JP2006219722A - 被覆水素吸蔵合金粒子の製造方法、該方法により得られる被覆水素吸蔵合金粒子、該粒子を用いてなるニッケル−水素二次電池用負極、およびニッケル−水素二次電池、ならびに水素吸蔵合金粒子の被覆方法 - Google Patents

被覆水素吸蔵合金粒子の製造方法、該方法により得られる被覆水素吸蔵合金粒子、該粒子を用いてなるニッケル−水素二次電池用負極、およびニッケル−水素二次電池、ならびに水素吸蔵合金粒子の被覆方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池性能(放電容量や高率放電特性等)を損なうことなく、特に高温下において電池としての耐久性(サイクル寿命特性)を発揮するニッケル−水素二次電池の実現を可能とする被覆水素吸蔵合金粒子を、簡便且つ温和な条件で安価に提供し得る新規な製造方法を提供する。
【解決手段】ニッケルイオン源を含む無電解めっき液(A)中にチタン系化合物(B)を分散させてなる分散液中で、触媒化処理した水素吸蔵合金粒子(C)を無電解複合めっき処理することにより、チタン系化合物(B)が分散したニッケル金属被覆層を該粒子(C)の表面に形成させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、被覆水素吸蔵合金粒子の製造方法、該製造方法により得られる被覆水素吸蔵合金粒子、該被覆水素吸蔵合金粒子を活物質として用いてなるニッケル−水素二次電池用負極、および該負極を用いてなるニッケル−水素二次電池、ならびに水素吸蔵合金粒子の被覆方法に関する。
ニッケル−水素二次電池は、従来のアルカリ蓄電池であるニッケル−カドミウム電池と比べて放電容量が大きく、高率放電特性も比較的優れ、また環境負荷の大きなカドミウムを用いないことから、ニッケル−カドミウム電池の代替蓄電池として急速に普及している。また、1997年に京都議定書が締結されたことにより二酸化炭素排出量への関心が高まる中、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車といったいわゆるエコカーの普及に不可欠とされる搭載用蓄電デバイスとして、性能、コスト、安全面などからニッケル−水素二次電池が有力視されている。
ニッケル−水素二次電池は、一般に、負極に水素吸蔵合金、正極に水酸化ニッケル、電解液に高濃度アルカリ水溶液を用いてなるアルカリ蓄電池の一種である。該水素吸蔵合金を構成する材料としては、Mm(MmはLaやCeなどの希土類元素の混合物で、ミッシュメタルと称される)と、Ni、Mn、Co、Alなどを主成分とするものであって、通常は粒子形態で用いられている。
しかしながら、前記水素吸蔵合金粒子は材料として不満足である。特に、高濃度のアルカリ水溶液中では酸化されやすいため構成成分が溶出し、そのため該材料を用いてなるニッケル−水素二次電池では、充放電を長期間繰り返す過程において合金粒子が徐々に微細化し、これが電極支持体から脱落することによって放電容量が著しく低下するなど、電池としての耐久性(いわゆるサイクル寿命特性)に問題がある。特に、自動車用の蓄電デバイスとして用いる場合には、使用環境が高温になりやすいため、ニッケル−水素二次電池の高温下での耐久性改良が重要課題とされている。
前記課題を解決させるために、例えば、還元剤を用いる自己触媒型の湿式無電解ニッケルめっき法により水素吸蔵合金粒子の表面をニッケル金属で被覆した水素吸蔵合金粒子を用いることが提案されている(特許文献1参照)。しかし、該手段では、充分な耐久性を得るためにはニッケル被覆層を厚くする必要があり、これにより、充放電反応に伴う水素の吸蔵放出が阻害されてしまい、電池の放電容量が低下してしまう問題があった。
さらに、高温での充放電サイクル寿命特性を向上させる方法として、水素吸蔵合金負極中にチタン酸化物を混在させる方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、チタン酸化物はそれ自体が通電性に劣るため、得られる負極の導電性が低下し、電池性能が損なわれる可能性がある。
この様に、ニッケル−水素二次電池において、その電池性能を低下させることなく、しかも耐久性を充分に向上させる為の水素吸蔵合金粒子を得る手段は、今のところ見出されていない状況にあった。
特開昭61−64069号公報 特開平10−275631号公報
本発明は、電池性能(放電容量や高率放電特性等)を損なうことなく、特に高温下において電池としての高い耐久性(サイクル寿命特性)を発揮するニッケル−水素二次電池の実現を可能とする被覆水素吸蔵合金粒子を、簡便且つ温和な条件で安価に提供し得る新規な製造方法を提供することを主たる課題とする。また本発明は、該製造方法で得られた被覆水素吸蔵合金粒子を用いたニッケル−水素二次電池用負極および該負極を用いた前記電池性能に優れるニッケル−水素二次電池を提供することをも課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水素吸蔵合金粒子の表面に特定の被覆方法を用いて、チタン系化合物を導入した当該被覆層を形成することにより、意外にも目的とする被覆水素吸蔵合金粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ニッケルイオン源を含む無電解めっき液(A)(「めっき液(A)」と略すことがある)中にチタン系化合物(B)を分散させてなる分散液中で、触媒化処理した水素吸蔵合金粒子(C)(「粒子(C)」と略すことがある)を無電解複合めっき処理することにより、チタン系化合物(B)が分散したニッケル金属被覆層を該粒子(C)の表面に形成させることを特徴とする、被覆水素吸蔵合金の製造方法;当該製造方法で得られる該被覆水素吸蔵合金粒子;当該被覆水素吸蔵合金粒子を活物質として用いてなるニッケル−水素二次電池用負極(「負極」と略すことがある);当該負極を用いてなるニッケル−水素二次電池(「電池」と略すことがある);ニッケルイオン源を含む無電解めっき液(A)中にチタン系化合物(B)を分散させてなる分散液中で、触媒化処理した水素吸蔵合金粒子(C)を無電解複合めっき処理することにより、該チタン系化合物(B)が分散したニッケル金属被覆層を該粒子(C)の表面に形成させることを特徴とする、水素吸蔵合金粒子の被覆方法、に関する。
本発明に係る製造方法によれば、前記チタン系化合物(B)が分散したニッケル金属被覆層を該粒子(C)の表面に温和な条件で簡便なプロセスで形成させることができるため、前記耐久性を有する被覆水素吸蔵合金粒子を安価に提供することができる。また、かかる被覆水素吸蔵合金粒子は前記特異的な形態を有することから、これを負極に用いたニッケル−水素二次電池は、電池性能(放電容量や高率放電特性等)が低下することなく、特に高温下において、電池として優れた耐久性(サイクル寿命特性)を示す。そのため、本発明に係わるニッケル−水素二次電池は、高温使用環境が想定される前記エコカーの蓄電デバイスとして有用である。また、本発明に係る被覆方法によれば、水素吸蔵合金粒子の表面を、前記チタン系化合物(B)が分散したニッケル金属被覆層により、温和な条件で簡便に被覆することができる。
本発明の製造方法では、前記めっき液(A)中にチタン系化合物(B)を分散させてなる分散液を予め調製する。次いで該分散液中で、前記粒子(C)を無電解複合めっき処理(反応)することにより、チタン系化合物(B)が分散したニッケル金属被覆層を該粒子(C)の表面に形成することが可能となり、前記目的とする被覆水素吸蔵合金粒子が得られる。尚、該分散液は結果的にめっき液(A)とチタン系化合物(B)とからなるものであればよいので、めっき液(A)の媒体たる水へチタン系化合物(B)を予め分散させておき、次いで後述するめっき液(A)の各構成成分を添加することで、かかる分散液としてもよい。
チタン系化合物(B)としては、例えば、酸化チタンまたはチタン酸カリウムが挙げられる。 酸化チタンとしては、二酸化チタン(TiO)、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン
(Ti)などの微粒子状のものが挙げられるが、入手の容易性等の理由から好ましくは二酸化チタン微粒子が用いられる。また、チタン酸カリウムとしては、チタンおよび/または二酸化チタンを高濃度水酸化カリウム水溶液中で処理することにより得られるチタン酸カリウムであれば特に限定されず、例えば、チタン粉末を用いて、1〜20M程度の水酸化カリウム水溶液中で反応させて得られるものが該当する。該処理条件も特に限定されず、温度50℃〜400℃程度、処理時間1時間〜24時間程度とすることで、容易に目的のチタン酸カリウムの結晶を得ることができる。なお、酸化チタンとチタン酸カリウムは併用してもよい。
本発明においては、形成されるニッケル金属被覆層は、前記粒子(C)1g当り、ニッケル換算で通常0.001〜0.3g程度、好ましくは0.001〜0.1gの範囲にあるのが好ましい。被覆量が0.001g未満の場合には、発明の効果が十分でない傾向があり、0.3gを超えると水素の透過がむしろ抑制される等により電池性能が低下する傾向がある。なお、上記ニッケル金属被覆層は、均一な厚みである必要はなく、また、水素吸蔵合金表面を完全に被覆している必要もない。なお、ニッケル金属層の析出量は、当該被覆水素吸蔵合金粒子を希硝酸に溶解し、そのニッケル量を原子吸光分析法にて定量することによって算出することができる。
前記ニッケル金属被覆層中のチタン系化合物(B)の含有率は、通常0.001〜0.3重量%程度、特に0.001〜0.1重量%であるのが好ましい。含有率が0.001重量%未満の場合には、発明の効果が十分でなく、0.3重量%を超えると導電性を低下させる等の影響がある。なお、かかる含有率は、チタン系化合物(B)の使用重量と、前記無電解複合めっき反応を完了した後の残留した該チタン系化合物(B)の重量差から算出することができる。また、当該被覆水素吸蔵合金粒子を希硫酸に溶解し、そのチタン量を原子吸光分析法にて定量することによっても算出することができる。なお、分散させるチタン系化合物(B)の粒子径は、発明の効果や、めっき液(A)中における分散安定性を考慮して決定され、平均一次粒子径で通常0.001〜
0.1μm程度が好ましい。
本発明では、めっき液(A)中に、あらかじめチタン系化合物(B)をなるべく細かく分散させておくのが好ましい。分散量は特に限定されるものではないが、通常0.005〜
0.5g/L程度することが望ましい。分散量がこの範囲から外れた場合には、チタン系化合物(B)のニッケル金属被覆層中への導入量を制御することが難しくなる傾向がある。また、めっき液(A)中にチタン系化合物(B)を分散させる方法としては、かかるチタン系化合物(B)をめっき液(A)中に添加し、機械的に分散させる方法を選択すればよく、特に超音波照射して分散させる方法が好ましい。分散時の温度、分散させる時間は、特に限定されず、分散液の状態を見ながら適宜設定されるが、通常は、1〜24時間程度、分散時の温度は20〜60℃程度である。なお、分散時に、一般的に使用される分散安定化剤(例えばポリアクリル酸塩など)を、電池性能を損なわない範囲において添加することもできる。
本発明において使用する水素吸蔵合金粒子(C)は特に限定されるものではなく、合金自体としてはニッケル−水素二次電池負極用に用いられる公知のものの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、例えばLaやCeなどの希土類元素の混合物からなるミッシュメタル(Mm)とNi、Mn、Co,Alなどを主成分とするAB型や、AB型のものが合金として好適であるが、サイクル寿命特性の観点からAB型のものが望ましい。また、該粒子(C)のサイズは特に限定されないが、電極に加工する際の加工性や、電極にした場合の電池性能の点から、平均粒子径が1〜125μm程度、好ましくは1〜50μm程度となるものが良い。
本発明の製造方法における無電解複合めっき処理(反応)方法は特に限定的なものではなく、例えば、前記粒子(C)の表面にめっき被膜成長の活性点となる触媒核を形成する工程と、ニッケルイオン源、該イオンの錯化剤、還元剤、pH調製剤および水とから主になるめっき液(A)中に、あらかじめチタン系化合物(B)を充分に分散させた上で、該粒子(C)を投入し、系を撹拌する工程とからなる。
粒子(C)の表面に前記触媒核を形成する工程は、例えば、塩化スズ塩酸水溶液中に該粒子(C)を浸漬あるいは攪拌することによって、該粒子(C)表面の酸化被膜を除去するとともに該表面にスズイオンを吸着させる前処理工程と、さらに、塩化パラジウム塩酸水溶液中に浸漬あるいは攪拌することによって、該粒子(C)表面のスズイオンの作用でパラジウムイオンを還元し、該粒子(C)表面に触媒核となるパラジウム核を形成させる後処理(活性化)工程とからなる。
前記塩化スズ塩酸水溶液の組成は特に限定されるものではないが、塩化スズ濃度は0.01〜1.0mol/L程度、塩酸濃度は0.01〜2.0mol/L程度とするのが好ましい。なお、「センシタイザー」(奥野製薬工業(株)製)などの市販品を、適宜希釈して用いてもよい。
また、前記塩化パラジウム塩酸水溶液の組成は特に限定されるものではないが、塩化パラジウム濃度は0.01〜1.0mol/L程度、塩酸濃度は0.01〜2.0mol/L程度とするのが好ましい。なお、「アクチベーター」(奥野製薬工業(株)製)などの市販品を、適宜希釈して用いてもよい。
本発明に係る、ニッケルイオン源、該イオンの錯化剤、還元剤、pH調製剤および水とからなるめっき液(A)の組成は特に限定されるものではないが、例えばニッケルイオン源としては硫酸ニッケルや塩化ニッケル等のニッケル塩を0.01〜0.5mol/L程度、錯化剤としてはクエン酸、酒石酸、こはく酸、リンゴ酸、ニトリロトリ酢酸あるいはこれらの塩類、EDTA、トリエタノールアミン、グリシン等を0.01〜1.0mol/L程度、還元剤としてはホスフィン酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン等を0.02〜1.5mol/L程度、それぞれ単独あるいは2種以上併用して用いることができる。pH調製剤としては硫酸、塩酸などの酸、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等のアルカリを適宜用いることができ、めっき液(A)のpHは4〜12程度とすることが望ましい。また、「化学ニッケル」や「HR−TA」(いずれも奥野製薬工業(株)製)などの市販無電解ニッケルめっき液を、適宜希釈して用いてもよい。
本発明の製造方法では、前記チタン系化合物(B)を分散させためっき溶液(A)中へ、前記粒子(C)を添加し、系を充分に攪拌することによって、チタン系化合物(B)の粒子が分散しているニッケル金属被覆層を、水素吸蔵合金粒子(C)の表面上に形成させることができる。かかる複合めっき処理における処理温度は特に限定されるものではないが、無電解ニッケルめっきの反応速度を考慮して決定され、通常は50〜100℃程度、好ましくは60〜85℃程度である。また、処理時間は1〜12時間程度である。なお、「チタン系化合物(B)の粒子が分散しているニッケル金属被覆層」とは、ニッケル金属被覆層内にチタン系化合物(B)が粒子状に分散している場合に限定されず、該チタン系化合物(B)の一部がニッケル金属被覆層の表面に露出または吸着している場合であっても構わない。なお、かかる製造方法自体が、水素吸蔵合金粒子の表面に前記ニッケル金属被覆層を形成するための被覆方法(処理方法)として有用である。
次に、本発明に係るニッケル−水素二次電池用負極について説明する。当該負極は、本発明に係る被覆水素吸蔵合金粒子を活物質に用いたものであり、各種公知の手段により作製することができる。具体的には、該被覆水素吸蔵合金粒子と公知のバインダーとを混合してペースト状にしたものを、例えば発泡ニッケル基板といった三次元多孔基板やパンチングメタル基板などの二次元基板等に塗り込み、乾燥した後に加圧形成することにより得ることができる。バインダーとしては特に限定されるものではなく、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、PTFEなどが挙げられる。また、バインダーは被覆水素吸蔵合金粒子に対して0.1〜20重量%程度(固形分)用いればよい。なお、負極にはNi、Co、Cu粉、アセチレンブラック、カーボンブラック、酸化イットリウム等の導電助剤を、被覆水素吸蔵合金粒子に対して0.1〜10重量%程度用いてもよい。
最後に、本発明に係るニッケル−水素二次電池を説明する。当該電池は、前記負極と、燒結式の水酸化ニッケルのような公知の正極と、ポリプロピレン製やアクリル製の不織布のような公知のセパレータと、公知のアルカリ電解液と、公知の収納容器とを用いて、電池に組み立てたものである。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
水素吸蔵合金粒子としてAB型のもの((株)三徳製、平均一次粒子径約35μm)9.6gを、前記「センシタイザー」10mLおよび蒸留水10mLとからなる水溶液中に添加して攪拌することによって前記前処理を行った。該処理後にかかる水素吸蔵合金粒子を直ちにろ過・分離し、蒸留水で洗浄した。次いで、該前処理後の水素吸蔵合金粒子を、前記「アクチベーター」10mL、および蒸留水20mLとからなる水溶液中に添加して攪拌することにより、活性化処理を行った。該処理後にかかる水素吸蔵合金粒子を直ちにろ過・分離し、蒸留水で洗浄した。こうして、触媒化処理した水素吸蔵合金粒子を得た。
一方、硫酸ニッケル0.02mol/L、こはく酸ナトリウム0.02mol/L、リンゴ酸0.02mol/L、およびホスフィン酸ナトリウム0.06mol/Lとからなる水溶液500mLを、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH5に調整してめっき液とした。次いで、該めっき液に、二酸化チタン(商品名「スーパータイタニアF−4」;昭和電工(株)製;平均一次粒子径約0.03μm)0.05gを添加し、攪拌下に超音波を照射しながら分散液を調製した。次いで得られた分散液を昇温し、75〜80℃に保持した。なお、該分散液(めっき浴)中のチタン系化合物(この場合は二酸化チタン)の分散量(g/L)を表1に示す。
次いで、該分散液に前記触媒化処理した水素吸蔵合金粒子を投入し、系を3時間攪拌することによって、該粒子の表面に、二酸化チタンが分散しているニッケル金属被覆層を形成させ、被覆水素吸蔵合金粒子とした。ついで該被覆粒子を分離し、減圧乾燥した。なお、当該被覆粒子の電子顕微鏡(SEM)写真による表面形状を図1に示す。
該被覆粒子表面に形成されたニッケル金属被覆層の重量割合、即ち、前記触媒化処理した水素吸蔵合金粒子1g当たりのニッケル被膜層の析出量は、当該被覆水素吸蔵合金粒子を希硝酸に溶解し、そのニッケル量を原子吸光分析法にて定量することによってニッケル換算値として算出した。結果を表1に示す。なお、測定装置として「偏光ゼーマン原子吸光光度計Z−5710」(日立ハイテクノロジーズ(株)製)を用いた。
また、該被覆粒子のニッケル金属被覆層中の二酸化チタンの含有率は、前記複合めっき処理した水素吸蔵合金粒子を希硫酸に溶解して、前記同様の方法にて、含有されるチタン量についても定量することによってチタン換算値として算出した。
次に、該被覆粒子を所定量秤量し、バインダーとしてポリビニルアルコール水溶液と混合して、水素吸蔵合金98部、ポリビニルアルコール固形分2部とからなるペーストを調製した。これを発泡ニッケル基板(ニッケル目付け575g/m、2×4cm)に塗布し、減圧加熱乾燥を行った。次いで、得られた基板をプレスし、更にリード線としてニッケルリボンを電気溶接することにより、負極を作製した。
前記水素吸蔵合金負電極1枚を、正極として焼結式水酸化ニッケル極2枚と、セパレータとしてアクリル系不織布をそれぞれの電極間に介して挟み込んだ。さらにこれら3枚の電極板を、2枚のアクリル板で挟み込み、ボルトで固定することによって、負極規制のニッケル−水素二次電池(モデルセル)を組み立てた。そして、作成したモデルセルを用い、電解液として6M水酸化カリウム水溶液を使用して、ニッケル−水素二次電池オープンモデルセルを組み立てた。
(放電容量の測定)
前記オープンモデルセルに定電流充放電試験装置を接続し、電流密度200mA/gで2時間充電し、10分間休止後、200mA/gで正負極間電位差が0.9Vになるまで放電し、放電終了後10分間休止するという充放電サイクル試験を20サイクル繰り返して行い、20サイクル目をもって放電容量とした。なお、この充放電サイクル試験は、恒温器中30℃条件下で実施した。結果を表1に示す。
(高率放電特性の測定)
前記充放電サイクル試験終了後、引き続き高率放電特性試験を実施した。即ち、200mA/gで2時間充電し、10分間休止後、1回目の放電として1000mA/gで正負極間電位差が0.9Vになるまで放電した。次いで10分間休止後、2回目の放電として40mA/gで正負極間電位差が0.9Vになるまで放電した。高率放電特性は、1回目の放電容量をC、2回目の放電容量をCとし、次式によって算出した。結果を表1に示す。
高率放電特性(%)={C/(C+C)}×100
(サイクル寿命特性の測定)
次いで、前記ニッケル−水素二次電池オープンモデルセルを、45℃、湿度80%RHに設定した恒温恒湿器内に設置し、電流密度200mA/gで2時間充電し、10分間休止後、
200mA/gで正負極間電位差が0.9Vになるまで放電し、放電終了後10分間休止するという充放電サイクル寿命試験を実施した。この試験は200サイクル繰り返して行い、200サイクル後の放電容量を測定し、試験前に対する試験後の放電容量の保持率を比較することにより耐久性を評価した。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1で用いた水素吸蔵合金粒子を3.7gに変更した以外は、実施例1と同一の方法・材料で触媒化処理した該水素吸蔵合金粒子の無電解めっき処理を行った。なお、前記同様の方法でニッケル被覆層の析出量、二酸化チタンの含有率を算出した。結果を表1に示す。また、当該被覆粒子の電子顕微鏡(SEM)写真による表面形状を図2に示す。
次いで該被覆粒子を用い、実施例1と同一の方法・材料で負極・電池を作製し、同一の手段で前記各試験を行った。結果を表1に示す。
実施例3
金属チタン粉末(和光純薬工業(株)製、粒子径45μm以下)15.0gを6M水酸化カリウム水溶液400mL中に添加し、85℃で12時間攪拌処理した。冷却、ろ過後、105℃で減圧乾燥することによってチタン酸カリウムの結晶粉末を得た。
次いで、該結晶粉末を蒸留水中に添加し、超音波を照射しながら分散させた。次いで、得られる分散液を自然ろ過して残存物を除去することにより、チタン酸カリウムの分散液を得た。なお、分散液中のチタン酸カリウムの分散量を、チタン酸カリウムの使用重量と、ろ過残重量とから算出した。結果を表1に示す。
一方、前記チタン酸カリウムの分散液に、硫酸ニッケルを0.02mol/L、こはく酸ナトリウムを0.02mol/L、リンゴ酸を0.02mol/L、およびホスフィン酸ナトリウムを0.06mol/Lとなるように添加し、めっき液500mLを調製した。これを、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH5に調製した。次いでかかるめっき液を昇温し、以降75〜80℃を保つようにした。
次いで、実施例1で用いた水素吸蔵合金粒子1.2gを、「センシタイザー」10mLおよび蒸留水10mLとからなる水溶液中に加え、攪拌することによって前処理を行った。
更に、該前処理した水素吸蔵合金粒子を、「アクチベーター」10mLおよび蒸留水10mLとからなる水溶液中に添加し攪拌することによって活性化処理を行ない、触媒化処理した水素吸蔵合金粒子を調製した。
次いで、該粒子を、前記チタン酸カリウムを分散させた前記めっき液中に添加し、攪拌下に3時間加熱することによって無電解複合めっき処理を行った。次いで、該粒子をろ過後、減圧乾燥した。なお、前記同様の方法でニッケル被覆層の析出量、チタン酸カリウムの含有率を算出した。結果を表1に示す。また、当該被覆粒子の電子顕微鏡(SEM)写真による表面形状を図3に示す。
次いで該被覆粒子を用い、実施例1と同一の方法・材料で負極・電池を作製し、前記同様の手段で各試験を行った。結果を表1に示す。
比較例1
めっき液にチタン系化合物を添加しない以外は変更なく、実施例1と同一の条件・材料でめっき処理を行い、ニッケルのみの被膜層が表面に形成された水素吸蔵合金粒子を製造した。ついで、該粒子を用いて負極・電池を作製し、前記同様の各試験を行った。なお、実施例1と同様の方法でニッケル被覆層の析出量を算出した。結果を表1に示す。また、該粒子の電子顕微鏡(SEM)写真による表面形状を図4に示す。
比較例2
実施例1で用いた触媒化処理していない水素吸蔵合金粒子をそのまま(めっき処理をすることなく)用いて、実施例1と同様の方法・材料で負極・電池を製造した。なお、該粒子の電子顕微鏡(SEM)写真による表面形状を図5に示す。また、実施例1と同様の方法で電池性能を評価した。結果を表1に示す。
表1より、複合めっき処理を行った実施例1および2においては、放電容量、高率放電特性ともに、めっき処理を行わない比較例2よりも大きく向上したことが分かった。また、ニッケル単独でめっき処理した比較例1と比較しても、複合めっき処理により電池性能が向上した。
特に放電容量の保持率を比較すると、実施例1および2については放電容量の減少が1割未満に抑制されているのに対し、ニッケル単独めっき処理した比較例1では1割以上、めっき処理していない比較例2に至っては3割程度の容量減少が見られており、本発明の効果が実証されたといえる。
また、チタン酸カリウムを用いた実施例3によれば、比較例2と比べて放電容量が高く、高率放電特性は比較例1とほぼ同等となった。特に放電容量に関しては、二酸化チタンを用いた実施例1、2よりも大きな向上が認められる。なお、放電容量の保持率を比較すると、チタン酸カリウムを用いた場合においても同様に放電容量の低下が抑制されることが認められる。
実施例1の被覆水素吸蔵合金粒子のSEM写真(50,000倍)である。 実施例2の被覆水素吸蔵合金粒子のSEM写真(50,000倍)。 実施例3の被覆水素吸蔵合金粒子のSEM写真(50,000倍)。 比較例1の、ニッケル層のみで被覆された水素吸蔵合金粒子のSEM写真(50,000倍)。 比較例2の、めっき処理を行っていない水素吸蔵合金粒子のSEM写真(50,000倍)。

Claims (11)

  1. ニッケルイオン源を含む無電解めっき液(A)中にチタン系化合物(B)を分散させてなる分散液中で、触媒化処理した水素吸蔵合金粒子(C)を無電解複合めっき処理することにより、該チタン系化合物(B)が分散したニッケル金属被覆層を水素吸蔵合金粒子(C)の表面に形成させることを特徴とする、被覆水素吸蔵合金粒子の製造方法。
  2. チタン系化合物(B)が酸化チタンである請求項1記載の製造方法。
  3. チタン系化合物(B)がチタン酸カリウムである請求項1記載の製造方法。
  4. 水素吸蔵合金粒子(C)1g当りの前記ニッケル金属被覆層の析出量が、ニッケル換算で0.001〜0.3gである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記ニッケル金属被覆層中のチタン系化合物(B)の含有率が、チタン換算で
    0.001〜0.3重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記無電解めっき液(A)中に分散させるチタン系化合物(B)の平均一次粒子径が0.001〜0.1μmであり、かつ分散させるチタン系化合物(B)の量が0.005〜0.5g/Lである請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記無電解めっき液(A)中にチタン系化合物(B)を超音波照射して分散させる請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法で得られることを特徴とする被覆水素吸蔵合金粒子。
  9. 請求項8に記載の被覆水素吸蔵合金粒子を活物質として用いてなることを特徴とするニッケル−水素二次電池用負極。
  10. 請求項9に記載の負極を用いてなることを特徴とするニッケル−水素二次電池。
  11. ニッケルイオン源を含む無電解めっき液(A)中にチタン系化合物(B)を分散させてなる分散液中で、触媒化処理した水素吸蔵合金粒子(C)を無電解複合めっき処理することにより、該チタン系化合物(B)が分散したニッケル金属被覆層を該粒子(C)の表面に形成させることを特徴とする、水素吸蔵合金粒子の被覆方法。










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WO2018123579A1 (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 株式会社豊田自動織機 負極材料の製造方法

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