜視図となる。
本発明のフィルタ素子は、図1に示すように、複数の誘電体セラミック層で構成されたセラミック積層体1と、その外表面に形成された信号ラインの入力端子2aと、出力端子2iと、GNDラインの端子3とで構成されるチップ部品である。
セラミック積層体1は、図2に示すように、一番下に位置する誘電体セラミック層1aから一番上に位置する誘電体セラミック層1iまで、9層の積層構造となっている。なお、本発明は、複数層が積層されていればよく、9層に限定されるものではない。
図3を参照して、誘電体セラミック層1aには、GND導体(接地用導体)3aが形成され、このGND導体3aから二方に端子が出て、それらが前記GND端子3に接続している。
次の誘電体セラミック層1bには、細長い真っ直ぐな板状のコイル形成用導体2bと、細長い真っ直ぐな板状の第1容量形成用導体4a、第2容量形成用導体7a、そして第1容量形成用導体4aと第2容量形成用導体7aとを繋ぐインダクタンス形成用導体7bが形成されている。板状のコイル形成用導体2bは他の導体4a、7a、7bと分離して形成されている。コイル形成用導体2bの一端は、前記入力端子2aに接続されている。導体4a、7a、7bで、S字状の導体パターンが形成されている。
誘電体セラミック層1cには、コの字形のコイル形成用導体(コイル形成用曲がり導体に相当する)2cが形成されている。コイル形成用導体2cの一端は、誘電体セラミック層1cを貫くように設けられたビアホール導体(図3で模式的に細線で示している)5aを介して、誘電体セラミック層1b上のコイル形成用導体2bと接続される。
誘電体セラミック層1dには、ともに細長い真っ直ぐな板状のコイル形成用導体(上下層接続用導体に相当する)2dと、第1容量形成用導体4bとが分離して形成されている。コイル形成用導体2dの一端は、誘電体セラミック層1dを貫くように設けられたビアホール導体5bを介して、誘電体セラミック層1c上のコイル形成用導体2cの他端と接続される。容量形成用導体4bは、誘電体セラミック層1c,1dを貫くように設けられたビアホール導体6aを介して第1容量形成用導体4aに接続されている。
誘電体セラミック層1eには、コの字形のコイル形成用導体(コイル形成用曲がり導体に相当する)2eが形成されている。コイル形成用導体2eの一端は、誘電体セラミック層1eを貫くように設けられたビアホール導体5cを介して、誘電体セラミック層1d上のコイル形成用導体2dと接続される。
誘電体セラミック層1fには、ともに細長い真っ直ぐな板状のコイル形成用導体(上下層接続用導体に相当する)2fと容量形成用導体4cとが分離して形成されている。コイル形成用導体2fの一端は、誘電体セラミック層1fを貫くように設けられたビアホール導体5dを介して、誘電体セラミック層1e上のコイル形成用導体2eの他端と接続される。容量形成用導体4cは、誘電体セラミック層1f,1eを貫くように設けられたビアホール導体6bを介して容量形成用導体4bに接続されている。
誘電体セラミック層1gには、コの字形のコイル形成用導体(コイル形成用曲がり導体に相当する)2gが形成されている。コイル形成用導体2gの一端は、誘電体セラミック層1gを貫くように設けられたビアホール導体5eを介して、誘電体セラミック層1f上のコイル形成用導体2fと接続される。
誘電体セラミック層1hには、コの字形のコイル形成用導体2hが形成されている。コイル形成用導体2hの一端は、誘電体セラミック層1hを貫くように設けられたビアホール導体5fを介して、誘電体セラミック層1g上のコイル形成用導体2gと接続される。コイル形成用導体2hの他端は、前記出力端子2iに接続されている。
最後に誘電体セラミック層1hの上に、保護用の誘電体セラミック層1i(図3には示していない)が積層される。
以上のような構造であるから、9層の積層構造の中に3回半巻きの周回コイルが形成される。そして、図2に示されるように、コイル形成用導体2b〜2h間に、第1容量形成用導体4a,4b,4cが挟み込まれ、これらとコイル形成用導体2b〜2hとの間に第1の容量が形成される。さらに第1容量形成用導体4aはインダクタンス形成用導体7b、第2容量形成用導体7aに接続されており、第2容量形成用導体7aとGND導体3aとの間にもうひとつの容量が形成される。このようにして形成された容量は、図2のハッチング部分H1,H2に表わされている。ハッチング部分H1は、容量形成用導体4a,4b,4cとコイル形成用導体2b〜2hとの間に形成された第1の容量を表し、ハッチング部分H2は、第2容量形成用導体7aとGND導体3aとの間に形成された第2の容量を表している。
尚、図3では、第1容量形成用導体4a、インダクタンス形成用導体7b、第2容量形成用導体7aを、同一絶縁層1bに形成した例について説明したが、それぞれの導体4a、7b、7aを異なる絶縁層に形成しても良い。
図4は、以上の構成のフィルタ素子の等価回路図である。信号ラインの入力端子2aと、出力端子2iとの間に、前記コイル形成用導体2b〜2hによって形成された周回コイルが存在し、この周回コイルと第1容量形成用導体4a,4b,4cとの間に容量が形成され、さらに第1容量形成用導体4aと第2容量形成用導体7aとの間にインダクタンス形成用導体7bが接続されており、第2容量形成用導体7aと接地用導体3aとの間に第2の容量が形成され、ローパスフィルタ素子を構成することができる。このフィルタ素子によってノイズ除去機能などを実現することができる。
誘電体セラミック層1a〜1iの原料は、アルミナ(Al23),チタン酸バリウム(BaTiO3),二酸化チタン(TiO2)等の誘電体セラミック材料または、これらの誘電体セラミック材料と結晶化ガラスなどの混合物からなる。
コイル形成用導体2b〜2h、GND導体3a、容量形成用導体4a〜4cと、各接続ビアホール導体5a〜5f、6a,6bは、Agなどを主成分とする導電材料によって構成する。
入出力端子2a,2iとGNDラインの端子3は、Agを主成分とする下地導体及びその表面に付着したNiメッキや半田メッキなどの層から構成される。
次に、以上のフィルタ素子の製造方法を説明する。
まず、前述したチタン酸バリウムなどの誘電体セラミック材料を主原料とする混合物にバインダー等を混合してグリーンシートを作製し、所定位置にビアホールを貫通形成する。このビアホール付きのグリーンシートに、コイル形成用導体2b〜2h、GND導体3a、インダクタンス形成用導体7b、容量形成用導体4a〜4c、7aを形成するために、Agを主成分とする導体ペーストを所定のパターンに印刷する。さらにビアホールには、前記導体ペーストを埋め込む。そして、各グリーンシートを所定の順番で積層し、プレスを行い一体化した後に、個々の形状にカットする。
それを900℃前後で焼成することで、図1に示したような直方体形状のセラミック積層体1を作成する。さらにAgを主成分とする導体ペーストを用いて、印刷方式又はDIP方式により、入出力端子2a,2iとGND端子3を、セラミック積層体1の表面に形成する。これらの入出力端子2a,2iとGND端子3を焼き付け処理し、Ni、半田メッキを施すことにより、フィルタ素子チップが作製される。
このようにして作製したフィルタ素子チップのフィルタ特性を評価するために、Sパラメータ(絶対値)のシミュレーションを行った。
図5はSパラメータの周波数特性を示す線図であり、横軸は周波数(GHz)を、縦軸はSパラメータの透過係数(S21)(単位dB)を表わしている。図中の実線曲線Aは本発明の構造における透過係数(S21)の周波数特性、破線曲線Bは、本発明の範囲外のフィルタ素子の透過係数(S21)の周波数特性を表す。尚、破線曲線Bは、第2容量形成用導体7a、インダクタンス形成用導体7bが存在せず、第1容量形成用導体と接地用導体の間で第2の容量を形成した場合である。
本発明のフィルタ素子(実線曲線A)では、低周波側の減衰ピークで優れたローパスフィルタ特性を実現すると共に、3.2GHz付近にも減衰ピークが発生しており、2つの帯域で優れた減衰特性が得られている。一方、本発明の範囲外であるフィルタ(破線曲線B)では、低周波側の減衰ピークのみで、二番目の減衰極が発生していない。
本発明のフィルタ素子の構造では、図3に示すように1つのコイルだけが構成されることから、導体パターンも単純であり、小型化に適した、優れたフィルタ素子が実現できる。
図6は、本発明のフィルタ素子の他の構造を示すもので、誘電体セラミック層1a上に、接地用導体3a、第2容量形成導体7a、インダクタンス形成導体7bが設けられており、接地用導体3aと第2容量形成導体7aとがインダクタンス形成導体7bにより接続されている。
尚、図6では、第2容量形成用導体7a、インダクタンス形成用導体7b、GND導体3aを同一絶縁層1aに形成した例について説明したが、それぞれの導体3a、7b、7aを異なる絶縁層に形成しても良い。
図7は、図6のフィルタ素子の等価回路図である。信号ラインの入力端子2aと、出力端子2iとの間に、前記コイル形成用導体2b〜2hによって形成された周回コイルが存在し、この周回コイルと第1容量形成用導体4a,4b,4cとの間に容量が形成され、さらに接地用導体3aと第2容量形成用導体7aとがインダクタンス形成用導体7bで接続されており、第1容量形成用導体4aと第2容量形成用導体7aとの間に第2の容量が形成され、ローパスフィルタ素子が構成される。
以上に説明したフィルタ素子をマザーボードなどに搭載して、種々の機能を実現する電子モジュールを製作することができる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。例えば、前記コイル形成用導体2c,2e,2gの平面形状はコの字形をしていたが、角にアールをつけてU字形にして形成してもよい。より広く言えば、コイル形成用曲がり導体は、両端を有する曲線又は折れ線状の連続導体であればよい。その他本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
本発明のフィルタ素子の外観斜視図である。 本発明のフィルタ素子の断面図である。 誘電体セラミック層を積層構成したときの構造分解斜視図である。 本発明のフィルタ素子の等価回路図である。 本発明のフィルタ素子及び本発明の範囲外のフィルタ素子について、シミュレーションにより求めたSパラメータの周波数特性図である。 本発明のフィルタ素子の他の形態を示す構造分解斜視図である。 図6のフィルタ素子の等価回路図である。 従来のフィルタ素子の等価回路図である。
符号の説明
1 セラミック積層体
2a 入力端子
2i 出力端子
3 GND端子
3 GND導体(接地用導体)
1a〜1i 誘電体セラミック層(絶縁層)
2b〜2h コイル形成用導体
4a〜4c 第1容量形成用導体
7a 第2容量形成用導体
7b インダクタンス形成用導体
5a〜5f ビアホール導体
6a,6b ビアホール導体
H1 第1の容量
H2 第2の容量

Claims (5)

  1. 積層した状態で連続して周回するコイルを構成するためのコイル形成用導体が形成された複数の絶縁層、および接地用導体が形成された絶縁層を有し、
    前記コイル形成用導体または前記接地用導体のいずれにも接続されない第1容量形成用導体が、一部または全部の絶縁層に形成され、前記接地用導体と絶縁層を介して第2容量形成用導体が形成され、前記第1容量形成用導体と前記第2容量形成用導体とがインダクタンス形成用導体で接続されており、
    前記コイル形成用導体と前記第1容量形用導体との間で第1の容量を構成し、
    前記第2容量形成用導体と前記接地用導体との間で第2の容量を構成してなることを特徴とするフィルタ素子。
  2. インダクタンス形成用導体、第2容量形成用導体、第1容量形成用導体が同一絶縁層に形成されている請求項1記載のフィルタ素子。
  3. 積層した状態で連続して周回するコイルを構成するためのコイル形成用導体が形成された複数の絶縁層、および接地用導体が形成された絶縁層を有し、
    前記コイル形成用導体または前記接地用導体のいずれにも接続されない第1容量形成用導体が、一部または全部の絶縁層に形成され、前記第1容量形成用導体と絶縁層を介して第2容量形成用導体が形成され、前記接地用導体と前記第2容量形成用導体とがインダクタンス形成用導体で接続されており、
    前記コイル形成用導体と前記第1容量形用導体との間で第1の容量を構成し、
    前記第2容量形成用導体と前記第1容量形成用導体との間で第2の容量を構成してなることを特徴とするフィルタ素子。
  4. 接地用導体、インダクタンス形成用導体、第2容量形成用導体が同一絶縁層に形成されている請求項3記載のフィルタ素子。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のフィルタ素子を搭載していることを特徴とする電子モジュール。
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