JP2006219416A - ニゲロース含蜜結晶およびその製造方法、結晶ニゲロースおよびその製造方法、ならびに粉末ニゲロース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ニゲロースを含む糖溶液から結晶ニゲロースを析出させるニゲロース含蜜結晶の製造方法。前記糖溶液は、固形分当たり85質量%以上のニゲロースを含み、かつ、ニゲロース以外の二糖類を固形分当たり10質量%以下含む。純度85%以上の結晶ニゲロース。純度85%以上の結晶ニゲロースを含むニゲロース含蜜結晶。結晶ニゲロースを80質量%以上含有する粉末ニゲロース。
【選択図】なし
Description
しかしながら、この報告には、ニゲロースの純度や濃度などの結晶化条件の記載が一切ない。さらに、この報告後、結晶ニゲロースまたはそれを含有する含蜜結晶を生成した報告はなく、K.Takeo and S.Matsuzakiらの報告では、ニゲロースは非晶質の粉末として得られ、結晶化することができなかったと記載されている[非特許文献7]。
S.A.Barker,E.J.Bourne,M.Stacey,Studies of Aspergillus niger.Part I.The structure of the polyglucosan synthesized by Aspergillus niger 152,J.Chem.Soc.,(1953)3084−3090. 松田和雄,麻生清,非醗酵性糖に関する研究(第4報)清酒並びに米麹汁中のunfermentable disaccharideについて,醗工,31(1953)211−213.,松田和雄,廣島吾郎,柴崎一雄,麻生清,非醗酵性糖に関する研究(第11報)清酒及び米麹汁中のunfermentable disaccharideについて(III),sakebioseとnigerose及びy−sugarの同定,醗工,32(1954)498−501. S.Imai,K.Takeuchi,K.Shibata,S.Yoshikawa,S.Kitahata,S.Okada,S.Araya,T.Nishizawa,Screening of sugers inhibitory against sucrose−dependent synthesis and adherence of insoluble glucan and acid production by Streptococcus mutans,J.Dent.Res.,63 (1984)1293−1297. K.Takeo,S.Kitamura,Y.Murata,Synyhesis of nigero−oligosacharides,Crabohydr.Res.,224(1992)111−122. 日本農芸化学会2003年度大会講演要旨集 p68 F.Yamauchi,K.Matsuda,Crystalline・−Nigerose,Nature,204(1964)1088. Crabohydr.Res.,113(1983)281−289.
即ち、上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[請求項1]ニゲロースを含む糖溶液から結晶ニゲロースを析出させるニゲロース含蜜結晶の製造方法であって、
前記糖溶液は、固形分当たり85質量%以上のニゲロースを含み、かつ、ニゲロース以外の二糖類を固形分当たり10質量%以下含むことを特徴とする、前記方法。
[請求項2]前記糖溶液の固形分濃度が55質量%以上である請求項1に記載の方法。
[請求項3]前記糖溶液の溶媒は、水、エタノール、およびメタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1または2に記載の方法。
[請求項4]前記糖溶液の溶媒は、80容量%未満のメタノールを含むメタノール水溶液である請求項3に記載の方法。
[請求項5]前記結晶の析出は、種結晶存在下で行われる請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
[請求項6]起晶および/または育晶のための冷却工程を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
[請求項7]前記ニゲロース含蜜結晶を粉末化することを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
[請求項8]請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により得られたニゲロース含蜜結晶から分蜜することにより結晶ニゲロースを得ることを特徴とする結晶ニゲロースの製造方法。
[請求項9]前記結晶ニゲロースを粉末化することを含む請求項8に記載の方法。
[請求項10]純度85%以上の結晶ニゲロース。
[請求項11]食品、飼料、餌料、化粧品、または医薬品に使用するための請求項10に記載の結晶ニゲロース。
[請求項12]純度85%以上の結晶ニゲロースを含むニゲロース含蜜結晶。
[請求項13]食品、飼料、餌料、化粧品または医薬品に使用するための請求項12に記載のニゲロース含蜜結晶。
[請求項14]結晶ニゲロースを80質量%以上含有する粉末ニゲロース。
[請求項15]前記結晶ニゲロースの純度は85%以上である、請求項14に記載の粉末ニゲロース。
[請求項16]分蜜液および/またはニゲロース以外の糖類を1種以上含有する請求項14または15に記載の粉末ニゲロース。
[請求項17]前記分蜜液および/またはニゲロース以外の糖類が、ブドウ糖、果糖、トレハロース、コージビオース、マルトース、イソマルトース、乳糖、水あめ、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、デキストリン、および糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項16に記載の粉末ニゲロース。
[請求項18]食品、飼料、餌料、化粧品または医薬品に使用するための請求項14〜17のいずれか1項に記載の粉末ニゲロース。
更に、本発明によれば、結晶ニゲロースを含有するきわめて吸湿性の低い粉末ニゲロースを得ることができる。
本発明のニゲロース含蜜結晶の製造方法は、ニゲロースを含む糖溶液から結晶ニゲロースを析出させるニゲロース含蜜結晶の製造方法であって、前記糖溶液は、固形分当たり85質量%以上のニゲロースを含み、かつ、ニゲロース以外の二糖類を固形分当たり10質量%以下含むことを特徴とする。ここで、「ニゲロース含蜜結晶」とは、結晶ニゲロースを含む含蜜結晶をいうものとする。
特許3396129号明細書、特開平11−228425号公報、特開2001−064174号公報、特開2002−080364号公報、特開2002−265366号公報、特開2002−265385号公報、特開2002−325555号公報、Biosci Biotechnol Biochem 63: 373-8,1999)、Int Immunopharmacol 2: 151-9, 2002、薬理と治療 29: 815-26,2001、薬理と治療 30:81-90, 2002.
[参考例1]
ニゲロースの調製(1)
ニゲロオリゴ糖を固形分あたり40%以上含有する市販ニゲロオリゴ糖含有シラップ(日食テイストオリゴ、日本食品化工(株)製)を原料に、以下のようにニゲロースを調製した。固形分が7%になるようにテイストオリゴを水で溶解した液にパン酵母を接種し、室温にて24時間醗酵させテイストオリゴ中に含まれるグルコース、マルトースそしてマルトトリオースを資化後、グルコアミラーゼを添加し糖化液中のデキストリンやマルトオリゴ糖をグルコースにまで分解させ共存する酵母により随時醗酵させ、ニゲロオリゴ糖を固形分当たり95%含有する水溶液を得た。この水溶液を活性炭による脱色、イオン交換樹脂による精製を行った後、固形分濃度50%まで濃縮し、ニゲロオリゴ糖を95%含有するシラップを得た。このシラップをあらかじめ水で平衡化された活性炭カラムに供し、グルコースを除去後2%エタノール溶液によりニゲロースを溶出させた後(画分A)、5%エタノール溶液によりニゲロースと他の糖を溶出させた(画分B)。溶出した画分AとBを回収し、それぞれろ過、濃縮操作によるエタノールを除去、イオン交換樹脂による精製後、凍結乾燥し非結晶状の粉末を画分A 200g、画分B 300gを得た。それぞれの糖組成は、画分A(グルコース 2%、ニゲロース 91%、3糖類 7%)、画分B(グルコース 2%、ニゲロース 72%、3糖類 26%)であった。画分Aの粉末を粉末X線回析法により回析X線を測定したところ、図1に示されるように回折を示さなかった。糖組成の分析方法は、高速液体クロマトグラフィーを用い、分析条件は以下の通りである。
カラム : Shodex Asahipak NH2P−50 4E(4.6mmID×250mm)
溶離液 : アセトニトリル/水=75/25
流速 : 0.9 ml/min
検出器 : 示差屈折計
カラム温度 : 30℃
ニゲロースの調製(2)
ニゲロオリゴ糖を固形分あたり40質量%以上含有する市販ニゲロオリゴ糖含有シラップ(日食テイストオリゴ、日本食品化工(株)製)を原料に、以下のようにニゲロースを調製した。固形分が7質量%になるようにテイストオリゴを水で溶解した液にパン酵母を接種し、室温にて24時間醗酵させテイストオリゴ中に含まれるグルコース、マルトースそしてマルトトリオースを資化後、グルコアミラーゼを添加し糖化液中のデキストリンやマルトオリゴ糖をグルコースにまで分解させ共存する酵母により随時醗酵させ、ニゲロオリゴ糖を固形分当たり95質量%含有する水溶液を得た。この水溶液を活性炭による脱色、イオン交換樹脂による精製を行った後、固形分濃度50質量%まで濃縮し、ニゲロオリゴ糖を95質量%含有するシラップを得た。このシラップをあらかじめ水で平行化したイオン交換カラム(樹脂,XFS−43278)に供し、2糖類画分(単糖類 11質量%、2糖類 36質量%、3糖類 53質量%)を回収した。これを固形分濃度 50質量%まで濃縮し、あらかじめ水で平衡化された活性炭カラムに供し、グルコースを除去後5容量%エタノール溶液によりニゲロースを溶出させた(画分C)。溶出した画分Cを回収し、ろ過、濃縮操作によるエタノールを除去、イオン交換樹脂による精製後、凍結乾燥し非結晶状の粉末を300g得た。その糖組成は、画分C(グルコース 1質量%、ニゲロース 86質量%、3糖類 13質量%)であった。糖組成の分析方法は、参考例1と同様に行った。
ニゲロースの調製(3)
参考例1および2で得られた画分Bと画分Cを15:85の重量比で混合した非結晶状の粉末100gを画分Dとして調製した。その糖組成は、グルコース 1質量%、ニゲロース 84質量%、3糖類 15質量%であった。糖組成の分析方法は、参考例1と同様に行った。
市販の試薬ニゲロース(粉末状)250mg(和光純薬工業(株)製(糖組成
:グルコース 0.5質量%、ニゲロース 98.7質量%、三糖類 0.2質量%、四糖類以上 0.6質量%)、シグマアルドリッチ製(糖組成:グルコース 0.8質量%、ニゲロース 96.2質量%、三糖類 0.3質量%、四糖類以上 2.7質量%))を200μlのメタノール中に加温しながら溶解した。
このニゲロース溶液を室温にて数ヶ月間放置しながら溶媒を蒸発させたところ白色の沈殿物を確認した。この沈殿物を偏光顕微鏡にて観察したところ偏光像が得られたため結晶性物質であることを確認した。また、その沈殿物を水に再溶解し、液体クロマトグラフィーにて分析したところ、試薬ニゲロースと保持時間が完全に一致したため、結晶性物質である沈殿物を結晶ニゲロースと断定した。なお、高速液体クロマトグラフィーによる分析は、参考例1と同条件で行った。
参考例1で得た粉末ニゲロース(画分A)5.1gを75容量%メタノール溶液に加温しながら溶解し固形分濃度55質量%の結晶母液を調製した。この母液に実施例1で得た結晶ニゲロースを9mg加え、室温にて放置した。放置後一晩で母液の白濁がわずかに認められ、1週間で完全に白濁したマセキットを得た。マセキットから遠心分離により分蜜を行い、結晶を洗浄後乾燥し、800mgの白色粉末を得た。この粉末は、偏光顕微鏡にて観察したところ偏光像が得られ、参考例1と同様の条件で分析したところ、その糖組成は、グルコース 0.3質量%、ニゲロース 99.7質量%であった。得られたニゲロースの融点をDSC測定によって求めたところ、154〜157℃であり、水中の旋光度は
参考例1で得た粉末ニゲロース(画分B)6gと参考例3で得た粉末ニゲロース(画分D)5.9gを75容量%メタノール溶液に加温しながら溶解し固形分濃度82質量%の結晶母液を調製した。この母液に実施例1で得た結晶ニゲロースを12mg加え、室温にて放置した。数ヶ月間放置後、母液には白濁がわずかに認められたが、実質的に結晶を得ることはできなかった。上記母液を遠心分離により分蜜して得られた分蜜液の糖組成、固形分そして質量から、分蜜液中のニゲロース含量を求め、以下の式により結晶化率を算出したところ、結晶化率7%であった。なお、結晶化率10%以上であれば、結晶が得られたと判断することができる。
参考例1と同様の方法を用いてニゲロース溶液を調製し、このシラップをあらかじめ水で平行化したイオン交換カラム(樹脂,XFS−43278)に供し、2糖類画分(単糖類 10質量%、2糖類 38質量%、3糖類 52質量%)を回収した。これを固形分濃度 50質量%まで濃縮し、あらかじめ2容量%エタノール溶液で平衡化された活性炭カラムに供し、グルコースを除去後2容量%エタノール溶液により緩やかにニゲロースを溶出させた(画分F)。溶出した画分Fを回収し、ろ過、濃縮操作によるエタノールを除去、イオン交換樹脂による精製後、凍結乾燥し非結晶状の粉末を230g得た。その糖組成は、画分F(グルコース 2質量%、ニゲロース 98質量%)であった。糖組成の分析は、参考例1と同様に行った。
次いで、画分Fにそれぞれ夾雑2糖類としてマルトースを6質量%、8質量%、10質量%、14質量%となるように混合したものを調製した。各マルトース混合ニゲロース5gに78容量%メタノール溶液を固形分濃度70質量%になるよう溶解した。これに実施例2にて得られた結晶ニゲロースをそれぞれ2.2mgを加え、4℃から室温で放置した。2週間放置後、遠心分離を行い分蜜して得られたニゲロース量を求め、比較例1と同様に結晶化率を求めた。
参考例1で得た粉末ニゲロース(画分A)5.1gを水に加温しながら溶解し固形分濃度85質量%の結晶母液を調製した。この母液に実施例2で得た結晶ニゲロースを20mg加え、室温にて放置した。放置後一晩で母液の白濁がわずかに認められ、2週間で完全に白濁したマセキットを得た(結晶化率90%)。マセキットを温度40℃で乾燥し、これを粉砕することにより4.7gの白色粉末を得た。この粉末を、偏光顕微鏡にて観察したところ偏光像が得られ、参考例1と同様の条件で分析したところ、その糖組成は、グルコース 2質量%、ニゲロース 91質量%、3糖類 7質量%であった。得られた粉末ニゲロースを粉末X線回析法により回析X線を測定したところ、図3に示されるような回析を示した。以上の結果から、白色粉末は結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末であることがわかる。
参考例2で得た粉末ニゲロース(画分C)8gを90容量%のエタノール溶液に加温しながら溶解し、固形分濃度80質量%の結晶母液を調製した。この母液に実施例2で得た結晶ニゲロースを15mg加え、室温にて放置した。放置後一晩で母液の白濁がわずかに認められ、10日間で完全に白濁したマセキットを得た。マセキットを温度40℃で乾燥し、これを粉砕することにより7.6gの結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末を得た。この粉末を、偏光顕微鏡にて観察したところ偏光像が得られ、参考例1と同様の条件で分析したところ、その糖組成は、グルコース 1質量%、ニゲロース 86質量%、3糖類 13質量%であった。
吸湿性試験1
参考例1で得られた画分Aの粉末ニゲロース、実施例2と同様に調製した結晶ニゲロース、実施例4で得た結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末、グラニュー糖そして上白糖を秤量ビンにとり、25℃、相対湿度65%の環境に放置し、経時的にそれぞれの質量を測定し、質量変化率を求めた。その結果を図4に示す。
また、参考例1で得られた画分Aの粉末ニゲロースは、開始後すぐにベタ付きが始まり、開始後1時間で粉末としての流動性を失った。これに対して、実施例2と同様に調製した結晶ニゲロースおよび実施例4で得た結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末は、開始後24時間を経てもべた付かず、流動性を保持していた。
吸湿性試験2
参考例1で得られた画分Aの粉末ニゲロース、実施例4と同様に調製した結晶ニゲロースの含有量の異なる含蜜結晶粉末(結晶ニゲロース含有量:80質量%、87質量%)、実施例2と同様に調製した結晶ニゲロース、実施例2と同様に調製した結晶ニゲロース(90質量%)に乳糖(7質量%)およびマルトオリゴ糖(3質量%、商品名「フジオリゴ#G67」、日本食品化工株式会社製)を混合した粉末そしてグラニュー糖を秤量ビンにとり、25℃、相対湿度65%の環境に放置し、経時的にそれぞれの質量を測定し、質量変化率を求めた。その結果を図5に示す。
また、参考例1で得られた画分Aの粉末ニゲロースは、開始後すぐにベタ付きが始まり、開始後2時間で潮解した。これに対して、実施例2と同様に調製した結晶ニゲロースおよび実施例4で得た結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末、乳糖およびマルトオリゴ糖混合結晶ニゲロースは、開始後24時間を経ても潮解しなかった。
粉末スポーツドリンク
実施例3と同様に調製した結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末 30質量部、ブドウ糖 9.3質量部、果糖 56.6質量部、クエン酸 2.00質量部、クエン酸ナトリウム 0.70質量部、塩化ナトリウム 0.48質量部、乳酸カルシウム 0.16質量部、テアニン 0.24質量部、バリン 0.12質量部、ロイシン 0.20質量部、イソロイシン 0.12質量部、ビタミンミックス 0.08質量部を混合し粉末スポーツドリンクを製造した。得られた粉末スポーツドリンク約50gを水1リットルに溶解し、飲用に供した。本品は、異味、異臭がなく、清涼感とコク味を兼ね備え優れたスポーツドリンクとして商品価値の高いものであった。
錠剤
実施例3と同様に調製した結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末 30g、乳糖 175g、結晶セルロース 1.2g、タルク 8gをよく混合し均一化した後、常法に従って打錠機に直接加圧することにより錠剤を製造した。得られた錠剤は、一錠(700mg)当たり、結晶ニゲロースを含む含蜜結晶を約98mg含有し、吸湿性がなく安定で物理的強度も充分にあった。これに対して、結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末を非晶質の粉末ニゲロースに置き換えた場合、保存中に吸湿をして錠剤に穴が生じてしまい製品価値が著しく低下した。
チューインガム
ガムベース 3質量部を柔らかくなる程度に加熱溶融し、これに無水結晶マルチトール 2質量部、キシリトール 3質量部および実施例3と同様に調製した結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末 2質量部を加え、これに適量の香料と着色料を混合し、常法に従ってロールにて練り合わせ、成型、包装して製品を得た。本品は、呈味、コク味、風味、テクスチャーが良好でチューインガムとして好適であった。
ハードキャンディー
砂糖60質量部、水飴(商品名「ハイマルトースシラップMC−55」、日本食品化工株式会社製)30質量部、実施例3と同様に調製した結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末10質量部を用い、副原料として香料を添加し、常法により加熱溶解し、155℃まで煮詰めた後、成形し、冷却固化させてハードキャンディーを得た。本品は、歯離れがよく、風味、コク味が良好で、吸湿性が少なく泣きを起こさない安定なキャンディーであった。
練りようかん
生あん 100質量部、グラニュー糖 100質量部、実施例3と同様に調製した結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末 46.25質量部、水飴(商品名「ハイマルトースシラップMC−55」、日本食品化工株式会社製)19.75質量部、粉末寒天 1.75質量部そして水 71.5質量部を用い、常法に従い加熱溶解した後、冷却固化して成形し、練りようかんを得た。本品は、口当たり、口どけに優れ、コク味のある練りようかんであった。
ウィンナソーセージ
牛肉 40質量部、豚肉 20質量部、ラード 40質量部、氷水 30質量部、デンプン 5質量部、塩 2.5質量部、実施例3と同様に調製した結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末 0.5質量部、粉砕ホワイトペッパー 0.25質量部、ナツメグ 0.06質量部、パプリカ 0.06質量部、アスコルビン酸 0.05質量部、亜硝酸ナトリウム 0.015質量部そしてリン酸塩 0.1質量部を加え、練り合わせ、ケーシングに充てんした後、燻煙・ボイルし、ウィンナソーセージを得た。本品は、コクがあり香り豊かなソーセージであった。
冷凍ハンバーグ
牛肉 30質量部、豚肉 17質量部、ソテーオニオン 20質量部、パン粉 5質量部、粒状植物タンパク 6質量部、デンプン(商品名「ねりこみ澱粉K−1」、日本食品化工株式会社製)0.8質量部、実施例3と同様に調製した結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末 2.5質量部、戻し水 12質量部、油脂 3.5質量部、濃口醤油 2質量部、ビーフエキス 1質量部、ベース調味料 1質量部、塩 0.2質量部、ブラックペッパー 0.2質量部、ナツメグ 0.05質量部、ガーリックパウダー 0.1質量部、カイエンペッパー 0.01質量部そして水 1.94質量部を混合練り合わせ、120gずつ成形した。これを230℃、9分間焼成し、冷却、包装し冷凍保存し冷凍ハンバーグを得た。本品を電子レンジにて解凍したところ、冷凍による離水が抑えられ、ジューシーでソフトな食感のハンバーグであった。
ペプチド飲料
コーンペプチド(商品名「ペプチーノ」、日本食品化工株式会社製)10質量部、実施例3と同様に調製した結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末 2.5質量部、ショ糖 6.5質量部、マルチトール 5質量部、W発酵液 5質量部、キルシュワッサー 2質量部、クエン酸 0.55質量部、アセロラ果汁 0.10質量部、香料 0.05質量部そして水 69.3質量部を混合し、ペプチド飲料を得た。本品は、ほのかな苦味と甘味が調和した飲料であった。
飼料
トウモロコシ 57.41質量部、マイロ 15.00質量部、実施例3と同様に調製した結晶ニゲロースを含む含蜜結晶粉末 5.00質量部、フスマ 5.00質量部、大豆粕 9.05質量部、ナタネ粕 3.00質量部、魚粉 2.00質量部、動物性油脂 1.65質量部、炭酸カルシウム 1.00質量部、リン酸二石灰 0.18質量部、食塩 0.20質量部、ビタミンB群 0.10質量部、ビタミンADE 0.10質量部、微量ミネラル 0.10質量部、塩酸L−リジン 0.17質量部、L−トリプトファン 0.01質量部そしてL−トレオニン 0.03質量部を混合し、飼料を得た。本品は、吸湿性も少なく安定で、子豚に与えた場合、食い付きがよく食べ残しも少ない飼料であった。
皮膚外用ローション
1% ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 18質量部、実施例2と同様に調製した結晶ニゲロース 1質量部、グリセリン 2質量部、褐藻エキス 0.5質量部そして精製水 78.5質量部を混合し、ローションを得た。本品は、皮膚の保湿性に優れ、柔軟にするので基礎化粧料として有用なものであった。
浴用組成物
乾燥硫酸ナトリウム 45質量部、炭酸水素ナトリウム 40質量部、塩化ナトリウム 5質量部、デキストリン 4質量部、実施例2と同様に調製した結晶ニゲロース 5質量部、PEG6000 0.7質量部、香料および色素を適量加え、入浴剤を得た。本品は、浴湯100Lあたり20g程度溶解し使用する。本品は、皮膚の保湿性、はり、きめをよくする効果やよく温まるので、入浴剤として日常的に利用できるものであった。
輸液
実施例2と同様に調製した結晶ニゲロース 5質量部を精製水に溶解し輸液を得た。本品は、水分と糖質の補給に使用することができるものであった。
Claims (18)
- ニゲロースを含む糖溶液から結晶ニゲロースを析出させるニゲロース含蜜結晶の製造方法であって、
前記糖溶液は、固形分当たり85質量%以上のニゲロースを含み、かつ、ニゲロース以外の二糖類を固形分当たり10質量%以下含むことを特徴とする、前記方法。 - 前記糖溶液の固形分濃度が55質量%以上である請求項1に記載の方法。
- 前記糖溶液の溶媒は、水、エタノール、およびメタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1または2に記載の方法。
- 前記糖溶液の溶媒は、80容量%未満のメタノールを含むメタノール水溶液である請求項3に記載の方法。
- 前記結晶の析出は、種結晶存在下で行われる請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 起晶および/または育晶のための冷却工程を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ニゲロース含蜜結晶を粉末化することを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により得られたニゲロース含蜜結晶から分蜜することにより結晶ニゲロースを得ることを特徴とする結晶ニゲロースの製造方法。
- 前記結晶ニゲロースを粉末化することを含む請求項8に記載の方法。
- 純度85%以上の結晶ニゲロース。
- 食品、飼料、餌料、化粧品、または医薬品に使用するための請求項10に記載の結晶ニゲロース。
- 純度85%以上の結晶ニゲロースを含むニゲロース含蜜結晶。
- 食品、飼料、餌料、化粧品または医薬品に使用するための請求項12に記載のニゲロース含蜜結晶。
- 結晶ニゲロースを80質量%以上含有する粉末ニゲロース。
- 前記結晶ニゲロースの純度は85%以上である、請求項14に記載の粉末ニゲロース。
- 分蜜液および/またはニゲロース以外の糖類を1種以上含有する請求項14または15に記載の粉末ニゲロース。
- 前記分蜜液および/またはニゲロース以外の糖類が、ブドウ糖、果糖、トレハロース、コージビオース、マルトース、イソマルトース、乳糖、水あめ、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、デキストリン、および糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項16に記載の粉末ニゲロース。
- 食品、飼料、餌料、化粧品または医薬品に使用するための請求項14〜17のいずれか1項に記載の粉末ニゲロース。
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