JP2006221069A - スクリーン及びリアプロジェクタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画面のギラツキ感(スペックル)を低減することのできるスクリーン及びリアプロジェクタ装置を提供する。
【解決手段】光源からの光を略平行光として出射するフレネルレンズシート1と、前記略平行光が入射され画像を表示するレンチキュラレンズ2及び光拡散シート4からなるレンチキュラシートとを備えるスクリーンにおいて、前記光拡散シート4は、高分子マトリクス41m中に液晶の微小粒子41LCが分散して固定されている高分子分散液晶層41が透明導電膜42eを有する2枚の透明基板42で挟まれてなり、該透明導電膜42eに交流電圧が印加されることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】光源からの光を略平行光として出射するフレネルレンズシート1と、前記略平行光が入射され画像を表示するレンチキュラレンズ2及び光拡散シート4からなるレンチキュラシートとを備えるスクリーンにおいて、前記光拡散シート4は、高分子マトリクス41m中に液晶の微小粒子41LCが分散して固定されている高分子分散液晶層41が透明導電膜42eを有する2枚の透明基板42で挟まれてなり、該透明導電膜42eに交流電圧が印加されることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、高分子分散液晶層を有するレンチキュラシートを用い背面からの画像光の照射により画像を表示するスクリーン及びリアプロジェクタ装置に関するものである。
近年、会議等において発言者が資料を提示する方法としてオーバヘッドプロジェクタやスライドプロジェクタが広く用いられている。また、一般家庭においても液晶を用いたビデオプロジェクタや動画フィルムプロジェクタが普及しつつある。これらのプロジェクタの映写方法は光源から出力された光を、例えば透過形の液晶パネル等によって光変調して画像光を形成し、この画像光をレンズ等の光学系を通して出射してスクリーン上に映写するものである。
例えば、スクリーン上にカラー画像を形成することができるプロジェクタ装置は、光源から出射された光線を赤(R)、緑(G)、青(B)の各色に分離して所定の光路に収束させる照明光学系と、この照明光学系によって分離されたRGB各色の光束をそれぞれ光変調する液晶パネル(ライトバルブ)と、液晶パネルにより光変調されたRGB各色の光束を合成する光合成部とを備え、光合成部により合成したカラー画像を投射レンズによりスクリーンに拡大投影するようになっている。
また、最近では光源として狭帯域三原色光源を使用し、液晶パネルの代わりにグレーティング・ライト・バルブ(GLV:Grating Light Valve)を用いてRGB各色の光束を空間変調するタイプのプロジェクタ装置も開発されている。
上述したプロジェクタ装置においては、投影像を見るためにプロジェクタ用スクリーンが用いられる。このプロジェクタ用スクリーンには大別して、スクリーンの表側から投影光を照射して当該投影光のスクリーンでの反射光を見るフロントプロジェクタ用スクリーンと、スクリーンの裏側から投影光を照射してスクリーンを透過した光をスクリーンの表側から見るリアプロジェクタ用スクリーンとがある。いずれの方式においてもスクリーンに表示される映像が高コントラストであることが要求される。
最近のリアプロジェクタ用スクリーンでは、図1に示す様にレンチキュラレンズ2の非集光部に対応したブラックストライプ3を形成することにより、コントラストを改善するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、リアプロジェクタ装置(背面式プロジェクションシステム)は、手軽に大画面表示が可能なディスプレイとして、米国を中心に根強い人気がある。さらには、近年DVD、デジタル放送、ハイビジョン放送など高画質な映像が家庭に入ってくるにつれて、大画面ディスプレイに対する関心が高まり、米国以外の国においても安価なリアプロジェクタ装置が望まれる傾向にある。
ここで、従来のリアプロジェクタ装置はCRT(カソード・レイ・チューブ)を使ったものが主流であったために、以下の大きな二つの問題があり、普及の障害となってきた。
第一は、全長の長い3本のCRTを使っていたため、ボックス全体が大きくなり、画面以外の部分が大きい、奥行きが大きい等のスペースの問題があり、特に日本の家屋ように部屋の面積が狭い所では普及の妨げになっていた。
第二は、CRTでは投入エネルギーを大きくしても、蛍光体に起因する輝度飽和という現象が生じ、輝度が大きく出来ないため、画面が暗い、輝度分布が大きい、視野角依存性が大きいといった問題が生じ、普及の妨げになってきた。
第一は、全長の長い3本のCRTを使っていたため、ボックス全体が大きくなり、画面以外の部分が大きい、奥行きが大きい等のスペースの問題があり、特に日本の家屋ように部屋の面積が狭い所では普及の妨げになっていた。
第二は、CRTでは投入エネルギーを大きくしても、蛍光体に起因する輝度飽和という現象が生じ、輝度が大きく出来ないため、画面が暗い、輝度分布が大きい、視野角依存性が大きいといった問題が生じ、普及の妨げになってきた。
近年、液晶やMEMS(マイクロメカニカルシステム)等のマイクロディスプレイと放電ランプを組み合わせた新しいリアプロジェクタ装置(マイクロディスプレイタイプリアプロジェクタ)の出現により、上記問題は徐々に解決されてきており、リアプロジェクタ装置が見直される大きな要因となっている。
しかしながら、マイクロディスプレイにより輝度が明るくなるにつれて、今までは問題とされていなかった画面のギラツキ感、所謂スペックルが目立つようになり、その解決がリアプロジェクタ装置の最重要事項となってきた。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、画面のギラツキ感(スペックル)を低減することのできるスクリーン及びリアプロジェクタ装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、光源からの光を略平行光として出射するフレネルレンズシートと、前記略平行光が入射され画像を表示するレンチキュラレンズ及び光拡散シートからなるレンチキュラシートとを備えるスクリーンにおいて、前記光拡散シートは、高分子マトリクス中に液晶の微小粒子が分散して固定されている高分子分散液晶層が透明導電膜を有する2枚の透明基板で挟まれてなり、該透明導電膜に交流電圧が印加されることを特徴とするスクリーンである(請求項1)。
ここで、前記交流電圧の周波数は60Hz以上であることが好ましい。
また、前記液晶の微小粒子は二色性色素を含むことが好ましい。
また、前記液晶の微小粒子は二色性色素を含むことが好ましい。
前記課題を解決するために提供する本発明は、画像光を投射する光源と、該光源からの投射光を反射する反射ミラーと、該反射ミラーの反射光が背面側から投影される請求項1〜3のいずれか一に記載のスクリーンとを備えることを特徴とするリアプロジェクタ装置である(請求項4)。
本発明のスクリーンによれば、高分子分散液晶層中の液晶の配向状態を交流電圧印加で変化させて、光拡散シートの拡散特性・透過特性を経時的に変化させることができる。ここで、印加する交流電圧の周波数をフリッカ知覚として感知しない周波数以上とすることにより、重畳される表示画像のちらつきをなくすことができる。また、二色性色素、とくに白色色素を液晶の微小粒子に含ませることにより、光の拡散特性、透過特性をよりコントロールすることができ、見やすい表示画像を実現することができる。
本発明のリアプロジェクタ装置によれば、前記光拡散シートの拡散特性・透過特性の高速の経時的変化により、光の干渉によって生じる光の強弱パターンの経時的変化を重畳して表示することになり、表示画像を均質化でき、ギラツキ感(スペックル)を低減することができる。
本発明のリアプロジェクタ装置によれば、前記光拡散シートの拡散特性・透過特性の高速の経時的変化により、光の干渉によって生じる光の強弱パターンの経時的変化を重畳して表示することになり、表示画像を均質化でき、ギラツキ感(スペックル)を低減することができる。
従来のリアプロジェクタ装置に使用されるスクリーンの構成を図1に示す。
スクリーン90は、プロジェクタ光源から投射された光を画面に垂直に向け、画面の輝度を均一にするフレネルレンズシート1と、レンチキュラレンズ2・ブラックストライプ3・光拡散シート9からなり、前記光を視聴者の方向に向けるレンチキュラシートとから構成されている。さらには、表面反射を低減し、高級感を上げる前面化粧板5をつけたモデルも存在する。
スクリーン90は、プロジェクタ光源から投射された光を画面に垂直に向け、画面の輝度を均一にするフレネルレンズシート1と、レンチキュラレンズ2・ブラックストライプ3・光拡散シート9からなり、前記光を視聴者の方向に向けるレンチキュラシートとから構成されている。さらには、表面反射を低減し、高級感を上げる前面化粧板5をつけたモデルも存在する。
前記レンチキュラシートには、通常プロジェクタ光源からの光を無駄なく視聴者の方向に向けるレンチキュラレンズ2の作用の他に、ブラックストライプ3により外光を低減する作用、プロジェクタ光源からの光を光拡散シート9により拡散/結像する作用の3つがある。
ここで、光拡散シート9は、一般に基板材と屈折率の異なるガラスあるいはプラスチックの微粉末を基板材上に塗布、あるいは基板材に直接練り込んだものが用いられている。ところが、この光拡散シート9によりそこから出射される光が干渉して画面における光の強弱が生じてしまい、結果的にギラツキ感となり視認性を悪くしていた。
発明者は、この問題を解決すべく鋭意検討を行い、本発明を成すに至った。
発明者は、この問題を解決すべく鋭意検討を行い、本発明を成すに至った。
以下に、本発明に係るスクリーンについて説明する。
図2は、本発明に係るスクリーンの構成を示す断面図である。
図2(a)に示すように、スクリーン10は、背面側(光源側)から順にフレネルレンズシート1、レンチキュラレンズ2、ブラックストライプ3、光拡散板シート4、前面化粧版5が設けられた構成である。本発明は従来のスクリーンにおける光拡散シート9に代えて、拡散状態の動的な切り替えが可能な光拡散シート4を設けたことを特徴とする。なお、レンチキュラレンズ2、ブラックストライプ3、光拡散板シート4を組み合わせたものをレンチキュラシートと称する。
図2は、本発明に係るスクリーンの構成を示す断面図である。
図2(a)に示すように、スクリーン10は、背面側(光源側)から順にフレネルレンズシート1、レンチキュラレンズ2、ブラックストライプ3、光拡散板シート4、前面化粧版5が設けられた構成である。本発明は従来のスクリーンにおける光拡散シート9に代えて、拡散状態の動的な切り替えが可能な光拡散シート4を設けたことを特徴とする。なお、レンチキュラレンズ2、ブラックストライプ3、光拡散板シート4を組み合わせたものをレンチキュラシートと称する。
フレネルレンズシート1は、光源から投射される画像光を平行光にしてレンチキュラレンズに入射させるものであり、リアプロジェクタ装置用のスクリーンにおいて従来公知のものでよい。
レンチキュラレンズ2は、フレネルレンズシート1から出射された平行光を集光して無駄なく視聴者の方向に向けるものであり、リアプロジェクタ装置用のスクリーンにおいて従来公知のものでよい。
ブラックストライプ3は、高コントラストの映像を得るための遮光層となるものである。
光拡散シート4は、図2(b)に示すように、高分子マトリクス41m中に液晶の微小粒子41LCが分散して固定されている高分子分散液晶層41と、該高分子分散液晶層41を挟む、透明導電膜42eを有する2枚の透明基板42とからなり、電源Eから透明導電膜42eに交流電圧が印加される構成となっている。
高分子分散液晶層41は、いわゆる高分子分散液晶材料(PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal))で構成され、高分子材料と液晶とを含む溶液を用いてカプセル化法、重合相分離法、熱相分離法、溶媒蒸発相分離法などにより、高分子材料からなるマトリクス41m中に液晶の微小粒子41LCが分散して固定されている状態に形成されたものである。
高分子マトリクス41mを構成する材料は、透明な高分子材料であればとくに制限されないが、その屈折率が微小粒子41LCを構成する液晶の常光線に対応する屈折率と略一致していることが好ましい。このような光学材料としての適性からアクリル系樹脂であることが好ましい。
液晶の微小粒子41LCの形状は、球形、液滴形状、ラグビーボール形状等とくに限定されない。また、の微小粒子41LCを構成する材料(液晶)は、高分子分散液晶材料(PDLC)に使用可能なものであればとくに限定されない。例えば、一般的に使用されているネマティック液晶、コレステリック液晶などの液晶材料でよい。このとき、光拡散シート4に適した拡散特性、透過特性が得られるように、この液晶の置換基や合成方法などの調整によりΔn(屈折率異方性の指標)をコントロールすることが好ましい。本発明で使用可能な液晶の化合物の構造式を以下に例示する。
高分子分散液晶層41は、その厚みを大きくすると拡散性がよくなり、透過性が悪くなり結像の効果は大きくなるが、液晶の配向の応答性が悪くなる、必要な印加電圧が大きくなる等の欠点も出てくる。5〜50μmの厚み範囲内であることが好ましい。
透明基板42は、透明のベース基板42b上に透明導電膜42eが形成されたものである。ベース基板42bは透明の高分子フィルムやガラスなどでよく、透明導電膜42eは例えばインジウム錫酸化物(ITO)の薄膜でよい。
図3は、電源Eから透明導電膜42eへの交流電圧印加有無による高分子分散液晶層41の状態を示す模式図である。
電源Eから透明導電膜42eへの交流電圧印加ありの場合(ON状態、図3(a))、印加する交流電圧(実効電圧)が十分大きいとき、微小粒子41LCを構成する液晶のもつ誘電率異方性により、該液晶は2つの透明導電膜42e間に生じる電界に対して垂直方向に配向し、その結果、高分子分散液晶層41は入射光のすべての波長の光を透過する状態となる。
電源Eから透明導電膜42eへの交流電圧印加ありの場合(ON状態、図3(a))、印加する交流電圧(実効電圧)が十分大きいとき、微小粒子41LCを構成する液晶のもつ誘電率異方性により、該液晶は2つの透明導電膜42e間に生じる電界に対して垂直方向に配向し、その結果、高分子分散液晶層41は入射光のすべての波長の光を透過する状態となる。
一方、電源Eから透明導電膜42eへの交流電圧印加なしの場合(OFF状態、図3(b))、微小粒子41LCを構成する液晶の接している壁(高分子マトリクス41m)の拘束力が支配的に働き、該液晶はランダムに配向され、入射光の一部を拡散あるいは反射する状態となる。
本発明では、電源Eから透明導電膜42eへ交流電圧を印加することにより、微小粒子41LCを構成する液晶の配向状態を前記ON状態(図3(a))と前記OFF状態(図3(b))との間で高速で変化させ、光拡散シート4の拡散特性・透過特性を経時的に変化させることができる。
また、本発明では光拡散シート4の拡散特性・透過特性が経時的に変化していればよいので、微小粒子41LCを構成する液晶の配向状態は、必ずしも前記ON状態(図3(a))、及び/または前記OFF状態(図3(b))となる必要はなく、前記ON状態(図3(a))と前記OFF状態(図3(b))との中間の状態を中心として液晶の配向が経時的にわずかに変化するものであってもよい。これは、高分子分散液晶層41の構成材料、厚み、微小粒子41LCの分散状態、交流電圧の印加条件(電圧値(例えば実効値として5V程度)、周波数)などにより調整することができる。
上述のように、光拡散シート4の拡散特性・透過特性が経時的に変化することにより、この経時的変化に対応して無数の異なる散乱パターンが生じることとなる。その結果、スクリーン10の背面から投影される映像も散乱パターンそれぞれにより異なる結像パターンが生じ、これらの結像パターンが重畳されて表示されることにより、表示画像は均質化され、従来問題であったギラツキ感(スペックル)が低減されるようになる。
また、交流電圧の周波数は60Hz以上であることが好ましい。交流電圧の周波数は上記液晶の配向状態のスイッチング周波数ともいえ、この周波数が60Hzよりも小さいと表示される画像のちらつきが認められるようになり、視認性が悪くなる。これは、輝度150〜200cd/m2の画面に対してフリッカを感じさせないためには空間周波数として60Hz以上必要とする報告(NHK技研月報 18,11、p.661〜668;視覚の空間周波数特性)とも一致する。
また、液晶の微小粒子に、二色性色素を含ませることにより、光拡散シート4の拡散特性・透過特性のコントロールがより容易となり好ましい。
その一例を図4に示す。ここでは、高分子マトリクス41m中に液晶LC及び二色性色素pからなる微小粒子41LCpを分散させ固定して高分子分散液晶層としている。
電源Eから透明導電膜42eへの交流電圧印加ありの場合(ON状態、図4(a))、微小粒子41LCpを構成する液晶は図3(a)の場合と同様に2つの透明導電膜42e間に生じる電界に対して垂直方向に配向され、それに伴って二色性色素pも同様に配向される。その結果、高分子分散液晶層41は入射光のすべての波長の光を透過する状態となる。
電源Eから透明導電膜42eへの交流電圧印加ありの場合(ON状態、図4(a))、微小粒子41LCpを構成する液晶は図3(a)の場合と同様に2つの透明導電膜42e間に生じる電界に対して垂直方向に配向され、それに伴って二色性色素pも同様に配向される。その結果、高分子分散液晶層41は入射光のすべての波長の光を透過する状態となる。
一方、電源Eから透明導電膜42eへの交流電圧印加なしの場合(OFF状態、図4(b))、微小粒子41LCpを構成する液晶は図3(b)の場合と同様にランダムに配向され、それに伴って二色性色素pも同様にランダム配向される。その結果、入射光の一部を拡散あるいは反射する状態となる。
このように二色性色素を含む場合も交流電圧の印加有無により透過と散乱の状態をつくることができることから、光拡散シート4の拡散特性・透過特性を経時的に変化させることが可能であり、従来問題であったギラツキ感(スペックル)を低減することができる。
本発明のスクリーンにおける光拡散シート4は、例えばつぎのように作製するとよい。ここでは重合相分離法による例を示す。
(S11)高分子マトリクス41mの原料材料(重合性のモノマーまたはオリゴマー)で液晶(ネマティック液晶。例えば、p-alkyle-p’-alkoxyazoxybenzene)を溶解し、溶液を作製する。具体的には容器に高分子マトリクス41mの原料材料と液晶を所定体積比で入れ、攪拌器を用いて均一になるまで攪拌して溶融させる。
(S11)高分子マトリクス41mの原料材料(重合性のモノマーまたはオリゴマー)で液晶(ネマティック液晶。例えば、p-alkyle-p’-alkoxyazoxybenzene)を溶解し、溶液を作製する。具体的には容器に高分子マトリクス41mの原料材料と液晶を所定体積比で入れ、攪拌器を用いて均一になるまで攪拌して溶融させる。
なお、高分子マトリクス41mの原料材料は、液晶への溶解性、耐久性を有することが重要であり、例えば紫外線照射により架橋高分子化反応がおこる紫外線硬化タイプのモノマーが好ましい。
また、樹脂と液晶の混合体積比は50:50が標準であるが、樹脂と液晶の混合において、液晶の混合比を増加するにつれて拡散性が増加し、透過性が悪くなる傾向にあり、結像性能に基づいて当該混合比を設定するとよい。
また、樹脂と液晶の混合体積比は50:50が標準であるが、樹脂と液晶の混合において、液晶の混合比を増加するにつれて拡散性が増加し、透過性が悪くなる傾向にあり、結像性能に基づいて当該混合比を設定するとよい。
(S12)前記溶液を透明導電膜42eが形成されている透明基板42上にドクターブレード法などにより均一な厚みで塗布する。
(S13)塗膜の上にもう一方の透明基板42を透明導電膜42eが塗膜に接するように配置し、スペーサを介して2枚の透明基板が塗膜を挟みこんだ状態にする。なお、前記スペーサにより高分子分散液晶層4の厚みを調整すればよい。
(S14)透明基板42のいずれか一方の外側から紫外線を照射して紫外線硬化モノマーを光重合させる。紫外線照射は該光重合が必要十分に行われる条件がよく、例えば15mW/cm2で60秒程度とするとよい。これにより、高分子マトリクス41m中に液晶の微小粒子41LCが分散して固定されている高分子分散液晶層41が形成される。
(S15)透明基板42の透明導電膜42eに電源Eから電圧を印加するための電極を取り付けて光拡散シート4を完成する。
(S13)塗膜の上にもう一方の透明基板42を透明導電膜42eが塗膜に接するように配置し、スペーサを介して2枚の透明基板が塗膜を挟みこんだ状態にする。なお、前記スペーサにより高分子分散液晶層4の厚みを調整すればよい。
(S14)透明基板42のいずれか一方の外側から紫外線を照射して紫外線硬化モノマーを光重合させる。紫外線照射は該光重合が必要十分に行われる条件がよく、例えば15mW/cm2で60秒程度とするとよい。これにより、高分子マトリクス41m中に液晶の微小粒子41LCが分散して固定されている高分子分散液晶層41が形成される。
(S15)透明基板42の透明導電膜42eに電源Eから電圧を印加するための電極を取り付けて光拡散シート4を完成する。
なお、図4に示したような高分子マトリクス41m中に液晶LC及び二色性色素pからなる微小粒子41LCpを分散させ固定した高分子分散液晶層を有する光拡散シートを作製する場合には、前記ステップS11において、予め二色性色素を溶かしこんだ液晶を、紫外線硬化モノマーに溶解させる。このとき、二色性色素の液晶に溶け込む量は液晶の種類によって異なるが、多く溶かし込んだほうが光散乱(図4(b))のときの白色化の効果が大きくなる。
また、本発明のスクリーンにおける光拡散シート4は、つぎのように作製してもよい。
(S21)前記ステップS11と同様に、紫外線照射により架橋高分子化反応がおこる紫外線硬化タイプのモノマーで液晶(ネマティック液晶。例えば、p-alkyle-p’-alkoxyazoxybenzene)を溶解し、溶液を作製する。
(S22)透明基板42として、レンチキュラレンズ2の平坦面側に透明導電膜42eを形成したものを用い、この上に前記溶液をドクターブレード法などにより均一な厚みで塗布する。
(S23)前記塗膜に紫外線を照射して紫外線硬化モノマーを光重合させ、高分子分散液晶層4を形成する。
(S24)前記高分子分散液晶層4上にスパッタリング法等により透明導電膜42eを形成する。
(S25)それぞれの透明導電膜42eに電源Eから電圧を印加するための電極を取り付けて光拡散シートを完成する。この場合は前面化粧版5が配置される前提の構成である。
(S21)前記ステップS11と同様に、紫外線照射により架橋高分子化反応がおこる紫外線硬化タイプのモノマーで液晶(ネマティック液晶。例えば、p-alkyle-p’-alkoxyazoxybenzene)を溶解し、溶液を作製する。
(S22)透明基板42として、レンチキュラレンズ2の平坦面側に透明導電膜42eを形成したものを用い、この上に前記溶液をドクターブレード法などにより均一な厚みで塗布する。
(S23)前記塗膜に紫外線を照射して紫外線硬化モノマーを光重合させ、高分子分散液晶層4を形成する。
(S24)前記高分子分散液晶層4上にスパッタリング法等により透明導電膜42eを形成する。
(S25)それぞれの透明導電膜42eに電源Eから電圧を印加するための電極を取り付けて光拡散シートを完成する。この場合は前面化粧版5が配置される前提の構成である。
この製造方法により、前記透明基板42におけるベース基板42bを省略することができるので、光学界面による光のロスを低減することができる。
なお、前面化粧版5は、傷付きを防止するための保護層と、従来公知の反射防止膜とを有するものである。
次に、本発明に係るリアプロジェクタ装置について説明する。
上記構成のスクリーン10をリアプロジェクタ装置に適用した例を図5に示す。
リアプロジェクタ装置100は、画像光を投射する光源(光学エンジン)11と、光源11からの投射光(プロジェクタ光)LPを反射する反射ミラー12と、反射ミラー12の反射光LRが背面側から投影され、映像光Liとして観察者側に放射する上記構成のスクリーン10とを備えている。
リアプロジェクタ装置100は、画像光を投射する光源(光学エンジン)11と、光源11からの投射光(プロジェクタ光)LPを反射する反射ミラー12と、反射ミラー12の反射光LRが背面側から投影され、映像光Liとして観察者側に放射する上記構成のスクリーン10とを備えている。
光源11は、通常のリアプロジェクタ装置の光源として用いられているものであればよく、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の三原色の各色の波長領域を含む光を用いて画像光を投射するものであることが好ましい。また、選択透過フィルター2において透過する波長領域はできるだけ狭いほうがよいことから、輝度ピークの半値幅が狭い特性をもつ光源がとくに好ましい。例えば、プロジェクタ用液晶ディスプレイデバイス(LCD、SXRD)、GLV、陰極線管(CRT)、LEDのいずれかと、それに対応した照明光学系とを備えたものが挙げられる。
反射ミラー12は、画像光であるプロジェクタ光LPを反射して、スクリーン10に投射するものであり、リアプロジェクタ装置において従来公知のものでよい。
リアプロジェクタ装置100では、光源11からの画像光であるプロジェクタ光LPは、反射ミラー12を経由してスクリーン10の背面側に投射され、フレネルレンズシート1で平行光とされた後にレンチキュラレンズ2に入射される。ついで、レンチキュラレンズ2で平行光は集光され無駄なくブラックストライプ3を通過して光拡散シート4に入射する。光拡散シート4で入射した光は拡散され、前面化粧版5を透過して映像光Liとして観察者側に到達する。
ここで、光拡散シート4には所定の交流電圧が印加されており、経時的に拡散特性が変化しているため、この経時的変化に対応して無数の異った散乱状態の結像パターンが生じ、これらの結像パターンが重畳されて表示されることにより、表示画像は均質化され、ギラツキ感(スペックル)が低減されるようになる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
(1)サンプル作製条件
(S31)以下の材料を高分子原料材料:液晶を重量比として10:90〜30:70の範囲で変化させて相溶させて溶液を調製した。
・高分子原料材料(モノマー);日本化薬製HX−620(Caprolacton-modhified hydroxyl pivalic acid ester neopentyglycol diacrylate)
・重合開始剤;メルク製Darocure 1173(2-hydroxy-2-methyl-1-phenylpropan-1-one)
・液晶(ネマティック液晶);下記構造式のピリジン系(pyridine derivatives)
(1)サンプル作製条件
(S31)以下の材料を高分子原料材料:液晶を重量比として10:90〜30:70の範囲で変化させて相溶させて溶液を調製した。
・高分子原料材料(モノマー);日本化薬製HX−620(Caprolacton-modhified hydroxyl pivalic acid ester neopentyglycol diacrylate)
・重合開始剤;メルク製Darocure 1173(2-hydroxy-2-methyl-1-phenylpropan-1-one)
・液晶(ネマティック液晶);下記構造式のピリジン系(pyridine derivatives)
(S32)前記溶液を透明導電膜42eが形成されている透明基板42上にドクターブレード法により均一な厚みで塗布した。
(S33)塗膜の上にもう一方の透明基板42を透明導電膜42eが塗膜に接するように配置し、スペーサを介して2枚の透明基板42が塗膜を挟みこんだ状態にする。なお、スペーサにより透明基板42の間隔を11μmとした。
(S34)一方の透明基板42の外側から100mW/cm2以下の紫外線を照射して紫外線硬化モノマーを光重合させた。これにより、高分子マトリクス41m中に液晶の微小粒子41LCが分散して固定されている高分子分散液晶層41が形成された。
(S35)透明基板42の透明導電膜42eに電源Eから電圧を印加するための電極を取り付けて光拡散シート4を完成する。
この光拡散シート4を用いて、図2に示すスクリーンを作製した。
(S33)塗膜の上にもう一方の透明基板42を透明導電膜42eが塗膜に接するように配置し、スペーサを介して2枚の透明基板42が塗膜を挟みこんだ状態にする。なお、スペーサにより透明基板42の間隔を11μmとした。
(S34)一方の透明基板42の外側から100mW/cm2以下の紫外線を照射して紫外線硬化モノマーを光重合させた。これにより、高分子マトリクス41m中に液晶の微小粒子41LCが分散して固定されている高分子分散液晶層41が形成された。
(S35)透明基板42の透明導電膜42eに電源Eから電圧を印加するための電極を取り付けて光拡散シート4を完成する。
この光拡散シート4を用いて、図2に示すスクリーンを作製した。
(2)サンプル評価
上記サンプルスクリーンを用いて、高分子分散液晶層4に実効電圧値5V、周波数60Hzの交流電圧を印加した状態でスクリーン背面からプロジェクタ用液晶ディスプレイデバイス(SXRD)を光源とする映像光を投射し、正面から観察した。比較として図1に示す従来のスクリーン(比較スクリーン)も同様に観察を行った。
上記サンプルスクリーンを用いて、高分子分散液晶層4に実効電圧値5V、周波数60Hzの交流電圧を印加した状態でスクリーン背面からプロジェクタ用液晶ディスプレイデバイス(SXRD)を光源とする映像光を投射し、正面から観察した。比較として図1に示す従来のスクリーン(比較スクリーン)も同様に観察を行った。
その結果、すべてのサンプルスクリーンで比較スクリーンよりもギラツキの低減が認められた。高分子分散液晶層4を60Hzの交流電圧でドライブさせた場合、最低でも1秒間に60枚(移行状態を含めるとさらに多くの枚数)の異なる液晶パターンが存在し、これらが重なって観察されることになる。ここで、スペックルコントラスト(強度)Cは以下の式より約8分の1(60のルート分の1以下)になっているものと推定され、上記感応試験結果とよく合致した。
C=C0/(n1/2)
(ここで、n;重畳パターン数、C0;オリジナルスペックルコントラスト)
(ここで、n;重畳パターン数、C0;オリジナルスペックルコントラスト)
1・・・フレネルレンズシート、2・・・レンチキュラレンズ、3・・・ブラックストライプ、4・・・光拡散シート、41・・・高分子分散液晶層、41LC、41LCp・・・液晶の微小粒子、41m・・・高分子マトリクス、42・・・透明基板、42b・・・ベース基板、42e・・・透明導電膜、5・・・前面化粧版、10・・・スクリーン、11・・・光源、12・・・反射ミラー、100・・・リアプロジェクタ装置、E・・・電源、LC・・・液晶、p・・・二色性色素
Claims (4)
- 光源からの光を略平行光として出射するフレネルレンズシートと、前記略平行光が入射され画像を表示するレンチキュラレンズ及び光拡散シートからなるレンチキュラシートとを備えるスクリーンにおいて、
前記光拡散シートは、高分子マトリクス中に液晶の微小粒子が分散して固定されている高分子分散液晶層が透明導電膜を有する2枚の透明基板で挟まれてなり、該透明導電膜に交流電圧が印加されることを特徴とするスクリーン。 - 前記交流電圧の周波数は60Hz以上であることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
- 前記液晶の微小粒子は、二色性色素を含むことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
- 画像光を投射する光源と、該光源からの投射光を反射する反射ミラーと、該反射ミラーの反射光が背面側から投影される請求項1〜3のいずれか一に記載のスクリーンとを備えることを特徴とするリアプロジェクタ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005036237A JP2006221069A (ja) | 2005-02-14 | 2005-02-14 | スクリーン及びリアプロジェクタ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005036237A JP2006221069A (ja) | 2005-02-14 | 2005-02-14 | スクリーン及びリアプロジェクタ装置 |
Publications (1)
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ID=36983428
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2006221069A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7988307B2 (en) | 2007-08-06 | 2011-08-02 | Seiko Epson Corporation | Image display device |
JP2011158731A (ja) * | 2010-02-01 | 2011-08-18 | Mitsubishi Electric Corp | スクリーンユニット及び投写型表示装置 |
CN102402113A (zh) * | 2010-09-09 | 2012-04-04 | 北京中视中科光电技术有限公司 | 一种激光投影屏幕 |
JP2018031990A (ja) * | 2016-08-26 | 2018-03-01 | 大日本印刷株式会社 | スクリーンおよび表示装置 |
-
2005
- 2005-02-14 JP JP2005036237A patent/JP2006221069A/ja active Pending
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